生命科学関連特許情報

タイトル:再公表特許(A1)_腰曲がり治療剤
出願番号:2012060522
年次:2014
IPC分類:A61K 45/00,A61K 31/167,A61P 25/16,A61P 43/00,A61K 31/445,A61K 31/4704,A61P 21/00


特許情報キャッシュ

村田 美穂 坂本 崇 古澤 嘉彦 JP WO2012147597 20121101 JP2012060522 20120412 腰曲がり治療剤 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター 510147776 平木 祐輔 100091096 藤田 節 100118773 岩崎 正路 100168893 村田 美穂 坂本 崇 古澤 嘉彦 JP 2011097374 20110425 A61K 45/00 20060101AFI20140701BHJP A61K 31/167 20060101ALI20140701BHJP A61P 25/16 20060101ALI20140701BHJP A61P 43/00 20060101ALI20140701BHJP A61K 31/445 20060101ALI20140701BHJP A61K 31/4704 20060101ALI20140701BHJP A61P 21/00 20060101ALI20140701BHJP JPA61K45/00A61K31/167A61P25/16A61P43/00 101A61K31/445A61K31/4704A61P21/00 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN 再公表特許(A1) 20140728 2013512298 19 4C084 4C086 4C206 4C084AA17 4C084NA14 4C084ZA151 4C084ZA941 4C084ZB211 4C086AA01 4C086AA02 4C086BC21 4C086BC29 4C086MA01 4C086MA04 4C086NA14 4C086ZA15 4C086ZA94 4C086ZB21 4C206AA01 4C206AA02 4C206GA18 4C206GA31 4C206MA01 4C206MA04 4C206NA14 4C206ZA15 4C206ZA94 4C206ZB21 本発明は、外腹斜筋に関連する腰曲がりを治療するための薬剤に関する。 パーキンソン病(PD)は、中脳黒質緻密質におけるドーパミン神経の選択的な変性・欠落による脳内のドーパミン不足が主な原因とされている疾患であり、日本では特定疾患に指定されている。パーキンソン病の主症状には安静時振戦、筋強剛、無動、姿勢保持障害などがあり、この疾患に罹患している患者は背中を丸めた前屈姿勢(腰曲がり)をとることが多い。 パーキンソン病に起因して腰曲がりが生じる具体的なメカニズムは未だ明らかにされていない。そのため、本発明は前記腰曲がりが生じるメカニズムを明らかにし、その治療方法を提供することを目的とする。また、前記メカニズムを明らかにすることにより、同様のメカニズムで生じる腰曲がりを治療することを目的とする。 上述の課題を解決するために本発明者らが鋭意検討した結果、パーキンソン病に起因する腰曲がりの症状を有する患者の外腹斜筋に局所麻酔薬を投与することにより、腰曲がりが劇的に改善されることが見出された。 すなわち、本発明は以下を包含する。(1)局所麻酔薬を含有する、外腹斜筋に投与するための腰曲がり治療剤。(2)局所麻酔薬がアミド型局所麻酔薬である、(1)に記載の治療剤。(3)アミド型局所麻酔薬がリドカイン、メピバカイン、ブピバカイン、レボブピバカイン、ロピバカイン、プリロカイン、又はジブカインである、(2)に記載の治療剤。(4)アミド型局所麻酔薬がリドカインである、(3)に記載の治療剤。(5)腰曲がりが外腹斜筋のジストニアに起因する、(1)〜(4)のいずれかに記載の治療剤。(6)外腹斜筋のジストニアがパーキンソン病又はパーキンソン症候群に起因する、(5)に記載の治療剤。(7)1日1回、2〜10日間連続投与するための、(1)〜(6)のいずれかに記載の治療剤。 また。本発明は、更に以下の発明を包含する。(8)有効量の局所麻酔薬を、治療の必要のある患者の外腹斜筋に投与することを含む、腰曲がりの治療方法。(9)外腹斜筋に投与することにより腰曲がりを治療するための医薬の製造における局所麻酔薬の使用。(10)外腹斜筋に投与することにより腰曲がりを治療するための局所麻酔薬。 本明細書は本願の優先権の基礎である日本国特許出願2011−097374号の明細書および/または図面に記載される内容を包含する。 図1は、X方式による腰曲がりの角度を示す。 図2は、Y方式による腰曲がりの角度を示す。 図3は、治療後の体幹を示す。 図4は、X方式による腰曲がりの角度を経時的に示す。「pre」は治療剤の投与前を意味し、「post」は最終投与後3日目を意味する。 図5は、Y方式による腰曲がりの角度を経時的に示す。「pre」は治療剤の投与前を意味し、「post」は最終投与後3日目を意味する。 以下、本発明について詳細に説明する、 本発明は、局所麻酔薬を含有する、外腹斜筋に投与するための腰曲がり治療剤に関する。本発明の治療剤は腰曲がりの角度を改善することを目的として投与され、麻酔作用時間を大きく超えて腰曲がりの改善効果を維持することができる。 本発明に用いる局所麻酔薬としてはエステル型及びアミド型の局所麻酔薬を挙げることができる。エステル型の局所麻酔薬としてはコカイン、プロカイン、オキシブプロカイン、テトラカイン、ベンゾカイン、アミノ安息香酸エチル、ピペリジルアセチルアミノ安息香酸エチルなどを挙げることができ、アミド型の局所麻酔薬としてはリドカイン、メピバカイン、ブピバカイン、レボブピバカイン、ロピバカイン、プリロカイン、ジブカイン、オキセサゼインなどを挙げることができる。局所麻酔薬は1種を単独で使用してもよいし、複数種を組み合わせて使用してもよい。局所麻酔薬は製薬上許容可能な塩又は溶媒和物の形態であってもよい。 製薬上許容可能な塩としては、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、硝酸塩、硫酸塩、リン酸塩などの無機酸塩、ギ酸塩、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、フマル酸塩、シュウ酸塩、酒石酸塩、マレイン酸塩、クエン酸塩、コハク酸塩、リンゴ酸塩、メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、アスパラギン酸塩、グルタミン酸塩などの有機酸塩を挙げることができる。 製薬上許容可能な溶媒和物を形成する溶媒としては、例えば、水、エタノールなどを挙げることができる。 本発明では、特に限定するものではないが、アミド型の局所麻酔薬を使用することが好ましく、リドカインを使用することが特に好ましい。 「腰曲がり」とは、背中を丸めた前屈姿勢を広く意味するものである。腰曲がりは左右への側屈を伴っていてもよい。なお、本発明では、特に限定するものではないが、立位・歩行で出現し、臥位で消失する体幹の前屈を主に対象とする。 腰曲がりの角度は、例えば、図1に示すように肩峰と大腿骨大転子とを結ぶ線と、地面に対する垂線とのなす角度(X方式)、又は図2に示すように第7頸椎(C7)棘突起と体幹背面最大変曲点とを結ぶ線と、地面に対する垂線とのなす角度(Y方式)で表すことができる。ここで体幹背面最大変曲点とは、体幹背面で体幹の屈曲が最も強い点である。具体的には、第7頸椎(C7)棘突起と第5腰椎(L5)棘突起とを結ぶ線に対して、体幹背面の任意の点から地面に対する垂線をおろした場合に、両線の交点と体幹背面の任意の点との間の距離が最長となる体幹背面の点を意味する。 腰曲がりは上腹部型と通常型に分類することが可能である。上腹部型は体幹背面最大変曲点が下位胸椎から上位腰椎(例えば、第9胸椎(Th9)〜第2腰椎(L2))にみられるものであり、通常型は体幹背面最大変曲点が股関節にみられるものである。本発明では、特に限定するものではないが、上腹部型腰曲がりを主に対象とする。 本発明で対象とする腰曲がりの角度に特に制限はないが、X方式において、例えば、5〜120度、好ましくは10〜110度、特に好ましくは20〜100度の角度を挙げることができる。また、Y方式において、例えば、2〜90度、好ましくは4〜70度、特に好ましくは6〜50度の角度を挙げることができる。 本発明の対象となる腰曲がりとしては、外腹斜筋に関連する腰曲がりであればとくに制限はない。ここで「外腹斜筋に関連する腰曲がり」とは、外腹斜筋に生じた何らかの症状に起因して生じる腰曲がりを意味する。外腹斜筋に生じた症状は腰曲がりに直接的に関与するものであってもよいし、間接的に関与するものであってもよい。本発明では、特に限定するものではないが、外腹斜筋のジストニア(過剰筋収縮)に起因して生じる腰曲がりを主に対象とする。 外腹斜筋のジストニアは、原発性のジストニアでも続発性のジストニアでもよい。続発性のジストニアとしては、例えば、パーキンソン病、パーキンソン症候群(多系統萎縮症、進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症、突発性正常圧水頭症など)、脳性麻痺、脳卒中、脳炎、Wilson病などの疾患に起因して生じるジストニア、交通事故などの外傷に起因して生じるジストニア、向精神薬などの薬剤に起因して生じるジストニアなどを挙げることができる。本発明では、特に限定するものではないが、パーキンソン病又はパーキンソン症候群に起因して生じるジストニアを主に対象とする。なお、パーキンソン病又はパーキンソン症候群に起因して生じるジストニアには、これらの疾患に対する薬物治療を原因として生じるジストニアも包含されるものとする。 腰曲がりが外腹斜筋に関連しているか否かは、例えば、腰曲がりの出現時における上腹部のつっぱり感や痛み、上腹部の皮膚陥凹などに基づいて判別することができる。なお、パーキンソン病又はパーキンソン症候群における腰曲がりに対して、腹直筋へのリドカイン注射が有効であるとの報告がなされているが(第63回 国立病院総合医学会 講演抄録集)、後述の通り、効果の程度・持続期間において満足できるものではない。 本発明の治療剤の剤形及び投与経路は、有効成分である局所麻酔薬を外腹斜筋に投与できるようなものであれば特に限定されないが、好ましくは注射剤であり、外腹斜筋に対して筋肉内注射される。 本発明の治療剤は製薬上許容可能な添加物を含有していてもよい。添加物としては、例えば、溶剤、pH調整剤、緩衝剤、等張化剤、溶解補助剤、可溶化剤、分散剤、抗酸化剤、保存剤などを挙げることができる。 溶剤としては、例えば、水性溶剤(注射用水、生理食塩水、リンゲル液など)、非水性溶剤(トウモロコシ油、ラッカセイ油、ゴマ油などの植物油など)を挙げることができる。 pH調節剤としては、例えば、有機酸(クエン酸、酒石酸、酢酸、乳酸など)、無機酸(塩酸、リン酸、リン酸水素ナトリウムなど)、無機塩基(炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウムなど)などを挙げることができる。 緩衝剤としては、例えば、酢酸塩、クエン酸塩、リン酸塩などを挙げることができる。 等張化剤としては、例えば、塩化ナトリウム、グルコース、マンニトール、ソルビトール、イノシトール、メグルミン、グリセリン、プロピレングリコールなどを挙げることができる。 溶解補助剤としては、例えば、エタノール、グリセリン、プロピレングリコール、マクロゴール、ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウムなどを挙げることができる。 可溶化剤としては、例えば、オキシエチレン硬化ヒマシ油などを挙げることができる。 分散剤としては、例えば、単糖類(マンニトール、ソルビトールなど)などを挙げることができる。 抗酸化剤としては、例えば、アスコルビン酸、亜硫酸水素ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、クエン酸、酒石酸などを挙げることができる。 保存剤としては、例えば、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル、クロロブタノール、クレゾール、フェノール、チメロサール、ベンジルアルコールなどを挙げることができる。 本発明の治療剤は単回投与及び連続投与のいずれの投与形式であってもよい。効果を長期間持続させる観点からは治療剤を連続投与することが好ましい。例えば、1日1〜3回(特に1日1回)で2〜10日間、好ましくは3〜7日間、特に好ましくは4〜5日間、連続して投与することができる。 本発明の治療剤の用量に特に制限はなく、当業者が適宜設定することができる。用量は性別、体重、年齢、重症度などに依存して変化するが、例えば、局所麻酔薬を基準として、外腹斜筋の1筋あたり5〜150mg/回、好ましくは1筋あたり15〜110mg/回、特に好ましくは1筋あたり30〜80mg/回とすることができる。また、局所麻酔薬を基準として、例えば、1回あたり合計20〜600mg、好ましくは1回あたり合計60〜440mg、特に好ましくは1回あたり合計120〜320mgとすることができる。 以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。1.対象 人数:18人 性別:女性13人、男性5人 年齢:平均70.1±6.0歳 PD経過:平均7.8±3.8年 PD Yahr重症度分類:平均3.0±0.8 腰曲がり:立位・歩行で出現し、臥位で消失する体幹の前屈を対象とした。 腰曲がり角度:(X方式)平均21.4±9.9度(範囲:30〜80度) :(Y方式)平均57.8±13.2度(範囲:8〜42度) 腰曲がり経過:平均3.3±2.4年 疾患:PD16人、多系統萎縮症(MSA−P)2人 腰曲がり分類:上腹部型15人、通常型3人 グループ分け:(A)PD上腹部型群13人(No.1〜13) :(B)PD通常型群3人(No.14〜16) :(C)MSA−P群2人(No.17〜18)2.検査結果 対象患者の筋CT、筋MRI、表面筋電図、及び針筋電図の結果を表1に示す。 筋CTでは患者18人中、6人で傍脊柱筋の軽度から中程度の萎縮が認められ、2人で片側傍脊柱筋の肥大が認められ、2人で腹斜筋群の肥大が認められた。 筋MRIでは患者17人中、3人で傍脊柱筋のSTIR高信号が認められた。 表面筋電図では患者16人中、全員で立位時に傍脊柱筋に放電が認められ、5人で側腹部に放電が認められ、1人で腹直筋に放電が認められた。 針筋電図では患者15人中、3人で神経原生変化が認められ、1人で筋原生変化が認められ、3人でPSW又はpolyが認められた。3.治療方法及び結果 超音波ガイド下で1%リドカインを外腹斜筋(EO)、腹直筋(RA)、又は内腹斜筋(IO)に1筋あたり5ml筋注した(1回あたり最大20ml)。連続投与の場合には、1日1回で5日間投与した。注射の際には超音波のdopplerを用いて血管がないことを確認した。 治療の評価は、単回投与の場合には投与の翌日、連続投与の場合には最終投与後3日目に行い、腰曲がりの角度に変化がみられた場合に改善効果を有すると判断した。結果を表1、並びに図4及び5に示す。[単回投与](1)外腹斜筋(EO)投与 グループ(A)では患者13人中12人に腰曲がりの改善効果が認められた。そのうちの1人の患者では効果が3日以上(観察期間3日)持続し、10人の患者では効果が4〜6日間持続し、1人の患者では効果が7日以上(観察期間7日)持続した。 グループ(B)では患者3人中2人に腰曲がりの改善効果が認められた。そのうちの1人の患者では効果が6日間持続し、もう1人の患者では効果が8日以上(観察期間8日)持続した。 グループ(C)では患者2人中1人に腰曲がりの改善効果が認められた。その患者では効果が3日以上(観察期間3日)持続した。(2)腹直筋(RA)投与 グループ(A)の患者のうち7人に投与し、そのうちの1人に腰曲がりの改善効果が認められた。しかしながら、改善効果の程度・持続期間において満足できるものではなかった。なお、2人の患者でつっぱりの改善が認められた。 グループ(B)の患者のうち2人に投与したが、腰曲がりの改善効果は認められなかった。なお、1人の患者でつっぱりの改善が認められた。(3)内腹斜筋(IO)投与 グループ(A)の患者のうち4人に投与したが、腰曲がりの改善効果は認められなかった。 グループ(B)の患者のうち2人に投与し、そのうちの1人に腰曲がりの改善効果が認められた。しかしながら、改善効果の程度・持続期間において満足できるものではなかった。[連続投与](1)外腹斜筋(EO)投与 グループ(A)では患者13人中全員に腰曲がりの改善効果が認められた。そのうちの3人の患者では効果が7〜45日間持続し、10人の患者では効果が7〜100日以上(観察期間7〜100日)持続した。 グループ(B)では患者3人中2人に腰曲がりの改善効果が認められた。そのうちの1人の患者では効果が40日間持続し、もう1人の患者では効果が47日以上(観察期間47日)持続した。 グループ(C)では患者2人中全員に腰曲がりの改善効果が認められた。それらの患者では効果が3〜26日以上(観察期間3〜26日)持続した。(2)内腹斜筋(IO)投与 グループ(B)の患者のうち1人に投与し、腰曲がりの改善効果が認められた。その患者では効果が30日以上持続した。しかしながら、他の投与部位と比べて改善効果が小さく、患者の満足は全く得られなかった。[連続投与による平均改善率] 外腹斜筋(EO)連続投与による平均改善率(%)(n=18)は以下の通りであった。なお、平均改善率は最終投与後3日目における腰曲がりの角度に基づいて計算した。グループ(A):73.2±31.0%(X方式)、30.8±18.2%(Y方式);グループ(B):26.6±26.2%(X方式)、8.5±7.4%(Y方式);グループ(C):69.6±43.0%(X方式)、41.5±39.2%(Y方式)。 ジストニアは異常な筋緊張によって異常姿勢・異常運動を来す病態であり、その特徴として感覚トリック・動作特異性などが挙げられる。ジストニアの治療法としてはMUSCLE AFFERENT BLOCK法があり、これは原因筋に局所麻酔薬及びエタノールを筋注することによって、筋紡錘の求心性感覚神経をブロックし、筋緊張緩和を得るものである。上記の通り、リドカインを外腹斜筋に投与することによって腰曲がりが著しく改善されるという事実は、パーキンソン病又はパーキンソン症候群における腰曲がりが外腹斜筋のジストニアに起因していることを示している。また、パーキンソン病又はパーキンソン症候群における腰曲がりは立位で出現・増強し、臥位で消失するものであるから、これはジストニアの感覚トリック・動作特異性に相当するものと考えられる。 なお、MUSCLE AFFERENT BLOCK法のように、無水エタノールを外腹斜筋に投与すると強い痛みを生じさせた。一方、リドカインのみを投与すると痛みを全く生じさせることなく、腰曲がりを顕著に改善することができた。従って、本発明の方法はMUSCLE AFFERENT BLOCK法と比較してより簡便且つ有利に実施することが可能である。 本発明によれば、外腹斜筋に関連する腰曲がりを治療することができる。 本明細書で引用した全ての刊行物、特許および特許出願をそのまま参考として本明細書にとり入れるものとする。 局所麻酔薬を含有する、外腹斜筋に投与するための腰曲がり治療剤。 局所麻酔薬がアミド型局所麻酔薬である、請求項1に記載の治療剤。 アミド型局所麻酔薬がリドカイン、メピバカイン、ブピバカイン、レボブピバカイン、ロピバカイン、プリロカイン、又はジブカインである、請求項2に記載の治療剤。 アミド型局所麻酔薬がリドカインである、請求項3に記載の治療剤。 腰曲がりが外腹斜筋のジストニアに起因する、請求項1〜4のいずれかに記載の治療剤。 外腹斜筋のジストニアがパーキンソン病又はパーキンソン症候群に起因する、請求項5に記載の治療剤。 1日1回、2〜10日間連続投与するための、請求項1〜6のいずれかに記載の治療剤。 外腹斜筋に関連する腰曲がりを治療することを課題とする。外腹斜筋に局所麻酔薬を投与することにより前記課題を解決することができる。


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