生命科学関連特許情報

タイトル:公表特許公報(A)_タンパク質/グルコシノレート静電複合体
出願番号:2011553395
年次:2012
IPC分類:A23L 1/30,A23L 1/305,A23L 2/52,A61K 9/107,A61K 47/42,A61K 47/26


特許情報キャッシュ

ラデ−クキック, コラルカ シュミット, クリストフ ヨセフ エチエンヌ JP 2012520062 公表特許公報(A) 20120906 2011553395 20100303 タンパク質/グルコシノレート静電複合体 ネステク ソシエテ アノニム 599132904 長谷川 芳樹 100088155 黒川 朋也 100114270 清水 義憲 100128381 池田 成人 100107456 戸津 洋介 100140453 ラデ−クキック, コラルカ シュミット, クリストフ ヨセフ エチエンヌ EP 09155000.4 20090312 A23L 1/30 20060101AFI20120810BHJP A23L 1/305 20060101ALI20120810BHJP A23L 2/52 20060101ALI20120810BHJP A61K 9/107 20060101ALI20120810BHJP A61K 47/42 20060101ALI20120810BHJP A61K 47/26 20060101ALI20120810BHJP JPA23L1/30 BA23L1/305A23L2/00 FA61K9/107A61K47/42A61K47/26 AP(BW,GH,GM,KE,LS,MW,MZ,NA,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),EP(AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PE,PG,PH,PL,PT,RO,RS,RU,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN,ZA,ZM,ZW EP2010052703 20100303 WO2010102936 20100916 19 20111019 4B017 4B018 4C076 4B017LC03 4B017LK06 4B017LK11 4B017LK15 4B017LK18 4B017LL09 4B018LB07 4B018LB08 4B018LB09 4B018MD07 4B018MD20 4B018MD27 4B018MD71 4B018ME08 4B018MF02 4C076AA17 4C076BB01 4C076DD69T 4C076EE41T 4C076FF36 4C076FF52 本発明は、静電複合体の分野に関する。本発明の実施形態は、少なくとも1つの乳タンパク質と少なくとも1つのグルコシノレートとを含有する食品等級の静電複合体、並びに、例えば、グルコシノレートの知覚される苦さを減少させるため、及び/又はエマルジョン及び/又は泡(foam)を形成及び安定化させるための、そのような複合体の使用に関する。 グルコシノレート(GLS)は、例えば、ブロッコリー、ケール、キャベツ、カリフラワー、芽キャベツ、カブ又はカラシナなどのアブラナ科の野菜において合成される、天然の硫黄含有フィトケミカルである。 これらの野菜の摂取は、例えば、癌、特に、肺癌、胃癌、結腸癌及び直腸癌の発生の減少と関連してきた。これらの野菜の保護的作用は、β−D−チオグルコース基と、スルホン化部分と、メチオニン、トリプトファン、フェニルアラニン又は様々な分岐鎖アミノ酸に由来する変化に富む側鎖とを含む共通の構造を有するGLSの存在に主に起因すると考えられている。 GLSは、カリウム塩として天然に存在することが多い。硫酸基の存在は、側鎖にかかわりなく、インタクトなGLSに強酸性の特性を与える。硫酸基及びチオグルコース部分のために、インタクトなGLSは常に水溶性である。 グルコシノレートの化学的性質は、van Etten及びTookey(Glucosinolates.In CRC Handbook of naturally occurring food toxicants.M Rechcigl Jr(編)、CRC Press:Boca Raton,FL.15〜30ページ、1983)によって広範に記載されている。 GLSは化学的に安定であり、生物学的に不活性であると考えられているが、植物酵素ミロシナーゼ、又はヒト結腸細菌と接触させると、GLSは分解されてグルコース及び不安定なアグリコンを放出する。後者のアグリコンは、自発的な転位を受けて、加水分解条件に応じて、ニトリル、チオシアネート、エピチオニトリル又はイソチオシアネート(ITC)を含む、生じ得る様々な生成物となる。ITCは、癌発症のプロセスに介入する最も強力な天然の生物活性化合物の1つであると考えられている。ITCは、内因性の抗酸化能に影響を及ぼすこと、解毒機構を強化すること、及び未分化細胞においてアポトーシスを誘導することができる。 国際公開第0245527号パンフレットは、グルコシノレート及び内因性ミロシナーゼ酵素を含有する、加工された脱水アブラナ属野菜組成物を記載している。内因性ミロシナーゼは、組成物が摂取されると、グルコシノレートをイソチオシアネートに変換する。 GLSは、いくつかの他のフィトケミカルと比較して、比較的高濃度で食事中に存在する。例えば、結腸直腸腺腫に対する保護的作用が報告されているレベルである、1週間当たり3〜4人前のブロッコリーを摂取している人は、300〜400mgのGLSを容易に摂取しているであろう。 国際公開第2004089065A1号パンフレットは、アブラナ属植物に高レベルの抗発癌性グルコシノレートを提供するための方法を記載している。 独国特許出願公開第102006004829号は、食品サプリメントを製造するための、フウチョウソウ目の根からのグルコシノレートの調製を記載している。 国際公開第9907240号パンフレットは、カラシ種子以外の十字花科植物の種子又はそのグルコシノレート含有抽出物を含む、製剤化された食品、特に、薬味のカラシを記載している。 国際公開第2006102236A1号パンフレットは、タンパク質を含まず、植物から抽出された天然のグルコシノレートを含む、癌予防のための食物製品、スキンケア又はヘアケア製品として有用な組成物を記載している。 国際公開第9920242号パンフレットは、ペクチン及びカロテノイド、グルコシノレート並びに/又はスルフォラファンを含有する食品用組成物及び化粧用組成物を記載している。 生物活性分子としてのそれらの高い潜在能力の他に、いくつかのGLS及びGLSの加水分解生成物は、アブラナ属野菜のフレーバーに影響を及ぼすが、いくつかのGLS及びGLSの加水分解生成物が添加される食物製品の味にもまた影響を及ぼす。上述した通り、身体のために非常に多くの利益を提供することができるが、GLSは、苦味を有することが知られている。 例えば、Drewnowski及びGomez−Carneros(Bitter taste,phytonutrients,and the consumer:a review.2000.Am J Clin Nutr、72、1424〜1435)は、アブラナ科植物中に存在するシニグリン及びプロゴイトリンの2つのグルコシノレートは苦味があることを報告した。 この苦味が理由で、グルコシノレートを含有する多くの食品はあまり好まれない。グルコシノレートを含有する食品が嫌悪されるため、不十分な量のグルコシノレートしか摂取されず、そのためグルコシノレートの有益な化合物はそれらの有益な効果をもたらすことができない。 したがって、当技術分野において、グルコシノレートの苦味の知覚を減少させながらグルコシノレートを投与することを可能にする製剤が必要である。 したがって、技術水準を向上させることが本発明の目的であった。特に、当技術分野に、苦味のない、又は少なくとも標準的な最先端のグルコシノレート含有組成物よりも減少した苦さを示すグルコシノレートを含む組成物を提供することが本発明の目的であった。 本発明者らが驚いたことには、独立請求項の主題によってこの目的を達成することができることが分かった。従属請求項は、本発明の概念をさらに発展させる。 本発明の主題は、GLSの潜在的な生物活性特性から利益を得るが、同時に、食品組成物においてグルコシノレートの化合物により誘導される苦味を減少させることを可能にする。 本発明者らは、本発明の目的を達成する、GLSと牛乳タンパク質、例えば、ホエータンパク質との静電複合体を提供する。 本発明者らはまた、これらの複合体が優れた乳化特性及び起泡特性を示すことも発見した。このことは、食品産業における複合体の適用性をさらに高める。 β−ラクトグロブリン(BLG)は、主なウシホエータンパク質である。本発明において、本発明者らは、乳タンパク質の一例としてBLGと、GLSとの複合体形成が、GLSの不快な味を減少させることができることを示す。これにより、味の理由からGLSを強化することがこれまでできなかった多くの食物製品にGLSを添加することが可能になる。本発明により、今や、様々な食物製品を介してGLSを送達することができる。加えて、静電複合体の形成は、タンパク質の機能特性を変更することを可能にし、食品成分としてのより広い及び/又は向上した用法を可能にする。25℃、pH4.0及び7.1でのシニグリン(SIN)のβ−ラクトグロブリン(BLG)(加熱あり又はなし)に対する結合曲線を示す図である。結合曲線の適合を、解離定数KD及び結合部位の最大数nmaxと一緒に、実線としてプロットしている。垂直のバーは、標準偏差を表す。図示している異なるグルコシノレートのタンパク質に対する混合比に対する、pH4.0での、(85℃、15分)での又は熱処理なしの、BLG−SIN静電複合体で作った泡の体積安定性を示す図である。5mMのシニグリンを用いて又はBLG−SIN静電複合体(モル比1:10)を用いて、(85℃、15分)で又は熱処理なしで、pH4.0で作製した10%水中油エマルジョンの、調製の4日及び26日後の、肉眼で見える外観を示す図である。エマルジョンは、+4℃で貯蔵した。0.5mMのSIN単独、及び熱処理(85℃、15分)後の、4のSIN/BLGモル比を有するBLGとの静電複合体の形態の苦味評価に関する官能評価値を示す図である。 したがって、本発明の一実施形態は、静電複合体を含む組成物である。静電複合体は、少なくとも1つのグルコシノレートと少なくとも1つの乳タンパク質とを含む。 「複合体」という用語は、任意の形態の少なくとも1つのグルコシノレートと少なくとも1つの乳タンパク質との間の会合を意味する。 本発明の複合体は、静電的に結合している複合体である。したがって、タンパク質は、好ましくは、グルコシノレート全体の正味電荷と反対の全体の正味電荷を有する。しかしながら、タンパク質電荷パッチを用いて、すなわち、タンパク質及びグルコシノレートが同様な正味電荷を有する条件において、形成される静電複合体もまた本願に含まれる。 静電複合体は、自然界において広く存在する。例えば、クロマチンは、DNAとヒストンタンパク質の静電複合体である。静電複合体形成はまた、広い分野の用途において、例えば、パーソナルケア製品、食物製品の製剤化において、コーティングにおいて、及び精製テクノロジーにおいて、利用されている。複合体形成の機構には、エンタルピーの力及びエントロピーの力の両方が関与し得る。会合の自由エネルギー中のエンタルピーの部分は、反対電荷の対形成に関連しており、一方、自由エネルギーに対するエントロピーの寄与は、対イオンの放出、並びに、それらの結合状態において分子の自由度が失われることの結果として生じ得る。 「乳タンパク質」という用語は、乳中に存在する任意のタンパク質、並びに任意の乳タンパク質画分又は乳由来のタンパク質画分を含む。 乳は、例えば、牛乳、ヒツジ乳、ヤギ乳、ウマ乳、ラクダ乳又は豆乳であってもよい。牛乳が好ましい。 本発明の代替の好ましい実施形態において、乳タンパク質は、好ましくはウシ由来の、ホエータンパク質、例えば、スイートホエータンパク質又は酸ホエータンパク質である。 したがって、乳タンパク質は、牛乳タンパク質画分又は牛乳由来のタンパク質画分であってもよい。例えば、乳タンパク質は、脱脂乳のタンパク質画分、乳タンパク質濃縮物、乳タンパク質分離物、カゼインミセル、カゼイン塩、αs1−カゼイン、αs2−カゼイン、β−カゼイン、κ−カゼイン、酸ホエー若しくはスイートホエーのタンパク質画分、ホエータンパク質濃縮物、ホエータンパク質分離物、α−ラクトアルブミン、β−ラクトグロブリン、ウシ血清アルブミン、ラクトフェリン、又はこれらの組合せからなる群から選択することができる。 グルコシノレートは、以下の一般式を有する。 グルコシノレートは、硫黄及び窒素を含有する有機化合物の1つのクラスであり、グルコース及びアミノ酸から得られる。R基は様々である。 例えば、Rは、2−プロペニル、4−ヒドロキシベンジル、p−ヒドロキシベンジル、ベンジル、2−フェネチル、2−フェニルエチル、3−ブテニル、4−メチルスルフィニルブチル、3−インドリルメチル、1−メチルプロピル、4−ペンテニル、2−ヒドロキシ−3−ブテニル(2R)、2−ヒドロキシ−3−ブテニル(2S)、2−ヒドロキシ−4−ペンテニル、3−メチルスルフィニルプロピル,3−メチルチオプロピル、3−メチルスルホニルプロピル、1−メトキシ−3−インドリルメチル、メチル、エチル、イソプロピル、2−プロピル、2−メチルブチル、(S)2−ヒドロキシ−2−フェニルエチル、p−メトキシベンジル、m−メトキシベンジル、4−メチルチオブチル、4−メチルチオブト−3−エニル(Me−S−CH=CH−CH2−CH2)、5−メチルチオペンチル、6−メチルチオヘキシル、8−メチルチオオクチル、9−メチルチオノニル、4−(メチルスルホニル)ブチル、N−アセチル−3−インドリルメチル、及び1−S−6−メチルスルフィニルからなる群から選択することができる。 グルコシノレートは、アブラナ科、フウチョウソウ科及びパパイア科を含むアブラナ目植物中に存在するが、ハツバキ属(トウダイグサ科)にもまた存在する。グルコシノレートを含有する典型的な植物は、カラシ、ラディッシュ、セイヨウワサビ、マカ、カラシナ、キャベツ、芽キャベツ、コールラビ、ケール、カリフラワー、ブロッコリー、カブ、スウェーデンカブ及びセイヨウアブラナを含む。 これらの植物又はこれらの植物のグルコシノレート含有抽出物を使用して、本発明の複合体を製造することができる。 約120種の異なるグルコシノレートが、植物中に天然に存在することが知られている。これらのグルコシノレートは、特定のアミノ酸から合成される。脂肪族グルコシノレートは、メチオニン、アラニン、ロイシン、バリン、又はその鎖伸長型に由来する。芳香族グルコシノレートは、トリプトファン由来の及びフェニルアラニン、その鎖伸長型同族体ホモフェニルアラニン由来の他のもののグルコブラシシンなどのインドールグルコシノレート、及びチロシン由来のシナルビンを含む。 本発明の一実施形態において、グルコシノレートは、フェニルアラニン由来のグルコシノレートなどの芳香族グルコシノレート、複素環式グルコシノレート、例えば、トリプトファン由来のグルコシノレートなどのインドリルグルコシノレート、及び、メチオニン、アラニン、ロイシン、若しくはバリン、又はこれらのアミノ酸の鎖伸長型同族体由来のグルコシノレートなどの脂肪族グルコシノレート、並びにこれらの組合せからなる群から選択することができる。 例えば、グルコシノレートは、シニグリン、シナルビン、グルコシナルビン、グルコトロペオリン(GTL)、グルコナスツルチイン(GNAST、GST)、グルコナピン(GNA)、グルコラフェニン、グルコラファニン、グルコブラシシン、グルココクレアリン、グルコブラッシカナピン(GBN)、プロゴイトリン、エピプロゴイトリン、グルコナポレイフェリン、グルコイベリン、グルコイベベリン(Glucoibeverin)、グルコイベルベリン(Glucoiberverin)(GIV)、グルコケイロリン、ネオグルコブラッシシン(NGBS)、グルコアッパリン(Glucoapparin)、グルコレピジン(Glucolepidin)、グルコプルタンジビン(Glucopurtanjivin)、グルコプトランジビン、グルコジアプチン(Glucojiaputin)、グルコバルバリン(BAR)、グルコアウブリエチン、グルコリムナンチン、グルコエルシン(GER)、グルコラファサチン、グルコベルテロイン、グルコレスクエレリン、グルコジルスチン(Glucojirsutin)、グルコアラビン(Glucoarabin)、グルコエリソリン、及びグルコアリッシンからなる群から選択することができる。 グルコシノレート及び乳タンパク質が複合体中に存在する比は、典型的には、グルコシノレートと乳タンパク質との間の電荷分布に依存する。これはまた、複合体が存在している媒体のpHによって影響を受けることもある。 典型的には、グルコシノレートと乳タンパク質は、約20:1〜1:20の範囲のモル比で、好ましくは、約10:1〜1:1の範囲のモル比で静電複合体中に存在し、約5:1〜1:1の範囲が最も好ましい。 本発明の複合体を含む組成物は、その特定のpHが本発明の複合体の形成を可能にする限り、換言すると、少なくとも1つの乳タンパク質と少なくとも1つグルコシノレートが反対に荷電している限り、任意のpHを有していてもよい。そのようなpH範囲の決定は、当業者の技術の範囲内である。 しかし、典型的には、本発明の組成物は、約2〜9、好ましくは約3〜7の範囲のpHを有する。 本発明の複合体を使用することにより、エマルジョンを安定化させ得ることが見出された。 エマルジョンは、2つの混合することのできない液体の混合物である。一方の液体(分散相)は、もう一方の液体(連続相)中に分散している。例えば、エマルジョンは、水中油又は油中水エマルジョンであってもよい。多くのエマルジョンは、食事性脂肪が日常生活において見られる油の1つの一般的なタイプである、油/水エマルジョンである。エマルジョンの例は、バター、マーガリン、乳、クリーム、マヨネーズ及び/又はビネグレットを含む。乳及びクリーム中で、水は脂肪の小滴を取り囲んでいる(水中油エマルジョン)。 本発明の複合体は、非常に良好な乳化安定性を提供することが示された。したがって、この複合体を使用して、エマルジョンを長い時間安定化させることができる。さらに、本発明の複合体を使用して、加熱条件下でエマルジョンを安定化させることもできる。 例えば、本発明者らは、本発明の複合体が、エマルジョンを酸性pH(例えば、pH4)で、及び高温(例えば、85℃)で安定化させることを可能にすることを示すことができた。 エマルジョンは、不安定化の何の徴候もなく、26日間安定なままであった。 したがって、本発明の複合体は、例えば、食品、化粧品及び/又は医薬品において、乳化剤及び/又は安定剤として使用されてもよい。 本発明の組成物は、エマルジョン、好ましくは、水中油エマルジョンを含んでいても、又はそれからなっていてもよい。 例えば、本発明の組成物は、泡(foam)を含んでいても、又は泡からなっていてもよい。泡は、多くの気泡を液体若しくは半固体中又は固体相中に分散させることにより形成される物質である。 本発明の組成物は、食物製品、栄養補助食品、食品添加物、医薬、局所適用のためのクリーム又は飲料であってもよい。 本発明の組成物はまた、グルコシノレートを含むエマルジョン及び/又は泡を含む、製品の調製のために使用されてもよい。この製品もさらにまた、食物製品、栄養補助食品、食品添加物、医薬、局所適用のためのクリーム又は飲料であってもよい。 本発明の複合体を含む組成物及び/又は製品は、デザート、フローズンデザート、乳製品、ペットフード、調理用製品、臨床用栄養製品などから選択されることが好ましい。特に、ソース、スープ、マヨネーズ、サラダドレッシング、クリーム、アイスクリーム、チョコレート、ムース、及び/又は乳を含み得る。 典型的な食物製品はまた、フィリング、ディップ、ソース、マヨネーズ、スプレッド、トッピング、乳製品ベースの製品、乳及び/若しくはクリームベースの泡及び/若しくはエマルジョン、サラダドレッシング、スープ、飲料又は経口食品サプリメントからなる群から選択されてもよい。 本発明の複合体又は組成物はまた、クリーム、泡、ムース、ゲル、シャンプー、乳液などの化粧品において使用されてもよい。 本発明の複合体が添加されてもよい医薬品は、錠剤、カプセル剤、シロップ剤などを含む。 乳化剤及び/又は安定剤として使用されるとき、複合体は、前記製品の0.01〜10重量%、好ましくは0.05〜2重量%、最も好ましくは0.1〜0.5重量%の量で製品中に存在することが好ましい。乳化特性及び安定化特性が低濃度で最良であることが実際に見出されている。したがって本発明の製品は、非常に有効な乳化剤及び/又は安定剤であるという利点を提供する。 本発明の複合体は、適切な量の少なくとも1つのグルコシノレート及び少なくとも1つの乳タンパク質を液体、好ましくは水ベースの媒体中で混合すること、及び複合体を形成させることによって簡単に調製することができる。任意選択により、pHを適切に調整してもよく、混合物を例えば、85℃まで15分間加熱してもよく、及び/又はかき混ぜてもよい。 結果として生じる複合体は、食品等級であるという利点を有する。材料がヒト又は動物の摂取用に認可されている化合物からなっていれば、その材料は食品等級である。 複合体は、添加される組成物において、乳化剤及び/又は安定剤として非常に有効である。さらに、この複合体は、天然成分のみを含むため、化学的に修飾された又は合成された製品からなる伝統的な乳化剤よりも魅力的である。また、本発明の複合体は、複合体を含めることができる製品に関して用途が広い。例えば、タンパク質及びグルコシノレートの選択を調整することによって、広いpH範囲にわたって乳化剤及び/又は安定剤として機能する。例えば、マヨネーズなどの約4.5のpHを有する酸性の製品において、並びに乳などの6.5を超えるpHを有する製品において使用することができる。 さらに、複合体形成後の溶液を、限外濾過に供してもよい。これは、本発明の複合体を遊離グルコシノレートから分離するという利点を有する。 好ましい一実施形態において、この溶液を次いで、噴霧乾燥、凍結乾燥又は真空乾燥などの当技術分野において知られている任意の方法によって乾燥する。 したがって、本発明の複合体は、溶液、ゲル、又は乾燥粉末の形態とすることができる。 さらなる実施形態において、タンパク質−グルコシノレート複合体は、さらなる成分の存在下で乾燥されてもよい。代替として、乾燥した加水分解タンパク質−グルコシノレート複合体を、他の乾燥した成分と混合してもよい。 結果として得られる製品は、本発明の複合体を含む、例えば、ミルク粉末又は脱水されたスープ粉末であってもよい。 本発明者らは、本発明に従って複合体を形成すれば、グルコシノレートが、その典型的な苦味を示さない、又は減少した苦味を少なくとも示すということを示すことができる。 8人の対象は、匂いと味の知覚の起こり得る相互作用を排除するためにノーズクリップを着用して、遊離形態及び複合体形態のグルコシノレートの苦さを比較して評点をつけた。タンパク質とグルコシノレートの静電複合体の形成により、グルコシノレートの知覚される苦さを顕著に減少させることが可能であることが示された。 したがって、本発明の組成物を使用して、グルコシノレート含有製品の味を向上させること、特に、グルコシノレートの苦さをマスキングすることができる。 本発明はまた、本明細書中で言及されている障害の治療及び/又は予防のための本発明の複合体及び/又は組成物にも及ぶ。 当業者は、開示されている発明の範囲から逸脱することなく、本明細書に記載されている本発明のすべての特徴を自由に組み合わせることができることを理解するであろう。特に、本発明の使用に関して記載されている特徴を、本発明の組成物及び製品に適用してもよく、逆もまた同様である。 本発明のさらなる利点及び特徴は、以下の実施例及び図面から明らかである。実施例1:シニグリンのβ−ラクトグロブリンに対する結合曲線の測定 β−ラクトグロブリン(BLG)粉末を、室温で1時間撹拌することによって、ミリポア(Millipore)(登録商標)水中に分散させた。タンパク質粉末は、Davisco(Biopure、ロットJE001−3−922)から購入した。タンパク質含有量は、ケルダール分析(N×6.38)によって測定したところ、93.5g/100g粉末であった。主なホエータンパク質画分中の組成は、逆相HPLC(RP−HPLC)によって測定したところ、89.22%BLG、6.91%β−ラクトアルブミン、3.87%ウシ血清アルブミン;供給業者による明記によれば、0.2%脂肪、1.5%灰分及び4.9%水分であった。無機物組成は、原子吸光分光法により測定したところ、以下の通り、0.87%Na+、<0.004%K+、<0.04%Cl−、0.019%Ca2+、0.053%P、0.002%Mg2+であった。pH4.6でのタンパク質可溶性により、タンパク質の96%がネイティブ状態であることが明らかとなった。 タンパク質溶液中のBLGの濃度は、1mM(1.84%重量/重量)であった。これを、一晩4℃で貯蔵して水和させた。翌日、タンパク質分散液を、0.22μm GPエクスプレスプラス(Express Plus)膜とともにステリカップ(Stericup)濾過システム(ミリポア(Millipore)(登録商標))を使用して濾過した。濾過した分散液(pH7.2)は、試料調製のために直接使用したか、又は、1MのHClを使用してpH4.0まで事前に酸性化した。後者の場合の添加した1MのHClの量は、全量の約1%であった。 グルコシノレート溶液は、シニグリン(SIN)をミリポア(登録商標)水中に溶解させて20又は40mM(0.83又は1.66%重量/重量)の濃度を得ることによって、実験日に調製した。99%シニグリン水和物(アリルグルコシノレート)は、Sigma(ロット1291054)から購入した。酸性条件下での実験では、SIN溶液をpH4.0まで酸性化した。後者の場合の添加した1MのHClの量は、全量の約1%であった。次いでこの溶液を、0.22μm孔径のPVDF膜を有するシリンジフィルター(マイレクス(MILLEX)(登録商標)−GV、ミリポア;Milian、スイス)を使用して濾過した。 中性(7.2)及び酸性(4.0)pHの両方において、SINのBLGに対する結合を、以下の2つの条件下で調査した。 熱処理なし:BLG及びSIN混合物を1時間、室温でインキュベートした。 熱処理あり:BLG及びSIN混合物を85℃で15分間加熱し、40分以内に室温まで冷却した。 20mLの量を、1mMのBLG(pH7.2又はpH4.0)を20mMのSIN(pH5.3)又は40mMのSIN(pH4.0)と、ミリポア(登録商標)水中で混合して、pH7.2で2〜20、及びpH4.0で2〜40の範囲の最終的なSIN対BLGモル比を得ることによって調製した。混合後の溶液のpHは、それ以上は調整しなかった。BLG単独の対照試料を、同様に調製した。 試料のインキュベーションは以下の通り行った。 熱処理なし、8mLの各BLG/SIN混合物を、室温で1時間インキュベートし、その後、さらなる分析まで氷上に置いた。 熱処理あり、12mLの各BLG/SIN混合物を、12mLガラスバイアル中に入れ、バイアル中の温度が85℃に到達するために必要な5分に加えて、85℃で15分間加熱した。加熱は、かき混ぜずに、温度制御した水浴中で行った。その後、試料を撹拌し、室温で40分間にわたって冷却させ、その後、さらなる分析まで氷上に置いた。 インキュベーション後、2×1.5mLの混合物を、10kDaの分子量カットオフを有するセルローストリアセテート限外濾過膜を用いたセントリサート(Centrisart)(登録商標)I遠心分離方式限外濾過ユニット(Sartorious、ドイツ)を使用して、スイングバケットローターを備えたソーバル(Sorvall)RC3C PLUS遠心分離機(Thermo、スイス)において、30分間、2900×gで遠心分離にかけた。限外濾過液を回収し、ミリポア(登録商標)水中で10回希釈し、次いで、サイズ排除HPLC(SEC)によって分析して、各試料中の遊離の(結合していない)SINの量を測定した。 SECは、オートサンプラー及びUV検出器を備えたアジレント(Agilent)1100シリーズシステムHPLCを使用して実施した。対応するガードカラムを有するTSKGEL G2000 SWXL(30cm×7.8mm ID)カラム(TosoHaas、Stuttgart、ドイツ)を使用した。溶離液は、0.22μm GPエクスプレスプラス膜を用いてステリカップ濾過システムで使用前に濾過した、ミリポア(登録商標)水中にNa2HPO4及びNaH2PO4を含有するpH7.1の20mMリン酸緩衝液であった。クロマトグラフィーは、25℃で、0.8mL/分の流量で50μLの試料を注入することによって実施した(1回の操作時間は20分であった)。検出は228nm(SINの最大吸収)及び280nm(この波長でのSINの吸収は無視してよい)で行った。BLGは、両方の波長で吸収した。BLG及びSINの濃度は、以前に作成された標準検量線に従って評価した。 結合曲線は、SINのBLGに対するモル結合比(BSIN/BLG)を遊離の(結合していない)SINに対してプロットすることによって得た。結合パラメータ(KD及びnmax)の最適値は、ソフトウェアのマイクロカルオリジン(Microcal Origin)6.0(Microcal Software Inc.、Northampton、米国)を使用して、非線形最小二乗回帰を適用することによって達成した。すべての試料について、1組の結合部位のための式を適用した。 図1は、BLGに対して結合したSINの量が、pH7.2と比較してpH4.0ではるかに高いことを示す。BLGの等電pHはおよそ5.2であるため、タンパク質は、pH4.0で主にプラスに荷電し、pH7.0でマイナスに荷電している。結果は、酸性条件におけるBLGとSINの静電複合体の形成を示す。最大結合部位の数が15.4から8.71に減少したため、熱処理は、タンパク質に対するグルコシノレートの結合に影響を有していた。これは、熱により誘導された一部のタンパク質凝集に関連している可能性がある。実施例2:β−ラクトグロブリン/シニグリン静電複合体の起泡特性の測定 試料(実施例1に記載の通り調製した)の起泡特性を、Guillerme C、Loisel W、Bertrand D、Popineau Y.Study of foam stability by video image analysis:Relationship with the quantity of liquid in the foams.1993.J Text Stud、24、287〜302によって提案されている標準化された方法を使用して評価した。使用された装置は、テクリスアイティコンセプト(Teclis−ITConcept)(Longessaigne、フランス)製の標準型のフォームスキャン(Foamscan)(商標)であった。この方法の原理は、特定の多孔性のガラスフリットを介して気体をその中に吹き込むことによって、一定量のタンパク質分散液を起泡させることである。気体流及び吹き込みの継続時間を制御する。液体の表面に泡が発生し、ガラスチューブ中を上昇し、ここでその高さをリアルタイムで電荷結合素子(CCD)カメラを使用して画像分析によって追跡する。泡中に組み込まれた液体量及び排水速度は、キュベット(残りの液体相を含む)中で、及びチューブの異なる高さに配置された電極で、時間の関数として導電率を測定することによって、及び発泡前の溶液の導電率を参照して追跡する(Kato A、Takahashi A、Matsudomi N、Kobayashi K.Determination of foaming properties of proteins by conductivity measurements.1983.J Food Sci、48、62〜65)。 pH4での20mLの量の試料(SINのBLGに対するモル比が4、10及び20で、熱処理あり又はなし)を55μM BLG(0.1%重量/重量)まで希釈し、フォームスキャン(商標)のキュベット中に入れた。流速80ml/分の窒素を、多孔性4のガラスフリットを介して吹き込み、10〜16μmの直径を有する気泡を発生させた。この流速により、強力な重力排水が起こる前に、効率よく泡形成することができた。吹き込みは、泡体積が110cm3に到達したときに停止した。その後、泡容量(FC=泡体積/注入された気体の体積)及び泡膨張(FE=泡体積/泡中の液体の体積)を計算した。泡体積及び液体安定性(泡がその最初の液体内容物の50%を排水するための時間)を、次の30分間にわたって24±1℃で追跡した。 図2は、熱処理なしで静電複合体を用いて生成された泡が体積安定であり、どのようなSIN/BLGモル比であっても、30分後にそれらの最初の体積の約20%を失ったことを示す。このことは、空気/水界面での複合体の表面活性を示す。静電複合体を加熱すると、泡はその前よりはるかに体積安定になり、体積損失は、同じ時間尺度においてわずか10%であった。 表1は、25℃で4、10及び20のSIN/BLGモル混合比について、非加熱の及び加熱した(85℃、15分)BLG−SIN静電複合体について、pH4.0で測定した泡膨張、泡容量及び泡液体安定性を示す。報告されているデータは、平均値と対応する標準偏差である。 表1は、BLG−SIN静電複合体の起泡特性及び泡安定化特性について報告する。モル比又は熱処理の顕著な影響は、泡膨張において観察されなかった。同様に、静電複合体の泡容量は、モル比又は熱処理による影響を受けなかった。しかしながら、泡液体安定性は、加熱された静電複合体でわずかに向上した。実施例3:β−ラクトグロブリン/シニグリン静電複合体の乳化特性の測定 pH4.0の試料(実施例1に記載の通り調製した)の乳化特性を、10%(重量/重量)の「高オレイン酸」ヒマワリ油(Oleifico SABO、Manno、スイス)を含有するエマルジョンを調製することによって評価した。SINのBLGに対するモル比が10で、熱処理あり又はなしの試料を、0.25mM BLGまで希釈し、パイレックス(Pyrex)(登録商標)チューブ(直径25mm、容量35mL)中で20gの最終重量まで油と混合した。これらを、S25N−10G分散用ヘッド(dispersing head)を備えたウルトラタラックス(Ultra Turrax)(登録商標)T25(IKA−Werke、Staufen、ドイツ)を使用して、16,000rpmで回転させながら1分間予備ホモジナイズした。エマルジョンのホモジナイゼーションは、超音波プロセッサー(ヒールシャー(Hielscher)UP400S、出力400W、周波数24kHz)及びソノトロード(直径7mm、長さ約100mm、チタン)を使用して、室温で75秒間及び超音波最大出力の75%の振幅で完了した。この乳化時間は、油を小滴中に分散させ、試料の過度の加熱を回避するのに十分なものであった。試料内部の温度は50℃を超えなかった。 クリーミング及び凝集に対するエマルジョンの安定性を、4℃での貯蔵の26日間にわたって追跡した。 図3は、SIN単独では、乳化後に油分離が既に見られたため、安定な油/水エマルジョンを生成することができなかったことを示す。SIN−BLG静電複合体の使用により、複合体への熱処理の適用なし又はありで、pH4.0で非常に安定なエマルジョンを生成することが可能であった。この結果は、複合体が、油/水界面で界面活性を示したことを示す。4℃で26日の貯蔵後、静電複合体により安定化されたエマルジョンにおいて、クリーミング又は凝集の肉眼で見える徴候はなく、油の液滴を覆っている界面層の安定性を示していた。実施例4:β−ラクトグロブリン/シニグリン静電複合体の苦さの測定 8人の対象に、0(なし)から10(非常に)までの尺度で、0.5mMのBLG、2mMのSIN又は0.5mMのBLG+2mMのSINを含有する溶液(pH4)(実施例1に記載の通り調製した、熱処理あり)の苦さを比較して評点をつけるよう指示した。試料は、無作為な順序で2clカップ中に入れ、符号を付けていた。対象に、規則通りの順序(左から右へ)で試料をまず評価するよう指示した。対象が各試料を試食したら、任意の試料をもう一度、自由に試食してもらった。周囲温度のビッテル(Vittel)(商標)ミネラルウォーター、パン又はリンゴのスライスを、洗口のために使用することができた。匂いと味の知覚の起こり得る相互作用を排除するために、ノーズクリップを着用して評価を行った。試料間に顕著な差異があるかどうかを判断するために、対毎のt検定を適用した。 図4は、SINとBLGの静電複合体の形成により、SINの知覚される苦さを顕著に減少させることができたことを示す。 少なくとも1つのグルコシノレートと少なくとも1つの乳タンパク質を含む静電複合体を含む組成物であって、エマルジョン又は泡である、組成物。 乳タンパク質が、牛乳のタンパク質画分、脱脂乳のタンパク質画分、乳タンパク質濃縮物、乳タンパク質分離物、カゼインミセル、カゼイン塩、αs1−カゼイン、αs2−カゼイン、β−カゼイン、κ−カゼイン、酸ホエー若しくはスイートホエーのタンパク質画分、ホエータンパク質濃縮物、ホエータンパク質分離物、α−ラクトアルブミン、β−ラクトグロブリン、ウシ血清アルブミン、ラクトフェリン、又はこれらの組合せからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。 乳タンパク質が、β−ラクトグロブリンである、請求項1又は2に記載の組成物。 グルコシノレートが、フェニルアラニン由来のグルコシノレートなどの芳香族グルコシノレート、複素環式グルコシノレート、例えば、トリプトファン由来のグルコシノレートなどのインドリルグルコシノレート、及び、メチオニン、アラニン、ロイシン、若しくはバリン、又はこれらのアミノ酸の鎖伸長型同族体由来のグルコシノレートなどの脂肪族グルコシノレート、並びにこれらの組合せからなる群から選択される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。 グルコシノレート及び乳タンパク質が、約20:1〜1:20の範囲のモル比で、好ましくは約10:1〜1:1の範囲の、最も好ましくは約5:1〜1:1の範囲のモル比で複合体中に存在する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。 約2〜9の、好ましくは約3〜7の範囲のpHを有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物。 水中油エマルジョンである、請求項1〜6のいずれか一項に記載の組成物。 請求項1〜7のいずれか一項に記載の組成物を含む製品であって、食物製品、栄養補助食品、食物添加物、医薬、局所適用のためのクリーム又は飲料である、製品。 製品が、フィリング、ディップ、ソース、マヨネーズ、スプレッド、トッピング、乳製品ベースの製品、乳及び/若しくはクリームベースの泡及び/若しくはエマルジョン、サラダドレッシング、スープ、飲料又は経口食品サプリメントからなる群から選択される、請求項8に記載の製品。 グルコシノレート含有製品の味を向上させるため、特に、グルコシノレートの苦さをマスキングするための、請求項1〜7のいずれか一項に記載の組成物の使用。 本発明は、静電複合体の分野に関する。本発明の実施形態は、少なくとも1つの乳タンパク質と少なくとも1つのグルコシノレートとを含有する食品等級の静電複合体、並びに、例えば、グルコシノレートの知覚される苦味を減少させるための、並びに/又はエマルジョン及び/若しくは泡を形成及び安定化させるための、そのような複合体の使用に関する。【選択図】 なし


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