生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_シクロデキストリンを配合した口腔ケア用品
出願番号:2012066309
年次:2013
IPC分類:A61K 8/98,A61K 8/35,A61K 8/73,A61Q 11/00,A61K 8/66


特許情報キャッシュ

城 文子 四日 洋和 JP 2013184971 公開特許公報(A) 20130919 2012066309 20120306 シクロデキストリンを配合した口腔ケア用品 株式会社シクロケムバイオ 511027699 城 文子 四日 洋和 A61K 8/98 20060101AFI20130827BHJP A61K 8/35 20060101ALI20130827BHJP A61K 8/73 20060101ALI20130827BHJP A61Q 11/00 20060101ALI20130827BHJP A61K 8/66 20060101ALI20130827BHJP JPA61K8/98A61K8/35A61K8/73A61Q11/00A61K8/66 10 書面 10 4C083 4C083AA071 4C083AA072 4C083AA112 4C083AA122 4C083AB172 4C083AB472 4C083AC102 4C083AC122 4C083AC132 4C083AC312 4C083AC422 4C083AC782 4C083AC792 4C083AC862 4C083AD212 4C083AD242 4C083AD251 4C083AD252 4C083AD302 4C083AD412 4C083AD422 4C083CC41 4C083DD08 4C083DD12 4C083DD22 4C083DD27 4C083EE33 4C083EE34 本発明は、抗菌組成物を含有する口腔ケア用品に関する。口腔ケア用品としては液体、液状、ゲル状、ペースト状、ガム状、固形物、可食フィルムに関する。詳しくは、メチルグリオキサール(以下、MGOとする)とシクロデキストリン(以下、CDとする)とを含む口腔ケア用品、MGOを含む素材とCDとを含む口腔ケア用品、MGOを含む素材としてマヌカハニーを含み、CDを含む口腔ケア用品に関する。また当該方法により得られる口腔ケア用品に多糖分解酵素および/ないしはタンパク分解酵素とCDを含む口腔ケア用品に関する。 マヌカハニーはニュージーランドの奥地に植生するマヌカの木の花の蜜を餌とするミツバチより得られる希少なハチミツであり、熱や光、胃酸、酵素等に比較的安定な抗菌成分を有する。このマヌカハニーには各種病原菌に対して広い抗菌スペクトルを示し、黄色ブドウ球菌、胃潰瘍の原因菌とされるHelicobacter pylori、大腸菌等に対する抗菌活性も明らかとなっている(例えば、非特許文献1参照)。 さらに、マヌカハニーにはPorphyromonas gingivalisなどの口腔病原菌に対する抗菌活性も有し、歯垢が付きにくくなるといった効果も確認されている。(例えば、非特許文献2参照) このマヌカハニーの抗菌成分は特定が難しいことから、長い間、Unique Manuka Factor(以下、UMFとする)として扱われていた。しかし、近年、この抗菌成分の主要因がMGOであることが明らかとなった(例えば、非特許文献3参照)。MGOはその抗菌活性より、食品添加物や内服液に使用するための洗浄用水溶性剥離液や工業用殺菌剤等の有効成分の1つとして用いられている(例えば、特許文献1、2参照)。 従って、マヌカハニーの高い抗菌活性を利用することによって、虫歯や歯周炎治療用剤およびサプリメントが提案されている(特許文献3参照)ニュージーランドではマヌカハニーは飲食品として摂取されており、その抗菌活性を生かすには定期的に多量の摂取が必要であった。マヌカハニーの抗菌活性を利用しつつ、かつ、抗菌活性を持続的に維持でき飛躍的に抗菌活性を向上する、マヌカハニーとαCDと組み合わせた粉末が提案された。(例えば、特許文献4参照) マヌカハニーとαシクロデキストリンを含有する抗菌組成物に、さらに用いる酵素としては具体的に、多糖分解酵素および/ないしはタンパク分解酵素等が挙げられる。例えば、多糖分解酵素のデキストラナーゼは歯垢の主成分であるデキストランを分解除去する事で歯垢をはがれ易くし、虫歯菌や歯周病原菌が生育しにくい環境をつくると共に、殺菌剤などを浸透しやすくする。タンパク分解酵素は、口腔の汚れ(食物残渣、剥離粘膜など)が口臭の原因菌により分解されて発生するメチルメルカプタンや硫化水素等による口臭の発生を抑制する。(例えば、特許文献5参照)さらに、歯垢や舌苔を除去する事で、抗菌組成物が直接菌に作用する事を可能とする。またタンパク分解酵素の効果を長時間持続させる事はこれまで困難であったが、CDによって酵素が安定化することで長期間の酵素の働きが期待できる。 可食フィルムにサプリメントやカフェイン等の有効成分を保持させたCD含有の可食フィルムが提案されている。(例えば、特許文献6、特許文献7)しかし、マヌカハニーとCDからなる抗菌組成物、更に酵素を含有する可食フィルムは本発明者らが初めて見出した口内ケア用品である。 J.Roy.Soc.Med.1994;87:9−12J Int Acad Periodontol 2004 Apr;6(2):63−7Mol.Nutr.Food Res.2008 Apr;52(4) 483−489特開2008−7408号公報特開平8−239693号公報特開2007−277210号公報特開2010−95454号公報特開2012−25695号公報特開2007−277112号公報特開2008−072915号公報 発明が解決しようとする課題 歯周疾患は、う蝕と並んで口腔領域における二大疾患の一つである。特に、歯槽膿漏は、高齢化社会においては深刻な問題となっている。従って、その予防・治療は口腔衛生上、非常に重要であり、それらを目的とし、抗菌活性を示す化合物を配合した練歯磨き剤等の口腔ケア用品が市販されている。 しかし、その抗菌効果には限界があり、バイオフィルム・プラークなど微生物の集合体や塊に応用した場合や多糖類および/ないしは蛋白成分が共存した場合などには、内側にいる菌には抗菌化合物が直接作用できない可能性があり、持続性も少なかった。そのため、安全性、経済性、抗菌効率の面から、必ずしも満足できなかった。さらに、Porphyromonas gingivalis菌が産生するバイオフィルムはタンパク質で厚生されているので、多糖分解酵素だけでは効果が不十分であった。 また、歯周炎治療に対しては抗菌薬剤を処方される場合もあるが、多剤耐性を獲得した菌の出現や、副作用等の問題がある。さらに、抗菌薬剤を局所投与した場合、口腔内での貯留が一定せず、炎症部位での薬剤の安定的な効果には問題があった。 歯周炎の補助薬剤としての口腔洗浄剤、含嗽剤などは塩化ベンゼトニウム、水溶性アズレン等を主成分とし、洗浄による口腔内の清浄効果しか期待できなかった。 そこで本発明では、抗生物質の投与ではなく、天然由来のマヌカハニーと、マヌカハニーの抗菌力を向上させ、また維持させるCDを配合した虫歯や歯周病、口臭などの口腔疾患を予防・治療のための口腔ケア用品を提供する事を目的とする。更に当該口腔ケア用品に1種又は2種以上の多糖分解酵素および/ないしはタンパク分解酵素を配合した、虫歯や歯周病、口臭などの口腔疾患を予防・治療のための口腔ケア用品を提供する事を目的とする。 課題を解決するための手段 すなわち、本発明は次の(1)〜(10)に記載の抗菌組成物を配合した歯磨き剤、マウスウォッシュ剤、フィルムなどの口腔ケア用品等に関する。(1)1種又は2種以上のタンパク分解酵素を含む素材を配合した口腔ケア組成物。(2)MGOとCDとを含む口腔ケア組成物。(3)MGOを含む素材とCDとを含む口腔ケア組成物。(4)MGOを含む素材がマヌカハニーである(3)に記載の口腔ケア組成物。(5)CDがαCDである(2)〜(4)のいずれかに記載の口腔ケア組成物。(6)マヌカハニーの含有量が、口腔ケア組成物あたり0.1〜20.0%(w/w)で ある(2)〜(5)のいずれかに記載の口腔ケア組成物の製造法。(7)メチルグリオキサール(MGO)の含有量が、口腔ケア組成物あたり0.0001 〜0.02%(w/w)である(2)〜(6)のいずれかに記載の口腔ケア組成物 の製造法。(8)(2)〜(7)のいずれかに1種又は2種以上の多糖分解酵素およびタンパク分解 酵素を含む素材を配合した口腔ケア組成物。(9)(2)〜(8)のいずれかに1種又は2種以上のタンパク分解酵素を含む素材を配 合した口腔ケア組成物。(10)(2)〜(9)のいずれかに記載の組成物を含む液体、液状、ゲル状、ペースト 状、ガム状、固形物、可食フィルムなどの口腔ケア用品。 発明の効果 本発明により、MGOを含有する口腔ケア組成物の殺菌効果は、例えば、Porphyromonas gingivalisya およびFusobacterium nucleatumといった歯周病原因菌に対する抗菌作用を効果的に発揮させることが可能である。さらに、αシクロデキストリン(αCD)を併用する事で、MGOの抗菌効果が向上し、歯周炎治療において殺菌・除菌効果を期待することができる。また多糖分解酵素ないしは、タンパク分解酵素を同時に配合することによって抗菌組成物が直接菌に作用し、歯垢や舌苔を除去して、歯周病が改善され、口臭の抑制・予防が期待できる。 本発明の「口腔ケア組成物」は、MGOとCDを含む抗菌組成物、MGOを含む素材とCDを含む抗菌組成物のことをいい、さらに、用途に応じて一般的に知られている他の抗菌物質あるいは抗菌活性を示す化合物等を組み合わせても良い。ここでいう抗菌物質とは、ミノサイクリン系、セフェム系、合成抗菌剤等などの歯周病原因菌に対する抗菌活性を有する化合物のことをいい、具体的にはミノサイクリン、テトラサイクリンなどの抗生物質、オフロキサシンなどの合成抗菌剤などが挙げられる。抗菌活性を示す化合物とは塩化セチルピリジニウム、塩化デカリニウム、塩化ベンザルコニウム、クロルヘキシジンの塩酸塩またはグルコン酸塩などのカチオン性の抗菌剤のほか、トリクロサン、イソプロピルメチルフェノール、アレキシジン、ヘキセチジン、ヨウ素、ポピドンヨ−ド、フッカナトリウム、フッカスズ、モノフルオロリン酸ナトリウムなどのフッカ物、チモール、メントール、オイゲノール、タンニン、ポリフェノール、ラタニア、カミツレ、ミルレ、セージ、茶エキス、ヒノキエキス、油溶性甘草エキス、桑白皮エキス、アロエエキス、プロタミン、プロポリス、リゾチームなどの天然抗菌剤、が挙げられるが、これらに限定されるものではない。 使用されるCDとしては、例えば、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン又は分岐型シクロデキストリン等を挙げることができる。好ましくはαシクロデキストリン又はγシクロデキストリンである。単独のシクロデキストリンを使用できるが、複数のシクロデキストリンとして例えばαシクロデキストリンおよびγシクロデキストリンを挙げることができる。 MGOを含む素材にαCDを併用する場合、単にMGOを含む素材とαCDを混合して抗菌組成物を製造することができ、MGOを含む素材にαCDを撹拌混合して乾燥して得られた粉末を用いて抗菌組成物を製造することができる。 歯垢の除去を目的としてタンパク分解酵素および/ないしは多糖分解酵素などを配合してもよい。例えば、アクチニジン、ブロメライン、パパイン、フィシン、デキストラナーゼ、ムタナーゼ等から選ばれる1種又は2種以上が配合された口腔ケア組成物が使用できる。用いるタンパク分解酵素としては例えば、キウイフルーツ果汁からのアクチニジン、パイナップル果汁からのブロメライン、パパイヤ果汁からのパパインおよびイチジクからのフィシン等の酵素含有果汁をそのまま用いることができる。CDにより酵素が安定化することから、CDと共に用いることが好ましい。特に果汁とCDとを均一に混合して粉末化して用いることが特に好ましい。多糖分解酵素のデキストラナーゼ配合の歯磨きとしては、株式会社ライオンより「クリニカライオン」(登録商標)として販売されている。 酵素の配合量は、酵素の種類と効き方に応じた有効量とすることができる。例えば、キウイフルーツより得られるタンパク分解酵素のアクチニジンは20単位を基準とした場合、組成全体の0.01〜10%(W/W)を使用することができる。なお、上記アクチニジンの1単位とは、人工ペプチドを基質として20℃、pH6で反応を行った場合に、1分間当たりアミノ酸1μmolを生じる酵素の量である。 本発明の口腔ケア組成剤は、必要に応じて甘味料、防腐剤および香料が使用される。用いられる甘味剤としては、サッカリンナトリウム、アスパラテーム、ステビオサイド、ステビアエキス、パラメトキシシンナミックアルデヒド、ネオヘスペリジルジヒドロカルコン、ペリラルチンアセスルファムカリウム、スクラロース、ソーマチン、グリチルリチン酸ニナトリウム、ステビア抽出物、甘草抽出物、タウマチン、D−キシロース、エリスリトール、ソルビトール、マルチトール、キシリトールなど等が挙げられる。防腐剤としては、ブチルパラベン、エチルパラベン等のパラベン類、パラオキシ安息香酸エステル、安息香酸ナトリウム等が挙げられる。 使用される香料としては、1−メントールに加えて、その他の香料、例えばアネトール、カルボン、オイゲノール、リモネン、n−デシルアルコール、シトロネロール、α−テレピネオール、シトロネリルアセテート、シネオール、リナロール、エチルリナロール、ワニリン、チモール、スペアミント油、ペパーミント油、レモン油、オレンジ油、セージ油、ローズマリー油、桂皮油、ピメント油、桂葉油、シソ油、冬緑油、丁字油あるいはユーカリ油等が挙げられる。 本発明の口腔ケア組成剤は、常法により製造することができ、液体、液状、ゲル状、ペースト状、ガム状、固形物とすることができる。例えば、口腔に応用する場合には、歯磨(練歯磨、潤性歯磨、液状歯磨、液体歯磨、マウスウォッシュ等)、ペースト状組成物(例えば、口腔用パスタ、歯肉マッサージクリーム等)、口腔清涼剤(例えばタブレット、チューインガム、トローチ、キャンディー、フィルム、スプレ−等)、イリゲーター用溶液等の形態にすることができる。更に、前記の成分に加え、抗菌製剤の形態に応じて通常の有効基剤を用いてもよい。例えば、トラネキサム酸、グリチルリチン酸ジカリウム、ビタミンE、アズレンなどの薬効剤やリン酸水素カルシウム、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム等の研磨剤、ソルビトール、グリセリン、プロピレングリコール等の湿潤剤、ラウロイルサルコシンソーダ、ラウリル硫酸ナトリウム、ショ糖脂肪酸エステル等の発泡剤、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース等の結合材、また、その他界面活性剤、溶剤、pH調整剤、防腐剤、甘味剤、香料、粘結剤、研磨剤等を配合した口腔ケア用品も含む。 また、本発明の可食フィルムには、例えば、抗菌成分、清涼化剤、香料、甘味料、着色料などの添加剤を添加することができる。 清涼化剤としては、例えば、イソプレゴール、3,1−メントキシプロパン−1,2−ジオール、1−(2−ヒドロキシフェニル)−4−(3−ニトロフェニル)−1,2,3,6−テトラヒドロキシピリミジン−2−オン、エチルメンタンカルボキサミド、p−メンタン−3,8−ジオール、3,8−ジヒドロキシ−p−メンタン−3,9−ジオール、トリアルキル置換シクロヘキサンカルボキシアマイドなどが挙げられる。 香料としては、例えば、オレンジ、レモン、グレープフルーツ、ライム、レモンライム、ゆずなどの柑橘系フレーバー、例えば、アップル、ストロベリー、メロン、グレープ、バナナ、ピーチ、パイナップル、マンゴ、ブルーベリーなどのフルーツ系フレーバー、例えば、ペパーミント、スペアミントなどのミント系フレーバー、例えば、ガーリック、ジンジャー、ペッパー、シナモン、クローブ、ナツメグ、わさびなどのスパイス系フレーバーが挙げられる。 着色料としては、例えば、食用赤色2号およびそのアルミニウムレーキ、ムラサキイモ色素、クチナシ赤色素、エルダーベリー色素、シソ色素、ムラサキトウモロコシ色素、ブドウ果汁色素、ビートレッド、コチニール色素、ラック色素、ベニバナ赤色素、ベニコウジ色素、ボイセンベリー色素、アカネ色素、食用黄色4号およびそのアルミニウムレーキ、アナトー色素、水溶性アナトー、コチニール色素、ラック色素、トウガラシ色素、ウコン色素、オレンジ色素、クチナシ黄色素、トウモロコシ色素、にんじんカロテン、β−カロテン、ベニバナ黄色素、リボフラビン(ビタミンB2)、食用緑色3号およびそのアルミニウムレーキ、クロロフィリン、クロロフィル、銅クロロフィリンナトリウム、鉄クロロフィリンナトリウム、食用青色1号およびそのアルミニウムレーキ、クチナシ青色素、スピルリナ色素、カカオ色素、タマネギ色素、カラメル、コウリャン色素、タマリンド色素などが挙げられる。 そして、本発明の可食フィルムは、例えば、次のようにして調製することができる。すなわち、本発明の可食フィルムを得るには、まず、可食性構成成分に、抗菌組成分、シクロデキストリン類、および、必要により各種添加剤を配合して、これら(配合物)100重量部に対して、さらに100〜1000重量部の水を配合し、その後、混合攪拌する。 各成分の配合割合は、例えば、可食フィルム100重量部に対して、可食性構成成分40〜65重量部、好ましくは、45〜60重量部、眠気防止成分5〜25重量部、好ましくは、10〜20重量部、シクロデキストリン類1〜5重量部、好ましくは、2〜4重量部、添加剤5〜54重量部、好ましくは、16〜43重量部(但し、抗菌組成分5〜30重量部、清涼化剤0.1〜4重量部、香料0.1〜2重量部、甘味料1〜3重量部、着色料0.01〜0.5重量部)である。 次いで、上記により得られた混合物を、剥離フィルム上に塗布し、ローラなどにより圧延した後、乾燥する。その後、剥離フィルムを剥がすことにより、可食フィルムを得る。その後、食べやすいサイズに適宜切断する。得られた可食フィルムの厚みは、例えば、10〜300μm、好ましくは、20〜150μmである。 口臭測定は、呼気中の硫化水素、メチルメルカプタン、ジメチルサルファイドなどの揮発性硫黄化合物濃度の測定をハリメーターRH17K(タイヨウ社製)を用いて測定した。アンモニア、アミン類の窒素化合物のアンモニアの濃度の測定はアンモニア増幅法によるアテインmBA−400(タイヨウ社製)を用いた。口腔内細菌のうち、歯周病炎関連菌とアンモニア生成量とは相関性が得られており、歯周病などの診断治療に用いられている。 (非特許文献4:ORAL SURGERY ORAL MEDICINE ORALPATHOLOGY 94(6),692−696,2002) 以下に製造法、参考例、実施例および比較例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。 1.材料 1)マヌカハニー:Manuaka honey MGO(TM)550(Manuk a Health New Zealand Ltd. 2)αCD:CAVAMAX W6 Food (株式会社シクロケム)2.製造法[参考例1]MGOを含む素材とαCDを含む抗菌組成物A法 60.0gのマヌカハニーと61.3gのαCDを1Lのビーカーに加え、それに128.7mLの水を加え、その混合物を6000rpmで5分間撹拌した。その後、水482.3mLを加えて、固形物含量が20.0%wtになるよう調整した。 生成した懸濁液を、スプレードライ(乾燥ガス温度:160℃)して、粉末を得た。B法 60.0gのマヌカハニーと61.3gのαCDを1Lのビーカーに加え、それに128.7mLの水を加え、その混合物を5分間撹拌した。 生成した溶液を、凍結乾燥して粉末を得た。[参考例2]キウイ果汁CD粉末 キウイフルーツの皮をむき不織布に包んで絞って得られた果汁90gに、αCD10gを加えて、凍結乾燥してキウイフルーツ粉末19gを得た。 [試験例1] 歯周病菌に対する抗菌作用実施例1:マヌカハニーを9%(W/W)とαCDを11%(W/W)含む溶液、実施例2:参考例1A法粉末を20%(W/W)溶液、比較例1:マヌカハニー20%(W/W)溶液、比較例2:αCD試料5%(W/W)溶液を試験開始濃度とした。菌は歯周病菌Por−phyromonas gingivalis及びFusobacterium nucleatumを用いて、BHIbroth培地による希釈系列を嫌気条件で培養した。 各溶液を希釈して最小発育阻止濃度を求めた結果を表に記載した。比較例1で用いたマヌカハニーあるいは比較例2によるαCDよりも、実施例1によるマヌカハニーとαCDの混合物、あるいは実施例2(参考例1による粉末)の方が、歯周病原因菌に対する抗菌性の向上が確認された。 マウスウォッシュ 配合量(重量%)キウイ果汁 30.0マヌカハニー 3.0αCD 5.9安息香酸ナトリウム 0.1香料 1.0イオン交換水 60.0 練歯磨 配合量(重量%)キウイ果汁CD粉末 5.0参考例1A法粉末 7.0グリセリン 40.0無水ケイ酸 20.0フッ化ナトリウム 0.2ラウリル硫酸ナトリウム 1.0香料 1.0色素 0.1イオン交換水 25.7 口内スプレー 配合量(重量%) 参考例1A法粉末 7.00 ソルビトール 7.00 安息香酸ナトリウム 0.10 サッカリンナトリウム 0.05 ハッカ油 0.20 エタノール 5.00 水 80.65 可食フィルム[製造例1](比較例5) 抗菌組成物成分を含まない可食性フィルムの作成 イオン交換水に、攪拌しながら、フィルム形成成分として、カゼインNa、グリセリンを添加し、添加終了後、攪拌を停止する。得られた混合液を加温して糊化して適当な濃度と粘度の溶液とし、この溶液に香料溶液、甘味料色素溶液を加え均一な塗布液とし、この塗布液を表面平滑な回転ドラムに適当な厚さに塗布し、乾燥し、乾燥したフィルムを剥離して抗菌組成物成分を含まない可食性フィルムを得る。 [製造例2] 抗菌組成物を含む可食性フィルムの作成 70℃程度に加温した熱水に、攪拌しながら、フィルム形成成分として、カゼインNa、プルラン、デンプン、グリセリンなどを添加し、添加終了後、攪拌を停止する。得られた混合液を加温して糊化し、脱泡する。この脱泡した溶液を温度50℃程度の保温釜に移し、再度攪拌しながら、甘味料色素溶解液、乳化済み香料、抗菌組成成分および/ないしは酵素CD分散体溶液を順次加えて均一な塗布液とする。このように調製した塗布液を表面平滑な回転ドラムに適当な厚さに塗布し、乾燥し、乾燥したフィルムを回転ドラムから剥離して抗菌組成成分および/ないしは酵素を含むフィルム状食品を得る。 製造例2の製法は、フィルム形成材料にCD包接体を混入する方法であるが、製造例1で形成されたフィルムの表面に、水または湯に分散させた抗菌組成物のCD包接体液を噴霧または塗布して抗菌組成物を保持したフィルム状食品を作成することができる。得られたフィルム状食品のCD包接体保持面にバリヤーフィルを積層して積層フィルム状食品としても良い。 上記製造例において塗布液を回転ドラムに塗布するのではなく、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムなどのプラスチックフィルムの表面に塗布して、乾燥用の回転ドラムや乾燥炉を通して乾燥してプラスチックフィルムと可食性フィルム(フィルム状食品)を分離する方法などによって製造される.表に示す各成分を各配合ごとに水溶液に調整し、各配合をあわせてフィルム形成用混合液とする。得られた混合液をプラスチックシート面に塗布し、乾燥後剥離して、抗菌組成物を含む可食フィルム(厚さ100μm)を得た。 [試験例2]口臭残存試験男女10名ずつ、年齢25〜67歳(平均年齢36才)の健常者20人による5群による評価を行った。測定時間は、食後および水分摂取後を除く午前中9時〜12時とした。 口臭測定は、呼気中の揮発性硫黄化合物濃度の測定にはハリメーターRH17K(タイヨウ社製)を用いた。窒素化合物のアンモニアの濃度の測定はアンモニア増幅法によるアテインmBA−400(タイヨウ社製)を用いた。 可食フィルム摂取前に呼気中の揮発性硫黄化合物濃度およびアンモニア濃度を測定し、5分後、5分毎に実施例および比較例の可食フィルムサンプル2枚を摂取した。摂取20分後に、再度、揮発性硫黄化合物濃度およびアンモニア濃度を測定した。 摂取前後における口臭強度を測定し、ハリメーターおよびアテインによる濃度測定による口臭残存率から実施例8による当該抗菌成分含有の可食フィルム摂取により、口臭低減効果が得られた。また実施例9,10,11による当該抗菌組成物およびキウイ果汁CD粉末を併用すると、更に優れた口臭低減効果が得られた。 1種又は2種以上のタンパク分解酵素を含む素材を配合した口腔ケア組成物。 メチルグリオキサール(MGO)とシクロデキストリン(CD)とを含む口腔ケア組成物。 メチルグリオキサール(MGO)を含む素材とシクロデキストリン(CD)とを含む口腔ケア組成物。 メチルグリオキサール(MGO)を含む素材がマヌカハニーである請求項3に記載の口腔ケア組成物。 シクロデキストリン(CD)がαシクロデキストリン(αCD)である請求項2〜4のいずれかに記載の口腔ケア組成物。 マヌカハニーの含有量が、口腔ケア組成物あたり0.1〜20.0%(w/w)である請求項2〜5のいずれかに記載の口腔ケア組成物の製造法。 メチルグリオキサール(MGO)の含有量が、口腔ケア組成物あたり0.0001%〜0.02%(w/w)である請求項2〜5のいずれかに記載の口腔ケア組成物の製造法。 請求項2〜7のいずれかに1種又は2種以上の多糖分解酵素およびタンパク分解酵素を含む素材を配合した口腔ケア組成物。 請求項2〜8のいずれかに1種又は2種以上のタンパク分解酵素を含む素材を配合した口腔ケア組成物。 請求項2〜9のいずれかに記載の組成物を含む液体、液状、ゲル状、ペースト状、ガム状、固形物、可食フィルムなどの口腔ケア用品。 【課題】口腔内の殺菌・除菌効果が持続的に発揮され、歯周炎の改善・予防が期待でき、さらに口臭の抑制、予防が期待できる口腔ケア組成物。【解決手段】MGOとシクロデキストリンを口腔ケア用品に配合することにより、MGO由来の殺菌・除菌効果が持続的に発揮され、歯周炎の改善・予防が期待できる。さらに多糖分解酵素および/ないしはタンパク分解酵素をCDと共に配合すると、抗菌組成物が直接菌に作用する事で歯垢や舌苔を除去し、歯周病が改善されることにより、口臭の抑制・予防が期待できる口腔ケア組成物を提供できる。【選択図】なし


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