タイトル: | 公開特許公報(A)_肝機能保護又は改善剤 |
出願番号: | 2012069107 |
年次: | 2013 |
IPC分類: | A61K 36/53,A61P 1/16,A23L 1/30 |
増田 秀樹 松井 謡子 廣岡 沙織 熊谷 日登美 JP 2013199447 公開特許公報(A) 20131003 2012069107 20120326 肝機能保護又は改善剤 小川香料株式会社 591011410 結田 純次 100127926 竹林 則幸 100140132 新井 信輔 100106769 増田 秀樹 松井 謡子 廣岡 沙織 熊谷 日登美 A61K 36/53 20060101AFI20130906BHJP A61P 1/16 20060101ALI20130906BHJP A23L 1/30 20060101ALI20130906BHJP JPA61K35/78 QA61P1/16A23L1/30 B 6 OL 17 4B018 4C088 4B018MD61 4B018MD66 4B018ME14 4B018MF01 4C088AB38 4C088AC02 4C088BA09 4C088BA10 4C088CA04 4C088CA05 4C088CA06 4C088MA16 4C088MA17 4C088MA34 4C088MA35 4C088MA37 4C088MA47 4C088MA52 4C088NA14 4C088ZA75 本発明は、肝機能保護又は改善剤、同剤を含有する飲食品、及び香料組成物、並びにヒトを除く哺乳動物の肝機能の保護又は改善方法、詳しくはシソ科植物を起源とする肝機能の保護又は改善剤等に関する。 肝臓は糖質、タンパク質、脂質といった三大栄養素を合成、分解、貯蔵、血中に放出している重要な臓器である。肝臓はこれら代謝機能のほかに、アルコール、薬物、アンモニアなどの毒物を解毒する作用をもっている。肝疾患はウィルス、アルコール、薬剤、自己免疫疾患などにより急性的あるいは慢性的に障害を受け発症する。肝臓内で産生された活性酸素種が肝細胞障害と肝線維化の主要な原因といわれている。 活性酸素種の主要な産生源はミトコンドリアである。ウィルス、アルコール、薬物などにより肝細胞環境が変化すると、ミトコンドリアの呼吸活動が亢進して抗酸化酵素や抗酸化物質で消去しきれない多量の活性酸素種が発生する。活性酸素種は肝細胞膜の構成成分である脂質の過酸化反応を誘導して生体膜機能を破壊する。また、細胞核のDNAを酸化修飾して機能障害を引き起こし、細胞死に至る。この一連の過程が酸化ストレスによる肝細胞障害である。 肝機能障害の改善には、インターフェロンなどの抗ウィルス剤、対処療法としての肝庇護剤などが知られている(田中千賀子ら編「NEW 薬理学 改訂第4版」、第462〜463頁、2002年、南光堂)。しかし、薬物治療においては、一般に長期にわたる治療が基本となるため、副作用が生じないよう十分な注意が必要である。 従って、食経験のある物質にかかる効果を有する成分を見出すことは、安全性の面からも望ましい。そして、最近の健康志向の高まりから、食品が有している機能を有効に活用すべくその生理活性が種々検討されている。 肝機能の保護又は改善に有効とされる飲食品としてはこれまで、田七人参、マリアアザミ及びウコンの各エキスを含有する肝機能賦活剤(特許文献1)、ブラックコホシュエキスを有効成分とする肝保護剤組成物(特許文献2)、甘藷由来のエキスを有効成分とする肝機能増強剤(特許文献3)、アガリクスを含む肝機能正常化剤(特許文献4)、シジミ抽出物を用いた肝機能改善食品(特許文献5)、朝鮮人参多糖体を含む肝疾患予防及び治療用組成物(特許文献6)が提案されている。 しかし、肝機能保護又は改善剤の香味、溶解性、安定性など、物性がそれぞれ異なっており、それらを考慮したうえで商品が作製されている。商品によっては複数の肝機能保護又は改善剤を合わせて使用することもある。健康長寿に対する国民の意識が高まるなか、年齢、性、食習慣、生活時間帯などの違いから、商品の種類や使用形態も様々であり、それぞれの目的に応じた肝機能保護又は改善剤の提供が求められている。 B型及びC型のウィルス性慢性肝炎の治療にはインターフェロンやラミブジン等の抗ウィルス剤が適用され、また、自己免疫性肝炎の治療にはステロイド剤が適用されるが、患者の副作用、肝炎以外の合併症、年齢や体力の問題でこうした疾患特異的治療ができない場合又は効を奏しない場合に、或いは疾患特異的治療と併せて肝炎を鎮静化し肝硬変への進展と発癌を抑制するため肝庇護療法が適用されている。 肝庇護療法とは、具体的にはグリチルリチン(商品名「強力ネオミノファーゲンC」)、ウルソデオキシコール酸(商品名「ウルソ」)や小柴胡湯(漢方)などの肝機能改善薬を処方して、炎症による肝細胞の破壊を抑え、ALT(GPT)やAST(GOT)低下させる治療法である。 しかしながら、こうした肝機能改善薬はALTやASTが正常値になるまで連続して長期間服用する必要があり、それに伴う副作用が問題となっている。 そこで、肝炎治療における薬剤選択の範囲を広げるべく、新たな肝機能保護又は改善剤の提供が要望されている。 さらに、肝臓病にはウィルス性肝炎以外にもアルコール性肝障害や薬剤性肝障害などがあり、近年、人々の肝臓疾患予防や肝機能向上に対する関心が高まっている。そこで、医薬以外の食品形態として容易に入手でき、安全で長期間にわたって手軽に摂取できる新たな肝機能保護又は改善用飲食品の提供も強く要望されている。特開平11−189539号公報特開2007−55929号公報特開2001−302533号公報特開2004−91449号公報特開2005−261408号公報特表2011−516543号公報 本発明は、古くからの食経験で安全が確認され、肝細胞の傷害抑制や過酸化状態の改善に優れる肝機能保護又は改善剤、及び同剤を含有する飲食品、香料組成物、並びにヒトを除く哺乳動物の肝機能の保護又は改善方法を提供することにある。 本発明者らは、前記課題を解決するため鋭意研究を重ねた。 その結果、シソ科(Lamiaceae)植物、中でも、ハッカ(Mentha)属植物、レモンバーム(Melissa officinalis)及びローズマリー(Rosmarinus officinalis)に優れた肝機能の保護作用又は改善効果があることを見出し、本発明を完成するに至った。 すなわち本発明は、以下の通りである。(ア)シソ科(Lamiaceae)植物の植物体地上部、植物体地上部の抽出物又は当該抽出物の分画物を有効成分として含有する肝機能の保護又は改善剤であり、シソ科植物が、ハッカ属(Mentha)植物、レモンバーム(Melissa officinalis)及びローズマリー(Rosmarinus officinalis)からなる群から選ばれた少なくとも1種の植物であることを特徴とする。(イ)また、上記の抽出物が、植物体地上部の乾燥体1質量部に対して0.5〜50質量部の量の水又はエタノール水溶液(濃度10〜90%)を用いて溶媒抽出された物であることを特徴とする。(ウ)上記の肝機能保護若しくは改善剤が添加したことを特徴とする肝機能保護又は改善用飲食品、又は肝機能保護若しくは改善剤に天然又は合成香料を添加した香料組成物である。(エ)さらに、肝機能保護又は改善剤を哺乳動物(ただしヒトを除く)に投与することを特徴とする哺乳動物の肝機能を保護又は改善する方法である。 本発明のシソ科植物の植物体地上部、植物体地上部の抽出物又は植物体地上部の抽出物の分画物を有効成分とする肝機能保護又は改善剤は、チオバルビツール酸反応性物質(TBARS)量、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)活性、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)活性、ラクテートデヒドロゲナーゼ(LDH)活性、スーパーオキサイドジスムターゼ(SOD)活性、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GST)活性が有意であり、従って、肝細胞の傷害抑制及び過酸化状態の改善に優れる。 さらに、本発明の肝機能保護又は改善剤の原材料であるシソ科植物(特にハッカ属植物、レモンバーム及びローズマリー)は、古くから用いられているハーブであり、安心して摂取できる素材として日常的且つ長期間、継続的に摂取することが可能である。 従って、人以外の牛や豚など産業動物に投与しても、最終的に畜水産物(食品)として人が摂取する場合の人の健康への影響(残留性など)を懸念する必要もない。 また、本発明の肝機能保護又は改善剤の原材料は独特の強い香味を有するシソ科植物(ハッカ属植物、レモンバーム及びローズマリー)であるにもかかわらず、その抽出物又は植物体地上部の抽出物の分画物については、そうした独特の香味が弱いので、飲食品や他の香料と組み合わせてもそれら本来の香味を損なう恐れはない。ペパーミント、レモンバーム、ローズマリー抽出物(製造例1〜3)をラットに投与後、チオバルビツール酸反応物質(TBARS)量を測定したグラフである。ペパーミント、レモンバーム、ローズマリー抽出物(製造例1〜3)をラットに投与後、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)活性を測定したグラフである。ペパーミント、レモンバーム、ローズマリー抽出物(製造例1〜3)をラットに投与後、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)活性を測定したグラフである。ペパーミント、レモンバーム、ローズマリー抽出物(製造例1〜3)をラットに投与後、ラクテートデヒドロゲナーゼ(LDH)活性を測定したグラフである。ペパーミント、レモンバーム、ローズマリー抽出物(製造例1〜3)をラットに投与後、スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)活性を測定したグラフである。ペパーミント、レモンバーム、ローズマリー抽出物(製造例1〜3)をラットに投与後、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GST)活性を測定したグラフである。〔1〕肝機能保護又は改善剤(1)原料植物 本発明の肝機能保護又は改善剤の有効成分はシソ科植物であり、特にハッカ(Mentha、メンタ)属植物、レモンバーム(Melissa officinalis)、ローズマリー(Rosmarinus officinalis)といった草本が好適である。 ハッカ属植物としては、例えば、ペパーミント(Mentha ×piperita)、ハッカ(Mentha arvensis L. var. piperascens)、ホースミント(Mentha longifolia)、ペニーロイヤルミント(Mentha pulegium)及びスペアミント(Mentha spicata)を挙げることができ、特にペパーミントが汎用性の点で好ましい。 これらの植物体の地上部、すなわち草本の根部以外の地上に露出した部分の葉部、茎部および花部が用いられるが、葉部が香味の点で好ましい。 本発明の肝機能保護又は改善剤は、これらの植物体の地上部のうち少なくとも一部分、植物体地上部の抽出物又は当該抽出物の分画物を有効成分として含有する。 上記の植物はいずれも薬効成分を含むハーブとして古来より、香味野菜やスパイス、ハーブティーとして使用され、十分な安全性が確認されているものである。 ペパーミント等のハッカ属植物は、メントールを多く含み、鎮痙、鎮吐及び駆風効果が知られている。また、レモンバームは、シトラールやシトロネラールを含み、鎮静、抗うつ、催眠、鎮痙、駆風及び抗菌効果が知られている。また、ローズマリーは、シネオールやロスマリン酸を含み、消化促進、駆風、鎮痙、鎮痛、抗菌及び血行促進効果が知られている。 しかしながら、ペパーミント等のハッカ属植物、レモンバーム及びローズマリーの植物体、植物体抽出物又は当該抽出物の分画物が、肝細胞の傷害抑制や過酸化状態の改善に優れ、その結果、肝機能の保護作用又は改善効果をもたらすことは知られておらずこのような作用効果は意外であった。 本発明の肝機能保護又は改善剤の有効成分は、シソ科植物、特にペパーミント、ハッカ、ホースミント、ペニーロイヤルミント、スペアミント等のハッカ属植物、レモンバーム及びローズマリーの地上部、すなわち植物体の葉部、茎部および花部をそのまま用いても良く、これらを乾燥した乾燥体又は乾燥後粉砕した粉末を用いることもできる。(2)抽出物 本発明の肝機能保護又は改善剤の有効成分は、上記の原料植物の植物体地上部を溶媒抽出、圧搾、酵素分解、超臨界抽出、濃縮、希釈、固液分離、精製等の公知の技術を単独あるいは組み合わせて得られるエキスあるいは粉末であってもよい。 このとき、好ましい方法としては溶媒抽出が挙げられる。用いられる溶媒としては、例えば水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、1,3−ブチレングリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、酢酸、酢酸エチル、エーテル、へキサン、n−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール等およびこれらの混合溶媒が挙げられ、これらのうち水、エタノール及びエタノール水溶液(エタノール濃度が10〜90%)が特に好ましい。 用いる溶媒の量は特に限定されるものではないが、通常は植物の乾燥体1質量部に対して0.5〜50質量部、好ましくは1.0〜30質量部、特に好ましくは5.0〜20質量部で用いられる。溶媒量が植物の乾燥体1質量部に対して0.5質量部未満の場合は、溶媒の種類によっては抽出が十分でない場合があり、一方、溶媒量が50質量部を超える場合は経済的に有利でない場合がある。 抽出方法としては、そのまま又は粉砕物を適当な抽出溶媒に浸漬する方法、加温下(常温〜溶媒の沸点の範囲)で攪拌する方法等によって得ることができる。好ましくは15〜100℃の温度で、水又は20〜70%エタノール水溶液で抽出操作を行う。 例えば、植物の粉砕物を室温下の50%エタノール中で10〜60分間攪拌して抽出物を得る方法や、植物の粉砕物を100℃加熱還流下の水中で30〜60分間攪拌して抽出物を得る方法などが挙げられる。 上記抽出操作で得られた抽出物は、それに含まれる香気成分を除去してもよい。抽出物から香気成分を除去する方法としては、溶媒抽出を行う方法(例えば米国特許第3950266号明細書)、超臨界二酸化炭素を用いる方法(例えば特開平3−9985号公報)、合成吸着樹脂を用いる方法(例えば特開2003−105337号公報)、などを単独あるいは適宜組み合わせて用いることができる。(3)抽出物の分画物 本発明の肝機能保護又は改善剤の有効成分は、前記原料植物の植物体地上部から得られた抽出物を分画したものであってもよい。 分画方法は、液液抽出による方法や合成吸着剤による方法があるが、特に、合成吸着剤による分画が好ましい。 分画に用いる溶媒は、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、1,3−ブチレングリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、酢酸、酢酸エチル、エーテル、へキサン、n−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール等およびこれらの混合溶媒が挙げられ、これらのうち水、エタノールおよびエタノール水溶液(エタノール濃度が10〜90%)が特に好ましい。 分画に用いる合成吸着剤は、一般に不溶性の三次元架橋構造ポリマーであってイオン交換基のような官能基を実質的に持たないものが好適である。かかる条件を満たす合成吸着剤としては、その母体がスチレン系のスチレン−ジビニルベンゼン共重合体、例えば三菱化学株式会社製の「セパビーズSP70(商品名)」(細孔分布:細孔容積1.6ml/g、比表面積870m2/g、最頻度半径が71Å)や「ダイヤイオンHP20(商品名)」(細孔分布:細孔容積1.3ml/g、比表面積590m2/g、最頻度半径が260Å)等を使用できるが、これらに限るものではない。 また、合成吸着剤による分画方法としては、バッチ方式あるいはカラム方式のいずれも採用できるが、作業性の点からカラム方式を好ましい。カラム方式で分画する方法としては、例えば、上記のような合成吸着剤を充填したカラムに、該吸着剤の10倍〜1000倍の抽出物を含む水又はアルコール水溶液を通液することにより、有効成分を得ることができる。(4)付加的成分 本発明の肝機能保護又は改善剤においては、有効成分以外に飲食品用として通常用いられている他の成分を添加して、肝機能保護又は改善剤を組成物の態様で提供することができる。 付加的に用いられる任意成分としては、例えば甘味料、着色料、保存料、増粘安定剤、酸化防止剤、苦味料、酸味料、乳化剤、強化剤、製造用剤、賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、コーティング剤、可塑剤及び香料などであり、これらを添加して各種製剤・剤型として用いることもできる。(5)摂取量 本発明の肝機能保護又は改善剤の摂取量は、年齢、体重、症状、疾患の程度、医薬品や飲食品の形態等により適宜選択・決定されるが、例えば、抽出、乾燥した粉末として一日当たり1mg〜10g程度、好ましくは10mg〜1gとされ、1日数回に分けて摂取してもよい。 本発明の有効成分の1日投与量は、通常はヒトに対して0.1〜100mg/kg体重の範囲が好ましい。〔2〕ヒトを除く哺乳動物の肝機能の保護又は改善方法 本発明の肝機能保護又は改善剤は、ヒト以外の哺乳動物に適用してそれらの肝機能を保護し改善することができる。かかる哺乳動物は、ペット動物や家畜動物であり、例えば、犬、猫、牛、馬、豚、羊、山羊等である。 その場合の投与量は、一般に、ヒトに準じて1日当たり0.1〜100mg/kg体重であるが、実際の投与量は哺乳動物種や個々の種特異的生物学的作用によって変化する。〔3〕肝機能保護又は改善用香料組成物 本発明で、有効成分と共に用いることのできる香料として、以下の天然香料又は合成香料を例示することができる。 アセト酢酸エチル、アセトフェノン、アニスアルデヒド、α−アミルシンナムサルデヒド、アントラニル酸メチル、イオノン、イソオイゲノール、イソ吉草酸イソアミル、イソ吉草酸エチル、イソチオシアン酸アリル、イソチオシアン酸3−ブテニル、イソチオシアン酸4−ペンテニル、イソチオシアン酸ベンジル、イソチオシアン酸3−メチルチオプロピル、イソチオシアネート類、インドール及びその誘導体、γ−ウンデカラクトン、エステル類、エチルバニリン、エーテル類、オイゲノール、オクタノール、オクタナール、オクタン酸エチル、ギ酸イソアミル、ギ酸ゲラニル、ギ酸シトロネリル、ケイ皮酸、ケイ皮酸エチル、ケイ皮酸メチル、ケトン類、ゲラニオール、酢酸イソアミル、酢酸エチル、酢酸ゲラニル、酢酸シクロヘキシル、酢酸シトロネリル、酢酸シンナミル、酢酸テルピニル、酢酸フェネチル、酢酸ブチル、酢酸ベンジル、酢酸l−メンチル、酢酸リナリル、サリチル酸メチル、シクロヘキシルプロピオン酸アリル、シトラール、シトロネラール、シトロネロール、1,8−シネオール、脂肪酸類、脂肪族高級アルコール類、脂肪族高級アルデヒド類、脂肪族高級炭化水素類、シンナミルアルコール、シンナムアルデヒド、チオエーテル類、チオール類、デカナール、デカノール、デカン酸エチル、テルピネオール、リモネン、ピネン、ミルセン、タピノーレン、テルペン系炭化水素類、γ−ノナラクトン、バニリン、パラメチルアセトフェノン、ヒドロキシシトロネラール、ヒドロキシシトロネラールジメチルアセタール、ピペロナール、フェニル酢酸イソアミル、フェニル酢酸イソブチル、フェニル酢酸エチル、フェノールエーテル類、フェノール類、フルフラール及びその誘導体、プロピオン酸、プロピオン酸イソアミル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ベンジル、ヘキサン酸、ヘキサン酸アリル、ヘキサン酸エチル、ヘプタン酸エチル、l−ペリラアルデヒド、ベンジルアルコール、ベンズアルデヒド、芳香族アルコール類、芳香族アルデヒド類、d−ボルネオール、マルトール、N−メチルアントラニル酸メチル、メチルβ−ナフチルケトン、dl−メントール、酪酸、酪酸イソアミル、酪酸エチル、酪酸シクロヘキシル、酪酸ブチル、ラクトン類、リナロオール等の合成或いは天然由来の香料の他、オレンジ、レモン、ライム、グレープフルーツなどシトラス系精油類、アップル、バナナ、グレープ、メロン、ピーチ、パイナップル、ストロベリーなどフルーツ系の精油或いは回収フレーバー、ミルク、クリーム、バター、チーズ、ヨーグルトなど乳系の抽出香料、緑茶、ウーロン茶、紅茶、コーヒー、ココアなど嗜好品系の回収フレーバー、アサノミ、アサフェチダ、アジョワン、アニス、アンゼリカ、ウイキョウ、ウコン、オレガノ、オールスパイス、オレンジノピール、カショウ、カッシア、カモミル、カラシナ、カルダモン、カレーリーフ、カンゾウ、キャラウェー、クチナシ、クミン、クレソン、クローブ、ケシノミ、ケイパー、コショウ、ゴマ、コリアンダー、サッサフラス、サフラン、サボリー、サルビア、サンショウ、シナモン、シャロット、ジュニパーベリー、ショウガ、スターアニス、セイヨウワサビ、セロリー、ソーレル、タイム、タマネギ、タマリンド、タラゴン、チャイブ、ディル、トウガラシ、ナツメグ、ニガヨモギ、ニジェラ、ニンジン、ニンニク、バジル、パセリ、バニラ、パプリカ、ヒソップ、フェネグリーク、ホースラディッシュ、マジョラム、ミョウガ、ラベンダー、リンデン、レモングラス、レモンバーム、ローズ、ローズマリー、ローレル、ワサビなどから得られる香辛料抽出物、アイスランドモス、アカヤジオウ、アケビ、アサ、アサフェチダ、アジアンタム、アジョワン、アズキ、アスパラサスリネアリス、アップルミント、アーティチョーク、アニス、アボカド、アマチャ、アマチャズル、アミガサユリ、アミリス、アーモンド、アリタソウ、アルカンナ、アルテミシア、アルニカ、アルファルファ、アロエ、アンゴスツラ、アンゴラウィード、アンズ、アンズタケ、アンゼリカ、アンバー、アンバーグリス、アンブレット、イカ、イカリソウ、イグサ、イースト、イタドリ、イチゴ、イチジク、イチョウ、イノコヅチ、イランイラン、イワオウギ、インペラトリア、インモルテル、ウィンターグリーン、ウォータークレス、ウコギ、ウコン、ウスバサイシン、ウッドラフ、ウニ、ウメ、ウーロンチャ、エゴマ、エノキダケ、エビ、エビスグサ、エリゲロン、エルダー、エレウテロコック、エレカンペン、エレミ、エンゴサク、エンジュ、エンダイブ、欧州アザミ、オウレン、オオバコ、オカゼリ、オキアミ、オーク、オークモス、オケラ、オスマンサス、オポポナックス、オミナエシ、オモダカ、オランダセンニチ、オリガナム、オリス、オリバナム、オリーブ、オールスパイス、オレンジ、オレンジフラワー、カイ、カイニンソウ、カカオ、カキ、カサイ、カシューナッツ、カスカラ、カスカリラ、カストリウム、カタクリ、カツオブシ、カッシー、カッシャフィスチュラ、カテキュ、カニ、カーネーション、カノコソウ、カモミル、カヤプテ、カラシ、カラスウリ、カラスビシャク、ガラナ、カラムス、ガランガ、カーラント、カリッサ、カリン、カルダモン、ガルバナム、カレー、カワミドリ、カンゾウ、ガンビア、カンラン、キウィーフルーツ、キカイガラタケ、キキョウ、キク、キクラゲ、キササゲ、ギシギシ、キダチアロエ、キナ、キハダ、ギボウシ、ギムネマシルベスタ、キャットニップ、キャラウェー、キャロップ、キュウリ、キラヤ、キンミズヒキ、グァバ、グァヤク、クコ、クサスギカズラ、クサボケ、クズ、クスノキ、クスノハガシワ、グーズベリー、クチナシ、クベバ、クマコケモモ、グミ、クミン、グラウンドアイビー、クララ、クラリセージ、クランベリー、クリ、クルミ、クリーム、グレインオブパラダイス、クレタディタニー、グレープフルーツ、クローバー、クローブ、クロモジ、クロレラ、クワ、クワッシャ、ケイパー、ゲットウ、ケード、ケブラコ、ゲルマンダー、ケンチュール、ケンポナシ、ゲンノショウコ、コウジ、コウダケ、コウチャ、コウホネ、コカ、コガネバナ、コクトウ、コクルイ、ココナッツ、ゴシュユ、コショウ、コスタス、コストマリー、コパイパ、コーヒー、コブシ、ゴボウ、ゴマ、コーラ、コリアンダー、コルツフート、ゴールデンロッド、コロンボ、コンサイ、コンズランゴ、コンフリー、サイプレス、魚、サクラ、サクランボ、ザクロ、サケカス、ササ、ササクサ、サーチ、サッサフラス、サフラン、サポジラ、サボテン、サラシナショウマ、サルサパリラ、サルシファイ、サルノコシカケ、サンザシ、サンシュユ、サンショウ、サンタハーブ、サンダラック、サンダルウッド、サンダルレッド、シイタケ、ジェネ、シダー、シトラス、シトロネラ、シヌス、シベット、シマルーバ、シメジ、シャクヤク、ジャスミン、ジャノヒゲ、ジャボランジ、シャロット、シュクシャ、ジュニパーベリー、ショウガ、ショウユ、ショウユカス、ジョウリュウシュ、ショウロ、シロタモギタケ、ジンセン、シンナモン、酢、スイカ、スイセン、スギ、スターアニス、スターフルーツ、スチラックス、スッポン、スッポンタケ、ズドラベッツ、スネークルート、スパイクナード、スプルース、スベリヒユ、スローベリー、セイボリー、セキショウ、セージ、ゼドアリー、セネガ、ゼラニウム、セロリー、センキュウ、センタウリア、センゲン、セントジョーンズウォルト、センナ、ソース、ダイオウ、ダイズ、タイム、タケノコ、タコ、タデ、ダバナ、タマゴ、タマゴタケ、タマネギ、タマリンド、ダミアナ、タモギタケ、タラゴン、タラノキ、タンジー、タンジェリン、タンポポ、チェリモラ、チェリーローレル、チェリーワイルド、チガヤ、チコリ、チーズ、チチタケ、チャイブ、チャービル、チャンパカ、チュベローズ、チョウセンゴミシ、チラータ、ツクシ、ツケモノ、ツタ、ツバキ、ツユクサ、ツリガネニンジン、ツルドクダミ、ディアタング、ティスル、ディタニー、ディル、デーツ、テンダイウヤク、テンマ、トウガラシ、トウキ、ドウショクブツタンパクシツ、ドウショクブツユ、トウミツ、トウモロコシ、ドクダミ、トチュウ、ドッググラス、トマト、ドラゴンブラッド、ドリアン、トリュフ、トルーバルサム、トンカ、ナギナタコウジュ、ナシ、ナスターシャム、ナッツ、ナットウ、ナツメ、ナツメグ、ナデシコ、ナメコ、ナラタケ、ニアウリ、ニュウサンキンバイヨウエキ、ニンジン、シンニク、ネズミモチ、ネットル、ネムノキ、ノットグラス、バイオレット、パイナップル、ハイビスカス、麦芽、ハコベ、バジル、ハス、ハスカップ、パースカップ、パセリ、バター、バターオイル、バターミルク、バーチ、ハチミツ、パチュリー、バックビーン、ハッコウシュ、ハッコウニュウ、ハッコウミエキ、パッションフルーツ、ハツタケ、バッファローベリー、ハトムギ、ハナスゲ、バナナ、バニラ、ハネーサックル、パパイヤ、バーベリー、ハマゴウ、ハマスゲ、ハマナス、ハマボウフウ、ハマメリス、バラ、パルマローザ、パンダナ、バンレイシ、ヒキオコシ、ヒシ、ピスタチオ、ヒソップ、ヒッコリー、ピーナッツ、ヒノキ、ヒバ、ピプシシワ、ヒメハギ、ヒヤシンス、ヒラタケ、ビワ、ビンロウ、フェイジョア、フェネグリーク、フェンネル、フジバカマ、フジモドキ、フスマ、フーゼルユ、プチグレイン、ブチュ、ブドウ、ブドウサケカス、フトモモ、ブナ、ブナハリタケ、ブラックキャラウェイ、ブラックベリー、プラム、ブリオニア、プリックリーアッシュ、プリムローズ、プルネラ、ブルーベリー、ブレッドフルーツ、ヘイ、ベイ、ヘーゼルナッツ、ベチバー、ベーテル、ベニバナ、ペニーロイヤル、ヘビ、ペピーノ、ペプトン、ベルガモット、ベルガモットミント、ペルーバルサム、ベルベナ、ベロニカ、ベンゾイン、ボアドローズ、ホアハウンド、ホウ、ホウキタケ、ホウショウ、ボウフウ、ホエイ、ホオノキ、ホースラディッシュ、ボタン、ホップ、ポピー、ポプラ、ポポー、ホホバ、ホヤ、ボルドー、ボロニア、マイタケ、マグウォルト、マシュマロー、マジョラム、マスティック、マソイ、マタタビ、マチコ、マツ、マツオウジ、マッシュルーム、マツタケ、マツブサ、マツホド、マテチャ、マメ、マリーゴールド、マルバダイオウ、マルメロ、マレイン、マロー、マンゴー、マンゴスチン、ミカン、ミシマサイコ、ミソ、ミツマタ、ミツロウ、ミート、ミモザ、ミョウガ、ミルク、ミルテ、ミルフォイル、ミルラ、ミロバラン、ムギチャ、ムスク、ムラサキ、メスキート、メドウスィート、メハジキ、メープル、メリッサ、メリロット、メロン、モウセンゴケ、モニリアバイヨウエキ、モミノキ、モモ、モロヘイヤ、ヤクチ、ヤマモモ、ユーカリ、ユキノシタ、ユズ、ユッカ、ユリ、ヨウサイ、ヨロイグサ、ライオンズフート、ライチ、ライフエバーラスティングフラワー、ライム、ライラック、ラカンカ、ラカンショウ、ラズベリー、ラタニア、ラディッシュ、ラブダナム、ラベンダー、ラングウォルト、ラングモス、ランブータン、リキュール、リーク、リツェア、リナロエ、リュウガン、リョウフンソウ、リョクチャ、リンゴ、リンデン、リンドウ、ルー、ルリジサ、レセダ、レモン、レモングラス、レンギョウ、レンゲ、レンブ、ローズマリー、ロベージ、ローレル、ロンゴザ、ワサビ、ワタフジウツギ、ワームウッド、ワームシード、ワラビ、ワレモコウなどから得られる天然香料が例示され、適宜選択して使用される。 香料の添加量は特に限定されるものではないが、一般的には本発明の肝機能保護又は改善剤を含む組成物中、0.0001〜50質量%、好ましくは0.001〜30質量%、最も好ましくは0.01〜10質量%の添加量となるように配合される。本発明の肝機能保護又は改善剤の使用形態は、そのまま或いは希釈した状態、乳化状態、更には粉化した様々な製剤の形で用いることができる。〔3〕肝機能保護又は改善用飲食品 本発明に関わる肝機能保護又は改善剤を添加した飲食品を製造するには、上記の方法で製造した有効成分又はそれを含む製剤を用いることができ、慣用の手段を用いて、食用に適した状態、例えば、顆粒状、粒状、錠剤、カプセル剤、ソフトカプセル剤、ペースト状等に形成したものを用いることができる。 この飲食品は、そのまま食用に供してもよく、また種々の食品(例えばハム、ソーセージ、かまぼこ、ちくわ、パン、バター、粉乳、菓子など)に添加して使用、あるいは水、酒類、果汁、牛乳、清涼飲料水等の飲物に添加して使用してもよい。 肝機能保護または改善剤の添加量は特に限定されるものではないが、一般的には本発明の肝機能保護又は改善剤を含む飲食品中、0.001〜90質量%、好ましくは0.01〜70質量%、最も好ましくは0.1〜50質量%の添加量となるように配合される。本発明の肝機能保護又は改善剤の使用形態は、そのまま或いは希釈した状態、乳化状態、更には粉化した様々な製剤の形で用いることができる。 以下、実施例等を挙げて本発明をさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。〔製造例1〕ペパーミント抽出物 ペパーミントの葉の乾燥品150gに対して3kgの50%エタノール水溶液を加えて、室温下10分間攪拌した。残渣を濾過除去して得られた抽出液を合成吸着剤SP70を充填したカラムに吸着し、30%エタノールで溶出した。溶出液を減圧濃縮、凍結乾燥し、41gの粉末品を得た。〔製造例2〕レモンバーム抽出物 レモンバームの葉の乾燥品160gに対して3.2kgの50%エタノール水溶液を加えて、室温下10分間攪拌した。残渣を濾過除去して得られた抽出液を合成吸着剤SP70を充填したカラムに吸着し、30%エタノールで溶出した。溶出液を減圧濃縮、凍結乾燥し、38gの粉末品を得た。〔製造例3〕ローズマリー抽出物 ローズマリーの葉の乾燥品200gに対して4kgの50%エタノール水溶液を加えて、室温下10分間攪拌した。残渣を濾過除去して得られた抽出液を合成吸着剤SP70を充填したカラムに吸着し、30%エタノールで溶出した。溶出液を減圧濃縮、凍結乾燥し、32gの粉末品を得た。〔製造例4〕ペパーミント抽出物 ペパーミントの葉の乾燥品100gに対して2kgの蒸留水を加え、攪拌しながら30分間還流した。残渣を濾過除去して得られた抽出液を減圧濃縮、凍結乾燥し、20gの粉末品を得た。〔製造例5〕レモンバーム抽出物 レモンバームの葉の乾燥品120gに対して2.4kgの蒸留水を加え、攪拌しながら30分間還流した。残渣を濾過除去して得られた抽出液を減圧濃縮、凍結乾燥し、23gの粉末品を得た。〔製造例6〕ローズマリー抽出物 ローズマリーの葉の乾燥品80gに対して1.6kgの蒸留水を加えて、攪拌しながら30分間還流した。残渣を濾過除去して得られた抽出液を減圧濃縮、凍結乾燥し、9gの粉末品を得た。〔試験例1〕四塩化炭素急性肝障害モデル動物に対する作用 製造例1〜3で得られたペパーミント抽出物、レモンバーム抽出物、あるいはローズマリー抽出物をそれぞれ1回投与あたり1000mg/kgをSD系雄性ラット(6週齢、7匹;日本エスエルシー(株)、静岡)に1日1回、5日間経口胃内投与し、肝障害負荷としての四塩化炭素(CCl4)1ml/kgは5日目の各抽出物投与の6時間前に腹腔内投与した。 各抽出物を上記と同様に経口胃内投与し、かつ四塩化炭素を腹腔内投与しない群を設定した。 陰性対照群として、各抽出物の代わりに同容量の蒸留水を経口胃内投与し且つ四塩化炭素を腹腔内投与しない群を設定した。 陽性対照群として各種抽出物の代わりに同容量の蒸留水を経口胃内投与し、四塩化炭素を腹腔内投与して肝障害を惹起させた群を設定した。 以下の(a)、(e)、(f)の項目については、四塩化炭素投与20時間後に肝臓を採取し、ホモジネート溶液及び細胞質画分を調整し、測定に用いた。四塩化炭素を投与しなかった群についても同様に調整し、測定に用いた。一方、以下の(b)〜(d)の項目については、四塩化炭素投与20時間後に採血し、得られた血液を遠心分離、血漿を分離後、測定に用いた。四塩化炭素を投与しなかった群についても同様に処理し、測定に用いた。(a)チオバルビツール酸反応物質(TBARS)量の測定チオバルビツール酸と、過酸化を受けた脂質が生成するマロンジアルデヒド(反応性が高く、生体内で自然に発生し酸化ストレスの指標になる)等との縮合反応であるチオバルビツール酸反応で生じる縮合生成物(チオバルビツール酸反応物質)は赤色を呈し(λmax 530nm)、また蛍光を発する(λex 532nm、λex 553nm)。そこで、チオバルビツール酸反応は、間接的な脂質過酸化物の測定法として用いられている。脂質の過酸化は、生体においては老化、肺疾患、肝疾患、血液凝固系などに関連している。チオバルビツール酸反応により得られる脂質過酸化物の量は、チオバルビツール酸価と呼ばれ、通常530nmにおける試料の単位重量当たりの吸光度又はマロンジアルデヒド含量(mol/ml)で表される。要するに生体組織の過酸化状態の指標である。TBARS量の測定 ホモジネート溶液(試料用)0.5mlあるいは生理食塩水(盲検用)0.5mlを加えた試験管それぞれに、1%リン酸0.3mlおよび0.67% 2−Thiobarbituric Acid 1.0mlを加えて速やかに攪拌後、試験管のふたを閉じ、95℃で45分間加熱した。反応後、速やかに室温まで冷却し、ブタノール4mlを加えて、ふたを閉じて20秒程度激振し。遠心分離(2650×g、10分間)後、ブタノール層を取り、盲検を対象に、535nmと520nmにおける吸光度を測定し、その差 (A535−520)を求めた。検量線は、10nmol/ml 1,1,3,3−Tetraethoxypropaneにより作成した。(b)アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)活性 ASTは、従来GOT(グルタミン酸−オキサロ酢酸トランスアミナーゼ)と呼ばれている酵素であり、肝細胞、心筋、骨格筋に高濃度で存在するが、その他の臓器にも分布している。肝機能検査と呼ばれることがあるが、実際は細胞の傷害(壊死、変性)によって血中に逸脱する逸脱酵素の一つである。血中の酵素活性値を測定することで、細胞傷害の有無の判定検査として用いられる。 ASTは、肝炎や重傷などの場合に血中に急増する物質である。(c)アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)活性 ALTは、従来GPT(グルタミン酸−ピルビン酸トランスアミナーゼ)と呼ばれている酵素である。ALTは、多くの臓器に存在しているが、生体内分布はASTと異なり、肝細胞中に圧倒的に多量に存在しているため、主に肝細胞傷害で血中に途脱し(逸脱酵素)、酵素活性が上昇する。このため肝機能検査と呼ばれることがあるが、正確には肝臓の機能ではなく肝細胞の傷害の有無を推定する検査である。(d)ラクテートデヒドロゲナーゼ(LDH)活性 LDH(ラクテートデヒドロゲナーゼ:乳酸脱水素酵素)は、解糖系の最終の段階に位置する酵素であり、ピルビン酸を乳酸に変換する酵素である。ASTやALTと同様に逸脱酵素の一種である。LDHはあらゆる組織、例えば肝臓、赤血球、筋肉、悪性腫瘍などに広範に分布する。従って、臨床検査では、この酵素活性の上昇はいずれかの組織に異常があることを示しており、スクリーニングテストとして利用される。LDHが上昇する病気には肝炎など肝臓が悪い場合、赤血球が溶血などで壊れた場合、心臓の筋肉が壊れた心筋梗塞の場合、がんの場合などが種々あるが、特にAST、ALTとともに血中濃度が上昇した場合は肝障害が疑われる。AST、ALT、LDH活性の測定 血液を室温にて30分間放置後、遠心分離(1500×g、15分間)し、上層の血清画分を分取した。この血清中のAST、ALT、LDH活性を、スポットケムTMII肝機能−2(アークレイ株式会社、京都)を用いて、乾式臨床化学自動分析装置(SporChem TM EZ SP-4403、アークレイ株式会社、京都)により測定した。(e)スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)活性 SODは、スーパーオキシドアニオンと水素イオンを反応させ三重項酸素と過酸化水素を生成する反応を触媒する酵素である。すなわち、 2O2-+2H+ → H2O2+O2 の反応を触媒する酵素であり、細胞内のスーパーオキシドアニオンの濃度を10万分の1にする作用があり、脂質の過酸化を阻止する機能がある。肝臓、腎臓、赤血球などに多く、細胞質に存在する。SOD活性の測定 2ml用分光光度計用セルに0.1mMキサンチン、0.025mM Nitro Blue Tetrazolium 、0.1mM Na−EDTA含有50mM NaHCO3−Na2CO3 buffer(pH 10.2) 960μlを加えて25℃で充分に保温した。この時の560nmにおける吸光度を初期値とした。キサンチンオキシダーゼ溶液20μlおよび細胞質画分20μlを同時に加え、攪拌後、1分間ごとに5分間、560nmにおける吸光度を測定した。(f)グルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GST)活性 GSTはグルタチオン(GSH)と多くの親電子性の化合物との抱合反応を触媒する酵素である。GSTは肝臓の解毒代謝に関与する主要酵素であり、ラット肝では可溶性タンパクの約10%を占める。多数の分子種が存在し、クラスα、μ、π、θなどに分類されている。これらのあるものはペルオキシダーゼやステロイドイソメラーゼなどの活性をもち、さらにビリルビン、コール酸、脂質、癌原物質などの有機イオン化合物の結合タンパク質として役割をもっており、多機能酵素である。また、ロイコトリエンB4とGSHの反応を触媒し、ロイコトリエンC、D、Eなどをつくる分子種も存在する。さらに、前癌状態の肝などに特異的に発現してくるπクラスのGST−7−7なども知られている。グルタチオン抱合体はグルタチオン部分が代謝され、尿中にメルカプツール酸として排泄される。Glutatione-S-transferase(GST)活性の測定 2ml用分光光度計用セルに0.1 M K2HPO4−KH2PO4 buffer(pH 7.4)1.48ml、30mM GSH溶液60μlを加えて37℃で保温し、この時の340nmにおける吸光度を初期値とした。30mMジニトロクロロベンゼン60μlおよび希釈したGSTを含む細胞質画分300μlを同時に加え攪拌後、1分間ごとに5分間、反応により生成したS−2,4−ジニトロフェニルグルタチオンの340nmにおける吸光度を測定した。 TBARS量、AST活性、ALT活性、LDH活性、SOD活性、GST活性のデータはDuncan's testによる検定後、p<0.05の場合を有意と判定した。 結果を表1及び図1〜6に示す。 表1及び図1〜6に示すように、ペパーミント抽出物投与群は陽性対照群に対し、TBARS量、AST活性、ALT活性、LDH活性、SOD活性、GST活性が有意であった。 また、レモンバーム抽出物投与群は陽性対照群に対し、TBARS量、SOD活性、GST活性が有意であった。 さらに、ローズマリー抽出物投与群は陽性対照群に対し、TBARS量、AST活性、ALT活性、LDH活性、SOD活性が有意であった。 従って、ペパーミント、レモンバーム及びローズマリーについて、肝機能の保護又は改善効果があることを確認した。〔実施例1〕(混合茶飲料) 90℃の湯500mlに対して、緑茶葉1g、はとむぎ8g、大麦1g、玄米0.2g、プーアル茶0.2g、どくだみ茶0.1g、はぶ茶0.1g、チコリー0.1gを添加し、8分間抽出を行った。 抽出後固液分離を行い、ビタミンC 0.1gと水を加えて10000mlとし炭酸水素ナトリウムにてpHを5.5に調整後、製造例1のペパーミント抽出物を0.1%となるように添加して、混合茶飲料を得た。 試飲して官能評価を行ったところ、ペパーミント抽出物の香味が弱く茶飲料の香味に影響を与えないことが判明した。〔実施例2〕(清涼飲料水) バレンシアオレンジ果汁30ml、レモン果汁3ml、果糖1.5g、クエン酸0.5g、ビタミンC100mg、に製造例2のレモンバーム抽出物の分画物100mg加え、水を加えて100mlとし、よく攪拌した後に炭酸ガスを封入し、清涼飲料水を得た。 試飲して官能評価を行ったところ、レモンバーム抽出物の香味が弱く清涼飲料水の香味に影響を与えないことが判明した。〔実施例3〕(チューインガム) ガムベース50gに砂糖100g、香料0.5g、製造例3のローズマリー抽出物の1%水溶液を30g添加し、ニーダーを使用して練り、成型後完成した。 試しに咀嚼して官能評価を行ったところ、ローズマリー抽出物の香味が弱くチューンガムの香味に影響を与えないことが判明した。〔実施例4〕(ビスケット) 強力粉100g、ショートニング100g、上白糖40g、薄力粉30g、水20g、製造例1のペパーミント抽出物10g、全脂粉乳4g、重曹0.6gを混合し、成型したのち焼成してビスケットを得た。 試食して官能評価を行ったところ、ペパーミント抽出物の香味が弱くビスケットの香味に影響を与えないことが判明した。〔実施例5〕(キャンデー) 水飴280g、グラニュー糖360g、製造例1のペパーミント抽出物の分画物120gを混合した後、155℃まで加熱した。その後、120℃まで冷却し、クエン酸12g、香料1.2g、グリセリン50gを添加し、成型、冷却後完成した。 試飲して官能評価を行ったところ、ペパーミント抽出物の香味が弱くキャンデーの香味に影響を与えないことが判明した。〔実施例6〕(顆粒剤) 製造例2のレモンバーム抽出物5.0gに、乳糖5.0g、トウモロコシデンプン5.0gを加えて練合し、造粒した後、乾燥して整粒した。 顆粒剤を口に入れて官能評価を行ったところ、レモンバーム抽出物の香味が弱く、レモンバーム独特の香味は感じられなかった。〔実施例7〕(カプセル剤) 製造例1のペパーミント抽出物の分画物5.0g、トウモロコシデンプン5.0g、乳糖5.0g、結晶セルロース1.0gを充分に混合した後、カプセルに充填し、カプセル40個とした。 カプセル剤を口に入れて官能評価を行ったところ、ペパーミント抽出物の香味が弱く、ペパーミント独特の香味は感じられなかった。〔実施例8〕(錠剤) 製造例3のローズマリー抽出物50gにトウモロコシデンプン2.0g、乳糖50g、ステアリン酸カルシウム0.2g、タルク1.8gを充分に混合した後、打錠機により打錠し、重量0.52gの錠剤を200錠製造した。 錠剤を口に入れて官能評価を行ったところ、ローズマリー抽出物の香味が弱く、ローズマリー独特の香味は感じられなかった。 本発明により、肝機能保護又は改善剤を提供することができる。本剤は、肝細胞の傷害を抑制し、また過酸化状態を改善できるので、本剤を摂取することで、肝機能の保護作用あるいは改善効果を得ることが期待できる。 シソ科 (Lamiaceae)植物の植物体地上部、植物体地上部の抽出物又は当該抽出物の分画物を有効成分として含有する肝機能保護又は改善剤。 シソ科植物が、ハッカ属(Mentha)植物、レモンバーム(Melissa officinalis)及びローズマリー(Rosmarinus officinalis)からなる群から選ばれた少なくとも1種の植物である請求項1に記載の肝機能保護又は改善剤。 抽出物が、植物体地上部の乾燥体1質量部に対して0.5〜50質量部の量の水又はエタノール水溶液(濃度10〜90%)を用いて溶媒抽出された物である請求項1又は2に記載の肝機能保護又は改善剤。 飲食品に請求項1〜3のいずれかの項に記載の肝機能保護又は改善剤を添加したことを特徴とする肝機能保護又は改善用飲食品。 請求項1〜3のいずれかの項に記載の肝機能保護又は改善剤に天然又は合成香料を添加したことを特徴とする肝機能保護又は改善用香料組成物。 請求項1〜3のいずれかの項に記載の肝機能保護又は改善剤を哺乳動物(ただしヒトを除く)に投与することを特徴とする哺乳動物の肝機能を保護又は改善する方法。 【課題】 高い効果を有し安全な肝機能保護又は改善剤、並びに当該薬剤を含有する飲食品、香料組成物を提供することである。【解決手段】 ハッカ属植物、レモンバーム及びローズマリー等のシソ科植物の植物体地上部、植物体地上部の抽出物又は当該抽出物の分画物を有効成分として含有する肝機能保護又は改善剤、並びに当該薬剤を添加した飲食品、当該薬剤と香料からなる香料組成物である。【選択図】なし