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タイトル:公開特許公報(A)_低粘度エポキシ化合物およびその製造方法
出願番号:2012061888
年次:2013
IPC分類:C07D 303/36


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加藤 秀利 石川 学哉 中谷 仁郎 JP 2013193980 公開特許公報(A) 20130930 2012061888 20120319 低粘度エポキシ化合物およびその製造方法 東レ・ファインケミカル株式会社 000187046 清流国際特許業務法人 110001368 昼間 孝良 100129252 小川 信一 100066865 野口 賢照 100066854 佐藤 謙二 100117938 平井 功 100138287 境澤 正夫 100155033 斎下 和彦 100068685 加藤 秀利 石川 学哉 中谷 仁郎 C07D 303/36 20060101AFI20130903BHJP JPC07D303/36 4 OL 14 4C048 4C048AA01 4C048BB18 4C048CC03 4C048UU05 4C048XX02 4C048XX04 本発明は、工業的に有用な低粘度エポキシ化合物およびその製造方法に関する。 エポキシ化合物は、有機化学分野および高分子化学分野で広く用いられている化合物であり、ファインケミカル、医農薬原料および樹脂原料、さらには電子情報材料や光学材料など、工業用途として多岐にわたる分野で有用な化合物である。 さらに多官能のエポキシ化合物は、種々の硬化剤で硬化させることにより、一般的に機械的性質、耐水性、耐薬品性、耐熱性および電気特性に優れた硬化物となり、接着剤、塗料、積層板および複合材料などの広い分野に利用されている。中でもN,N,N′,N′−テトラグリシジル−4,4′−ジアミノジフェニルメタンは、低粘度であり、かつ高耐熱特性を有するため、宇宙・航空機用複合材料や耐熱性接着剤、半導体封止材などへも用途を広げている。 N,N,N′,N′−テトラグリシジル−4,4′−ジアミノジフェニルメタンの製造方法としては、4,4′-ジアミノジフェニルメタンとエピクロロヒドリンとを、水の存在下、70〜80℃で1〜4時間反応させ、中間体を得た後、アルカリで反応させる方法が知られていた(特許文献1、2)。得られたN,N,N′,N′−テトラグリシジル−4,4′−ジアミノジフェニルメタンの50℃における粘度は、8.2Pa・sであった。 しかしながら、上述の方法で得たN,N,N′,N′−テトラグリシジル−4,4′−ジアミノジフェニルメタンは、昨今の高度な低粘度化要求に対し、必ずしも十分に答えられるものではなく、粘度をより低くした、N,N,N′,N′−テトラグリシジル−4,4′−ジアミノジフェニルメタンが求められていた。米国特許第2,951,822号明細書特開昭60−209580号公報 そこで本発明の目的は、N,N,N′,N′−テトラグリシジル−4,4′−ジアミノジフェニルメタンからなる、低粘度のエポキシ化合物およびその製造方法を提供することにある。 本発明の低粘度エポキシ化合物は、N,N,N′,N′−テトラグリシジル−4,4′−ジアミノジフェニルメタンからなるエポキシ化合物であり、その化学純度が95%以上、E型粘度計を使用して40℃で測定した粘度が9.0Pa・s以下であることを特徴とする。 本発明の低粘度エポキシ化合物の製造方法は、4,4′−ジアミノジフェニルメタンとエピクロロヒドリンとをフェノール類、有機酸、無機酸から選ばれる少なくとも1種の物質の存在下で反応させる付加反応工程と、該反応混合物をアルカリで処理する環化反応工程により、N,N,N′,N′−テトラグリシジル−4,4′−ジアミノジフェニルメタンを合成することを特徴とする。 本発明の低粘度エポキシ化合物の製造方法の好ましい様態によれば、付加反応工程の反応温度が0〜60℃であることである。 本発明のN,N,N′,N′−テトラグリシジル−4,4′−ジアミノジフェニルメタンからなる低粘度エポキシ化合物は、その化学純度が95%以上と高いため、精製する必要がなく、また貯蔵安定性が高い。更に本発明の低粘度エポキシ化合物は、E型粘度計を使用して40℃で測定した粘度が9.0Pa・s以下と、粘度が低いため充填剤を高充填することができ、経済的に有利である。 またN,N,N′,N′−テトラグリシジル−4,4′−ジアミノジフェニルメタンからなる低粘度エポキシ化合物と硬化剤を含有してなる樹脂組成物を硬化させることにより、高強度、高弾性率、高接着性、高靭性、耐熱性、耐候性、耐溶剤性および耐衝撃性などの高機能なエポキシ樹脂硬化物が得られる。本発明のN,N,N′,N′−テトラグリシジル−4,4′−ジアミノジフェニルメタンは、ファインケミカル、医農薬原料、樹脂原料、さらには電子情報材料、光学材料など、工業用途として多岐にわたる分野で有用である。またN,N,N′,N′−テトラグリシジル−4,4′−ジアミノジフェニルメタンと活性水素を含有する化合物、例えばアミン等を混合し硬化させると、例えば、接着剤や塗料などに使用できる硬化物が得られる。 本発明の低粘度エポキシ化合物の製造方法は、4,4′−ジアミノジフェニルメタンとエピクロロヒドリンとをフェノール類、有機酸、無機酸から選ばれる少なくとも1種の物質の存在下で反応させる付加反応工程と、得られた反応混合物をアルカリで処理する環化反応工程とから、N,N,N′,N′−テトラグリシジル−4,4′−ジアミノジフェニルメタンを合成するようにしたので、純度が高く、粘度が低い低粘度エポキシ化合物を効率よく製造することができる。この製造方法を用いて得た、N,N,N′,N′−テトラグリシジル−4,4′−ジアミノジフェニルメタンは、純度が高いため、精製する必要がない。従って、精製の際に生じるロスがないため、収率が良い。また、この低粘度エポキシ化合物を製造するにあたり薄膜蒸留設備等の特別な設備を必要としない。 また、4,4′−ジアミノジフェニルメタンとエピクロロヒドリンとを反応させる付加反応工程の反応温度を0〜60℃にすることが好ましく、従来の方法に比べて低温で反応を行うため、短時間で目的温度に達し、製造に掛かる時間を短縮することができる。また、用役の使用を節約することができ経済的に有利である。 以下に、本発明の低粘度エポキシ化合物およびその製造方法について詳細に記載する。 本発明の低粘度エポキシ化合物は、N,N,N′,N′−テトラグリシジル−4,4′−ジアミノジフェニルメタンである。 本発明の低粘度エポキシ化合物は、N,N,N′,N′−テトラグリシジル−4,4′−ジアミノジフェニルメタンの化学純度が95%以上、好ましくは97〜100%である。このようにN,N,N′,N′−テトラグリシジル−4,4′−ジアミノジフェニルメタンの化学純度を極めて高くすることにより、エポキシ樹脂組成物の主剤に使用すると、その硬化物は、高強度・高耐熱性と高弾性率とを優れたレベルで両立することができる。なお、本発明において、化学純度とは、エポキシ化合物中のN,N,N′,N′−テトラグリシジル−4,4′−ジアミノジフェニルメタンの含有量をいい、高速液体クロマトグラフィー法で、後述する分析条件で分析したもの(HPLC area%)である。 本発明の低粘度エポキシ化合物は、E型粘度計を使用した40℃の粘度が、9.0Pa・s以下であり、より好ましくは8.0Pa・s以下である。E型粘度計を使用した40℃の粘度が9.0Pa・sを超えると、充填材を高充填することができず経済的に不利である。また化学純度が95%以上と高く、不純物含有量が極めて少ないので貯蔵安定性に優れ、粘度が経時で増加することが少ない。なお、エポキシ化合物の粘度は、E型粘度計を使用して後述する方法で測定したものである。 N,N,N′,N′−テトラグリシジル−4,4′−ジアミノジフェニルメタンからなる低粘度エポキシ化合物と硬化剤を含有してなる樹脂組成物を硬化させることにより、高強度、高弾性率、高接着性、高靭性、耐熱性、耐候性、耐溶剤性および耐衝撃性などの高機能なエポキシ樹脂硬化物が得られる。本発明のN,N,N′,N′−テトラグリシジル−4,4′−ジアミノジフェニルメタンは、ファインケミカル、医農薬原料、樹脂原料、さらには電子情報材料、光学材料など、工業用途として多岐にわたる分野で有用である。またN,N,N′,N′−テトラグリシジル−4,4′−ジアミノジフェニルメタンと活性水素を含有する化合物、例えばアミン等を混合し硬化させると、例えば、接着剤や塗料などに使用できる硬化物が得られる。 本発明の低粘度エポキシ化合物の製造方法は、4,4′−ジアミノジフェニルメタンとエピクロロヒドリンとを反応させ、N,N,N′,N′−テトラキス(3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル)−4,4′−ジアミノジフェニルメタンを得る付加反応工程と、N,N,N′,N′−テトラキス(3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル)−4,4′−ジアミノジフェニルメタンとアルカリとを反応させN,N,N′,N′−テトラグリシジル−4,4′−ジアミノジフェニルメタンを得る環化反応工程とからなる。 本発明の低粘度エポキシ化合物の製造方法では、付加反応工程にて4,4′−ジアミノジフェニルメタンとエピクロロヒドリンとをフェノール類、有機酸、無機酸から選ばれる少なくとも1種の物質の存在下で反応させる。すなわち、フェノール類、有機酸、無機酸から選ばれる少なくとも1種の物質を、付加反応工程における溶媒として使用することができる。フェノール類、有機酸、無機酸から選ばれる少なくとも1種の物質の存在下で、4,4′−ジアミノジフェニルメタンとエピクロロヒドリンとを反応させることにより、付加反応が速やかに進行し、かつ副生成物を少なくし目的とするエポキシ化合物の化学純度を高くすることができる。 従来、付加反応工程の溶媒として使用されていた水と比べ、フェノール類、有機酸、無機酸から選ばれる少なくとも1種の物質を使用することにより、反応時間を短縮すると共に、不純物の生成を抑制し目的生成物の化学純度および収率をより高くし、かつその粘度をより低くすることができる。フェノール類、有機酸、無機酸から選ばれる物質は、2種類以上用いても良い。付加反応工程の溶媒としては、有機酸、無機酸を使用することが好ましく、付加反応工程を容易に行うことができる。 本発明におけるフェノール類とは、フェノール、クレゾール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、2,3−ジメチルフェノール、2,4−ジメチルフェノール、2,5−ジメチルフェノール、2,6−ジメチルフェノール、3,4−ジメチルフェノール、3,5−ジメチルフェノール、ビスフェノールA、アルキルフェノール類等が挙げられる。 本発明における有機酸としては、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ絡酸、ピバル酸、吉草酸、イソ吉草酸、カプロン酸、2−エチル酪酸、カプリル酸、2−エチルヘキサン酸、オレイン酸、無水酢酸、プロピオン酸無水物、酪酸無水物、クエン酸、乳酸、シュウ酸、オクチル酸、ナフテン酸、ネオデカン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグリノセリン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸、トウハク酸、リンデル酸、ツズ酸、マッコウ酸、ミリストオレイン酸、ゾーマリン酸、ペトロセリン酸、オレイン酸、バクセン酸、ガドレイン酸、鯨油酸、エルシン酸、サメ油酸、リノール酸、ヒラゴ酸、エレオステアリン酸、ブニカ酸、トリコサン酸、リノレン酸、モロクチ酸、パリナリン酸、アラキドン酸、イワシ酸、ヒラガシラ酸、ニシン酸等が挙げられる。 本発明における無機酸としては、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、ホウ酸、フッ化水素酸等が挙げられる。 フェノール類、有機酸、無機酸から選ばれる物質の添加量は、4,4′−ジアミノジフェニルメタンに対して、0.01〜20重量倍が好ましく、より好ましくは0.05〜10重量倍、更に好ましくは0.1〜5重量倍である。フェノール類、有機酸、無機酸から選ばれる物質の添加量が、4,4′−ジアミノジフェニルメタンに対してに対して0.01重量倍以上とすると、速やかに反応が完結し好ましい。また、20重量倍以下であれば、フェノール類、有機酸、無機酸から選ばれる物質を中和や留去にて容易に除くことができ好ましい。 本発明の付加反応工程では、反応を阻害しない限り、フェノール類、有機酸、無機酸から選ばれる物質以外の他の物質を加えても良い。他の物質の種類としては、水、アルコール、炭化水素、ハロゲン化炭化水素、エーテル、エステル、ケトン、窒素化合物、硫黄化合物が挙げられる。 水としては、特に限定されないが、一般的な工業用水を用いることができる。すなわち、河川、地下水、湖沼、海水、かん水等を水源とし、沈殿、凝析、ろ過、蒸留、イオン交換、限外ろ過、逆浸透法等で精製したものである。 アルコールとしては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、1−ブタノール、1−ペンタノールおよび1−ヘキサノールなどの1級アルコール類、イソプロパノール、2−ブタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−ヘキサノール、シクロヘキサノール、2−ヘプタノールおよび3−ヘプタノールなどの2級アルコール類、tert−ブタノール、tert−ペンタノール、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリプロピレングリコール、トリプロピレングリコールモノメチルエーテルおよびトリプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテルが挙げられる。 炭化水素としては、ヘキサン、2−メチルペンタン、2,2−ジメチルブタン、2,3−ジメチルブタン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン、ノナン、トリメチルヘキサン、デカン、ドデカン、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメン、メシチレン、シクロヘキシルベンゼン、ジエチルベンゼン、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンおよびエチルシクロヘキサン等を挙げることが出来る。 ハロゲン化炭化水素としては、塩化メチル、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、塩化エチル、1,1―ジクロロエタン、1,2−ジクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,1,2−テトラクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、ペンタクロロエタン、ヘキサクロロエタン、塩化プロピル、塩化イソプロピル、1,2−ジクロロプロパン、1,2,3−トリクロロプロパン、塩化ブチル、塩化sec−ブチル、塩化イソブチル、塩化tert−ブチル、1−クロロペンタン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、m−ジクロロベンゼン、p−ジクロロベンゼン、1,2,4−トリクロロベンゼン、o−クロロトルエン、p−クロロトルエン、1−クロロナフタレン、塩素化ナフタレン、臭化メチル、ブロモホルム、臭化エチル、1,2−ジブロモエタン、1,1,2,2−テトラブロモエタン、臭化プロピル、臭化イソプロピル、ブロモベンゼン、o−ジブロモベンゼン、1−ブロモナフタレン、フルオロベンゼン、ベンゾトリフルオリド、ヘキサフルオロベンゼン、クロロブロモメタン、トリクロロフルオロメタン、1−ブロモ−2−クロロエタン1,1,2−トリクロロ−1,2,2−トリフルオロエタン、1,1,2,2−テトラクロロ−1,2−ジフルオロエタン等を挙げることが出来る。 エーテルとしては、ジエチルエーテル、ジ−n−プロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジヘキシルエーテル、アニソール、フェネトール、ジフェニルエーテル、ジオキサン、トリオキサン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテルおよびジエチレングリコールジブチルエーテル等を挙げることが出来る。 エステルとしては、ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、ギ酸ブチル、ギ酸イソブチル、ギ酸ペンチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸ペンチル、酢酸イソペンチル、3−メトキシブチルアセタート、酢酸sec−ヘキシル、2−エチルブチルアセタート、2−エチルヘキシルアセタート、酢酸シクロヘキシル、酢酸ベンジル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル、プロピオン酸ブチル、プロピオン酸イソペンチル、イソ酪酸メチル、安息香酸メチル、エチレングリコールモノアセタート、二酢酸エチレン、エチレングリコールエステル、炭酸ジエチル等を挙げることが出来る。 ケトンとしては、アセトン、2−ブタノン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、2−ヘキサノン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン、4−ヘプタノン、ジイソブチルケトン、アセチルアセトン、アセトニルアセトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、アセトフェノン等を挙げることが出来る。 窒素化合物としては、ニトロメタン、ニトロエタン、1−ニトロプロパン、2−ニトロプロパン、ニトロベンゼン、アセトニトリル、プロピオニトリル、スクシノニトリル、ブチロニトリル、イソブチロニトリル、バレロニトリル、ベンゾニトリル、α−トルニトリル、ピリジン、α−ピコリン、β−ピコリン、γ−ピコリン、2,4−ルチジン、2,6−ルチジン、キノリン、イソキノリン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等を挙げることが出来る。 硫黄化合物としては、二硫化炭素、ジメチルスルフィド、ジエチルスルフィド、チオフェン、テトラヒドロチオフェン、ジメチルスルホキシド、スルホラン等を挙げることが出来る。 上記フェノール類、有機酸、無機酸以外の他の物質のうち、特に、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメン、メシチレンおよびジエチルベンゼンが好ましく用いられる。他の物質の添加量は、4,4′−ジアミノジフェニルメタンに対し、10重量倍以下が好ましく、より好ましくは5重量倍以下である。このような範囲にすることで、フェノール類、有機酸、無機酸以外の他の物質の除去に必要なエネルギーが少なくなり、廃棄物も少なくなるため、経済的である。 原料の仕込み順序および方法としては、4,4′−ジアミノジフェニルメタンまたは4,4′−ジアミノジフェニルメタンを含む溶液にエピクロロヒドリンまたはエピクロロヒドリン溶液を添加しても良いし、逆にエピクロロヒドリンまたはエピクロロヒドリンを含む溶液に4,4′−ジアミノジフェニルメタンまたは4,4′−ジアミノジフェニルメタンを含む溶液を添加しても良い。急激な発熱や反応暴走を防ぐために、添加する原料を時間をかけて連続的にまたは分割して間欠的に添加するなど反応速度に合わせて、添加速度を制御することが好ましい。添加に要する時間は、0.5〜6時間が好ましく選ばれる。 本発明における付加反応工程の反応時間は、原料添加終了後、撹拌下で、通常0.5〜60時間である。本発明では、反応液中に含まれる下記一般式(1)で示されるトリクロロヒドリン体の残存量が最小になった時点が、反応終了の目安とされる。 本発明の付加反応温度は、0〜60℃が好ましく、より好ましくは10〜50℃、更に好ましくは20〜50℃である。付加反応温度が0℃以上であると、短時間で反応が完結し、50℃以下であると、化学純度が高くなり、粘度が低いエポキシ化合物が得られ好ましい。 本発明における環化反応工程において、使用されるアルカリとしては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド、ナトリウムn−プロポキシド、カリウムn−プロポキシド、ナトリウムイソプロポキシド、カリウムイソプロポキシド、ナトリウムn−ブトキシド、カリウムn−ブトキシド、ナトリウムtert−ブトキシド、カリウムtert−ブトキシド、ナトリウムtert−アミラート、カリウムtert−アミラート、ナトリウムn−ヘキシラート、およびカリウムn−ヘキシラートおよびテトラメチルアンモニウムヒドロキシドなどが例示されるが、中でも、水酸化ナトリウムと水酸化カリウムが好ましく用いられる。 また、アルカリは、そのものを投入しても良いが、水またはアルコール溶液として滴下しても良い。 アルカリの使用量は、N,N,N′,N′−テトラキス(3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル)−4,4′−ジアミノジフェニルメタンに対し、1〜10モル倍が好ましく用いられる。 本発明における環化反応工程は、第四級アンモニウム塩および/または第四級ホスホニウム塩の共存下で行うことが好ましい。これらの塩を添加し共存させることにより、反応が促進され、当該エポキシ化合物の収率が向上する。 本発明で用いられる第四級アンモニウム塩としては、テトラメチルアンモニウム、トリメチル−エチルアンモニウム、ジメチルジエチルアンモニウム、トリエチル−メチルアンモニウム、トリプロピル−メチルアンモニウム、トリブチル−メチルアンモニウム、トリオクチル−メチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、トリメチル−プロピルアンモニウム、トリメチルフェニルアンモニウム、ベンジルトリメチルアンモニウム、ベンジルトリエチルアンモニウム、ジアリルジメチルアンモニウム、n−オクチルトリメチルアンモニウム、ステアリルトリメチルアンモニウム、セチルジメチルエチルアンモニウム、テトラプロピルアンモニウム、テトラn−ブチルアンモニウム、β−メチルコリン、テトラ−n−ブチルアンモニウムおよびフェニルトリメチルアンモニウム等の臭化塩、塩化塩、ヨウ化塩、硫酸水素塩および水酸化物等を挙げることができる。 特に好ましくは、トリオクチル−メチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、ベンジルトリメチルアンモニウム、ベンジルトリエチルアンモニウム、テトラn−ブチルアンモニウムの臭化塩、塩化塩、硫酸水素塩および水酸化物である。 また、本発明で用いられる第四級ホスホニウム塩としては、テトラメチルホスホニウム、トリメチル−エチルホスホニウム、ジメチルジエチルホスホニウム、トリエチル−メチルホスホニウム、トリプロピル−メチルホスホニウム、トリブチル−メチルホスホニウム、トリオクチル−メチルホスホニウム、テトラエチルホスホニウム、トリメチル‐プロピルホスホニウム、トリメチルフェニルホスホニウム、ベンジルトリメチルホスホニウム、ジアリルジメチルホスホニウム、n−オクチルトリメチルホスホニウム、ステアリルトリメチルホスホニウム、セチルジメチルエチルホスホニウム、テトラプロピルホスホニウム、テトラn−ブチルホスホニウム、テトラ−n−ブチルホスホニウム、フェニルトリメチルホスホニウム、メチルトリフェニルホスホニウム、エチルトリフェニルホスホニウムおよびテトラフェニルホスホニウム等の臭化塩、塩化塩、ヨウ化塩、硫酸水素塩および水酸化物等を挙げることができる。 第四級アンモニウム塩および/または第四級ホスホニウム塩の添加量は、触媒量でよく、4,4′−ジアミノジフェニルメタンに対して0.001〜0.5モル倍が好ましい。 環化反応工程の反応温度は、好ましくは0〜90℃であり、より好ましくは10〜70℃である。また、反応時間は、アルカリ化合物の添加終了後、好ましくは0.5〜10時間である。 環化反応工程の溶媒として、アルコール系溶媒、炭化水素系溶媒、エーテル系溶媒およびエステル系溶媒が好ましく用いられる。具体的には、アルコール系溶媒としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、1−ブタノール、1−ペンタノールおよび1−ヘキサノールなどの1級アルコール類、イソプロパノール、2−ブタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−ヘキサノール、シクロヘキサノール、2−ヘプタノールおよび3−ヘプタノールなどの2級アルコール類、tert−ブタノール、tert−ペンタノール、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコール-モノ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリプロピレングリコール、トリプロピレングリコールモノメチルエーテルおよびトリプロピレングリコール-モノ−n−ブチルエーテルが挙げられる。 炭化水素系溶媒としては、ヘキサン、2−メチルペンタン、2,2−ジメチルブタン、2,3−ジメチルブタン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン、ノナン、トリメチルヘキサン、デカン、ドデカン、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメン、メシチレン、シクロヘキシルベンゼン、ジエチルベンゼン、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンおよびエチルシクロヘキサンなどが挙げられる。 また、エーテル系溶媒としては、ジイソピルエーテル、ジブチルエーテル、ジヘキシルエーテル、アニソール、フェネトール、ジフェニルエーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテルおよびジエチレングリコールジブチルエーテルなどが挙げられる。 また、エステル系溶媒としては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチルおよび酢酸イソブチルなどが挙げられる。 中でも好ましく用いられる溶媒は、メタノール、エタノール、1−プロパノール、1−ブタノール、イソプロパノール、2−ブタノール、tert−ブタノール、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメン、メシチレンおよびジエチルベンゼンである。 溶媒の使用量は、4,4′−ジアミノジフェニルメタンに対して好ましくは0.1〜20重量倍であり、より好ましくは、1〜10重量倍である。 本発明において目的物であるエポキシ化合物の単離は、(1)反応溶媒の留去、(2)疎水性溶媒による抽出、(3)抽出溶媒の留去、(4)蒸留および(5)晶析などの一般的な単位操作の組み合わせにより達成できる。 例えば、環化反応工程後の液にトルエンなどの有機溶媒を加え、本発明の目的物を油層に抽出し、水層を分離除去する。さらに、得られた油層を水洗することにより、油層に溶け込んでいる塩を完全に除去することが好ましい。有機溶媒の使用量は、本発明の目的物に対して、好ましくは0.2〜50重量倍であり、より好ましくは1〜20重量倍である。 また、得られた油層から晶析により、目的物であるエポキシ化合物を単離すると高純度化することが容易である。晶析方法としては、冷却晶析、濃縮晶析および貧溶媒晶析などが例示される。 抽出溶媒の留去、蒸留に際しては、薄膜蒸留装置を用いても良い。薄膜蒸留装置としては、遠心式分子蒸留装置、流下膜式分子蒸留装置等が挙げられる。留去した溶媒等は、再利用しても良い。 以下、実施例により具体的に説明するが、本発明は実施例のみに制限されるものではない。なお、以下の実施例において、「○○重量倍/ジアミノジフェニルメタン」および「○○モル倍/ジアミノジフェニルメタン」という記載は、それぞれの添加量が、4,4′−ジアミノジフェニルメタンの重量の○○重量倍および4,4′−ジアミノジフェニルメタンのモル量の○○モル倍であることを意味する。 また各例において得られるエポキシ化合物中のN,N,N′,N′−テトラグリシジル−4,4′−ジアミノジフェニルメタンの含有量、すなわちN,N,N′,N′−テトラグリシジル−4,4′−ジアミノジフェニルメタンの化学純度は、高速液体クロマトグラフィー法(以下、「HPLC」と略)で、以下の分析条件で分析したもの(HPLC area%)である。(化学純度)・カラム: YMC―Pack ODS−AM303 4.6φ×250mm・カラム温度: 40℃・移動相: 0.1%(v/v)リン酸水溶液:メタノール=40:60(v/v)・流量:1ml/min・注入量: 3μl・検出: UV 254nm・分析時間: 90分・分析サンプル調製:サンプル0.02gを秤量し、エチレングリコールジメチルエーテル約20mlに希釈 ただし、上記の分析条件に基づく分析結果と同じ結果が得られる限り、この分析条件に限定されるものではない。 本発明において、エポキシ化合物の粘度およびエポキシ当量は、それぞれ以下の方法で分析したものである。(粘度)・粘度計: RE85U(東機産業(株)製)、ローターコードNo.38・温度: 40℃・回転数: 2.5rpm(エポキシ当量) エポキシ当量は、塩酸−ジオキサン法にて測定した。具体的にはエポキシ化合物に、メタノールと0.2N塩酸ジオキサン溶液を加え、30分攪拌し反応させた。得られた反応液に、指示薬としてフェノールフタレイン溶液を加え、0.1N水酸化ナトリウム水溶液で中和滴定した。別途行ったブランク滴定の滴定量と、中和滴定の滴定量の差から、塩酸と反応したエポキシ基の当量を求め、得られた当量でエポキシ化合物の重量を除した値をエポキシ当量(g/eq)とした。 ただし、上記の分析条件に基づく分析結果と同じ結果が得られる限り、この分析条件に限定されるものではない。 (実施例1) 温度計、滴下漏斗、冷却管および攪拌機を取り付けた四つ口フラスコに、エピクロロヒドリンを279.6g(12.0モル倍/4,4′−ジアミノジフェニルメタン)、4,4′−ジアミノジフェニルメタン49.8g(0.25mol)仕込んだ。窒素パージを行いながら酢酸12.4g(0.25重量倍/4,4′−ジアミノジフェニルメタン)を約10分かけて滴下した。温度を40℃まで上げて9時間撹拌しながら熟成することにより付加反応を実施し、N,N,N′,N′−テトラキス(3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル)−4,4′−ジアミノジフェニルメタンを生成させた。続いて硫酸水素テトラブチルアンモニウム2.53g(0.03モル倍/4,4′−ジアミノジフェニルメタン)を添加し、続いて48%水酸化ナトリウム水溶液143.1g(6.9モル倍/4,4′−ジアミノジフェニルメタン)を1時間で滴下してさらに4時間撹拌しながら熟成し、環化反応を行った。 環化反応が終わった後、173.4gの水で洗浄を行い、有機層にさらに142.7gの水を添加して洗浄を行った。有機層からエピクロロヒドリンを減圧下で除き、N,N,N′,N′−テトラグリシジル−4,4′−ジアミノジフェニルメタン105.01g(重量収率(4,4′−ジアミノジフェニルメタン基準):99.0%)を得た。エポキシ化合物の化学純度を、HPLCを使用して前述した方法で測定したところ98%(HPLC area%)であった。エポキシ当量は114g/eq、E型粘度計を使用し40℃で測定した粘度が7.2Pa・sであった。 (実施例2) 実施例1において、酢酸の添加量を12.4g(0.25重量倍/4,4′−ジアミノジフェニルメタン)から24.8g(0.50重量倍/4,4′−ジアミノジフェニルメタン)に、反応時間を9時間から7時間に変更したこと以外は、実施例1と同様に実施した。N,N,N′,N′−テトラグリシジル−4,4′−ジアミノジフェニルメタンを主成分とする褐色の粘性液体が105.5g(重量収率(4,4′−ジアミノジフェニルメタン基準):96.6%)を得た。このエポキシ化合物の化学純度を、HPLCを使用して前述した方法で測定したところ98%(HPLC area%)であった。エポキシ当量が112g/eq、E型粘度計を使用し40℃で測定した粘度が6.7Pa・sであった。 (実施例3) 実施例1において、酢酸を35%塩酸へ、反応時間を9時間から24時間に変更したこと以外は、実施例1と同様に実施した。N,N,N′,N′−テトラグリシジル−4,4′−ジアミノジフェニルメタンを主成分とする褐色の粘性液体が105.5g(重量収率(4,4′−ジアミノジフェニルメタン基準):99.2%)を得た。このエポキシ化合物の化学純度を、HPLCを使用して前述した方法で測定したところ96%(HPLC area%)であった。エポキシ当量が115g/eq、E型粘度計を使用し40℃で測定した粘度が8.4Pa・sであった。 (実施例4) 実施例1において、反応温度を40℃から60℃へ、反応時間を9時間から4時間に変更したこと以外は、実施例1と同様に実施した。N,N,N′,N′−テトラグリシジル−4,4′−ジアミノジフェニルメタンを主成分とする褐色の粘性液体が103.22g(重量収率(4,4′−ジアミノジフェニルメタン基準):97.7%)を得た。このエポキシ化合物の化学純度を、HPLCを使用して前述した方法で測定したところ95%(HPLC area%)であった。エポキシ当量が114g/eq、E型粘度計を使用し40℃で測定した粘度が6.6Pa・sであった。 (比較例1) 温度計、滴下漏斗、冷却管および攪拌機を取り付けた四つ口フラスコに、エピクロロヒドリンを276.6g(12モル倍/4,4′-ジアミノジフェニルメタン)、イオン交換水12.4g(0.25重量倍/4,4′-ジアミノジフェニルメタン)、4,4′-ジアミノジフェニルメタン49.6g(0.25mol)を仕込んだ。温度を60℃まで上げて11時間撹拌しながら熟成することにより付加反応を実施した。反応液に硫酸水素テトラブチルアンモニウム2.58g(0.03モル倍/4,4′-ジアミノジフェニルメタン)を添加し、続いて48%水酸化ナトリウム水溶液125.8g(6.0モル倍/4,4′-ジアミノジフェニルメタン)を30℃の温度で約1時間かけて滴下し、さらに30℃の温度で4時間撹拌しながら熟成し、環化反応を行った。 環化反応が終わった後、161.5gのイオン交換水で洗浄を行い、有機層にさらに74.6gのイオン交換水を添加して洗浄を行った。有機層からエピクロロヒドリンを減圧下で留去し、N,N,N′,N′−テトラグリシジル−4,4′−ジアミノジフェニルメタン105.7g(重量収率(4,4′-ジアミノジフェニルメタン基準):99.7%)を得た。このエポキシ化合物の化学純度を、HPLCを使用して前述した方法で測定したところ94%(HPLC area%)であった。エポキシ当量は115g/eq、E型粘度計を使用し40℃で測定した粘度が10.1Pa・sであった。 実施例、比較例の実験条件と、品質の一覧を表1に示す。表1において、付加反応工程で使用したフェノール類、有機酸、無機酸から選ばれる物質について、その種類と添加量を、「溶媒」の欄に記載した。 N,N,N′,N′−テトラグリシジル−4,4′−ジアミノジフェニルメタンからなるエポキシ化合物であり、その化学純度が95%以上、E型粘度計を使用して40℃で測定した粘度が9.0Pa・s以下である低粘度エポキシ化合物。 前記化学純度が97%以上で、E型粘度計を使用して40℃で測定した粘度が8.0Pa・s以下である請求項1に記載の低粘度エポキシ化合物。 4,4′−ジアミノジフェニルメタンとエピクロロヒドリンとをフェノール類、有機酸、無機酸から選ばれる少なくとも1種の物質の存在下で反応させる付加反応工程と、該反応混合物をアルカリで処理する環化反応工程により、N,N,N′,N′−テトラグリシジル−4,4′−ジアミノジフェニルメタンを合成する低粘度エポキシ化合物の製造方法。 前記付加反応工程の反応温度が0〜60℃である請求項3に記載の低粘度エポキシ化合物の製造方法。 【課題】N,N,N′,N′−テトラグリシジル−4,4′−ジアミノジフェニルメタンからなる工業的に有用な低粘度エポキシ化合物およびその製造方法を提供する。【解決手段】N,N,N′,N′−テトラグリシジル−4,4′−ジアミノジフェニルメタンの化学純度が95%以上で、E型粘度計を使用して40℃で測定した粘度が9.0Pa・s以下であることを特徴とする。【選択図】 なし


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