| タイトル: | 公開特許公報(A)_オランザピンの製造方法 |
| 出願番号: | 2012083865 |
| 年次: | 2013 |
| IPC分類: | C07D 495/04 |
榎戸 達樹 大山 哲也 JP 2013213004 公開特許公報(A) 20131017 2012083865 20120402 オランザピンの製造方法 大日本印刷株式会社 000002897 結田 純次 100127926 竹林 則幸 100140132 榎戸 達樹 大山 哲也 C07D 495/04 20060101AFI20130920BHJP JPC07D495/04 108 1 OL 7 4C071 4C071AA01 4C071AA07 4C071BB01 4C071BB05 4C071CC02 4C071CC21 4C071EE13 4C071FF07 4C071GG01 4C071HH17 4C071JJ08 4C071KK16 4C071LL01 本発明は、2−メチル−4−(4−メチル−1−ピペラジニル)−10H−チエノ[2,3−b][1,5]ベンゾジアゼピン(以後、本明細書では「オランザピン」という)の改良された製造方法、より具体的には、精製に活性白土を用いる、医薬品として望ましい外観を有するオランザピンの製造方法に関する。 オランザピンは、以下の化学構造を有する抗精神病薬の有効成分として有用な化合物であり、水和物および溶媒和物を含めて多くの多形が存在する。 オランザピンは、医薬品として望ましい外観を有することが商業的用途のために必要とされているが、特許文献1に記載の方法により製造されるI型と呼ばれる結晶多形は、望ましくない色を呈し、特に保管中にその色が変化することから、商業的用途には適さないとされている。一方、特許文献2に記載されるII型と呼ばれる結晶多形は、色安定性に優れており、錠剤等の医薬製剤の商業的用途にはこちらがふさわしい。 オランザピンの望ましくない着色は、オランザピン中に含まれる不純物が原因である。着色に起因するこれら不純物はごく微量であるため、HPLCやNMR等では検出できない場合もあり、商業的用途のためになおも不純物をできるだけ含まない高純度のオランザピンの製造方法が求められている。 その方法の一つとして、特許文献3には、非酸性酸化物吸着剤であるAl2O3等を使用することにより、オランザピン中に含まれる不純物の(E)−1−(クロロメチル)−1−メチル−4−(2−メチル−10H−ベンゾ[b]チエノ[2,3−e][1,4]ジアゼピン−4−イル)ピペラジン塩化物を除去する方法が記載されている。しかしこの方法は、人体や環境への有害性の高い塩化メチレンを吸着処理の溶媒として使用しなければならず、工業化には不向きとされている。 一方、特許文献4には、C1−C4アルカノールから選択されるアルカノール、またはその水との混合物とオランザピンの溶液を活性炭で吸着処理し、I型オランザピンを製造する方法が記載されている。しかしこの方法も不純物の除去が十分とは言えず、より不純物の除去に優れたオランザピンの製造方法が求められている。特開平7−89965号公報特開平11−502535公報国際公開第2011/009831号パンフレット特表2005−513144号公報 本発明は、医薬品として望ましい外観を有するオランザピンを製造する方法を提供することを目的とする。 本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、有機溶媒にオランザピンを溶解させたオランザピン溶液に、活性白土を添加してオランザピンを精製することにより、オランザピンに含まれる不純物を効果的に除去できることを見出し、本発明を完成するに至った。 すなわち、本発明は、有機溶媒にオランザピンを溶解させたオランザピン溶液に、活性白土を添加してオランザピンを精製することを特徴とするオランザピンの製造方法に関する。 本発明の製造方法は、不純物の除去に優れているため、着色が少なく、医薬品として望ましい外観を有するオランザピンを製造することができる。また、本発明の製造方法によれば、高純度のオランザピンを、簡便に、高収率で製造することができ、工業的な製造方法としても有用である。実施例1で得られた粗体オランザピン結晶の写真である。実施例1で得られた再結晶化1回のオランザピン結晶の写真である。実施例2で得られた再結晶化2回のオランザピン結晶の写真である。比較例1で得られた吸着処理を行わないオランザピン結晶の写真である。比較例2で得られた活性炭吸着処理を行ったオランザピン結晶の写真である。 本発明において製造されるオランザピンは、特に限定されないが、I型またはII型のオランザピン結晶多形が特に重要である。 I型の結晶多形は、特許文献1に記載の方法により製造される多形であり、9.9463, 8.5579, 8.2445, 6.8862, 6.3787, 6.2439, 5.5895, 5.3055, 4.9815, 4.8333, 4.7255, 4.6286, 4.533, 4.4624, 4.2915, 4.2346, 4.0855, 3.8254, 3.7489, 3.6983, 3.5817, 3.5064, 3.3392, 3.2806, 3.2138, 3.1118, 3.0507, 2.948, 2.8172, 2.7589, 2.6597, 2.6336, 2.5956Åのd(面間隔)値により示される典型的なX線粉末回析パターンを有する。 一方、II型の結晶多形は、特許文献2に記載の方法により製造される多形であり、10.2689, 8.577, 7.4721, 7.125, 6.1459, 6.071, 5.4849, 5.2181, 5.1251, 4.9874, 4.7665, 4.7158, 4.4787, 4.3307, 4.2294, 4.141, 3.9873, 3.7206, 3.5645, 3.5366, 3.3828, 3.2516,3.134, 3.0848, 3.0638, 3.0111, 2.8739, 2.8102, 2.7217, 2.6432, 2.6007Åのd(面間隔)値により示される典型的なX線粉末回析パターンを有する。 オランザピンは、公知の方法、例えば特許文献1、特許文献2等に開示される方法により製造することができる。特許文献1によれば、ジメチルスルホキシド/トルエン中で、4−アミノ-2-メチル−10H−チエノ[2,3−b][1,5]ベンゾジアゼピン塩酸塩とN−メチルピぺラジンを反応させ、水を添加してオランザピンを単離し、アセトニトリルで結晶化することによりI型オランザピンを製造することができる。一方、特許文献2によれば、ジメチルスルホキシド中で、4−アミノ-2-メチル−10H−チエノ[2,3−b][1,5]ベンゾジアゼピン塩酸塩とN−メチルピぺラジンを反応させ、メタノールおよび水を添加してオランザピンを単離し、無水酢酸エチルで結晶化することによりII型オランザピンを製造することができる。 本発明において用いられる有機溶媒は、オランザピンを溶解できる溶媒であれば特に限定されず、酢酸エステル(例えば、酢酸エチル、酢酸ブチルおよび酢酸イソプロピル)、メチルイソブチルケトン、トルエン等が挙げられる。本発明において用いられる有機溶媒は、好ましくは酢酸エステル、特に好ましくは酢酸エチルである。 本発明において、オランザピンは、攪拌または加熱により有機溶媒に溶解される。有機溶媒中のオランザピンの量は、オランザピン1gに対して、通常、有機溶媒1mL〜100mL、好ましくは3mL〜50mL、より好ましくは5mL〜15mLである。 本発明に用いられる活性白土は、天然に産出する酸性白土(モンモリロナイト系粘土)を硫酸などの鉱酸で処理したもので、大きい比表面積と吸着能を有する多孔質構造をもった化合物である。本発明に用いられる活性白土の比表面積は、50〜400m2/g、好ましくは100〜300m2/gであり、pH(5%サスペンジョン)は2.5〜9、特に3〜7のものが好ましい。 本発明において用いられる活性白土としては、例えば、ガレオンアースV2R、ガレオンアースNV、ガレオンアースGSF(以上、水澤化学工業(株)製)等の市販品が挙げられる。 本発明において、活性白土は、オランザピンに対し、0.5〜20重量%の量で使用される。活性白土は、オランザピンを有機溶媒中に溶解した後添加され、還流温度で10分〜3時間撹拌した後、濾過により除去される。 本発明の製造方法は、オランザピンを有機溶媒から再結晶化する工程を包含し、ここで、少なくとも1回の再結晶化工程において、有機溶媒中のオランザピンを活性白土で吸着処理し、次いで濾過することにより精製する。好ましくは、本発明は、再結晶化工程を2回以上繰り返し、少なくとも1回の再結晶化工程において有機溶媒中のオランザピンを活性白土で吸着処理する。特に好ましくは、本発明は、有機溶媒中のオランザピンを活性白土で吸着処理し、濾過し、次いで活性白土を除去した濾液から得られたオランザピンの結晶を、有機溶媒中に溶解し、冷却し、そして再結晶により精製する。 本発明において、再結晶化は、種結晶の存在下または非存在下で行うことができ、例えば、冷蔵、種付け、もしくは反応容器のガラスをこすることによって、または冷却およびその他の方法によって行うことができ、冷却および/または種付けが好ましい。 本発明の製造方法により得られたオランザピンは、不純物が効果的に除去されるため、従来の方法により得られたオランザピンよりも着色が少ない。 本発明において、医薬品として望ましい外観とは、黄色の結晶性粉末である。 オランザピンの着色について実施例では、DIC株式会社発行のDICカラーガイド第19版またはDICカラーガイドパートII第4版を指標として評価を行った。(実施例1)活性白土吸着処理を用いたオランザピンの製造(再結晶化1回) 4−アミノ−2−メチル−10H−チエノ[2,3−b][1,5]ベンゾジアゼピン塩酸塩(1.00g, 3.76mmol)とN−メチルピペラジン(2.26g, 22.58mmol)にジメチルスルホキシド(6.60g)を加え、100〜120℃の間で8時間撹拌した。反応はHPLCでモニターし、原料の4−アミノ−2−メチル−10H−チエノ[2,3−b][1,5]ベンゾジアゼピンが1%以下になったのを確認した後、室温まで冷却した。メタノール(7.91g)を滴下した後、水(3.00g)を滴下した。得られた溶液を6℃まで冷却し、析出した結晶をろ過、メタノールで洗浄し、黄土色(DIC−334,第19版)の粗体オランザピン結晶1.07g(収率90.7%)を得た。 得られた粗体オランザピン結晶(1.00g)に酢酸エチル(10mL)を加え、還流温度まで加熱を行った。オランザピン結晶が溶解したのを確認した後、活性白土(水澤化学工業株会社製、ガレオンアースV2R)(0.10g)を添加し、還流温度で30分撹拌した。熱ろ過で活性白土を除去し、得られたろ液を5℃まで冷却した。析出した結晶をろ過し、黄色(DIC−87,第19版)のオランザピン結晶0.61g(収率61%)を得た。得られた結晶は、XRDで測定すると、特許文献2に示されるII型の多形を示した。(実施例2)活性白土吸着処理を用いたオランザピンの製造(再結晶化2回) 実施例1と同様の方法により得られた粗体オランザピン結晶(47.20g)に酢酸エチル(425.27g)を加え、還流温度まで加熱を行った。オランザピン結晶が溶解したのを確認した後、活性白土(水澤化学工業株会社製、ガレオンアースV2R)(4.72g)を添加し、還流温度で30分撹拌した。熱ろ過で活性白土を除去し、得られたろ液を7℃まで冷却した。析出した結晶をろ過し、微灰黄色(DIC−597,第19版)のオランザピン結晶29.00g(収率63.0%)を得た。得られたオランザピン結晶(29.00g)に酢酸エチル(258.70g)を加え、還流温度まで加熱し、結晶が溶解したのを確認した後、5℃まで冷却した。析出した結晶をろ過し、黄色(DIC−2540,パートII第4版)のオランザピン結晶22.90g(収率79%)を得た。得られた結晶は、XRDで測定すると、特許文献2に示されるII型の多形を示した。(比較例1)吸着処理を行わないオランザピンの製造 実施例1と同様の方法により得られた粗体オランザピン結晶(0.50g)に酢酸エチル(5mL)を加え、還流温度まで加熱を行った。オランザピン結晶が溶解したのを確認した後、5℃まで冷却した。析出した結晶をろ過し、やや赤味を帯びた黄色(DIC−166,第19版)のオランザピン結晶0.25g(収率50%)を得た。(比較例2)活性炭吸着処理を行ったオランザピンの製造 実施例1と同様の方法により得られた粗体オランザピン結晶(0.50g)に酢酸エチル(5mL)を加え、還流温度まで加熱を行った。オランザピン結晶が溶解したのを確認した後、活性炭(0.05g)を添加し、還流温度で30分撹拌した。熱ろ過で活性炭を除去し、得られたろ液を5℃まで冷却した。析出した結晶をろ過し、やや赤味を帯びた黄色(DIC−57,第19版)のオランザピン結晶0.20g(収率40%)を得た。 有機溶媒にオランザピンを溶解させたオランザピン溶液に、活性白土を添加してオランザピンを精製することを特徴とする、オランザピンの製造方法。 【課題】 医薬品として望ましい外観を有する抗精神病薬オランザピンを製造する方法を提供すること。【解決手段】 有機溶媒にオランザピンを溶解させたオランザピン溶液に、活性白土を添加してオランザピンを精製することを特徴とする、II型オランザピンの製造方法。【選択図】 なし