生命科学関連特許情報

タイトル:再公表特許(A1)_動物用免疫賦活剤、それを含む飼料及びその製造方法
出願番号:2012062634
年次:2014
IPC分類:A61K 35/74,A61P 37/04,A23K 1/16


特許情報キャッシュ

十倉 充範 不藤 亮介 大西 幾正 海老澤 真 小島 淳一郎 太田 康博 藤條 武司 JP WO2012157699 20121122 JP2012062634 20120517 動物用免疫賦活剤、それを含む飼料及びその製造方法 味の素株式会社 000000066 川口 嘉之 100100549 佐貫 伸一 100126505 丹羽 武司 100131392 十倉 充範 不藤 亮介 大西 幾正 海老澤 真 小島 淳一郎 太田 康博 藤條 武司 JP 2011111503 20110518 A61K 35/74 20060101AFI20140704BHJP A61P 37/04 20060101ALI20140704BHJP A23K 1/16 20060101ALI20140704BHJP JPA61K35/74 AA61P37/04A23K1/16 304B AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN,ZA 再公表特許(A1) 20140731 2013515190 28 2B150 4C087 2B150AA01 2B150AA05 2B150AA06 2B150AA07 2B150AB10 2B150AC01 2B150DD12 2B150DD17 4C087AA01 4C087AA02 4C087BC72 4C087NA14 4C087ZB09 4C087ZB33 4C087ZC61 本発明は、家畜やペット動物等の哺乳動物もしくは家禽等の鳥類、または水産養殖魚等の魚類もしくは甲殻類に用いられる免疫賦活剤及びそれを含む飼料とその製造方法、並びにこれらの生物の免疫を賦活する方法に関する。 畜産業及び水産業において、毎年、細菌やウイルスによる感染症の流行、蔓延が起こっている。近年、家畜や養殖魚類生産の大規模化及び集約化が進み、限られた施設内の高密度環境で飼育されるため高ストレス、低免疫機能の個体が多いといわれており、一度感染が起こると集団感染につながり甚大な経済的な被害をもたらしている。具体的な疾病としては、豚の大腸菌症やサルモネラ症、牛の口蹄疫、鶏のサルモネラ症、インフルエンザ等がある。 これらの感染症を予防、治療するため、さらには家畜類の増体又は成長促進の目的で、従来から抗生物質が使用されてきたが、畜肉等における薬剤の残留による公衆衛生上の問題や、多剤耐性菌の出現の問題が指摘されている。また抗生剤の長期投与により、その薬剤に耐性な菌が選択的に増加した特異な菌叢が形成され、新たな疾病を引き起こすことが知られている。これらの状況から、欧州では2006年1月より、成長促進剤としての抗生物質の使用が全面禁止された。その他の国でも抗生剤の使用が禁止または制限される方向にあり、抗生物質に代わりうる安全な薬剤が求められている。 そのような抗生剤の代替として開発されているものの一つが生菌剤(プロバイオティクス)である。生菌剤は生きた乳酸菌等の安全な有用菌を飼料と一緒に投与することで家畜などの腸内に送りこみ、腸内で菌が有機酸等の代謝物を生産する事で腸内の有害菌に対して拮抗・排除して腸内細菌叢を改善し疾病を予防するものである(例えば特許文献1)。 一方、例えば、結核死菌を鉱物油に懸濁させたFreund完全アジュバントが免疫賦活作用を有することは古くから知られている。また、加熱などにより殺菌した菌体を用いて病害菌の感染を抑える薬剤も知られている。これらは、主に菌体の細胞壁(ペプチドグリカン、タイコ酸、リポ多糖等)を有効成分として宿主免疫機能を活性化する作用を利用したものであり、殺菌することで菌自体の安全性を高める効果も併せ持つ。しかしながらこれら生菌剤、死菌剤はいずれもその効果は緩やかであり必要投与量が多いこと、また菌体製造時のコストが大きいため製品価格が高いなどの欠点がある。そこでより活性が高い抗生剤代替剤が望まれている。 ところで、上記のような加熱などにより殺菌した菌体を用いた免疫賦活剤に関しては、例えば、ラクトバチルス属に属する乳酸菌を培養し、培養液のpHが実質的に低下しなくなった時点で直ちに菌を死滅させて得た死菌体を飲食品に添加することにより、IL-12産生誘導活性を有する乳酸菌含有免疫賦活用組成物を製造する方法が知られている(例えば特許文献2)。この方法では、乳酸菌は、培養液のpHが実質的に低下しなくなった時点、例えばpHが4よりもやや低い程度まで低下時点から30分以内に加熱殺菌されるが、乳酸菌の増殖を止めた状態で保存した後に死滅させた場合は「直ちに」には含まれない。 また、バチラス属、ブレビバクテリウム属、コリネバクテリウム属、エセリシア属、ラクトバチラス属、ストレプトコッカス属、ストレプトマイセス属又はビフィドバクテリウム属に属する細菌の菌体の殺菌処理物又は細胞破砕物が、魚類・甲殻類のウイルス病の予防治療効果を有することが報告されている(特許文献3)。 しかしながら、コリネ型細菌又は腸内細菌を酸性条件下で加熱殺菌すると、同細菌死菌の免疫賦活作用が向上することは知られていない。特開平10−167972号公報特開2010−95465号公報特開平6−181656号公報 本発明は、哺乳動物、鳥類、魚類、甲殻類等の免疫力を増強することにより、抗生物質を用いずともこれらの動物の感染症を予防、軽減することが出来る、安価、安全で高活性な免疫賦活剤を提供することを課題とする。 本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、コリネ型細菌又は腸内細菌の菌体に対し、酸性条件下で加熱処理を行なうことで顕著にその免疫賦活効果を増強できることを見出し、その条件を詳細に調節することで、本発明を完成した。 すなわち本発明は、以下のとおりである。(1)コリネ型細菌又は腸内細菌の菌体をpH2〜5の条件下で加熱処理して得られる殺菌菌体を含有する、哺乳動物、鳥類、魚類又は甲殻類用の免疫賦活剤。(2)前記pHが3〜5である前記免疫賦活剤。(3)前記加熱処理が、90〜120℃、3分〜4時間である、前記免疫賦活剤。(4)前記コリネ型細菌又は腸内細菌の菌体が、これらのいずれかの細菌を含む発酵副生物である、前記免疫賦活剤。(5)コリネ型細菌がコリネバクテリウム・グルタミカムである、前記免疫賦活剤。(6)前記腸内細菌がエシェリヒア・コリまたはパントエア・アナナティスである、前記免疫賦活剤。(7)前記コリネ型細菌又は腸内細菌が、L−アミノ酸または核酸生産菌である、前記免疫賦活剤。(8)前記免疫賦活剤を含む、哺乳動物、鳥類、魚類又は甲殻類用の飼料。(9)前記免疫賦活剤を0.01重量%〜10重量%含む、前記飼料。(10)コリネ型細菌又は腸内細菌の菌体をpH2〜5の条件下で加熱処理し、得られる殺菌菌体を有効成分として用いることを特徴とする、哺乳動物、鳥類、魚類又は甲殻類用の免疫賦活剤の製造方法。(11)前記免疫賦活剤又は飼料を哺乳動物、鳥類、魚類又は甲殻類に投与する、免疫賦活方法。(12)免疫賦活によって、前記哺乳動物、鳥類、魚類又は甲殻類への細菌またはウィルスの感染が予防され、前記細菌またはウィルスが、ベロ毒素産生大腸菌、サルモネラ、マイコプラズマ、クロストリジウム、ローソニア、レンサ球菌、新型レンサ球菌、ビブリオ、滑走細菌症菌 (Flexibacter maritimus)、ホワイトスポットウイルス (White spot syndrome virus)、イエローヘッドウイルス(Yellowhead virus) からなる群より選択される、前記方法。 以下、本発明を詳細に説明する。 本発明の免疫賦活剤は、コリネ型細菌又は腸内細菌の菌体をpH2〜5の条件下で加熱処理して得られる殺菌菌体を含有する。 コリネ型細菌とは好気性の高GCグラム陽性桿菌であり、従来ブレビバクテリウム属に分類されていたが現在コリネバクテリウム属に統合された細菌を含み(Int. J. Syst. Bacteriol., 41, 255(1991))、またコリネバクテリウム属と非常に近縁なブレビバクテリウム属細菌を含む。 コリネ型細菌の例として以下のものが挙げられる。 コリネバクテリウム・アセトアシドフィラム コリネバクテリウム・アセトグルタミカム コリネバクテリウム・アルカノリティカム コリネバクテリウム・カルナエ コリネバクテリウム・グルタミカム(ブレビバクテリウム・ラクトファーメンタム) コリネバクテリウム・リリウム コリネバクテリウム・メラセコーラ コリネバクテリウム・サーモアミノゲネス コリネバクテリウム・ハーキュリス ブレビバクテリウム・ディバリカタム ブレビバクテリウム・フラバム ブレビバクテリウム・インマリオフィラム ブレビバクテリウム・ラクトファーメンタム ブレビバクテリウム・ロゼウム ブレビバクテリウム・サッカロリティカム ブレビバクテリウム・チオゲニタリス コリネバクテリウム・アンモニアゲネス ブレビバクテリウム・アルバム ブレビバクテリウム・セリヌム ミクロバクテリウム・アンモニアフィラム 具体的には、下記のような菌株を例示することができる。 コリネバクテリウム・アセトアシドフィラム ATCC13870 コリネバクテリウム・アセトグルタミカム ATCC15806 コリネバクテリウム・アルカノリティカム ATCC21511 コリネバクテリウム・カルナエ ATCC15991 コリネバクテリウム・グルタミカム ATCC13020, ATCC13032, ATCC13060,ATCC13869,FERM BP-734 コリネバクテリウム・リリウム ATCC15990 コリネバクテリウム・メラセコーラ ATCC17965 コリネバクテリウム・エッフィシエンス AJ12340(FERM BP-1539) コリネバクテリウム・ハーキュリス ATCC13868 ブレビバクテリウム・ディバリカタム ATCC14020 ブレビバクテリウム・フラバム ATCC13826, ATCC14067, AJ12418(FERM BP-2205) ブレビバクテリウム・インマリオフィラム ATCC14068 ブレビバクテリウム・ラクトファーメンタム ATCC13869 ブレビバクテリウム・ロゼウム ATCC13825 ブレビバクテリウム・サッカロリティカム ATCC14066 ブレビバクテリウム・チオゲニタリス ATCC19240 コリネバクテリウム・アンモニアゲネス ATCC6871ATCC6872 ブレビバクテリウム・アルバム ATCC15111 ブレビバクテリウム・セリヌム ATCC15112 ミクロバクテリウム・アンモニアフィラス ATCC15354 腸内細菌としては、エシェリヒア属、エンテロバクター属、パントエア属、クレブシエラ属、セラチア属、エルビニア属、サルモネラ属、モルガネラ属など、腸内細菌科に属する細菌であれば、特に限定されない。具体的にはNCBI(National Center for Biotechnology Information)データベースに記載されている分類により腸内細菌科に属するものが利用できる(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/htbin-post/Taxonomy/wgetorg?mode=Tree&id=1236&lvl=3&keep=1&srchmode=1&unlock)。腸内細菌としては、エシェリヒア属細菌を用いることが望ましい。 エシェリヒア属細菌としては、特に限定されないが、具体的にはNeidhardtらの著書(Backmann, B. J. 1996. Derivations and Genotypes of some mutant derivatives of Escherichia coli K-12, p. 2460-2488. Table 1. In F. D. Neidhardt (ed.), Escherichia coli and Salmonella Cellular and Molecular Biology/Second Edition, American Society for Microbiology Press, Washington, D.C.)に挙げられるものが利用できる。その中では、例えばエシェリヒア・コリが挙げられる。エシェリヒア・コリとしては具体的には、エシェリヒア・コリK12株由来の菌株を用いることができ、例えば、エシェリヒア・コリ MG1655株(ATCC No.47076)、W3110株(ATCC No.27325)が挙げられる。 上記のATCC番号が付された菌株は、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(住所 P.O. Box 1549, Manassas, VA 20108, United States of America)より分譲を受けることが出来る。すなわち各菌株に対応する登録番号が付与されており、この登録番号を利用して分譲を受けることが出来る(http://www.atcc.org/参照)。各菌株に対応する登録番号は、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクションのカタログに記載されている。 エンテロバクター属細菌としては、エンテロバクター・アグロメランス(Enterobacter agglomerans)、エンテロバクター・アエロゲネス(Enterobacter aerogenes)等、パントエア属細菌としてはパントエア・アナナティス(Pantoea ananatis)が挙げられる。尚、近年、エンテロバクター・アグロメランスは、16S rRNAの塩基配列解析などにより、パントエア・アグロメランス(Pantoea agglomerans)又はパントエア・アナナティス(Pantoea ananatis)、パントエア・スチューアルティ(Pantoea stewartii)に再分類されているものがある。本発明においては、腸内細菌科に分類されるものであれば、エンテロバクター属又はパントエア属のいずれに属するものであってもよい。パントエア・アナナティスを遺伝子工学的手法を用いて育種する場合には、パントエア・アナナティスAJ13355株(FERM BP-6614)、AJ13356株(FERM BP-6615)、AJ13601株(FERM BP-7207)及びそれらの誘導体を用いることができる。これらの株は、分離された当時はエンテロバクター・アグロメランスと同定され、エンテロバクター・アグロメランスとして寄託されたが、上記のとおり、16S rRNAの塩基配列解析などにより、パントエア・アナナティスに再分類されている。 コリネ型細菌又は腸内細菌の菌体を調製する方法は、特に限定されるものではないが、コリネ型細菌又は腸内細菌をこれらの細菌が増殖し得る培地及び条件で培養することにより、菌体を得ることができる。 培地は、炭素源、窒素源、無機塩類、その他必要に応じてアミノ酸、ビタミン等の有機微量栄養素を含有する通常の培地を用いることができる。合成培地または天然培地のいずれも使用可能である。培地に使用される炭素源および窒素源は培養する菌株が利用可能であるものならばいずれの種類を用いてもよい。 炭素源としては、グルコース、グリセロール、フラクトース、スクロース、マルトース、マンノース、ガラクトース、澱粉加水分解物、糖蜜等の糖類が使用でき、その他、酢酸、クエン酸等の有機酸、エタノール等のアルコール類も単独あるいは他の炭素源と併用して用いることができる。 窒素源としては、アンモニア、硫酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、塩化アンモニウム、りん酸アンモニウム、酢酸アンモニウム等のアンモニウム塩または硝酸塩等が使用することができる。 無機塩類としてはりん酸塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、鉄塩、マンガン塩等が使用できる。 有機微量栄養素としては、アミノ酸、ビタミン、脂肪酸、核酸、更にこれらのものを含有するペプトン、カザミノ酸、酵母エキス、大豆たん白分解物等が使用でき、生育にアミノ酸などを要求する栄養要求性変異株を使用する場合には要求される栄養素を補添することが好ましい。 培養は、例えば、20〜45℃、pHを3〜9に制御し、通気培養を行う。培養中にpHが下がる場合には、例えば、炭酸カルシウムを加えるか、アンモニアガス等のアルカリで中和する。このような条件下で、好ましくは10時間〜120時間程度培養することにより十分量の細菌菌体が得られる。 また、菌体としては、上述した調製法で得られる菌体以外に、コリネ型細菌又は腸内細菌を用いた目的物質の発酵生産で得られる菌体を含む発酵副生物を用いることもできる。発酵副生物は、菌体を含む限り特に制限されず、例えば、目的物質を採取した後の培地、又は、培地から遠心分離又は濾過等によって得た固体成分、又は菌体を含むそれらの分画物が挙げられる。また、発酵副生物は、培養終了後に得たものであってもよく、発酵中に発酵槽から連続的又は間欠的に引き抜かれた培地から得たものであってもよい。 目的物質としては、例えば、アミノ酸、及び核酸等が挙げられる。 アミノ酸としては、L−リジン、L−オルニチン、L−アルギニン、L−ヒスチジン、L−シトルリン、L−イソロイシン、L−アラニン、L−バリン、L−ロイシン、L−グリシン、L−スレオニン、L−セリン、L−プロリン、L−フェニルアラニン、L−チロシン、L−トリプトファン、L−システイン、L−シスチン、L−メチオニン、L−グルタミン酸、L−アスパラギン酸、L−グルタミン及びL−アスパラギンが挙げられる。 核酸としては、プリンヌクレオシド、プリンヌクレオチドなどが挙げられる。プリンヌクレオシドには、イノシン、キサントシン、グアノシン、アデノシンなどが含まれ、プリンヌクレオチドには、プリンヌクレオシドの5'−燐酸エステル、例えばイノシン酸(イノシン−5'−リン酸。以下「IMP」ともいう)、キサンチル酸(キサントシン−5'−リン酸。以下「XMP」ともいう)、グアニル酸(グアノシン−5'−モノリン酸。以下「GMP」ともいう)、アデニル酸(アデノシン−5'−モノリン酸。以下「AMP」ともいう)などが含まれる。 本発明に用いられるコリネ型細菌又は腸内細菌は、以下の方法により育種されたコリネ型細菌又は腸内細菌を用いることが出来る。 L−アミノ酸生産能を付与するには、栄養要求性変異株、L−アミノ酸のアナログ耐性株又は代謝制御変異株の取得や、L−アミノ酸の生合成系酵素の発現が増強された組換え株の創製等、従来、コリネ型細菌又はエシェリヒア属細菌等のアミノ酸生産菌の育種に採用されてきた方法を適用することができる(アミノ酸発酵、(株)学会出版センター、1986年5月30日初版発行、第77〜100頁参照)。ここで、L−アミノ酸生産菌の育種において、付与される栄養要求性、アナログ耐性、代謝制御変異等の性質は、単独でもよく、2種又は3種以上であってもよい。また、発現が増強されるL−アミノ酸生合成系酵素も、単独であっても、2種又は3種以上であってもよい。さらに、栄養要求性、アナログ耐性、代謝制御変異等の性質の付与と、生合成系酵素の増強が組み合わされてもよい。 L−アミノ酸生産能を有する栄養要求性変異株、アナログ耐性株、又は代謝制御変異株を取得するには、親株又は野生株を通常の変異処理、すなわちX線や紫外線の照射、またはN-メチル-N'-ニトロ-N-ニトロソグアニジン等の変異剤処理などによって処理し、得られた変異株の中から、栄養要求性、アナログ耐性、又は代謝制御変異を示し、かつL−アミノ酸生産能を有するものを選択することによって得ることができる。 また、L−アミノ酸生産能の付与又は増強は、遺伝子組換えによって、酵素活性を増強することによっても行うことが出来る。酵素活性の増強は、例えば、L−アミノ酸の生合成に関与する酵素をコードする遺伝子の発現が増強するように細菌を改変する方法を挙げることができる。遺伝子の発現を増強するための方法としては、遺伝子を含むDNA断片を、適当なプラスミド、例えば微生物内でプラスミドの複製増殖機能を司る遺伝子を少なくとも含むプラスミドベクターに導入した増幅プラスミドを導入すること、または、これらの遺伝子を染色体上で接合、転移等により多コピー化すること、またこれらの遺伝子のプロモーター領域に変異を導入することにより達成することもできる(国際公開パンフレット第95/34672号参照)。 上記増幅プラスミドまたは染色体上に目的遺伝子を導入する場合、これらの遺伝子を発現させるためのプロモーターはコリネ型細菌において機能するものであればいかなるプロモーターであっても良く、用いる遺伝子自身のプロモーターであってもよいし、改変したものでもよい。コリネ型細菌で強力に機能するプロモーターを適宜選択することや、プロモーターの-35、-10領域をコンセンサス配列に近づけることによっても遺伝子の発現量の調節が可能である。以上のような、酵素遺伝子の発現を増強する方法は、国際公開第00/18935号パンフレット、欧州特許出願公開1010755号明細書等に記載されている。L−スレオニン生産菌 例えば、L−スレオニン生産菌としては、E. coli TDH-6/pVIC40 (VKPM B-3996) (米国特許第5,175,107号、米国特許第5,705,371号)、E. coli 472T23/pYN7 (ATCC 98081) (米国特許第5,631,157号)、E. coli NRRL-21593 (米国特許第5,939,307号)、E. coli FERM BP-3756 (米国特許第5,474,918号)、E. coli FERM BP-3519及びFERM BP-3520 (米国特許第5,376,538号)、E. coli MG442 (Gusyatiner et al., 1978. Genetika (in Russian), 14: 947-956)、E. coli VL643及びVL2055 (欧州特許出願公開第1149911号)、E. coli VKPM B-5318 (EP 0593792B)などのエシェリヒア属に属する株が挙げられるが、これらに限定されない。L−リジン生産菌 L−リジン生産菌として具体的には、エシェリヒア・コリAJ11442株(FERM BP-1543、NRRL B-12185;特開昭56-18596号公報及び米国特許第4346170号明細書参照)、エシェリヒア・コリ VL611株(特開2000-189180号公報)等が挙げられる。また、エシェリヒア・コリのL−リジン生産菌として、WC196株(国際公開第96/17930号パンフレット参照)、エシェリヒア・コリWC196ΔcadAΔldcC/pCABD2を用いることも出来る。 L−リジン生産能を有するコリネ型細菌としては、AEC耐性変異株(ブレビバクテリウム・ラクトファーメンタムAJ11082(NRRL B-11470)株など:特公昭56-1914号公報、特公昭56-1915号公報、特公昭57-14157号公報、特公昭57-14158号公報、特公昭57-30474号公報、特公昭58-10075号公報、特公昭59-4993号公報、特公昭61-35840号公報、特公昭62-24074号公報、特公昭62-36673号公報、特公平5-11958号公報、特公平7-112437号公報、特公平7-112438号公報参照);その生育にL−ホモセリン等のアミノ酸を必要とする変異株(特公昭48-28078号公報、特公昭56-6499号公報参照);AECに耐性を示し、更にL−ロイシン、L−ホモセリン、L−プロリン、L−セリン、L−アルギニン、L−アラニン、L−バリン等のアミノ酸を要求する変異株(米国特許第3708395号及び第3825472号明細書参照);DL−α-アミノ-ε-カプロラクタム、α-アミノ-ラウリルラクタム、アスパラギン酸-アナログ、スルファ剤、キノイド、N-ラウロイルロイシンに耐性を示すL−リジン生産変異株;オキザロ酢酸脱炭酸酵素(デカルボキシラーゼ)または呼吸系酵素阻害剤の耐性を示すL−リジン生産変異株(特開昭50-53588号公報、特開昭50-31093号公報、特開昭52-102498号公報、特開昭53-9394号公報、特開昭53-86089号公報、特開昭55-9783号公報、特開昭55-9759号公報、特開昭56-32995号公報、特開昭56-39778号公報、特公昭53-43591号公報、特公昭53-1833号公報);イノシトールまたは酢酸を要求するL−リジン生産変異株(特開昭55-9784号公報、特開昭56-8692号公報);フルオロピルビン酸または34℃以上の温度に対して感受性を示すL−リジン生産変異株(特開昭55-9783号公報、特開昭53-86090号公報);エチレングリコールに耐性を示し、L−リジンを生産するブレビバクテリウム属またはコリネバクテリウム属の生産変異株(米国特許第4411997号明細書)などが挙げられる。L−グルタミン酸生産菌 L−グルタミン酸生産菌又はそれを誘導するための親株の例としては、E. coli VL334thrC+ (EP 1172433)などのエシェリヒア属に属する株が挙げられる。E. coli W3110sucA::KmrE. coli AJ12624 (FERM BP-3853)E. coli AJ12628 (FERM BP-3854)E. coli AJ12949 (FERM BP-4881)E. coli AJ13199 (FERM BP-5807) (米国特許第5,908,768号) FFRM P-12379(米国特許第5,393,671号); AJ13138 (FERM BP-5565) (米国特許第6,110,714号)などが挙げられる。 L-グルタミン酸生産能を有するコリネ型細菌としては、例えば、以下の株が挙げられる。ブレビバクテリウム・ラクトファーメンタムL30-2株(特開2006-340603号明細書)ブレビバクテリウム・ラクトファーメンタムΔS株(国際公開95/34672号パンフレット)ブレビバクテリウム・ラクトファーメンタムAJ12821(FERM BP-4172;フランス特許公報9401748号明細書参照)ブレビバクテリウム・フラバムAJ12822 (FERM BP-4173;フランス特許公報9401748号明細書)コリネバクテリウム・グルタミカムAJ12823(FERM BP-4174;フランス特許公報9401748号明細書)コリネバクテリウム・グルタミカムL30-2株(特開2006-340603号)ブレビバクテリウム・フラバムAJ3949 (FERM BP-2632:特開昭50-113209参照)コリネバクテリウム・グルタミカムAJ11628 (FERM P-5736;特開昭57-065198参照)ブレビバクテリウム・フラバムAJ11355(FERM P-5007;特開昭56-1889号公報参照)コリネバクテリウム・グルタミカムAJ11368(FERM P-5020;特開昭56-1889号公報参照)ブレビバクテリウム・フラバムAJ11217(FERM P-4318;特開昭57-2689号公報参照)コリネバクテリウム・グルタミカムAJ11218(FERM P-4319;特開昭57-2689号公報参照)ブレビバクテリウム・フラバムAJ11564(FERM P-5472;特開昭56-140895公報参照)ブレビバクテリウム・フラバムAJ11439(FERM P-5136;特開昭56-35981号公報参照)コリネバクテリウム・グルタミカムH7684(FERM BP-3004;特開平04-88994号公報参照)ブレビバクテリウム・ラクトファーメンタムAJ11426(FERM P-5123;特開平56-048890号公報参照)コリネバクテリウム・グルタミカムAJ11440(FERM P-5137;特開平56-048890号公報参照)ブレビバクテリウム・ラクトファーメンタムAJ11796(FERM P-6402;特開平58-158192号公報参照) パントエア・アナナティスのL−グルタミン酸生産菌の例としては、パントエア・アナナティスAJ13355株が挙げられる。同株は、静岡県磐田市の土壌から、低pHでL−グルタミン酸及び炭素源を含む培地で増殖できる株として分離された株である。パントエア・アナナティスAJ13355は、1998年2月19日に、独立行政法人 産業技術総合研究所 特許生物寄託センター(住所 〒305-8566 日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6)に、受託番号FERM P-16644として寄託され、1999年1月11日にブダペスト条約に基づく国際寄託に移管され、受託番号FERM BP-6614が付与されている。尚、同株は、分離された当時はエンテロバクター・アグロメランス(Enterobacter agglomerans)と同定され、エンテロバクター・アグロメランスAJ13355として寄託されたが、近年16S rRNAの塩基配列解析などにより、パントエア・アナナティス(Pantoea ananatis)に再分類されている。 パントエア・アナナティスのL−グルタミン酸生産菌として、AJ13356(米国特許第6,331,419号)、及びSC17sucA(米国特許第6,596,517号)がある。AJ13356は、1998年2月19日、工業技術院生命工学工業技術研究所(現 独立行政法人 産業技術総合研究所 特許生物寄託センター、〒305-8566 日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6)に受託番号FERM P-16645として寄託され、1999年1月11日にブダペスト条約に基づく国際寄託に移管され、受託番号FERM BP-6616が付与されている。AJ13355及びAJ13356は、上記寄託機関にEnterobacter agglomeransとして寄託されているが、本明細書では、Pantoea ananatisとして記載する。また、SC17sucA株は、ブライベートナンバーAJ417が付与され、2004年2月26日に上記の産業技術総合研究所特許生物寄託センターに受託番号FERM BP-08646として寄託されている。 さらに、パントエア・アナナティスのL−グルタミン酸生産菌として、SC17sucA/RSFCPG+pSTVCB株(W00200901693)、AJ13601株(受託番号FERM BP-7207)、NP106株(W00200901693)、及びNA1株(W00200901693)が挙げられる。核酸生産菌 5'-イノシン酸を生産する菌株としては、コリネバクテリウム・アンモニアゲネス(Corynebacterium ammoniagenes)(ATCC-6872)、コリネバクテリウム・アンモニアゲネス KCCM10226(日本特許4173368号)が挙げられる。5'-イノシンを生産する菌株としては、コリネバクテリウム・アンモニアゲネス KCCM10905(WO2009/088184)が挙げられる。キサンチル酸を生産する微生物としては、コリネバクテリウム・アンモニアゲネス CJXFT0301(寄託番号:KCCM10530)(日本特許4447609号)、コリネバクテリウム・アンモニアゲネス CJXSP 0201 KCCM10448(WO2004/053110)が挙げられる。 本発明のコリネ型細菌又は腸内細菌の菌体は、上記のような方法で育種したあとに培養して得てもよいし、さらに市販のアミノ酸又は核酸発酵で副生した乾燥菌体、例えばSingle Cell Proteinとして販売されているAjitein(インドネシア味の素社、タイ味の素社)、Protorsan(欧州味の素社)等を用いてもよい。 上記のようにして得られるコリネ型細菌又は腸内細菌の菌体は、酸性条件下で加熱処理される。加熱処理に付される菌体は乾燥菌体及び湿菌体のいずれでもよいが、加熱処理に先だって水性溶媒に懸濁される。水性溶媒としては、水、緩衝液等が挙げられる。懸濁液中の菌体濃度は特に制限されないが、例えば、0.1〜40重量%が挙げられる。 菌体懸濁液のpHを酸性、好ましくは弱酸性、例えばpH2〜5、好ましくは2〜4、又は、3〜5、特に好ましくは3〜4に調整する。pHの調整に用いる酸は特に制限されないが、硫酸、硝酸、塩酸等の無機酸、及び酢酸等の有機酸が挙げられる。 加熱条件としては、例えば90〜120℃、好ましくは95℃から115℃、さらに好ましくは100〜110℃で、3分〜4時間、好ましくは30分〜3時間、さらに好ましくは1時間〜3時間が挙げられる。より具体的には、例えば105℃、2時間が挙げられる。加熱方法は特に制限されず、例えばオートクレーブが挙げられる。 加熱処理後、ろ過、遠心などで菌体懸濁液から菌体をペレットとして回収し、必要に応じて濃縮、乾燥して、殺菌菌体を得る。菌体は、菌体懸濁液のpHを例えば中性に調整してから回収してもよい。 上記のようにして得られる殺菌菌体は、そのままで、又は任意の担体と混合して、免疫賦活剤として使用することができる。免疫賦活剤に含まれる菌体は、1種でもよく、2種以上の混合物であってもよい。 本発明の免疫賦活剤又は飼料を哺乳動物、鳥類、魚類又は甲殻類に投与することにより、これらの動物の免疫を賦活することができる。免疫賦活とは動物の免疫機能を高めることをいい、免疫賦活によって、細菌やウイルスの感染による感染症を予防もしくは治療すること、又は予防又は治療効果を高めるができる。動物には、哺乳動物、鳥類、魚類、及び甲殻類が含まれる。 免疫賦活活性は、例えば、抗体産生細胞による抗体産生、免疫系細胞のIL-12等のサイトカインの産生、又は、マクロファージや好中球などの貪食細胞の貪食能等を指標として評価することができる、 免疫賦活剤の性状は制限されず、液状、ペースト状、粉末、固体のいずれであってもよい。 また、担体は、哺乳動物、鳥類、魚類、甲殻類等の経口摂取が可能なものであれば特に制限されない。 本発明の免疫賦活剤は、直接又は飼料に添加して経口で投与される。また、免疫賦活剤は、哺乳動物、鳥類、魚類、甲殻類等の飼料と混合することで、容易にこれらの動物に投与することができる。 哺乳動物としてはウシ、ブタ、ウマ、ヒツジ、ヤギ等の家畜、イヌ、ネコ等のペットが、鳥類としては、ニワトリ、ウズラ、アヒル、ガチョウ、七面鳥等の家禽、インコ、オウム、ブンチョウ、カナリア等のペットが、魚類としてはマグロ、カツオ、ブリ、カンパチ、ヒラマサ、タイ、サケ、タラ、マス、ニジマス、ヒラメ、トラフグ、カワハギ、アジ、ハタ、ティラピア、ナマズ、ウナギ、コイ、ソウギョ、ハクレン、フナ等の養殖魚が、甲殻類としてはクルマエビ、ブラックタイガー、バナメイエビ、カニ等が挙げられる。 免疫賦活によって予防又は治療され得る感染症の病原菌としては、畜産・ペット領域では、ベロ毒素産生大腸菌、サルモネラ菌、マイコプラズマ、クロストリジウム、ローソニアなどが、水産領域では、レンサ球菌(Streptococcus pyogenes等)、新型レンサ球菌(Streptococcus dysgalactiae)、ビブリオ病菌(Vibrio anguillarum、Vibrio ordalii)、滑走細菌症菌 (Flexibacter maritimus) 、クルマエビのホワイトスポットウイルス (White spot syndrome virus)、イエローヘッドウイルス(Yellowhead virus)等が挙げられる。 飼料としては特に制限されず、液体飼料、粉末飼料、固形飼料、モイストペレット、ドライペレット、エクストラデュラーペレット、生餌、など通常上記動物の飼料に用いられる飼料原料を対象に応じて適宜選択、配合し、本発明の免疫賦活剤を配合すればよい。ペレットの様な固形飼料には、グアガム等の粘着剤でコーティングすることで効率よく添加することが可能である。 飼料原料としては、一般的には魚粉、骨粉、スキムミルク、綿実粕、小麦粉、小麦胚芽、米ぬか、ビール酵母、ビタミン、大豆粕、植物残渣物等が用いられる。飼料に上記免疫賦活剤を配合する際の配合比率としては、殺菌菌体の乾燥重量として、飼料の乾燥重量に対して、例えば0.001〜10%、好ましくは0.005〜10%、さらに好ましくは0.01%〜10%が挙げられる。 特に養殖飼料用途としては、0.001〜10%、好ましくは0.005%〜10%、より好ましくは0.005〜5%が好ましい。 養豚用飼料としては、0.01%〜10%、好ましくは0.01%〜1%、さらに好ましくは0.1〜0.2%が好ましく、養鶏用飼料としては、0.001〜10%、好ましくは0.01%〜1%、より好ましくは0.05〜0.2%が好ましい。 水産飼料においては、免疫賦活剤は、生物飼料に投与することによって、間接的に投与されてもよい。例えば、アルテミア(Artemia sp)、ワムシ(Phylum Rotifera)に投与し、その生物飼料を魚、甲殻類が摂餌することによって免疫賦活効果が高められる。 免疫賦活剤又は飼料の投与時期は特に制限されず、病原菌への感染前、感染後のいずれであってもよいが、病原菌の感染が予想される前に投与することが好ましい。投与量としては、例えばコリネ型細菌を用いる場合、豚、鳥、エビ、魚類の体重1kgあたり 1日の量として0.1mg〜1000mg、好ましくは1mg〜100mg、さらに養殖飼料用途としては、30〜100mg、畜産用途としては、40〜120mg投与することが好ましいが、これに限定されるものではない。 特にエシェリヒア・コリを用いる場合、豚、鳥、エビ、魚類の体重1kgあたり 1日の量として10〜50mg、好ましくは15〜30mgを投与することが好ましい。 以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。〔実施例1〕細菌菌体加熱処理におけるpHの影響検討 コリネバクテリウム・グルタミカムを用いた発酵によるL-グルタミン酸の製造過程で排出される副生乾燥菌体を蒸留水に10重量%となるように添加し、十分に懸濁させた。前記乾燥菌体は、発酵液から菌体を回収し、約pH 6、60〜70℃の条件でドラム乾燥させたものである。 次いで、硫酸または水酸化ナトリウムを用いて、前記菌体懸濁液のpHを2、3、4、5、6、7、又は8に調製した後、電気オートクレーブを用いて105℃で2時間加熱し、各pHにおける加熱処理菌体サンプルを調製した。このサンプルについて、以下の試験法1及び試験法2に記載されたin vitro試験法にて免疫賦活活性を調べた。(試験法1)マウス小腸パイエル板細胞におけるIgA生産を指標とする免疫賦活活性の評価1−1.パイエル板の採取及び細胞液の調製 マウスを剖検し、小腸を摘出した。摘出した小腸から湾曲眼科鋏などを用いてパイエル板を採取した。パイエル板からセルストレーナー(ベクトンディッキンス社製)を用いて単細胞浮遊液を調製し、遠心分離により単細胞を集積し、10 %牛胎児血清添加RPMI1640培地に懸濁させた。1−2.細胞培養 細胞懸濁液中の生細胞数をトリパンブルー染色で計測し、細胞数を1×105個/mL〜1×106個/mLに調整して、96穴の細胞培養用マイクロプレートに200μLずつ分注した。PBS緩衝液で、2000μg/ml及び80μg/mlに濃度調製した加熱処理菌体サンプル溶液、又は陰性対照としてのPBS緩衝液をそれぞれ5 μLずつ分注して、5日間、37℃、5% CO2の条件下で培養した。陽性対照として、5μg/mlとなるようにPBSに懸濁させたLPS(E. coli由来リポ多糖;シグマ社製)を用いた。1−3.IgA濃度の測定 培養終了後に、培養上清中の総IgA濃度をELISAキット(Bethyl社製)を用いて測定した。なお、測定は2連で実施し、平均値を求めた。(試験法2)マウス腹腔マクロファージ細胞におけるIL-12生産2−1.腹腔内マクロファージの採取及び細胞懸濁液の調製 マウスの腹腔内に1 g/100 mL濃度のグリセリン水溶液を0.4 mL/マウス注射して1晩飼育した後、頚椎脱臼でマウスを安楽死させ、腹腔内に冷却したPBSを5 mL/マウス注射して腹部をよくもんだ後、腹腔内液(約4 mL)を注射器で取り出し、シリコンコートしたスピッツ管に入れて遠心分離した(1200 r.p.m,5分)。上清及びスピッツ管の壁面上の赤血球を除去した後、冷PBSを加えてピペッティングし、遠心分離(800 r.p.m,5分)して上清及び壁面上の赤血球を除去する洗浄操作を2回繰り返した。洗浄後、マクロファージを含む細胞群を10 % FCS添加RPMI1640培地に懸濁させた。2−2.細胞培養 細胞懸濁中の生細胞数をトリパンブルー染色で計測した。細胞数を2×106個/mLに調整して、96穴の細胞培養用マイクロプレートに100μLずつ分注した。10 % FCS添加RPMI1640培地で2000μg/ml及び80μg/mlに濃度調製した加熱処理菌体サンプル溶液をそれぞれ100 μLずつ分注して、7日間、37℃、5% CO2の条件下で培養した。陽性対照として、5μg/mlとなるように10 % FCS添加RPMI1640培地に懸濁させたLPS(E. coli由来リポ多糖;シグマ社製)を用いた。2−3.IL-12p70濃度の測定 培養終了後に、培養上清中のIL-12濃度をELISAキットを用いて測定した。なお、測定は2回実施し平均値を求めた。 それぞれの試験法による結果を表1及び表2に示す。 試験法1、及び試験法2のいずれにおいても、酸性条件で免疫賦活活性が亢進した。免疫賦活活性の亢進は、pH 2、及びpH6でも観察されたが、特にpH 3〜5で顕著であった。〔実施例2〕細菌菌体加熱処理における温度の影響検討 実施例1と同様に、副生乾燥菌体を蒸留水に10重量%となるように添加し十分懸濁させた。硫酸を用いて、この菌体懸濁液のpHを4に調製した後、電気オートクレーブを用いて90℃、105℃、120℃の3条件で、各2時間加熱し、各温度の酸加熱処理菌体サンプルを調製した。このサンプルについて前記試験法1及び2にて免疫賦活活性を調べた。結果を表3及び表4に示す。 試験法1、及び試験法2のいずれにおいても、どの温度でも免疫賦活活性が亢進したが、105℃で顕著であった。〔実施例3〕酸加熱処理菌体による病原菌感染予防効果 発酵副生菌体に対し、実施例1と同様に、弱酸性下(pH 4)で加熱処理(105℃、2時間)を行なって得たサンプル(以下、「酸性加熱処理菌体;試験区I」)と、加熱処理を行なわないで得たサンプル(以下、「非処理菌体;試験区II」)について、下記試験法3で示した試験法によりマウスへの細菌感染予防効果を調べた。対照として菌体の代わりに生理食塩水を投与した群(陰性対照、対照区I)と、抗生物質ビコザマイシン(シェリングプラウ・アニマルヘルス社製。商品名:バクテロン)400mg/kgを投与した群(陽性対照、対照区II)、及び非感染区(生理食塩水投与;対照区III)を用いた。(試験法3)マウス大腸菌感染モデルにおける感染予防効果3−1.マウスの飼育 供試動物として、BALB/cメスマウス(21日齢、日本SLC社)を25℃に温度管理された部屋に導入後、無作為に群分けし、群毎にマウス飼育ケージに収容し、基礎飼料としてオリエンタル酵母製MFを用いて飼育した。飼育開始日から4日後を試験開始日(感染菌接種日)とし、飼育開始日(試験開始日の4日前)から17日目(試験開始後13日目)まで、各群に毎朝10時に各被検物質の所定量を強制経口投与した。試験開始の2日前及び試験開始日にサイクロフォスファミド200 mg/kgを腹腔内投与した。3−2.攻撃菌の投与 試験開始日(開始後0日)、サイクロフォスファミド投与4時間後に、攻撃菌(ブタ由来ベロ毒素産生大腸菌(Escherichia coli、宮崎大学株No.1362-1)を、1.9×106個/頭、滅菌生理食塩水に懸濁し腹腔投与した。さらに試験開始後1日目及び試験開始後2日目にはそれぞれ、1.9×106個/頭、1.9×106個/頭を腹腔内投与した。3−3.効果判定 試験期間中、毎日観察を行い、死亡マウスがいれば、回収、記録した。 結果を表5に示す。尚、病原菌摂取前に1頭死亡したため、9頭/試験区で実施した。 酸性加熱処理菌体10mg/kg体重以上の投与、及び非処理菌体100mg/kg体重投与により、ベロ毒素産生大腸菌によるマウスの死亡数が減少することが確かめられた。特に酸性加熱処理菌体は、非処理菌体よりも低投与量で効果を発揮することが認められた。なお、試験区I及びIIのいずれの試験区においても菌体投与による臨床的な異常は認められなかった。〔実施例4〕洗浄菌体の加熱処理におけるpHの影響検討 細菌加熱処理における、培地中の成分や培養液に分泌された生産物の影響を排除するために、実施例1で使用した副生乾燥菌体の代わりに、コリネバクテリルム・グルタミカムAJ1511株(ATCC13869)の洗浄菌体を用いて、加熱処理(105℃)におけるpHの影響を調べた。AJ1511株をルリアブロス(Luria Broth、ディフコ社製)培地(100ml/500ml容坂口フラスコ)で、30℃、18時間培養し、遠心集菌した菌体を蒸留水で2回洗浄して得られた湿菌体を、実施例1と同様にpH4、105℃で2時間加熱して、酸加熱処理菌体を得た。次いで、この菌体について、前記試験法2に記載されたin vitro試験法にて免疫賦活活性を調べた。その結果を表6に示す。 洗浄菌体を用いた場合でも、酸性条件(pH4)で加熱した菌体は、中性での加熱処理を施した菌体、及び加熱処理を施さない菌体に比べて、免疫賦活活性が亢進することがわかった。このことから、免疫活性は当該菌菌体成分に起因するものであり、培地由来成分(アミノ酸や糖等)、又はこれらと菌体成分の反応物ではないことが示された。〔実施例5〕クルマエビのホワイトスポットウイルス感染モデルにおける感染予防効果 コリネバクテリウム・グルタミカムの発酵副生菌体に対し、実施例1と同様に、弱酸性下(pH 4)で加熱処理(105℃、2時間)を行って得たサンプル(以下、「酸性加熱処理菌体」)を用いて、下記試験法5で示した試験法によりクルマエビのホワイトスポットウイルス(以下WSSV)感染予防効果を調べた。対照として、酸性加熱処理菌体を添加しない飼料(対照区)を用いた。 WSSVによる感染症は、1990年頃から世界的に広がりエビ養殖に甚大な被害をもたらしているウイルスによる感染症である。日本国内においても1993年に中国産のクルマエビ種苗を導入した地域に初めて発生し、翌年には西日本全体に拡がり、クルマエビの養殖業に大きな損害を与えた。死亡率および感染率ともに高いためエビ養殖現場において、もっとも重要な感染症である。(試験法5)クルマエビWSSV感染モデルにおける感染予防効果5−1.給餌方法 供試動物として、クルマエビ(体重約18g)を200 Lの水槽に40匹ずつ飼育した。魚粉、ミネラル、ビタミンなどの飼料原料に酸性加熱処理菌体を0.2、0.5、又は1.0 重量%添加し、10 重量%の水を加えて十分にこねた。その後、ファインディスクペレッターを用いて造粒後、熱乾燥機で40℃、10時間乾燥させ、酸性化熱処理菌体を添加したエビ用飼料を作製した。また、対照区として酸性加熱処理菌体を添加しない飼料を作製した。これらの飼料を試験開始日(WSSV感染日)7日前から試験開始15日後まで各試験区に経口投与した。各試験区の投与量は、菌体量として1日当たり0、20、50、又は100 mg/kg体重に相当する。5−2.WSSV感染法 WSSVにより死亡したクルマエビの頭胸部 20 gを滅菌海水40 ml中でホモジナイズし、得られた懸濁液を3000 rpm、4 ℃で、10分間遠心分離した。遠心分離後、上清中のウイルス量をRT mPCR法により測定し、海水中のウイルス量が1800 copies/mLになるように20 Lの海水中に懸濁した。この中にクルマエビを40尾ずつ2時間浸漬しホワイトスポットウイルスの人為感染を行った。5−3.効果判定 試験期間中(WSSV感染後15日間)、毎日観察を行い、死亡したクルマエビがいれば記録した。試験結果を表7に示す。 酸性加熱処理菌体投与区において、対照区の生存率 15.0 %と比較してWSSV感染症によるクルマエビの死亡尾数が減少することが確かめられた。特に、酸性加熱処理菌体100 mg/kg体重投与により生存率が90 %と顕著なWSSV感染症予防効果が確認できた。〔実施例6〕酸性加熱処理E. coli菌体による、クルマエビWSSV感染モデルにおける感染予防効果 腸内細菌として、エシェリヒア・コリを用いて、酸性加熱菌体のWSSV感染予防効果を調べた。 エシェリヒア・コリのL−リジン生産工程で副生される乾燥菌体に対し、実施例1と同様に、弱酸性下(pH 4)で加熱処理(105℃、2時間)を行って得たサンプル(以下、「酸性加熱処理E. coli菌体」)を用いて、下記試験法6に示した試験法によりクルマエビのWSSV感染予防効果を調べた。対照として、酸性加熱処理菌体を添加しない飼料(対照区)を用いた。(試験法6) 上記酸性加熱処理E. coli菌体を用いて、試験法5と全く同様の方法で、WSSV感染試験を実施した。試験区には、酸性加熱処理E. coli菌体の投与量が0、20、50、100 mg/体重kgの4試験区を用意した。試験結果は表8に示す。 酸性加熱処理E. coli菌体20 mg/体重kg投与区において、生存率が80.0 %(対照群 15.0%)と顕著なWSSV感染予防効果が確認できた。〔実施例7〕クルマエビ血球細胞における貪食能を指標とする免疫賦活活性の評価 コリネバクテリウム・グルタミカムの発酵副生菌体に対し、実施例1と同様に、弱酸性下(pH 4)で加熱処理(105℃、2時間)を行って得たサンプル(以下、「酸性加熱処理菌体」)を用いて、下記試験法7で示した試験法によりクルマエビの血球細胞における貪食能を指標に免疫賦活化活性を評価した。 貪食とは、哺乳類などの高等生物から無脊椎動物などの下等生物までに共通して存在する自然免疫系の生体防御機構である。具体的には、マクロファージや好中球などの貪食細胞が、侵入してきた異物を細胞内に取込むことで異物を体内から排除する。一般に、ペプチドグリカンなどの免疫賦活物質は貪食能を向上することで免疫賦活効果を発揮していると言われており、免疫賦活物質を評価する指標になる。甲殻類に属するクルマエビには、マクロファージや好中球と呼ばれる細胞が存在せず血球細胞が同様の役割を担う。(試験法7)クルマエビ血球細胞における貪食能7−1.クルマエビの飼育 供試動物として、クルマエビ(約18 g)を60 Lの水槽で各試験区で15尾ずつ飼育した。7−2.給与方法 魚粉、ミネラル、ビタミンなどの飼料原料に酸性加熱処理菌体を0、0.2、0.5、又は1.0 重量%添加し、10 重量%の水を加えて十分こねた。その後、ファインディスクペレッターを用いて造粒後、熱乾燥機で40℃、10時間乾燥させ酸性加熱処理菌体を添加したエビ用飼料を作製した。この飼料を23日間給与した。酸性加熱処理菌体の投与量は1日あたりそれぞれ0、20、50、又は100 mg/体重kgに相当する量である。7−3.貪食試験 試験飼料給与開始前、投与開始3日後および7日後に各5匹ずつのクルマエビから採血を行い、パーコール密度勾配遠心法により顆粒球細胞を分離した。その懸濁液200 μLをプラスチックシャーレ中のカバーガラスに広げ、血球細胞を付着させたのち、酵母懸濁液2 mLを加えて2時間培養した。培養終了後、固定液で固定後にライト液で染色を行い顕微鏡下で観察した。7−4.評価方法 血球細胞の酵母貪食率((酵母貪食血球細胞数 / 観察血球細胞数) ×100)、1血球細胞あたりの酵母取り込み数(血球細胞に貪食された酵母総数/観察血球細胞数)および貪食指数((酵母貪食血球細胞数/観察血球細胞数)×1血球細胞あたりの酵母取り込み数×100)により評価を行った。試験結果は表9に示す。 貪食率、酵母取り込み数、貪食指数いずれの評価項目においても酸性加熱処理菌体を投与することで免疫賦活化を示す傾向が見られた。特に、100 mg/体重kg投与区では投与3日後、7日後ともに、すべての評価項目 が対照区と比較して顕著な免疫賦活化を示す値であった。〔実施例8〕酸性加熱処理E. coli菌体による、クルマエビ血球細胞を用いた貪食能評価試験(試験法8) 実施例6と同様にして、E. coliの発酵副生菌体について酸性加熱処理を行い(以下、酸性加熱処理E. coli菌体)、試験法7と全く同じ方法により貪食能の評価を行った。試験区には、酸性加熱処理E. coli菌体の投与量が1日あたり、0、20、50、又は100 mg/体重kgの4試験区を用意した。試験結果は表10に示す。 酸性加熱処理E. coli菌体を20 mg/体重kg投与した試験区の投与7日後において、すべての評価項目が対照区と比較して免疫賦活化を示す数値であった。〔実施例9〕ヒラメ養殖場における感染症予防効果 コリネバクテリウム・グルタミカムの発酵副生菌体 (インドネシア味の素社 AJITEIN) に対し、実施例1と同様に、弱酸性下(pH 4)で加熱処理(105℃、2時間)を行って得た菌体(酸性加熱処理菌体)を用いて、試験法7の要領でヒラメ養殖場における感染症予防効果を確認した。(試験法9)ヒラメフィールド試験9−1.試験実施養殖場について 2011年7月1日から同8月31日の2カ月間に山口県長門市の養殖場にてフィールド試験を行った。なお、本養殖場は完全陸上養殖を行っており、海水を直接引き上げ飼育水は掛け流し式である。9−2.給試動物 試験区・対象区ともに2000匹(体重約80 g)のヒラメをフィールド試験に用いた。飼育方法は、隣接する7 m四方のコンクリート製陸上タンクで試験区ごとに管理した。9−3.給与方法について ドライペレット状のヒラメ用飼料「ヒラメ皇」(ヒガシマル株式会社)に酸性加熱処理菌体を添加する形式で投与した。添加方法は、酸性加熱処理菌体の投与量が70 mg/体重kgになるように、飼料重量の10 %の水に0.5 重量%のグアガムを添加したものを展着剤に用いて、飼料に酸性加熱処理菌体を展着させ、ヒラメに投与した。対照区用の飼料としては、酸性加熱処理菌体を添加しない以外は同様の方法で製造した飼料を用いた。9−4.評価方法 酸性加熱処理菌体物質投与開始から2カ月間における死亡尾数、および死亡原因について調査を行った。試験の結果は表11に示す。 酸性加熱処理菌体を投与した群において、感染症による死亡率が8.1 %から3.9 %に低下したことを確認した。特に、レンサ球菌症および新型レンサ球菌症への効果が顕著であった。 本発明の免疫賦活剤は、哺乳動物、鳥類、魚類、甲殻類等に投与することにより、これらの動物の免疫力を増強することができる。本発明の免疫賦活剤は、安価に製造することでき、安全性に優れている。したがって、本発明の免疫賦活剤は、前記動物の飼料、又は飼料添加剤として使用することができる。 コリネ型細菌又は腸内細菌の菌体をpH2〜5の条件下で加熱処理して得られる殺菌菌体を含有する、哺乳動物、鳥類、魚類又は甲殻類用の免疫賦活剤。 前記pHが3〜5である請求項1に記載の免疫賦活剤。 前記加熱処理が、90〜120℃、3分〜4時間である、請求項1又は2に記載の免疫賦活剤。 前記コリネ型細菌又は腸内細菌の菌体が、これらのいずれかの細菌を含むL-アミノ酸または核酸発酵の副生物である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の免疫賦活剤。 コリネ型細菌がコリネバクテリウム・グルタミカムである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の免疫賦活剤。 前記腸内細菌がエシェリヒア・コリまたはパントエア・アナナティスである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の免疫賦活剤。 前記コリネ型細菌又は腸内細菌が、L−アミノ酸または核酸生産菌である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の免疫賦活剤。 請求項1〜7のいずれか一項に記載の免疫賦活剤を含む、哺乳動物、鳥類、魚類又は甲殻類用の飼料。 請求項1〜7のいずれか一項に記載の免疫賦活剤を0.01重量%〜10重量%含む、請求項8に記載の飼料。 コリネ型細菌又は腸内細菌の菌体をpH2〜5の条件下で加熱処理し、得られる殺菌菌体を有効成分として用いることを特徴とする、哺乳動物、鳥類、魚類又は甲殻類用の免疫賦活剤の製造方法。 請求項1〜7のいずれか一項に記載の免疫賦活剤、又は請求項9もしくは10に記載の飼料を哺乳動物、鳥類、魚類又は甲殻類に投与する、免疫賦活方法。 免疫賦活によって、前記哺乳動物、鳥類、魚類又は甲殻類への細菌またはウィルスの感染が予防され、前記細菌またはウィルスが、ベロ毒素産生大腸菌、サルモネラ、マイコプラズマ、クロストリジウム、ローソニア、レンサ球菌、新型レンサ球菌、ビブリオ、滑走細菌症菌 (Flexibacter maritimus)、ホワイトスポットウイルス (White spot syndrome virus)、イエローヘッドウイルス(Yellowhead virus) からなる群より選択される、請求項11に記載の方法。 コリネ型細菌又は腸内細菌の菌体を、例えばpH2〜5の条件下で90〜120℃、3分〜4時間加熱処理して得られる殺菌菌体、又はそれを含む飼料を、哺乳動物、鳥類、魚類又は甲殻類に投与することにより、これらの動物の免疫を賦活する。


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