タイトル: | 公開特許公報(A)_パパイヤの葉及びシークワーサー果皮を用いた癌の予防、治療または改善のための組成物及びその製造方法 |
出願番号: | 2012022575 |
年次: | 2013 |
IPC分類: | A61K 36/18,A61K 36/75,A61P 35/00,A61K 36/00,A61P 3/02,A61K 9/08,A61K 9/14,A61K 9/20,A61P 43/00,A23L 1/30 |
長濱 徳勝 山本 憲国 真栄里 聡 有賀 俊二 JP 2013159578 公開特許公報(A) 20130819 2012022575 20120204 パパイヤの葉及びシークワーサー果皮を用いた癌の予防、治療または改善のための組成物及びその製造方法 沖縄ハム総合食品株式会社 399069473 長濱 徳勝 山本 憲国 真栄里 聡 有賀 俊二 A61K 36/18 20060101AFI20130723BHJP A61K 36/75 20060101ALI20130723BHJP A61P 35/00 20060101ALI20130723BHJP A61K 36/00 20060101ALI20130723BHJP A61P 3/02 20060101ALI20130723BHJP A61K 9/08 20060101ALI20130723BHJP A61K 9/14 20060101ALI20130723BHJP A61K 9/20 20060101ALI20130723BHJP A61P 43/00 20060101ALI20130723BHJP A23L 1/30 20060101ALI20130723BHJP JPA61K35/78 CA61K35/78 KA61P35/00A61K35/78 YA61P3/02A61K9/08A61K9/14A61K9/20A61P43/00 121A23L1/30 B 10 1 OL 9 4B018 4C076 4C088 4B018MD48 4B018MD52 4B018MD90 4B018ME08 4B018MF01 4B018MF12 4B018MF14 4C076AA11 4C076AA30 4C076AA37 4C076BB01 4C076CC27 4C076CC40 4C088AB12 4C088AB62 4C088CA02 4C088CA03 4C088CA05 4C088CA25 4C088MA52 4C088NA05 4C088NA14 4C088ZB26 4C088ZC75 本発明は、パパイヤ葉及びシークワーサー果皮の抽出成分を含む癌の予防、治療または改善のための組成物に関する。特に、パパイヤ葉及びシークワーサー果皮を酵素抽出した成分を含有し、両者の成分の免疫賦活作用あるいは抗腫瘍活性において相乗効果を発揮する、癌の予防、治療または改善のための組成物であって、医薬用および食品用に使用できる組成物に関する。 パパイヤ(papaya)は、パパイヤ科パパイヤ属の常緑小高木で、学名をCarica papayaという。多くの熱帯の国々で栽培されており、日本では沖縄などで人家の庭に自生している。 このパパイヤ(Carica Papaya)の葉には、抗酸化作用のあるビタミンC、タンニンをはじめ、ビタミンA、E、K、サポニン、鉄分などが含まれ、消化補助、抗炎症効果、寄生虫駆除効果などが報告されている。 更に、パパイヤの葉の抽出液成分には、抗腫瘍効果を有することも報告されている(特許文献1)。 また、シークワーサーは、沖縄在来の柑橘類として古くから知られ、沖縄本島北部の大宜味村を中心に名護の屋部又は、伊豆味などの地域が主産地となっており、その未熟果にはシークワーサー特有の強い酸味と芳醇な香りが含まれている。 このシークワーサーには、タンゲレチンやノビレチンなど6種のポリメトキシフラボノイドがふくまれており、特に、タンゲレチン、ノビレチン、5−デメチルノビレチンは、癌の抑制効果があるとされ、ノビレチンとシネンセチンは、関節リューマチに効果があるとされ、ノビレチンには、血糖値を抑制する効果があるとされている。 これらの有効成分であるフラボノイド類は、主にシークワーサーの果皮中に多く含まれることがわかってきた。特表2008−505887号公報 このパパイヤ葉とシークワーサー果皮は、各々抗腫瘍効果が期待されているが、両者を混合して使用することは行われていなかった。 これは、パパイヤ葉の有効成分が主に水溶性成分であり、シークワーサー果皮の有効成分が油性成分あるため、抽出処理、工程が異なり、処理工程を複雑にし、コスト、手間がかけることが要因である。 また、従来の抽出処理においては、乾燥原料を使用して熱水抽出や溶媒抽出などが行われていた。 この場合には、原料を乾燥する段階で有効成分が揮発して失われてしまう可能性がある。 また、単に熱水抽出、溶媒抽出においては、原料中に含まれる水溶性あるいは油性の成分が抽出されるのみであり、原料中の成分がさらに分解されて初めて有効な成分となるような場合には対応できていなかった。 抽出処理において、原料から有効成分を分離させると同時に原料中の有効成分を分解しながら抽出することは行われていなかった。 本発明は、パパイヤ葉の有効成分とシークワーサー果皮の有効成分を抽出し、両者の相乗作用により、より効果的な癌の予防、治療又は改善のための組成物を提供すること、また、油性成分あるいは水溶性成分を問わず、効果的に抽出でき、かつ酵素分解して有効成分を抽出させる方法を提供することを課題とする。本発明は、上記に示す課題を以下の手段によって解決することが出来る。 本発明の請求項1では、パパイヤ葉の抽出液成分及びシークワーサー果皮の抽出液成分を有効成分として含有する、癌の予防、治療又は改善のための組成物とするものである。 該パパイヤ葉の抽出液成分は、パパイヤの葉に含まれている有効成分を抽出したものであればいずれでも良く、熱水抽出やアルコール抽出などの溶媒抽出などでも良い。有効成分としては、ビタミンC、タンニンをはじめ、強い抗癌作用を有するビタミンB17、イソチオシアネートなどがある。 該シークワーサー果皮の抽出液成分は、シークワーサーの果実から果汁と種子、小胞を取り除いた残りの果皮部分を使用して有効成分を抽出するものであればいずれでも良く、この果皮を熱水抽出やアルコール抽出などの溶媒抽出により抽出した成分である。有効成分としては、癌抑制効果があるとされるタンゲレチン、ノビレチン、5−デメチルノビレチンなどがある。 本発明の請求項2では、パパイヤ葉又はシークワーサー果皮の抽出液成分が熱水抽出により抽出された抽出成分であることを特徴とする組成物である。 パパイヤ葉とシークワーサー果皮とを同時に抽出しても良く、別々に抽出して混合しても良い。 本発明の請求項3では、パパイヤ葉及びシークワーサー果皮を植物組織分解酵素により酵素処理して抽出した有効成分を含有する、癌の予防、治療又は改善のための組成物である。 該植物組織分解酵素は、パパイヤ葉又はシークワーサー果皮の植物繊維を分解できるものであればいずれでも良く、例えばセルラーゼなどでも良い。 本発明の請求項4では、前記の酵素処理において、50MPa〜400MPaの高圧力状態で酵素処理して抽出した有効成分を含有することを特徴とする組成物である。 該高圧状態とは、酵素が原料の分解に効果的に作用する圧力であれば良く、好ましくは、80MPa〜200MPa、さらに好ましくは、90MPa〜150MPaである。温度は酵素が活性化する温度であれば良い。 本発明の請求項5では、固形癌もしくは血液系癌を予防、治療、または改善のために用いられる組成物である。 固形癌は、前立腺癌、胃癌、肺癌、膵臓癌、大腸癌、甲状腺癌などであり、血液系癌は、リンパ腫、白血病などである。 本発明の請求項6では、医薬用組成物である、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の組成物である。 本発明の請求項7では、食品用組成物である、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の組成物である。 本発明の請求項8では、健康食品、機能性食品、特定保健用食品、栄養補助食品又は経腸栄養食品である、請求項7に記載の組成物である。 本発明の請求項9では、ドリンク剤、散剤、又は錠剤の形態にある、請求項6から請求項8までのいずれか1項に記載の組成物である。 本発明の請求項10では、パパイヤ葉及びシークワーサー果皮を50MPa〜400MPaの高圧力状態で、植物組織分解酵素により酵素処理して抽出することを特徴とする、癌の予防、治療又は改善のための組成物の製造方法である。 該高圧力状態において、50MPa以下では、微生物の活動を抑えにくく、酵素の活性化は期待できない。また、400MPa以上では、酵素作用が抑制されるので好ましくない。本発明は、以下の効果がある。(1)パパイア葉とシークワーサー果皮の有効成分による相乗効果を有する癌の予防、治療又は改善のための組成物を提供できる。(2)パパイヤ葉に含有する癌細胞の障害活性と、シークワーサー果皮に含有する癌抑制作用とを同時に発揮できる組成物を提供できる。(3)酵素処理により水溶性成分、油性成分を問わず、効果的に有効成分を抽出することができる。(4)原料から直接有効成分を分離させると、同時に原料に含有する成分を分解しながら抽出することで有効成分の抽出効率を飛躍的に高めた癌の予防、治療又は改善のための組成物の製造方法を提供できる。(5)化学薬品の使用を抑制し、植物由来で安全、安心な癌の予防、治療又は改善のための組成物を提供できる。(6)化学処理を必要とせず、生の植物から製造でき、食品として摂取することができる癌の予防、治療又は改善のための食品組成物を提供できる。パパイア葉とシークワーサー果皮を用いた癌の予防、治療又は改善のための組成物の製造方法を示すフロー図である。 次に本発明の一実施形態について、図面を用いて具体的に説明する。 図1は、パパイア葉とシークワーサー果皮を用いた癌の予防、治療又は改善のための組成物の製造方法を示すフロー図である。1)パパイヤ葉採取パパイヤ葉1を搾取し、水洗いにより洗浄2する。2)細断処理3パパイヤの葉を千切りに細断する。3)シークワーサー果実の採取シークワーサー果実4を採取し、水洗いにより洗浄5する。4)搾汁・果汁分離6洗浄した果実を搾汁し、果汁を分離する。5)種・小胞分離7さらに種と小胞を分離し、果皮8のみとする。6)破砕処理9果皮を破砕装置にてミンチ状態に破砕する。7)高圧・酵素処理10細断したパパイヤ葉と、破砕したシークワーサー果皮を高圧容器に投入し、植物組織分解酵素液を混合する。圧力は、100MPaとし、温度は50℃とし、24時間高圧・酵素処理10を行った。8)ろ過処理11高圧・酵素処理を行った処理液中の粗い粒子を細かい網で濾過し、さらに不織布でろ過する。9)遠心分離処理12さらに遠心分離装置にかけ、上澄みを分離する。10)容器充填13上澄みをドリンク剤容器に充填する。85℃まで温度を上げて殺菌処理14とし、これを健康食品15とする。 以上に示すような工程により健康食品(ドリンク剤)を製造した。 上記のパパイヤ葉とシークワーサー果皮ドリンク剤を飲用した例を示す。 被験者 1)男性 2)年齢80才 3)前立腺特異抗原PSA値:10.47 治療中 4)引用条件 (1)1日2回、朝、夕 (2)1回:30cc (3)8か月間毎日引用した。以下に結果を示す。 飲用開始時 8か月後 コレステロール値 229 → 205 基準値(140〜219) 尿 酸 7.7 → 5.3 基準値(<7.0) 前立腺特異抗原PSA測定結果 グラフに示すように、引用開始から3か月で、PSA値が約1/2となり、6か月以降ではほとんど0となった。 本例では、通常治療を行うと共に、本発明によるパパイヤ葉及びシークワーサー果皮を用いたドリンク剤を飲用した場合である。1 パパイヤ葉2 洗浄3 細断処理4 シークワーサー果実5 洗浄6 搾汁・果汁分離7 種・小胞分離8 果皮9 破砕処理10 高圧・酵素処理11 ろ過処理12 遠心分離処理13 容器充填14 殺菌処理15 健康食品(ドリンク剤) パパイヤ葉の抽出液成分及びシークワーサー果皮の抽出液成分を有効成分として含有する、癌の予防、治療又は改善のための組成物。 パパイヤ葉又はシークワーサー果皮の抽出液成分が熱水抽出により抽出された抽出成分であることを特徴とする請求項1に記載の組成物。 パパイヤ葉及びシークワーサー果皮を植物組織分解酵素により酵素処理して抽出した有効成分を含有する、癌の予防、治療又は改善のための組成物。 前記の酵素処理において、50MPa〜400MPaの高圧力状態で酵素処理して抽出した有効成分を含有することを特徴とする請求項3に記載の組成物。 固形癌もしくは血液系癌を予防、治療、または改善のために用いられる請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の組成物。 医薬用組成物である、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の組成物。 食品用組成物である、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の組成物。 健康食品、機能性食品、特定保健用食品、栄養補助食品又は経腸栄養食品である、請求項7に記載の組成物。 ドリンク剤、散剤、又は錠剤の形態にある、請求項6から請求項8までのいずれか1項に記載の組成物。 パパイヤ葉及びシークワーサー果皮を50MPa〜400MPaの高圧力状態で、植物組織分解酵素により酵素処理して抽出することを特徴とする、癌の予防、治療又は改善のための組成物の製造方法。 【課題】パパイヤ葉の有効成分とシークワーサー果皮の有効成分を抽出し、両者の相乗作用により、より効果的な癌の予防、治療又は改善のための組成物を提供すること、また、油性成分あるいは水溶性成分を問わず、効果的に抽出でき、かつ酵素分解して有効成分を抽出させる方法を提供することを課題とする。 【解決手段】パパイヤ葉の抽出液成分及びシークワーサー果皮の抽出液成分を有効成分として含有する、癌の予防、治療又は改善のための組成物とし、パパイヤ葉及びシークワーサー果皮を50MPa〜400MPaの高圧力状態で、植物組織分解酵素により酵素処理して抽出することを特徴とする、癌の予防、治療又は改善のための組成物の製造方法とする。【選択図】 図1