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タイトル:再公表特許(A1)_エクソソームの分析方法、エクソソーム分析用試薬およびエクソソーム分析装置
出願番号:2012077621
年次:2015
IPC分類:G01N 33/53,G01N 33/542,G01N 33/531


特許情報キャッシュ

落谷 孝広 JP WO2013094307 20130627 JP2012077621 20121025 エクソソームの分析方法、エクソソーム分析用試薬およびエクソソーム分析装置 落谷 孝広 503299295 辻丸 光一郎 100115255 中山 ゆみ 100129137 伊佐治 創 100154081 落谷 孝広 JP 2011281618 20111222 G01N 33/53 20060101AFI20150331BHJP G01N 33/542 20060101ALI20150331BHJP G01N 33/531 20060101ALI20150331BHJP JPG01N33/53 DG01N33/53 YG01N33/542 AG01N33/531 B AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC 再公表特許(A1) 20150427 2013550169 22 本発明は、エクソソームの分析方法、エクソソーム分析用試薬およびエクソソーム分析装置に関する。 臨床において、がんの診断には、例えば、がん細胞に特徴的に発現する腫瘍関連抗原(いわゆる、腫瘍マーカー)が使用されている。このような腫瘍マーカーの分析には、腫瘍マーカーに特異的に結合する抗体による分析方法が使用されている。 一方、卵巣がん患者において、がんの進行に伴い、血液中のエクソソーム量が増大することが報告されている(非特許文献1)。Taylor et al., Gynecologic Oncol, 100(2008) pp13-21 前記非特許文献1における血液中のエクソソームの分析は、エクソソームにおいて発現している特定のマイクロRNA(miRNA)の分析によるものであり、miRNAの分析には、煩雑な操作が必要である。 そこで、本発明は、試料中のエクソソームを簡易に分析可能なエクソソームの分析方法、エクソソーム分析用試薬およびエクソソーム分析装置を提供することを目的とする。 本発明のエクソソームの分析方法は、試料中のエクソソームを分析するエクソソームの分析方法であって、前記試料に、前記エクソソームが有する第1抗原と特異的に結合する第1抗体、および前記エクソソームが有する第2抗原と特異的に結合する第2抗体を添加する添加工程と、前記第1抗原および前記第1抗体を反応させ、前記第2抗原および前記第2抗体を反応させる反応工程と、前記第1抗原および前記第1抗体の反応と、前記第2抗原および前記第2抗体の反応とを検出する検出工程とを含むことを特徴とする。 本発明のエクソソーム分析用試薬は、試料中のエクソソームの分析に使用する試薬であって、前記エクソソームが有する第1抗原と特異的に結合する第1抗体と、前記エクソソームが有する第2抗原と特異的に結合する第2抗体とを含み、前記本発明の分析方法に使用することを特徴とする。 本発明のエクソソーム分析装置は、試料中のエクソソームを分析する装置であって、前記試料に、前記エクソソームが有する第1抗原と特異的に結合する第1抗体、および前記エクソソームが有する第2抗原と特異的に結合する第2抗体を添加する添加手段と、前記第1抗原および前記第1抗体を反応させ、前記第2抗原および前記第2抗体を反応させる反応手段と、前記第1抗原および前記第1抗体の反応と、前記第2抗原および前記第2抗体の反応とを検出する検出手段とを含み、前記本発明の分析方法に使用することを特徴とする。 本発明によれば、試料中のエクソソームを簡易に分析できる。このため、例えば、本発明の分析方法は、がんの発症の有無、がんの再発の有無等のがんの診断等に極めて有用であり、臨床検査への適用が大いに期待される。また、本発明のエクソソーム分析用試薬およびエクソソーム分析装置によれば、本発明の分析方法を、効率的に行える。図1Aは、本発明の分析方法の一例を説明する模式図である。図1Bは、本発明の分析方法のその他の例を説明する模式図である。図1Cは、本発明の分析方法のさらにその他の例を説明する模式図である。図2Aは、本発明の実施例において、抗体がビオチン化されていることを確認した結果を示すグラフである。図2Bは、本発明の実施例において、抗体がAlphaLISAアクセプタービーズ(Acceptor Beads)に結合していることを確認した結果を示すグラフである。図2Cは、本発明の実施例において、エクソソーム定量分析に使用する検量線(ビオチン化抗体:Purified Mouse Anti-Human CD63、アクセプタービーズ(Acceptor Beads)結合抗体:Purified Mouse Anti-Human CD63)である。図2Dは、本発明の実施例において、エクソソーム定量分析に使用する検量線(ビオチン化抗体:Purified Mouse Anti-Human CD9、アクセプタービーズ(Acceptor Beads)結合抗体:Purified Mouse Anti-Human CD9)である。図2Eは、本発明の実施例において、エクソソーム定量分析に使用する検量線(ビオチン化抗体:Purified Mouse Anti-Human CD81、アクセプタービーズ(Acceptor Beads)結合抗体:Purified Mouse Anti-Human CD81)である。図2Fは、本発明の実施例において、エクソソーム定量分析に使用する検量線(ビオチン化抗体:Purified Mouse Anti-Human CD63、アクセプタービーズ(Acceptor Beads)結合抗体:Purified Mouse Anti-Human CD9)である。図2Gは、本発明の実施例において、エクソソーム定量分析に使用する検量線(ビオチン化抗体:Purified Mouse Anti-Human CD9、アクセプタービーズ(Acceptor Beads)結合抗体:Purified Mouse Anti-Human CD81)である。図2Hは、本発明の実施例において、エクソソーム定量分析に使用する検量線(ビオチン化抗体:Purified Mouse Anti-Human CD81、アクセプタービーズ(Acceptor Beads)結合抗体:Purified Mouse Anti-Human CD63)である。図3は、本発明の実施例1における、前立腺がん患者の血清および健常者の血清中のエクソソームの分析結果を示すグラフである。図4は、本発明の実施例2における、肝がん患者のがんの切除手術直後の血清および再発時の血清中のエクソソームの分析結果を示すグラフである。[エクソソームの分析方法] 本発明のエクソソームの分析方法は、前述のように、試料中のエクソソームを分析するエクソソームの分析方法であって、前記試料に、前記エクソソームが有する第1抗原と特異的に結合する第1抗体、および前記エクソソームが有する第2抗原と特異的に結合する第2抗体を添加する添加工程と、前記第1抗原および前記第1抗体を反応させ、前記第2抗原および前記第2抗体を反応させる反応工程と、前記第1抗原および前記第1抗体の反応と、前記第2抗原および前記第2抗体の反応とを検出する検出工程とを含むことを特徴とする。 前記試料は、特に制限されず、例えば、生体由来の試料等があげられる。前記生体由来の試料は、特に制限されず、例えば、血液、尿、汗、唾液、母乳、精液、リンパ液、脳脊髄液、涙液等があげられる。前記血液試料は、例えば、全血、血清、血漿等があげられ、これらの中でも、血清が特に好ましい。 前記試料は、例えば、取り扱いが容易であることから、液状の検体(液体検体)が好ましい。前記試料は、例えば、未希釈液をそのまま液体検体として使用してもよいし、溶媒に、懸濁、分散または溶解した希釈液を液体検体として使用してもよい。前記検体が固体の場合、例えば、前記溶媒に懸濁、分散または溶解した希釈液を液体検体として使用してもよい。前記溶媒は、特に制限されず、例えば、水、緩衝液等があげられる。前記緩衝液は、特に制限されず、例えば、従来公知の緩衝液があげられる。また、前記試料は、例えば、前記血液等から、超遠心法等によりエクソソームを調製し、これに、前記溶媒等を添加して調製してもよい。 前記試料の使用量は、特に制限されず、例えば、1〜15μLの範囲である。このように、本発明によれば、例えば、少量の試料で、エクソソームを分析できる。前記試料の使用量は、1〜10μLの範囲であることが好ましく、より好ましくは1〜5μLの範囲である。 前記エクソソームは、動物細胞から分泌される直径30〜100nmの脂質二重膜で覆われた膜小胞であり、抗原を有する。本発明によれば、前記エクソソームが有する二つの抗原(前記第1抗原および前記第2抗原)を利用して、試料中のエクソソームを分析する。このため、試料中のエクソソームを簡易に分析できる。前記分析は、例えば、定性分析でもよいし、定量分析でもよいし、半定量分析でもよい。 前記エクソソームが有する第1抗原および第2抗原は、例えば、前記エクソソームに特異的に発現している抗原(以下、「エクソソーム特異的抗原」ということがある。)、または前記エクソソームを分泌する細胞に特異的な抗原(以下、「細胞種特異的抗原」ということがある。)があげられる。前記第1抗原および前記第2抗原の組み合わせは、例えば、下記(1)〜(3)の3通りが例示できる。(1)第1抗原:エクソソーム特異的抗原、第2抗原:エクソソーム特異的抗原(2)第1抗原:エクソソーム特異的抗原、第2抗原:細胞種特異的抗原(3)第1抗原:細胞種特異的抗原、 第2抗原:エクソソーム特異的抗原 前記エクソソーム特異的抗原は、例えば、CD63、CD9、CD81、CD37、CD53、CD82、CD13、CD11、CD86、ICAM-1、Rab5、Annexin V、LAMP1等があげられる。前記細胞種特異的抗原は、例えば、エクソソームの分析対象とする細胞の種類により適宜決定できる。前記細胞が、がん細胞である場合、前記細胞種特異的抗原は、例えば、がん細胞特異的抗原ということができ、例えば、Caveolin-1、EpCAM、FasL、TRAIL、Galectine3、CD151、Tetraspanin 8、EGFR、HER2、RPN2、CD44、TGF-β等があげられる。前記細胞は、前記がん細胞に限定されず、例えば、エクソソームが関与する疾患に関連する細胞があげられ、具体的には、例えば、アルツハイマー等の神経変性疾患、免疫不全に関連する疾患、不妊、うつ病、自閉症等の精神疾患、パーキンソン病等の難治療性疾患、自己免疫性疾患、リウマチアレルギー性疾患等に関連する細胞があげられる。前記細胞種特異的抗原は、前記がん細胞特異的抗原に限定されず、例えば、前述のエクソソームが関与する疾患に関連する細胞に特異的に発現している抗原でもよい。 前述のように、前記第1抗体は、前記第1抗原に特異的に結合する抗体であり、前記第2抗体は、前記第2抗原に特異的に結合する抗体である。前記第1抗体および前記第2抗体は、例えば、免疫グロブリン(Ig)、抗体フラグメント、キメラ抗体等があげられる。前記免疫グロブリンは、例えば、IgG、IgA、IgM、IgE、IgD等があげられる。前記抗体フラグメントは、例えば、Fab、Fab’、F(ab’)2等があげられる。前記キメラ抗体は、例えば、ヒト化抗体等があげられる。前記抗体は、例えば、マウス、ウサギ、ウシ、ブタ、ウマ、ヒツジ、ヤギ等の哺乳動物、ニワトリ等の鳥類、ヒト等の動物種由来のものでもよく、特に制限されない。前記抗体は、例えば、前記動物種由来の血清から、従来公知の方法により調製してもよいし、市販の抗体を使用してもよい。前記抗体は、例えば、ポリクローナル抗体およびモノクローナル抗体のいずれでもよく、モノクローナル抗体が好ましい。 前記第1抗体は、励起光により励起される励起標識に結合可能な抗体であることが好ましく、この場合、前記第2抗体は、前記励起標識の励起により発生する一重項酸素によりシグナルを発するシグナル発生標識に結合した抗体であることが好ましい。前記励起標識は、前記第1抗体に結合可能であり、励起光により励起される標識である。前記励起標識は、励起担体であることが好ましく、具体的には、例えば、PerkinElmer社製の励起担体(いわゆる、「ドナービーズ」)があげられる。前記励起標識を励起する励起光の波長は、特に制限されず、前記励起標識の種類等に応じて、適宜設定できる。前記第1抗体と前記励起標識との結合の方式は、特に制限されず、例えば、前記第1抗体をビオチン化された抗体とし、前記励起標識をストレプトアビジン被覆標識とし、両者を結合する方式があげられる。前記第1抗体のビオチン化は、従来公知の方法により行え、具体的には、例えば、後述の実施例に記載の方法より行える。前記ストレプトアビジン被覆標識は、例えば、PerkinElmer社製の「AlphaScreenストレプトアビジンドナービーズ(Streptavidin-coated Alpha Donor Bead)」を使用できる。 前記シグナル発生標識は、前記励起標識の励起により発生された一重項酸素によりシグナルを発する。前記シグナル発生標識は、シグナル発生担体であることが好ましい。前記シグナルは、蛍光シグナルが好ましい。このようなシグナル発生標識は、具体的には、例えば、PerkinElmer社製の「AlphaLISA Acceptor Beads」(いわゆる、「アクセプタービーズ」)があげられる。前記第2抗体と前記シグナル発生標識との結合方法は、特に制限されず、例えば、後述の実施例に記載の方法により行える。 本発明の分析方法において、エクソソームの分析を妨げない範囲で、反応液には、従来公知の添加剤が含まれていてもよい。ただし、本発明の分析方法においては、エクソソーム分析を、界面活性剤が含まれていない反応液中で行うことが好ましい。前記界面活性剤は、例えば、Triton X-100等があげられる。前記反応液に、前記界面活性剤が含まれていることで、例えば、エクソソームの分析精度が低下する場合があるためである。前記反応液に、前記界面活性剤を含まないようにするために、前記試料、前記第1抗体および前記第2抗体の調製において、前記界面活性剤を使用しないことが好ましい。 以下に、本発明の分析方法について、実施形態1〜3の3通りの分析方法を例示する。ただし、本発明は、以下の実施形態には限定されない。実施形態1の分析方法は、前記第1抗体および前記第2抗体として、エクソソーム特異的抗原に結合する抗体を使用する実施形態である。実施形態2の分析方法は、第1抗体として、エクソソーム特異的抗原に結合する抗体を使用し、第2抗体として、細胞種特異的抗原に結合する抗体を使用する実施形態である。実施形態3の分析方法は、第1抗体として、細胞種特異的抗原に結合する抗体を使用し、第2抗体として、エクソソーム特異的抗原に結合する抗体を使用する実施形態である。実施形態1〜3の分析方法において、前記第1抗体は、前記励起標識に結合可能な抗体であり、前記第2抗体は、前記シグナル発生標識に結合した抗体であり、前記添加工程において前記励起標識を添加し、前記試料として血清を使用する。(実施形態1) まず、実施形態1の分析方法について、説明する。実施形態1の分析方法は、前述のように、前記第1抗体および前記第2抗体として、エクソソーム特異的抗原に結合する抗体を使用し、前記添加工程、前記反応工程および前記検出工程を行う。 まず、前記血清試料に、前記第1抗体、前記第2抗体および前記励起標識を添加する。前記各組成の添加順序は、特に制限されず、例えば、前記第1抗体および前記第2抗体を先に添加し、インキュベートした後に、前記励起標識を添加するのが好ましい。 つぎに、前記反応工程および前記検出工程を、図1Aの模式図を参照して説明する。 図1Aに示すように、エクソソーム11には、エクソソーム特異的抗原12および13が発現している。反応液において、第1抗体14および第2抗体15は、前記血清試料中のエクソソーム11が有するエクソソーム特異的抗原12および13に結合する。さらに、第1抗体14に励起標識16が結合する。励起標識16が励起光18により励起されると、一重項酸素が発生する。ここで、第1抗体14および第2抗体15がエクソソーム特異的抗原12および13に結合しているため、励起標識16とシグナル発生標識17とは、接近した状態にある。このため、前記一重項酸素により、シグナル発生標識17からシグナルが発せられる。前記検出工程では、このシグナルを検出する。(実施形態2) つぎに、実施形態2の分析方法について、説明する。実施形態2の分析方法は、前述のように、前記第1抗体として、エクソソーム特異的抗原に結合する抗体を使用し、前記第2抗体として、細胞種特異的抗原に結合する抗体を使用し、前記添加工程、前記反応工程および前記検出工程を行う。 まず、前記血清試料に、前記第1抗体、前記第2抗体および前記励起標識を添加する。前記各組成の添加順序は、特に制限されず、例えば、前記第1抗体および前記第2抗体を先に添加し、インキュベートした後に、前記励起標識を添加するのが好ましい。 つぎに、前記反応工程および前記検出工程を、図1Bの模式図を参照して説明する。 図1Bに示すように、エクソソーム11には、エクソソーム特異的抗原12と細胞種特異的抗原23とが発現している。反応液において、第1抗体14は、前記血液試料中のエクソソーム11に含まれるエクソソーム特異的抗原12に結合する。第2抗体25は、エクソソーム11に含まれる細胞種特異的抗原23に結合する。さらに、第1抗体14に励起標識16が結合する。励起光18により励起標識16が励起されると、一重項酸素が発生する。ここで、第1抗体14がエクソソーム特異的抗原12に結合し、第2抗体25が細胞種特異的抗原23に結合しているため、励起標識16とシグナル発生標識17とは、接近した状態にある。このため、前記一重項酸素により、シグナル発生標識17からシグナルが発せられる。前記検出工程では、このシグナルを検出する。(実施形態3) つぎに、実施形態3の分析方法について、説明する。実施形態3の分析方法は、前述のように、前記第1抗体として細胞種特異的抗原に結合する抗体を使用し、前記第2抗体として、エクソソーム特異的抗原に結合する抗体を使用し、前記添加工程、前記反応工程および前記検出工程を行う。 まず、前記血清試料に、前記第1抗体、前記第2抗体および前記励起標識を添加する。前記各組成の添加順序は、特に制限されず、例えば、前記第1抗体および前記第2抗体を先に添加し、インキュベートした後に、前記励起標識を添加するのが好ましい。 つぎに、前記反応工程および前記検出工程を、図1Cの模式図を参照して説明する。 図1Cに示すように、エクソソーム11には、エクソソーム特異的抗原13と細胞種特異的抗原22とが発現している。反応液において、第1抗体24は、前記血液試料中のエクソソーム11に含まれる細胞種特異的抗原22に結合する。第2抗体15は、エクソソーム11に含まれるエクソソーム特異的抗原13に結合する。さらに、第1抗体24に励起担体16が結合する。励起光18により励起担体16が励起されると、一重項酸素が発生する。第1抗体24が細胞種特異的抗原22に結合し、第2抗体15がエクソソーム特異的抗原13に結合しているため、励起標識16と、シグナル発生標識17とは、接近した状態にある。このため、前記一重項酸素により、シグナル発生標識17からシグナルが発せられる。前記検出工程では、このシグナルを分析する。 本発明の分析方法は、例えば、さらに、前記検出工程における検出値を補正する補正工程を含んでもよい。前記補正工程は、例えば、前記検出値を、検出値と試料中のエクソソーム濃度との相関関係により、補正できる。前記相関関係は、例えば、エクソソーム濃度が既知である標準試料について、本発明と同様に検出し、前記試料の検出値と、前記標準試料の検出値とをプロットすることにより求められる。前記標準試料は、エクソソームの希釈系列が好ましい。このように補正を行うことで、より信頼性の高い検出が可能となる。前記試料と前記標準試料とに含まれるエクソソームは、同一種の細胞(例えば、同一種のがん細胞)から分泌されたエクソソームであることが好ましい。[エクソソーム分析用試薬] 本発明のエクソソーム分析用試薬は、前述のように、試料中のエクソソームの分析に使用する試薬であって、前記エクソソームが有する第1抗原と特異的に結合する第1抗体と、前記エクソソームが有する第2抗原と特異的に結合する第2抗体とを含み、前記本発明の分析方法に使用することを特徴とする。本発明のエクソソーム分析用試薬は、前記本発明のエクソソーム分析方法の記載を引用できる。[エクソソーム分析装置] 本発明のエクソソーム分析装置は、前述のように、試料中のエクソソームを分析する装置であって、前記試料に、前記第1抗体および前記第2抗体を添加する添加手段と、前記第1抗原および前記第1抗体を反応させ、前記第2抗原および前記第2抗体を反応させる反応手段と、前記第1抗原および前記第1抗体の反応と、前記第2抗原および前記第2抗体の反応とを検出する検出手段とを含み、前記本発明の分析方法に使用することを特徴とする。本発明のエクソソーム分析装置は、前記本発明のエクソソーム分析方法の記載を引用できる。 前記添加手段は、例えば、分析装置の内部または外部に配置された、前記第1抗体、前記第2抗体を吸引および排出する吸排手段、ならびに、前記各組成の吸引量および/または排出量を制御する制御手段を有する。前記吸排手段は、例えば、ポンプ等があげられる。前記制御手段は、例えば、バルブ等があげられる。前記添加手段により、前記試料に、前記第1抗体および前記第2抗体が添加され、反応液が調製される。 前記反応手段は、例えば、前記反応液を、攪拌、吸排、振とう、超音波処理等する手段があげられる。 前記検出手段は、例えば、光学分析機器等があげられ、具体例として、例えば、蛍光測定装置等があげられる。前記検出手段は、例えば、反応液に励起光を照射する励起光照射手段を有してもよい。 本発明の分析装置によれば、前述の本発明の分析方法を実行できる。以下に、前記励起標識および前記シグナル発生標識を使用する場合を例にとり、本発明の分析装置の使用方法を例示するが、これには制限されない。 前記分析装置の内部または外部に、前記血液試料、前記第1抗体、前記第2抗体を配置する。 まず、前記添加手段により、前記第1抗体、前記第2抗体および前記励起標識を、前記試料に添加する。前記添加順序は、特に制限されず、例えば、前記第1抗体および前記第2抗体を前記試料に先に添加し、インキュベートした後に、さらに、前記励起標識を添加することが好ましい。この場合、本発明の分析装置は、インキュベーターを備えることが好ましい。つぎに、前記励起光照射手段から、前記反応液に励起光を照射し、前記検出手段により、前記シグナル発生標識から発せられたシグナルを検出する。このように、本発明の分析装置によれば、前述の本発明の分析方法を、例えば、自動で行える。 つぎに、本発明の実施例について、説明する。本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。1.エクソソーム特異的抗原に結合する抗体 前記エクソソーム特異的抗原に結合する抗体として、下記(1)〜(3)の抗体を準備した。(1)Purified Mouse Anti-Human CD63(BD Biosciences社、Clone:H5C6)(2)Purified Mouse Anti-Human CD9(BD Biosciences社、Clone:M-L13)(3)Purified Mouse Anti-Human CD81(BD Biosciences社、Clone:JS-81)2.抗体のビオチン化 前記抗体を、下記(1)〜(7)の手順に基づいてビオチン化し、ビオチン化抗体を調製した。(1)準備した抗体を、Zeba Spin Desalting columns 7K MWCO(Thermo社)を使用して、バッファーを置換した。1.5mLチューブにカラムをセットし、1500×g(14700m/s2)で1分間遠心した。(2)前記遠心後、前記カラムに、PBS 300μLを添加し、1500×g(14700m/s2)で1分間遠心した。このPBS添加および遠心を、3回繰り返した。(3)前記カラムを、新しい1.5mLチューブに移し、前記抗体を添加し、1500×g(14700m/s2)で2分間遠心した。(4)1mg/mL 抗体溶液(PBS) 100μLに、2mg/mL ChromaLink Biotin 354S(solulink社) 7.62μLを添加し、さらに、PBS 92.38μLを添加し、全量を200μLとした。(5)この溶液を、23℃の恒温水槽で、2時間インキュベートして、前記抗体をビオチン化した。(6)前記(1)および(2)を行った、新しいZeba Spin Desalting columnsを準備し、前記ビオチン化した抗体 100μLを、前記カラムに添加し、1500×g(14700m/s2)で2分間遠心した。(7)得られたビオチン化抗体を、濃度とラベル比を算出し、PBS中で終濃度500mM(500mmol/L)に調整した。3.抗体のビオチン化の確認 図2Aに示すように、AlphaLisa ImmunoAssay BufferにAlphaLISAアクセプタービーズ(AlphaLISA Acceptor Beads)10μg/mLを加え、総量を50μLになるようにして測定した。AlphaLISA Immunoassay Bufferの組成は、図2Aにも示したとおり、25mM HEPES、0.1% カゼイン、0.5% トリトンX-100、1mg/mL デキストラン-500、0.05%プロクリン-300(proclin-300)からなる。前記抗体のビオチン化は、Anti-mouse IgG AlphaLISA Acceptor Beads(PerkinElmer社)を使用し、下記(1)〜(5)の手順でアッセイして確認した。(1)AlphaLISA Immunoassay Buffer(PerkinElmer社)を使用して、ビオチン化抗体を、1.5、5、15、50nM(nmol/L)に希釈した。同様に、5mg/mL Anti-mouse IgG AlphaLISA Acceptor Beadsを、AlphaLISA Immunoassay Bufferで、100倍に希釈した(濃度50μg/mL)。(2)96ウェルホワイトプレート(PerkinElmer社、1/2 AreaPlate-96)の各ウェルに、AlphaLISA Immunoassay Buffer 5μLを添加し、さらに、前記(1)で希釈したビオチン化抗体 10μLを添加した。前記ビオチン化抗体の終濃度は、0.3、1、3、10nM(nmol/L)となる。また、コントロールとして、前記希釈したビオチン化抗体に代えて、PBS 10μLを添加した(ビオチン化抗体の終濃度:0nM(nmol/L))。(3)さらに、前記(1)で希釈したAnti-mouse IgG AlphaLISA Acceptor Beads(50μg/mL) 10μLを添加し、室温・遮光条件下において、1時間インキュベートした。(4)5mg/mL AlphaScreenストレプトアビジンドナービーズ(Streptavidin-coated Alpha Donor Bead)(PerkinElmer社)を、AlphaLISA Immunoassay Bufferで、62.5倍に希釈した(濃度80μg/mL)。この希釈したAlphaScreenストレプトアビジンドナービーズ(Streptavidin-coated Alpha Donor Bead) 25μLを、前記インキュベート後の各ウェルに添加し、TopSeal-A(PerkinElmer社)を前記プレートに貼り、室温・遮光条件下において、30分間インキュベートした。(5)前記インキュベート後、EnSpire(PerkinElmer社)による分析を行った。前記エクソソーム特異的抗原に結合する抗体は、Purified Mouse Anti-Human CD63(BD Biosciences社、Clone:H5C6)、Purified Mouse Anti-Human CD9(BD Biosciences社、Clone:M-L13)、Purified Mouse Anti-Human CD81の3種類である。これら3種類のそれぞれについて、前記ビオチン化抗体の濃度が1.5、5、15、50nM(nmol/L)であるサンプルに対してそれぞれEnSpireを用いてシグナルを分析し、前記抗体がビオチン化されていることを確認した。前記分析は、Measure Technology:AlphaScreenに設定(励起波長:680nm、検出波長:520〜620nm)して行った(以下、同様)。この結果、図2Aに示すように、AlphaLISAアクセプタービーズ(AlphaLISA Acceptor Beads)に結合した前記ビオチン化抗体及びAlphaScreenストレプトアビジンドナービーズ(Streptavidin-coated Alpha Donor Bead)に結合した前記ビオチン化抗体同士が結合していることが確認された。4.AlphaLISAアクセプタービーズ(AlphaLISA Acceptor Beads)への抗体の結合 図2Bに示すように、AlphaLisa ImmunoAssay Bufferに1nM のBiotinylated AntiMouse IgG Anitibodyを加え、総量を50μLになるようにして測定した。AlphaLISA Immunoassay Bufferの組成は、図2Bに示したとおりであり、すなわち、前記「3.抗体のビオチン化の確認」(図2A)で用いたものと同じである。前記抗体を、下記(1)〜(9)の手順に基づいてAlphaLISAアクセプタービーズ(AlphaLISA Acceptor Beads)に結合させた。(1)前記「2.抗体のビオチン化」における前記(1)〜(3)を行った。(2)Anti-mouse IgG AlphaLISA Acceptor Beads 50μLを、前記カラムをセットした1.5mLチューブに移し、16000×g(156800m/s2)で15分間遠心した。前記遠心後、上清を除去した。(3)前記遠心後の沈殿したAlphaLISA Acceptor Beadsに、PBS 50μLを添加し、16000×g(156800m/s2)で15分間遠心した。前記遠心後、上清を除去した。(4)前記遠心後の沈殿したAlphaLISA Acceptor Beadsに、PBS 88.75μLを添加し、ボルテックスして再懸濁させた。(5)前記懸濁液に、1mg/mL 抗体溶液(PBS) 100μLを添加し、さらに、10% Tween-20 1.25μLおよび25mg/mL NaBH3CN溶液 10μLを添加し、37℃で24時間インキュベートした。(6)前記インキュベート後の懸濁液に、65mg/mL カルボキシメチルアミン溶液(0.8M(mol/L) NaOH溶液) 10μLを添加し、37℃で1時間インキュベートした。(7)前記インキュベート後の懸濁液を、16000×g(156800m/s2)で15分間遠心した。前記遠心後、上清を除去し、沈殿に、0.1M(mol/L) Tris-HCl(pH8.0) 200μLを添加して懸濁させた。そして前記と同様に遠心した。この操作を2回繰り返して洗浄した。(8)前記洗浄後の懸濁液を、16000×g(156800m/s2)で15分間遠心し、上清を除去した。沈殿に、0.05% Proclin-300を含むPBS 200μLを添加して、再懸濁させた。このようにして、AlphaLISAアクセプタービーズ(AlphaLISA Acceptor Beads)に結合させた抗体(以下、「アクセプタービーズ(Acceptor Beads)結合抗体」ということがある。)を調製した(終濃度5mg/mL)。(9)前記懸濁液を、ボルテックス後軽くスピンダウンし、ソニケーターを使用して、1秒20回のソニケーションを行った。これを、4℃・遮光条件下において保存した。5.抗体とアクセプタービーズ(Acceptor Beads)の結合との確認 前記抗体のAlphaLISAアクセプタービーズ(AlphaLISA Acceptor Beads)への結合は、Biotin-SP-conjugated AffiniPure Goat Anti-Mouse IgG (H+L)(JacksonImmunoResearch社)を使用し、下記(1)〜(5)の手順でアッセイして確認した。(1)AlphaLISA Immunoassay Bufferを使用して、前記アクセプタービーズ(Acceptor Beads)結合抗体を、10、50μg/mLに希釈した。同様に、AlphaLISA Immunoassay Bufferを使用して、前記ビオチン化抗体を、5nM(nmol/L)に希釈した。(2)前記96ウェルホワイトプレートの各ウェルに、AlphaLISA Immunoassay Buffer 5μLを添加し、さらに、前記(1)で希釈したビオチン化抗体 10μLを添加した。(3)さらに、前記(1)で希釈したアクセプタービーズ(Acceptor Beads)結合抗体 10μLを添加し、室温・遮光条件下において、1時間インキュベートした。コントロールとして、前記希釈したアクセプタービーズ(Acceptor Beads)結合抗体に代えて、PBS 10μLを添加した。(4)5mg/mL AlphaScreenストレプトアビジンドナービーズ(Streptavidin-coated Alpha Donor Bead)を、AlphaLISA Immunoassay Bufferで、62.5倍に希釈した(濃度80μg/mL)。この希釈したAlphaScreenストレプトアビジンドナービーズ(Streptavidin-coated Alpha Donor Bead) 25μLを、前記インキュベート後の各ウェルに添加し、TopSeal-Aを前記プレートに貼り、室温・遮光条件下において、30分間インキュベートした。(5)前記インキュベート後、EnSpireによる分析を行った。前記エクソソーム特異的抗原に結合する抗体は、Purified Mouse Anti-Human CD63(BD Biosciences社、Clone:H5C6)、Purified Mouse Anti-Human CD9(BD Biosciences社、Clone:M-L13)、Purified Mouse Anti-Human CD81の3種類である。これら3種類のそれぞれに対して前記AlphaLISA Acceptor Beads抗体濃度が0、2、10μg/mLであるサンプルを用意し、EnSpireでシグナルを分析した。この分析により、前記抗体がAlphaLISAアクセプタービーズ(AlphaLISA Acceptor Beads)に結合していることを確認した。前記分析は、Measure Technology:AlphaScreenに設定して行った。この結果、図2Bに示すように、AlphaLISAアクセプタービーズ(AlphaLISA Acceptor Beads)に結合した前記ビオチン化抗体(Biotinylated Anti-Mouse IgG Antibody)及びAlphaScreenストレプトアビジンドナービーズ(Streptavidin-coated Alpha Donor Bead)に結合した前記ビオチン抗体(Biotinylated Anti-Mouse IgG Antibody)同士が結合していることが確認された。なお、前記AlphaLISA Acceptor Beads抗体濃度が0μg/mLであるサンプルには、いずれにおいてもシグナルは、観測されなかった。6.エクソソームの定量(エクソソームの調製) がん細胞の培養上清から、超遠心法により、下記(1)〜(7)の手順に基づいてエクソソームを調製した。(1)前立腺がん細胞株PC3(入手元:ATCC)を、15cmディッシュに播種し、培養した。(2)前記播種の翌日、前記がん細胞をPBSで一度洗浄し、血清が含まれていないAdvanced PRMI1640(Invitrogen社)に培地を交換し、2日間培養した。(3)前記培養後、培養上清を回収し、2000×g(19600m/s2)で10分間遠心し、上清を回収した。(4)前記上清を、フィルター(孔径:0.22μm)でろ過した。(5)前記ろ液を、100000×g(980000m/s2)で、4℃・70分間超遠心した。(6)前記超遠心後、上清を除去し、沈殿にPBSを添加し、さらに、100000×g(980000m/s2)で、4℃・70分間超遠心した。(7)前記超遠心後、上清を除去し、沈殿にPBSを添加し、4℃で一晩置き、翌日にボルテックスして、エクソソームを回収した。(検量線作成) 前記ビオチン化抗体、前記アクセプタービーズ(Acceptor Beads)結合抗体により、下記(1)〜(5)の手順に基づいて前記回収したエクソソームの定量分析を行い、エクソソームの検量線を作成した。下記(1)〜(4)において、AlphaLISA Universal Buffer(PerkinElmer社)は、0.1% BSAおよび0.05% Proclin-300を含むPBSを使用した。(1)ビオチン化抗体およびアクセプタービーズ(Acceptor Beads)結合抗体を、AlphaLISA Universal Buffer(PerkinElmer社)を使用して、それぞれ、5nM(nmol/L)および50μg/mLに希釈した。(2)前記回収したエクソソームを、AlphaLISA Universal Bufferを使用して希釈し、所定濃度の希釈系列を作成した。(3)前記96ウェルホワイトプレートの各ウェルに、前記希釈したエクソソーム 5μLを添加した。コントロールとして、AlphaLISA Universal Buffer 5μLを添加し、さらに、5nM(nmol/L) ビオチン化抗体 10μLおよび50μg/mL アクセプタービーズ(Acceptor Beads)結合抗体 10μLを添加し、室温・遮光条件下において、1時間インキュベートした。(4)5mg/mL AlphaScreenストレプトアビジンドナービーズ(Streptavidin-coated Alpha Donor Bead)を、AlphaLISA Immunoassay Bufferで、62.5倍に希釈した(濃度80μg/mL)。この希釈したAlphaScreenストレプトアビジンドナービーズ(Streptavidin-coated Alpha Donor Bead) 25μLを、前記インキュベート後の各ウェルに添加し、TopSeal-Aを前記プレートに貼り、室温・遮光条件下において、30分間インキュベートした。なお、インキュベート時間は、特に制限されず、例えば、温度条件等の変更に応じて、1時間〜終夜の範囲とすることもできる。(5)前記インキュベート後、EnSpireを使用して、シグナルを分析し、エクソソームを分析した。前記分析は、Measure Technology:AlphaScreenに設定して行った。そして、エクソソームの希釈系列から検量線を作成した。(検量線作成結果) 下記(1)〜(6)のビオチン化抗体およびアクセプタービーズ(Acceptor Beads)結合抗体の組み合わせについて、検量線を作成した。下記(1)〜(6)の抗体の組み合わせおよびその検量線を、それぞれ、図2C〜図2Hに示す。(1)ビオチン化抗体:Purified Mouse Anti-Human CD63 アクセプタービーズ(Acceptor Beads)結合抗体:Purified Mouse Anti-Human CD63 y=0.0017x(R2=0.9891)(2)ビオチン化抗体:Purified Mouse Anti-Human CD9 アクセプタービーズ(Acceptor Beads)結合抗体:Purified Mouse Anti-Human CD9 y=0.0201x(R2=0.9826)(3)ビオチン化抗体:Purified Mouse Anti-Human CD81 アクセプタービーズ(Acceptor Beads)結合抗体:Purified Mouse Anti-Human CD81 y=0.0186x(R2=0.9985)(4)ビオチン化抗体:Purified Mouse Anti-Human CD63 アクセプタービーズ(Acceptor Beads)結合抗体:Purified Mouse Anti-Human CD9 y=0.0141x(R2=0.996)(5)ビオチン化抗体:Purified Mouse Anti-Human CD9 アクセプタービーズ(Acceptor Beads)結合抗体:Purified Mouse Anti-Human CD81 y=0.0037x(R2=0.9998)(6)ビオチン化抗体:Purified Mouse Anti-Human CD81 アクセプタービーズ(Acceptor Beads)結合抗体:Purified Mouse Anti-Human CD63 y=0.0031x(R2=0.9998) 図2C(前記(1))では、PBS溶液中、0.1%BSAと0.05%プロクリン‐300(proclin-300)からなるAlphaLisa Universal Bufferに1nMのBiotinylated AntiCD63 Antibodyおよび10μg/mLのAnti-CD63-conjugated AlphaLISA アクセプタービーズ(Acceptor Bead)を加え、総量を50μLになるようにして測定した。なお、図2Cでは、AlphaScreenストレプトアビジンドナービーズ(Streptavidin-coated Alpha Donor Bead)に結合したBiotinylated AntiCD63 Antibody及びAnti-CD63-conjugated AlphaLISAアクセプタービーズ(Acceptor Bead)に結合したBiotinylated AntiCD63 Antibodyが、それぞれPC3エクソソーム内の抗原CD63に結合している様子を示した。シグナルを横軸に、タンパク質濃度(μg/ml)を縦軸にプロットし、検量線を作成したところ、y=0.0017x(R2=0.9891)という式を得た。 図2D(前記(2))では、前記 AlphaLisa Universal Bufferに1nM のBiotinylated AntiCD9 Antibodyおよび10μg/mLのAnti-CD9-conjugated AlphaLISAアクセプタービーズ(Acceptor Bead)を加え、総量を50μLになるようにして測定した。なお、図2Dでは、AlphaScreenストレプトアビジンドナービーズ(Streptavidin-coated Alpha Donor Bead)に結合したBiotinylated AntiCD9 Antibody及びAnti-CD9-conjugated AlphaLISAアクセプタービーズ(Acceptor Bead)に結合したBiotinylated AntiCD9 Antibodyが、それぞれPC3エクソソーム内の抗原CD9に結合している様子を示した。シグナルを横軸に、タンパク質濃度(μg/ml)を縦軸にプロットし、検量線を作成したところ、y=0.0201x(R2=0.9826)という式を得た。 図2E(前記(3))では、前記 AlphaLisa Universal Bufferに1nMのBiotinylated AntiCD81 Antibodyおよび10μg/mLのAnti-CD81-conjugated AlphaLISA アクセプタービーズ(Acceptor Bead)を加え、総量を50μLになるようにして測定した。なお、図2Eでは、AlphaScreenストレプトアビジンドナービーズ(Streptavidin-coated Alpha Donor Bead)に結合したBiotinylated AntiCD81 Antibody及びAnti-CD81-conjugated AlphaLISAアクセプタービーズ(Acceptor Bead)に結合したBiotinylated AntiCD81 Antibodyが、それぞれPC3エクソソーム内の抗原CD81に結合している様子を示した。シグナルを横軸に、タンパク質濃度(μg/ml)を縦軸にプロットし、検量線を作成したところ、y=0.0186x(R2=0.9985)という式を得た。 図2F(前記(4))では、前記AlphaLisa Universal Bufferに1nMのBiotinylated AntiCD63 Antibodyおよび10μg/mLのAnti-CD9-conjugated AlphaLISAアクセプタービーズ(Acceptor Bead)を加え、総量を50μLになるようにして測定した。なお、図2Fでは、AlphaScreenストレプトアビジンドナービーズ(Streptavidin-coated Alpha Donor Bead)に結合したBiotinylated AntiCD63 Antibody及びAnti-CD9-conjugated AlphaLISAアクセプタービーズ(Acceptor Bead)に結合したBiotinylated AntiCD63 Antibodyが、それぞれPC3エクソソーム内の抗原CD63及び抗原CD9に結合している様子を示した。シグナルを横軸に、タンパク質濃度(μg/ml)を縦軸にプロットし、検量線を作成したところ、y=0.0141x(R2=0.996)という式を得た。 図2G(前記(5))では、前記AlphaLisa Universal Bufferに1nMのBiotinylated AntiCD9 Antibodyおよび10μg/mLのAnti-CD81-conjugated AlphaLISAアクセプタービーズ(Acceptor Bead)を加え、総量を50μLになるようにして測定した。なお、図2Gでは、AlphaScreenストレプトアビジンドナービーズ(Streptavidin-coated Alpha Donor Bead)に結合したBiotinylated AntiCD9 Antibody及びAnti-CD81-conjugated AlphaLISAアクセプタービーズ(Acceptor Bead)に結合したBiotinylated AntiCD81 Antibodyが、それぞれPC3エクソソーム内の抗原CD9及び抗原CD81に結合している様子を示した。シグナルを横軸に、タンパク質濃度(μg/ml)を縦軸にプロットし、検量線を作成したところ、y=0.0037x(R2=0.9998)という式を得た。 図2H(前記(6))では、前記AlphaLisa Universal Bufferに1nMのBiotinylated AntiCD81 Antibodyおよび10μg/mLのAnti-CD63-conjugated AlphaLISAアクセプタービーズ(Acceptor Bead)を加え、総量を50μLになるようにして測定した。なお、図2Hでは、AlphaScreenストレプトアビジンドナービーズ(Streptavidin-coated Alpha Donor Bead)に結合したBiotinylated AntiCD81 Antibody及びAnti-CD63-conjugated AlphaLISAアクセプタービーズ(Acceptor Bead)に結合したBiotinylated AntiCD63 Antibodyが、それぞれPC3エクソソーム内の抗原CD81及び抗原CD63に結合している様子を示した。シグナルを横軸に、タンパク質濃度(μg/ml)を縦軸にプロットし、検量線を作成したところ、y=0.0031x(R2=0.9998)という式を得た。[実施例1] 本実施例では、前立腺がん患者の血清および健常者の血清を使用して、血清中のエクソソームを分析し、前立腺がん患者の血清および健常者の血清中のエクソソーム量の差を確認した。(1)血清の準備 前立腺がん患者(ステージ4、n=4)および健常者(n=4)から全血を採取し、前記全血から血清を調製した。下記エクソソーム分析に使用する血清量は、4μLとした。(2)エクソソーム分析 下記表1に示す組成の反応液となるように、前記「6.エクソソームの定量」における「検量線作成」の前記(1)〜(4)と同様の操作を行い、前記(5)と同様にして、シグナルを分析し、得られたシグナル値を血清に含まれるエクソソーム量として分析した。 図3のグラフに、前記両血清中のエクソソームの分析結果を示す。図3に示すように、前立腺がん患者の血清中には、健常者の血清中よりも、有意に多くのエクソソームが含まれることが確認された。この結果から、血清中のエクソソームを分析することで、分析対象が、がん患者であるか、健常者であるかを区別できることが確認された。したがって、本発明によれば、血液中のエクソソームを簡易に分析でき、例えば、血液試料提供者が、健常者であるか、がん患者であるかを診断できるといえる。[実施例2] 本実施例では、肝がん患者のがんの切除手術直後の血清および再発後の同患者の血清を使用して、血清中のエクソソームを分析し、がんの切除手術直後および再発後の血清中のエクソソーム量の差を確認した。(1)血清の準備 がんの切除手術直後の肝がん患者の全血、および再発後の同患者の全血を採取し、前記全血から血清を調製した(n=12)。下記エクソソーム分析に使用する血清量は、4μLとした。(2)エクソソーム分析 前記(1)で調製した血清を使用した以外は、前記実施例1と同様にして、がんの切除手術直後の肝がん患者の血清、および再発後の同患者の血清に含まれるエクソソーム量を分析した。 図4のグラフに、前記両血清中のエクソソームの分析を示す。図4に示すように、がんの切除手術直後の肝がん患者の血清中よりも、再発後の同患者の血清の方が、多くのエクソソームが含まれることが確認された。この結果から、血清中のエクソソームを分析することで、がんの切除手術を行った患者について、切除手術後にがんが再発しているかを判別できることが確認された。したがって、本発明によれば、例えば、血液中のエクソソームを分析することで、がん患者におけるがん切除手術後の再発の有無を診断できるといえる。 以上のように、本発明によれば、試料中のエクソソームを簡易に分析できる。このため、例えば、本発明のエクソソームの分析方法は、がんの発症の有無、がんの再発の有無等のがんの診断等に極めて有用であり、臨床検査への適用が大いに期待される。11 エクソソーム12、13 エクソソーム特異的抗原14、24 第1抗体15、25 第2抗体16 励起標識17 シグナル発生標識18 励起光22、23 細胞種特異的抗原試料中のエクソソームを分析するエクソソームの分析方法であって、前記試料に、前記エクソソームが有する第1抗原と特異的に結合する第1抗体、および前記エクソソームが有する第2抗原と特異的に結合する第2抗体を添加する添加工程と、前記第1抗原および前記第1抗体を反応させ、前記第2抗原および前記第2抗体を反応させる反応工程と、前記第1抗原および前記第1抗体の反応と、前記第2抗原および前記第2抗体の反応とを検出する検出工程とを含むことを特徴とするエクソソームの分析方法。前記第1抗原および前記第2抗原が、前記エクソソームに特異的に発現している抗原であることを特徴とする請求項1記載の分析方法。前記第1抗原が、前記エクソソームに特異的に発現している抗原であり、前記第2抗原が、前記エクソソームを分泌する細胞に特異的な抗原であることを特徴とする請求項1記載の分析方法。前記第1抗原が、前記エクソソームを分泌する細胞に特異的な抗原であり、前記第2抗原が、前記エクソソームに特異的に発現している抗原であることを特徴とする請求項1記載の分析方法。前記第1抗体が、励起光により励起される励起標識に結合可能な抗体であり、前記第2抗体が、前記励起標識の励起により発生する一重項酸素によりシグナルを発するシグナル発生標識に結合した抗体であり、前記添加工程において、さらに、前記励起標識を添加し、前記反応工程において、前記第1抗原に前記第1抗体が結合され、前記第2抗原に前記第2抗体が結合され、前記検出工程において、前記第1抗体に前記励起標識が結合され、励起光により前記励起標識が励起され、前記励起標識の励起による一重項酸素により前記シグナル発生標識から発せられたシグナルを検出することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の分析方法。前記エクソソーム分析を、界面活性剤を含まない反応液中で行うことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の分析方法。前記試料が、血清であることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の分析方法。前記試料が、1〜15μLの範囲であることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の分析方法。試料中のエクソソームの分析に使用する試薬であって、前記エクソソームが有する第1抗原と特異的に結合する第1抗体と、前記エクソソームが有する第2抗原と特異的に結合する第2抗体とを含み、請求項1から8のいずれか一項に記載の分析方法に使用することを特徴とするエクソソーム分析用試薬。試料中のエクソソームを分析する装置であって、前記試料に、前記エクソソームが有する第1抗原と特異的に結合する第1抗体、および前記エクソソームが有する第2抗原と特異的に結合する第2抗体を添加する添加手段と、前記第1抗原および前記第1抗体を反応させ、前記第2抗原および前記第2抗体を反応させる反応手段と、前記第1抗原および前記第1抗体の反応と、前記第2抗原および前記第2抗体の反応とを検出する検出手段とを含み、請求項1から8のいずれか一項に記載の分析方法に使用することを特徴とするエクソソーム分析装置。 試料中のエクソソームを簡易に分析可能なエクソソームの分析方法を提供する。 本発明のエクソソームの分析方法は、試料中のエクソソームを分析するエクソソームの分析方法であって、前記試料に、前記エクソソームが有する第1抗原と特異的に結合する第1抗体、および前記エクソソームが有する第2抗原と特異的に結合する第2抗体を添加する添加工程と、前記第1抗原および前記第1抗体を反応させ、前記第2抗原および前記第2抗体を反応させる反応工程と、前記第1抗原および前記第1抗体の反応と、前記第2抗原および前記第2抗体の反応とを検出する検出工程とを含むことを特徴とする。


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