タイトル: | 公開特許公報(A)_ロジン変性フェノール樹脂の製造方法 |
出願番号: | 2012007116 |
年次: | 2013 |
IPC分類: | C07C 67/08,C07C 69/757,C09D 11/02,C08G 8/34,C07B 61/00 |
石原 爾 矢島 久夫 岡本 和哉 鈴木 美子 JP 2013147435 公開特許公報(A) 20130801 2012007116 20120117 ロジン変性フェノール樹脂の製造方法 東洋インキSCホールディングス株式会社 000222118 石原 爾 矢島 久夫 岡本 和哉 鈴木 美子 C07C 67/08 20060101AFI20130705BHJP C07C 69/757 20060101ALI20130705BHJP C09D 11/02 20060101ALI20130705BHJP C08G 8/34 20060101ALI20130705BHJP C07B 61/00 20060101ALN20130705BHJP JPC07C67/08C07C69/757 ZC09D11/02C08G8/34C07B61/00 300 4 OL 9 4H006 4H039 4J033 4J039 4H006AA02 4H006AC23 4H006AC42 4H006AC46 4H006AC48 4H006BA04 4H006BA30 4H006BA85 4H006BB11 4H006BB16 4H006BC33 4H006BD70 4H006BJ50 4H006BN30 4H006KA06 4H039CA66 4H039CD10 4H039CD30 4J033CA03 4J033CA12 4J033CA37 4J033CB18 4J033CC04 4J033HB00 4J039AB04 4J039AB08 4J039AE02 4J039AF01 4J039BC02 4J039BC03 4J039BC16 4J039BC19 4J039BC60 4J039BE01 4J039BE12 4J039BE15 4J039BE23 4J039CA02 4J039EA33 4J039EA42 4J039EA44 4J039EA48 4J039GA02 本発明は、ロジン変性フェノール樹脂の製造方法に関する。 印刷インキに使用されるロジン変性フェノール樹脂とは、松から採取される有機酸の複合物であるロジンによりフェノール樹脂を変性したものであり、更にはこれをグリコール成分との反応によりエステル化することで高分子量化し高粘弾性を有する合成樹脂としたものである。ロジンフェノール樹脂の歴史は古く、その基礎的な合成方法は公知の技術として知られている。一般的には、大きく別けて、溶融したロジンを予め合成したフェノール樹脂と反応し、その後にアルコール成分との反応によりエステル化を行う方法と、溶融したロジンをグリコール成分によりエステル化したものと予め合成しておいたフェノール樹脂とを反応させる方法の2つがある。これらの合成方法においては、エステル化反応時の触媒として、塩酸、硫酸、スルホン酸等の強酸類、またはカルシウム、アルミニウム、亜鉛等の水酸化物、酸化物、酢酸塩等の金属化合物が使用される。 ロジン変性フェノール樹脂が、印刷用インキの原料として使用される場合、前述したロジン変性フェノール合成方法の二つのうちどちらにおいても、樹脂の溶解性、顔料分散性に関しては金属化合物を用いた場合のほうが良好な結果が得られることが判っている。そのため、特許文献1のようにこれら金属塩をエステル化触媒として使用するのはもちろんのこと、特許文献2に見られるように、ロジンなどの樹脂酸と反応させた金属塩の形で用いられる例もある。これら金属触媒は、ほとんどが塊状あるいは、これを粉砕した粉状のため、そのまま添加を行うと、反応系であるロジン、フェノール等の反応系中でダマになり易く、さらには、均一な分散が起こらないことにより触媒機能を十分に発揮しないため、溶剤等と混合し、スラリー状にして添加されることが多い。然しながら、これら金属化合物触媒を用いたエステル化反応では、触媒添加時に急激な反応性から激しい発泡を伴う。この発泡により、泡を巻き込んだ反応物が反応器内で容積を増し、反応装置に必要な冷却装置を汚染したり、泡の盛り上がりにより反応釜の配管まで到達し、汚染してしまう場合もある。特に、重合度の大きいフェノール樹脂を用いたロジン変性フェノール樹脂においては、反応系の粘度が高くなる傾向があるため、巻き込み泡が安定化し、反応釜中の反応物が急激に大量の泡を含んだ状態となり、反応の制御が困難になりやすいので、このような高重合度のフェノール樹脂を用いたロジン変性フェノール樹脂を、金属化合物をエステル化触媒として製造することは非常に困難である。 特許文献3では、ロジン、レゾール、グリコールを反応させた後に金属塩を添加することで反応系を低粘度に保ちつつ、最終的に高粘度の樹脂を製造する方法を提示しているが、この方法では、ロジン、レゾール、グリコール間のエステル化反応のための触媒を使用しないか、または、酸触媒を用いて反応させた後、酸触媒を減圧蒸留により除去する工程が追加されることになる。この場合、触媒を使用しない反応では反応時間そのものが触媒を使用する場合と比較して格段に長くなることが予想される。また、酸触媒を使用する場合は減圧蒸留が通常より1工程増えることで反応時間が長く、減圧機器等の付加設備も必要となる。いずれも、工程時間が長くなり設備投資も増えることで樹脂製品のコスト高を招くことになる。また、減圧工程により、低分子量成分が反応系外に出てしまうことで、樹脂の溶解性を落とす一因ともなる。特開H3−259910号公報特開2002−137634号公報特開平11−286529号公報 本発明は、金属化合物をエステル化触媒とした、溶解性の高いロジン変性フェノール樹脂を、短時間反応で行い、合成中の気泡発生による反応の不均一化を防ぐことで当該樹脂を使用する平版用印刷インキの性能安定をはかり、また、樹脂合成反応器の汚染を防ぐことを目的とする。 本発明に関し鋭意検討を行った結果、金属化合物をエステル化触媒としたロジン変性フェノール樹脂を製造するにあたって、金属化合物として特定の酸化カルシウムを使用し、メチルイソブチルケトン、ジエチルケトンおよびシクロヘキサノンから選ばれる1種類の溶剤と、キシレンとを1:2に混合した溶液に混合分散したものを使用することにより、発泡がほとんど起こらない状態となることを見出し本発明を完成させた。 すなわち、本発明は、 ロジン類と フェノール類およびアルデヒド類を反応させてなるフェノール樹脂とをロジン類のカルボン酸が、一部残るように反応してなるロジン変性フェノール樹脂を、さらに、酸化カルシウムをエステル化触媒として、グリコール類によりエステル化反応してなるロジン変性フェノール樹脂の製造方法であって、 酸化カルシウムが、 粒子径20μm〜150μm であり、エステル化触媒として、添加される際、 メチルイソブチルケトン、ジエチルケトンおよびシクロヘキサノンから選ばれる1 種類以上の溶剤と キシレンとを1:2の重量比率にて混合した溶液に、分散された後に添加されることを特徴とするロジン変性フェノール樹脂の製造方法に関するものである。 さらに、本発明は、 前記フェノール樹脂が、 重量平均分子量800〜2000 および 数平均分子量400〜1000 であるレゾール型フェノール樹脂であることを特徴とする上記のロジン変性フェノール樹脂の製造方法に関するものである。 また、本発明は、上記のロジン変性フェノール樹脂の製造方法により製造してなることを特徴とするロジン変性フェノール樹脂に関するものである。 さらに、本発明は、上記のロジン変性フェノール樹脂を含有することを特徴とする平版用インキ組成物に関するものである。 本発明の製造方法によれば、気泡の発生により反応器を汚染することなく、均一な反応で、溶解性の高いロジン変性フェノール樹脂を製造することが可能である。 まず、本発明のさらに詳細な形態について説明する。本発明において使用することの出来るロジン類は、ガムロジン、ウッドロジン、トールロジン、重合ロジン、不均化ロジン、水素添加ロジン等をあげることができる。最初に、これら前述したロジン類を180℃〜200℃で加熱溶解する。このとき、必要があれば、これらのロジンに無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、アクリル酸、等のエチレン性不飽和カルボン酸化合物を180℃〜200℃の温度で付加させることも可能である。 次に、200℃±20℃の状態でレゾール型フェノール樹脂を2〜4時間かけて徐々に添加する。この操作により、ロジン変性フェノール樹脂の中間物が生成する。この工程におけるレゾール型フェノール樹脂を構成するフェノールとしては、石炭酸、クレゾール、p−ターシャリーブチルフェノール、p−オクチルフェノール、p−ノニルフェノール、p−ドデシルフェノール、ビスフェノールA等が可能であるが、好ましくは、p-ターシャリーブチルフェノール、p−オクチルフェノール、p−ノニルフェノールのそれぞれ単独かまたはこれらから選ばれる、2種類、或いは3種類を混合した物が良好な物性が得られる。レゾール型フェノール樹脂は、これらフェノール類1モルに対してホルムアルデヒド1.5〜3モルの割合で混合し、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸化カリウム等のアルカリ触媒の存在下で縮合重合反応を行うことで得ることができる。更に好ましくは、ロジン変性フェノール樹脂の溶解性を良好にする目的で、ポリスチレン換算で重量平均分子量を800〜2000、数平均分子量を400〜1000の範囲とするレゾール型フェノール樹脂とすることができる。また、こうして出来たレゾール型フェノール樹脂は酸により中和してアルカリ触媒を濾過分離する、或いは水洗浄を行う場合もある。 次工程として、系内を230℃〜260℃の加熱状況下でグリコール成分と、ロジン変性フェノール樹脂中間物とのエステル化反応を行う。このエステル化反応に使用できるグリコール成分としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ブタンジオール ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール等がある。これらのアルコール成分は、ロジンのカルボキシル基1モルに対してグリコール成分の水酸基が0.7〜1.2モルとなる範囲で添加可能である。 前述のアルコール成分を添加した直後にエステル化触媒の添加を行う。この時のエステル化触媒としては、酸化カルシウムを用いる。通常、金属化合物として、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、等の金属水酸化物、酸化物、酢酸金属塩、蟻酸金属塩、シュウ酸金属塩、塩化物を使用することが公知であるが、これら金属化合物の中で、ほとんどの金属化合物がロジンとレゾールが反応した後に添加されると、反応促進効果により急激に増粘と発泡がおこるのに対して酸化カルシウムを使用することにより、これが抑えられる。さらに(a)粒子径20μ〜150μの酸化カルシウムを(b)メチルイソブチルケトン、ジエチルケトン、シクロヘキサノンから選ばれる1種類の溶剤と、キシレンを1:2に混合した溶液に混合分散したものを使用することにより、反応中の気泡を抑制し、かつ均一な反応が可能であることを見出した。(b)の分散溶媒については、酸化カルシウムにおいては、ケトン類とキシレンを1:2の割合にすることにより、粉末の凝集を抑制した良好な分散状態のスラリーを維持したまま反応系内に添加が可能であった。この均一分散された酸化カルシウムにより、触媒反応が速やかに進行することを見出した。ここで使用されるケトン類は、レゾールの溶媒であるキシレンと共に、反応中に反応時の過熱により反応容器外に除去されることになるが、ロジン変性フェノール樹脂製造工程における反応温度が230℃〜300℃と高温である事から、低沸点のケトン類の使用は製造上危険が伴う。また、180℃を超えるような高沸点を有するものであると反応中にキシレンと共に系外に出にくくなるために、沸点100℃〜160℃程度のメチルイソブチルケトン、ジエチルケトン、シクロヘキサノンの中から選ばれるケトン類である必要となる。また、酸化カルシウムの添加量としては、使用するロジン類の100重量部に対して、0.1〜2.0重量部の範囲であるが、0.5〜1.0重量部がより好ましい。 本製造方法によってエステル化反応を行い、所定の重量平均分子量、酸価に調整することにより、発泡性を抑え、均一に反応した高溶解性の、グリコールによりエステル化されたロジン変性フェノール樹脂を得ることが出来る。 次に、実施例を示して、本発明を具体的に説明する。本発明において、特に断らない限り、「部」は「重量部」を、「%」は「重量%」を表すものとする。[レゾール型フェノール樹脂製造例1] 攪拌機、温度計、冷却管を備えた反応容器にp−ターシャリーブチルフェノール360.5部とp-オクチルフェノール123.8部、 パラホルムアルデヒド(92%)195.9部、キシレン245.8部を仕込み、窒素雰囲気下で攪拌しながら60℃まで昇温を行う。次に水酸化カルシウムを4.8部添加した後に80℃まで昇温し、80℃になった時点から9時間、一定温度で反応を行い、反応終了後、容器内温を50℃まで冷却した後、20%硫酸30.6部を添加し、30分攪拌を行う。その後攪拌を停止し30分静置する。沈殿した硫酸カルシウムと水分を除去し、重量平均分子量1520、数平均分子量604のレゾール型フェノール樹脂Aキシレン溶液(固形分比率73%)を得た。[レゾール型フェノール樹脂製造例2] 攪拌機、温度計、冷却管を備えた反応容器にp−ターシャリーブチルフェノール450.7部、 パラホルムアルデヒド(92%)195.9部、キシレン233.3部を仕込み、窒素雰囲気下で攪拌しながら60℃まで昇温を行う。次に水酸化カルシウムを4.5部添加した後に80℃まで昇温し、80℃になった時点から5時間、一定温度で反応を行い、反応終了後、容器内温を50℃まで冷却した後、20%硫酸28.8部を添加し、30分攪拌を行う。その後攪拌を停止し30分静置する。沈殿した硫酸カルシウムと水分を除去し、重量平均分子量340、数平均分子量255のレゾール型フェノール樹脂Bキシレン溶液(固形分比率73%)を得た。[レゾール型フェノール樹脂製造例3] 攪拌機、温度計、冷却管を備えた反応容器にp−ターシャリーブチルフェノール450.7部、 パラホルムアルデヒド(92%)195.9部、キシレン233.3部を仕込み、窒素雰囲気下で攪拌しながら60℃まで昇温を行う。次に水酸化カルシウムを2.3部添加した後に90℃まで昇温し、90℃になった時点から4時間、一定温度で反応を行い、反応終了後、容器内温を50℃まで冷却した後、20%硫酸14.4部を添加し、30分攪拌を行う。その後攪拌を停止し30分静置する。沈殿した硫酸カルシウムと水分を除去し、重量平均分子量600のレゾール型フェノール樹脂Cキシレン溶液(固形分比率73%)を得た。 以下に、ロジン変性フェノール樹脂の製造例を列挙するが、製造例中における、AF7ソルベント溶解性については、ケモトロニック(novo matics社製)を用いて、樹脂サンプル2gに対して、AF7ソルベント18gを添加した試料を加熱し、さらに冷却していったときの曇天を検出したものである。[ロジン変性フェノール樹脂製造例1] 攪拌機、温度計、滴下装置、分水器付冷却管を備えた反応容器(ガラス製1Lセパラブルフラスコを使用)にガムロジン(荒川化学工業社製)390.0部、 を仕込み、窒素雰囲気下で攪拌しながら200℃まで昇温を行う。次に予め用意しておいたレゾール型フェノール樹脂キシレン溶液A350.0部を2時間かけて滴下し、レゾール型フェノール樹脂とロジンを反応させる。その後2時間をかけて反応温度を250℃に昇温する。予め調整しておいたメチルイソブチルケトン/キシレン=1/2溶液3.5部と平均粒子径50μmの酸価カルシウム 3.0部をディスパーにて混合攪拌し、スラリー状にしたものを作成し、これをグリセリン42.0部を添加した後に添加する。250℃で水分及びキシレンを系外に除去しながら4時間反応を行った後260℃に昇温し、更に10時間反応を行い、酸価22.0 重量平均分子量1万7千、AF7溶解性65℃のロジン変性フェノール樹脂Dを得た。[ロジン変性フェノール樹脂製造例2] 樹脂製造において使用するレゾール型フェノール樹脂Aキシレン溶液をレゾール型フェノール樹脂Bキシレン溶液に変更した以外はロジンフェノール樹脂製造例1と同様の方法で、酸価21.8 重量平均分子量2万3千、AF7溶解性73℃のロジン変性フェノール樹脂Eを得た。[ロジン変性フェノール樹脂製造例3] 樹脂製造において使用するレゾール型フェノール樹脂Aキシレン溶液をレゾール型フェノール樹脂Cシレン溶液に変更した以外はロジンフェノール樹脂製造例1と同様の方法で、酸価18.3、重量平均分子量1万4千、AF7溶解性70℃のロジン変性フェノール樹脂F得た。[ロジン変性フェノール樹脂製造例4] 樹脂製造において使用する酸化カルシウムを粒子径100μmのものに変更した以外はロジンフェノール樹脂製造例1と同様の方法で、酸価20.2、重量平均分子量1万8千、AF7溶解性67℃のロジン変性フェノール樹脂G得た。[ロジン変性フェノール樹脂比較例1] 樹脂製造において使用する酸化カルシウムを粒子径500μmのものに変更した以外はロジンフェノール樹脂製造例1と同様の方法で、酸価22.5、重量平均分子量3万7千、AF7溶解性93℃のロジン変性フェノール樹脂Hを得た。[ロジン変性フェノール樹脂比較例2] 樹脂製造においてキシレン3.5部で酸化カルシウム3.0部をディスパーにて混合攪拌したスラリーを用いた以外はロジンフェノール樹脂製造例1と同様の方法で、酸価21.8、重量平均分子量1万5千、AF7溶解性75℃のロジン変性フェノール樹脂Iを得た。[ロジン変性フェノール樹脂比較例3] 樹脂製造において使用する酸化カルシウム3.0部を酸化亜鉛4.4部に変更した以外はロジンフェノール樹脂製造例1と同様の方法で、酸価31.3、重量平均分子量2万6千、AF7溶解性60℃のロジン変性フェノール樹脂Jを得た。[ロジン変性フェノール樹脂比較例4] 樹脂製造において使用する酸化カルシウム3.0部を水酸化カルシウム4.0部に変更した以外はロジンフェノール樹脂製造例1と同様の方法で、酸価19.4、重量平均分子量1万6千、AF7溶解性67℃のロジン変性フェノール樹脂Kを得た。(ワニス製造例) 攪拌機、温度計、滴下装置、分水器付冷却管を備えた反応容器に、ロジン変性フェノール樹脂(D、E、F、G、H、I、J、K)、大豆油、石油系溶剤、ゲル化剤ALCH(川研ファインケミカル(株)製)を表1の配合により添加し、窒素雰囲気下で190℃−1時間攪拌を行い、ワニスD、E、F、G、H、I、J、Kを得た。(インキ製造例) ワニス(D、E、F、G、H、I、J、K)、藍顔料(フタロシアニンブルー)を別表2の組成で混合攪拌した後、3本ロールで錬肉し、インキベースを得た後、このインキベースに対して大豆油、コンパウンド、金属ドライヤー、乾燥抑制剤をそれぞれ表2の配合比率で添加、攪拌を行い、それぞれのワニスに対してインキD、E、F、G、H、I、J、Kを得た。(性能評価)(発泡性の評価) 樹脂発泡性の評価は、1Lセパラブルフラスコ中にて樹脂合成時に、半月板攪拌子を用いて200rpmにて攪拌中にそれぞれの金属触媒を添加した20分間後に発泡した液面の高さを目視により比較した。評価は、○;発泡による液面が触媒添加前より3cm未満 △;発泡による液面が触媒添加前より3cm以上8cm未満 ×;発泡による液面が触媒添加前より8cm以上(セパラブルフラスコの蓋上部まで樹脂が汚染)(光沢値) 光沢値は、プリューフバウ展色機にて三菱製紙社製パールコート紙に同一濃度となるように展色し、光沢計グロスメーターモデルGM−26((株)村上色彩技術研究所製)にて60℃光沢を測定した。数値が高いほど良好な光沢とする。評価基準 ○;60以上 △;50〜60未満 ×;50未満 性能評価結果を表3に示した。 表3に示したとおり、発泡性に関しては、酸化カルシウムを用いたそれぞれの実施例、については良好であったのに対し、酸化亜鉛、水酸化カルシウムを用いた比較例3、4は反応容器の上部まで発泡があり、また、比較例1、2についても程度は抑えられるものの十分発泡が抑えられているとは言えなかった。 光沢については、実施例については、溶解性が十分な樹脂となり、インキの光沢が良好であったが、酸化カルシウムの粒子径の大きい比較例1は触媒作用が十分ではなく、樹脂溶解性が劣り、インキ光沢が十分得られなかった。 ロジン類と フェノール類およびアルデヒド類を反応させてなるフェノール樹脂とをロジン類のカルボン酸が、一部残るように反応してなるロジン変性フェノール樹脂を、さらに、酸化カルシウムをエステル化触媒として、グリコール類によりエステル化反応してなるロジン変性フェノール樹脂の製造方法であって、 酸化カルシウムが、 粒子径20μm〜150μm であり、エステル化触媒として、添加される際、 メチルイソブチルケトン、ジエチルケトンおよびシクロヘキサノンから選ばれる1 種類以上の溶剤と キシレンとを1:2の重量比率にて混合した溶液に、分散された後に添加されることを特徴とするロジン変性フェノール樹脂の製造方法。 前記フェノール樹脂が、 重量平均分子量800〜2000 および 数平均分子量400〜1000 であるレゾール型フェノール樹脂であることを特徴とする請求項1記載のロジン変性フェノール樹脂の製造方法。 請求項1または2記載のロジン変性フェノール樹脂の製造方法により製造してなることを特徴とするロジン変性フェノール樹脂。 請求項3のロジン変性フェノール樹脂を含有することを特徴とする平版用インキ組成物。 【課題】金属化合物をエステル化触媒とした、溶解性の高いロジン変性フェノール樹脂を、短時間反応で行い、合成中の気泡発生による反応の不均一化を防ぐことで当該樹脂を使用する平版用印刷インキの性能安定をはかり、また、樹脂合成反応器の汚染を防ぐことを目的とするロジン変性フェノール樹脂合成方法の提供。【解決手段】金属化合物をエステル化触媒としたロジン変性フェノール樹脂を製造するにあたって、金属化合物として(a)粒子径20μ〜200μの酸化カルシウムを(b)メチルイソブチルケトン、ジエチルケトン、シクロヘキサノンから選ばれる1種類の溶剤と、キシレンを1:2に混合した溶液に混合分散したものを使用することにより、発泡がほとんど起こらない状態にすることで均一な反応を促進し、高溶解性な樹脂を製造することが可能となる。【選択図】なし