タイトル: | 公開特許公報(A)_組成物及び化粧料 |
出願番号: | 2012017339 |
年次: | 2013 |
IPC分類: | A61K 8/97,A61Q 19/00,A61Q 19/08 |
北村 整一 鍔田 仁人 山口 和也 高垣 欣也 JP 2013155140 公開特許公報(A) 20130815 2012017339 20120130 組成物及び化粧料 株式会社東洋新薬 398028503 廣田 浩一 100107515 流 良広 100107733 松田 奈緒子 100115347 北村 整一 鍔田 仁人 山口 和也 高垣 欣也 A61K 8/97 20060101AFI20130719BHJP A61Q 19/00 20060101ALI20130719BHJP A61Q 19/08 20060101ALI20130719BHJP JPA61K8/97A61Q19/00A61Q19/08 4 1 OL 11 4C083 4C083AA111 4C083AA112 4C083CC02 4C083EE12 4C083EE13 4C083FF01 本発明は、ハマミズナ科の植物体から得られた抽出物を含有する新規なヒアルロン酸産生促進用組成物、シワ又はタルミの改善用組成物、皮膚のハリ改善用組成物、皮膚のキメ改善用組成物、皮膚の弾力性維持用組成物、美容用組成物及び抗老化用組成物、並びにこれらの組成物を含有する飲食品及び化粧料に関する。 ヒアルロン酸は、細胞間隙への水分の保持、組織内にジェリー状のマトリックスを形成することに基づく細胞の保持、組織の潤滑性と柔軟性の保持、機械的障害等の外力に対する抵抗、及び細菌感染の防止など、多くの機能を有している。例えば、皮膚のヒアルロン酸量は加齢とともに減少し、それに伴い、小じわ、かさつき等の皮膚老化が現れるといわれている。そのため、このような老化した皮膚の改善剤として、ヒアルロン酸を配合した化粧料が数多く提案されている。また、ヒアルロン酸は、皮膚のはりや弾力を維持又は改善して、しわ又はタルミを防止又は改善し、うるおいのあるキメ細かな肌の状態を維持又は改善できるという美容効果を有する。 しかしながら、これら従来の化粧料は、皮膚表面における保湿効果を発揮するだけであり、本質的に老化肌の改善、しわ又はタルミの改善、皮膚のハリ改善、皮膚の弾力性維持、及び肌のキメ改善に資するものではない。また、皮膚細胞賦活剤として各種のビタミン類や生薬類を配合した化粧料が提案されているが、これらもやはり老化肌の改善、しわ又はタルミの改善、皮膚のハリ改善、皮膚の弾力性維持、及び肌のキメ改善にまでは至っていないのが現状である。 現在までに、皮膚の老化防止や若返り等の美容効果をもたらすヒアルロン酸産生促進用組成物の代表的なものとして、アロエ抽出物、オクラ抽出物、水溶性β−1,3−グルカン誘導体、酵母抽出物(特許文献1参照)、ウリ科植物の種子から得られた抽出物(特許文献2参照)、アマチャヅル抽出物(特許文献3参照)、ショウガ科マンゴージンジャー(特許文献4参照)、トウダイグサ科アムラ(特許文献5参照)、ツバキ科ツバキの種子(特許文献6参照)、カリン抽出物(特許文献7参照)、トクサ科トクサ属に属する植物の抽出物(特許文献8参照)、オニタビラコ、パッションフルーツ、カラシナ、ムラサキカタバミ、ウシハコベ、ヒカンザクラ、ザボン、リュウキュウバライチゴ(特許文献9参照)、ハリギリ、ミツバウツギ、クサギ、タネツケバナ(特許文献10参照)などが知られている。このように、ヒアルロン酸産生促進作用を有するものとして従来より植物由来の抽出物が、その安全性や皮膚への刺激の穏やかさを期待して種々開発されているが、今までにヒアルロン酸産生促進作用が見出されていなかった新しい植物で新たなヒアルロン酸産生促進組成物、シワ又はタルミの改善用組成物、皮膚のハリ改善用組成物、皮膚のキメ改善用組成物、皮膚の弾力性維持用組成物、美容用組成物、及び抗老化用組成物の更なる開発が求められている。特開2004−051533号公報特開2006−273815号公報特開2007−051091号公報特開2010−222313号公報特開2010−229111号公報特開2010−241725号公報特開2011−184346号公報特開2011−195493号公報特開2011−195504号公報特開2011−195534号公報 本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、優れたヒアルロン酸産生促進作用を有するヒアルロン酸産生促進用組成物、シワ又はタルミの改善用組成物、皮膚のハリ改善用組成物、皮膚のキメ改善用組成物、皮膚の弾力性維持用組成物、美容用組成物、及び抗老化用組成物、並びに、これらの組成物を含有する化粧料を提供することを目的とする。 本発明者らは、前記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、ハマミズナ科の植物体の抽出物がヒアルロン酸産生促進作用を有すること、また、前記抽出物がヒアルロン酸産生促進作用に基づくしわ又はタルミの改善、皮膚のハリ改善、皮膚の弾力性維持、肌のキメ改善、美容、及び抗老化の用途としても有用であることを見出し、本発明の完成に至った。 本発明は、本発明者らによる前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、 <1> ハマミズナ科の植物体から抽出した抽出物を含有することを特徴とするヒアルロン酸産生促進用組成物である。 <2> ハマミズナ科の植物体から抽出した抽出物を含有することを特徴とするシワ又はタルミの改善用組成物である。 <3> ハマミズナ科の植物体から抽出した抽出物を含有することを特徴とする皮膚のハリ改善用組成物である。 <4> ハマミズナ科の植物体から抽出した抽出物を含有することを特徴とする皮膚のキメ改善用組成物である。 <5> ハマミズナ科の植物体から抽出した抽出物を含有することを特徴とする皮膚の弾力性維持用組成物である。 <6> ハマミズナ科の植物体から抽出した抽出物を含有することを特徴とする美容用組成物である。 <7> ハマミズナ科の植物体から抽出した抽出物を含有することを特徴とする抗老化用組成物である。 <8> 抽出物が、ハマミズナ科の植物体を細分又は圧搾したものから抽出されたものである前記<1>から<7>のいずれかに記載の組成物である。 <9> ハマミズナ科の植物体が、メセンブリアンテマ属の植物体である前記<1>から<8>のいずれかに記載の組成物である。 <10> ハマミズナ科の植物体が、アイスプラントに含まれる植物体である前記<1>から<9>のいずれかに記載の組成物である。 <11> ハマミズナ科の植物体が、植物の地上部である前記<1>から<10>のいずれかに記載の組成物である。 <12> ハマミズナ科の植物体が、養液栽培されたものである前記<1>から<11>のいずれかに記載の組成物である。 <13> 前記<1>から<12>のいずれかに記載の組成物を含有することを特徴とする化粧料。 本発明によれば、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、優れたヒアルロン酸産生促進作用を有するヒアルロン酸産生促進用組成物、シワ又はタルミの改善用組成物、皮膚のハリ改善用組成物、皮膚のキメ改善用組成物、皮膚の弾力性維持用組成物、美容用組成物、及び抗老化用組成物、並びに、これらの組成物を含有する化粧料を提供することができる。図1は、実施例1及び2におけるアイスプラント(バラフ)抽出物のヒアルロン酸産生促進作用を示したグラフである。(ヒアルロン酸産生促進用組成物、シワ又はタルミの改善用組成物、皮膚のハリ改善用組成物、皮膚のキメ改善用組成物、皮膚の弾力性維持用組成物、美容用組成物、及び抗老化用組成物) 本発明のヒアルロン酸産生促進用組成物、シワ又はタルミの改善用組成物、皮膚のハリ改善用組成物、皮膚のキメ改善用組成物、皮膚の弾力性維持用組成物、美容用組成物、及び抗老化用組成物(以下では、これらを単に「組成物」と呼ぶこともある)は、少なくとも、ハマミズナ科の植物体から抽出した抽出物を含有してなり、更に必要に応じて、その他の成分を含有してなる。本発明の組成物によれば、後述する実施例で示すように、優れたヒアルロン酸産生促進作用を有するため、ヒアルロン酸産生促進用、シワ又はタルミの改善用、皮膚のハリ改善用、皮膚のキメ改善用、皮膚の弾力性維持用、美容用、及び抗老化用のいずれの用途にも有効である。 ここで、ハマミズナ科(Aizoaceae)とは、双子葉植物の科で、約126属1,100種を含む。なお、ハマミズナ科は、呼び名に混乱があり、ツルナ科と呼ばれることも多いが、ツルナ属(Tetragonia)とTribulocarpus属を狭義のツルナ科(Tetragoniaceae)として分ける場合には、他の属の植物にはハマミズナ科の名が用いられる(ただし、現在は、ツルナもハマミズナ科に含めるのが普通である)。ハマミズナ科は、別名としてマツバギク科、メセン科などの通称も使われる。学名もTetragoniaceae、Ficoideaeなどの旧称が使われることがある。また、かつてはザクロソウ科(Molluginaceae)と同じ分類とされていたため、古い図鑑には「ザクロソウ科 Aizoaceae」などの表記もみられる。本明細書では、これらの用語の混乱を避けるために、ハマミズナ科(Aizoaceae)とは、ツルナ科、マツバギク科、メセン科を含み、かつてはザクロソウ科に分類されていた属乃至種を含む概念であるものとする。 また、メセンブリアンテマ属(Mesembryanthemum)とは、ハマミズナ科に含まれる多肉植物の属であり、約50種を含む。このメセンブリアンテマ属には、例えば、Mesembryanthemum aitonis、Mesembryanthemum barklyi、Mesembryanthemum cryptanthum、Mesembryanthemum crystallinum、Mesembryanthemum excavatum、Mesembryanthemum fastigiatum、Mesembryanthemum gariusanum、Mesembryanthemum guerichianum、Mesembryanthemum hypertrophicum、Mesembryanthemum inachabense、Mesembryanthemum lomgistylum、Mesembryanthemum nodiflorum、Mesembryanthemum pellitum、Mesembryanthemum stenandrum、Mesembryanthemum subtruncatum、Mesembryanthemum teretifolium、Mesembryanthemum teretiusculum、Mesembryanthemum ventricosum、Mesembryanthemum violenseなどの種が含まれる。 前記アイスプラントは、ハマミズナ科メセンブリアンテマ属に含まれる植物の種名である。表皮に塩を隔離するための細胞があるため葉の表面が凍ったように見えることが、名前の由来となっている。アイスプラントは、南アフリカ原産、ヨーロッパ、西アジア等に自生の種である。アイスプラントは、乾燥に耐えるとともに、耐塩性が高い塩生植物の一つであり、海水と同程度の塩化ナトリウム水溶液中でも水耕栽培が可能である。更に、アイスプラントは、生活環が半年程度と比較的短く、栽培も容易なため、植物の耐塩性研究におけるモデル生物と考えられ、学術的な注目も集まっている。しかしながら、アイスプラントは、水耕栽培等の養液栽培ではなく土耕栽培を行った場合はエグ味成分が蓄積しやすく、また地中にカドミウムなどの有害な重金属が含まれている場合、一般作物以上に吸収、蓄積する場合があるため、養液栽培されたものが好ましい。 前記養液栽培に用いられる養液及び栽培方法としては、例えば、特開2009−254246号公報に記載されたものを用いることができる。 前記アイスプラントは、非常に特徴的なことに、乾燥や塩ストレスを与えないと、一般的な光合成経路であるC3光合成を行い、乾燥/塩ストレスを与えるとCAM型光合成へ移行することができる。また、表皮には塩嚢細胞(ブラッダー細胞、英語:Bladder Cell)と呼ばれる体内に侵入した塩類を隔離するための細胞が発達する。この塩嚢細胞の大きさは2mm前後に達し、透明でキラキラと輝くため、種名のクリスタリナムの由来となっている。 アイスプラントは、日本でも佐賀大学農学部が栽培化し、塩味のする新野菜として紹介されたことをきっかけに、近年、全国各地でも栽培されはじめている。国立ファームはソルトリーフ(登録商標)、佐賀大学発ベンチャーの株式会社農研堂はバラフ(登録商標)とクリスタルリーフ(登録商標)、アグリ社はプッチーナ(登録商標)、滋賀県長浜市の日本アドバンストアグリはツブリナ(登録商標)という商標を用いている。また、静岡県ではソルティーナやシオーナの名で販売されている。本明細書では、これらの用語の混乱を避けるために、アイスプラント(学名:Mesembryanthemum crystallinum)には、バラフ、クリスタルリーフ、プッチーナ、ツブリナ、ソルティーナ、シオーナなどが含まれるものとする。 ここで、「バラフ」とは、佐賀大学農学部で研究開発されている、南アフリカ原産の植物「アイスプラント」を野菜化した佐賀大学ブランド商品であり、市販されている。葉や茎の表面に宝石のようにキラキラと光る水滴のような細胞がついているのが、大きな特徴である。その外観から、アフリカのスワヒリ語で「水晶」や「氷」を意味する「バラフ」と名付けられている。バラフは、佐賀大学発ベンチャー企業(株)農研堂と契約農家で栽培を行っており、佐賀大学農学部で開発された技術によって品質安定を図り、安全性・安心に配慮して栽培されている。 なお、プチプチとした食感で、塩味の新野菜として注目を集めているアイスプラントの栽培について、商品化した佐賀大学農学部の研究グループが、土での栽培に注意を呼び掛けている。主要な県産品は養液栽培だが、土耕栽培の場合、土に重金属が含まれると吸収、蓄積する可能性があるためである。したがって、ハマミズナ科の植物体を用いる場合には、養液栽培されたものを用いることが好ましい。 佐賀大のグループは、もともと干拓地の塩害改善作物としてアイスプラントの研究をしていた。佐賀大のグループは、アイスプラントの食用も開発し「バラフ」の名称で商標登録をした。佐賀大のグループは、栽培方法としては、「地中にカドミウムなどの有害な重金属が含まれている場合、一般作物以上に吸収、蓄積する特性があった」(野瀬昭博教授)として養液栽培を選択している。また、栽培に使用する培地についても分析を行い、栽培に使用する水は飲料適水に限定している。同教授は、土耕栽培をする場合には、「重金属の有無など、精密に土壌分析したうえで栽培すべき」と注意を喚起している。 これらのハマミズナ科の植物体(例えば、アイスプラント)を用いる場合には、前記植物体の地上部を用いることが好ましい。ハマミズナ科の植物体(例えば、アイスプラント)のうち、地上部が特に食用として適しているため、本発明の組成物に用いる抽出物も食履歴などに基づく安全性及び健康によい成分を多く含むことが期待されることなどの観点から地上部を用いることが好ましいためである。ここで、本明細書において、植物体の「地上部」とは、地表よりも上部に位置する部位(葉、茎など)を含む概念である。<抽出物> 前記抽出物は、前記ハマミズナ科の植物体から抽出されてなる。抽出方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ハマミズナ科の植物体を細分又は圧搾したものから抽出されたものであることが、本発明の組成物の品質向上及び製造安定性の観点から好ましい。このように、前記ハマミズナ科の植物体を、例えばミキサーなどを用いて、或いは手作業によるせん断力によって物理的に細分したか、又は機械を用いて或いは手作業などによって圧搾したものから抽出することによって、熱水抽出又はエタノール抽出などの場合のようにハマミズナ科の植物体に含まれる有効成分が変質、失活などしてしまう危険性を低減することができる。 また、前記ハマミズナ科の植物体をせん断力によって機械的乃至物理的に細分する際の細分時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1時間以内であることが本発明の組成物の品質向上及び製造安定性の観点から好ましい。 前記細分又は前記圧搾の際には他の溶媒(例えば水等)、助剤(例えば0.1質量%程度の微量のジエチレングリコール、アルコール等)などを加えてもよい。また、前記ハマミズナ科の植物体を手作業などによって圧搾する際には、細分化したハマミズナ科の植物体を、てこ、ネジ、水圧、油圧などを用いた圧搾機などで圧搾してもよい。このようにしても、ハマミズナ科の植物体を効率よく細分又は圧搾することが可能だからである。 前記ハマミズナ科の植物体を例えばミキサーなどを用いて或いは手作業によるせん断力によって物理的に細分、又は機械を用いて或いは手作業などによって圧搾した後に濾過する方法としては、特に制限はなく、任意の公知の濾過法を用いることができ、例えば濾布、フィルター、メンブレン、金属濾材、セラミック濾材などを好適に用いることができる。 また、前記濾過する際には、圧力をかけて濾過を行ってもよい。前記圧力としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.1MPa〜10MPa程度の圧力で濾過を行うことが本発明の組成物の品質向上及び製造安定性の観点から好ましい。 前記抽出物は、抽出した溶液のまま用いてもよく、必要に応じて、濃縮、希釈及び濾過処理、活性炭等による脱色、脱臭処理等をして用いてもよい。更には、抽出した溶液を濃縮乾固、噴霧乾燥、凍結乾燥等の処理を行い、乾燥物として用いてもよい。これらの中でも、凍結乾燥することが、抽出物の品質安定性及び取扱容易性の観点から好ましい。凍結乾燥時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、24時間以内であることが抽出物の品質安定性及び取扱容易性の観点から好ましい。 前記抽出物を含有する組成物を調製する際には、前記抽出物をそのまま使用してもよく、単に水(精製水など)で希釈して用いてもよく、或いは抽出物の効果を損なわない範囲内で、本発明の組成物に用いられる成分である油脂類、ロウ類、炭化水素類、脂肪酸類、アルコール類、エステル類、界面活性剤、金属石鹸、pH調整剤、防腐剤、香料、粉体、紫外線吸収剤、増粘剤、色素、酸化防止剤、美白剤、キレート剤等の成分を配合することができる。 本発明の組成物に含まれる前記抽出物の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、用いる剤型、使用対象等の様々の条件に応じて、広範囲でその含有量を適宜設定できる。なお、上述のように本発明の組成物は、前記抽出物そのもの(含有量:100質量%)でもよい。(化粧料) 本発明の化粧料は、前記組成物を含有してなり、必要に応じて更にその他の成分を含有してなる。この組成によれば、後述する実施例で示すように、優れたヒアルロン酸産生促進作用を有する組成物を含有するため、優れたシワ又はタルミの改善作用、皮膚のハリ改善作用、皮膚のキメ改善作用、皮膚の弾力性維持作用、美容作用、並びに抗老化作用を有する化粧料が得られる。 前記化粧料は、前記組成物をそのまま使用してもよく、単に水(精製水など)で希釈して用いてもよく、或いは組成物の効果を損なわない範囲内で、組成物に用いられる成分である油脂類、ロウ類、炭化水素類、脂肪酸類、アルコール類、エステル類、界面活性剤、金属石鹸、pH調整剤、防腐剤、香料、保湿剤、粉体、紫外線吸収剤、増粘剤、色素、酸化防止剤、キレート剤等の成分を配合することができる。 本発明の化粧料は、外皮等に適用される化粧料であり、皮膚用、頭皮用、毛髪用、爪用、髭剃用、デオドラント用、香料用のいずれの用途にも用いることができる。 前記化粧料の剤型としては、特に制限はなく、アンプル状、カプセル状、粉末状、顆粒状、固形状、液状、ゲル状、気泡状、乳液状、クリーム状、軟膏状、シート状、ムース状、粉末分散状、多層状、エアゾール状等の剤型とすることができる。具体的には、化粧水、美容液、乳液、クリーム、軟膏、ローション、オイル、パック等の基礎化粧料;石鹸、クレンジングクリーム、クレンジングローション、クレンジングミルク、洗顔料等の皮膚洗浄料;シャンプー、リンス、トリートメント等の洗髪用化粧料や、ヘアクリーム、ヘアスプレー、ヘアトニック、ヘアジェル、ヘアローション、ヘアオイル、ヘアエッセンス、ヘアウォーター、ヘアワックス、ヘアフォーム等の整髪料、育毛・養毛料、1剤式染毛剤や2剤式染毛剤、ヘアカラー等の染毛料、パーマネントウェーブ剤や縮毛矯正剤等のパーマ剤やウエーブ保持剤等の頭髪化粧料、ファンデーション、白粉、おしろい、口紅、頬紅、アイシャドウ、アイライナー、マスカラ、眉墨、まつ毛等のメークアップ化粧料;美爪料等の仕上げ用化粧料;香水類、浴用剤、その他、歯磨き類、口中清涼剤、含嗽剤、ガム、キャンデー、タブレット等の口腔用組成物、抗炎症剤、腋臭防止剤、ふけ又はかゆみ予防用毛髪化粧料、脱毛抑制剤、除毛剤、髭剃り用剤、日焼け止め剤、にきび予防乃至改善剤、油性肌用化粧料、衛生用品、衛生綿類、ウエットティシュ等が挙げられる。 本発明の化粧料に含まれる前記組成物の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、品質向上及び製造安定性の観点から、乾燥重量として0.0001質量%〜50質量%が好ましく、0.01質量%〜10質量%が更に好ましいが、用いる剤型、使用対象等の様々の条件に応じて、広範囲でその含有量を適宜設定できる。<飲食品> 本発明の組成物は、前記化粧料の他、飲食品に含有してもよい。この組成によれば、後述する実施例で示すように、優れたヒアルロン酸産生促進作用を有する組成物を含有するため、優れたヒアルロン酸産生促進作用、シワ又はタルミの改善作用、皮膚のハリ改善作用、皮膚のキメ改善作用、皮膚の弾力性維持作用、美容作用、及び抗老化作用を有する飲食品が得られる。 前記飲食品は、前記組成物をそのまま使用してもよく、単に水(精製水など)で希釈して用いてもよく、或いは前記組成物の効果を損なわない範囲内で、種々の栄養成分を加えて、食用に適した形態、例えば、粉末状、粒状、顆粒状、液状、ペースト状、クリーム状、タブレット状、カプセル状、カプレット状、ソフトカプセル状、錠剤状、棒状、板状、ブロック状、丸薬状、固形状、ゲル状、ゼリー状、グミ状、ウエハース状、ビスケット状、飴状、チュアブル状、シロップ状、スティック状などに成形して食品素材として提供することができる。また、水、牛乳、豆乳、果汁飲料、乳清飲料、清涼飲料、青汁、ヨーグルトなどに添加して使用してもよい。 前記飲食品に含まれる前記組成物の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、品質向上及び製造安定性の観点から、乾燥重量として0.0001質量%〜50質量%が好ましく、0.01質量%〜10質量%が更に好ましいが、用いる剤型、使用対象等の様々の条件に応じて、広範囲でその含有量を適宜設定できる。 以下、本発明の実施例について説明する。なお、本発明は、下記の実施例に限定して解釈すべきではなく、特許請求の範囲における記載の範囲内で種々の変更が可能である。<製造例1:抽出物1の調製> 4℃〜10℃で2時間以上冷蔵保存したアイスプラント(バラフ)の地上部を、室温(15℃〜25℃)下においてミキサーで20分間粉砕した。粉砕されたアイスプラント(バラフ)を濾布を用いて濾過し、濾液を凍結乾燥(18時間)させた。これを抽出物1とし、試験に供するまで室温で遮光保存した。<製造例2:抽出物2の調製> 0℃以下で2時間以上冷凍保存したアイスプラント(バラフ)の地上部を解凍した後、室温(15℃〜25℃)下においてミキサーで20分間粉砕した。粉砕されたアイスプラント(バラフ)を濾布を用いて濾過し、濾液を凍結乾燥(18時間)させた。これを抽出物2として、試験に供するまでは、室温で遮光保存した。(実施例1:ヒアルロン酸産生促進の評価) アイスプラント(バラフ)から得られた抽出物のヒアルロン酸産生促進作用を、以下のようにして、試験した。 無血清のDulbeccoo’s Modified Eagle’s Medium(シグマ社製、以下「DMEM」と略す)に前記抽出物1を懸濁した後、無血清DMEMで希釈したものを0.2μmフィルターで処理し、無血清DMEMで希釈して終濃度50μg/mLのサンプル溶液を得、試験に供した。<細胞賦活活性の測定> 繊維芽細胞HFSKF−II(Cell No.RCB0698、独立行政法人 理化学研究所バイオリソースセンターより入手)を75cm3フラスコを用いて、10%(体積/体積)Fetal Bovine Serum(BioWest社製、以下「FBS」と略す)含有DMEMにより、37℃、5%CO2インキュベーター(エスペック株式会社製)で、24時間培養した。トリプシン処理により浮遊させた細胞(2.5×104cells/mL)を、75cm3フラスコから96ウェルプレートの各ウェルに0.2mLずつ播種し(5.0×103cells/ウェル)、37℃、5%CO2インキュベーター内で24時間前培養を行った。前培養後、培地を除去し、無血清DMEMで希釈したサンプル溶液100μLと20体積%FBS含有DMEM 100μLとを添加し(FBSの終濃度:10体積%)、37℃、5%CO2インキュベーターで24時間培養した。なお、陰性対照(コントロール)としては、サンプル溶液に代えて等量の無血清DMEMを用いた。 培養後、後述するヒアルロン酸産生量の測定用に各ウェルから培地上清100μLを採取した。残った培地を除去した後、180μL/ウェルの無血清DMEMで1回洗浄し、無血清DMEMで30倍に希釈したCell Counting Kit−8溶液(同仁化学株式会社製)を180μL/ウェル添加した。37℃、5%CO2インキュベーター内で適度に発色させ、波長450nmにおける吸光度をマイクロプレートリーダー(サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社製)により測定した。 得られたデータを元に下記式に従い、コントロールを100とした時の、コントロールに対する相対値(% of control)を算定した。得られた数値は、各群(n=3又は6)で平均値及び標準誤差(SEM)を算出した。結果を表1に示す。% of control =(Datasample−Datablank)/(Datacontrol−Datablank)×100 Datasample:被検物質を含む検体の吸光度(細胞、被検物質及びCell Counting Kit溶液の入ったウェル) Datacontrol:被検物質を含まないコントロールの吸光度(細胞及びCell Counting Kit溶液の入ったウェル) Datablank:細胞を含まないブランクの吸光度(培地及びCell Counting Kit溶液の入ったウェル)<ヒアルロン酸産生量の測定> 上記で各ウェルから採取した培地上清におけるヒアルロン酸産生量の測定を、ヒアルロン酸測定キット(生化学バイオビジネス株式会社製、code.280566)を用い、そのプロトコールに従って行い、コントロールを100とした時の、コントロールに対するヒアルロン酸の相対値(%)を算定した。また、賦活活性を100%とした場合のヒアルロン酸量〔賦活活性で割戻した値:(ヒアルロン酸産生量/細胞賦活活性)×100〕も求めた。結果を図1及び表1に示す。(実施例2) 実施例1において、抽出物1を抽出物2に変更した以外は、実施例1と同様にしてサンプルを準備し、ヒアルロン酸量を測定した。結果を図1及び表1に示す。 図1及び表1から、アイスプラント(バラフ)の抽出物には、繊維芽細胞におけるヒアルロン酸産生の促進効果があることが分かった。本発明の組成物は、このように高いヒアルロン酸産生作用を有するため、シワ又はタルミの改善、皮膚のハリ改善、皮膚のキメ改善、及び皮膚の弾力性維持、美容及び抗老化などの用途においても有用であると考察される。 本発明の組成物は、ハマミズナ科の植物体から抽出した抽出物を含有することを特徴としており、優れたヒアルロン酸産生促進作用を有するため、ヒアルロン酸産生促用、シワ又はタルミの改善用、皮膚のハリ改善用、皮膚のキメ改善用、皮膚の弾力性維持用、美容用、及び抗老化用等の用途に有効である。本発明の組成物は、そのまま又は種々の成分を加えて、化粧料として好適に用いることができる。 ハマミズナ科の植物体から抽出した抽出物を含有することを特徴とするヒアルロン酸産生促進用組成物。 ハマミズナ科の植物体から抽出した抽出物を含有し、シワ又はタルミの改善、皮膚のハリ改善、皮膚のキメ改善、皮膚の弾力性維持、美容、及び抗老化のいずれかの用途で用いられることを特徴とする組成物。 ハマミズナ科の植物体が、アイスプラントに含まれる植物体である請求項1から2のいずれかに記載の組成物。 請求項1から3のいずれかに記載の組成物を含有することを特徴とする化粧料。 【課題】優れたヒアルロン酸産生促進作用を有するヒアルロン酸産生促進用組成物、シワ又はタルミの改善用組成物、皮膚のハリ改善用組成物、皮膚のキメ改善用組成物、皮膚の弾力性維持用組成物、美容用組成物、及び抗老化用組成物、並びに、これらの組成物を含有する化粧料の提供。【解決手段】ハマミズナ科の植物体から抽出した抽出物を含有するヒアルロン酸産生促進用組成物、シワ又はタルミの改善用組成物、皮膚のハリ改善用組成物、皮膚のキメ改善用組成物、皮膚の弾力性維持用組成物、美容用組成物、及び抗老化用組成物、並びに、これらの組成物を含有する化粧料である。前記ハマミズナ科の植物体がアイスプラントに含まれる植物体である態様が好ましい。【選択図】図1