生命科学関連特許情報

タイトル:公表特許公報(A)_トリフルオロメタンスルフィン酸の製造方法および精製方法
出願番号:2011529513
年次:2012
IPC分類:C07C 313/04,C07D 231/44


特許情報キャッシュ

スコップ,マルティン コルテ,アレクサンデル フルステル,シュテファン カイル,ミヒャエル ラック,ミヒャエル JP 2012504571 公表特許公報(A) 20120223 2011529513 20090928 トリフルオロメタンスルフィン酸の製造方法および精製方法 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア 508020155 BASF SE 平木 祐輔 100091096 藤田 節 100118773 新井 栄一 100122389 田中 夏夫 100111741 菊田 尚子 100169971 スコップ,マルティン コルテ,アレクサンデル フルステル,シュテファン カイル,ミヒャエル ラック,ミヒャエル EP 08165699.3 20081002 C07C 313/04 20060101AFI20120127BHJP C07D 231/44 20060101ALI20120127BHJP JPC07C313/04C07D231/44 AP(BW,GH,GM,KE,LS,MW,MZ,NA,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),EP(AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PE,PG,PH,PL,PT,RO,RS,RU,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN,ZA,ZM,ZW EP2009062484 20090928 WO2010037693 20100408 15 20110524 4H006 4H006AA02 4H006AD12 4H006AD30 4H006BC50 本発明は、トリフルオロメタンスルフィン酸を精製する方法、精製したトリフルオロメタンスルフィン酸を調製する方法、およびトリフルオロメチルスルフィニル化ピラゾール誘導体、特にフィプロニル(fipronil)を調製するための精製したトリフルオロメタンスルフィン酸の使用に関する。 トリフルオロメタンスルフィン酸(CF3-SO2H(I)、以後TFMSと呼ぶ)およびその塩には、有機合成、例えば殺虫剤フィプロニルの調製における中間体としての用途がある(例えば、特許文献1〜4を参照されたい)。 文献にはTFMSおよびその塩を調製するためのさまざまな方法が既に開示されている。特許文献5によれば、特定の金属を極性非プロトン性溶媒中、二酸化硫黄の存在下、108 Pa以上の圧力でハロゲン化トリフルオロメチルと反応させる。特許文献6には、トリフルオロ酢酸カリウムを、極性非プロトン性溶媒中、超音波の作用下でSO2と反応させることが記載されている。C.P. Andrieuxら(非特許文献1)は、CF3BrとSO2との還元的電気化学反応を報告している。特許文献7には、塩化スルホニルを、リン酸水素塩の存在下で亜硫酸塩または亜硫酸水素塩により還元することによりスルフィン酸塩を調製することが記載されている。特許文献8には、フッ素化されたフッ化スルホニルを水性媒体中、フッ素化界面活性剤または110℃未満の沸点を有する有機共溶媒の存在下でNa2SO3/NaHCO3と反応させることによるフッ素化スルフィン酸塩の合成が記載されている。C. Harzdorfら(非特許文献2)は、フッ化トリフルオロメタンスルホニルをメタノール中でヒドラジンと反応させ、HClにより酸性化した後、分留することによるTFMSの調製を報告している。US 5,618,945WO 2008/055 880WO 2008/055 879WO 2008/055 877EP-A 165,136US 6,203,670US 6,399,815WO 99/32439J. Am. Chem. Soc. 112 (1990) 786-791Liebigs Ann. Chem. 1973, 33-39 上に挙げた方法にもかかわらず、依然として、特に純粋な形の遊離酸の調製に関して、改良の必要がある。したがって、本発明の目的は、高純度のTFMSを調製する改善された方法を提供することである。 TFMSを、その粗生成物を好適な有機溶媒と共沸蒸留することにより高純度で得ることができることが見いだされた。 したがって、本発明は、まずトリフルオロメタンスルフィン酸(TFMS)を粗生成物の状態で170℃未満の沸点を有する芳香族溶媒中に入れ、次いで0.1〜500 mbarの減圧下で共沸蒸留を行うことによるTFMSの精製方法を提供する。 本発明はさらに、a) TFMSの塩を-2未満のpKsを有する不揮発性酸と反応させ、b) 得られた粗TFMS(crude TFMS)を170℃未満の沸点を有する芳香族溶媒との混合物にし、0.1〜500 mbarの範囲の減圧下で共沸蒸留を行うことによるTFMSの調製方法を提供する。 本発明はさらに、上記の方法の1つにより得られたTFMSを式(I)のピラゾール誘導体と反応させることによるフィプロニルの調製方法を提供する。 本発明の方法は、反応の主な副生成物である、より高沸点のトリフルオロメタンスルホン酸が共沸混合物を形成せず、これを蒸留底部物(the bottoms of the distillation)と共に容易に除去することができるので、TFMSが高収率・高純度で得られる。別の副生成物である揮発性のトリフルオロ酢酸も同様に蒸留により第一留分として除去することができる。溶媒を用いて反応混合物を希釈することにより、攪拌性および熱伝達が改善され、共沸混合物により沸点が低下するために温和な蒸留が可能になる。 本発明によれば、TFMS粗生成物および170℃未満の沸点を有する芳香族溶媒の混合物を0.1〜500 mbarの範囲の減圧下で共沸蒸留する。 すべての沸点は、他に記載しない限り、標準気圧(1 bar)における沸点である。 本発明によれば、「共沸蒸留」とは、TFMSおよび芳香族溶媒が共沸混合物、すなわち蒸留が進行すると液相と気相の組成が同じになる点に到達するような混合物を形成する(これはそれ以上の蒸留による分離が不可能であることを意味する)ことを意味する。TFMSおよび芳香族溶媒は、典型的にはヘテロ共沸混合物を形成する。すなわち共沸組成物中で液相が不安定であり、二相に分離する。本発明において、これは、TFMSを液-液相分離器により簡便に除去するために利用することができる。 好適な芳香族溶媒は、170℃未満、好ましくは150℃未満、より好ましくは140℃未満の沸点を有し、共沸混合物、好ましくは最低沸点を有する共沸混合物を形成するすべての不活性芳香族溶媒である。本発明において、「不活性」とは、蒸留の条件下で、TFMSと芳香族溶媒の間で反応が起こらない、または不利でない程度に収率が低い反応(5%未満、好ましくは1%未満)しか起こらないことを意味する。 例として、好適な芳香族溶媒を表1に挙げる。 減圧下で蒸留が実行可能であるためには、芳香族溶媒の沸点は好ましくは80℃未満であってはならない。 ベンゼン、フルオロベンゼン、アニソール、トリフルオロメチルベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、イソプロピルベンゼンおよびクロロベンゼンが好ましい。ベンゼン、トルエン、キシレン、フルオロベンゼン、トリフルオロメチルベンゼン、エチルベンゼンおよびクロロベンゼンが特に好ましい。とりわけ好ましいのは、トルエン、キシレン、エチルベンゼンおよびクロロベンゼンである。当然、混合物または上記の溶媒の2種以上を使用することも可能である。 芳香族溶媒のTFMSに対する(重量)比は広い範囲で変化し得るが、好ましくは1:100〜100:1、より好ましくは1:3〜10:1、特に1:1〜4:1である。 粗TFMSおよび芳香族溶媒の混合物は、粗TFMSを溶媒と混合することにより得ることができる。TFMSの塩を溶媒中に入れ、強酸を加えることによりそこからTFMSを遊離させることも好ましい。 蒸留に好適なカラムの型はすべての公知の型、例えば、ランダム充填物(random packing)を有するカラム、トレイカラム、規則充填物(structured packing)を有するカラムおよび隔壁カラムである。ランダム充填物を有するカラムおよびトレイカラムが好ましい。本発明の方法のさらなる好ましい実施形態において、薄膜蒸発器、流下液膜式蒸発器または短路蒸発器、任意の種類のカラム(例えば規則充填物を有するカラム)を取り付けた後者の装置の1つ、またはより好ましくはカラムを取り付けた反応容器により蒸留を実施する。 蒸留(分留でもよい)は、選択した溶媒に応じて、一般に110℃未満の温度範囲(底部温度)で実施する。これは、そうしなければTFMSが分解するおそれがあるためである。蒸留は減圧下、好ましくは0.1〜500 mbar、好ましくは1〜300 mbar、より好ましくは10〜100 mbarの範囲で実施し、共沸混合物の沸点を考慮しなければならない。 本発明に従って精製するためのTFMSは、任意の公知の方法により、例えば上記の方法の1つにより調製することができる。 トリフルオロメタンスルフィン酸の安定性が低いために、この化合物は一般に塩の形で取り扱いおよび保存される。したがって、本発明はさらに、TMFSを、その塩の1つから強酸を用いて遊離した後、本発明に従って共沸蒸留により精製する、TFMSを調製する方法を提供する。 原則としてTFMSの任意の所望の塩を使用することが可能であるが、アルカリ金属、アルカリ土類金属およびアンモニウム塩が好ましく、特にアルカリ金属塩が好ましく、とりわけナトリウム塩およびカリウム塩が好ましい。 当然、2種以上の異なる塩の混合物を使用することも可能である。 TFMSをその塩から遊離させるために好適な酸は、-2未満のpKsを有する不揮発性酸である。本発明において、「不揮発性」とは、酸が共沸蒸留の条件下で不揮発性であり、好ましくは標準気圧下で170℃以上の沸点を有することを意味する。好適な酸の例は、強酸性イオン交換体である、濃H3PO4およびH2SO4、特に濃縮された形(95重量%以上のH2SO4)であり、H2SO4が好ましい。 TFMSを遊離するために、少なくとも1当量の酸が必要である。好ましくは1〜10当量、より好ましくは1〜2当量、特に1〜1.5当量の酸を使用する。 酸、特に濃硫酸は、TFMSスルフィン酸塩の溶媒として使用することも可能である。しかしながら、塩を芳香族溶媒に懸濁した後、酸を加えることが好ましい。さらに、反応容器を冷却しながら連続的に加えることが好ましい。 本発明はさらに、殺虫剤フィプロニル(II)を、TFMSをさらに精製する(例えば再蒸留により)ことなく調製する方法であって、a)TFMSの塩を-2未満のpKsを有する不揮発性酸と反応させ、b) 得られた粗TFMSを、170℃未満の沸点を有する芳香族溶媒との混合物中で減圧下共沸蒸留し、c)得られたTFMSを式(I)(上記参照)のピラゾール誘導体と反応させることによる前記方法を提供する。 ピラゾール誘導体(I)をTFMSと反応させてフィプロニル(II)を得るためのさまざまな方法が、例えば、US 5,618,945、WO 2008/055 880、WO 2008/055 879およびWO 2008/055 877に記載されている。 第1の方法(i)(WO 2008/055 880) において、フェニルピラゾール誘導体(I)を、酸/アミン複合体の存在下でハロゲン化剤を加えてTFMSと反応させる。ここで、アミンは第二級または第三級アミンであり、使用する酸はHF、HCl、HBr、HIまたはスルホン酸誘導体であり、反応温度はいかなる場合にも39℃を超えない。 第2の方法(ii)(WO 2008/055 879)において、フェニルピラゾール誘導体(I)を、酸/アミン複合体の存在下でハロゲン化剤を加えてTFMSと反応させる。ここで、アミンは環状第二級アミンであり、使用する酸はスルホン酸誘導体である。 第3の方法(iii)(WO 2008/055 877)において、フェニルピラゾール誘導体(I)を、酸/アミン複合体の存在下でハロゲン化剤を加えてTFMSと反応させる。ここで、アミンは第三級アミンであり、使用する酸はHF、HCl、HBr、HIまたはスルホン酸誘導体である。 3つの方法のすべてにおいて、スルフィニル化反応は2段階の過程で進行し、そこにおいて、第1段階でピラゾール環のアミノ基へのCF3S(O)基の付加が起こり、次いでチアフリース転移(thia Fries rearrangement)によりフィプロニル(II)が得られる: 3つの方法の詳細は引用した文献(これを参照により本明細書に明確に組み入れる)に記載されており、その内容は、それがTFMSの反応に関連する場合には、参照により本明細書の一部を形成するものと見なされる。 本発明の方法の好ましい実施形態において、本発明に従って得られたTFMS留出液をさらに精製することなく、フェニルピラゾール誘導体(I)との反応に直接使用する。 本発明に従って得られたTFMSは、上記の用途のほかに、例えば医薬産業における有機合成の中間体としての用途、またはフッ化モノマーのフリーラジカル重合のための光開始剤の調製のための用途を有する(例えば、WO 99/32439を参照のこと)。 本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はそれにより限定されない。実施例1:トリフルオロメタンスルフィン酸とエチルベンゼンとの共沸蒸留 スターラーおよび蒸留タッチメントを備えた750 mlの反応器中で、92.7 gのトリフルオロメタンスルフィン酸カリウム(0.50 mol、92.5%)を142 gのエチルベンゼンに懸濁した。次に、75.0 gの濃硫酸(0.75 mol、98%)を、冷却しながら20〜30℃で15分以内に滴下した。それにより遊離したトリフルオロメタンスルフィン酸を40 mbarの減圧下、46℃の復水温度で5時間以内に共沸蒸留した。5℃に冷却した留出液の下相(69.4 g)はトリフルオロメタンスルフィン酸および少量のエチルベンゼンから成っていた。大部分がエチルベンゼンから成る上層は、蒸留中連続的に反応器に戻した。このようにして得られたトリフルオロメタンスルフィン酸(収率95%、純度92%)はさらに後処理することなく次の反応に使用することができる。実施例2:トリフルオロメタンスルフィン酸とクロロベンゼンとの共沸蒸留 スターラーおよび蒸留アタッチメントを備えた500 mlの4口フラスコ中で、50.0 gのトリフルオロメタンスルフィン酸ナトリウム(0.30 mol、95.0%)を144 gのモノクロロベンゼン(MCB)に懸濁した。次に、48.5 gの濃硫酸(0.48 mol、97%)を、冷却しながら20〜30℃で10分以内に滴下した。それにより遊離したトリフルオロメタンスルフィン酸を36 mbarの減圧下、37℃の復水温度で6 時間以内に共沸蒸留した。-20℃に冷却した留出液の下相(40.1 g)はトリフルオロメタンスルフィン酸および少量のMCBから成っていた。主にMCBから成る上相は、蒸留中連続的に反応器に戻した。このようにして得られたトリフルオロメタンスルフィン酸(収率95%)はさらに後処理することなく次の反応に使用することができる。実施例3:トリフルオロメタンスルフィン酸とトルエンとの共沸蒸留 スターラーおよび蒸留アタッチメントを備えた500 mlの4口フラスコ中で、50.0 gのトリフルオロメタンスルフィン酸ナトリウム(0.30 mol、95.0%)を112 gのトルエンに懸濁した。次に、46.1 gの濃硫酸(0.46 mol、97%)を、冷却しながら20〜30℃で10分以内に滴下した。それにより遊離したトリフルオロメタンスルフィン酸を50〜150 mbarの減圧下、31〜51℃の復水温度で9 時間以内に共沸蒸留した。-20℃に冷却した留出液の下相(34.2 g)はトリフルオロメタンスルフィン酸および少量のトルエンから成っていた。主にトルエンから成る上相は、蒸留中連続的に反応器に戻した。このようにして得られたトリフルオロメタンスルフィン酸(収率81%)はさらに後処理することなく次の反応に使用することができる。実施例4:トリフルオロメタンスルホン酸の存在下でのトリフルオロメタンスルフィン酸とエチルベンゼンとの共沸蒸留 スターラーおよび蒸留アタッチメントを備えた750 mlの反応器中で、92.7 gのトリフルオロメタンスルフィン酸カリウム(0.50 mol、92.5%)を142 gのエチルベンゼンおよび15.1 gのトリフルオロメタンスルホン酸(0.1 mol、99%)に懸濁した。次に、75.0 gの濃硫酸(0.75 mol、98%)を、冷却しながら20〜30℃で15分以内に滴下した。それにより遊離したトリフルオロメタンスルフィン酸を37 mbarの減圧下、46℃の復水温度で5時間以内に共沸蒸留した。5℃に冷却した留出液の下相(57.8 g)は、1Hおよび19F NMRによれば、トリフルオロメタンスルフィン酸、少量のエチルベンゼンおよび痕跡量のトリフルオロメタンスルホン酸から成っていた。大部分がエチルベンゼンから成る上層は、蒸留中連続的に反応器に戻した。このようにして得られたトリフルオロメタンスルフィン酸(収率82%、純度95%)はさらに後処理することなく次の反応に使用することができる。実施例5:トリフルオロ酢酸の存在下でのトリフルオロメタンスルフィン酸とエチルベンゼンとの共沸蒸留 スターラーおよび蒸留アタッチメントを備えた1000 mlの4口フラスコ中で、50.8 gのトリフルオロメタンスルフィン酸カリウム(0.29 mol、98%)および47.7 gのトリフルオロ酢酸カリウム(0.31 mol、99%)の粗混合物を258 gのエチルベンゼンに懸濁した。次に、92.2 gの濃硫酸(0.91 mol、97%)を、冷却しながら20〜30℃で15分以内に滴下した。それにより遊離したトリフルオロ酢酸を40 mbarの減圧下で20分以内に蒸留した。一方で、同様に遊離したトリフルオロメタンスルフィン酸を40 mbarの減圧下、42〜46℃の復水温度で3時間以内に共沸蒸留した。5℃に冷却した留出液の下相(30.0 g)は、トリフルオロメタンスルフィン酸および少量のエチルベンゼンから成っていた。大部分がエチルベンゼンから成る上層は、蒸留中連続的に反応器に戻した。このようにして得られたトリフルオロメタンスルフィン酸(収率73%、純度95%)はさらに精製することなく次の反応に使用することができる。実施例6:本発明に従って調製されたトリフルオロメタンスルフィン酸のフィプロニルの合成への使用 スターラー、バッフルおよびコンデンサーを備えた500 mlのジャケット付反応器(jacketed reactor)にまず窒素雰囲気下で103 gのエチルベンゼン、6.3 gのジメチルイソプロピルアミン塩酸塩(0.050 mol、99%)および15.5 gの塩化カリウム(0.208 mmol)を入れた。次に31.5 gのトリフルオロメタンスルフィン酸(0.223 mol、95.0%)、17.9 gのジメチルイソプロピルアミン(0.203 mol、99%)および24.2 gの塩化チオニル(203 mmol、99.7%)を、冷却しながら0℃で計り入れた。次いで54.8 gの5-アミノ-3-シアノ-1-(2,6-ジクロル-4-トリフルオロメチルフェニル)ピラゾールを加えた後、反応混合物を0℃で1時間攪拌し、次に45分間かけて35℃に加熱し、35℃でさらに10時間攪拌した。水酸化ナトリウム溶液を加えて反応を止め、酢酸エチルおよびエチルベンゼンにより抽出した後、粗溶液中に80%の非単離収率のフィプロニルが得られた(定量的HPLCにより測定)。 トリフルオロメタンスルフィン酸(TFMS)を精製する方法であって、粗TFMSおよび170℃未満の沸点を有する不活性芳香族溶媒を含む混合物を減圧下で共沸蒸留することによる、前記方法。 芳香族溶媒が、ベンゼン、フルオロベンゼン、アニソール、トリフルオロメチルベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、イソプロピルベンゼンおよびクロロベンゼンからなる群より選択される、請求項1に記載の方法。 芳香族溶媒のTFMSに対する重量比が1:100〜100:1である、請求項1または2に記載の方法。 存在するすべてのトリフルオロ酢酸が最初の運転において除去される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。 存在するすべてのトリフルオロメタンスルホン酸が蒸留底部物と共に除去される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。 a) TFMSの塩を-2未満のpKsを有する不揮発性酸と反応させ、b) 得られた粗TFMSを、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法で、 170℃未満の沸点を有する芳香族溶媒との混合物において減圧下で共沸蒸留することによる、TFMSを調製する方法。 不揮発性酸が濃H2SO4である、請求項6に記載の方法。 a) TFMSの塩を-2未満のpKsを有する不揮発性酸と反応させ、b) 得られた粗TFMSを、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法で、 170℃未満の沸点を有する芳香族溶媒との混合物において減圧下で共沸蒸留し、c) 得られたTFMSを、式(I)のピラゾール誘導体と反応させることによる、フィプロニルを調製する方法。 不揮発性酸がH2SO4である、請求項8に記載の方法。 工程b)において得られたTFMSを別の精製工程なしで直接反応させる、請求項8または9に記載の方法。 本発明は、芳香族溶媒を用いて共沸蒸留によりトリフルオロメタンスルフィン酸を精製する方法、精製したトリフルオロメタンスルフィン酸を製造する方法、およびトリフルオロメチルスルフィニル化ピラゾール誘導体、特にフィプロニルの製造のための精製したトリフルオロメタンスルフィン酸の使用に関する。


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特許公報(B2)_トリフルオロメタンスルフィン酸の製造方法および精製方法

生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_トリフルオロメタンスルフィン酸の製造方法および精製方法
出願番号:2011529513
年次:2014
IPC分類:C07C 313/02,C07D 231/44


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スコップ,マルティン コルテ,アレクサンデル フルステル,シュテファン カイル,ミヒャエル ラック,ミヒャエル JP 5486603 特許公報(B2) 20140228 2011529513 20090928 トリフルオロメタンスルフィン酸の製造方法および精製方法 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア 508020155 BASF SE 平木 祐輔 100091096 藤田 節 100118773 新井 栄一 100122389 田中 夏夫 100111741 菊田 尚子 100169971 スコップ,マルティン コルテ,アレクサンデル フルステル,シュテファン カイル,ミヒャエル ラック,ミヒャエル EP 08165699.3 20081002 20140507 C07C 313/02 20060101AFI20140410BHJP C07D 231/44 20060101ALI20140410BHJP JPC07C313/02C07D231/44 C07C 1/00−409/44 C07D 1/00−521/00 CAplus/REGISTRY(STN) 特表2011−504905(JP,A) 特表2011−504904(JP,A) 特開平03−056455(JP,A) 特開平08−319244(JP,A) 特表2010−509271(JP,A) 特開平07−278106(JP,A) 特開2002−338542(JP,A) 10 EP2009062484 20090928 WO2010037693 20100408 2012504571 20120223 10 20120926 堀 洋樹 本発明は、トリフルオロメタンスルフィン酸を精製する方法、精製したトリフルオロメタンスルフィン酸を調製する方法、およびトリフルオロメチルスルフィニル化ピラゾール誘導体、特にフィプロニル(fipronil)を調製するための精製したトリフルオロメタンスルフィン酸の使用に関する。 トリフルオロメタンスルフィン酸(CF3-SO2H(I)、以後TFMSと呼ぶ)およびその塩には、有機合成、例えば殺虫剤フィプロニルの調製における中間体としての用途がある(例えば、特許文献1〜4を参照されたい)。 文献にはTFMSおよびその塩を調製するためのさまざまな方法が既に開示されている。特許文献5によれば、特定の金属を極性非プロトン性溶媒中、二酸化硫黄の存在下、108 Pa以上の圧力でハロゲン化トリフルオロメチルと反応させる。特許文献6には、トリフルオロ酢酸カリウムを、極性非プロトン性溶媒中、超音波の作用下でSO2と反応させることが記載されている。C.P. Andrieuxら(非特許文献1)は、CF3BrとSO2との還元的電気化学反応を報告している。特許文献7には、塩化スルホニルを、リン酸水素塩の存在下で亜硫酸塩または亜硫酸水素塩により還元することによりスルフィン酸塩を調製することが記載されている。特許文献8には、フッ素化されたフッ化スルホニルを水性媒体中、フッ素化界面活性剤または110℃未満の沸点を有する有機共溶媒の存在下でNa2SO3/NaHCO3と反応させることによるフッ素化スルフィン酸塩の合成が記載されている。C. Harzdorfら(非特許文献2)は、フッ化トリフルオロメタンスルホニルをメタノール中でヒドラジンと反応させ、HClにより酸性化した後、分留することによるTFMSの調製を報告している。US 5,618,945WO 2008/055 880WO 2008/055 879WO 2008/055 877EP-A 165,136US 6,203,670US 6,399,815WO 99/32439J. Am. Chem. Soc. 112 (1990) 786-791Liebigs Ann. Chem. 1973, 33-39 上に挙げた方法にもかかわらず、依然として、特に純粋な形の遊離酸の調製に関して、改良の必要がある。したがって、本発明の目的は、高純度のTFMSを調製する改善された方法を提供することである。 TFMSを、その粗生成物を好適な有機溶媒と共沸蒸留することにより高純度で得ることができることが見いだされた。 したがって、本発明は、まずトリフルオロメタンスルフィン酸(TFMS)を粗生成物の状態で170℃未満の沸点を有する芳香族溶媒中に入れ、次いで0.1〜500 mbarの減圧下で共沸蒸留を行うことによるTFMSの精製方法を提供する。 本発明はさらに、a) TFMSの塩を-2未満のpKsを有する不揮発性酸と反応させ、b) 得られた粗TFMS(crude TFMS)を170℃未満の沸点を有する芳香族溶媒との混合物にし、0.1〜500 mbarの範囲の減圧下で共沸蒸留を行うことによるTFMSの調製方法を提供する。 本発明はさらに、上記の方法の1つにより得られたTFMSを式(I)のピラゾール誘導体と反応させることによるフィプロニルの調製方法を提供する。 本発明の方法は、反応の主な副生成物である、より高沸点のトリフルオロメタンスルホン酸が共沸混合物を形成せず、これを蒸留底部物(the bottoms of the distillation)と共に容易に除去することができるので、TFMSが高収率・高純度で得られる。別の副生成物である揮発性のトリフルオロ酢酸も同様に蒸留により第一留分として除去することができる。溶媒を用いて反応混合物を希釈することにより、攪拌性および熱伝達が改善され、共沸混合物により沸点が低下するために温和な蒸留が可能になる。 本発明によれば、TFMS粗生成物および170℃未満の沸点を有する芳香族溶媒の混合物を0.1〜500 mbarの範囲の減圧下で共沸蒸留する。 すべての沸点は、他に記載しない限り、標準気圧(1 bar)における沸点である。 本発明によれば、「共沸蒸留」とは、TFMSおよび芳香族溶媒が共沸混合物、すなわち蒸留が進行すると液相と気相の組成が同じになる点に到達するような混合物を形成する(これはそれ以上の蒸留による分離が不可能であることを意味する)ことを意味する。TFMSおよび芳香族溶媒は、典型的にはヘテロ共沸混合物を形成する。すなわち共沸組成物中で液相が不安定であり、二相に分離する。本発明において、これは、TFMSを液-液相分離器により簡便に除去するために利用することができる。 好適な芳香族溶媒は、170℃未満、好ましくは150℃未満、より好ましくは140℃未満の沸点を有し、共沸混合物、好ましくは最低沸点を有する共沸混合物を形成するすべての不活性芳香族溶媒である。本発明において、「不活性」とは、蒸留の条件下で、TFMSと芳香族溶媒の間で反応が起こらない、または不利でない程度に収率が低い反応(5%未満、好ましくは1%未満)しか起こらないことを意味する。 例として、好適な芳香族溶媒を表1に挙げる。 減圧下で蒸留が実行可能であるためには、芳香族溶媒の沸点は好ましくは80℃未満であってはならない。 ベンゼン、フルオロベンゼン、アニソール、トリフルオロメチルベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、イソプロピルベンゼンおよびクロロベンゼンが好ましい。ベンゼン、トルエン、キシレン、フルオロベンゼン、トリフルオロメチルベンゼン、エチルベンゼンおよびクロロベンゼンが特に好ましい。とりわけ好ましいのは、トルエン、キシレン、エチルベンゼンおよびクロロベンゼンである。当然、混合物または上記の溶媒の2種以上を使用することも可能である。 芳香族溶媒のTFMSに対する(重量)比は広い範囲で変化し得るが、好ましくは1:100〜100:1、より好ましくは1:3〜10:1、特に1:1〜4:1である。 粗TFMSおよび芳香族溶媒の混合物は、粗TFMSを溶媒と混合することにより得ることができる。TFMSの塩を溶媒中に入れ、強酸を加えることによりそこからTFMSを遊離させることも好ましい。 蒸留に好適なカラムの型はすべての公知の型、例えば、ランダム充填物(random packing)を有するカラム、トレイカラム、規則充填物(structured packing)を有するカラムおよび隔壁カラムである。ランダム充填物を有するカラムおよびトレイカラムが好ましい。本発明の方法のさらなる好ましい実施形態において、薄膜蒸発器、流下液膜式蒸発器または短路蒸発器、任意の種類のカラム(例えば規則充填物を有するカラム)を取り付けた後者の装置の1つ、またはより好ましくはカラムを取り付けた反応容器により蒸留を実施する。 蒸留(分留でもよい)は、選択した溶媒に応じて、一般に110℃未満の温度範囲(底部温度)で実施する。これは、そうしなければTFMSが分解するおそれがあるためである。蒸留は減圧下、好ましくは0.1〜500 mbar、好ましくは1〜300 mbar、より好ましくは10〜100 mbarの範囲で実施し、共沸混合物の沸点を考慮しなければならない。 本発明に従って精製するためのTFMSは、任意の公知の方法により、例えば上記の方法の1つにより調製することができる。 トリフルオロメタンスルフィン酸の安定性が低いために、この化合物は一般に塩の形で取り扱いおよび保存される。したがって、本発明はさらに、TMFSを、その塩の1つから強酸を用いて遊離した後、本発明に従って共沸蒸留により精製する、TFMSを調製する方法を提供する。 原則としてTFMSの任意の所望の塩を使用することが可能であるが、アルカリ金属、アルカリ土類金属およびアンモニウム塩が好ましく、特にアルカリ金属塩が好ましく、とりわけナトリウム塩およびカリウム塩が好ましい。 当然、2種以上の異なる塩の混合物を使用することも可能である。 TFMSをその塩から遊離させるために好適な酸は、-2未満のpKsを有する不揮発性酸である。本発明において、「不揮発性」とは、酸が共沸蒸留の条件下で不揮発性であり、好ましくは標準気圧下で170℃以上の沸点を有することを意味する。好適な酸の例は、強酸性イオン交換体である、濃H3PO4およびH2SO4、特に濃縮された形(95重量%以上のH2SO4)であり、H2SO4が好ましい。 TFMSを遊離するために、少なくとも1当量の酸が必要である。好ましくは1〜10当量、より好ましくは1〜2当量、特に1〜1.5当量の酸を使用する。 酸、特に濃硫酸は、TFMSスルフィン酸塩の溶媒として使用することも可能である。しかしながら、塩を芳香族溶媒に懸濁した後、酸を加えることが好ましい。さらに、反応容器を冷却しながら連続的に加えることが好ましい。 本発明はさらに、殺虫剤フィプロニル(II)を、TFMSをさらに精製する(例えば再蒸留により)ことなく調製する方法であって、a)TFMSの塩を-2未満のpKsを有する不揮発性酸と反応させ、b) 得られた粗TFMSを、170℃未満の沸点を有する芳香族溶媒との混合物中で減圧下共沸蒸留し、c)得られたTFMSを式(I)(上記参照)のピラゾール誘導体と反応させることによる前記方法を提供する。 ピラゾール誘導体(I)をTFMSと反応させてフィプロニル(II)を得るためのさまざまな方法が、例えば、US 5,618,945、WO 2008/055 880、WO 2008/055 879およびWO 2008/055 877に記載されている。 第1の方法(i)(WO 2008/055 880) において、フェニルピラゾール誘導体(I)を、酸/アミン複合体の存在下でハロゲン化剤を加えてTFMSと反応させる。ここで、アミンは第二級または第三級アミンであり、使用する酸はHF、HCl、HBr、HIまたはスルホン酸誘導体であり、反応温度はいかなる場合にも39℃を超えない。 第2の方法(ii)(WO 2008/055 879)において、フェニルピラゾール誘導体(I)を、酸/アミン複合体の存在下でハロゲン化剤を加えてTFMSと反応させる。ここで、アミンは環状第二級アミンであり、使用する酸はスルホン酸誘導体である。 第3の方法(iii)(WO 2008/055 877)において、フェニルピラゾール誘導体(I)を、酸/アミン複合体の存在下でハロゲン化剤を加えてTFMSと反応させる。ここで、アミンは第三級アミンであり、使用する酸はHF、HCl、HBr、HIまたはスルホン酸誘導体である。 3つの方法のすべてにおいて、スルフィニル化反応は2段階の過程で進行し、そこにおいて、第1段階でピラゾール環のアミノ基へのCF3S(O)基の付加が起こり、次いでチアフリース転移(thia Fries rearrangement)によりフィプロニル(II)が得られる: 3つの方法の詳細は引用した文献(これを参照により本明細書に明確に組み入れる)に記載されており、その内容は、それがTFMSの反応に関連する場合には、参照により本明細書の一部を形成するものと見なされる。 本発明の方法の好ましい実施形態において、本発明に従って得られたTFMS留出液をさらに精製することなく、フェニルピラゾール誘導体(I)との反応に直接使用する。 本発明に従って得られたTFMSは、上記の用途のほかに、例えば医薬産業における有機合成の中間体としての用途、またはフッ化モノマーのフリーラジカル重合のための光開始剤の調製のための用途を有する(例えば、WO 99/32439を参照のこと)。 本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はそれにより限定されない。実施例1:トリフルオロメタンスルフィン酸とエチルベンゼンとの共沸蒸留 スターラーおよび蒸留タッチメントを備えた750 mlの反応器中で、92.7 gのトリフルオロメタンスルフィン酸カリウム(0.50 mol、92.5%)を142 gのエチルベンゼンに懸濁した。次に、75.0 gの濃硫酸(0.75 mol、98%)を、冷却しながら20〜30℃で15分以内に滴下した。それにより遊離したトリフルオロメタンスルフィン酸を40 mbarの減圧下、46℃の復水温度で5時間以内に共沸蒸留した。5℃に冷却した留出液の下相(69.4 g)はトリフルオロメタンスルフィン酸および少量のエチルベンゼンから成っていた。大部分がエチルベンゼンから成る上層は、蒸留中連続的に反応器に戻した。このようにして得られたトリフルオロメタンスルフィン酸(収率95%、純度92%)はさらに後処理することなく次の反応に使用することができる。実施例2:トリフルオロメタンスルフィン酸とクロロベンゼンとの共沸蒸留 スターラーおよび蒸留アタッチメントを備えた500 mlの4口フラスコ中で、50.0 gのトリフルオロメタンスルフィン酸ナトリウム(0.30 mol、95.0%)を144 gのモノクロロベンゼン(MCB)に懸濁した。次に、48.5 gの濃硫酸(0.48 mol、97%)を、冷却しながら20〜30℃で10分以内に滴下した。それにより遊離したトリフルオロメタンスルフィン酸を36 mbarの減圧下、37℃の復水温度で6 時間以内に共沸蒸留した。-20℃に冷却した留出液の下相(40.1 g)はトリフルオロメタンスルフィン酸および少量のMCBから成っていた。主にMCBから成る上相は、蒸留中連続的に反応器に戻した。このようにして得られたトリフルオロメタンスルフィン酸(収率95%)はさらに後処理することなく次の反応に使用することができる。実施例3:トリフルオロメタンスルフィン酸とトルエンとの共沸蒸留 スターラーおよび蒸留アタッチメントを備えた500 mlの4口フラスコ中で、50.0 gのトリフルオロメタンスルフィン酸ナトリウム(0.30 mol、95.0%)を112 gのトルエンに懸濁した。次に、46.1 gの濃硫酸(0.46 mol、97%)を、冷却しながら20〜30℃で10分以内に滴下した。それにより遊離したトリフルオロメタンスルフィン酸を50〜150 mbarの減圧下、31〜51℃の復水温度で9 時間以内に共沸蒸留した。-20℃に冷却した留出液の下相(34.2 g)はトリフルオロメタンスルフィン酸および少量のトルエンから成っていた。主にトルエンから成る上相は、蒸留中連続的に反応器に戻した。このようにして得られたトリフルオロメタンスルフィン酸(収率81%)はさらに後処理することなく次の反応に使用することができる。実施例4:トリフルオロメタンスルホン酸の存在下でのトリフルオロメタンスルフィン酸とエチルベンゼンとの共沸蒸留 スターラーおよび蒸留アタッチメントを備えた750 mlの反応器中で、92.7 gのトリフルオロメタンスルフィン酸カリウム(0.50 mol、92.5%)を142 gのエチルベンゼンおよび15.1 gのトリフルオロメタンスルホン酸(0.1 mol、99%)に懸濁した。次に、75.0 gの濃硫酸(0.75 mol、98%)を、冷却しながら20〜30℃で15分以内に滴下した。それにより遊離したトリフルオロメタンスルフィン酸を37 mbarの減圧下、46℃の復水温度で5時間以内に共沸蒸留した。5℃に冷却した留出液の下相(57.8 g)は、1Hおよび19F NMRによれば、トリフルオロメタンスルフィン酸、少量のエチルベンゼンおよび痕跡量のトリフルオロメタンスルホン酸から成っていた。大部分がエチルベンゼンから成る上層は、蒸留中連続的に反応器に戻した。このようにして得られたトリフルオロメタンスルフィン酸(収率82%、純度95%)はさらに後処理することなく次の反応に使用することができる。実施例5:トリフルオロ酢酸の存在下でのトリフルオロメタンスルフィン酸とエチルベンゼンとの共沸蒸留 スターラーおよび蒸留アタッチメントを備えた1000 mlの4口フラスコ中で、50.8 gのトリフルオロメタンスルフィン酸カリウム(0.29 mol、98%)および47.7 gのトリフルオロ酢酸カリウム(0.31 mol、99%)の粗混合物を258 gのエチルベンゼンに懸濁した。次に、92.2 gの濃硫酸(0.91 mol、97%)を、冷却しながら20〜30℃で15分以内に滴下した。それにより遊離したトリフルオロ酢酸を40 mbarの減圧下で20分以内に蒸留した。一方で、同様に遊離したトリフルオロメタンスルフィン酸を40 mbarの減圧下、42〜46℃の復水温度で3時間以内に共沸蒸留した。5℃に冷却した留出液の下相(30.0 g)は、トリフルオロメタンスルフィン酸および少量のエチルベンゼンから成っていた。大部分がエチルベンゼンから成る上層は、蒸留中連続的に反応器に戻した。このようにして得られたトリフルオロメタンスルフィン酸(収率73%、純度95%)はさらに精製することなく次の反応に使用することができる。実施例6:本発明に従って調製されたトリフルオロメタンスルフィン酸のフィプロニルの合成への使用 スターラー、バッフルおよびコンデンサーを備えた500 mlのジャケット付反応器(jacketed reactor)にまず窒素雰囲気下で103 gのエチルベンゼン、6.3 gのジメチルイソプロピルアミン塩酸塩(0.050 mol、99%)および15.5 gの塩化カリウム(0.208 mmol)を入れた。次に31.5 gのトリフルオロメタンスルフィン酸(0.223 mol、95.0%)、17.9 gのジメチルイソプロピルアミン(0.203 mol、99%)および24.2 gの塩化チオニル(203 mmol、99.7%)を、冷却しながら0℃で計り入れた。次いで54.8 gの5-アミノ-3-シアノ-1-(2,6-ジクロル-4-トリフルオロメチルフェニル)ピラゾールを加えた後、反応混合物を0℃で1時間攪拌し、次に45分間かけて35℃に加熱し、35℃でさらに10時間攪拌した。水酸化ナトリウム溶液を加えて反応を止め、酢酸エチルおよびエチルベンゼンにより抽出した後、粗溶液中に80%の非単離収率のフィプロニルが得られた(定量的HPLCにより測定)。 トリフルオロメタンスルフィン酸(TFMS)を精製する方法であって、粗TFMSおよび170℃未満の沸点を有する不活性芳香族溶媒を含む混合物を減圧下で共沸蒸留することによる、前記方法。 芳香族溶媒が、ベンゼン、フルオロベンゼン、アニソール、トリフルオロメチルベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、イソプロピルベンゼンおよびクロロベンゼンからなる群より選択される、請求項1に記載の方法。 芳香族溶媒のTFMSに対する重量比が1:100〜100:1である、請求項1または2に記載の方法。 存在するすべてのトリフルオロ酢酸が蒸留により第一留分として除去される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。 存在するすべてのトリフルオロメタンスルホン酸が蒸留底部物と共に除去される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。 a) TFMSの塩を-2未満のpKsを有する不揮発性酸と反応させ、b) 得られた粗TFMSを、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法で、 170℃未満の沸点を有する芳香族溶媒との混合物において減圧下で共沸蒸留することによる、TFMSを調製する方法。 不揮発性酸が濃H2SO4である、請求項6に記載の方法。 a) TFMSの塩を-2未満のpKsを有する不揮発性酸と反応させ、b) 得られた粗TFMSを、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法で、 170℃未満の沸点を有する芳香族溶媒との混合物において減圧下で共沸蒸留し、c) 得られたTFMSを、式(I)のピラゾール誘導体と反応させることによる、フィプロニルを調製する方法。 不揮発性酸がH2SO4である、請求項8に記載の方法。 工程b)において得られたTFMSを別の精製工程なしで直接反応させる、請求項8または9に記載の方法。


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