タイトル: | 公開特許公報(A)_抗酸化機能亢進剤 |
出願番号: | 2012082368 |
年次: | 2013 |
IPC分類: | A61K 36/18,A61K 36/28,A61K 36/48,A61K 36/53,A61K 36/70,A61P 17/18,A61P 39/06,A61P 3/10,A61P 13/12,A61P 27/02,A61P 25/00,A61P 1/02,A61P 9/12,A61P 3/04,A61P 3/06,A61P 17/16 |
石角 篤 曽野 陽子 松本 元伸 前田 真理子 疇地 里衣 後藤 昌史 JP 2013209351 公開特許公報(A) 20131010 2012082368 20120330 抗酸化機能亢進剤 サンスター株式会社 000106324 石角 篤 曽野 陽子 松本 元伸 前田 真理子 疇地 里衣 後藤 昌史 A61K 36/18 20060101AFI20130913BHJP A61K 36/28 20060101ALI20130913BHJP A61K 36/48 20060101ALI20130913BHJP A61K 36/53 20060101ALI20130913BHJP A61K 36/70 20060101ALI20130913BHJP A61P 17/18 20060101ALI20130913BHJP A61P 39/06 20060101ALI20130913BHJP A61P 3/10 20060101ALI20130913BHJP A61P 13/12 20060101ALI20130913BHJP A61P 27/02 20060101ALI20130913BHJP A61P 25/00 20060101ALI20130913BHJP A61P 1/02 20060101ALI20130913BHJP A61P 9/12 20060101ALI20130913BHJP A61P 3/04 20060101ALI20130913BHJP A61P 3/06 20060101ALI20130913BHJP A61P 17/16 20060101ALI20130913BHJP JPA61K35/78 CA61K35/78 TA61K35/78 JA61K35/78 QA61K35/78 EA61P17/18A61P39/06A61P3/10A61P13/12A61P27/02A61P25/00A61P1/02A61P9/12A61P3/04A61P3/06A61P17/16 1 OL 10 4C088 4C088AB02 4C088AB12 4C088AB23 4C088AB26 4C088AB31 4C088AB38 4C088AB40 4C088AB43 4C088AB56 4C088AB60 4C088AB61 4C088AB64 4C088AB81 4C088AB88 4C088AC01 4C088AC02 4C088AC03 4C088AC04 4C088AC05 4C088AC06 4C088AC11 4C088AC12 4C088AC13 4C088BA09 4C088BA10 4C088CA05 4C088CA06 4C088MA07 4C088MA63 4C088NA14 4C088ZA01 4C088ZA33 4C088ZA42 4C088ZA67 4C088ZA81 4C088ZA89 4C088ZC35 本発明は体内の抗酸化機能亢進剤に関する。より詳細には、第II相解毒酵素又は抗酸化酵素の転写のNrf2(SKN−1)活性化を増強する組成物に関する。 生体は常に種々の物質から刺激を受け、その結果、体内に活性酸素種が生じる場合が多い。この活性酸素種は、生体に対して酸化的ストレスを与えることから、癌などの疾患だけでなく、老化症状を促進させるなど、多くの生体障害の原因となっていると考えられている。一方、生体は、活性酸素種などのようなフリーラジカルを除去し、且つ毒性物質を解毒する機構が本来備わっており、かかる酸化的ストレスに対して生体防御を行っていることが知られている。この媒介/解毒機構が損われると、防御機構はこれらの化学物質を完全に媒介及び解毒することができなくなり、疾病の発症を引き起こす可能性がある。 この課題を解決するため、抗酸化物質を摂取し、体内におけるフリーラジカルを減少・消失させ、疾患の発症や進行を予防する提案が数多くなされている。例えば、卵白加水分解物や植物抽出物などを活用する方法(特許文献1、2、3)、ビタミン類と抗酸化物質を併用する方法(特許文献4,5,6)が挙げられる。しかし、この方法で臨床的に有意な効果を得るためには、多量の抗酸化物質の摂取が必要となる場合が多く、多量の摂取により下痢を引き起こしたり、長期間摂取することにより毒性を生じたりするなどのリスクがあり、より安全性が高く、手軽に長期間使用できる効果的な技術の開発が望まれていた。特開2008−74816号公報特表2008−156344号公報特開2011−236149号公報特開2005−21098号公報特開2009−62330号公報特開2009−62331号公報 本発明は、SKN−1又はNrf2を活性化し、第II相解毒酵素(P2D)遺伝子の発現を強く誘導することで体内における抗酸化作用を増強させる、長期間摂取しても高い安全性に懸念のない体内抗酸化亢進剤を提供することを目的とする。 本発明者らは、驚くべき事に、特定の植物抽出物に優れたSKN−1又はNrf2の活性化効果が存在することを見出し、本発明を完成させるに至った。 すなわち、本発明は例えば以下の項1に係る体内抗酸化亢進剤を包含する。項1.ヤナギエキス、ニトベギクエキス、アカショウガエキス、ラフマエキス、カンゾウエキス、カミツレエキス、ノブドウエキス、オリーブエキス、セントジョーンズワートエキス、大豆エキス、ザクロエキス、アーティチョークエキス、マリアアザミエキス、ローズマリーエキス、ヤーコン葉エキス、イタドリ根エキス、イチョウ葉エキス、バレリアナエキス、セロリ種子エキス、レッドクローバーエキス、ニンニクエキスから選ばれる一種以上からなる体内抗酸化亢進剤。 本発明の体内抗酸化亢進剤は、古くから食経験がある植物から構成されることから、長期に渡って摂取しても副作用を生じるなどの安全性上の懸念が全くない。この体内抗酸化亢進剤を継続して摂取することにより、SKN−1/Nrf2が活性化し、その結果、第II相解毒酵素(P2D)遺伝子や他のいわゆる抗酸化遺伝子の発現を強く誘導することで、体内に発生するフリーラジカル量を減少し、若しくは消去し、糖尿病や糖尿病合併症 (腎症、網膜症、神経障害、歯周病)、高血圧、肥満、高脂血症などの生活習慣病や紫外線や加齢による皮膚障害などの発症予防やこれらの症状の進行を予防する効果を期待することが出来る。 以下、本発明について、さらに詳細に説明する。 本発明の体内抗酸化亢進剤は、ヤナギエキス、ニトベギクエキス、アカショウガエキス、ラフマエキス、カンゾウエキス、カミツレエキス、ノブドウエキス、オリーブエキス、セントジョーンズワートエキス、大豆エキス、ザクロエキス、アーティチョークエキス、マリアアザミエキス、ローズマリーエキス、ヤーコン葉エキス、イタドリ根エキス、イチョウ葉エキス、バレリアナエキス、セロリ種子エキス、レッドクローバーエキス、ニンニクエキスから選ばれる一種以上からなるものである。以下に詳しく説明する。 本発明に使用するヤナギエキスとは、サリックス・ダフノイデス(Salix daphnoides、セイヨウエゾヤナギ)、サリックス・プルプレア(Salix purpurea、セイヨウコリヤナギ)、サリックス・フラギリス(Salix fragilis、ポッキリヤナギ)、サリックス・アルバ(Salix alba、セイヨウシロヤナギ、White Willow)のエキスであり、単独若しくは二種以上を混合して使用できる。抽出に際しては、これら植物の芽、葉、枝、樹皮を供することができ、特に芽、枝、樹皮を使用することが好ましい。使用できる抽出溶媒は、特に水、エタノールの単独または混液が好ましい。本発明のヤナギエキスは、例えば、欧州薬局方およびドイツ薬局方に規格に適合する「Salicis cort extract(Frutarom Switzerland Ltd.社製)」を使用できる。「Salicis cort extract(Frutarom Switzerland Ltd.社製)」は、具体的には「Salicis cort extract(Frutarom Switzerland Ltd.社製)」は、「Salix purpurea、Salix daphnoidesおよびSalix fragilisの樹皮および/または新芽・若枝を、水を用いて抽出して得られた粉末状のエキス」である。 本発明に使用するニトベギクエキスとは、キク科植物であるニトベギク(Tithonia diversifolia)のエキスである。抽出に際しては、水、またはエタノールの単独または混液を供することができ、特に、水とエタノールの混液が好ましい。 本発明に使用するアカショウガエキスは、ショウガ科ショウガ属の多年草植物であるZingiber officinale var. Rubraのエキスである。抽出に際しては、この植物の、花、茎、葉、根茎、根皮、根又は全草を供することができるが、特に根茎が好ましい。使用できる抽出溶媒は、特に、水、エタノールの単独または混液が好ましく、混液の混合比は例えば水:エタノールの体積比で約100:1〜約1:200が好ましく、約20:1〜約1:20がより好ましい。 本発明に使用するラフマエキスは、キョウチクトウ科の多年草植物であるApocynum venetumのエキスである。抽出に際しては、この植物の、花、茎、葉、樹皮を用いることができるが、特に葉が好ましい。使用できる抽出溶媒は、特に、水、エタノールの単独または混液が好ましい。 本発明に使用するカンゾウエキスは、マメ科カンゾウ属の多年草植物であるGlycyrrhiza L.のエキスである。具体的には、ロシアカンゾウ(Glycyrrhiza echinata)、リコリス(Glycyrrhiza glabra)、アメリカカンゾウ(Glycyrrhiza lepidota)、ウラルカンゾウ(Glycyrrhiza uralensis)、新彊カンゾウ(Glycyrrhiza inflate)など18種が知られている。抽出に際しては、この植物の、花、茎、葉、根茎、根皮、根又は全草を用いることができるが、特に根茎が好ましい。使用できる抽出溶媒は、特に、水、エタノールの単独または混液が好ましい。 本発明に使用するカミツレエキスは、キク科シカギク属の1年草であるMatricaria recutitaのエキスである。抽出に際しては、この植物の、花、茎、葉、全草を用いることができるが、特に、茎、葉が好ましい。使用できる抽出溶媒は、特に、水、エタノールの単独または混液が好ましい。 本発明に使用するノブドウエキスは、ブドウ科ノブドウ属の植物であるAmpelopsis glandulosa var. heterophyllaのエキスである。抽出に際しては、この植物の、花、茎、葉、果実、全草を用いることができるが、特に、葉、茎、果実が好ましい。使用できる抽出溶媒は、特に、水、エタノールの単独または混液が好ましい。 本発明で使用するオリーブエキスとは、モクセイ科オリーブ属の植物であるオリーブ(Olea europaea Linne)やその同属種(例えば、Olea welwitschii、Olea paniculataなど)のエキスである。これらは500を超える品種が存在するが、品種の代表例として、ネバディブロンコ、マンザニロ、ピクアル、ホジブランコ、アルベキナ、カタマラ、コロネイキ、ピッチョリーネ、パラゴン、ワッガベルダル、ミッション、ワシントン、ウエストオーストラリアミッション、サウスオーストラリアベンダル、アザパ、バルネア、コルニカブラ、ゴルダル、フラントイオ、レッチーノ、チプレッシーノ、ルッカ、アスコラーナテレナ、コレッジョッラ、モロイオロ、ブラックイタリアン、コラティーナ、ヘレナ、ロシオーラ、ワンセブンセブン、エルグレコ、ハーディズマンモスなどが挙げられる。抽出に際しては、主に葉または果実を使用する。使用できる抽出溶媒は、特に水、エタノールの単独または混液が好ましく、混液の混合比は例えば水:エタノールの体積比で約100:1〜約1:200が好ましく、約20:1〜1:20がより好ましく、約1:9〜1:1が最も好ましい。また、抽出時の溶媒の温度は約−4℃〜約200℃の範囲であればよいが、約30℃〜約150℃が好ましく、約40℃〜約80℃がより好ましい。 本発明に使用するセントジョーンズワートエキスは、テリハボク科オトギリソウ属の植物であるHypericum perforatum Lのエキスである。抽出に際しては、この植物の、花、茎、葉、果実、全草を用いることができるが、特に、茎、葉、全草が好ましい。使用できる抽出溶媒は、特に、水、エタノールの単独または混液が好ましい。 本発明に使用する大豆エキスは、マメ科ダイズ属の1年草植物であるGlycine maxのエキスである。抽出に際しては、この植物の種子を用いる。使用できる抽出溶媒は、特に、水、エタノールの単独または混液が好ましい。 本発明に使用するザクロエキスは、ザクロ科ザクロ属の植物であるPunica granatumのエキスである。抽出に際しては、この植物の果実を用いる。使用できる抽出溶媒は、特に、水、エタノールの単独または混液が好ましい。本発明に試用するアーティチョークエキスは、別名チョウセンアザミ、グローブアーティチョークなどとも呼ばれるキク科チョウセンアザミ属のCynara scolymusのエキスである。抽出に際しては、この植物の花、果実、葉、根、種子または全草を用いることができるが、特に地上部の植物全体を使用することが好ましい。使用できる抽出溶媒は有機溶剤、有機溶剤と水の混合物、水を用いて抽出することにより得られ、特にエタノールが好ましい。 本発明に使用するマリアアザミエキスは、キク科オオアザミ属の多年草植物であるSilybum marianumのエキスである。抽出に際しては、この植物の、花、葉、茎、全草を用いることができるが、特に葉、茎が好ましい。使用できる抽出溶媒は、特に水、エタノールの単独または混液が好ましい。 本発明に使用するローズマリーエキスは、シソ科植物であるRosmarinus officinalis Lのエキスである。抽出に際しては、この植物の、葉、茎、全草を用いることができるが、特に全草が好ましい。使用できる抽出溶媒は、特に、水、エタノールの単独または混液が好ましい。 本発明に使用するヤーコンエキスは、キク科の多年草植物であるSmallanthus sonchifoliusのエキスである。抽出に際しては、この植物の葉、茎、根を用いることができるが、特に根が好ましい。使用できる抽出溶媒は、水、エタノールの単独または混液が好ましい。 本発明に使用するイタドリ根エキスは、タデ科の多年生植物であるFallopia japonicaの地下部のエキスである。使用できる抽出溶媒は、エタノール、酢酸エチル、水の単独または混液であり、エタノ−ル及びエタノール/水混液が好ましい。 本発明に使用するイチョウ葉エキスは、イチョウ科イチョウ属のGinkgo bilobaのエキスである。抽出に際しては、この植物の葉を主として用いる。使用できる抽出溶媒は有機溶剤、有機溶剤と水の混合物、水を用いて抽出することにより得られ、特に水が好ましい。 本発明に使用するバレリアナエキスは、別名バレリアン、西洋カノコソウなどとも呼ばれるオミナエシ科カノコソウ属のValeriana officinalisのエキスである。抽出に際しては、この植物の花、果実、葉、根、種子または全草を用いることができるが、特に地下部を使用することが好ましい。使用できる抽出溶媒は有機溶剤、有機溶剤と水の混合物、水を用いて抽出することにより得られ、特にエタノールが好ましい 本発明に使用するセロリエキスは、別名オランダミツバ、清正人参とも呼ばれるセリ科 オランダミツバ属のApium graveolensのエキスである。抽出に際しては、この植物の種子を用いる。使用できる抽出溶媒は有機溶剤、有機溶剤と水の混合物、水を用いて抽出することにより得られ、特にエタノールが好ましい。 本発明に使用するレッドクローバーエキスは、和名でムラサキツメクサ、アカツメクサとも呼ばれるマメ科シャジクソウ属のTrifolium pratenseのエキスである。抽出に際しては、この植物の花、果実、葉、根、種子または全草を用いることができるが、特に地上部の植物全体を使用することが好ましい。使用できる抽出溶媒は有機溶剤、有機溶剤と水の混合物、水を用いて抽出することにより得られ、特にエタノールが好ましい。 本発明に使用するニンニクエキスは、ネギ科の多年生植物であるAllium sativumのエキスである。抽出に際しては、この植物の葉、根または全草を用いることができるが、特に地下部を使用することが好ましい。使用できる抽出溶媒は有機溶剤、有機溶剤と水の混合物、水を用いて抽出することにより得られ、特にエタノールが好ましい。上記のうち、ヤナギエキス、アカショウガエキス、ラフマエキス、カンゾウエキス、カミツレエキス、オリーブエキス、大豆エキス、マリアアザミエキス、ヤーコン葉エキス、イタドリ根エキス、レッドクローバーが好ましく、ヤナギエキス、アカショウガエキス、カンゾウエキス、カミツレエキス、オリーブ葉エキス、マリアアザミエキス、レッドクローバーがより好ましく、アカショウガエキス、カミツレエキス、オリーブ葉エキスが最も好ましい。 本発明に使用できる抽出溶媒としては、例えば、水、エタノールのほか、石油エーテル、ヘキサン、ブタノール、プロパノール、メタノール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコールが挙げられるが、水溶性の溶媒が好ましい。 抽出方法については、その溶媒の温度や原料に対する溶媒の重量比率、または抽出時間についても、種々の原料および使用する溶媒に対しそれぞれを任意に設定することができる。溶媒の温度としては一般的に約−4℃から約200℃の範囲で任意に設定できるが、原料中に含まれる成分の抽出効率および安定性の点から、約30〜150℃が好ましく、約40〜100℃がより好ましい。 上記の溶媒を用いて得られたエキスは、さらに適宜精製、濃縮、乾燥などの操作を施して使用することができる。例えば、酸(無機酸、有機酸等)またはアルカリ(水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、アンモニア等)の添加による分解、醗酵処理、微生物を用いた代謝変換処理、イオン交換樹脂や活性炭、ケイ藻土等による成分吸着、クロマトグラフィーを用いた分画、濾紙やメンブランフィルター、限外濾過膜などを用いた濾過、加圧または減圧、加温または冷却、スプレードライ、凍結乾燥、pH調整、脱臭、脱色、長時間の静置保管などが例示でき、これらを任意に選択して組合わせた処理を行うことが可能である。 得られたエキスは、そのまま、または希釈、濃縮もしくは凍結乾燥した後、必要に応じて粉末状またはペースト状などに調製し、適宜製剤化して本発明の生体内抗酸化亢進剤として使用することができる。また、さらに必要により活性炭などを用いて脱臭、脱色等の精製処理を施してから使用することもできる。 本発明の生体内抗酸化亢進剤はそのまま使用でき、必要に応じて、カプセル化、顆粒化し摂取することが出来る。また、所期の効果を損なわない限り、通常の経口組成物に配合することで使用することもできる。前記経口組成物としては、医薬品組成物、医薬部外品組成物および食品組成物が挙げられる。本発明の生体内抗酸化亢進剤を配合したこれらの経口組成物は、生体内のフリーラジカルを減少させることで、糖尿病や糖尿病合併症 (腎症、網膜症、神経障害、歯周病)、高血圧、肥満、高脂血症などの生活習慣病や紫外線や加齢による皮膚障害などの発症予防や症状を緩和させる効果が期待できることから、これらの疾病を発症している人や発症するリスクの高い人用の経口組成物として使用できる。 以下、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の例に限定されるものではない。文中、特に指定がない限り%は質量%を示す。各種エキスのNrf2の活性化評価 下記の被検体に対して、Nrf2の活性化の度合いを評価した。評価にはNrf2が重要な役割を果たしている血管内皮細胞として、ヒト臍帯静脈血管内皮細胞(HUVEC)を用いた。HUVECは、37℃、5%CO2存在下で、10%FBS、10 mMグルタミン(Gibco社製)、10 nMFGF(科研製薬社製)、100U/mlペニシリン、100μg/mlストレプトマイシン(Gibco社製)を含有するMCDB131培地(Sigma Aldrich社製)にて培養し継代を行った。継代数4のHUVECsをTypeIコラーゲンでコートした12well培養フラスコ(住友ベークライト社製)に3.4×104/wellの濃度で播種した。48時間培養後、Nrf2の応答配列であるAntioxidant response element (ARE)を組み込んだホタルルシフェラーゼ発現プラスミド(pGL4.27[NRF2-luc2P/minP/Hygro])0.2μgとウミシイタケルシフェラーゼ発現コントロールプラスミド(pRL-TK)0.05μgをSuperFect Transfection試薬(QIAGEN社製)を用いて遺伝子導入した。8時間後、細胞を各々の被験体で16時間処理後、ホタル、およびウミシイタケのルシフェラーゼ活性をDual-Luciferase Reporter Assay System(Promega社製)を用いてルミノメーター(GloMax 20/20n、Promega社製)にて測定した。各々の被験体のホタルルシフェラーゼ活性は、ウミシイタケのルシフェラーゼ活性により補正し、コントロールに対するAREルシフェラーゼ活性比を求めた。測定結果を、表1に示す。なお、評価に供した資料は以下の通りである。なお、括弧内の記載は抽出溶媒の種類を意味する。セイヨウヤナギエキス(水)ニトベギクエキス(水)アカショウガエキス(水/エタノール混合液)ラフマエキス(水)カンゾウエキス(水)カミツレエキス(50%エタノール)ノブドウエキス(水/エタノール混合液)オリーブ葉抽出物(80%エタノール)オリーブ果実ポリフェノール(水)セントジョーンズワートエキス(水)大豆エキス(大豆サポニン)(水)イチョウ葉エキス:ギンコロン(水)ザクロ果実エキス(60%エタノール)アーティチョークエキス(水)マリアアザミエキス(エタノール)ローズマリーエキス(水)ヤーコン葉エキス(水)バレリアナ根エキス(70%エタノール)セロリ種子エキス(水)レッドクローバーエキス(エタノール)生コーヒー豆エキス(水/エタノール混合液)ルチン杜仲エキス(水) 表1に示したとおり、ヤナギエキス、ニトベギクエキス、アカショウガエキス、ラフマエキス、カンゾウエキス、カミツレエキス、ノブドウエキス、オリーブ葉エキス、セントジョーンズワートエキス、大豆エキス、ザクロエキス、アーティチョークエキス、マリアアザミエキス、ローズマリーエキス、ヤーコン葉エキス、イタドリ根エキス、イチョウ葉エキス、バレリアナエキス、セロリ種子エキス、レッドクローバーエキス、ニンニクエキスは、コントロールに対して2倍以上のNrf2活性化効果を有することが判った。特に、ヤナギエキス、アカショウガエキス、ラフマエキス、カンゾウエキス、カミツレエキス、オリーブ葉エキス、オリーブ果実ポリフェノール(エキス)、大豆エキス、マリアアザミエキス、ヤーコン葉エキス、レッドクローバーはコントロールに対して5倍以上のNrf2活性化効果を有し、アカショウガエキス、カミツレエキス、オリーブ葉エキスはコントロールに対して10倍以上のNrf2活性化効果を有することが判った。一方、強い抗酸化力を有することが知られている生コーヒーエキス豆エキス、ルチン、杜仲エキスなどにはNrf2活性化作用が存在しないことがわかった。ヤナギエキス、ニトベギクエキス、アカショウガエキス、ラフマエキス、カンゾウエキス、カミツレエキス、ノブドウエキス、オリーブエキス、セントジョーンズワートエキス、大豆エキス、ザクロエキス、アーティチョークエキス、マリアアザミエキス、ローズマリーエキス、ヤーコン葉エキス、イタドリ根エキス、イチョウ葉エキス、バレリアナエキス、セロリ種子エキス、レッドクローバーエキス、ニンニクエキスから選ばれる一種以上からなる体内抗酸化亢進剤。 【課題】SKN−1又はNrf2を活性化し、第II相解毒酵素(P2D)遺伝子の発現を強く誘導することで体内における抗酸化作用を増強させる、長期間摂取しても高い安全性に懸念のない体内抗酸化亢進剤を提供すること。【解決手段】ヤナギエキス、ニトベギクエキス、アカショウガエキス、ラフマエキス、カンゾウエキス、カミツレエキス、ノブドウエキス、オリーブエキス、セントジョーンズワートエキス、大豆エキス、ザクロエキス、アーティチョークエキス、マリアアザミエキス、ローズマリーエキス、ヤーコン葉エキス、イタドリ根エキス、イチョウ葉エキス、バレリアナエキス、セロリ種子エキス、レッドクローバーエキス、ニンニクエキスから選ばれる一種以上からなる体内抗酸化亢進剤を提供する。【選択図】なし