生命科学関連特許情報

タイトル:公表特許公報(A)_二量体ピロロピリミジンジオンおよび呼吸器疾患の治療におけるそれの使用
出願番号:2011546962
年次:2012
IPC分類:C07D 519/00,A61P 11/00,A61P 29/00,A61K 31/519


特許情報キャッシュ

エドワーズ,クリスティン クラゴウスキ,ヤヌス フィンチ,ハリー JP 2012516316 公表特許公報(A) 20120719 2011546962 20100122 二量体ピロロピリミジンジオンおよび呼吸器疾患の治療におけるそれの使用 プルマゲン セラピューティクス (インフラメーション) リミテッド 511183928 ▲吉▼川 俊雄 100091683 エドワーズ,クリスティン クラゴウスキ,ヤヌス フィンチ,ハリー GB 0901616.3 20090130 GB 0908068.0 20090511 C07D 519/00 20060101AFI20120622BHJP A61P 11/00 20060101ALI20120622BHJP A61P 29/00 20060101ALI20120622BHJP A61K 31/519 20060101ALI20120622BHJP JPC07D519/00 311C07D519/00A61P11/00A61P29/00A61K31/519 AP(BW,GH,GM,KE,LS,MW,MZ,NA,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),EP(AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PE,PG,PH,PL,PT,RO,RS,RU,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN,ZA,ZM,ZW GB2010050092 20100122 WO2010086638 20100805 31 20110921 4C072 4C086 4C072MM01 4C072UU01 4C086AA01 4C086AA02 4C086AA03 4C086CB05 4C086MA01 4C086MA04 4C086MA13 4C086NA14 4C086ZA60 4C086ZB11 本発明は、ヒト好中球エラスターゼの阻害剤である、特異的に置換された3,4,6,7−テトラヒドロ−1H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−2,5−ジオン化合物に関し、かつ吸入投与による呼吸器疾患の治療におけるそれの使用に関する。 ヒト好中球エラスターゼ(HNE)は、好中球のアズール顆粒において発見された32kDaのセリンプロテイナーゼである。それは、エラスチンに加えてフィブロネクチン、ラミニン、プロテオグリカン、III型およびIV型コラーゲンを含む、幅広い細胞外マトリックスタンパク質の分解において役割を有している(Bieth,G.In Regulation of Matrix accumulation,Mecham,R.P.(Eds),Academic Press,NY,USA 1986,217−306)。HNEは、組織構成タンパク質の分解による損傷組織の修復または除去を通して、恒常性において重要な役割を担っていると長年にわたり考えられてきた。また、細菌体を分解することによる、細菌侵入に対する防御と関連している。マトリックス組織へのその効果に加えて、HNEはIL−8遺伝子発現の上方調節に関与し、かつ肺の上皮細胞からIL−8の放出を誘発する。喫煙暴露によって誘発される慢性閉塞性肺疾患の動物モデルでは、HNEの小分子阻害剤およびタンパク質阻害剤の両方が、炎症反応および気腫の進行を阻害する(Wright,J.L.ら、Am.J.Respir.Crit. Care Med.2002,166,954−960;Churg,A.ら、Am.J.Respir.Crit. Care Med.2003,168,199−207)。したがって、HNEは、好中球の流入が特有の特徴である、慢性呼吸器疾患におけるマトリックス破壊および炎症反応の増幅の両方において役割を担う可能性がある。実際に、HNEは慢性閉塞性肺疾患(COPD)、嚢胞性線維症(CF)、急性呼吸促迫症候群(ARDS)、肺気腫、肺炎および肺線維症を含む、様々な肺疾患に関与していると考えられている。また、それは、組織再構築が関連する様々な心血管疾患、例えば急性心筋梗塞に続く心不全および虚血性組織損傷の発生にも関与している。 COPDは、3つの異なる病態、すなわち、慢性気管支炎、気腫、および末梢気道疾患を包含する包括的用語であり、それらは全て気流制限の一因となっている。一般的に、3つ全てはCOPD患者において様々な程度で存在し、COPD患者における気管支肺胞洗浄(BAL)液中で観察される好中球数の増加によって支持されるように、3つ全ては好中球媒介性の炎症によるものであろう(Thompson,A.B.;Daughton,D.ら、Am.Rev.Respir.Dis.1989,140,1527−1537)。COPDの主な病原性決定基は、プロテアーゼ−抗−プロテアーゼバランス(「エラスターゼ:抗−エラスターゼ仮説」としても知られている)であり、HNEと、α1−抗トリプシン(α1−AT)、分泌型白血球プロテアーゼ阻害物質(SLPI)、およびプレ−エラフィン(pre−elafin)などの内在性抗プロテアーゼとの不均衡が、COPDの様々な炎症性疾患を引き起こすと長年にわたり考えられてきた。プロテアーゼ阻害剤であるα1−抗トリプシンの遺伝子欠損を有する個体は、時間と共に重症化する気腫を発症する(Laurrell,C.B.;Erikkson,S Scand.J.Clin.Invest.1963 15,132−140)。したがって、過剰のHNEは破壊的であり、弾性の損失および肺中の気道における肺胞壁(alveolar attachments)の破壊を伴う肺形態の崩壊(気腫)を引き起こし、同時に微小血管透過性および粘液過分泌を増大させる(慢性気管支炎)。 国際特許公開第2007/129060号は、とりわけ式M−L−M1のホモ二量体またはヘテロ二量体の化合物に関し、Lは二価のリンカー基であり、MおよびM1はそれぞれ独立に、式(A’)または(B’)の基である。式中、Aは、アリールまたはヘテロアリール、Dは、酸素または硫黄、R1、R2、R3およびR5は、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、ニトロ、シアノ、C1−C6−アルキル、C2−C6−アルケニル、C2−C6−アルキニル、ヒドロキシ、またはC1−C6−アルコキシ、もしくはC2−C6−アルケニルオキシであり、ここで、C1−C6−アルキルおよびC1−C6−アルコキシは水素、ヒドロキシおよびC1−C4−アルコキシから成る群より選択される1から3個の同一または異なる基とさらに置換可能であり、RおよびR4は、それぞれ独立に、式−[X]m−[Alk1]p−[Q]n−[Alk2]q−[X1]k−Zの基を表し、ここで、k、m、n、pおよびqは、独立に0または1であり、Alk1およびAlk2は、それぞれ独立に、エーテル(−O−)、チオエーテル(−S−)またはアミノ(−NRA−)結合(ここで、RAは水素またはC1−C3−アルキルである)を選択的に含み得る、選択的に置換されたC1−C6−アルキレンまたはC2−C6−アルケニレン基を表し、Qは、(i)−O−、−S−、−S(=O)−、−S(=O)2−、−S+(RA)−、−N(RA)−、−N+(RA)(RB)−、−C(=O)−、−C(=O)O−、−OC(=O)−、−C(=O)NRA−、−NRAC(=O)−、−S(O2)NRA−、−NRAS(O2)−、−NRAC(=O)NRB−、−NRAC(=NRA)NRB−、−C(=NRD)NRE−、−NREC(=NRD)−、ここで、RA、RB、RDおよびREは、独立に、水素、C1−C6アルキルもしくはC3−C6シクロアルキル、またはRAおよびRBもしくはRDおよびREは、それらが結合する窒素と共に、N、OおよびSから選択されるさらなるヘテロ原子を含み得る5から7の環原子からなる単環式複素環を形成し、または、(ii)3−6員環を有する選択的に置換された二価の単環式もしくは二環式の炭素環または複素環基を表し、Xは、−(C=O)−、−S(O2)−、−C(=O)O−、−(C=O)NRA−、または−S(O2)NRA−を表し、ここで、RAは、水素、C1−C6−アルキルまたはC3−C6シクロアルキルであり、X1は、−O−、−S−、または−NHを表し、かつZは、水素、または3−6員環を有する選択的に置換された単環式もしくは二環式の炭素環または複素環基である。国際公開第2007/129060号Bieth,G.In Regulation of Matrix accumulation,Mecham,R.P.(Eds),Academic Press,NY,USA 1986,217−306Wright,J.L.ら、Am.J.Respir.Crit. Care Med.2002,166,954−960Churg,A.ら、Am.J.Respir.Crit. Care Med.2003,168,199−207Thompson,A.B.;Daughton,D.ら、Am.Rev.Respir.Dis.1989,140,1527−1537Laurrell,C.B.;Erikkson,S Scand.J.Clin.Invest.1963 15,132−140 本発明は、国際公開第2007/129060号の特許請求の範囲内の化合物に関連するが、そこには具体的に開示されていない。国際公開第2007/129060号における化合物のように、本化合物は、肺および気道における炎症性疾患の治療のために、吸入による肺への応用に特に有用である。しかしながら、本化合物は、国際公開第2007/129060号に開示されるそれの最も密接な構造類似体と比較して、それの半減期(T1/2)として表される肺中でのより短い滞留時間の利点を有し、それは治療中止時のより早い排除において望ましい特性をもたらす。 本発明は、式(I)の化合物およびそれの薬学的に許容される塩を提供する。 塩の検討には、StahlおよびWermuthの、Handbook of Pharmaceutical Salts:Properties,Selection,and Use(Wiley−VCH、ワインハイム、独国、2002)を参照のこと。本発明の化合物における薬学的に許容される塩は、塩酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩、硫酸塩、酢酸塩、二酢酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、シュウ酸塩、メタンスルホン酸塩またはp−トルエンスルホン酸塩などの酸付加塩を含む。 本発明の化合物は、1以上の水和物または溶媒和物として単離し得、かつ単一または複数の多結晶形(crystalline polymorphic forms)であることが予測される。「本発明が関連する化合物」または「本発明の化合物」または「本化合物」または「式(I)の化合物」等に対する、本発明の特許請求の範囲を含めた本明細書におけるあらゆる言及には、このような化合物の塩、水和物、および溶媒和物、ならびにそれらの結晶形に対する言及が含まれる。 用語「溶媒和物」は、本発明の化合物、および化学量論量の1以上の薬学的に許容される溶媒分子、例えばエタノールなどを含む、分子複合体を表すために本明細書において使用される。用語「水和物」は、前記溶媒が水であるときに使用される。 本発明の化合物は、以下のようにアスタリスクによって示される2つの不斉中心を有する。 好ましくは、本発明の化合物は、R−Sおよび/またはS−S構造よりも、それらの中心において主にR−R構造(式(IA)に示す)を有する。 したがって、本発明の化合物における好ましい試料は、R−Rジアステレオマーを主に含む。例えば、本発明の化合物の試料は、式(IA)において表されるR−Rジアステレオマーの少なくとも90重量%、好ましくは少なくとも95重量%、より好ましくは98重量%かそれ以上、かつそれぞれその他のジアステレオマーの10重量%、5重量%または2重量%未満から成り得る。 本発明の化合物は、HNEが関与する疾患、例えば、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、慢性気管支炎、肺線維症、肺炎、急性呼吸促迫症候群(ARDS)、肺気腫、喫煙によって誘発される気腫、または嚢胞性線維症、喘息および鼻炎などの気道疾患を、治療または予防するための肺内投与を目的としたものである。したがって、本発明の化合物は、上述した気道状態または疾患で苦しむ患者を処置するための治療方法において使用可能である。 したがって、本発明の他の側面は、本発明の化合物および1以上の薬学的に許容される担体または賦形剤を含む、吸入による肺内投与に適した薬学的組成物である。上記で説明したように、本発明の薬学的組成物は、本発明の化合物が(S−SおよびR−Sジアステレオマーと比較して)R−Rジアステレオマーとして主に存在するものを含む。好ましくは、本発明の組成物は、式(I)の化合物において、R−Rジアステレオマーを少なくとも90重量%、または少なくとも95重量%、または少なくとも98重量%かそれ以上、かつそれぞれその他のジアステレオマーを10重量%、5重量%または2重量%未満含む。 肺吸入による投与に適した組成物は公知であり、このような化合物の使用のために知られている担体および/または希釈剤を含んでいてもよい。組成物は0.01−99重量%の活性化合物を含み得る。好ましくは、単位投与量は、活性化合物を1μgから10mgの量で含む。 最も適した投与量レベルは、当業者に周知のあらゆる適した方法によって決定され得る。しかしながら、特定の患者に対する具体的な量は、使用される具体的な化合物の活性度、患者の年齢、体重、食事、一般的健康状態および性別、投与時間、投与経路、排出率、その他の薬剤の使用、および治療中の病気の重症度を含む、様々な要因によって決まることが理解されよう。一般的に、1日用量の範囲は、単回または分割投与において、哺乳動物の体重1kg当たり約0.001mgから約100mg、好ましくは1kg当たり0.01mgから約50mg、および最も好ましくは1kg当たり0.1mgから10mgの範囲内であり得る。一方で、場合によってはこれらの制限の範囲外の投与量を使用しなければならない。 吸入による送達のために、活性化合物は好ましくは微粒子の形状である。それらは噴霧乾燥、凍結乾燥、および微粒子化を含む様々な技術によって調製可能である。 例として、本発明の組成物は、ネブライザーからの送達のために懸濁液として、または例えば加圧式定量噴霧式吸入器(PMDI)中で使用するための液体噴射剤中のエアロゾルとして調製可能である。PMDI中で使用するのに適した噴射剤は当業者に周知であり、CFC−12、HFA−134a、HFA−227、HCFC−22(CCl2F2)およびHFA−152(CH4F2およびイソブタン)を含む。 本発明の好ましい実施形態では、本発明の組成物は乾燥粉末吸入器(DPI)を使用して送達するために乾燥粉末の形態である。多種類のDPIが知られている。 吸入によって送達される微粒子は、送達および放出を補助する賦形剤を用いて製剤可能である。例えば、乾燥粉末製剤では、微粒子のDPIから肺への流入を補助する大きな担体粒子を用いて製剤され得る。適した担体粒子は公知であり、90μmを超える空気動力学的粒径(mass median aerodynamic diameter)を有するラクトース粒子を含む。 エアロゾルの発生は、例えば、圧力駆動のジェットアトマイザーまたは超音波アトマイザーを使用して、好ましくは噴射剤駆動式定量エアロゾル、または例えば吸入カプセルもしくはその他の「乾燥粉末」送達システムからの微粒子した化活性化合物の噴射剤を含まない投与を使用して実施可能である。 活性化合物は、使用される吸入器システムに応じて記載のごとく投与され得る。活性化合物に加えて、投与形態は、例えば噴射剤(例えば定量エアロゾルの場合のFrigen)、界面活性物質、乳化剤、安定化剤、保存剤、風味剤、充填剤(例えば、粉末吸入器の場合のラクトース)などのような賦形剤、または適切であれば、さらなる活性化合物を追加的に含む。吸入の目的では、患者に適切な吸入技術を使用して、最適粒子径のエアロゾルを発生し投与できる多数のシステムが利用可能である。特に粉末吸入器の場合には、アダプター(スペーサー、エクスパンダー)および梨型容器(例えばNebulator(登録商標)、Volumatic(登録商標))、および定量エアロゾル用のパフ噴霧(puffer spray)を噴出する自動デバイス(Autohaler(登録商標))の使用に加え、多数の技術的解決法を利用可能である(例えば、Diskhaler(登録商標)、Rotadisk(登録商標)、Turbohaler(登録商標)または例えば欧州特許公開第0505321号に記載されているような吸入器)。 エアロゾルをベースにした製剤の場合、好ましい組成物は、 本発明の化合物 24mg/キャニスター レシチン、NF Liq.Conc. 1.2mg/キャニスター トリクロロフルオロメタン、NF 4.025g/キャニスター ジクロロジフルオロメタン、NF 12.15g/キャニスター、である。 本発明の化合物は、本化合物が有用である疾患または状態の治療/予防/抑制または改善に使用される他の薬剤と組み合わせて使用可能である。このような他の薬剤は、本発明の化合物と同時にまたは連続して、1つの経路でかつそのために通常使用される量で投与し得る。本発明の化合物を1以上のその他の薬剤と同時に使用する場合には、本発明の化合物に加えてこのようなその他の薬剤を含有する薬学的組成物が好ましい。したがって、本発明の薬学的組成物には、本発明の化合物に加えて1以上のその他の活性成分をも含有する組成物が含まれる。 本発明の化合物を用いた併用療法のための適した治療薬は、(1)コルチコステロイド、例えば、フルチカゾンまたはブデソニド、(2)β2−アドレナリン受容体作動薬、例えばサルメテロールまたはフォルメテロール、(3)ロイコトリエン調節薬、例えば、モンテルカストまたはプランルカスト、(4)抗コリン薬、例えば、チオトロピウム臭化物などの選択的ムスカリン−3(M3)受容体拮抗薬、(5)二重ムスカリン−3(M3)受容体拮抗薬/β2−アドレナリン受容体作動薬、例えばGSK961081、(6)ホスホジエステラーゼ−IV(PDE−IV)阻害剤、例えばロフルミラストまたはシロミラスト、(7)鎮咳薬、例えば、コデインまたはデキストラモルファン、(8)非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、例えば、イブプロフェンまたはケトプロフェン、(9)粘液溶解薬、例えば、N−アセチルシステインまたはフドステイン、(10)去痰薬/粘液調節薬、例えば、アンブロキソール、高張液(例えば生理食塩水またはマンニトール)または界面活性剤、(11)ペプチド粘液溶解薬、例えば、組み換えヒトデオキシリボヌクレアーゼI(ドルナーゼ−アルファおよびrhDNase)またはヘリジシン(helicidin)、ならびに(12)抗生物質、例えば、アジスロマイシン、トブラマイシンおよびアズトレオナムを含む。 本発明を以下の実施例においてさらに説明する。A.本発明の化合物の合成 スキーム1から3で示す経路は、化合物(IA)を合成するための代替経路を表している。化合物(1)を形成する、2−ブロモピリジン−5−カルボキサルデヒドと、(3−トリフルオロメチルフェニル)尿素と、アセト酢酸メチルなどのアセト酢酸アルキルまたはアリールとの間のビギネリ反応は、ポリリン酸などの触媒存在下において実行可能である。臭素原子のシアノ基への置換は、例えば銅触媒を用いたアセトンシアノヒドリンなどの、様々な標準シアノ化反応条件を用いて成し得る。(2)のエナンチオマーにおけるキラル分離は、キラルHPLCを用いて成し得る。その後、臭素またはその他の標準臭素化試薬を用いて(R)−エナンチオマー(3a)の臭素化を提供し得る(4)(スキーム1)。スキーム1 あるいは、ポリリン酸などの触媒存在下において、5−ホルミルピリジン−2−カルボン酸のエステルと、アセト酢酸アルキルまたはアリールと、(3−トリフルオロメチルフェニル)尿素との間のビギネリ反応を使用可能である(スキーム2)。具体的には、メタノールの存在下における2−ブロモピリジン−5−カルボキサルデヒドのカルボニル化によって調製可能なメチル5−ホルミルピリジン−2−カルボキシレート(5)を、アセト酢酸メチルおよび(3−トリフルオロメチルフェニル)尿素と反応させて、化合物(6)を得た。カルボン酸(7)への変換は、例えば、水酸化ナトリウム水溶液などの標準加水分解条件を用いることで成し得る。(+)−シンコニンを用いた(7)の処理による塩のジアステレオマー混合物の形成、およびエタノールからの(R)−エナンチオマーの優先的結晶化によって、酸で処理した後に(8)を単離することが可能である。アミド(9)を形成するために、反応は標準条件を用いて、例えば酸(8)をカルボニルジイミダゾールで処理した後にアンモニアと反応させることで成し得る。(10)を得るための(8)の臭素化は、例えば、臭素またはN−ブロモスクシンイミドを用いて成し得る。あるいは、中間体(9)は中間体(3)に変換可能で、それは脱水することで代替経路(スキーム1)において有用である。スキーム2 スキーム3は両方の化合物(4)および(10)を化合物(IA)に変換し得ることを示している。ビス−(3−アミノプロピル)アミンとの二量化反応は、例えば、トリエチルアミン、NaHCO3、DIPEAなどの適した塩基を使用することによる利益を得て、かつビス−(3−アミノプロピル)アミンは保護された形態で使用され得る。すなわち、第2級アミンはtert−ブトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニルなどによって保護され、保護基は後半に除去される。(10)のビス−(3−アミノプロピル)アミンとの反応からの生成物である化合物(11)は、脱水されて(IA)をもたらし、その一方で、(4)はビス−(3−アミノプロピル)アミンと直接反応して(IA)と成る。化合物(IA)はクロマトグフラフィーによって遊離塩基として得られ、その後、適した酸性化合物と処理することによって塩に変換可能である。あるいは、(IA)は、例えば、(4)の粗二量化反応から、4−トルエンスルホン酸塩などの適した塩として結晶化することで得ることが可能である。全ての反応は使用される試薬と適合する様々な溶媒中で行うことが可能であり、かつ様々な適した温度、通常0−80℃において実行可能である。スキーム3 一般的方法 反応は、特記しない限り、不活性雰囲気下では実行されなかった。生成物をシリカによるカラムクロマトグラフィーで生成する場合、「シリカ」は、0.035から0.070mm(230から400メッシュ)のクロマトグラフィー用シリカゲルを指し、カラム溶離を加速するために最大で10p.s.iの窒素圧を加えた。分離をRediSep(登録商標)Siカートリッジを用いて行う場合、平均粒子サイズが35−70μm(230−400メッシュ)であるシリカを含むプレパックポリプロピレン(RediSep(登録商標))カラムを備えた自動化クロマトグラフィー装置を使用した(CombiFlash(登録商標)companion)。全ての溶媒および市販の試薬は、受け入れたものをそのまま使用した。 分析的LC−MS法 LC−MS法1 C18−逆相カラム(粒子径が3μmの30×4.6mm Phenomenex Luna)を備えたWaters Micromass ZMD、A:水+0.1%ギ酸、B:メタノール+0.1%ギ酸)とで溶離。勾配:検出−MS、ELS、UV(インラインWaters 996 DAD検出器を備えたESI源に対して200μlのスプリット)MSイオン化法−エレクトロスプレー(陽および陰イオン) LC−MS法2 C18−逆相カラム(粒子径が3μmの30×4.6mm Phenomenex Luna)を備えたWaters Micromass ZMD、A:水+0.1%ギ酸、B:アセトニトリル+0.1%ギ酸とで溶離。勾配:検出−MS、ELS、UVMSイオン化法−エレクトロスプレー(陽および陰イオン) LC−MS法3 C18−逆相カラム(粒子径が5μmの100×3.0mm Higgins Clipeus)を備えたWaters Quattro Micro、A:水+0.1%ギ酸、B:メタノール+0.1%ギ酸とで溶離。勾配:検出−MS、ELS、UV(インラインUV検出器を備えたMSに対して100μlのスプリット)MSイオン化法−エレクトロスプレー(陽および陰イオン) LC−MS法4 C18−逆相カラム(粒子径が1.7μmの100×2.1mm Acquity BEH)を備えて40℃に維持したWaters Micromass ZQ2000、A:水+0.1%ギ酸、B:アセトニトリル+0.1%ギ酸とで溶離。勾配:検出−MS、UV、PDAMSイオン化法−エレクトロスプレー(陽/陰イオン) キラルLC法 キラルLC法1(分析用) CHIRALPAK(登録商標)IC 5μm−250×4.6mm、10%n−ヘプタン、90%EtOH、0.1%ジエチルアミンで溶離。流速=0.7ml/分。UV検出250nm。 キラルLC法2(調製用) CHIRALPAK(登録商標)IC 20μm−250×76mm、30%n−ヘプタン、70%EtOAc、0.1%ジエチルアミンで溶離。流速=270ml/分。UV検出330nm。 キラルLC法3(分析用) CHIRALPAK(登録商標)IA 5μm−250×4.6mm、20%IPA、80%n−ヘプタン、0.1%TFAで溶離。流速=1ml/分。UV検出254nm。 融点の決定 融点はBuchi B−540装置を使用して決定した。 旋光度 [α]25D値は、25mmセルおよび光源としてのナトリウムランプを使用して、Optical Activity Ltd AA−10R自動旋光計から得た。試料を約1%w/vのメタノール中で走査した。測定は2つ組で行った。 示差走査熱量測定(DSC) DSC測定を、Mettler Toledo TS0801RO試料ロボットおよび自動試料カルーセルを備えたMettler Toledo DSC823eにおいて行った。試料を40μlアルミニウムパン中で調製し、試料の蓋にロボットで自動的に穴を開け、分析を10℃/分で30から250℃の間で行った。通常、分析のために1−3mgを使用し、実験は50ml/分の乾燥窒素でパージしながら行った。機器は認定インジウムを用いて、エネルギーおよび温度を校正した。 粉末X線回折(XRPD) システム1 データは、Cu Kα放射(40kV、40mA)、θ−θゴニオメータ、発散V20および受光スリット、グラファイト二次モノクロメータならびにシンチレーションカウンターを用いて、Siemens D5000回折計を使用して収集した。機器は認定コランダム標準(NIST 1976)を使用して確認を行った。データ収集のために用いたソフトウェアは、Diffrac Plus XRD Commander v2.3.1であり、データをDiffrac Plus EVA v11.0.0.3を用いて分析および表示した。試料を得られた粉末を使用して、平板検体として周囲条件下で走査させた。試料を、研磨された、ゼロバックグラウンド(510)シリコンウェハー中に切り込まれたくぼみに、丁寧に充填した。試料は、分析の間、それ自体を平面で回転させた。データは、0.05°2θのステップサイズおよび4秒/ステップの収集時間を用いて、2から42°2θの間で収集した。 システム2 データは、Cu Kα放射(40kV、40mA)、θ−2θゴニオメータおよびGeモノクロメータを備えたLynxeye検出器を用いて、Bruker D8回折計を使用して収集した。機器は認定コランダム標準(NIST 1976)を使用して確認を行った。データ収集のために用いたソフトウェアは、Diffrac Plus XRD Commander v2.5.0であり、データをDiffrac Plus EVA v11.0.0.2またはv13.0.0.2を用いて分析および表示した。試料を得られた粉末を使用して、平板検体として周囲条件下で走査させた。データは、0.05°2θのステップサイズおよび0.5秒/ステップの収集時間を用いて、2から42°2θの間で収集した。 動的蒸気収着(DVS) DVS分析は、Surface Measurement Systems社(SMS)のDVS−Intrinsic moisture sorption analyserで行った。機器は、SMS Analysis Suite Software(DVS−Intrinsic Control v1.0.0.30)によって制御した。データの分析は、DVS Standard Analysis Suite(v6.0.0.7)と共にMicrosoft Excel2007を用いて行った。試料温度を25℃に維持し、試料湿度は200ml/分の全流速で湿潤および乾燥窒素の混合流によって得た。相対湿度は、試料の近くに配置した校正ロトロニックプローブ(ダイナミックレンジ1−100%相対湿度(RH))を使用して測定した。%RHに応じた試料の重量変化は、微量てんびん(精度±0.005mg)によって常時測定した。その後、20mgの試料を、周囲条件下で風袋を計られたステンレス製メッシュバスケットに入れた。試料を40%RHかつ25℃(一般的な室内条件)で出し入れし、表1に示すパラメータを使用して試料を2サイクルにわたって段階的DVS形態にさらした。DVS等温線を本データから計算した。DVS実験の方法パラメータ 単結晶X線 単結晶X線分析は、グラファイトモノクロメータを用いたMoKからの0.71073オングストロームのX線を用いて、Bruker−Nonius Roper CCDカメラを備えたBruker−Nonius FR591回転アノード装置で行った。データは、120Kの温度で収集した。データ収集にはCOLLECT(Hooft,R.W.W.,1998)を用い、格子の精密化はDENZO(Otwinowski&Minor,1997)およびCOLLECT(Hooft,R.W.W.,1998)で行った。構造解析および精密化はSHELX(Sheldrick、2008)で行った。 NMR分光計 NMRは、Varian Unity Inova 400MHz分光計、またはBruker Avance DRX 400MHz分光計のどちらかで走査した。 本実験項で使用する略語: DCM=ジクロロメタン DIPEA=ジ−イソプロピルエチルアミン DMF=N,N−ジメチルホルムアミド RT=室温 Rt=保持時間 TFA=トリフルオロ酢酸 THF=テトラヒドロフラン 中間体1 2−ブロモピリジン−5−カルボキサルデヒド(170.0g、913mmol)、(3−トリフルオロメチルフェニル)−尿素(185g、906mmol)および、アセト酢酸メチル(106g、913mmol)を、ポリリン酸(500g)/乾燥THF(1500ml)の撹拌懸濁液に加え、反応は5時間還流しながら撹拌して行った。溶液を室温まで冷却し、水(2.5l)に注いだ。生成物を酢酸エチル中に抽出し、水層を酢酸エチルで再抽出した。合わせた有機層を水、その後食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を蒸発させて橙色ガムを得た。これを最小量のジエチルエーテルに溶解して放置することで結晶化させた。生成物は白色固体であった。収量:283.3g(66%)LC−MS(方法1):Rt=3.83分、m/z=470/472[M+H]+ 中間体2 三つ口フラスコに、中間体1(128.0g、271mmol)、ヨウ化第一銅(58.2g、310mmol)およびDMF(1250ml)を充填した。反応混合物を内部反応温度が50℃に到達するまで撹拌しながら加熱した。その後、アセトンシアノヒドリン(45ml、178mmol)およびDIPEA(83.7ml、178mmol)を加え、反応混合物を150℃まで加熱させて6時間撹拌した。溶液を室温まで冷却し、DCM(2.5l)で希釈した。溶液を水(×3)および食塩水(×1)で洗浄し、その後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。ろ過および高真空下で溶媒を除去した後、粗物質をジエチルエーテルで溶離するシリカゲル(230−400メッシュ)のフラッシュクロマトグラフィーで精製し、白色固体の標題化合物を得た。収量:74.2g(65%)LC−MS(方法1):Rt=4.06分、m/z=417[M+H]+ 中間体3a(R)−エナンチオマー 方法1 中間体2(53.1g)を、キラルLC法2を用いて2つのエナンチオマーに分離した。 中間体3a(R)−エナンチオマー[立体化学は臭素化生成物(中間体4)のX線結晶学によって決定した]回収=26.0g(49%)HPLC(キラルLC法1):5.8分(>98.6% ee)旋光度[α]25D−12.8°中間体3b(S)−エナンチオマーも回収回収=23.8g(45%)HPLC(キラルLC法1):10.0分(>99.5% ee)旋光度[α]25D+10.6° 方法2 中間体9(140mg、0.32mmol)をDCM(1.5ml)に溶解し、DMF(0.05ml、触媒)、続いてオキシ塩化リン(0.3ml、3.2mmol)を加えた。混合物を3日間室温で放置し、その後、水で急冷し、生成物を酢酸エチル中に抽出した。有機層を水、その後食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。乾燥剤をろ過して取り除き、溶液を蒸発乾燥させて褐色フォームを得た。これを50−100%酢酸エチル/ペンタンを溶離剤として用いて、RediSep(登録商標)Siカートリッジで精製した。適切な画分を合わせて淡色のフォームの要求生成物を得た。収量:19mg(14%)LC−MS(方法1):Rt=4.04分、m/z=417.29[M+H]+ 旋光度[α]25D−10.0°。立体化学は方法1によって調製された中間体3aとの比較によって(R)であることを確認した。 中間体4 臭素(41.6g、260mmol)/クロロホルム(200ml)の溶液を、固体炭酸カリウム(74.0g、530mmol)を含む中間体3a(104g、250mmol)/クロロホルム(1l)の撹拌溶液に30分かけて滴下して加えた。1時間撹拌した後、懸濁液をろ過し、溶媒を減圧下で除去し、淡黄色フォームを得た。これを最小量の酢酸エチルに溶解してジエチルエーテルで希釈した。生成物は白色固体として結晶化し、ろ過して10%酢酸エチル/ジエチルエーテルで洗浄して、真空乾燥させた。収量=54g(44%)。2回目の収量分において、最大で85%の収率をもたらした。LC−MS(方法2):Rt=4.19分、m/z=495/497[M+H]+ 立体化学は、空間群P1三斜晶系、Rファクター0.0518、GOF 1.038、フラックパラメータ(Flack parameter)0.042(sd±0.007)およびホフトパラメータ(Hooft parameter)0.083(sd±0.007)を用いた単結晶X線結晶学によって、(R)であることを確認した。 中間体5 2−ブロモピリジン−5−カルボキサルデヒド(1.86g、100mmol)をメタノール(10ml)とDMF(10ml)との混合物中で溶解し、トリエチルアミン(2.75ml、20mmol)を加えた。この溶液に酢酸パラジウム(II)(56mg、0.25mmol)および1,1−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(0.28g、0.5mmol)を加えた。混合物を一酸化炭素ガスの通気によるバブリングで脱気した後、バルーンを用いて大気圧にて一酸化炭素雰囲気下で維持した。混合物を48時間55℃で加熱し、その後、水に注ぎ酢酸エチル(100ml)で抽出した。有機相を水(×2)および食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。乾燥剤をろ過して取り除き、溶液を蒸発乾燥させて黒色固体を得た。これを0−40%酢酸エチル/DCMを溶離剤として用いて、RediSep(登録商標)Siカートリッジによるクロマトグラフィーで精製した。適切な画分を合わせて淡桃色固体の要求生成物を得た。収量=750mg(45%)1H NMR(400MHz、CDCl3)δ=4.06(s、3H)、8.32(m、2H)、9.20(m、1H)、10.22(s、1H) 中間体6 ポリリン酸(2.9g)/THF(20ml)の溶液に、中間体5(0.85g、5.15mmol)、(3−トリフルオロメチルフェニル)尿素(1.05g、5.15mmol)およびアセト酢酸メチル(0.60g、5.15mmol)を加えた。混合物を6時間還流下で加熱し、その後、室温まで冷却し、溶媒を減圧下で除去した。残留物を酢酸エチルと水との間で分離させた。有機層を分離して水、その後食塩水で洗浄し、最後に無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。乾燥剤をろ過して取り除き、ろ液を蒸発乾燥させて淡黄色フォームを得た。精製は酢酸エチルを溶離剤として用いて、RediSep(登録商標)Siカートリッジによるクロマトグラフィーで成し得た。適切な画分を合わせて無色フォームの要求生成物を得た。収量=1.2g(53%)LC−MS(方法1):Rt=4.02分、m/z=450.35[M+H]+ 中間体7 中間体6(1.2g、2.67mmol)/THF(30ml)の溶液に、1Mの水酸化ナトリウム溶液(3.0ml、3.0mmol)を加えた。溶液を室温で4時間撹拌した。溶媒を半量まで減少させ、1Mの塩酸溶液(12ml)を加えた。溶液をDCM(3×50ml)で抽出し、合わせた抽出物を水、その後食塩水で洗浄し、最後に無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。乾燥剤をろ過して、ろ液を蒸発乾燥させて無色フォームを得た。収量=1.11g(95%)LC−MS(方法1):Rt=3.90分、m/z=436.33[M+H]+ 中間体8 中間体7(1.1g、2.52mmol)および(+)−シンコニン(740mg、2.52mmol)を温エタノール(6.5ml)に溶解した。溶液を一晩かけて室温まで冷却させて、結晶性固体をろ過した(0.78g、理論上84%)。この塩を1NのHCl(20ml)中で懸濁させて、酢酸エチル(3×20ml)中に抽出した。合わせた抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過および蒸発させて白色フォームを得た。収量=370mg(67%) HPLC(キラルLC法3):Rt=24.5分。これはラセミ混合物(Rt=15分および24.5分)と比較して、2番目の溶離エナンチオマーに相当した。 立体化学は中間体9を介した中間体3aへの転換によって確認した。 中間体9 中間体8(0.92g、2.11mmol)をTHF(10ml)に溶解し、1,1−カルボニルジイミダゾール(0.69g、4.22mmol)を加えた。この溶液を室温で2時間撹拌させながら放置し、その後、33%水性アンモニア溶液(10ml)を加えて、混合物をさらに30分間撹拌した。この後、水(25ml)を加えて、生成物を酢酸エチル中に抽出した。有機相を水(×2)、その後食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。乾燥剤をろ過して取り除き、溶液を蒸発乾燥させて無色フォームを得た。収量=0.84g(93%)LC−MS(方法2):Rt=3.90分、m/z=435[M+H]+ 立体化学は中間体3aに変換することによって確認した。 中間体10 中間体9(0.84g、1.93mmol)をクロロホルムに溶解した。臭素(0.48g、3.48mmol)/クロロホルム(2ml)の溶液を、10分かけて撹拌懸濁液に加え、その後混合物を室温で30分間撹拌させながら放置した。溶媒を減圧下で蒸発させて除去し、残留物を酢酸エチルと10%水性炭酸カリウム溶液との間に分配させた。有機相を水、その後食塩水で洗浄し、最後に無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。乾燥剤をろ過して取り除き、ろ液を蒸発乾燥させた。収量=0.93g(94%)LC−MS(方法2):Rt=3.61分、m/z=513/515[M+H]+ 中間体11 中間体10(0.93g、1.81mmol)をTHF(15ml)中に溶解し、トリエチルアミン(1.0ml、7.24mmol)、続いてビス−(3−アミノプロピル)アミン(0.25ml、1.81mmol)を加えた。混合物を室温で24時間放置し、その後、溶媒を除去し、残留物を、RediSep(登録商標)Siカートリッジおよび0−15%の2Mアンモニア/メタノール/DCMを溶離剤として用いて、クロマトグラフィーで精製した。適切な画分を合わせて淡色のフォームの要求生成物を得た。収量:420mg、(50%)LC−MS(方法2):Rt=2.30分、m/z=932.34[M+H]+ 化合物(IA)および塩1−5 方法1 中間体4(54.0g、109mmol)/THF(650ml)の溶液に、トリエチルアミン(43.7ml、436mmol)を加えて、溶液を窒素下で25℃にて撹拌した。ビス−(3−アミノプロピル)アミン(14.3g、2.28ml、109mmol)をTHF(50ml)に溶解し、溶液の一部に加えた。その後、混合物を25℃で22時間撹拌した。反応溶液を約150mlの量まで減少させ、酢酸エチル(1l)と水(500ml)との間に分配させた。層を分離して、水層を酢酸エチル(200ml)で再抽出した。合わせた有機層を水(500ml)および食塩水(500ml)で洗浄し、その後硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶液をろ過して、ろ液を蒸発乾燥させて53.0gの淡色のフォームを得た。フォームを10%MeOH/EtOAc(500ml)に溶解し、4−トルエンスルホン酸一水和物(11.0g、58mmol)/10%MeOH/EtOAc(50ml)の溶液を加えた。透明な溶液を2時間撹拌し、その間にトシラート塩(塩1)が無色結晶性固体として沈殿した。その後、これをろ過して取り除き、10%MeOH/EtOAcでよく洗浄し、3mbarで45℃にて乾燥させた。収量=37.35g(64%) 塩(15g)をMeOHから再結晶化させて白色結晶性生成物をろ過し、少し冷却したMeOHで洗浄して真空で45℃にて乾燥させた。回収=10gm.p.=188−190℃LC−MS(方法3):Rt=7.46分、m/z=896.39[M+H]+およびRt=3.26、m/z=171.10[TsO]−1H NMR(400MHz、d6−DMSO)δ=1.59(m、4H)、2.96(s、3H)、2.65(m、4H)、3.09−3.27(m、4H)、3.78(m、4H)、5.55(d、2H)、7.06(m、2H)、7.42(m、2H)、7.65−7.80(m、6H)、7.92(br s、2H)、7.96−8.09(m、4H)、8.13(dd、2H)、8.20(d、2H)、8.84(d、2H)旋光度[α]25D−58.3° 立体化学は中間体4のX線結晶構造によって(R、R)であることを確認した。吸湿性脱着(質量変化(%)−参照:25℃および80%RHにて)=3.6DSC分析−単一融解吸熱は約185℃で開始。XRPD(システム1)。化合物IAの結晶性4−メチルベンゼンスルホン酸塩を特徴付けるXRPD回折パターンの(最も高い相対強度を有するものと定義される)8つの主要なピークは、角度2θにおいて、6.15と6.25との間、18.59と18.69との間、17.59と17.69との間、12.30と12.40との間、16.70と16.80との間、24.90と25.00との間、21.67と21.77との間、および13.55と13.65との間にある。本評価において、ピークは(角度2θ)において、6.20、18.64、17.64、12.35、16.75、24.95、21.72および13.60にあった。 方法2 中間体11(420mg、0.45mmol)をDMF(6ml)に溶解し、溶液を氷浴で0−5℃まで冷却した。オキシ塩化リン(0.2ml、2.14mmol)を滴下して加えて、溶液を15分間0−5℃で撹拌させた。その後、溶液を氷と水との混合物中に注ぎ、室温まで温めた。pHを希釈炭酸カリウム溶液で8−9に調節し、固体生成物をろ過で取り除き、水でよく洗浄して真空乾燥させた。収量=185mg(46%)LC−MS(方法2):Rt=2.51分、m/z=896.53[M+H]+ 本反応の生成物(185mg)を10%メタノール/酢酸エチル(2ml)に溶解し、4−トルエンスルホン酸(40mg、1.02等量)を加えた。溶液を一晩室温で撹拌し、沈殿した塩をろ過して取り除き、少量の10%メタノール/酢酸エチルで洗浄して50℃で真空乾燥させた。収量=95mg(44%)LC−MS(方法4):Rt=3.56分、m/z=896.35旋光度[α]25D−55.3° 立体化学は方法1で調製した化合物IAとの比較によって(R、R)であることを確認した。 塩2−5 酸(1.1等量)/溶媒(0.5ml)の溶液/懸濁液に、化合物IA(100mg、0.11mmol)/同じ溶媒(1ml)の溶液を撹拌しながら加えた。混合物を一晩室温で撹拌した。塩をろ過し、少量の冷却溶媒で洗浄して真空乾燥させた。*脱着(質量変化(%)−参照:80%RHにて) 塩21H NMR(400MHz、d6−DMSO)δ=1.59(m、4H)、2.65(m、4H)、3.09−3.27(m、4H)、3.78(m、4H)、5.55(d、2H)、7.65−7.80(m、6H)、7.92(br s、2H)、7.96−8.09(m、4H)、8.13(dd、2H)、8.20(d、2H)、8.84(d、2H)DSC−約240℃で分解する前に融解しなかった。 XRPD(システム2)−化合物IAの結晶性硫化水素塩を特徴付けるXRPD回折パターンの(最も高い相対強度を有するものと定義される)8つの主要なピークは、角度2θにおいて、6.38と6.48との間、17.78と17.88との間、13.95と14.05との間、19.36と19.46との間、17.29と17.39との間、12.81と12.91との間、20.18と20.28との間、および22.03と22.13との間にある。本評価において、ピークは(角度2θ)において、6.43、17.83、14.00、19.41、17.34、12.86、20.23および22.08にあった。 塩31H NMR(400MHz、d6−DMSO)δ=1.59(m、4H)、2.65(m、4H)、3.09−3.27(m、4H)、3.78(m、4H)、5.55(d、2H)、7.23−7.30(m、3H)、7.52−7.57(m、2H)、7.65−7.80(m、6H)、7.92(br s、2H)、7.96−8.09(m、4H)、8.13(dd、2H)、8.20(d、2H)、8.84(d、2H)DSC−単一融解吸熱は約160℃で開始。 XRPD(システム2)−化合物IAの結晶性ベンゼンスルホン酸塩を特徴付けるXRPD回折パターンの(最も高い相対強度を有するものと定義される)8つの主要なピークは、角度2θにおいて、6.23と6.33との間、17.63と17.73との間、21.65と21.75との間、17.01と17.11との間、18.94と19.04との間、22.10と22.20との間、19.59と19.69との間、および25.20と25.30との間にある。本評価において、ピークは(角度2θ)において、6.28、17.68、21.70、17.06、18.99、22.15、19.64および25.25にあった。 塩41H NMR(400MHz、d6−DMSO)δ=1.59(m、4H)、2.65(m、4H)、3.09−3.27(m、4H)、3.78(m、4H)、5.55(d、2H)、6.43(d、1H)、6.59(dd、1H)、7.09(d、1H)、7.65−7.80(m、6H)、7.92(br s、2H)、7.96−8.09(m、4H)、8.13(dd、2H)、8.20(d、2H)、8.84(d、2H)DSC−単一融解吸熱は約178℃で開始。 XRPD(システム2)−化合物IAの結晶性2,5−ジヒドロキシ安息香酸塩を特徴付けるXRPD回折パターンの(最も高い相対強度を有するものと定義される)8つの主要なピークは、角度2θにおいて、22.70と22.80との間、11.26と11.36との間、16.46と16.56との間、21.74と21.84との間、23.16と23.26との間、18.63と18.73との間、16.96と17.06との間、および20.64と20.74との間にある。本評価において、ピークは(角度2θ)において、22.75、11.31、16.51、21.79、23.21、18.68、17.01および20.69にあった。 塩51H NMR(400MHz、d6−DMSO)δ=1.59(m、4H)、2.65(m、4H)、3.09−3.27(m、4H)、3.78(m、4H)、5.55(d、2H)、6.42(s、2H)、7.65−7.80(m、6H)、7.92(br s、2H)、7.96−8.09(m、4H)、8.13(dd、2H)、8.20(d、2H)、8.84(d、2H)DSC−単一/二重融解吸熱は約176℃で開始。 XRPD(システム2)−化合物IAの結晶性フマル酸塩を特徴付けるXRPD回折パターンの(最も高い相対強度を有するものと定義される)8つの主要なピークは、角度2θにおいて、23.68と23.78との間、22.51と22.61との間、5.76と5.86との間、11.75と11.85との間、10.10と10.20との間、20.32と20.42との間、21.17と21,27との間、および24.64と24.74との間にある。本評価において、ピークは(角度2θ)において、23.73、22.56、5.81、11.80、10.15、20.37、21.22および24.69にあった。B.生物学的アッセイ 国際公開第2007/129060号の実施例18における化合物は構造式(II)を有する。 (II)にはシアノ置換フェニル環が存在する一方、(I)にはシアノ置換ピリジン環が存在する点において、化合物(II)は本発明の化合物(I)と構造が異なる。 化合物(II)は国際公開第2007/129060号の実施例18にあるように調製し、以下のアッセイにおいて本発明の化合物(IA)と共に試験した。両化合物を遊離塩基として試験した。 酵素阻害アッセイ 蛍光性ペプチド基質を使用 アッセイは、96ウェルプレート中で100μlの全アッセイ容量で実施した。酵素(ヒト白血球エラスターゼ、Sigma E8140)の最終濃度は0.00036単位/ウェルであった。ペプチド基質(MeO−Suc−Ala−Ala−Pro−ValAMC、Calbiochem #324745)を100μMの最終濃度で使用した。DMSOの最終濃度は、アッセイ緩衝液(0.05M Tris.HCl、pH7.5、0.1M NaCl、0.1M CaCl2、0.0005%brij−35)中で1%であった。 酵素反応は酵素を加えることで開始した。酵素反応は室温で実施し、30分後に50μlの大豆トリプシン阻害剤(Sigma T−9003)を50μg/ウェルの最終濃度で加えて停止させた。蛍光は、380nmの励起および460nmの発光フィルターを使用するFLEXstation(Molecular Devices)で読み取った。化合物の効力は、1000nMから0.051nMの範囲の10濃度の濃度系列から決定した。結果は2つの独立な実験の平均値であり、それぞれ2つ組で実施した。 結果は2つの独立な実験の平均値であり、それぞれ2つ組で実施した。 上記のアッセイにおける化合物(IA)および(II)のIC50は、それぞれ8.4nMおよび2.1nMであった。 HNEはラットにおいて肺出血を誘発した ヒト好中球エラスターゼ(HNE)のラットの肺への点滴注入は、急性肺障害を引き起こす。この損傷の程度は肺出血を測定することによって評価可能である。 完全に隔離されて飼育され、かつ受入れ時に特定の微生物との非接触が保証された雄性Sprague Dawleyラット(175−220g)を、Harlan UK Ltd.から入手した。動物の体重を測定し、処理群に無作為に割り当てた(1群当たり動物7−12匹)。 使用するビヒクルは1%DMSO/生理食塩水とした。阻害薬を1%DMSOに溶解した後、0.9%生理食塩水を添加した。 それぞれの研究において動物を使用して、様々な経路で肺に局所的に送達されるエラスターゼ阻害薬の効力を測定した。ヒト好中球エラスターゼ(HNE)を投与する30分から6時間前に投与量を与える場合には、吸入麻酔薬イソフルラン(4%)でラットを麻酔し、またはHNEの投与前30分未満に予備投与量を与える場合には、hypnorm:hypnovel:水(1.5:1:2、2.7ml/kgで)でラットを最終的に麻酔し、Penn Centuryミクロ噴霧器を使用した経口投による気管内(i.t.)、または鼻孔へ液体を滴下することによる鼻腔内(i.n.)のどちらかに投与した。動物はビヒクルまたは化合物を0.5ml/kgの投与量で受けた。 投与後に回復された動物は、最終的にhypnorm:hypnovel:水(1.5:1:2、2.7ml/kg)で麻酔した。十分に麻酔されたら、Penn Centuryミクロ噴霧器を使用して、HNE(600単位/ml)または無菌生理食塩水を100μlの量で経口気管点滴注入により投与した。動物を温度調節された箱内に温かく保持し、終末までの継続麻酔を確実にするのに要求されるような麻酔薬の投与量まで補充した。 HNE投与の1時間後に動物を犠牲にした(0.5mlから1mlのペントバルビタールナトリウム)。気管を曝露し、2つの気管輪の間に、カニューレ(10ゲージ、外径2−10mm、Portex Ltd.)が肺に向かって気管内に約2cm挿入することができる小さな切れ目を作成した。これを綿結紮糸を用いて所定の場所に固定した。その後、肺を、新鮮なヘパリン化(10単位/ml)リン酸緩衝生理食塩水(PBS)の4mlアリコートで3回洗浄した(BAL)。得られたBALFは、それを遠心分離するまで氷上に保持した。 BALFを、4から10℃に冷却された遠心機中で10分間1000r.p.m.で遠心分離した。上清液を廃棄し、細胞ペレットを1mlの0.1%CETAB/PBS中に再懸濁させて細胞を溶解した。細胞溶解液を、血液含有量に対する分光分析を成し得るまで凍結した。標準は、ラット全血の0.1%CETAB/PBS溶液を作製することによって調製した。 解凍された100μlのそれぞれの溶解細胞懸濁液を、96ウェル平底プレートの分離ウェルに入れた。すべての試料を2つ組で試験し、100μlの0.1%CETAB/PBSをブランクとしてプレートに含めた。それぞれのウェルの内容物のODを、Spectramax250(Molecular devices)を使用して415nmで測定した。 標準曲線は、0.1%CETAB/PBS中の異なる濃度(30、10、7、3、1、0.3、0.1μl/ml)の血液のOD(415nm)を測定することによって作図した。 それぞれの実験試料中の血液量を、標準曲線と比較して計算した。その後、データを以下の通り分析した。1)2つ組に対する平均ODを計算した。2)ブランクに対する値をその他のすべての試料に対する値から引き算した。3)データを査定して分布の正規性を評価した。 化合物(IA)および(II)は、HNEの6時間前に100μg/kgで脊髄くも膜下腔内(i.t)投与すると、コントロールと比較してそれぞれ95%および88%の統計的に有意な出血の低下を示した。 本発明における化合物と国際公開第2007/129060号の実施例18における化合物との肺中における半減期の比較 PKアッセイ 試験材料は0.2%Tween80/生理食塩水中において20μg/mLで作成した。溶液を、投与前に40℃の温浴で超音波処理をして温めた。雄性Sprague−Dawleyラットは、10μg/Kgのわずかな投与量レベルをPenn−Century投与針によって、試験材料の単独気管内投与を受けた。投与の後、それぞれの群の5匹のラットは、化合物(IA)(遊離塩基)の投与から1、2、4、8、24、72および96時間後、および化合物(II)(遊離塩基)の投与から1、4、8、24、72、96、168、264および336時間後に、ペントバルビタールナトリウムを用いて最終的に麻酔した。血液は尾静脈からサンプリングし、胸部を開け、動物は灌流によって瀉血され、肺を除去して瞬間凍結した。収集した後、血液試料を遠心分離した(10000×g、4℃で2分)。血漿を取り除き、両方を−20℃で冷凍保存した。ラットの肺を水中(氷上)で均質化し、肺:水=1:2の割合(w/v)を得た。それぞれのホモジネートの100μLアリコートを、分析内部標準を含む200μLのアセトニトリルを加えることで抽出した。渦混合(vortex mixing)および遠心分離(10000×g、4℃で5分)の後、上清の100μLアリコートを、低容量のLCバイアル中で50μLの水と合わせた。試料を完全に混合し、上述の試料のために説明した方法を使用して、コントロールラット肺ホモジネートをスパイクして1000μLアリコートを抽出して調製した検量線と一致する一連のマトリックスに対して、LCMSMSによって試験化合物の測定を行った。 試験材料を、LCポンプおよびオートサンプラー(Reliance)を備えた三連四重極質量分析計(triple quadrupole mass spectrometer)(AB Sciex API 3000)で分析した。試験材料を正イオンモードのTurbo Ion Sprayにおいて検出した。試験材料の分析分離を、流速1mL/分の0.5%ギ酸、水およびアセトニトリルの移動相を用いて、逆相C18 5μm分析カラム(Higgins、Clipeus、50×3mm)で進めた。初期条件は、0.5%ギ酸/90%水、10%アセトニトリルから成り、直線勾配を開始する前に1分間保持した。移動相の水分含有量は2分かけて10%減少し、同時にアセトニトリルが上昇した。最終条件は、初期条件に戻る前にさらに1分間保持した。 本発明の化合物(IA)における観察された終末肺t1/2は、31−46時間の80%信頼区間で37時間であった。これは、85−104時間の80%信頼区間で94時間の終末肺t1/2を有する、国際公開第2007/129060号の実施例18の化合物と比較して著しく短かった。 式(I)の化合物またはそれの薬学的に許容される塩。 請求項1に記載の化合物であって、式(IA)に示されるR−R立体構造が、R−Sおよび/またはS−S構造よりも優位である化合物。 請求項1または請求項2に記載の化合物および1以上の薬学的に許容される担体または賦形剤を含む、吸入による肺への送達に適した薬学的組成物。 慢性閉塞性肺疾患(COPD)、慢性気管支炎、肺線維症、肺炎、急性呼吸促迫症候群(ARDS)、肺気腫、喫煙によって誘発される気腫、または嚢胞性線維症を、吸入によって治療するための、またはそれらを治療するために吸入可能な組成物を製造するための、請求項1または請求項2に記載の化合物の使用。 慢性閉塞性肺疾患(COPD)、慢性気管支炎、肺線維症、肺炎、急性呼吸促迫症候群(ARDS)、肺気腫、喫煙によって誘発される気腫、および嚢胞性線維症から選択されるような疾患で苦しむ対象者を治療する方法であって、該方法は対象者に請求項1または請求項2に記載の化合物の効果的な量を肺吸入によって投与することを含む方法。 式(I)の化合物は肺炎症の吸入治療に有用な、ヒト好中球エラスターゼの阻害剤である。【化1】【選択図】なし


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