タイトル: | 特許公報(B2)_ジオレフィン化合物、エポキシ樹脂、硬化性樹脂組成物及びその硬化物、並びに光半導体装置 |
出願番号: | 2011547586 |
年次: | 2014 |
IPC分類: | C08G 59/24,C08G 59/02,C07C 69/75,C07B 61/00 |
窪木 健一 中西 政隆 佐々木 智江 鎗田 正人 川田 義浩 JP 5559207 特許公報(B2) 20140613 2011547586 20101222 ジオレフィン化合物、エポキシ樹脂、硬化性樹脂組成物及びその硬化物、並びに光半導体装置 日本化薬株式会社 000004086 特許業務法人 信栄特許事務所 110001416 窪木 健一 中西 政隆 佐々木 智江 鎗田 正人 川田 義浩 JP 2009293478 20091224 20140723 C08G 59/24 20060101AFI20140703BHJP C08G 59/02 20060101ALI20140703BHJP C07C 69/75 20060101ALN20140703BHJP C07B 61/00 20060101ALN20140703BHJP JPC08G59/24C08G59/02C07C69/75 ZC07B61/00 300 C07C 69/ C08G 59/ CA/REGISTRY(STN) 米国特許第05948922(US,A) 特開2007−510772(JP,A) 特開2006−142756(JP,A) 特開2010−095521(JP,A) 再公表特許第2010/150524(JP,A1) 7 JP2010073089 20101222 WO2011078205 20110630 29 20120827 井上 典之 本発明は電気電子材料用途に好適な、新規なジオレフィン化合物並びにそれを酸化してなるエポキシ樹脂に関する。また、本発明は前記エポキシ樹脂を含んでなる硬化性樹脂組成物とその硬化物に関する。さらに、本発明は前記硬化性樹脂組成物で硬化・封止することで得られる光半導体装置に関する。 エポキシ樹脂は種々の硬化剤で硬化させることにより、一般的に機械的性質、耐水性、耐薬品性、耐熱性、電気的性質などに優れた硬化物となり、接着剤、塗料、積層板、成形材料、注型材料、レジストなどの幅広い分野に利用されている。近年、特に半導体関連材料の分野においてはカメラ付き携帯電話、超薄型の液晶やプラズマTV、軽量ノート型パソコンなど軽・薄・短・小がキーワードとなるような電子機器があふれ、これによりエポキシ樹脂に代表されるパッケージ材料にも非常に高い特性が求められてきている。特に先端パッケージはその構造が複雑になり、液状封止でなくては封止が困難な物が増加している。例えばEnhancedBGAのようなキャビティーダウンタイプの構造になっているものは部分封止を行う必要があり、トランスファー成型では対応できない。このようなことから高機能な液状エポキシ樹脂の開発が求められている。 またコンポジット材、車の車体や船舶の構造材として、近年、その製造法の簡便さからRTM(Resin Transfer Molding)が使用されている。このような組成物においてはカーボンファイバー等への含浸のされやすさから低粘度のエポキシ樹脂が望まれている。 また、オプトエレクトロニクス関連分野では、特に近年の高度情報化に伴い、膨大な情報を円滑に伝送および処理するために、従来の電気配線による信号伝送に代わり、光信号を生かした技術が開発されている。中でも、光導波路、青色LEDおよび光半導体等の光学部品の分野においては、透明性に優れた樹脂の開発が望まれている。これらの要求に対し、脂環式のエポキシ樹脂が注目されている。 脂環式エポキ樹脂はグリシジルエーテルタイプのエポキシ樹脂と比較し、電気絶縁性や透明性といった面で優れており、透明封止材料等に種々使用されている。しかしながら、特にLED用部材として用いるには、より高度な耐熱・耐光特性が求められている(特許文献1、2、3、4)。日本国特開2006−52187号公報日本国特表2007−510772号公報日本国特開2007−16073号公報欧州特許出願公開第0051311号明細書 本発明は、耐熱性、光学特性(特に、透明性や耐光特性)、強靭性に優れる硬化物を与える新規な脂環エポキシ樹脂を提供することを目的とする。 本発明者らは前記したような実状に鑑み、鋭意検討した結果、本発明を完成させるに至った。 すなわち本発明は、(1)下記式(1)(式中、複数存在するRはそれぞれ独立して、水素原子、もしくは炭素数1〜6のアルキル基を表す。)で表されるジオレフィン化合物(トランス体)と下記(2)(式中、複数存在するRはそれぞれ独立して、水素原子、もしくは炭素数1〜6のアルキル基を表す。)で表されるジオレフィン化合物(シス体)とからなり、その存在割合がトランス体:シス体=100:0〜25:75であるジオレフィン化合物、(2)エステル交換反応によって得られる前項(1)記載のジオレフィン化合物、(3)トランス体とシス体の比率が100:0〜30:70である前項(1)または(2)記載のジオレフィン化合物、(4)前項(1)〜(3)のいずれか一項に記載のジオレフィン化合物を酸化することにより得られるエポキシ樹脂、(5)過酸化水素および過酸のいずれかを用いてエポキシ化された前項(4)記載のエポキシ樹脂、(6)前項(4)または(5)記載のエポキシ樹脂と硬化剤および/または硬化促進剤とを含有する硬化性樹脂組成物、(7)前項(6)記載の硬化性樹脂組成物を硬化してなる硬化物、(8)前項(6)記載の硬化性樹脂組成物を硬化・封止して得られる光半導体装置、に関する。 本発明のジオレフィン化合物を酸化して得られるエポキシ樹脂を含む硬化性樹脂組成物によれば、耐熱性、光学特性(特に、透明性や耐光特性)、強靭性に優れると共に低吸湿性にも優れた硬化物が得られる。 また、本発明のエポキシ樹脂を含む硬化性脂組成物は、電気・電子材料、成型材料、注型材料、積層材料、塗料、接着剤、レジストなどの広範囲の用途に有用である。特に、本発明のエポキシ樹脂は芳香環を有さない脂環構造であるため、それを含む硬化性樹脂組成物は、光学材料、中でも光半導体装置の封止材料やボンディング材料として極めて有用である。 本発明のジオレフィン化合物は、下記式(1)(式中、複数存在するRはそれぞれ独立して、水素原子、もしくは炭素数1〜6のアルキル基を表す。)で表されるジオレフィン化合物(トランス体)と下記式(2)(式中、複数存在するRはそれぞれ独立して、水素原子、もしくは炭素数1〜6のアルキル基を表す。)で表されるジオレフィン化合物(シス体)とからなり、その存在割合がトランス体:シス体=100:0〜25:75であることを特徴とする。 かかる構成により、本発明のジオレフィン化合物を酸化して得られるエポキシ樹脂を含む硬化性樹脂組成物は、耐熱・耐光特性に優れるとともに低吸湿性の硬化物を形成することが可能となる。ジオレフィン化合物のトランス体:シス体の比率は、好ましくは100:0〜30:70、より好ましくは100:0〜40:60、特に好ましくは100:0〜45:55である。また、本発明のジオレフィン化合物を酸化して得られるエポキシ樹脂は脂環構造であるので光学特性が良い。また、一般的に市販されている脂環構造のエポキシ樹脂よりもエポキシ当量が大きいため、硬化物の架橋点間分子量が大きくなり、強靭性も併せ持つ。 前記式(1)、(2)で表されるジオレフィン化合物は通常シクロヘキサンジカルボン酸誘導体とシクロヘキセンメタノール誘導体との反応により得られるが、一般的に流通しているシクロヘキセンカルボン酸誘導体はシス体とトランス体の混合物で、その割合はおおよそトランス体:シス体=2:8という構成比である。したがって、このままエステル化反応を行うと、式(1)のトランス体:式(2)のシス体=2:8の混合物ができることになる。そこで本発明のトランス体:シス体=100:0〜25:75の比率のジオレフィン化合物またはエポキシ樹脂を得るためには以下の二つの方法がある。ひとつは日本国特開2008−63311号公報や日本国特開2003−128620号公報記載の方法により得られたトランス体が25%以上のシクロヘキサンジカルボン酸誘導体を使用してシクロヘキセンメタノール誘導体と脱水エステル化反応させる方法がある。この反応の場合は反応条件によってはトランス体がシス体に異性化してしまう可能性がある。もうひとつは脱水エステル化したあとにトランス体に異性化させる方法がある。 脱水エステル化以外には、アルキルエステル化シクロヘキサンジカルボン酸誘導体とシクロヘキセンメタノール誘導体とでエステル交換反応を行う方法がある。エステル交換法においても本発明のトランス体:シス体構成比にするためには二通り考えられる。ひとつは日本国特開2009−126854号公報記載の方法により得られたトランス体25%以上のシクロヘキサンジカルボン酸誘導体ジアルキルエステルを使用する方法で、この場合反応中に異性化反応が進むことはほとんどない。もうひとつはトランス体比率の25%未満のアルキルエステル化シクロヘキサンジカルボン酸誘導体とシクロヘキサンメタノール誘導体を反応させた後に異性化してトランス体を25%以上にする方法がある。 以上の各方法において、エステル化後に異性化する方法は高温での反応が必要であり、オレフィンが重合等の副反応を起こす可能性があるため適当な方法ではない。好ましくはトランス体を25%以上含有するシクロヘキサンジカルボン酸誘導体またはそのアルキルエステル体とシクロヘキセンメタノール誘導体との反応による方法であるが、酸触媒を使う脱水エステル化の場合トランス体が多くても徐々に異性化してシス体が増加していくため、ほとんど異性化の起こらないエステル交換反応が最も好ましい。 脱水エステル化反応はシクロヘキサンジカルボン酸誘導体とシクロヘキセンメタノール誘導体を通常トルエン、キシレン、シクロヘキサンなどの非水溶性の溶剤に溶解または分散させ、酸触媒の存在下で共沸脱水で水を系外に排出しながら反応を行う。基本的に反応は還流条件下において行うが、より低温のほうが異性化や着色が少ないため、系内を減圧条件にして還流温度を下げて反応を行うほうが好ましい。 脱水エステル化反応で使用する触媒としては、酸触媒であれば良く、例えば塩酸、燐酸、硫酸、蟻酸、塩化亜鉛、塩化第二鉄、塩化アルミニウム、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、タングステン酸、リンタングステン酸等があげられるがこれらは単独でも二種以上併用しても良い。その使用量は、シクロヘキサンジカルボン酸誘導体とシクロヘキセンメタノール誘導体の合計量100重量部に対して、通常0.05〜5重量部、好ましくは0.1〜3重量部、より好ましくは0.3〜2重量部の範囲である。 シクロヘキセンメタノール誘導体はシクロヘキサンジカルボン酸誘導体のカルボニル基1当量に対して通常1〜10倍モル、好ましくは1〜6倍モルの範囲である。理論量である1倍モルでも反応は十分完結するが、着色が強くなるため光学用途に使用するには不向きである。一方、過剰にシクロヘキセンメタノール誘導体を用いれば着色は少なくなるが、反応終了後に未反応のシクロヘキセンメタノール誘導体を回収する必要がある。 エステル交換反応は、アルキルエステル化シクロヘキサンジカルボン酸誘導体のエステル基1当量に対してシクロヘキセンメタノール誘導体を通常1〜10倍モル、好ましくは1〜6倍モル、より好ましくは1〜4倍モル仕込み、触媒をエステル基1当量に対して通常1〜1000mg、好ましくは1〜500mg、より好ましくは10〜300mg仕込んで、通常100〜200℃、好ましくは120〜190℃、より好ましくは130〜180℃で反応させる。反応時間は反応温度、触媒量等にもよるが、工業生産という観点から、長時間の反応は多大なエネルギーを消費することになるため好ましくはない。好ましい範囲としては2〜50時間、好ましくは4〜40時間、さらに好ましくは6〜30時間である。この際、副生成物であるアルコールは系外に随時排出させる。また、系内を減圧にしてアルコールを除去しやすくして反応を促進することも可能である。 エステル交換反応に用いられる触媒としては例えば、塩化第一スズ、オクタン酸第一スズ、ジブチルスズラウレート、ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイドなどのスズ系化合物、テトラブトキシチタネート、テトラエトキシチタネート、テトラプロポキシチタネートなどのチタン系化合物、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、水酸化カルシウム、水酸化リチウムなどのアルカリ金属、アルカリ土類金属化合物、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムターシャルブトキシドなどのアルカリ金属アルコキシド、などが挙げられるがこれらに限定されることはなく2種以上を併用しても良い。 脱水エステル化及びエステル交換反応のいずれにおいても、反応終了後、必要によりトルエン、キシレン、シクロヘキサン、メチルイソブチルケトン等の溶剤を加え、アルカリ水溶液で数回洗浄することで触媒の除去とある程度の脱色が行える。その後、廃水が中性になるまで水洗を繰り返し、最終的に加熱減圧下において溶剤および必要により過剰のシクロヘキセンメタノール誘導体を留去することで本発明のジオレフィン化合物を得ることができる。また、日本国特開平2003−488966号公報記載のように、反応終了後にシリカゲルあるいは活性白土などの固体吸着剤を添加して触媒の除去をおこなうこともできる。 本発明で使用されるシクロヘキサンジカルボン酸誘導体は、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸もしくはこのアルキル置換体であり、トランス体:シス体の比率が100:0〜25:75の範囲のものである。 使用できるシクロヘキセンメタノール誘導体としては、3−シクロヘキセン−1−メタノール、3−メチル−3−シクロヘキセン−1−メタノール、4−メチル−3−シクロヘキセン−1−メタノール、2−メチル−3−シクロヘキセン−1−メタノール、5−メチル−3−シクロヘキセン−1−メタノール、6−メチル−3−シクロヘキセン−1−メタノール、2,5−ジメチル−3−シクロヘキセン−1−メタノール、2−エチル−3−シクロヘキセン−1−メタノール、5−エチル−3−シクロヘキセン−1−メタノール、2−プロピル−3−シクロヘキセン−1−メタノール、2−ブチル−3−シクロヘキセン−1−メタノール、2−ペンチル−3−シクロヘキセン−1−メタノール、2−ヘキシル−3−シクロヘキセン−1−メタノール、2−シクロヘキシル−3−シクロヘキセン−1−メタノール、5−プロピル−3−シクロヘキセン−1−メタノール、5−ブチル−3−シクロヘキセン−1−メタノール、5−シクロヘキシル−3−シクロヘキセンメタノールなどが挙げられるがこれらに限定されることはなく、単独でも2種以上を混合使用しても良い。 本発明のジオレフィン化合物は、上述したエポキシ樹脂原料の他に、熱硬化性ポリエステル架橋材などに使用することができる。 以下、本発明のエポキシ樹脂について説明する。 本発明のエポキシ樹脂は、本発明のジオレフィン化合物を酸化することで得られる。酸化の手法としては過酢酸等の過酸で酸化する方法、過酸化水素水で酸化する方法、空気(酸素)で酸化する方法などが挙げられるが、これらに限らない。 過酸によるエポキシ化の手法としては具体的には日本国特開2006−52187号公報に記載の手法などが挙げられる。使用できる過酸としては、例えばギ酸、酢酸、プロピオン酸、マレイン酸、安息香酸、m−クロロ安息香酸、フタル酸などの有機酸およびそれらの酸無水物が挙げられる。これらの中でも、過酸化水素と反応して有機過酸を生成する効率、反応温度、操作の簡便性、経済性などの観点からは、ギ酸、酢酸、無水フタル酸を使用するのが好ましく、特に反応操作の簡便性の観点から、ギ酸または酢酸を使用するのがより好ましい。 過酸化水素水によるエポキシ化の手法においては種々の手法が適応できるが、具体的には、日本国特開昭59−108793号公報、日本国特開昭62−234550号公報、日本国特開平5−213919号公報、日本国特開平11−349579号公報、特公平1―33471号公報、日本国特開2001−17864号公報、日本国特公平3−57102号公報等に挙げられるような手法が適応できる。 以下、本発明のエポキシ樹脂を得るのに特に好ましい方法を例示する。 まず、本発明のジオレフィン化合物、ポリ酸類及び4級アンモニウム塩を有機溶剤、緩衝液及び過酸化水素水のエマルジョン状態で反応を行う。 本発明で使用するポリ酸類は、ポリ酸構造を有する化合物であれば特に制限はないが、タングステンまたはモリブデンを含むポリ酸類が好ましく、タングステンを含むポリ酸類が更に好ましく、タングステン酸塩類が特に好ましい。 具体的なポリ酸類としては、タングステン酸、12−タングスト燐酸、12−タングストホウ酸、18−タングスト燐酸および12−タングストケイ酸などから選ばれるタングステン系の酸やそれらの塩、モリブデン酸あるいはリンモリブデン酸等から選ばれるモリブデン系の酸やそれらの塩等が挙げられる。 これらの塩のカウンターカチオンとしては、4級アンモニウムイオン、アルカリ土類金属イオン、アルカリ金属イオンなどが挙げられる。 具体的にはテトラメチルアンモニウムイオン、ベンジルトリエチルアンモニウムイオン、トリデカニルメチルアンモニウムイオン、ジラウリルジメチルアンモニウムイオン、トリオクチルメチルアンモニウムイオン、トリアルキルメチル(オクチル基とデカニル基の混合タイプ)アンモニウムイオン、トリヘキサデシルメチルアンモニウムイオン、トリメチルステアリルアンモニウムイオン、テトラペンチルアンモニウムイオン、セチルトリメチルアンモニウムイオン、ベンジルトリブチルアンモニウムイオン、トリカプリルメチルアンモニウムイオン、ジセチルジメチルアンモニウムイオンなどの4級アンモニウムイオン、カルシウムイオンマグネシウムイオン等のアルカリ土類金属イオン、ナトリウム、カリウム、セシウム等のアルカリ金属イオンなどが挙げられるがこれらに限定されない。 ポリ酸の使用量は本発明のジオレフィン化合物1モルに対し、金属元素換算(タングステン酸ならタングステン原子、モリブデン酸ならモリブデン原子のモル数)で1.0〜20ミリモル、好ましくは2.0〜20ミリモル、さらに好ましくは2.5〜10ミリモルである。 4級アンモニウム塩としては、総炭素数が10以上、好ましくは25〜100の4級アンモニウム塩が好ましく使用でき、特にそのアルキル鎖が全て脂肪族鎖であるものが好ましい。 具体的にはトリデカニルメチルアンモニウム塩、ジラウリルジメチルアンモニウム塩、トリオクチルメチルアンモニウム塩、トリアルキルメチル(アルキル基がオクチル基である化合物とデカニル基である化合物の混合タイプ)アンモニウム塩、トリヘキサデシルメチルアンモニウム塩、トリメチルステアリルアンモニウム塩、テトラペンチルアンモニウム塩、セチルトリメチルアンモニウム塩、ベンジルトリブチルアンモニウム塩、ジセチルジメチルアンモニウム塩、トリセチルメチルアンモニウム塩、ジ硬化牛脂アルキルジメチルアンモニウム塩などが挙げられるがこれらに限定されない。特に炭素数が25〜100の物が好ましい。 またこれら塩のアニオン種に特に限定はなく、具体的にはハロゲン化物イオン、硝酸イオン、硫酸イオン、硫酸水素イオン、アセテートイオン、炭酸イオン、等が挙げられるが、これらに限定されない。 炭素数が100を上回ると疎水性が強くなりすぎて、4級アンモニウム塩の有機層への溶解性が悪くなる場合がある。炭素数が10未満であると親水性が強くなり、同様に4級アンモニウム塩の有機層への相溶性が悪くなり、好ましくない。 緩衝液としてはいずれも用いることができるが、本反応においては燐酸塩水溶液を用いるのが好ましい。そのpHとしてはpH2〜6の間に調整されたものが好ましく、より好ましくはpH3〜5である。pH2未満の場合、エポキシ基の加水分解反応、重合反応が進行しやすくなる。またpH6を超える場合、反応が極度に遅くなり、反応時間が長すぎるという問題が生じる。 緩衝液の使用方法は、例えば好ましい緩衝液である燐酸−燐酸塩水溶液の場合は過酸化水素に対し、0.1〜10モル当量の燐酸(あるいは燐酸二水素ナトリウム等の燐酸塩)を使用し、塩基性化合物(たとえば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム等)でpH調整を行うという方法が挙げられる。ここでpHは過酸化水素を添加した際に前述のpHになるように添加することが好ましい。また、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウムなどを用いて調整することも可能である。好ましい燐酸塩の濃度は0.1〜60重量%、好ましくは5〜45重量%である。 本反応は過酸化水素を用いてエポキシ化を行う。本反応に使用する過酸化水素としては、その取扱いの簡便さから過酸化水素濃度が10〜40重量%である水溶液が好ましい。濃度が40重量%を超える場合、取扱いが難しくなる他、生成したエポキシ樹脂の分解反応も進行しやすくなることから好ましくない。 酸化反応におけるポリ酸の使用量は、通常ジオレフィン化合物1モルに対し、金属原子が0.1〜2.0モル%、好ましくは、0.1〜1.5モル%、さらに好ましくは0.1〜1.0モル%である。 また、緩衝液の使用量は、原料のジオレフィン化合物100重量部に対し、通常0.5〜150重量部、好ましくは0.5〜100重量部であるが、緩衝液の使用量によって反応は大幅には変化はしない。 本反応は有機溶剤を使用する。使用する有機溶剤の量としては、反応基質であるジオレフィン化合物1に対し、重量比で0.3〜10であり、好ましくは0.3〜5、より好ましくは0.5〜2.5である。重量比で10を超える場合、反応の進行が極度に遅くなることから好ましくない。使用できる有機溶剤の具体的な例としてはヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン等のアルカン類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素化合物、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール等のアルコール類が挙げられる。また、場合によっては、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、アノン等のケトン類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル、蟻酸メチルなどのエステル化合物、アセトニトリル等のニトリル化合物なども使用可能である。 具体的な反応操作方法としては、例えばバッチ式の反応釜で反応を行う際は、ジオレフィン化合物、過酸化水素(水溶液)、ポリ酸類(触媒)、緩衝液、4級アンモニウム塩及び有機溶剤を加え、二層で撹拌する。撹拌速度に特に指定は無い。過酸化水素の添加時に発熱する場合が多いことから、各成分を添加した後に過酸化水素を徐々に添加する方法でも構わない。 反応温度は特に限定されないが0〜90℃が好ましく、さらに好ましくは0〜75℃、特に15℃〜60℃が好ましい。反応温度が高すぎる場合、加水分解反応が進行しやすく、反応温度が低いと反応速度が極端に遅くなる。 また反応時間は反応温度、触媒量等にもよるが、工業生産という観点から、長時間の反応は多大なエネルギーを消費することになるため好ましくはない。好ましい範囲としては1〜48時間、好ましくは3〜36時間、さらに好ましくは4〜24時間である。 反応終了後、過剰な過酸化水素のクエンチ処理を行う。クエンチ処理は、塩基性化合物を使用して行なうことが好ましい。また、還元剤と塩基性化合物を併用することも好ましい。好ましい処理方法としては塩基性化合物でpH6〜8に中和調整後、還元剤を用い、残存する過酸化水素をクエンチする方法が挙げられる。pHが6未満の場合、過剰の過酸化水素を還元する際の発熱が大きく、分解物を生じる可能性がある。 還元剤としては亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、ヒドラジン、シュウ酸、ビタミンCなどが挙げられる。還元剤の使用量としては過剰分の過酸化水素もモル数に対し、通常0.01〜20倍モル、より好ましくは0.05〜10倍モル、さらに好ましくは0.05〜3倍モルである。 塩基性化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等の金属水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の金属炭酸塩、リン酸ナトリウム、リン酸水素ナトリウムなどのリン酸塩、イオン交換樹脂、アルミナ等の塩基性固体が挙げられる。 その使用量としては水、あるいは有機溶剤(例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン等のケトン類、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタン等の炭化水素、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類など、各種溶剤)に溶解するものであれば、その使用量は過剰分の過酸化水素のモル数に対し、通常0.01〜20倍モル、より好ましくは0.05〜10倍モル、さらに好ましくは0.05〜3倍モルである。これらは水、あるいは前述の有機溶剤の溶液として添加しても単体で添加しても構わない。 水や有機溶剤に溶解しない固体塩基を使用する場合、系中に残存する過酸化水素の量に対し、重量比で1〜1000倍の量を使用することが好ましい。より好ましくは10〜500倍、さらに好ましくは10〜300倍である。水や有機溶剤に溶解しない固体塩基を使用する場合は、後に記載する水層と有機層の分離の後、処理を行っても構わない。 過酸化水素のクエンチ後(もしくはクエンチを行う前に)、この際、有機層と水層が分離しない、もしくは有機溶剤を使用していない場合は前述の有機溶剤を添加して操作を行い、水層より反応生成物の抽出を行う。この際使用する有機溶剤は原料ジオレフィン化合物に対し、重量比で0.5〜10倍、好ましくは0.5〜5倍である。この操作を必要により数回繰り返した後分離した有機層を、必要に応じて水洗して精製する。 得られた有機層は必要に応じてイオン交換樹脂や金属酸化物、活性炭、複合金属塩、粘土鉱物等により、不純物を除去し、さらに水洗、ろ過等を行った後、溶剤を留去することで、目的とするエポキシ樹脂を得ることができる。場合によってはさらに蒸留により精製しても構わない。蒸留方法としては薄膜、回転式分子蒸留等の手法により蒸留することができる。 このようにして得られるエポキシ樹脂は式(3)(式中、複数存在するRはそれぞれ独立して、水素原子、もしくは炭素数1〜6のアルキル基を表す。)で表されるエポキシ樹脂と下記(4)(式中、複数存在するRはそれぞれ独立して、水素原子、もしくは炭素数1〜6のアルキル基を表す。)で表されるエポキシ樹脂とからなり、その存在割合がトランス体:シス体=100:0〜25:75、好ましくは100:0〜30:70、より好ましくは100:0〜40:60、特に好ましくは100:0〜45:55である。 得られたエポキシ樹脂は、例えばエポキシアクリレートおよびその誘導体、オキサゾリドン系化合物、環状カーボネート化合物等の各種樹脂原料として使用できる。 以下、本発明のエポキシ樹脂を含む本発明の硬化性樹脂組成物について記載する。 本発明の硬化性樹脂組成物は本発明のエポキシ樹脂を必須成分として含有する。本発明の硬化性樹脂組成物においては、硬化剤および/または硬化促進剤による熱硬化(硬化性樹脂組成物A)と酸を硬化触媒とするカチオン硬化(硬化性樹脂組成物B)の二種の方法が適応できる。 硬化性樹脂組成物Aと硬化性組樹脂成物Bにおいて本発明のエポキシ樹脂は単独でまたは他のエポキシ樹脂と併用して使用することが出来る。併用する場合、本発明のエポキシ樹脂の全エポキシ樹脂中に占める割合は30重量%以上が好ましく、特に40重量%以上が好ましい。ただし、本発明のエポキシ樹脂を硬化性樹脂組成物の改質剤として使用する場合は、1〜30重量%の割合で添加する。 本発明のエポキシ樹脂と併用できる他のエポキシ樹脂としては、ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂などが挙げられる。具体的には、ビスフェノールA、ビスフェノールS、チオジフェノール、フルオレンビスフェノール、テルペンジフェノール、4,4’−ビフェノール、2,2’−ビフェノール、3,3’,5,5’−テトラメチル−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジオール、ハイドロキノン、レゾルシン、ナフタレンジオール、トリス−(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、フェノール類(フェノール、アルキル置換フェノール、ナフトール、アルキル置換ナフトール、ジヒドロキシベンゼン、ジヒドロキシナフタレン等)とホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、o−ヒドロキシベンズアルデヒド、p−ヒドロキシアセトフェノン、o−ヒドロキシアセトフェノン、ジシクロペンタジエン、フルフラール、4,4’−ビス(クロルメチル)−1,1’−ビフェニル、4,4’−ビス(メトキシメチル)−1,1’−ビフェニル、1,4−ビス(クロロメチル)ベンゼン、1,4−ビス(メトキシメチル)ベンゼン等との重縮合物及びこれらの変性物、テトラブロモビスフェノールA等のハロゲン化ビスフェノール類、アルコール類から誘導されるグリシジルエーテル化物、脂環式エポキシ樹脂、グリシジルアミン系エポキシ樹脂、グリシジルエステル系エポキシ樹脂、シルセスキオキサン系のエポキシ樹脂(鎖状、環状、ラダー状、あるいはそれら少なくとも2種以上の混合構造のシロキサン構造にグリシジル基および/またはエポキシシクロヘキサン構造を有するエポキシ樹脂)等の固形または液状エポキシ樹脂が挙げられるが、これらに限定されるものではない。 特に本発明の硬化性樹脂組成物を光学用途に用いる場合、脂環式エポキシ樹脂やシルセスキオキサン構造のエポキシ樹脂との併用が好ましい。特に脂環式エポキシ樹脂の場合、骨格にエポキシシクロヘキサン構造を有する化合物が好ましく、シクロヘキセン構造を有する化合物の酸化反応により得られるエポキシ樹脂が特に好ましい。 これらエポキシ樹脂としては、シクロヘキセンカルボン酸とアルコール類とのエステル化反応あるいはシクロヘキセンメタノールとカルボン酸類とのエステル化反応(Tetrahedron vol.36 p.2409 (1980)、Tetrahedron Letter p.4475 (1980)等に記載の手法)、あるいはシクロヘキセンアルデヒドのティシェンコ反応(日本国特開2003−170059号公報、日本国特開2004−262871号公報等に記載の手法)、さらにはシクロヘキセンカルボン酸エステルのエステル交換反応(日本国特開2006−052187号公報等に記載の手法)によって製造できる化合物を酸化した物などが挙げられる。 アルコール類としては、アルコール性水酸基を有する化合物であれば特に限定されないがエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノールなどのジオール類、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、2−ヒドロキシメチル−1,4−ブタンジオールなどのトリオール類、ペンタエリスリトールなどのテトラオール類などが挙げられる。またカルボン酸類としてはシュウ酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、イソフタル酸、アジピン酸、シクロヘキサンジカルボン酸などが挙げられるがこれに限らない。 さらに、骨格にエポキシシクロヘキサン構造を有する化合物の他の例としてシクロヘキセンアルデヒド誘導体と、アルコール体とのアセタール反応によるアセタール化合物が挙げられる。反応手法としては一般のアセタール化反応を応用すれば製造でき、例えば、反応媒体にトルエン、キシレンなどの溶媒を用いて共沸脱水しながら反応を行う方法(米国特許第2945008号公報)、濃塩酸に多価アルコールを溶解した後アルデヒド類を徐々に添加しながら反応を行う方法(日本国特開昭48−96590号公報)、反応媒体に水を用いる方法(米国特許第3092640号公報)、反応媒体に有機溶媒を用いる方法(日本国特開平7−215979号公報)、固体酸触媒を用いる方法(日本国特開2007−230992号公報)等が開示されている。構造の安定性から環状アセタール構造が好ましい。 これらエポキシ樹脂の具体例としては、ERL−4221、UVR−6105、ERL−4299(全て商品名、いずれもダウ・ケミカル製)、セロキサイド2021P、エポリードGT401、EHPE3150、EHPE3150CE(全て商品名、いずれもダイセル化学工業製)及びジシクロペンタジエンジエポキシドなどが挙げられるがこれらに限定されるものではない(参考文献:総説エポキシ樹脂 基礎編I p76−85)。 これらは単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。 以下それぞれの硬化性樹脂組成物について言及する。硬化剤および/または硬化促進剤による熱硬化(硬化性樹脂組成物A) 本発明の硬化性樹脂組成物Aが含有する硬化剤としては、例えばアミン系化合物、酸無水物系化合物、アミド系化合物、フェノール系化合物、カルボン酸系化合物などが挙げられる。用いうる硬化剤の具体例としては、ジアミノジフェニルメタン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジアミノジフェニルスルホン、イソホロンジアミン、ジシアンジアミド、リノレン酸の2量体とエチレンジアミンより合成されるポリアミド樹脂、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、水素化無水ピロメリット酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、無水ナジック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、ブタンテトラカルボン酸無水物、ビシクロ[2,2,1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸無水物、メチルシクロヘキセンジカルボン酸無水物、エチレングリコールビストリメリテート、グリセロールトリストリメリテート、メチルビシクロ[2,2,1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸無水物、シクロヘキサン−1,2,4−トリカルボン酸−1,2−無水物、ドデセニル無水コハク酸、ポリアジピン酸無水物、ポリアゼライン酸無水物、ポリセバシン酸無水物、水素化無水ピロメリット酸、ダイマー酸(オレイン酸二量体、リノレン酸二量体など)、多価カルボン酸(フタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、マレイン酸、テトラヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、メチルナジック酸、ナジック酸、ヘキサヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸、ブタンテトラカルボン酸、ビシクロ[2,2,1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸、メチルビシクロ[2,2,1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸、シクロヘキサン−1,3,4−トリカルボン酸、上記酸無水物と多価アルコールとの反応物(酸無水物として好ましくはメチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、無水ナジック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、ブタンテトラカルボン酸無水物、ビシクロ[2,2,1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸無水物、メチルビシクロ[2,2,1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸無水物、シクロヘキサン−1,2,4−トリカルボン酸−1,2−無水物、多価アルコールとして好ましくは2〜4官能の多価アルコールであり、例えばシクロヘキサンジメタノール、2,4−ジエチルペンタンジオール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、トリシクロデカンジメタノール、ノルボルネンジオール、ジシクロペンタジエンジメタノールなどの分岐鎖状や環状の脂肪族アルコール類)など、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フルオレンビスフェノール、テルペンジフェノール、4,4’−ビフェノール、2,2’−ビフェノール、3,3’,5,5’−テトラメチル−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジオール、ハイドロキノン、レゾルシン、ナフタレンジオール、トリス−(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、フェノール類(フェノール、アルキル置換フェノール、ナフトール、アルキル置換ナフトール、ジヒドロキシベンゼン、ジヒドロキシナフタレン等)とホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、o−ヒドロキシベンズアルデヒド、p−ヒドロキシアセトフェノン、o−ヒドロキシアセトフェノン、ジシクロペンタジエン、フルフラール、4,4’−ビス(クロロメチル)−1,1’−ビフェニル、4,4’−ビス(メトキシメチル)−1,1’−ビフェニル、1,4’−ビス(クロロメチル)ベンゼン、1,4’−ビス(メトキシメチル)ベンゼン等との重縮合物及びこれらの変性物、テトラブロモビスフェノールA等のハロゲン化ビスフェノール類、イミダゾール、トリフルオロボラン−アミン錯体、グアニジン誘導体、テルペンとフェノール類の縮合物などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。 本発明の硬化性樹脂組成物Aにおいて硬化剤の使用量は、全エポキシ樹脂のエポキシ基1当量に対して0.7〜1.2当量が好ましい。エポキシ基1当量に対して、0.7当量に満たない場合、あるいは1.2当量を超える場合、いずれも硬化が不完全となり良好な硬化物性が得られない恐れがある。 本発明の硬化性樹脂組成物Aにおいては、硬化促進剤を使用してもよい。用い得る硬化促進剤の具体例としては、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、2,4−ジアミノ−6(2'−メチルイミダゾール(1'))エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6(2'−ウンデシルイミダゾール(1'))エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6(2'−エチル,4−メチルイミダゾール(1'))エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6(2'−メチルイミダゾール(1'))エチル−s−トリアジン・イソシアヌル酸付加物、2-メチルイミダゾールイソシアヌル酸の2:3付加物、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2−フェニル−3,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−ヒドロキシメチル−5−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニル−3,5−ジシアノエトキシメチルイミダゾールの各種イミダゾール類、及び、それらイミダゾール類とフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレンジカルボン酸、マレイン酸、蓚酸等の多価カルボン酸との塩類、ジシアンジアミド等のアミド類、1,8−ジアザ−ビシクロ(5.4.0)ウンデセン−7等のジアザ化合物及びそれらのテトラフェニルボレート、フェノールノボラック等の塩類、前記多価カルボン酸類、又はホスフィン酸類との塩類、テトラブチルアンモニュウムブロマイド、セチルトリメチルアンモニュウムブロマイド、トリオクチルメチルアンモニュウムブロマイド等のアンモニュウム塩、トリフェニルホスフィン、トリ(トルイル)ホスフィン、テトラフェニルホスホニウムブロマイド、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート等のホスフィン類やホスホニウム化合物、2,4,6−トリスアミノメチルフェノール等のフェノール類、アミンアダクト、オクチル酸スズ等の金属化合物等、及びこれら硬化促進剤をマイクロカプセルにしたマイクロカプセル型硬化促進剤等が挙げられる。これら硬化促進剤のどれを用いるかは、例えば透明性、硬化速度、作業条件といった得られる透明樹脂組成物に要求される特性によって適宜選択される。硬化促進剤は、エポキシ樹脂100重量部に対し通常0.001〜15重量部の範囲で使用される。 本発明においては、硬化剤単独あるいは硬化剤と硬化促進剤との併用が望ましい。 本発明の硬化性樹脂組成物Aには、リン含有化合物を難燃性付与成分として含有させることもできる。リン含有化合物としては反応型のものでも添加型のものでもよい。リン含有化合物の具体例としては、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシリレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、クレジル−2,6−ジキシリレニルホスフェート、1,3−フェニレンビス(ジキシリレニルホスフェート)、1,4−フェニレンビス(ジキシリレニルホスフェート)、4,4'−ビフェニル(ジキシリレニルホスフェート)等のリン酸エステル類;9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド、10(2,5−ジヒドロキシフェニル)−10H−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド等のホスファン類;エポキシ樹脂と前記ホスファン類の活性水素とを反応させて得られるリン含有エポキシ化合物、赤リン等が挙げられるが、リン酸エステル類、ホスファン類またはリン含有エポキシ化合物が好ましく、1,3−フェニレンビス(ジキシリレニルホスフェート)、1,4−フェニレンビス(ジキシリレニルホスフェート)、4,4'−ビフェニル(ジキシリレニルホスフェート)またはリン含有エポキシ化合物が特に好ましい。リン含有化合物の含有量はリン含有化合物/全エポキシ樹脂=0.1〜0.6(重量比)が好ましい。0.1未満では難燃性が不十分であり、0.6を超えると硬化物の吸湿性、誘電特性に悪影響を及ぼす懸念がある。 さらに本発明の硬化性樹脂組成物Aには、必要に応じてバインダー樹脂を配合することも出来る。バインダー樹脂としてはブチラール系樹脂、アセタール系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ−ナイロン系樹脂、NBR−フェノール系樹脂、エポキシ−NBR系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、シリコーン系樹脂などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。バインダー樹脂の配合量は、硬化物の難燃性、耐熱性を損なわない範囲であることが好ましく、樹脂成分100重量部に対して通常0.05〜50重量部、好ましくは0.05〜20重量部が必要に応じて用いられる。 本発明の硬化性樹脂組成物Aには、必要に応じて無機充填剤を添加することができる。無機充填剤としては、結晶シリカ、溶融シリカ、アルミナ、ジルコン、珪酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化ホウ素、ジルコニア、フォステライト、ステアタイト、スピネル、チタニア、タルク等の粉体またはこれらを球形化したビーズ等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。これら無機充填剤の含有量は、本発明の硬化性樹脂組成物A中において0〜95重量%を占める量が用いられる。更に本発明の硬化性樹脂組成物Aには、シランカップリング剤、ステアリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の離型剤、顔料等の種々の配合剤、各種熱硬化性樹脂を添加することができる。 本発明の硬化性樹脂組成物Aを光学材料、特に光半導体封止剤に使用する場合には、前記使用する無機充填材の粒径として、ナノオーダーレベルの充填材を使用することで、透明性を阻害せずに機械強度等を補完することが可能である。ナノオーダーレベルとしての目安は、平均粒径が500nm以下、特に平均粒径が200nm以下の充填材を使用することが透明性の観点では好ましい。 本発明の硬化性樹脂組成物Aを光学材料、特に光半導体封止剤に使用する場合、必要に応じて、蛍光体を添加することができる。蛍光体は、例えば、青色LED素子から発せられた青色光の一部を吸収し、波長変換された黄色光を発することにより、白色光を形成する作用を有するものである。蛍光体を、硬化性樹脂組成物に予め分散させておいてから、光半導体を封止する。蛍光体としては特に制限がなく、従来公知の蛍光体を使用することができ、例えば、希土類元素のアルミン酸塩、チオ没食子酸塩、オルトケイ酸塩等が例示される。より具体的には、YAG蛍光体、TAG蛍光体、オルトシリケート蛍光体、チオガレート蛍光体、硫化物蛍光体等の蛍光体が挙げられ、YAlO3:Ce、Y3Al5O12:Ce、Y4Al2O9:Ce、Y2O2S:Eu、Sr5(PO4)3Cl:Eu、(SrEu)O・Al2O3等が例示される。係る蛍光体の粒径としては、この分野で公知の粒径のものが使用されるが、平均粒径としては、1〜250μm、特に2〜50μmが好ましい。これらの蛍光体を使用する場合、その添加量は、その樹脂成分に対して100重量部に対して、1〜80重量部、好ましくは、5〜60重量部が好ましい。 本発明の硬化性樹脂組成物Aを光学材料、特に光半導体封止剤に使用する場合、各種蛍光体の硬化時沈降を防止する目的で、シリカ微粉末(アエロジルまたはアエロゾルとも呼ばれる)をはじめとするチクソトロピック性付与剤を添加することができる。このようなシリカ微粉末としては、例えば、Aerosil 50、Aerosil 90、Aerosil 130、Aerosil 200、Aerosil 300、Aerosil 380、Aerosil OX50、Aerosil TT600、Aerosil R972、Aerosil R974、Aerosil R202、Aerosil R812、Aerosil R812S、Aerosil R805、RY200、RX200(日本アエロジル社製)等が挙げられる。 本発明の硬化性樹脂組成物Aを光学材料、特に光半導体封止剤は、着色防止目的のため、光安定剤としてのアミン化合物又は、酸化防止材としてのリン系化合物やフェノール系化合物を含有することができる。 前記アミン化合物としては、例えば、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)=1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシラート、テトラキス(2,2,6,6−トトラメチル−4−ピペリジル)=1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシラート、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノール及び3,9−ビス(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンとの混合エステル化物、デカン二酸ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−ウンデカンオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)カーボネート、2,2,6,6,−テトラメチル−4−ピペリジルメタクリレート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−〔2−〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル〕−4−〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル−メタアクリレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)〔〔3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル〕メチル〕ブチルマロネート、デカン二酸ビス(2,2,6,6−テトラメチル−1(オクチルオキシ)−4−ピペリジニル)エステル,1,1−ジメチルエチルヒドロペルオキシドとオクタンの反応生成物、N,N’,N″,N″’−テトラキス−(4,6−ビス−(ブチル−(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アミノ)−トリアジン−2−イル)−4,7−ジアザデカン−1,10−ジアミン、ジブチルアミン・1,3,5−トリアジン・N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル−1,6−ヘキサメチレンジアミンとN−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミンの重縮合物、ポリ〔〔6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル〕〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕ヘキサメチレン〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕〕、コハク酸ジメチルと4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジンエタノールの重合物、2,2,4,4−テトラメチル−20−(β−ラウリルオキシカルボニル)エチル−7−オキサ−3,20−ジアザジスピロ〔5・1・11・2〕ヘネイコサン−21−オン、β−アラニン,N,−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)−ドデシルエステル/テトラデシルエステル、N−アセチル−3−ドデシル−1−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)ピロリジン−2,5−ジオン、2,2,4,4−テトラメチル−7−オキサ−3,20−ジアザジスピロ〔5,1,11,2〕ヘネイコサン−21−オン、2,2,4,4−テトラメチル−21−オキサ−3,20−ジアザジシクロ−〔5,1,11,2〕−ヘネイコサン−20−プロパン酸ドデシルエステル/テトラデシルエステル、プロパンジオイックアシッド,〔(4−メトキシフェニル)−メチレン〕−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)エステル、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノールの高級脂肪酸エステル、1,3−ベンゼンジカルボキシアミド,N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)等のヒンダートアミン系、オクタベンゾン等のベンゾフェノン系化合物、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−3−(3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミド−メチル)−5−メチルフェニル〕ベンゾトリアゾール、2−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ペンチルフェニル)ベンゾトリアゾール、メチル3−(3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートとポリエチレングリコールの反応生成物、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−ドデシル−4−メチルフェノール等のベンゾトリアゾール系化合物、2,4−ジ−tert−ブチルフェニル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等のベンゾエート系、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−〔(ヘキシル)オキシ〕フェノール等のトリアジン系化合物等が挙げられるが、特に好ましくは、ヒンダートアミン系化合物である。 前記光安定材であるアミン化合物として、次に示す市販品を使用することができる。 市販されているアミン系化合物としては特に限定されず、例えば、チバスペシャリティケミカルズ製として、TINUVIN765、TINUVIN770DF、TINUVIN144、TINUVIN123、TINUVIN622LD、TINUVIN152、CHIMASSORB944、アデカ製として、LA−52、LA−57、LA−62、LA−63P、LA−77Y、LA−81、LA−82、LA−87等が挙げられる。 前記リン系化合物としては特に限定されず、例えば、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ジトリデシルホスファイト−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、フェニルビスフェノールAペンタエリスリトールジホスファイト、ジシクロヘキシルペンタエリスリトールジホスファイト、トリス(ジエチルフェニル)ホスファイト、トリス(ジ−イソプロピルフェニル)ホスファイト、トリス(ジ−n−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)(2−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ホスファイト、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェニル)(2−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ホスファイト、2,2’−エチリデンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェニル)(2−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−3,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−3,3’−ビフェニレンジホスホナイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−フェニルホスホナイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−3−フェニル−フェニルホスホナイト、ビス(2,6−ジ−n−ブチルフェニル)−3−フェニル−フェニルホスホナイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−フェニルホスホナイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−3−フェニル−フェニルホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチル−5−メチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、トリブチルホスフェート、トリメチルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクロルフェニルホスフェート、トリエチルホスフェート、ジフェニルクレジルホスフェート、ジフェニルモノオルソキセニルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、ジブチルホスフェート、ジオクチルホスフェート、ジイソプロピルホスフェート等が挙げられる。 上記リン系化合物は、市販品を用いることもできる。市販されているリン系化合物としては特に限定されず、例えば、アデカ製として、アデカスタブPEP−4C、アデカスタブPEP−8、アデカスタブPEP−24G、アデカスタブPEP−36、アデカスタブHP−10、アデカスタブ2112、アデカスタブ260、アデカスタブ522A、アデカスタブ1178、アデカスタブ1500、アデカスタブC、アデカスタブ135A、アデカスタブ3010、アデカスタブTPPが挙げられる。 フェノール化合物としては特に限定はされず、例えば、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、n−オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、2,4−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェノール、1,6−ヘキサンジオール−ビス−[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレイト、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、ペンタエリスリチル−テトラキス−[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、3,9−ビス−〔2−[3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−プロピオニルオキシ]−1,1−ジメチルエチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカン、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,2’−ブチリデンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、2−tert−ブチル−6−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェノールアクリレート、2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ペンチルフェニル)エチル]−4,6−ジ−tert−ペンチルフェニルアクリレート、4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2,4−ジ−tert−ブチルフェノール、2,4−ジ−tert−ペンチルフェノール、4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、ビス−[3,3−ビス−(4’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチルフェニル)−ブタノイックアシッド]−グリコールエステル、2,4−ジ−tert−ブチルフェノール、2,4−ジ−tert−ペンチルフェノール、2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ペンチルフェニル)エチル]−4,6−ジ−tert−ペンチルフェニルアクリレート、ビス−[3,3−ビス−(4’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチルフェニル)−ブタノイックアシッド]−グリコールエステル等が挙げられる。 上記フェノール系化合物は、市販品を用いることもできる。市販されているフェノール系化合物としては特に限定されず、例えば、チバスペシャリティケミカルズ製としてIRGANOX1010、IRGANOX1035、IRGANOX1076、IRGANOX1135、IRGANOX245、IRGANOX259、IRGANOX295、IRGANOX3114IRGANOX1098、IRGANOX1520L、アデカ製としては、アデカスタブAO−20、アデカスタブAO−30、アデカスタブAO−40、アデカスタブAO−50、アデカスタブAO−60、アデカスタブAO−70、アデカスタブAO−80、アデカスタブAO−90、アデカスタブAO−330、住友化学工業製として、SumilizerGA−80、Sumilizer MDP−S、Sumilizer BBM−S、Sumilizer GM、Sumilizer GS(F)、Sumilizer GP等が挙げられる。 このほか、樹脂の着色防止剤として市販されている添加材を使用することができる。例えば、チバスペシャリティケミカルズ製として、TINUVIN328、TINUVIN234、TINUVIN326、TINUVIN120、TINUVIN477、TINUVIN479、CHIMASSORB2020FDL、CHIMASSORB119FL等が挙げられる。 上記リン系化合物、アミン化合物、フェノール系化合物の中から少なくとも1種以上を含有することが好ましく、その配合量としては特に限定されないが、該硬化性樹脂組成物に対して、0.005〜5.0重量%の範囲である。 本発明の硬化性樹脂組成物Aを光学材料、特に光半導体封止剤に使用する場合、安定性向上の目的で亜鉛塩(亜鉛錯体)を必要により添加しても良い。特にシルセスキオキサン構造のエポキシ樹脂を併用している場合、腐食性ガスの浸透防止に非常に効果的である。亜鉛塩としては、亜鉛イオンを中心元素とした塩および/または錯体であって、好ましくは、カウンターイオンおよび/または配位子として燐酸エステル、燐酸を有する構造である。 特に、燐酸、炭素数1〜30の燐酸エステル(モノエステル体、ジエステル体、トリエステル体、もしくはそれらの混合物)の亜鉛塩(亜鉛錯体)が好ましい。炭素数1〜30の燐酸エステルの具体的なアルキルの事例としては、メチル、イソプロピル、ブチル、2−エチルヘキシル、オクチル、イソデシル、イソステアリル、デカニル、セチルなどが挙げられる。 本発明においては特に炭素数3〜15の燐酸エステルが好ましく、そのエステル体は混合でも単品でも構わないが、その主たる成分が燐酸モノエステル体であることが好ましい。特に含有される燐酸エステル中、モノエステル体、ジエステル体、トリエステル体のモル比(ガスクロマトグラフィーの純度で代替。ただし、トリメチルシリル化を行う必要があるため、感度に差が出てしまう。)において、トリメチル化処理をした段階で、モノエステル体の存在量が50面積%以上であることが好ましい。 このような燐酸エステル化合物はアルコールにリン酸化剤として五酸化リン、オキシ塩化リン、三塩化リンなどを用いてエステル化することで得ることができる。また、これらリン酸は例えば炭酸亜鉛、水酸化亜鉛などと反応させることで得られる(欧州特許出願公開第699708号明細書)。 このような燐酸エステルの亜鉛塩(亜鉛錯体)の詳細としては燐原子と亜鉛原子の比率(P/Zn)が1.2〜2.3が好ましく、1.3〜2.0がより好ましい。特に好ましくは1.4〜1.9である。すなわち、特に好ましい形態では、亜鉛イオン1モルに対し、燐酸エステル(もしくは燐酸)が1.9モル以下となり、単純なイオン構造ではなく、いくつかの分子がイオン結合(あるいは配位結合)により関わった構造を有しているものが好ましい。 ここで、エポキシ樹脂成分と亜鉛塩(亜鉛錯体)の比率は、エポキシ樹脂成分に対し亜鉛塩(亜鉛錯体)は重量比で0.01〜8重量%、より好ましくは0.05〜5重量%、0.1〜4重量%である。 8重量%を超える場合、硬化性樹脂組成物とした際のポットライフが問題となり、0.01重量%を下回る場合、効果が顕著ではない。 本発明の硬化性樹脂組成物Aは、各成分を均一に混合することにより得られる。本発明の硬化性樹脂組成物Aは従来知られている方法と同様の方法で容易にその硬化物とすることができる。例えば本発明のエポキシ樹脂と、硬化剤と、必要に応じて添加される硬化促進剤、リン含有化合物、バインダー樹脂、無機充填材及び配合剤とを押出機、ニーダあるいはロール等を用いて均一になるまで充分に混合して硬化性樹脂組成物を得、その硬化性樹脂組成物を溶融後注型あるいはトランスファー成型機などを用いて成型し、さらに80〜200℃で2〜10時間加熱することにより本発明の硬化物を得ることができる。 また本発明の硬化性樹脂組成物Aをトルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等の溶剤に溶解させ、硬化性樹脂組成物ワニスとし、ガラス繊維、カ−ボン繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アルミナ繊維、紙などの基材に含浸させて加熱乾燥して得たプリプレグを熱プレス成形することにより、本発明の硬化物とすることができる。この際の溶剤は、本発明の硬化性樹脂組成物Aと該溶剤の混合物中で通常10〜70重量%、好ましくは15〜70重量%を占める量を用いる。また液状組成物のままRTM(Resin Transfer Molding)方式でカーボン繊維を含有する樹脂硬化物を得ることもできる。 また本発明の硬化性樹脂組成物Aをフィルム型組成物の改質剤としても使用できる。具体的にはB−ステージにおけるフレキシビリティ特性等を向上させる場合に用いることができる。このようなフィルム型の樹脂組成物は、本発明の硬化性樹脂組成物Aを前記硬化性樹脂組成物ワニスとして剥離フィルム上に塗布し、加熱下で溶剤を除去した後、Bステージ化を行うことによりシート状の接着剤として得られる。このシート状接着剤は多層基板などにおける層間絶縁層として使用することが出来る。 硬化性樹脂組成物B(酸性の硬化触媒によるカチオン硬化) 本発明の硬化性樹脂組成物Bは、酸性の硬化触媒として光重合開始剤あるいは熱重合開始剤を含有する。さらに、希釈剤、重合性モノマー、重合性オリゴマー、重合開始補助剤、光増感剤等の各種公知の化合物、材料等を含有していてもよい。また、所望に応じて無機充填材、着色顔料、紫外線吸収剤、酸化防止剤、安定剤等、各種公知の添加剤を含有してもよい。 酸性硬化触媒としてはカチオン重合開始剤が好ましく、光カチオン重合開始剤が特に好ましい。カチオン重合開始剤としてはヨードニウム塩、スルホニウム塩、ジアゾニウム塩等のオニウム塩を有するものが挙げられ、これらは単独または2種以上で使用することができる。 活性エネルギー線カチオン重合開始剤の例は、金属フルオロホウ素錯塩および三フッ化ホウ素錯化合物(米国特許第3379653号)、ビス(ペルフルアルキルスルホニル)メタン金属塩(米国特許第3586616号)、アリールジアゾニウム化合物(米国特許第3708296号)、VIa族元素の芳香族オニウム塩(米国特許第4058400号)、Va族元素の芳香族オニウム塩(米国特許第4069055号)、IIIa〜Va族元素のジカルボニルキレート(米国特許第4068091号)、チオピリリウム塩(米国特許第4139655号)、MF6−陰イオンの形のVIb族元素(米国特許第4161478号;Mはリン、アンチモンおよび砒素から選択される。)、アリールスルホニウム錯塩(米国特許第4231951号)、芳香族ヨードニウム錯塩および芳香族スルホニウム錯塩(米国特許第4256828号)、およびビス[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド−ビス−ヘキサフルオロ金属塩(Journal of Polymer Science, Polymer Chemistry、第2巻、1789項(1984年))である。その他、鉄化合物の混合配位子金属塩およびシラノール−アルミニウム錯体も使用することが可能である。 また、具体例としては、「アデカオプトマーSP150」、「アデカオプトマーSP170」(いずれも旭電化工業社製)、「UVE−1014」(ゼネラルエレクトロニクス社製)、「CD−1012」(サートマー社製)、「RP−2074」(ローディア社製)等が挙げられる。 該カチオン重合開始剤の使用量は、エポキシ樹脂成分100質量部に対して、好ましくは、0.01〜50質量部であり、より好ましくは、0.1〜10質量部である。 更に、これらの光カチオン重合開始剤と公知の重合開始補助剤および光増感剤の1種または2種以上を同時に使用することが可能である。重合開始補助剤の例としては、例えば、ベンゾイン、ベンジル、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノールプロパン−1−オン、N,N−ジメチルアミノアセトフェノン、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2−アミルアントラキノン、2−イソプロピルチオキサトン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、アセトフェノンジメチルケタール、ベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、ミヒラーズケトン等の光ラジカル重合開始剤が挙げられる。光ラジカル重合開始剤等の重合開始補助剤の使用量は、光ラジカル可能な成分100重量部に対して、0.01〜30重量部であり、好ましくは0.1〜10重量部である。 光増感剤の具体例としては、アントラセン、2−イソプロピルチオキサトン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、アクリジン オレンジ、アクリジン イエロー、ホスフィンR、ベンゾフラビン、セトフラビンT、ペリレン、N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、N,N−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、トリエタノールアミン、トリエチルアミン等を挙げることができる。光増感剤の使用量は、全エポキシ樹脂成分100重量部に対して、0.01〜30重量部であり、好ましくは0.1〜10重量部である。 更に、本発明の硬化性樹脂組成物Bには、必要に応じて無機充填剤やシランカップリング材、離型剤、顔料等の種々の配合剤、各種熱硬化性樹脂を添加することができる。具体的な例としては前述の通りである。 本発明の硬化性樹脂組成物Bは、各成分を均一に混合することにより得られる。またポリエチレングリコールモノエチルエーテルやシクロヘキサノン、γブチロラクトン等の有機溶剤に溶解させ、均一とした後、乾燥により溶剤を除去して使用することも可能である。この際の溶剤は、本発明の硬化性樹脂組成物Bと該溶剤の混合物中で通常10〜70重量%、好ましくは15〜70重量%を占める量を用いる。 本発明の硬化性樹脂組成物Bは紫外線照射することにより硬化できるが、その紫外線照射量は、硬化性樹脂組成物に依存して異なるため、それぞれの組成に合わせて硬化条件が決定される。基本的には、硬化物が使用目的において必要とされる強度を発現できる硬化条件であれば良い。通常、これらエポキシ樹脂系組成物は光照射のみで完全に硬化させることが難しいため、耐熱性が求められる用途においては光照射後に加熱により完全に反応を終了させる必要がある。また、光硬化の際の照射光を細部まで透過させることが必要なため、本発明のエポキシ樹脂および硬化性樹脂組成物Bにおいては透明性の高い化合物および組成物が望まれる。 光照射後に加熱を行なう場合は、通常の硬化性樹脂組成物Bの硬化温度域で行なうことができる。例えば常温〜150℃で30分〜7日間の範囲が好適である。硬化性樹脂組成物Bの配合により変化するが、特に高い温度域であればあるほど光照射後の硬化促進に効果があり、短時間の熱処理で効果がある。また、低温であればあるほど長時間の熱処理を要する。このような熱アフターキュアすることで、エージング処理になるという効果も出る。 また、これら硬化性樹脂組成物Bを硬化させて得られる硬化物の形状も用途に応じて種々とりうるので特に限定されないが、例えばフィルム状、シート状、バルク状などの形状とすることもできる。成形する方法は適応する部位、部材によって異なるが、例えば、キャスト法、注型法、スクリーン印刷法、スピンコート法、スプレー法、転写法、ディスペンサー方式などが挙げられるが、これらに限定されず所望の形状を得るために適当な方法を採用すればよい。成形型は研磨ガラス、硬質ステンレス研磨板、ポリカーボネート板、ポリエチレンテレフタレート板、ポリメチルメタクリレート板等を適用することができる。また、成形型との離型性を向上させるためポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリテトラフルオロエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリイミドフィルム等を適用することができる。 例えばカチオン硬化性のレジストに使用する際においては、まず、ポリエチレングリコールモノエチルエーテルやシクロヘキサノンあるいはγブチロラクトン等の有機溶剤に溶解させた本発明の光カチオン硬化性樹脂組成物Bを銅張積層板やセラミック基板またはガラス基板等の基板上に、スクリーン印刷、スピンコート法などの手法によって、5〜160μmの膜厚で本発明の組成物を塗布し、塗膜を形成する。そして、該塗膜を60〜110℃で予備乾燥させた後、所望のパターンの描かれたネガフィルムを通して紫外線(例えば低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノン灯、レーザー光等)を照射し、ついで、70〜120℃で露光後ベーク処理を行う。その後ポリエチレングリコールモノエチルエーテル等の溶剤で未露光部分を溶解除去(現像)した後、さらに必要があれば紫外線の照射及び/または加熱(例えば100〜200℃で0.5〜3時間)によって十分な硬化を行い、硬化物を得る。このようにしてプリント配線板を得ることも可能である。 本発明の硬化性樹脂組成物Aおよび硬化性樹脂組成物Bを硬化してなる硬化物は光学部品材料をはじめ各種用途に使用できる。光学用材料とは、可視光、赤外線、紫外線、X線、レーザーなどの光をその材料中を通過させる用途に用いる材料一般を示す。より具体的には、砲弾型、SMDタイプ等のLED用封止材の他、以下のようなものが挙げられる。液晶ディスプレイ分野における基板材料、導光板、プリズムシート、偏光板、位相差板、視野角補正フィルム、接着剤、偏光子保護フィルムなどの液晶用フィルムなどの液晶表示装置周辺材料である。また、次世代フラットパネルディスプレイとして期待されるカラーPDP(プラズマディスプレイ)の封止材、反射防止フィルム、光学補正フィルム、ハウジング材、前面ガラスの保護フィルム、前面ガラス代替材料、接着剤、またLED表示装置に使用されるLEDのモールド材、LEDの封止材、LED反射板、前面ガラスの保護フィルム、前面ガラス代替材料、接着剤、またプラズマアドレス液晶(PALC)ディスプレイにおける基板材料、導光板、プリズムシート、偏向板、位相差板、視野角補正フィルム、接着剤、偏光子保護フィルム、また有機EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイにおける前面ガラスの保護フィルム、前面ガラス代替材料、接着剤、またフィールドエミッションディスプレイ(FED)における各種フィルム基板、前面ガラスの保護フィルム、前面ガラス代替材料、接着剤である。光記録分野では、VD(ビデオディスク)、CD/CD−ROM、CD−R/RW、DVD−R/DVD−RAM、MO/MD、PD(相変化ディスク)、光カード用のディスク基板材料、ピックアップレンズ、保護フィルム、封止材、接着剤などである。 光学機器分野では、スチールカメラのレンズ用材料、ファインダプリズム、ターゲットプリズム、ファインダーカバー、受光センサー部である。また、ビデオカメラの撮影レンズ、ファインダーである。またプロジェクションテレビの投射レンズ、保護フィルム、封止材、接着剤などである。光センシング機器のレンズ用材料、封止材、接着剤、フィルムなどである。光部品分野では、光通信システムでの光スイッチ周辺のファイバー材料、レンズ、導波路、素子の封止材、接着剤などである。光コネクタ周辺の光ファイバー材料、フェルール、封止材、接着剤などである。光受動部品、光回路部品ではレンズ、導波路、LEDの封止材、CCDの封止材、接着剤などである。光電子集積回路(OEIC)周辺の基板材料、ファイバー材料、素子の封止材、接着剤などである。光ファイバー分野では、装飾ディスプレイ用照明・ライトガイドなど、工業用途のセンサー類、表示・標識類など、また通信インフラ用および家庭内のデジタル機器接続用の光ファイバーである。半導体集積回路周辺材料では、LSI、超LSI材料用のマイクロリソグラフィー用のレジスト材料である。自動車・輸送機分野では、自動車用のランプリフレクタ、ベアリングリテーナー、ギア部分、耐蝕コート、スイッチ部分、ヘッドランプ、エンジン内部品、電装部品、各種内外装品、駆動エンジン、ブレーキオイルタンク、自動車用防錆鋼板、インテリアパネル、内装材、保護・結束用ワイヤーハーネス、燃料ホース、自動車ランプ、ガラス代替品である。また、鉄道車輌用の複層ガラスである。また、航空機の構造材の靭性付与剤、エンジン周辺部材、保護・結束用ワイヤーハーネス、耐蝕コートである。建築分野では、内装・加工用材料、電気カバー、シート、ガラス中間膜、ガラス代替品、太陽電池周辺材料である。農業用では、ハウス被覆用フィルムである。次世代の光・電子機能有機材料としては、有機EL素子周辺材料、有機フォトリフラクティブ素子、光−光変換デバイスである光増幅素子、光演算素子、有機太陽電池周辺の基板材料、ファイバー材料、素子の封止材、接着剤などである。 更に、本発明の硬化性樹脂組成物A及び硬化性樹脂組成物Bの用途は上記に限定されることはなく、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂が使用される一般の用途に適用可能である。具体的には、接着剤、塗料、コーティング剤、成形材料(シート、フィルム、FRP等を含む)、絶縁材料(プリント基板、電線被覆等を含む)、封止材の他、基板用のシアネート樹脂組成物や、レジスト用硬化剤としてアクリル酸エステル系樹脂等、他樹脂等への添加剤等が挙げられる。 接着剤としては、土木用、建築用、自動車用、一般事務用、医療用の接着剤の他、電子材料用の接着剤が挙げられる。これらのうち電子材料用の接着剤としては、ビルドアップ基板等の多層基板の層間接着剤、ダイボンディング剤、アンダーフィル等の半導体用接着剤、BGA補強用アンダーフィル、異方性導電性フィルム(ACF)、異方性導電性ペースト(ACP)等の実装用接着剤等が挙げられる。 封止剤としては、コンデンサ、トランジスタ、ダイオード、発光ダイオード、IC、LSIなどに用いられるポッティング、ディッピング及びトランスファーモールド封止、ICやLSI類のCOB、COF、TABなどに用いられるポッティング封止、フリップチップなどに用いられるアンダーフィル、QFP、BGA及びCSPなどのICパッケージ類実装時の封止(補強用アンダーフィル)などを挙げることができる。 次に本発明を実施例により更に具体的に説明するが、以下において部は特に断わりのない限り重量部である。尚、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。また実施例において各物性値等は以下のようにして測定した。1)エポキシ当量:JIS K−7236に準じて測定。2)粘度:25℃においてE型粘度計を使用して測定。3)ガスクロマトグラフィー(以下、「GC」という): 分析条件 分離カラム;HP5−MS(0.25mm I.D.× 15m, 膜厚0.25μm) カラムオーブン温度;初期温度100℃に設定し、毎分 15℃の速度で昇温させ300℃で60分間保持した。 キャリアーガス:ヘリウム4)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、「GPC」という): カラム;Shodex SYSTEM−21カラム(KF−803L、KF−802.5(×2本)、KF−802) 連結溶離液;テトラヒドロフラン、流速は1ml/min. カラム温度;40℃ 検出;RI実施例1 撹拌機、還流冷却管、撹拌装置、ディーンスターク管を備えたフラスコに、窒素パージを施しながら、日本国特開2009−126854号公報の記載に準じて合成したトランス体:シス体=98:2である1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジメチル200部、3−シクロヘキセン−1−メタノール336部、オルトチタン酸テトラブチル0.1部を加え、140℃で1時間、150℃で1時間、160℃で1時間、170℃で10時間、生成するメタノールを除きながら反応を行った。反応終了後、トルエン580部を加え、10重量%水酸化ナトリウム水溶液120部で3回水洗、さらに得られた有機層を水70部/回で水層が中性になるまで水洗した後、ロータリーエバポレーターで有機溶剤を濃縮することで本発明のジオレフィン化合物(D−1)が345部得られた。形状は、濃縮直後は液状であるが、室温で徐々に結晶化して白色結晶となった。GCによる異性体比はトランス体:シス体=98:2、GPCによる分析の結果、95%の純度である事を確認した。実施例2 撹拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えたフラスコに、窒素パージを施しながら水15部、12−タングストリン酸0.95部、燐酸水素2ナトリウム0.78部、ジ硬化牛脂アルキルジメチルアンモニウムアセテート2.7部(ライオンアクゾ製 50%ヘキサン溶液、アカード2HTアセテート)を加え、タングステン酸系触媒を生成させた後、トルエン180部、実施例1で得られたジオレフィン化合物(D−1)を118部加え、さらに再度攪拌することでエマルジョン状態の液とした。この溶液を50℃に昇温し、激しく攪拌しながら、35重量%過酸化水素水70部を加え、そのまま50℃で13時間攪拌した。GCにて反応の進行を確認したところ、原料ピークは消失していた。 ついで1%水酸化ナトリウム水溶液で中和した後、20重量%チオ硫酸ナトリウム水溶液25部を加え30分攪拌を行い、静置した。2層に分離した有機層を取り出し、ここにシリカゲル(ワコーゲル C−300)10部、活性炭(NORIT製 CAP SUPER)20部、ベントナイト(ホージュン製 ベンゲルSH)20部を加え、室温で1時間攪拌後、ろ過した。得られたろ液を水100部で3回水洗を行い、得られた有機層より、有機溶剤を留去することで本発明のエポキシ樹脂(E−1)122部を得た。形状は濃縮直後は液状であるが、室温で徐々に結晶化して白色結晶となった。 また、その融点は57℃であり、エポキシ当量は206g/eq.であった。GCによる異性体比はトランス体:シス体=98:2、GPCによる分析の結果、95%の純度である事を確認した。実施例3 撹拌機、還流冷却管、撹拌装置、ディーンスターク管を備えたフラスコに、窒素パージを施しながら、トランス体:シス体=98:2である1,4−シクロヘキサンジカルボン酸172部、3−シクロヘキセン-1-メタノール224部、トルエン600部、p-トルエンスルホン酸4部を加え、還流温度で生成する水を除きながら6時間反応を行った。反応終了後、10重量%水酸化ナトリウム水溶液120部で3回水洗、さらに得られた有機層を水70部/回で水層が中性になるまで水洗した後、ロータリーエバポレーターで有機溶剤を濃縮することで本発明のジオレフィン化合物(D−2)が343部得られた。形状は液状であった。GCによる異性体比はトランス体:シス体=50:50、GPCによる分析の結果、93%の純度である事を確認した。実施例4 実施例2においてジオレフィン化合物D−1をD−2に変えた以外は同様の操作を行ったところ、本発明のエポキシ樹脂(E−2)を120部得た。形状は濃縮直後は液状であるが、室温で数日後に結晶化して白色結晶となった。 また、エポキシ当量は209g/eq.であった。GCによる異性体比はトランス体:シス体=50:50、GPCによる分析の結果、92%の純度である事を確認した。実施例5 トランス体:シス体=80:20のもの173部とトランス体:シス体=98:2のもの27部、3−シクロヘキセン−1−メタノール450部、オルトチタン酸テトラブチル0.1部を加え、140℃で1時間、150℃で1時間、160℃で1時間、170℃で10時間、生成するメタノールを除きながら反応を行った。反応終了後、シリカゲル(富士シリシア化学製 PSQ−60B)1部を加え、そのままロータリーエバポレーターで過剰の3−シクロヘキセン−1−メタノールを留去し、ろ過によりシリカゲルを除去したところジオレフィン化合物(D−3)を340部得た。得られた化合物の形状は液状であった。GCによる異性体比はトランス:シス=30:70、GPCによる分析の結果、97%の純度である事を確認した。実施例6 実施例2においてジオレフィン化合物(D−1)を(D−3)に変えた以外は同様の操作を行ったところ、エポキシ樹脂(E−3)を123部得た。形状は液状となった。 また、エポキシ当量は203g/eq.であった。GCによる異性体比はトランス:シス=30:70、GPCによる分析の結果、94%の純度である事を確認した。比較例1 実施例1においてトランス体:シス体=98:2である1,4-シクロヘキサンジカルボン酸ジメチルをトランス体:シス体=17:83のもの(岩谷瓦斯株式会社製)に変え、170℃での反応を24時間に変えた以外は同様の操作を行いジオレフィン化合物(CD−1)を340部得た。得られた化合物の形状は液状であった。GCによる異性体比はトランス体:シス体=19:81、GPCによる分析の結果、96%の純度である事を確認した。比較例2 実施例2においてジオレフィン化合物(D−1)を(CD−1)に変えた以外は同様の操作を行い、エポキシ樹脂(CE−1)を120部得た。形状は液状となった。 また、エポキシ当量は216g/eq.であった。GCによる異性体比はトランス体:シス体=21:79、GPCによる分析の結果、91%の純度である事を確認した。合成例1 撹拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えたフラスコに、窒素パージを施しながらトリシクロデカンジメタノール20部、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物(新日本理化(株)製、リカシッドMH 以下、酸無水物(H−1))100部を加え、40℃で3時間反応後、70℃で1時間加熱撹拌を行うことで(GPCによりトリシクロデカンジメタノールの消失(1面積%以下)を確認した。)多価カルボン酸(B−1)と酸無水物(H−1)を含有する硬化剤組成物(T−1)が120部得られた。得られた硬化剤組成物は無色の液状樹脂であり、GPCによる純度は多価カルボン酸(B−1;下記式(5))を55面積%、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物が45面積%であった。また、官能基当量は201g/eq.であった。式(5)実施例7,8,9、比較例3、4 エポキシ樹脂として実施例2、4、6、比較例2で得られたエポキシ樹脂(E-1)、(E-2)、(E-3)、(CE-1)及び3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキシルカルボキシレート(ダウ・ケミカル製 UVR−6105 以下エポキシ樹脂(E−4))、硬化剤として、合成例1で得られた硬化剤組成物(T−1)、前記酸無水物(H−1)及びシクロヘキサン−1,2,4−トリカルボン酸-1,2−無水物(三菱ガス化学製 H−TMAn 以下、酸無水物(H−2))、硬化促進剤として4級ホスホニウム塩(日本化学工業製 ヒシコーリンPX4MP 以下、触媒(I−1))を使用し、下記表1に示す配合比(重量部)で配合し、20分間脱泡を行い、本発明または比較用の硬化性樹脂組成物を得た。 得られた硬化性樹脂組成物を真空脱泡20分間実施後、シリンジに充填し精密吐出装置を使用して、発光波長465nmを持つ発光素子を搭載した表面実装型LEDに注型した。その後、120℃・1時間+150度・3時間の条件で硬化させることで、試験用LEDを得た。 測定項目としては、200時間点灯前後の照度を積分球を使用して測定し、試験用LEDの照度の保持率を算出した。点灯詳細条件 発光波長:465nm 駆動方式:定電流方式、60mA(発光素子規定電流は30mA) 駆動環境:温度85℃、相対湿度85%実施例10、比較例5 エポキシ樹脂として実施例6で得られたエポキシ樹脂(E-3)、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキシルカルボキシレート(ダウ・ケミカル製 UVR−6105 エポキシ樹脂(E−4))、硬化剤として前記酸無水物(H−1)、硬化促進剤として2-エチル-4-メチルイミダゾール(以下、触媒(I-2))を使用し、下記表2に示す配合比(重量部)で配合し、金型に注型後120℃・2時間+150℃・6時間の条件で硬化させて直径5cm×厚さ4mmの円盤の試験片を作製した。この試験片の吸湿率(重量増加率)を測定した。 吸湿率は下記の2種の条件で測定した。 (1)温度85℃、相対湿度85%の環境下で24時間放置 (2)温度121℃、相対湿度100%の環境下で24時間放置 以上の結果より、シス体・トランス体比を調整したジオレフィンから得られた本発明のエポキシ樹脂を含む硬化性樹脂組成物は、耐熱・耐光特性に優れた硬化物を与えることが明らかである。また、流通している他のエポキシ樹脂と比較して、本発明のエポキシ樹脂を含む硬化性樹脂組成物は吸湿特性に優れた硬化物を与えることがわかる。 本発明を特定の態様を参照して詳細に説明したが、本発明の精神と範囲を離れることなく様々な変更および修正が可能であることは、当業者にとって明らかである。 なお、本出願は、2009年12月24日付で出願された日本特許出願(特願2009−293478)に基づいており、その全体が引用により援用される。また、ここに引用されるすべての参照は全体として取り込まれる。 下記式(1)(式中、複数存在するRはそれぞれ独立して、水素原子、もしくは炭素数1〜6のアルキル基を表す。)で表されるジオレフィン化合物(トランス体)と下記式(2)(式中、複数存在するRはそれぞれ独立して、水素原子、もしくは炭素数1〜6のアルキル基を表す。)で表されるジオレフィン化合物(シス体)とからなり、その存在割合がトランス体:シス体=98:2〜25:75であるジオレフィン化合物を酸化することにより得られるエポキシ樹脂と、硬化剤とを含有する熱硬化性樹脂組成物。 前記ジオレフィン化合物がエステル交換反応によって得られるものである請求項1記載の熱硬化性樹脂組成物。 前記ジオレフィン化合物がトランス体とシス体の比率が98:2〜30:70である請求項1または2記載の熱硬化性樹脂組成物。 前記エポキシ樹脂が過酸化水素および過酸のいずれかを用いてエポキシ化されたものである請求項1〜3のいずれか一項に記載の熱硬化性樹脂組成物。 さらに硬化促進剤を含有する請求項1〜4のいずれか一項に記載の熱硬化性樹脂組成物。 請求項1〜5のいずれか一項に記載の熱硬化性樹脂組成物を硬化してなる硬化物。 請求項1〜5のいずれか一項に記載の熱硬化性樹脂組成物を硬化・封止して得られる光半導体装置。