タイトル: | 公開特許公報(A)_アルキレンオキサイド変性ジペンタエリスリトール(メタ)アクリレート及びこれを含有してなる反応性組成物 |
出願番号: | 2012041683 |
年次: | 2013 |
IPC分類: | C07C 69/54,C08F 20/28 |
高村 直宏 亀田 将人 菊田 学 菅原 輝明 JP 2013177339 公開特許公報(A) 20130909 2012041683 20120228 アルキレンオキサイド変性ジペンタエリスリトール(メタ)アクリレート及びこれを含有してなる反応性組成物 第一工業製薬株式会社 000003506 蔦田 璋子 100059225 蔦田 正人 100076314 中村 哲士 100112612 富田 克幸 100112623 夫 世進 100124707 高村 直宏 亀田 将人 菊田 学 菅原 輝明 C07C 69/54 20060101AFI20130823BHJP C08F 20/28 20060101ALI20130823BHJP JPC07C69/54 ZC08F20/28 3 OL 28 4H006 4J100 4H006AA01 4H006GN06 4H006GP01 4J100AL08P 4J100BA03P 4J100BA08P 4J100CA01 4J100JA01 4J100JA07 4J100JA37 4J100JA52 本発明は、アルキレンオキサイド変性ジペンタエリスリトール(メタ)アクリレートに関するものであり、従来の多官能(メタ)アクリレートと比較して、低粘度、低結晶性で、高い光感度を有し、硬化収縮が少なく、かつ硬化後においては高硬度を有する、アルキレンオキサイド変性ジペンタエリスリトール(メタ)アクリレート及びそれを含有する反応性組成物に関するものである。 反応性組成物において、(メタ)アクリル酸エステル類は重要な共重合用モノマーの一成分であり、多種多様な目的・用途で配合されている。しかしながら、一般的に架橋成分として添加される多官能モノマーは、それ自身が室温又はそれ以下の低温で結晶性を有するか、又は極めて粘度の高い化合物であることが多く、そのため往々にして反応性組成物全体の粘度を上昇させ、ハンドリング性に難を生じさせてしまう傾向がある。 例えば、ハードコート等のコーティング用途やインクジェット印刷用インク組成物においては、硬化後の反応性組成物に力学的強度や化学的安定性を付与するために、トリペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ジトリメチロールプロパン、ジグリセリン等のペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、グリセリン等の重合物に代表される多官能アルコールの(メタ)アクリレートを配合することが必須である。しかしながら多官能(メタ)アクリレート、特に上記反応性組成物に汎用されているジペンタエリスリトール(メタ)アクリレート等はそれ自身が非常に高粘度であることから、反応性組成物の粘度を大きく上げてしまうという問題があり、そのために有機溶剤による希釈が必要となり、VOC規制の観点からも好ましいことではない。また、多官能(メタ)アクリレートは、フィルムコーティング等の用途においては、その硬化収縮によりコーティングされたフィルムがカール(反り)してしまうという問題もある。 また他の用途、特にドライフィルムレジスト、着色レジスト、黒色レジスト樹脂組成物等においては、硬化後の皮膜物性以外に、特に紫外線、電子線等の活性エネルギー線にて硬化を行う際に、低露光量でも硬化を完了すること、すなわち高感度であることが要求される。特に着色レジスト、黒色レジストなどの顔料・染料を高濃度に配合する遮光性の強い組成物においては、低露光量でも硬化しうる材料の利用価値は極めて高いと言える。 上記のように、従来使用されている多官能アルコールの(メタ)アクリレートは、多官能という構造に期待される力学的特性と、高粘度、高い結晶性、高い硬化収縮などの好ましくない特性を併せ持っている。 また、この問題を改善するものとして、アルキレンオキサイド変性された多官能アルコール、例えばジペンタエリスリトールのエチレンオキサイド変性アクリレートが近年上市されている。しかし、付加モル数が5モル/1水酸基を越えるような長鎖のアルキレンオキサイドを導入したものは、粘度や結晶性の低減は達成しうるが、架橋密度の低下から、多官能構造に期待される本来の力学的強度を維持することができない。しかし、付加モル数を単に低下させるだけでは、従来のアルキレンオキサイド未変性多官能(メタ)アクリレートの上記欠点を改良することはできないことが分かっている。 本発明者らは、アルキレンオキサイド変性ジペンタエリスリトール(メタ)アクリレートのアルキレンオキサイド付加モル数を最適化し、かつアルキレンオキサイド付加反応において副生するアルキレンオキサイド重合体(メタ)アクリレートの含有量を制御することにより上記問題を解決しうることを見出した。 これに関し、特許文献1にはジペンタエリスリトールのエチレンオキサイド変性体において、副生するエチレンオキサイド誘導体量に関しての言及がなされているが、溶出物と味覚に関しての評価しかなされておらず、その副生物量に関しては0.5質量%以下を好適としており、本発明とは目的も構成も異なる。 また、特許文献2では、ジペンタエリスリトールに対するアルキレンオキサイド付加モル数と物性に関して言及されているが、実施例としてはプロピレンオキサイド誘導体のみしか示されておらず、物性も粘度に関して評価されているのみであり、かつその粘度も上記課題の解決には至らないレベルのものである。特開昭62−178542号公報特開平2−10136号公報 本発明は上記に鑑みてなされたものであり、その目的は、反応性組成物に添加されている多官能(メタ)アクリレートの、結晶性や粘度の高さからくるハンドリング性の不良や、高い硬化収縮率といった問題を改善し、かつ光感度や表面硬度、耐汚染性等が向上したアルキレンオキサイド変性多官能(メタ)アクリレート化合物及びそれを含有する反応性組成物を提供することにある。 本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、特定の構造を有するアルキレンオキサイド変性ジペンタエリスリトール(メタ)アクリレートが、特定量のアルキレンオキサイド重合体の(メタ)アクリレートを含有する場合に、ジペンタエリスリトール、ペンタエリスリトール、ジトリメチロールプロパン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等に代表される多官能アルコールの(メタ)アクリレートと比較して、優れた光感度、低結晶性、低粘度、低硬化収縮性を有し、かつ硬化物は高硬度であることを見出し、本発明を完成するに至った。 即ち本発明のアルキレンオキサイド変性ジペンタエリスリトール(メタ)アクリレート(以下、単に「本発明の化合物」という場合もある)は、下記一般式(I)で表される構造を有するものとする。 但し、一般式(I)中、Rは一般式(II)で表される置換基を表し、AOは−CH2CH2O−、−CH2CH(CH3)O−、−CH2CH2CH2CH2O−、又は−CH2CH(C2H5)O−で表されるアルキレンオキサイド単位の中から選択された1種又は2種以上を示し、付加しているアルキレンオキサイドの平均重合度を示すlは0<l≦5であり、mの平均値は0より大きく6以下であり、n及びoの平均値はそれぞれ0以上6以下であり、m、n及びoの合計値は6であり、一般式(II)中、R2は水素原子又はメチル基を示す。 本発明の反応性組成物は、上記本発明のアルキレンオキサイド変性ジペンタエリスリトール(メタ)アクリレートとアルキレンオキサイド重合体の(メタ)アクリレートとを含有するものとする。 上記反応性組成物においては、アルキレンオキサイド変性ジペンタエリスリトール(メタ)アクリレートの含有量が80質量%以上、100質量%未満であり、アルキレンオキサイド重合体の(メタ)アクリレートの含有量が0質量%超、20質量%以下であるものとするのが好ましい。 本発明の上記一般式(I)で示される、アルキレンオキサイド付加モル数を最適化したアルキレンオキサイド変性ジペンタエリスリトール(メタ)アクリレート化合物は、含有するアルキレンオキサイド重合体の(メタ)アクリレートの量を制御することにより、優れた光感度、低結晶性、低粘度、低硬化収縮性を有し、かつ硬化物は高硬度であることから、従来はジペンタエリスリトール、ペンタエリスリトール、ジトリメチロールプロパン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等に代表される多官能アルコールの(メタ)アクリレートを配合していた重合成樹脂組成物をより低粘度化しつつ、硬化物の物性を向上させることが可能である。 また、上記特性により、特に無溶剤系の反応性組成物において、低粘度化・粘度調整のために添加される単官能モノマーの含有量を低減させ、又は添加しなくてもよくなることから、反応性組成物中の重合性官能基である(メタ)アクリロイル基濃度を向上させることが可能となる。 これにより、硬化性の向上、即ち架橋密度の高い硬化物を作ることが可能となり、耐擦り傷性のような力学的特性に加え、耐汚染性、耐溶剤性、耐熱性の向上が得られ、用途として、感熱記録体、光ディスク、光学シート、インクジェット用インク、湿し水を用いない印刷用インク(フレキソ印刷用インク、スクリーン印刷用インクなど)、光ファイバ等に好適に用いられる。一方、水系を含む溶剤系の反応性組成物においては、硬化性の向上、硬化収縮の低下による基材との密着性向上、硬化塗膜中の残存二重結合量が少なく熱で架橋が進まないため、耐熱試験で密着性が低下することがないことや、耐候性や耐光性の向上等が得られる。 従って、本発明の化合物及び反応性組成物は、ハードコート等のコーティング用反応性組成物、インクジェット印刷などのインキ用反応性組成物、カラーレジスト等のレジスト用反応性組成物、フィルムコーティング等の用途において極めて優位性を持った材料であると言える。 また、本発明の化合物及び反応性組成物は、単独使用でも上述の特性を発揮することが可能であるが、既存の反応性組成物、例えばジペンタエリスリトールのアクリレートのようなアルキレンオキサイド未変性多官能(メタ)アクリレートと併用した場合もその特性を発揮することが可能であり、添加剤としても利用することもできる。<アルキレンオキサイド変性ジペンタエリスリトール(メタ)アクリレート> 本発明の化合物は、上記一般式(I)の構造で表される構造を有するものである。式(I)中、AOは−CH2CH2O−、又は−CH2CH(CH3)O−、又は−CH2CH2CH2CH2O−、又は−CH2CH(C2H5)O−で表されるアルキレンオキサイド単位、すなわちエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、及びブチレンオキサイドのいずれかを示し、中でも粘度、光感度、重合率という点からはエチレンオキサイドが好ましい。これらのアルキレンオキサイド単位は1種単独で存在していても、2種以上が併存していてもよい。 アルキレンオキサイドの平均重合度を示すlは0<l≦5、好ましくは0<l≦2である。また、mの平均値は0より大きく6以下であり、2以上、6以下が好ましい。nの平均値は0以上、6以下であり、0以上、2以下が好ましい。oの平均値は0以上、6以下であり、0以上、4以下が好ましい。これらm、n及びoの合計値は6である。 Rは一般式(II)で表される(メタ)アクリロイル基であり、一般式(2)におけるR2は水素原子またはメチル基であり、波線部は結合部を示す。 すなわち、本発明の化合物は、ジペンタエリスリトールの6個の水酸基の一部又は全部が、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、又はこれらの複数種からなるスペーサーを経て、一般式(II)で表される(メタ)アクリル酸エステル基に変換された構造を有する。<アルキレンオキサイド変性ジペンタエリスリトール(メタ)アクリレートの製造方法> 本発明のアルキレンオキサイド変性多官能(メタ)アクリレートは、例えば以下の方法により製造することができるが、その製造ルートは特に限定されず、どの様な製造方法でも採用することが可能である。 ジペンタエリスリトールを原料とするアルキレンオキサイド変性方法は、任意に選択することができる。一般的な手法としては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを使用した方法に加えて、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート等の環状カーボネートを使用した方法、エチレンクロロヒドリンを使用した方法が挙げられる。 なお以下に述べる製造方法において、本発明の化合物、並びに原料として使用する(メタ)アクリル酸化合物は重合性が高いので、製造時や製品保管中に重合が進行しないよう重合禁止剤を適宜使用することができる。重合禁止剤としては、p−ベンゾキノン、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、2,5−ジフェニルパラベンゾキノンなどのハイドロキノン類、テトラメチルピペリジニル−N−オキシラジカル(TEMPO)などのN−オキシラジカル類、t−ブチルカテコールなどの置換カテコール類、フェノチアジン、ジフェニルアミン、フェニル−β−ナフチルアミンなどのアミン類、クペロン、ニトロソベンゼン、ピクリン酸、分子状酸素、硫黄、塩化銅(II)などを挙げることができる。この中でもハイドロキノン類、フェノチアジンおよびN−オキシラジカル類が汎用性かつ重合抑制効果の点で好ましい。 重合禁止剤の添加量は、目的物である一般式(I)で示される化合物に対して、下限がおおよそ10ppm以上、好ましくは30ppm以上であり、上限が、通常5000ppm以下、好ましくは1000ppm以下である。少なすぎる場合は、十分な重合禁止効果が発現せず、製造時や製品保管中に重合が進行する危険性があり、多すぎる場合は、逆に硬化・重合反応を阻害してしまう可能性がある。その為、本発明の化合物単独、またはその重合性樹脂組成物とした際の光感度の低下、硬化物の架橋不良、力学的強度などの物性低下などを引き起こしてしまう恐れがあり、好ましくない。 本発明の化合物を製造する上での(メタ)アクリル酸エステル基の一般的な導入方法としては、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル等の目的とする構造に対応した(メタ)アクリル酸エステルを使用したエステル交換法、(メタ)アクリル酸クロライドを用いた酸クロライド法、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、2−クロロ−1,3−ジメチルイミダゾリウムクロリド、プロパンホスホン酸無水物、カルボニルジイミダゾール(CDI)、WSCD(水溶性カルボジイミド)などの縮合剤を使用した方法、酸触媒の存在下で(メタ)アクリル酸と共沸・脱水する脱水エステル化法等が挙げられる。以下に代表的なアルキレンオキサイド変性ジペンタエリスリトールのエステル化反応について、製造上可能な条件を記載する。 反応は、(メタ)アクリル酸とアルキレンオキサイド変性ジペンタエリスリトールを酸触媒の存在下、生成する水を留去しながら行うことができる。使用される酸としては、通常のエステル化反応に用いられる酸であれば特に制限なく使用できる。例えば、硫酸や、塩酸などの無機酸、p−トルエンスルホン酸やメタンスルホン酸、カンファースルホン酸などの有機スルホン酸、酸型イオン交換樹脂、フッ素化ホウ素・エーテル錯体などのルイス酸、ランタナイドトリフレートなどの水溶性のルイス酸等が挙げられる。これらの酸は1種単独でも、任意の酸を2種以上混合して用いてもよい。 酸の使用量は、基質であるアルキレンオキサイド変性ジペンタエリスリトールに対して下限が0.1モル当量以上、好ましくは0.5モル当量以上である。一方、上限は制限がないが、通常は20モル等量以下、好ましくは10モル等量以下である。酸触媒量が少なすぎる場合は、反応の進行が遅かったり停止したりするため好ましくなく、また、多すぎる場合には、製品着色や、触媒の残存等の問題が生じたり、マイケル付加物の生成等の好ましくない副反応が起きたりする傾向にある。 反応は、溶媒系、無溶媒系のどちらでも行うことができるが、副生物の生成、工程上のハンドリング面から溶剤系が好ましい。溶媒を使用する場合は、特に使用する溶媒に制限はないが、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素溶媒、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、モノエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル系溶媒、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン系溶媒などが好適に用いられる。これらの溶媒は1種を単独で用いることもでき、任意の複数の溶媒を混合して使用することもできる。 溶媒を使用する場合、その量は原料であるアルキレンオキサイド変性ジペンタエリスリトールの濃度を、通常は1質量%以上、好ましくは20質量%以上とし、上限は特に制限はないが、通常は80質量%以下、好ましくは70質量%以下とする。反応は、通常は使用する溶媒の沸点以上で行い、生成する水を留去しながら行う。ただし、上記(メタ)アクリル酸クロライドや縮合剤を使用した反応を行う際は、溶剤の沸点以下、もしくは氷冷下で反応を行うことがある。反応時間は任意に選択されるが、生成する水の量、系内の酸価を測定することにより反応の終点を認知することができる。 反応時間は、下限が通常は30分間以上、好ましくは60分間以上であり、上限は特に限定はされないが通常は20時間以下、好ましくは10時間以下である。<精製方法> 上記の反応により製造された一般式(I)で表される化合物は、従来から用いられている精製方法で特に制限なく精製することができる。例えば、蒸留法、再結晶法、抽出洗浄法、吸着処理法などである。蒸留を行う場合は、その形態としては、単蒸留、精密蒸留、薄膜蒸留、分子蒸留などを任意に選択することができる。<(メタ)アクリル酸エステルモノマーの保存方法> 本発明の(メタ)アクリル酸エステルモノマーは、重合性を有しているため、冷暗所に保存することが望ましい。また、重合を防止するために上記した重合禁止剤を上記した量使用して保存することも可能である。<反応性組成物> 本発明の反応性組成物は、上記の通り、本発明のアルキレンオキサイド変性ジペンタエリスリトール(メタ)アクリレートとアルキレンオキサイド重合体の(メタ)アクリレートとを含有するものである。ここでアルキレンオキサイド重合体の(メタ)アクリレートとしては、アルキレンオキサイド変性ジペンタエリスリトール(メタ)アクリレートの製造における副生物を単離せずにそのまま利用でき、アルキレンオキサイド重合体の具体例としては重合度が1〜9のポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール等が挙げられる。 本発明の反応性組成物においては、アルキレンオキサイド変性ジペンタエリスリトール(メタ)アクリレートの含有量が80質量%以上、100質量%未満であり、かつアルキレンオキサイド重合体の(メタ)アクリレートの含有量が0質量%超、20質量%以下であるのが好ましく、12質量%以下がより好ましい。アルキレンオキサイド重合体の(メタ)アクリレートの含有量が20質量%を超えると、粘度の上昇、硬化物の硬度、磨耗性、耐汚染性、耐酸性、耐アルカリ性、耐水性、耐アルカリ性、耐薬品性の悪化が生じる恐れがある。 本発明の反応性組成物の重合・硬化は、一般に知られた方法で実施することができ、その方法は特に制限されない。例えば、ラジカル開始剤の存在下に重合させる方法や、LED、高圧水銀灯などを光源とした紫外線や、電子線を用いた活性エネルギー線により、重合開始剤の存在下に重合させる方法、熱重合法、アニオン重合、付加重合などの方法を単独で、又は組み合わせて採用可能である。 重合開始剤は特に限定されるものではないが、光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン等の芳香族ケトン類、アントラセン、α−クロロメチルナフタレン等の芳香族化合物、ジフェニルスルフィド、チオカーバメイト等のイオウ化合物を使用することができる。 ラジカル重合開始剤としては、例えば、過酸化ベンゾイル、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート等の有機過酸化物、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)などのアゾ化合物を使用することができる。必要に応じ、これら光重合開始剤とラジカル重合開始剤とを併用してもよい。 また紫外線などの活性エネルギー線による重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン、アセトフェノンベンジルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、キサントン、フルオレノン、ベンズアルデヒド、フルオレン、アントラキノン、トリフェニルアミン、カルバゾール、3−メチルアセトフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、チオキサントン、ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパン−1−オン、2−ベンジルー2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1,4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキシド、オリゴ(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−(1−メチルビニル)フェニル)プロパノン)等を挙げることができる。 なお、活性エネルギー線による重合開始剤の市販品としては、例えば、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製 商品名:イルガキュア 184、369、651、500、819、907、784、2959、CGI1700、CGI1750、CGI1850、CG24−61、ダロキュア 1116、1173、BASF社製 商品名:ルシリン TPO、UCB社製 商品名:ユベクリル P36、フラテツリ・ランベルティ社製 商品名:エザキュアー KIP150、KIP65LT、KIP100F、KT37、KT55、KTO46、KIP75/B等を挙げることができる。 上記光重合開始剤、ラジカル重合開始剤、活性エネルギー線による重合開始剤の使用量は、公知の重合反応に準じて選択すればよい。例えば、ラジカル重合開始剤は、一般式(I)で示される本発明の化合物に対して、通常は0.0001〜10重量部、好ましくは0.001〜5重量部使用するのが適当である。反応温度は、下限が通常0℃以上、好ましくは10℃以上であり、一方上限は、通常は200℃以下、好ましくは100℃以下である。 以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない範囲内において、以下の実施例によって限定されるものではない。なお、特にことわらない限り、「%」は質量%、「部」は質量基準とする。<液体クロマトグラフ質量分析(以下、LC−MS分析と略す)条件> 実施例・比較例のLC−MS分析は次の条件で行った。[LC部分]Agilent Technologies製 1100シリーズ カラム:Inertsil ODS−2(4.6mmφ×250mm,5μm)、 溶離液:水80.0%−30min→0.0%、メタノール20.0%−30min→100.0%、 カラム温度:40℃、 流量:1mL/min、注入量:5μL(200 ppmメタノール溶液)、 検出器:UV、RI[MS部分]JMS T100LP(日本電子製) リングレンズ電圧:10V、イオン化法:APCI+、脱溶媒室温度:350℃、 ニードル電圧:2500V、オリフィス1温度:80℃、オリフィス1電圧:60V、 イオンガイドピーク間電圧:1000V、オリフィス2電圧:5V<水酸基価測定条件> 酢酸とピリジンを重量比1:9で混合し、アセチル化試薬とした。サンプルをフラスコに秤量し、アセチル化試薬を加え、80℃で2時間加熱した。反応後、フェノールフタレインを指示薬とし、1mol/l水酸化カリウム水溶液で滴定を行った。<NMR分析> NMR分析の結果は、各ピークの帰属を次式に記載する番号((1)〜(3))で示す。[実施例1](ジペンタエリスリトール2EO付加体アクリレートの合成) 攪拌装置を備えた容量1Lのオートクレーブ内に、ジペンタエリスリトール(広栄化学工業株式会社製、OH価1324)254g(1.0mol)、トルエン127g、KOH0.3gを仕込み、90℃まで昇温、攪拌し、スラリー状の液体とした。次いで130℃に加熱し、エチレンオキサイド132g(3mol)を徐々にオートクレーブ内に導入し反応せしめた。エチレンオキサイドの導入とともに、オートクレーブ内温度は上昇した。随時冷却を加え、反応温度は140℃以下に保つようにした。反応後、140℃にて水銀柱10mmHg以下にて減圧することで、過剰のエチレンオキサイド、副生するエチレングリコールの重合体を除去した。その後、酢酸にて中和を実施し、pH6〜7に調整した。得られたジペンタエリスリトール2EO付加体のOH価は982であった。 得られたエチレングリコール変性ジペンタエリスリトール(OH価982)343g(1mol)、アクリル酸562g(7.8mol)、パラトルエンスルホン酸45g、トルエン900g、ハイドロキノン0.9gをガラス製四つ口フラスコに仕込み、空気を吹き込みながら加熱反応を行った。反応で生じた水はトルエンと共沸することで系外に随時除去した。反応温度は100〜110℃であり、反応終了時に系外へ除去された反応水量は112gであった。反応後、アルカリ水洗、水洗を行い、上層のトルエン層を分離し、トルエンを減圧留去し、一般式(I)で表される、ジペンタエリスリトール2EO付加体アクリレート594g(収率89%)を得た。 これにつき、水酸基価の測定、並びに1H−NMR、13C−NMR、HPLC、及びLC−MSによる分析を実施したところ、ジペンタエリスリトール2EO付加体アクリレートであることが明らかとなった。以下に、NMR分析、及びLC−MS分析の結果を示し、NMRのピークの帰属は上記番号で示す。<ジペンタエリスリトール2EO付加体アクリレート>(13C−NMR分析(400MHz),in CDCl3)45ppm:(2)由来、60ppm:(3)由来、61〜63ppm:エチレンオキサイドが付加した(3)由来、68〜73ppm:(3)に付加したエチレンオキサイド由来、77〜79ppm:重クロロホルム由来、128〜131ppm:エステル結合したアクリル酸由来、165〜167ppm:エステル結合部<ジペンタエリスリトール2EO付加体アクリレート>(1H−NMR分析(400MHz),in CDCl3)3.3〜4.1ppm(16H):(1)、(3)由来、3.6〜4.4ppm(8H):(3)のOHに付加したエチレンオキサイド由来、5.7〜6.4ppm(18H):アクリル酸エステルの2重結合由来、7.3ppm:重クロロホルム由来<ジペンタエリスリトール2EO付加体アクリレート>(LC−MS分析)8.8〜11.5分:エチレンオキサイド重合体ジアクリレート、14〜16分:ジペンタエリスリトールエチレンオキサイド変性モノアクリレート、16〜20分:ジペンタエリスリトールエチレンオキサイド変性ヘキサアクリレート[実施例2](ジペンタエリスリトール3EO付加体アクリレートの合成) 攪拌装置を備えた容量1Lのオートクレーブ内に、ジペンタエリスリトール(広栄化学工業株式会社製、OH価1324)254g(1.0mol)、トルエン127g、KOH0.3gを仕込み、90℃まで昇温、攪拌し、スラリー状の液体とした。次いで130℃に加熱し、エチレンオキサイド176g(4mol)を徐々にオートクレーブ内に導入し反応せしめた。エチレンオキサイドの導入とともに、オートクレーブ内温度は上昇した。随時冷却を加え、反応温度は140℃以下に保つようにした。反応後、140℃にて水銀柱10mmHg以下にて減圧することで、過剰のエチレンオキサイド、副生するエチレングリコールの重合体を除去した。その後、酢酸にて中和を行い、pH6〜7に調整した。得られたジペンタエリスリトール3EO付加体のOH価は897であった。 得られたエチレングリコール変性ジペンタエリスリトール(OH価897)375g(1mol)、アクリル酸562g(7.8mol)、パラトルエンスルホン酸46g、トルエン900g、ハイドロキノン0.9gをガラス製四つ口フラスコに仕込み、空気を吹き込みながら加熱反応を行った。反応で生じた水はトルエンと共沸することで系外に随時除去した。反応温度は100〜110℃であり、反応終了時に系外へ除去された反応水量は112gであった。反応後、アルカリ水洗、水洗を行い、上層のトルエン層を分離し、トルエンを減圧留去し、一般式(I)で表される、ジペンタエリスリトール3EO付加体アクリレート615g(収率88%)を得た。 これにつき、水酸基価の測定、並びに1H−NMR、13C−NMR、HPLC、及びLC−MSによる分析を実施したところ、ジペンタエリスリトール3EO付加体アクリレートであることが明らかとなった。以下に、NMR分析、及びLC−MS分析の結果を示し、NMRのピークの帰属は上記番号で示す。<ジペンタエリスリトール3EO付加体アクリレート>(13C−NMR分析(400MHz),in CDCl3)45ppm:(2)由来、60ppm:(3)由来、61〜63ppm:エチレンオキサイドが付加した(3)由来、68〜73ppm:(3)に付加したエチレンオキサイド由来、77〜79ppm:重クロロホルム由来、128〜131ppm:エステル結合したアクリル酸由来、165〜167ppm:エステル結合部<ジペンタエリスリトール3EO付加体アクリレート>(1H−NMR分析(400MHz),in CDCl3)3.3〜4.1ppm(16H):(1)、(3)由来、3.6〜4.4ppm(12H):(3)のOHに付加したエチレンオキサイド由来、5.7〜6.4ppm(18H):アクリル酸エステルの2重結合由来、7.3ppm:重クロロホルム由来<ジペンタエリスリトール3EO付加体アクリレート>(LC−MS分析)8.8〜11.5分:エチレンオキサイド重合体ジアクリレート、14〜16分:ジペンタエリスリトールエチレンオキサイド変性モノアクリレート、16〜20分:ジペンタエリスリトールエチレンオキサイド変性ヘキサアクリレート[実施例3](ジペンタエリスリトール3.5EO付加体アクリレートの合成) 攪拌装置を備えた容量1Lのオートクレーブ内に、ジペンタエリスリトール(広栄化学工業株式会社製、OH価1324)254g(1.0mol)、トルエン127g、KOH0.3gを仕込み、90℃まで昇温、攪拌し、スラリー状の液体とした。次いで130℃に加熱し、エチレンオキサイド198g(4.5mol)を徐々にオートクレーブ内に導入し反応せしめた。エチレンオキサイドの導入とともに、オートクレーブ内温度は上昇した。随時冷却を加え、反応温度は140℃以下に保つようにした。反応後、140℃にて水銀柱10mmHg以下にて減圧することで、過剰のエチレンオキサイド、副生するエチレングリコールの重合体を除去した。その後、酢酸にて中和を行い、pH6〜7に調整した。得られたジペンタエリスリトール3EO付加体のOH価は819であった。 得られたエチレングリコール変性ジペンタエリスリトール(OH価819)411g(1mol)、アクリル酸562g(7.8mol)、パラトルエンスルホン酸48g、トルエン900g、ハイドロキノン0.9gをガラス製四つ口フラスコに仕込み、空気を吹き込みながら加熱反応を行った。反応で生じた水はトルエンと共沸することで系外に随時除去した。反応温度は100〜110℃であり、反応終了時に系外へ除去された反応水量は113gであった。反応後、アルカリ水洗、水洗を行い、上層のトルエン層を分離し、トルエンを上留留去し、一般式(I)で表される、ジペンタエリスリトール3.5EO付加体アクリレート646g(収率88%)を得た。 これにつき、水酸基価の測定、並びに1H−NMR、13C−NMR、HPLC、及びLC−MSによる分析を実施したところ、ジペンタエリスリトール3.5EO付加体アクリレートであることが明らかとなった。以下に、NMR分析、及びLC−MS分析の結果を示し、NMRのピークの帰属は上記番号で示す。<ジペンタエリスリトール3.5EO付加体アクリレート>(13C−NMR分析(400MHz),in CDCl3)45ppm:(2)由来、60ppm:(3)由来、61〜63ppm:エチレンオキサイドが付加した(3)由来、68〜73ppm:(3)に付加したエチレンオキサイド由来、77〜79ppm:重クロロホルム由来、128〜131ppm:エステル結合したアクリル酸由来、165〜167ppm:エステル結合部<ジペンタエリスリトール3.5EO付加体アクリレート>(1H−NMR分析(400MHz),in CDCl3)3.3〜4.1ppm(16H):(1)、(3)由来、3.6〜4.4ppm(14H):(3)のOHに付加したエチレンオキサイド由来、5.7〜6.4ppm(18H):アクリル酸エステルの2重結合由来、7.3ppm:重クロロホルム由来<ジペンタエリスリトール3.5EO付加体アクリレート>(LC−MS分析) 8.8〜11.5分:エチレンオキサイド重合体ジアクリレート、14〜16分:ジペンタエリスリトールエチレンオキサイド変性モノアクリレート、16〜20分:ジペンタエリスリトールエチレンオキサイド変性ヘキサアクリレート[実施例4](ジペンタエリスリトール4EO付加体アクリレートの合成) 攪拌装置を備えた容量1Lのオートクレーブ内に、ジペンタエリスリトール(広栄化学工業株式会社製、OH価1324)254g(1.0mol)、トルエン127g、KOH0.3gを仕込み、90℃まで昇温、攪拌し、スラリー状の液体とした。次いで130℃に加熱し、エチレンオキサイド220g(5mol)を徐々にオートクレーブ内に導入し反応せしめた。エチレンオキサイドの導入とともに、オートクレーブ内温度は上昇した。随時冷却を加え、反応温度は140℃以下に保つようにした。反応後、140℃にて水銀柱10mmHg以下にて減圧することで、過剰のエチレンオキサイド、副生するエチレングリコールの重合体を除去した。その後、酢酸にて中和を行い、pH6〜7に調整した。得られたジペンタエリスリトール4EO付加体のOH価は765であった。 得られたエチレングリコール変性ジペンタエリスリトール(OH価765)440g(1mol)、アクリル酸562g(7.8mol)、パラトルエンスルホン酸50g、トルエン900g、ハイドロキノン1gをガラス製四つ口フラスコに仕込み、空気を吹き込みながら加熱反応を行った。反応で生じた水はトルエンと共沸することで系外に随時除去した。反応温度は100〜110℃であり、反応終了時に系外へ除去された反応水量は113gであった。反応後、アルカリ水洗、水洗を行い、上層のトルエン層を分離し、トルエンを減圧留去し、一般式(I)で表される、ジペンタエリスリトール4EO付加体アクリレート665g(収率87%)を得た。 これにつき、水酸基価の測定、並びに1H−NMR、13C−NMR、HPLC、及びLC−MSによる分析を実施したところ、ジペンタエリスリトール4EO付加体アクリレートであることが明らかとなった。以下に、NMR分析、及びLC−MS分析の結果を示し、NMRのピークの帰属は上記番号で示す。<ジペンタエリスリトール4EO付加体アクリレート>(13C−NMR分析(400MHz),in CDCl3)45ppm:(2)由来、60ppm:(3)由来、61〜63ppm:エチレンオキサイドが付加した(3)由来、68〜73ppm:(3)に付加したエチレンオキサイド由来、77〜79ppm:重クロロホルム由来、128〜131ppm:エステル結合したアクリル酸由来、165〜167ppm:エステル結合部<ジペンタエリスリトール4EO付加体アクリレート>(1H−NMR分析(400MHz),in CDCl3)3.3〜4.1ppm(16H):(1)、(3)由来、3.6〜4.4ppm(16H):(3)のOHに付加したエチレンオキサイド由来、5.7〜6.4ppm(18H):アクリル酸エステルの2重結合由来、7.3ppm:重クロロホルム由来<ジペンタエリスリトール4EO付加体アクリレート>(LC−MS分析)8.8〜11.5分:エチレンオキサイド重合体ジアクリレート、14〜16分:ジペンタエリスリトールエチレンオキサイド変性モノアクリレート、16〜20分:ジペンタエリスリトールエチレンオキサイド変性ヘキサアクリレート[実施例5]ジペンタエリスリトール5EO付加体アクリレートの合成 攪拌装置を備えた容量1Lのオートクレーブ内に、ジペンタエリスリトール(広栄化学工業株式会社製、OH価1324)254g(1.0mol)、蒸留水36g、KOH0.3gを仕込み、90℃まで昇温、攪拌し、スラリー状の液体とした。次いで130℃に加熱し、エチレンオキサイド264g(6mol)を徐々にオートクレーブ内に導入し反応せしめた。エチレンオキサイドの導入とともに、オートクレーブ内温度は上昇した。随時冷却を加え、反応温度は140℃以下に保つようにした。反応後、140℃にて水銀柱10mmHg以下にて減圧することで、過剰のエチレンオキサイド、副生するエチレングリコールの重合体を除去した。その後、酢酸にて中和を行い、pH6〜7に調整した。得られたジペンタエリスリトール5EO付加体のOH価は706であった。 得られたエチレングリコール変性ジペンタエリスリトール(OH価706)477g(1mol)、アクリル酸562g(7.8mol)、パラトルエンスルホン酸52g、トルエン900g、ハイドロキノン1gをガラス製四つ口フラスコに仕込み、空気を吹き込みながら加熱反応を行った。反応で生じた水はトルエンと共沸することで系外に随時除去した。反応温度は100〜110℃であり、反応終了時に系外へ除去された反応水量は113gであった。反応後、アルカリ水洗、水洗を行い、上層のトルエン層を分離し、トルエンを減圧留去し、一般式(I)で表される、ジペンタエリスリトール5EO付加体アクリレート697g(収率87%)を得た。 これにつき、水酸基価の測定、並びに1H−NMR、13C−NMR、HPLC、及びLC−MSによる分析を実施したところ、ジペンタエリスリトール5EO付加体アクリレートであることが明らかとなった。以下に、NMR分析、及びLC−MS分析の結果を示し、NMRのピークの帰属は上記番号で示す。<ジペンタエリスリトール5EO付加体アクリレート>(13C−NMR分析(400MHz),in CDCl3)45ppm:(2)由来、60ppm:(3)由来、61〜63ppm:エチレンオキサイドが付加した(3)由来、68〜73ppm:(3)に付加したエチレンオキサイド由来、77〜79ppm:重クロロホルム由来、128〜131ppm:エステル結合したアクリル酸由来、165〜167ppm:エステル結合部<ジペンタエリスリトール5EO付加体アクリレート>(1H−NMR分析(400MHz),in CDCl3)3.3〜4.1ppm(16H):(1)、(3)由来、3.6〜4.4ppm(20H):(3)のOHに付加したエチレンオキサイド由来、5.7〜6.4ppm(18H):アクリル酸エステルの2重結合由来、7.3ppm:重クロロホルム由来<ジペンタエリスリトール5EO付加体アクリレート>(LC−MS分析)8.8〜11.5分:エチレンオキサイド重合体ジアクリレート、14〜16分:ジペンタエリスリトールエチレンオキサイド変性モノアクリレート、16〜20分:ジペンタエリスリトールエチレンオキサイド変性ヘキサアクリレート[実施例6](ジペンタエリスリトール6EO付加体アクリレートの合成) 攪拌装置を備えた容量1Lのオートクレーブ内に、ジペンタエリスリトール(広栄化学工業株式会社製、OH価1324)254g(1.0mol)、蒸留水36g、KOH0.3gを仕込み、90℃まで昇温、攪拌し、スラリー状の液体とした。次いで130℃に加熱し、エチレンオキサイド352g(8mol)を徐々にオートクレーブ内に導入し反応せしめた。エチレンオキサイドの導入とともに、オートクレーブ内温度は上昇した。随時冷却を加え、反応温度は140℃以下に保つようにした。反応後、140℃にて水銀柱10mmHg以下にて減圧することで、過剰のエチレンオキサイド、副生するエチレングリコールの重合体を除去した。その後、酢酸にて中和を行い、pH6〜7に調整した。得られたジペンタエリスリトール6EO付加体のOH価は646であった。 得られたエチレングリコール変性ジペンタエリスリトール(OH価646)521g(1mol)、アクリル酸562g(7.8mol)、パラトルエンスルホン酸54g、トルエン900g、ハイドロキノン1.1gをガラス製四つ口フラスコに仕込み、空気を吹き込みながら加熱反応を行った。反応で生じた水はトルエンと共沸することで系外に随時除去した。反応温度は100〜110℃であり、反応終了時に系外へ除去された反応水量は113gであった。反応後、アルカリ水洗、水洗を行い、上層のトルエン層を分離し、トルエンを減圧留去し、一般式(I)で表される、ジペンタエリスリトール6EO付加体アクリレート727g(収率86%)を得た。 これにつき、水酸基価の測定、並びに1H−NMR、13C−NMR、HPLC、及びLC−MSによる分析を実施したところ、ジペンタエリスリトール6EO付加体アクリレートであることが明らかとなった。以下に、NMR分析、及びLC−MS分析の結果を示し、NMRのピークの帰属は上記番号で示す。<ジペンタエリスリトール6EO付加体アクリレート>(13C−NMR分析(400MHz),in CDCl3)45ppm:(2)由来、60ppm:(3)由来、61〜63ppm:エチレンオキサイドが付加した(3)由来、68〜73ppm:(3)に付加したエチレンオキサイド由来、77〜79ppm:重クロロホルム由来、128〜131ppm:エステル結合したアクリル酸由来、165〜167ppm:エステル結合部<ジペンタエリスリトール6EO付加体アクリレート>(1H−NMR分析(400MHz),in CDCl3)3.3〜4.1ppm(16H):(1)、(3)由来、3.6〜4.4ppm(24H):(3)のOHに付加したエチレンオキサイド由来、5.7〜6.4ppm(18H):アクリル酸エステルの2重結合由来、7.3ppm:重クロロホルム由来<ジペンタエリスリトール6EO付加体アクリレート>(LC−MS分析)8.8〜11.5分:エチレンオキサイド重合体ジアクリレート、14〜16分:ジペンタエリスリトールエチレンオキサイド変性モノアクリレート、16〜20分:ジペンタエリスリトールエチレンオキサイド変性ヘキサアクリレート[実施例7](副生エチレンオキサイド重合体アクリレート低減ジペンタエリスリトール4EO付加体アクリレートの合成) 攪拌装置を備えた容量1Lのオートクレーブ内に、ジペンタエリスリトール(広栄化学工業株式会社製、OH価1324)254g(1.0mol)、トルエン127g、KOH0.3gを仕込み、90℃まで昇温、攪拌し、スラリー状の液体とした。次いで130℃に加熱し、エチレンオキサイド198g(4.5mol)を徐々にオートクレーブ内に導入し反応せしめた。エチレンオキサイドの導入とともに、オートクレーブ内温度は上昇した。随時冷却を加え、反応温度は140℃以下に保つようにした。反応後、140℃にて水銀柱10mmHg以下にて減圧することで、過剰のエチレンオキサイド、副生するエチレングリコールの重合体を除去した。その後、酢酸にて中和を行い、pH6〜7に調整した。得られたジペンタエリスリトール4EO付加体のOH価は765であった。 得られたエチレングリコール変性ジペンタエリスリトール(OH価778)433g(1mol)、アクリル酸562g(7.8mol)、パラトルエンスルホン酸50g、トルエン900g、ハイドロキノン1gをガラス製四つ口フラスコに仕込み、空気を吹き込みながら加熱反応を行った。反応で生じた水はトルエンと共沸することで系外に随時除去した。反応温度は100〜110℃であり、反応終了時に系外へ除去された反応水量は113gであった。反応後、アルカリ水洗、水洗を行い、上層のトルエン層を分離し、トルエンを減圧留去し、一般式(I)で表される、ジペンタエリスリトール4EO付加体アクリレート659g(収率87%)を得た。 これにつき、水酸基価の測定、並びに1H−NMR、13C−NMR、HPLC、及びLC−MSによる分析を実施したところ、副生エチレンオキサイド誘導体が低減されたジペンタエリスリトール4EO付加体アクリレートであることが明らかとなった。以下に、NMR分析、及びLC−MS分析の結果を示し、NMRのピークの帰属は上記番号で示す。<副生エチレンオキサイド重合体アクリレート低減ジペンタエリスリトール4EO付加体アクリレート>(13C−NMR分析(400MHz),in CDCl3)45ppm:(2)由来、60ppm:(3)由来、61〜63ppm:エチレンオキサイドが付加した(3)由来、68〜73ppm:(3)に付加したエチレンオキサイド由来、77〜79ppm:重クロロホルム由来、128〜131ppm:エステル結合したアクリル酸由来、165〜167ppm:エステル結合部<副生エチレンオキサイド重合体アクリレート低減ジペンタエリスリトール4EO付加体アクリレート>(1H−NMR分析(400MHz),in CDCl3)3.3〜4.1ppm(16H):(1)、(3)由来、3.6〜4.4ppm(24H):(3)のOHに付加したエチレンオキサイド由来、5.7〜6.4ppm(18H):アクリル酸エステルの2重結合由来、7.3ppm:重クロロホルム由来<副生エチレンオキサイド重合体アクリレート低減ジペンタエリスリトール4EO付加体アクリレート>(LC−MS分析)8.8〜11.5分:エチレンオキサイド重合体ジアクリレート、14〜16分:ジペンタエリスリトールエチレンオキサイド変性モノアクリレート、16〜20分:ジペンタエリスリトールエチレンオキサイド変性ヘキサアクリレート[実施例8](ジペンタエリスリトール4PO付加体アクリレートの合成) 攪拌装置を備えた容量1Lのオートクレーブ内に、ジペンタエリスリトール(広栄化学工業株式会社製、OH価1324)254g(1.0mol)、トルエン127g、KOH0.5gを仕込み、90℃まで昇温、攪拌し、スラリー状の液体とした。次いで140℃に加熱し、プロピレンオキサイド290g(5mol)を徐々にオートクレーブ内に導入し反応せしめた。プロピレンオキサイドの導入とともに、オートクレーブ内温度は上昇した。随時冷却を加え、反応温度は150℃以下に保つようにした。反応後、150℃にて水銀柱10mmHg以下にて減圧することで、過剰のプロピレンオキサイド、副生するプロピレングリコールの重合体を除去した。酢酸にて中和を実施し、pH6〜7に調整した。得られたジペンタエリスリトール4PO付加体のOH価は727であった。 得られたプロピレングリコール変性ジペンタエリスリトール(OH価567)463g(1mol)、アクリル酸562g(7.8mol)、パラトルエンスルホン酸58g、トルエン900g、ハイドロキノン1gをガラス製四つ口フラスコに仕込み、空気を吹き込みながら加熱反応を行った。反応で生じた水はトルエンと共沸することで系外に随時除去した。反応温度は100〜110℃であり、反応終了時に系外へ除去された反応水量は113gであった。反応後、アルカリ水洗、水洗を行い、上層のトルエン層を分離し、トルエンを減圧留去し、一般式(I)で表される、ジペンタエリスリトール4PO付加体アクリレート669g(収率85%)を得た。 これにつき、水酸基価の測定、並びに1H−NMR、13C−NMR、HPLC、及びLC−MSによる分析を実施したところ、ジペンタエリスリトール4PO付加体アクリレートであることが明らかとなった。以下に、NMR分析、及びLC−MS分析の結果を示し、NMRのピークの帰属は上記番号で示す。<ジペンタエリスリトール4PO付加体アクリレート>(13C−NMR分析(400MHz),in CDCl3)20ppm:プロピレンオキサイド由来、45ppm:(2)由来、60ppm:(3)由来、61〜63ppm:プロピレンオキサイドが付加した(3)由来、65〜80ppm:(3)に付加したプロピレンオキサイド由来、77〜79ppm:重クロロホルム由来、128〜131ppm:エステル結合したアクリル酸由来、165〜167ppm:エステル結合部<ジペンタエリスリトール4PO付加体アクリレート>(1H−NMR分析(400MHz), in CDCl3) 1.4ppm(12H):(3)のOHに付加したプロピレンオキサイドのメチル基由来、3.2〜4.5ppm(28H):(1)、(3)、及び(3)に付加したプロピレンオキサイド由来(メチル基のぞく)、5.7〜6.5ppm(18H):(3)および、(3)に付加したプロピレンオキサイドにエステル結合したアクリル酸由来、7.3ppm:重クロロホルム由来<ジペンタエリスリトール4PO付加体アクリレート>(LC−MS分析)14〜15分:ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、16.1〜21.1:ジペンタエリスリトールプロピレンオキサイド変性ヘキサアクリレート、15〜19.5分:プロピレンオキサイド重合体ジアクリレート[実施例9](ジペンタエリスリトール6PO付加体アクリレートの合成) 攪拌装置を備えた容量1Lのオートクレーブ内に、ジペンタエリスリトール(広栄化学工業株式会社製、OH価1324)254g(1.0mol)、トルエン127g、KOH0.5gを仕込み、90℃まで昇温、攪拌し、スラリー状の液体とした。次いで140℃に加熱し、プロピレンオキサイド406g(7mol)を徐々にオートクレーブ内に導入し反応せしめた。プロピレンオキサイドの導入とともに、オートクレーブ内温度は上昇した。随時冷却を加え、反応温度は150℃以下に保つようにした。反応後、150℃にて水銀柱10mmHg以下にて減圧することで、過剰のプロピレンオキサイド、副生するプロピレングリコールの重合体を除去した。酢酸にて中和を実施し、pH6〜7に調整した。得られたジペンタエリスリトール6PO付加体のOH価は567であった。 得られたプロピレングリコール変性ジペンタエリスリトール(OH価567)594g(1mol)、アクリル酸562g(7.8mol)、パラトルエンスルホン酸58g、トルエン900g、ハイドロキノン1gをガラス製四つ口フラスコに仕込み、空気を吹き込みながら加熱反応を行った。反応で生じた水はトルエンと共沸することで系外に随時除去した。反応温度は100〜110℃であり、反応終了時に系外へ除去された反応水量は113gであった。反応後、アルカリ水洗、水洗を行い、上層のトルエン層を分離し、トルエンを減圧留去し、一般式(I)で表される、ジペンタエリスリトール6PO付加体アクリレート771g(収率84%)を得た。 これにつき、水酸基価の測定、並びに1H−NMR、13C−NMR、HPLC、及びLC−MSによる分析を実施したところ、ジペンタエリスリトール6PO付加体アクリレートであることが明らかとなった。以下に、NMR分析、及びLC−MS分析の結果を示し、NMRのピークの帰属は上記番号で示す。<ジペンタエリスリトール6PO付加体アクリレート>(13C−NMR分析(400MHz),in CDCl3)20ppm:プロピレンオキサイド由来、45ppm:(2)由来、60ppm:(3)由来、61〜63ppm:プロピレンオキサイドが付加した(3)由来、65〜80ppm:(3)に付加したプロピレンオキサイド由来、77〜79ppm:重クロロホルム由来、128〜131ppm:エステル結合したアクリル酸由来、165〜167ppm:エステル結合部<ジペンタエリスリトール6PO付加体アクリレート>(1H−NMR分析(400MHz),in CDCl3)1.4ppm(18H):(3)のOHに付加したプロピレンオキサイドのメチル基由来、3.2〜4.3ppm(34H):(1)、(3)、及び(3)に付加したプロピレンオキサイド由来(メチル基のぞく)、5.7〜6.5ppm(18H):(3)に付加したプロピレンオキサイドにエステル結合したアクリル酸由来、7.3ppm:重クロロホルム由来<ジペンタエリスリトール6PO付加体アクリレート>(LC−MS分析)14〜15分:ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、16.1〜23.2:ジペンタエリスリトールプロピレンオキサイド変性ヘキサアクリレート、15〜20.1分:プロピレンオキサイド重合体ジアクリレート[実施例10](ジペンタエリスリトール4BO付加体アクリレートの合成) 攪拌装置を備えた容量1Lのオートクレーブ内に、ジペンタエリスリトール(広栄化学工業株式会社製、OH価1324)254g(1.0mol)、トルエン127g、KOH2gを仕込み、90℃まで昇温、攪拌し、スラリー状の液体とした。次いで150℃に加熱し、ブチレンオキサイド360g(5mol)を徐々にオートクレーブ内に導入し反応せしめた。ブチレンオキサイドの導入とともに、オートクレーブ内温度は上昇した。随時冷却を加え、反応温度は150℃以下に保つようにした。反応後、150℃にて水銀柱10mmHg以下にて減圧することで、過剰のブチレンオキサイド、副生するブチレングリコールの重合体を除去した。酢酸にて中和を実施し、pH6〜7に調整した。得られたジペンタエリスリトール4BO付加体のOH価は660であった。 得られたブチレングリコール変性ジペンタエリスリトール(OH価660)510g(1mol)、アクリル酸562g(7.8mol)、パラトルエンスルホン酸51g、トルエン900g、ハイドロキノン1gをガラス製四つ口フラスコに仕込み、空気を吹き込みながら加熱反応を行った。反応で生じた水はトルエンと共沸することで系外に随時除去した。反応温度は100〜110℃であり、反応終了時に系外へ除去された反応水量は113gであった。反応後、アルカリ水洗、水洗を行い、上層のトルエン層を分離し、トルエンを減圧留去し、一般式(I)で表される、ジペンタエリスリトール4BO付加体アクリレート701g(収率84%)を得た。 これにつき、水酸基価の測定、並びに1H−NMR、13C−NMR、HPLC、及びLC−MSによる分析を実施したところ、ジペンタエリスリトール4BO付加体アクリレートであることが明らかとなった。以下に、NMR分析、及びLC−MS分析の結果を示し、NMRのピークの帰属は上記番号で示す。<ジペンタエリスリトール4BO付加体アクリレート>(13C−NMR分析(400MHz),in CDCl3)29ppm:ブチレンオキサイド由来、45ppm:(2)由来、60ppm:(3)由来、61〜63ppm:ブチレンオキサイドが付加した(3)由来、63ppm:(3)に付加したブチレンオキサイド由来、77〜79ppm:重クロロホルム由来、128〜131ppm:エステル結合したアクリル酸由来、165〜167ppm:エステル結合部<ジペンタエリスリトール4BO付加体アクリレート>(1H−NMR分析(400MHz),in CDCl3)1.1〜1.6ppm(20H):ブチレンオキサイドのエチル基由来、3.3〜4.3ppm(28H):(1)、(3)、及び(3)に付加したブチレンオキサイド由来(エチル基のぞく)、5.5〜6.5ppm(18H):(3)および、(3)に付加したブチレンオキサイドにエステル結合したアクリル酸由来、7.3ppm:重クロロホルム由来<ジペンタエリスリトール4BO付加体アクリレート>(LC−MS分析) 17.0〜22.1分:ブチレンオキサイド重合体ジアクリレート、16.3〜23.0:ジペンタエリスリトールブチレンオキサイド変性ペンタアクリレート、17〜24分:ジペンタエリスリトールブチレンオキサイド変性ヘキサアクリレート[実施例11](ジペンタエリスリトール6BO付加体アクリレートの合成) 攪拌装置を備えた容量1Lのオートクレーブ内に、ジペンタエリスリトール(広栄化学工業株式会社製、OH価1324)254g(1.0mol)、トルエン127g、KOH2gを仕込み、90℃まで昇温、攪拌し、スラリー状の液体とした。次いで150℃に加熱し、ブチレンオキサイド504g(7mol)を徐々にオートクレーブ内に導入し反応せしめた。ブチレンオキサイドの導入とともに、オートクレーブ内温度は上昇した。随時冷却を加え、反応温度は150℃以下に保つようにした。反応後、150℃にて水銀柱10mmHg以下にて減圧することで、過剰のブチレンオキサイド、副生するブチレングリコールの重合体を除去した。酢酸にて中和を実施し、pH6〜7に調整した。得られたジペンタエリスリトール6BO付加体のOH価は518であった。 得られたブチレングリコール変性ジペンタエリスリトール(OH価518)650g(1mol)、アクリル酸562g(7.8mol)、パラトルエンスルホン酸51g、トルエン900g、ハイドロキノン1gをガラス製四つ口フラスコに仕込み、空気を吹き込みながら加熱反応を行った。反応で生じた水はトルエンと共沸することで系外に随時除去した。反応温度は100〜110℃であり、反応終了時に系外へ除去された反応水量は113gであった。反応後、アルカリ水洗、水洗を行い、上層のトルエン層を分離し、トルエンを減圧留去し、一般式(I)で表される、ジペンタエリスリトール4BO付加体アクリレート799g(収率82%)を得た。 これにつき、水酸基価の測定、並びに1H−NMR、13C−NMR、HPLC、及びLC−MSによる分析を実施したところ、ジペンタエリスリトール6BO付加体アクリレートであることが明らかとなった。以下に、NMR分析、及びLC−MS分析の結果を示し、NMRのピークの帰属は上記番号で示す。<ジペンタエリスリトール6BO付加体アクリレート>(13C−NMR分析(400MHz),in CDCl3)29ppm:ブチレンオキサイド由来、45ppm:(2)由来、60ppm:(3)由来、61〜63ppm:ブチレンオキサイドが付加した(3)由来、63ppm:(3)に付加したブチレンオキサイド由来、77〜79ppm:重クロロホルム由来、128〜131ppm:エステル結合したアクリル酸由来、165〜167ppm:エステル結合部<ジペンタエリスリトール6BO付加体アクリレート>(1H−NMR分析(400MHz),in CDCl3)1.1〜1.6ppm(30H):ブチレンオキサイドのエチル基由来、3.3〜4.3ppm(34H):(1)、(3)、及び(3)に付加したブチレンオキサイド由来(エチル基のぞく)、5.5〜6.5ppm(18H):(3)に付加したブチレンオキサイドにエステル結合したアクリル酸由来、7.3ppm:重クロロホルム由来<ジペンタエリスリトール6BO付加体アクリレート>(LC−MS分析)17.0〜22.1分:ブチレンオキサイド重合体ジアクリレート、16.3〜23.0:ジペンタエリスリトールブチレンオキサイド変性ペンタアクリレート、17〜24分:ジペンタエリスリトールブチレンオキサイド変性ヘキサアクリレート[実施例12](副生エチレンオキサイド重合体アクリレート増量ジペンタエリスリトール4EO付加体アクリレートの合成) 攪拌装置を備えた容量1Lのオートクレーブ内に、ジペンタエリスリトール(広栄化学工業株式会社製、OH価1324)254g(1.0mol)、トルエン127g、KOH0.3gを仕込み、90℃まで昇温、攪拌し、スラリー状の液体とした。次いで130℃に加熱し、エチレンオキサイド242g(5.5mol)を徐々にオートクレーブ内に導入し反応せしめた。エチレンオキサイドの導入とともに、オートクレーブ内温度は上昇した。随時冷却を加え、反応温度は140℃以下に保つようにした。反応後、140℃にて水銀柱20mmHg以下にて減圧することで、過剰のエチレンオキサイド、副生するエチレングリコールの重合体を除去した。その後、酢酸にて中和を行い、pH6〜7に調整した。得られたジペンタエリスリトール4EO付加体のOH価は775であった。 得られたエチレングリコール変性ジペンタエリスリトール(OH価775)434g(1mol)、アクリル酸562g(7.8mol)、パラトルエンスルホン酸50g、トルエン900g、ハイドロキノン1gをガラス製四つ口フラスコに仕込み、空気を吹き込みながら加熱反応を行った。反応で生じた水はトルエンと共沸することで系外に随時除去した。反応温度は100〜110℃であり、反応終了時に系外へ除去された反応水量は113gであった。反応後、アルカリ水洗、水洗を行い、上層のトルエン層を分離し、トルエンを減圧留去し、一般式(I)で表される、ジペンタエリスリトール4EO付加体アクリレート637g(収率84%)を得た。 これにつき、水酸基価の測定、並びに1H−NMR、13C−NMR、HPLC、及びLC−MSによる分析を実施したところ、ジペンタエリスリトール4EO付加体アクリレートであることが明らかとなった。以下に、NMR分析、及びLC−MS分析の結果を示し、NMRのピークの帰属は上記番号で示す。<副生エチレンオキサイド重合体アクリレート増量ジペンタエリスリトール4EO付加体アクリレート>(13C−NMR分析(400MHz),in CDCl3)45ppm:(2)由来、60ppm:(3)由来、61〜63ppm:エチレンオキサイドが付加した(3)由来、68〜73ppm:(3)に付加したエチレンオキサイド由来、77〜79ppm:重クロロホルム由来、128〜131ppm:エステル結合したアクリル酸由来、165〜167ppm:エステル結合部<副生エチレンオキサイド重合体アクリレート増量ジペンタエリスリトール4EO付加体アクリレート>(1H−NMR分析(400MHz),in CDCl3)3.3〜4.1ppm(16H):(1)、(3)由来、3.6〜4.4ppm(16H):(3)のOHに付加したエチレンオキサイド由来、5.7〜6.4ppm(18H):アクリル酸エステルの2重結合由来、7.3ppm:重クロロホルム由来<副生エチレンオキサイド重合体アクリレート増量ジペンタエリスリトール4EO付加体アクリレート>(LC−MS分析)8.8〜11.5分:エチレンオキサイド重合体ジアクリレート、14〜16分:ジペンタエリスリトールエチレンオキサイド変性モノアクリレート、16〜20分:ジペンタエリスリトールエチレンオキサイド変性ヘキサアクリレート[比較例1](ジペンタエリスリトール12EO付加体アクリレートの合成) 攪拌装置を備えた容量2Lのオートクレーブ内に、ジペンタエリスリトール(広栄化学工業株式会社製、OH価1324)254g(1.0mol)、トルエン127g、KOH0.3gを仕込み、90℃まで昇温、攪拌し、スラリー状の液体とした。次いで130℃に加熱し、エチレンオキサイド572g(13mol)を徐々にオートクレーブ内に導入し反応せしめた。エチレンオキサイドの導入とともに、オートクレーブ内温度は上昇した。随時冷却を加え、反応温度は140℃以下に保つようにした。反応後、140℃にて水銀柱10mmHg以下にて減圧することで、過剰のエチレンオキサイド、副生するエチレングリコールの重合体を除去した。その後、酢酸にて中和を行い、pH6〜7に調整した。得られたジペンタエリスリトール12EO付加体のOH価は434であった。 得られたエチレングリコール変性ジペンタエリスリトール(OH価434)776g(1mol)、アクリル酸562g(7.8mol)、パラトルエンスルホン酸50g、トルエン900g、ハイドロキノン1gをガラス製四つ口フラスコに仕込み、空気を吹き込みながら加熱反応を行った。反応で生じた水はトルエンと共沸することで系外に随時除去した。反応温度は100〜110℃であり、反応終了時に系外へ除去された反応水量は113gであった。反応後、アルカリ水洗、水洗を行い、上層のトルエン層を分離し、トルエンを減圧留去し、一般式(I)で表される、ジペンタエリスリトール4EO付加体アクリレート902g(収率82%)を得た。 これにつき、水酸基価の測定、並びに1H−NMR、13C−NMR、HPLC、及びLC−MSによる分析を実施したところ、ジペンタエリスリトール12EO付加体アクリレートであることが明らかとなった。以下に、NMR分析、及びLC−MS分析の結果を示し、NMRのピークの帰属は上記番号で示す。<ジペンタエリスリトール12EO付加体アクリレート>(13C−NMR分析(400MHz),in CDCl3)45ppm:(2)由来、60ppm:(3)由来、61〜63ppm:エチレンオキサイドが付加した(3)由来、68〜73ppm:(3)に付加したエチレンオキサイド由来、77〜79ppm:重クロロホルム由来、128〜131ppm:エステル結合したアクリル酸由来、165〜167ppm:エステル結合部<ジペンタエリスリトール12EO付加体アクリレート>(1H−NMR分析(400MHz),in CDCl3)3.3〜4.1ppm(16H):(1)、(3)由来、3.6〜4.4ppm(48H):(3)のOHに付加したエチレンオキサイド由来、5.7〜6.4ppm(18H):アクリル酸エステルの2重結合由来、7.3ppm:重クロロホルム由来<ジペンタエリスリトール12EO付加体アクリレート>(LC−MS分析)8.8〜12.1分:エチレンオキサイド重合体ジアクリレート、14〜16分:ジペンタエリスリトールエチレンオキサイド変性モノアクリレート、16〜21分:ジペンタエリスリトールエチレンオキサイド変性ヘキサアクリレート[比較例2](ジペンタエリスリトール30EO付加体アクリレートの合成) 攪拌装置を備えた容量2Lのオートクレーブ内に、ジペンタエリスリトール(広栄化学工業株式会社製、OH価1324)254g(1.0mol)、トルエン127g、KOH0.3gを仕込み、90℃まで昇温、攪拌し、スラリー状の液体とした。次いで130℃に加熱し、エチレンオキサイド1364g(31mol)を徐々にオートクレーブ内に導入し反応せしめた。エチレンオキサイドの導入とともに、オートクレーブ内温度は上昇した。随時冷却を加え、反応温度は140℃以下に保つようにした。反応後、140℃にて水銀柱10mmHg以下にて減圧することで、過剰のエチレンオキサイド、副生するエチレングリコールの重合体を除去した。その後、酢酸にて中和を行い、pH6〜7に調整した。得られたジペンタエリスリトール30EO付加体のOH価は215であった。 得られたエチレングリコール変性ジペンタエリスリトール(OH価215)1290g(1mol)、アクリル酸562g(7.8mol)、パラトルエンスルホン酸50g、トルエン900g、ハイドロキノン1gをガラス製四つ口フラスコに仕込み、空気を吹き込みながら加熱反応を行った。反応で生じた水はトルエンと共沸することで系外に随時除去した。反応温度は100〜110℃であり、反応終了時に系外へ除去された反応水量は113gであった。反応後、アルカリ水洗、水洗を行い、上層のトルエン層を分離し、トルエンを減圧留去し、一般式(I)で表される、ジペンタエリスリトール30EO付加体アクリレート1258g(収率78%)を得た。 これにつき、水酸基価の測定、並びに1H−NMR、13C−NMR、HPLC、及びLC−MSによる分析を実施したところ、ジペンタエリスリトール30EO付加体アクリレートであることが明らかとなった。以下に、NMR分析、及びLC−MS分析の結果を示し、NMRのピークの帰属は上記番号で示す。<ジペンタエリスリトール30EO付加体アクリレート>(13C−NMR分析(400MHz),in CDCl3)45ppm:(2)由来、60ppm:(3)由来、61〜63ppm:エチレンオキサイドが付加した(3)由来、67〜74ppm:(3)に付加したエチレンオキサイド由来、77〜79ppm:重クロロホルム由来、128〜131ppm:エステル結合したアクリル酸由来、165〜167ppm:エステル結合部<ジペンタエリスリトール30EO付加体アクリレート>(1H−NMR分析(400MHz),in CDCl3)3.3〜4.1ppm(16H):(1)、(3)由来、3.6〜4.4ppm(120H):(3)のOHに付加したエチレンオキサイド由来、5.7〜6.4ppm(18H):アクリル酸エステルの2重結合由来、7.3ppm:重クロロホルム由来<ジペンタエリスリトール30EO付加体アクリレート>(LC−MS分析)8.8〜12.5分:エチレンオキサイド重合体ジアクリレート、16〜24分:ジペンタエリスリトールエチレンオキサイド変性ヘキサアクリレート[比較例3](AO未変性ジペンタエリスリトールアクリレート) 本発明におけるAO変性ジペンタエリスリトールアクリレートの比較対象として、AO未変性のジペンタエリスリトールアクリレート、日本化薬株式会社製 KAYARAD DPHA(ジペンタエリスリトールペンタ/ヘキサアクリレート混合体、以下DPHAと略する)を用いた。 上記実施例及び比較例で得られたサンプルを以下の方法で評価した。結果を表1に示す。[粘度]JIS K 5600−2−3に従って測定を行った。[光感度]実施例1から14、及び比較例で得られたサンプルを50重量部、酢酸エチルを50重量部、光重合開始剤としてBASF社製irgacure184を固形分に対して3重量部を添加、溶解した物を、ガラス基板上にスピンコーターにて乾燥膜厚5μmに塗布し、80℃で乾燥、脱溶剤を行った。この未硬化物をステップタブレット(25段、Riston社製)にて遮光し、ウシオ社製の平行光型露光機(SX−UID501H UVQ)にて、窒素雰囲気下、積算照度200mjで硬化させ、指触にてタックフリーとなる段数を記載した。[重合率]光感度の項目と同様に調整したサンプルを鋼板に乾燥膜厚5μmに塗布、80℃で乾燥、脱溶剤を行った。この試験片を光感度の項目と同様の条件で、積算照度200mj、1000mjで硬化させた。試験片をATR−IR法にて測定を行い、1740cm−1付近のエステル結合由来のピークと、810cm−1付近の2重結合由来のピークを比較し、810cm−1付近のピークの消失量と積算照度の相関を確認することで、硬化性を確認した。[密着性]重合率の項目と同様にサンプルを調整し、メタルハライドランプを装着したベルトコンベアー式UV硬化装置にてABS、アクリル樹脂、PCを基板として積算照度200mj/cm2にて硬化し、JIS−K5400規定の碁盤目試験を行い残存マス数を密着性とした。[鉛筆硬度]密着性試験と同様の手法で硬化皮膜を作成し、JIS K5600−5−4に従い、ABS、PC、PET、アクリル樹脂上での皮膜硬度を測定した。[耐磨耗性]PET基板に密着性試験と同様の手法で硬化皮膜を作成し、テーバー磨耗試験を行った。500g荷重でCS−10F磨耗輪を使用し所定の回数回転させた時のヘーズをヘーズメーター(スガ製作所 HGM型)にて測定し、試験前後のヘーズの差異を求めた。[耐スチールウール性]PET基板に密着性試験と同様の手法で硬化皮膜を作成し、00番のスチールウールで3kgの荷重を掛けて100回研磨した際の塗膜の状態を目視にて観察し、次の基準で評価した; ○:傷なし、△:試験片に10本前後の傷が確認できる、×:多数の傷が確認できる。[カール性]厚さ150μm、一辺6cmの正方形にカットしたPETフィルムを基材とし、密着性試験と同様の手法で硬化皮膜を作成した。平坦な面にフィルムの4隅の一点を固定し、その時の残りの3点の高さを測定し、その平均値をカール性とした。[耐汚染性]PET基板に密着性試験と同様の手法で硬化皮膜を作成した。硬化皮膜上に汚染物として油性マジック、毛染め液、靴墨を塗布し18時間静置、エタノール綿にてふき取りした際の外観を目視で観察し、次の基準で評価した; ○:着色なし、△:わずかに着色あり、×:着色が濃い。[耐酸性]密着性試験と同様の手法で硬化皮膜を作成し、試験フィルム上に0.1mol/Lの塩酸水溶液を一滴落とし、シャーレ内で18時間静置した。ティッシュでふき取り、フィルムが変化していないか目視で観察し、次の基準で評価した; ○:硬化膜に異常無し、△:わずかに光沢の変化が見られる、×:硬化膜に白化、割れ、浮きなどの明らかな異常が見られる。[耐アルカリ性]密着性試験と同様の手法で硬化皮膜を作成し、試験フィルム上に2%水酸化ナトリウム水溶液を一滴落とし、シャーレ内で18時間静置した。ティッシュでふき取り、フィルムが変化していないか目視で観察し、次の基準で評価した; ○:硬化膜に異常無し、△:わずかに光沢の変化が見られる、×:硬化膜に白化、割れ、浮きなどの明らかな異常が見られる。[耐水性]密着性試験と同様の手法で硬化皮膜を作成し、水道水を滴下し18時間後に拭きとった時の外観を目視で観察し、次の基準で評価した; ○:硬化膜に異常無し、△:わずかに光沢の変化が見られる、×:硬化膜に白化、割れ、浮きなどの明らかな異常が見られる。[耐薬品性]密着性試験と同様の手法で硬化皮膜を作成し、試験フィルム上に次亜塩素酸塩、水酸化ナトリウム、界面活性剤(アルキルアミンオキシド)等から構成される市販の漂白剤を滴下しシャーレ内で18時間静置した。ティッシュでふき取り、フィルムが変化していないか目視によって観察し、耐水性と同様に評価を行った。[接触角]液滴法により測定した。頂点の高さ、水滴の半径を直読し、θ=2arctan(h/a)より接触角を求めた。0.2秒後、5秒後の接触角を測定した。[結晶性]100mlのガラス製ネジ口ビンにサンプル20ml入れ、0℃の冷蔵庫内にて3ヶ月間保管し、結晶化の有無を目視にて確認し、次の基準で評価した; ○:液状、△:スラリー状、×:結晶化。 表1に示された結果より、従来の課題であった高い粘度に関して、ジペンタエリスリトール(メタ)アクリレートをAO変性することで大きく低減させることが可能であることが分かる。また、副生するアルキレンオキサイド重合体(メタ)アクリレート量によっても粘度が変化するため、含有する副生アルキレンオキサイド重合体(メタ)アクリレート量を制御することで、所望の製品粘度を得ることが可能となる。 光感度に関しては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドのどの変性においても光感度の向上が確認されたが、特にエチレンオキサイド変性において高い光感度を示し、付加モル数にして4モル前後で最も高い光感度を示した。 重合率に関してもAO変性することで大きく向上することが分かり、特にエチレンオキサイド変性において、付加モル数4モル前後で最も高い重合率を示すことが分かった。 表1に示すLC−MS分析による副生アルキレンオキサイド重合体(メタ)アクリレート量の測定結果より、実施例7、4、12の順に副生アルキレンオキサイド重合体(メタ)アクリレート量が増加していることが分かり、それに伴って粘度が低下することが確認された。このことから、副生アルキレンオキサイド重合体(メタ)アクリレート量を制御することにより、粘度を制御することが可能であることがわかる。また、指触試験である光感度では差異は見られないものの、重合率に関しては、実施例4のように一定量の副生アルキレンオキサイド重合体(メタ)アクリレートを含有することで向上し、かつ実施例12のように多すぎると低下することがわかった。これは、アルキレンオキサイド変性ジペンタエリスリトール(メタ)アクリレートの(メタ)アクリロイル基間を、副生アルキレンオキサイド重合体(メタ)アクリレート補間することで、最密充填に近い状態が得られることによると考えられる。その他の硬化膜の物性も、副生アルキレンオキサイド重合体(メタ)アクリレート量が増加すると、悪化する傾向が見られており、副生アルキレンオキサイド重合体(メタ)アクリレート量を制御することで、諸物性を調整可能であることがわかった。 表1より、密着性に関しては、アルキレンオキサイドの種類、付加mol数によって低下しないことが確認されている。硬化皮膜の鉛筆硬度に関しては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドの順、及び、各同一構造においては、付加mol数が多くなるに連れて低下することが分かった。これは、主に架橋密度の低下によるものであり、その他の、耐摩耗性、耐スチールウール性、耐汚染性、耐酸性、耐アルカリ性、耐水性、耐薬品性の評価項目にも言えることである。結晶性に関しては、ジペンタエリスリトールのアクリレートの結晶性を、アルキレンオキサイド変性することで低減できることが判った。ただ、実施例12のブチレンオキサイドの様に、結晶性の高い直鎖骨格で変性した場合は、結晶性の低減が不十分であることもわかった。 また、実施例4、7、12の比較において、副生アルキレンオキサイド重合体(メタ)アクリレート量と、硬化皮膜の接触角とに相関が見られることがわかった。 以上説明した通り、本発明の上記一般式(I)で示される、AO付加モル数を最適化し、かつ副生アルキレンオキサイド含有量を制御したアルキレンオキサイド変性ジペンタエリスリトール(メタ)アクリレート化合物含有組成物は、優れた光感度、低結晶性、希釈性に優れた低粘度を示し、かつ硬化物は低硬化収縮かつ高硬度であることから、ジペンタエリスリトール、ペンタエリスリトール、ジトリメチロールプロパン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等に代表される多官能アルコールの(メタ)アクリレートを配合していた重合成樹脂組成物を、より低粘度化しつつ、硬化物の物性を向上することが可能である。従って、ドライフィルムレジスト、着色レジスト、黒色レジスト、半導体用レジストなどのレジスト樹脂組成物、歯科などの医療用樹脂組成物、塗料・コーティング用樹脂組成物、印刷用インク組成物、フィルムコーティング、ブラックマトリックス、フォトスペーサー等の用途に好適に用いることができる。 下記一般式(I)で表される構造を有するアルキレンオキサイド変性ジペンタエリスリトール(メタ)アクリレート。 但し、一般式(I)中、Rは一般式(II)で表される置換基を表し、AOは−CH2CH2O−、−CH2CH(CH3)O−、−CH2CH2CH2CH2O−、又は−CH2CH(C2H5)O−で表されるアルキレンオキサイド単位の中から選択された1種又は2種以上を示し、付加しているアルキレンオキサイドの平均重合度を示すlは0<l≦5であり、mの平均値は0より大きく6以下であり、n及びoの平均値はそれぞれ0以上6以下であり、m、n及びoの合計値は6であり、一般式(II)中、R2は水素原子又はメチル基を示す。 請求項1に記載のアルキレンオキサイド変性ジペンタエリスリトール(メタ)アクリレートとアルキレンオキサイド重合体の(メタ)アクリレートとを含有する ことを特徴とする反応性組成物。 前記アルキレンオキサイド変性ジペンタエリスリトール(メタ)アクリレートの含有量が80質量%以上、100質量%未満であり、アルキレンオキサイド重合体の(メタ)アクリレートの含有量が0質量%超、20質量%以下である ことを特徴とする請求項2に記載の反応性組成物。 【課題】ハンドリング性、硬化収縮率、光感度、表面硬度、耐汚染性等が改善されたアルキレンオキサイド変性(メタ)アクリレート及びそれを含有する反応性組成物の提供。【解決手段】(I)またはそれを含有する反応性組成物。Rは−COCH=CH2または−COCCH3=CH2を表し、AOは−CH2CH2O−、−CH2CH(CH3)O−、−CH2CH2CH2CH2O−、又は−CH2CH(C2H5)O−から選択された1種以上を示し、AOの平均重合度lは0<l≦5であり、mの平均値は0<m≦6であり、n及びoの平均値はそれぞれ0以上6以下であり、m+n+o=6である。【選択図】なし