生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_結晶セルロースを利用した造粒物の製造方法
出願番号:2012077553
年次:2013
IPC分類:A61K 9/16,A61K 47/38,A61K 31/4453,A61P 1/04,A61P 43/00,A61K 47/10


特許情報キャッシュ

阿部 秀行 野口 直志 JP 2013203727 公開特許公報(A) 20131007 2012077553 20120329 結晶セルロースを利用した造粒物の製造方法 あすか製薬株式会社 000002990 特許業務法人特許事務所サイクス 110000109 阿部 秀行 野口 直志 A61K 9/16 20060101AFI20130910BHJP A61K 47/38 20060101ALI20130910BHJP A61K 31/4453 20060101ALI20130910BHJP A61P 1/04 20060101ALI20130910BHJP A61P 43/00 20060101ALI20130910BHJP A61K 47/10 20060101ALI20130910BHJP JPA61K9/16A61K47/38A61K31/4453A61P1/04A61P43/00 113A61K47/10 11 OL 8 4C076 4C086 4C076AA31 4C076BB01 4C076CC16 4C076DD37E 4C076EE31A 4C076EE32A 4C076FF02 4C076FF05 4C076GG09 4C076GG12 4C076GG13 4C076GG14 4C086AA01 4C086AA02 4C086BC21 4C086MA02 4C086MA05 4C086MA07 4C086MA08 4C086MA41 4C086MA52 4C086NA03 4C086ZA66 4C086ZA68 4C086ZC13 本発明は結晶セルロースを利用した造粒物の製造方法に関する。 結晶セルロースは繊維性植物から得られたα-セルロースを酸で部分的に解重合して精製したセルロースであり、化学的に不活性であることから薬物と混合した場合にも変化がなく、医薬品添加物として広く用いられている。打錠機で圧縮すると粒子が絡み合い容易に成型することができ、水分により容易に崩壊することや良好な流動性から錠剤の結合剤や崩壊剤としても優れた機能を有している(薬学用語解説、公益社団法人日本薬学会)。 一方、粉体の造粒により得られる球形に近い粒子を核粒子として用い、この核粒子に有効成分や必要に応じて賦形剤などを被覆することにより顆粒を調製して固形製剤を製造する方法が利用されている。核粒子としてはショ糖又はショ糖とデンプンを含む核粒子などが提案され実用化されており(特開昭61-1614号公報)、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを含む核粒子も提案されている(特開平5-163137号公報)。しかしながら、核としてショ糖あるいはショ糖とデンプンから成る核を用い、該核に結合剤溶液を用いて薬物含有する粉体を被覆する工程を含む製造方法においては、ショ糖の溶解が見られ、顆粒同士の凝集が観察される等の問題が生じる。 この問題を解決するための手段として、例えば特開昭61-213201号に記載された結晶セルロース球形顆粒、及び特定の平均重合度を有する結晶セルロース(平均重合度60〜375の結晶セルロース)を50%以上含有する核粒子を調製する方法が提案されている(特開平7−173050号公報)。また、結晶セルロースと添加物を組み合わせて上記の問題を解決する手段として、平均重合度60〜375の結晶セルロースを10〜70%及び乳糖などの水溶性添加剤を10〜90%含有する核粒子 (特開平4-283520号公報)も提案されている。しかしながら、結晶セルロース球形顆粒は高い吸水能を有していることから、結晶セルロース球形顆粒に対して結合剤溶液を噴霧しながら造粒すると、結合剤の粘性が増し、造粒物同士の凝集や流動層造粒機の機壁への付着など製剤工程において種々の問題が生じる。特開昭61-1614号公報特開平5-163137号公報特開昭61-213201号特開平7-173050号公報特開平4-283520号公報 本発明の課題は結晶セルロースを利用した造粒物の製造方法を提供することにある。より具体的には、上記の問題を回避しつつ簡便な方法により結晶セルロースを利用した造粒物を効率的に製造する方法を提供することが本発明の課題である。 本発明者らは上記の課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、吸湿した結晶セルロース(以下、吸湿結晶セルロースと記載)を用いて結合剤溶液を噴霧しながら造粒を行うと、造粒物同士の凝集やコーティング機の機壁への付着などがなく、極めて簡便かつ効率的に所望の造粒物を製造できることを見出した。本発明は上記の知見を基にして完成されたものである。 すなわち、本発明により、吸湿結晶セルロースに結合剤溶液を噴霧して造粒を行う工程を含む造粒物の製造方法が提供される。 上記の発明の好ましい態様によれば、吸湿結晶セルロースが吸湿前の結晶セルロース1質量部に対して1/8〜1/2質量部の水分を含む吸湿結晶セルロースである上記の方法;吸湿結晶セルロースに噴霧する結合剤溶液が薬物を含む上記の方法;吸湿結晶セルロースに噴霧する結合剤溶液が水及びエタノールを含む上記の方法:結合剤溶液におけるエタノールの含有量が0〜80%(w/w)である上記の方法;及び結合剤がヒドロキシプロピルセルロースである上記の方法が提供される。 本発明のさらに好ましい態様によれば、乾燥状態の結晶セルロースに水を噴霧して吸湿結晶セルロースを調製する工程を含む上記の方法;造粒を流動層造粒機を用いて行う上記の方法;1分間あたり吸湿前の結晶セルロース質量の1/100質量部以下の結合剤溶液を吸湿結晶セルロースに対して噴霧する上記の方法;ロキサチジン酢酸エステル塩酸塩を含む結合剤溶液を吸湿結晶セルロースに噴霧する工程を含む上記の方法;ロキサチジン酢酸エステル塩酸塩及びエタノールを含むヒドロキシプロピルセルロース水溶液を吸湿結晶セルロースに噴霧する工程を含む上記の方法;並びに吸湿前の結晶セルロースとしてセルフィアCP-203を用いる上記の方法が提供される。 別の観点からは、本発明により、吸湿結晶セルロースに結合剤溶液を噴霧して造粒を行う工程により製造することができる造粒物;吸湿結晶セルロースに薬剤を含む結合剤溶液を噴霧して造粒を行う工程により製造することができる造粒物;該造粒物を含む固形製剤;該造粒物を用いて製造することができる固形製剤;及び固形製剤の製造のための該造粒物の使用が提供される。 さらに別の観点からは、本発明により、吸湿結晶セルロースに結合剤溶液を噴霧して造粒を行う工程を含む造粒物の製造方法に用いるための吸湿前の結晶セルロース;吸湿結晶セルロースに結合剤溶液を噴霧して造粒を行う工程を含む造粒物の製造方法に用いるための吸湿結晶セルロース;及び該造粒物の製造のための吸湿前の結晶セルロース又は吸湿結晶セルロースの使用が提供される。 本発明の方法によれば、結晶セルロースを用いて造粒物を製造する際に造粒物同士の凝集や流動層造粒機の機壁への付着などがなく、極めて簡便かつ効率的に所望の造粒物を製造することができ、多様な薬剤を有効成分として含む造粒物の製造に利用することができるので、徐放製剤や錠剤などの固形製剤の製造に極めて有用な方法である。 本発明の方法は、結晶セルロースを用いて造粒物を製造するにあたり、吸湿結晶セルロースに結合剤溶液を噴霧して造粒を行う工程を含むことを特徴としている。 本発明の方法に使用する吸湿結晶セルロースを調製するために用いる吸湿前の結晶セルロース(乾燥状態の結晶セルロース:以下、吸湿前の結晶セルロースを「乾燥状態の結晶セルロース」と呼ぶことがある)の種類は特に限定されず、任意の結晶セルロースを使用することができるが、好ましくは医薬品添加物として提供されている結晶セルロースを使用することができる。一般的に結晶セルロースは乾燥減量(1g, 105℃、3時間)が7.0%以下の規格を満足しており、水分含量は7.0%以下程度と推定されるが、本発明の方法における吸湿結晶セルロースを調製するための乾燥状態の結晶セルロースとして水分含量が7.0%以下の結晶セルロースを使用することが好ましい。 乾燥状態の結晶セルロースの結晶化度は特に限定されないが、X線回折法により求められる結晶化度が10%以上であることが好ましく、さらに好ましくは40%以上である。また、乾燥状態の結晶セルロースの平均粒子径は40〜750μm程度であることが好ましい。乾燥状態の結晶セルロースの平均重合度も特に限定されないが、一般的には平均重合度60〜375の範囲の結晶セルロースを用いることが好ましい場合がある。水などで造粒された結晶セルロース造粒物を乾燥状態の結晶セルロースとして使用してもよい。例えば、造粒された市販の結晶セルロースとしてセルフィア(登録商標、旭化成ケミカルズ株式会社)などを用いることができ、CP-203、CP-305、又はCP-507などを用いることができるが、好ましくはセルフィアCP-203を用いることができる。 本発明の方法に用いる吸湿結晶セルロースに含まれる水分量は特に限定されないが、例えば乾燥状態の結晶セルロースの1質量部に対して約1/20〜3/4質量部、好ましくは約1/10〜3/5質量部、さらに好ましくは1/8〜1/2質量部程度の水分量を選択することができる。結晶セルロースに含まれる水分は、例えばカールフィッシャー法などにより適宜決定することが可能である。吸湿結晶セルロースには水分のほかエタノールやアセトンなどの揮発性の水溶性有機溶媒が含まれていてもよい。例えば乾燥状態の結晶セルロースの1質量部に対して約1/20〜1/10質量部程度の範囲で上記有機溶媒を含んでいてもよい。 本発明の方法に用いる吸湿結晶セルロースの調製方法は特に限定されず、上記の範囲で水分を吸収させることができる方法であれば任意の方法を採用することができる。例えば、乾燥状態の結晶セルロースを高湿環境下に静置する方法、又は乾燥状態の結晶セルロースを高湿環境下で攪拌する方法などにより、数時間から数日間で吸湿させる方法を採用することができる。加湿の際にエタノールやアセトンなどの蒸気を導入してもよい。あるいは乾燥状態の結晶セルロースに対して撹拌下で水を噴霧する方法を採用してもよい。この方法は例えば攪拌が可能な造粒装置中で行うことができ、例えば流動層造粒機、転動造粒機、又は攪拌造粒機など、好ましくは流動層造粒機などを用いて行うことができる。噴霧する水にエタノールやアセトンなどの水溶性有機溶媒を添加しておいてもよい。 例えば流動層造粒機を用いて乾燥状態の結晶セルロースから吸湿結晶セルロースを水の噴霧により調製する場合には、風量を約0.2〜25m3/分程度として給気温度20〜40℃、好ましくは30℃程度として噴霧を行い、回転数を20〜400 rpm程度として、乾燥状態の結晶セルロース1質量部に対して約1/20〜3/4質量部、好ましくは約1/10〜3/5質量部、さらに好ましくは1/8〜1/2質量部程度の水又はエタノール若しくはアセトンなどの水溶性有機溶媒を含む水を30分から数時間かけて噴霧すればよい。もっとも、本発明の方法は上記の特定の態様に限定されることはない。例えば上記の方法で乾燥状態の結晶セルロースから調製した吸湿結晶セルロースは特に整粒することなく結合剤溶液の噴霧による造粒工程に使用することができる。 吸湿結晶セルロースに対して結合剤溶液を噴霧することにより造粒物を製造することができる。吸湿結晶セルロースに噴霧する結合剤溶液としては、例えば結合剤の水溶液を用いることができるが、結合剤溶液は有機溶媒の溶液であってもよい。また結合剤の水溶液はエタノールやアセトンなどの水溶性有機溶媒を含んでいてもよい。本発明の方法の好ましい態様では噴霧する結合剤溶液は溶媒として水及びエタノールなどの水溶性有機溶媒を含んでいる。この場合には、結合剤溶液における該有機溶媒の含有量として例えば0〜80%(w/w)程度、好ましくはエタノールを0〜80%(w/w)程度含有することが好ましい。 造粒は一般的には結合剤溶液を噴霧可能な通常の造粒機を用いて行うことができるが、例えば流動層造粒機などを用いることができる。結合剤溶液の噴霧量は造粒機の種類や吸湿結晶セルロースの水分量、あるいは結合剤の種類などに応じて適宜選択することができるが、一般的には1分間あたり吸湿前の結晶セルロース1質量部に対して1/50質量部以下、好ましくは1/80質量部以下、さらに好ましくは1/100質量部以下の結合剤溶液を吸湿結晶セルロースに対して噴霧することが好ましい。噴霧する際の液滴の直径は特に限定されないが、例えば10〜100μm程度である。結合剤溶液の噴霧に際しては造粒物が凝集塊を形成することなく、造粒機の内壁に付着することがないように流動条件や噴霧条件を適宜決定することができる。 結合剤の種類は特に限定されず、結合剤溶液の噴霧量、造粒機の種類、又は吸湿結晶セルロースの水分量などに応じて当業者が適宜選択可能であるが、例えばヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン、又はポリビニルアルコールなどを用いることができる。これらのうちヒドロキシプロピルセルロースが好ましい。結合剤溶液における結合剤の濃度も特に限定されず、結合剤溶液の噴霧量、造粒機の種類、又は吸湿結晶セルロースの水分量などに応じて当業者が適宜選択可能であるが、例えば1〜5質量%程度である。 造粒にあたり、1種又は2種以上の製剤用添加物を使用してもよい。例えば安定化剤、界面活性剤、緩衝剤、抗酸化剤、着色剤、賦形剤、崩壊剤、保存剤、又は溶解補助剤などの製剤用添加物を1種又は2種以上を用いることができ、好ましくは崩壊剤などを適宜使用することができる。製剤用添加物は造粒に際して吸湿結晶セルロースに固体状態で混合添加することもできるが、例えば賦形剤などの製剤用添加物を結合剤溶液に溶解又は分散して噴霧することも可能である。造粒のために使用する1種又は2種以上の製剤用添加物の種類は限定されず、造粒にあたって添加する方法も限定されることはない。 本発明の方法において結合剤溶液に薬剤を溶解しておくことは本発明の特に好ましい態様である。薬剤の種類は特に限定されず、2種以上の薬剤を組み合わせて用いてもよい。2種以上の薬剤を用いる場合には、2種以上の薬剤を含む結合剤溶液を調製して噴霧してもよいが、異なる2種の薬剤を含む結合剤溶液をそれぞれ調製し、それらを同時に、段階的に、又は交互に吸湿結晶セルロースに噴霧して造粒を行うこともできる。薬剤としては、例えば、解熱鎮痛剤、向精神薬、抗不安薬、抗うつ薬、催眠鎮静薬、鎮痙薬、中枢神経作用薬、脳代謝改善剤、脳循環改剤、抗てんかん剤、交感神経興奮剤、抗痴呆薬、制酸剤、抗潰瘍剤、鎮咳去痰剤、鎮吐剤、気管支拡張剤、抗アレルギー薬、抗ヒスタミン剤、強心剤、不整脈用剤、利尿薬、血圧降下剤、血管収縮薬、冠血管拡張剤、末梢血管拡張薬、抗高脂血症用剤、利胆剤、抗生物質、合成抗菌剤、糖尿病治療薬、骨粗鬆症用剤、抗リウマチ薬、骨格筋弛緩薬、鎮痙剤、ホルモン剤、アルカロイド系麻薬、サルファ剤、痛風治療薬、血液凝固阻止剤、又は抗悪性腫瘍剤などに包含される各種の薬剤を用いることができるが、これらに限定されるわけではない。本発明の方法に特に好適に使用できる薬剤群として、例えば実施例に示したロキサチジン酢酸エステル塩酸塩などの胃酸分泌抑制作用を有するヒスタミン受容体拮抗薬を挙げることができるが、本発明の方法はこの特定の薬剤に限定されるわけではない。 造粒条件は適宜選択可能で特に限定されることはないが、例えば流動層造粒機を用いて結合剤溶液の噴霧により造粒を行う場合には、風量を約0.2〜25m3/分程度とし、給気温度を30〜80℃として噴霧を行い、回転数を20〜400 rpm程度として、吸湿結晶セルロースに結合剤溶液を30分から数時間かけて噴霧すればよい。造粒物の粒径は特に限定されないが、例えば100〜800μm程度とすることができ、必要に応じて造粒後に整粒を行い所望の粒度分布の造粒物を製造することができる。篩のサイズは特に限定されないが、例えば目開き500μm程度の篩で整粒することが好ましい。また、造粒物は必要に応じて乾燥工程に付してもよい。乾燥は当業者に周知の方法で行うことができ、所望の水分値まで乾燥した造粒物を容易に調製することができる。さらに造粒物に対して溶出制御や安定性改善のために皮膜をコーティングすることもできる。 上記の工程で得られた造粒物が薬剤を含まない場合には、この造粒物を核粒子として用いてコーティングなどの汎用の手法により1種又は2種以上の薬剤を造粒物に担持させることができ、その後に常法により錠剤、顆粒剤、細粒剤、カプセル剤などの固形製剤を製造することができる。本発明の工程により薬剤を含む造粒物を製造する場合には、その造粒物を用いて錠剤、顆粒剤、細粒剤、カプセル剤などの固形製剤を製造することができる。固形製剤の製造にあたっては、例えば上記の工程で得られた造粒物と適宜の賦形剤を混合し、必要に応じて結合剤や崩壊剤とともに圧縮成型することにより錠剤を製造することができ、さらに錠剤に対して必要に応じて腸溶コーティングなどのフィルムコーティングや糖衣を施すことができる。また、上記の工程で得られた造粒物を必要に応じて結合剤や崩壊剤と混合してさらに造粒することにより顆粒剤などを製造することができる。これらの方法は当業者に周知かつ汎用されており、当業者に利用可能な適宜の方法により所望の固形製剤を製造することができる。 以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲は下記の実施例に限定されることはない。例1 結晶セルロース(水で造粒された結晶セルロース粒、セルフィア(登録商標)CP-203、旭化成ケミカルズ株式会社)300 gを流動層造粒機(SFC-LABO)に投入し、風量を約0.4 m3/分として給気温度を30℃、回転数を300 rpmにて流動させた。はじめに水75 gを2 g/分の速度で噴霧した。次いでロキサチジン酢酸エステル塩酸塩(Roxa)120 g、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC) 9 gを含む薬剤水溶液を同条件で流動させながら噴霧して造粒した。造粒物を給気温度(30℃)で乾燥した。上記操作にて得られた乾燥品を篩過器に投入し、JP30号篩(目開き:500μm)で整粒した。篩を通過した顆粒:413.7 g(100%)、篩上に残った顆粒は0.1 g(0.0%)であった。同様に例2〜5を行いそれぞれの製造例について収率及び団粒率を求めた。収率(%)=(篩上に残存した粒子質量(B)+篩を通過した粒子質量(C))/原材料質量(A)×100団粒率(%)=(B)/(B+C)×100比較例 結晶セルロース(水で造粒された結晶セルロース粒、セルフィア(登録商標)CP-203、旭化成ケミカルズ株式会社)300 gを流動層造粒機(SFC-LABO)に投入し、風量を約0.4 m3/分として給気温度を30℃、回転数を300 rpmにて流動させた。次いでロキサチジン酢酸エステル塩酸塩120 g、HPC 9 gを含む薬剤水溶液を同条件で流動させながら噴霧して造粒を試みたところ、顆粒同士の凝集が多数発生して流動層造粒機の攪拌が困難な状態になった。得られた顆粒凝集塊は整粒操作を行うことができなかった。例6 結晶セルロース(セルフィア(登録商標)CP-203、旭化成ケミカルズ株式会社)32.7 kgを流動層造粒機(SFC-50)に投入し、給気風量を流動約12 m3/分、スリット約10 m3/分として給気温度を30℃、回転数をローター50 rpm、アジテーター150 rpmにて流動させた。はじめに精製水8.18 kgを300 g/分の速度で噴霧した。次いで、給気温度を約45℃に上げた後、Roxa16.8 kg、HPC 1.335 kgを含む薬剤水溶液を噴霧して造粒物を製造した。造粒物を給気温度(60℃)で乾燥した。上記操作にて得られた乾燥品を篩過器に投入し、JP30号篩(目開き:500μm)で整粒した。篩を通過した顆粒:49.85kg(100%)、篩上に残った顆粒は0.02 kg(0.0%)であった。吸湿結晶セルロースに結合剤溶液を噴霧して造粒を行う工程を含む造粒物の製造方法。吸湿結晶セルロースが吸湿前の結晶セルロース1質量部に対して1/8〜1/2質量部の水分を含む吸湿結晶セルロースである請求項1に記載の方法。吸湿結晶セルロースに噴霧する結合剤溶液が水及びエタノールを含む請求項1又は2に記載の方法。結合剤溶液におけるエタノールの含有量が0〜80%(w/w)の範囲である請求項3に記載の方法。乾燥状態の結晶セルロースに水を噴霧して吸湿結晶セルロースを調製する工程を含む請求項1ないし4のいずれか1項に記載の方法。造粒を流動層造粒機を用いて行う請求項1ないし5のいずれか1項に記載の方法。結合剤溶液が1種又は2種以上の薬剤を含む請求項1ないし6のいずれか1項に記載の方法。薬剤がロキサチジン酢酸エステル塩酸塩である請求項7に記載の方法。ロキサチジン酢酸エステル塩酸塩及びエタノールを含むヒドロキシプロピルセルロース水溶液を吸湿結晶セルロースに噴霧する工程を含む請求項8に記載の方法。吸湿前の結晶セルロースとして水で造粒された結晶セルロース粒を用いる請求項1ないし9のいずれか1項に記載の方法。請求項1ないし10のいずれか1項に記載の造粒物を含む固形製剤。 【課題】結晶セルロースから造粒物を製造するにあたり、造粒時の顆粒の凝集を回避できる効率的かつ簡便な製造方法の提供。【解決手段】吸湿結晶セルロースに結合剤溶液を噴霧して造粒を行う工程を含む造粒物の製造方法。該吸湿結晶セルロースは、吸湿前の結晶セルロース1質量部に対して1/8〜1/2質量部の水分を含む吸湿結晶セルロースであることが好ましい。該結合剤溶液は、1種又は2種以上の薬剤を含むものであることが好ましく、該薬剤としては、特に、胃酸分泌抑制作用を有するヒスタミン受容体拮抗薬であるロキサチジン酢酸エステル塩酸塩が好ましい。【選択図】なし


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