生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_第4級アンモニウム塩の製造方法
出願番号:2011288553
年次:2013
IPC分類:C07C 209/12,C07C 211/63


特許情報キャッシュ

井上 勝久 小坂 遥香 JP 2013136542 公開特許公報(A) 20130711 2011288553 20111228 第4級アンモニウム塩の製造方法 花王株式会社 000000918 古谷 聡 100087642 溝部 孝彦 100076680 義経 和昌 100098408 井上 勝久 小坂 遥香 C07C 209/12 20060101AFI20130614BHJP C07C 211/63 20060101ALI20130614BHJP JPC07C209/12C07C211/63 9 OL 11 4H006 4H006AA02 4H006AC52 4H006BB31 4H006BB61 4H006BC10 4H006BC11 4H006BC18 4H006BC19 4H006BC31 4H006BC35 4H006BD60 4H006BU50 本発明は、第4級アンモニウム塩の製造方法に関する。 第4級アンモニウム塩は、衣料用洗浄剤や殺菌剤、抗菌剤及び繊維などの柔軟剤や毛髪処理剤、帯電防止剤等に基剤として用いられている。第4級アンモニウム塩は、第3級アミンと4級化剤を必要に応じて溶媒を使用して反応させる方法等により製造される。しかし、製造された第4級アンモニウム塩には、反応中に副生する低級アミンや未反応の4級化剤等の不純物を含有し、この不純物は極少量を含有しても匂いや保存安定性を悪くするという問題があった。 そのために、従来では匂いや、色相、保存安定性の改善を目的に、反応後に常圧下あるいは減圧下でのキャリアーガスを用いた除去や減圧下での留去が行われている。例えば、特許文献1では、反応溶媒にエチルアルコールやイソプロピルアルコール等を使用して4級化し、次いで、その反応溶媒と共に不純物を留去することで色相を改善している。特許文献2には、加熱下での留去時間が、泡立ちにより長くなることで匂いが悪化するのを改善する方法として、シリコーン等の消泡剤を添加した後、留去する方法が提案されている。 また、特許文献3には、溶媒として非イオン界面活性剤を用いて、第3級アミンをジアルキル硫酸で4級化させる、不純物の副生が少なく、匂いの良好な第4級アンモニウム塩の製造方法が開示されている。また、特許文献4には、第3級アミン化合物と4級化剤とを、溶媒不存在下で反応させる第4級アンモニウム塩の製造方法が開示されている。特開平11−106370号公報特開平11−279132号公報特開2005−179187号公報特開2001−278846号公報 特許文献1では、製造される第4級アンモニウム塩は低級アルコールとの混合物として得られることから、引火性であるために取り扱い設備の高コスト化、及び商品として低級アルコールによる匂い影響や引火点が検出されて使用できない事がある。また、特許文献2でも、効率的な匂い改善の効果が得られない等の問題があった。更に、従来の第4級アンモニウム塩は、過酷な条件で保存された後の匂いの発生を十分に抑制することは困難であり、特許文献1〜4にはこの課題やその課題の解決手段の具体的な言及はない。 本発明の課題は、製造直後の異臭がなく、過酷な条件で保存された後も異臭の発生を抑制できる高品質な第4級アンモニウム塩が得られる製造方法を提供することである。さらに詳しくは、過酷な条件で保存された後も異臭の発生を抑制できる優れた高品質な第4級アンモニウム塩を、溶媒留去や脱臭操作等の煩雑な精製を行わずに、水溶液の形態で得ることができる製造方法を提供することである。 本発明は、下記一般式(1)で表される第3級アミン(1)〔以下、第3級アミン(1)という〕を水中で4級化して下記一般式(2)で表わされる第4級アンモニウム塩(2)〔以下、第4級アンモニウム塩(2)という〕を製造する、第4級アンモニウム塩の製造方法であって、 4級化剤を第3級アミン(1)に対して0.05モル倍量/分以下の添加速度で反応系に添加する、第4級アンモニウム塩の製造方法に関する。(式中、R1は、エステル基、アミド基又はエーテル基が挿入されていてもよい、炭素数6〜30の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示す。)(式中、R1は、エステル基、アミド基又はエーテル基が挿入されていてもよい、炭素数6〜30の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示し、R2は炭素数1〜3のアルキル基を示し、X-は陰イオン基を示す。) 本発明により、製造直後の異臭がなく、過酷な条件で保存された後も異臭の発生を抑制できる高品質な第4級アンモニウム塩を製造することができる。さらに、この第4級アンモニウム塩は、水溶液の形態で得ることができ、過酷な条件で保存された後も異臭の発生を抑制できることに加え、溶媒による匂いや引火性を有さないことから、取り扱い性に優れ、衣料用洗浄剤、殺菌剤、抗菌剤、繊維用柔軟剤、毛髪処理剤、帯電防止剤等の調製原料として用いる場合に有用である。 本発明に用いられる第3級アミン(I)は、一般式(I)中のR1が、エステル基(−COO−もしくは−OCO−)、アミド基(−NHCO−もしくは−CONH−)、エーテル基(−O−)が挿入されていてもよい、炭素数6〜30、好ましくは炭素数8〜24、より好ましくは炭素数10〜22の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基である。R1は炭素数8〜24の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であることが好ましく、更に炭素数10〜22の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であることがより好ましく、より更に炭素数10〜18の直鎖のアルキル基であることが更に好ましい。 第4級アンモニウム塩(2)は、第3級アミン(1)を4級化して得られるものであり、一般式(2)中のR2は、炭素数1〜3のアルキル基であって、好ましくはメチル基、エチル基、より好ましくはメチル基である。 一般式(2)中のX-は陰イオン基であって、具体的にはCl-、Br-等のハロゲンイオン、メチル硫酸、エチル硫酸等の短鎖アルキル(炭素数1〜3)硫酸イオン、酢酸、酒石酸、乳酸、リンゴ酸、コハク酸等の有機酸の陰イオンが挙げられ、好ましくはCl-、Br-等のハロゲンイオン、メチル硫酸、エチル硫酸等の短鎖アルキル(炭素数1〜2)硫酸イオンであり、より好ましくはCl-、メチル硫酸イオン、特に好ましくはCl-(塩化物イオン)である。 本発明では、水中で第3級アミン(1)を4級化して第4級アンモニウム塩(2)を製造する。また、水の他に、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等の低級アルコール(炭素数1〜3)、エチレングリコール、プロピレングリコール等のジオール類(炭素数2〜5)、アセトン、アセトニトリルのような有機溶媒を、本反応に影響が無い範囲内で、適宜加えることも可能である。影響のない添加量の範囲としては、例えば、得られた第4級アンモニウム塩水溶液に引火点が発現しない範囲で加えることが出来る。具体的には、エチルアルコールの場合には5質量%以下で添加する事が出来る。本発明では、4級化を水中で行うため、反応溶媒は水を95質量%以上含有することが好ましく、95〜100質量%含有することがより好ましい。 水に対する第3級アミン(1)の割合は、得られる第4級アンモニウム塩水溶液の常温における流動性の確保及び効率的な生産性の観点から、4級化剤を最初に導入する前の時点で、20〜80質量%であることが好ましく、より好ましくは25〜70質量%、更に好ましくは30〜60質量%である。この割合は、〔第3級アミン(1)の仕込量/水の仕込量〕×100により求められるものである。 4級化剤は、第3級アミン(1)を第4級アンモニウム塩(2)の構造とするものが適宜選定される。具体的には、塩化メチル、臭化メチル、よう化メチル等のハロゲン化アルキル、炭酸ジメチルや炭酸ジエチル等の炭酸ジアルキル、ジメチル硫酸やジエチル硫酸等のジアルキル硫酸等が挙げられ、好ましくは塩化メチル、炭酸ジメチル、ジメチル硫酸やジエチル硫酸、より好ましくは低コストの観点から塩化メチル、ジメチル硫酸、更に、低コストと4級化反応率の観点から、より好ましくは塩化メチルである。 本発明では、4級化剤を第3級アミン(1)に対して0.05モル倍/分以下の添加速度で反応系に添加する。低級アミン等の副生物の抑制や仕込みに要する時間の短縮化の観点から、この添加速度は、0.0015〜0.048倍/分が好ましく、0.004〜0.042倍/分がより好ましく、0.006〜0.04モル倍/分が更に好ましい。4級化剤を反応系に添加する態様は、一括、連続、分割、間欠など、種々可能であるが、本発明では、いずれの場合でも反応系に導入される4級化剤の添加速度が前記範囲となるように制御する(例えば、分割もしくは間欠で添加する場合は、各添加操作ごとに添加速度を前記範囲とする)ことで、匂いに優れた第4級アンモニウム塩を水系で効率よく製造できるものである。また、連続で添加する場合、添加速度は、前記範囲内において、一定、変動のいずれでもよい。なお、反応系は、第3級アミン(1)及び水を含んで構成される混合物であってよく、更にこれに4級化剤を含んで構成される混合物であってよい。例えば、反応系を、第3級アミン(1)、4級化剤及び水の混合物とみなすことができ、その場合、反応系の量は、これら三者の仕込量の合計とすることができる。 4級化剤の使用量は、第3級アミン(1)に対して0.95〜2.0モル倍が好ましい。4級化後の未反応第3級アミン含量の低減や4級化剤の副反応、反応後に残存する4級化剤の廃棄等の後処理への負担低減の観点から、4級化剤の使用量は、第3級アミン(1)に対して0.98〜1.5モル倍がより好ましく、0.99〜1.30モル倍が更に好ましく、1.00〜1.15モル倍がより更に好ましい。 4級化剤を添加する際の反応系の温度(仕込み温度)は、25〜110℃が好ましい。4級化剤と第3級アミン(1)の反応性の観点から、40〜100℃が好ましく、4級化の反応熱による過度の温度上昇を抑制する観点から、50〜90℃がより好ましい。一般に、この範囲の温度では、第3級アミン(1)は、反応初期では溶解しない状態で水を含む反応系中に存在する。本発明では、不均一系で4級化反応を開始するものであり、4級化剤の添加後、4級化反応が進行するに従って反応系中の第4級アンモニウム塩(2)の割合が増加し、全体として均一系(溶解)へと移行しているものである。 本発明では、目的物である第4級アンモニウム塩(2)の生産効率、4級化反応率、及び色相等の品質の観点から、4級化剤の全量が20〜600分、更に23〜250分、より更に25〜150分で反応系に添加されることが好ましい。つまり、4級化剤が最初に反応系に添加されてから、最後に添加されるまでの時間が前記範囲であることが好ましい。 本発明では、4級化剤の全量が反応系に添加された後、所定温度、所定時間の熟成を行い、反応を進行させることが好ましい。熟成温度は25〜120℃が好ましく、速やかに反応を進行させる観点及び反応品の色相等の品質を悪化させない観点から、25〜110℃が更に好ましく、40〜100℃がより好ましく、50〜90℃が更に好ましい。また、熟成時間は4級化の反応率(原料の第3級アミン(1)の減少量)に基づいて決定することができるが、4級化剤の全量が反応系に添加された後、10〜1200分、更に20〜600分、より更に30〜300分の熟成を行うことが好ましい。 本発明では、4級化後にアルカリ性下で低沸点化合物の留去を行い、その後に中性に調整することが、第4級アンモニウム塩水溶液の保存安定性や各種製品を製造する際の取り扱い性などの観点で好ましい。4級化反応の終結は、未反応の第3級アミン(1)を滴定等にて定量することにより確認することができる。 ここで、低沸点化合物とは、沸点が150℃以下である化合物をいい、具体的には、未反応の4級化剤、水等の反応溶媒、炭素数1〜3の1級、2級又は3級アミン等の低級アミン、匂いに影響する不純物等が挙げられる。 低沸点化合物の留去時の反応系のpHは、低沸点化合物の留去のされ易さ及び得られる第4級アンモニウム塩水溶液中の無機塩量の低減等の観点から、好ましくは7.5〜13.0、更に好ましくは8.5〜12.0、より好ましくは8.6〜11.0である。すなわち、本発明では、第3級アミン(1)を水中で4級化して第4級アンモニウム塩(2)と水とを含有する反応混合物を調製し、該調製物のpHを7.5〜13.0、更に好ましくは8.5〜12.0、より好ましくは8.6〜11.0として低沸点化合物の留去を行うことが好ましい。 低沸点化合物の留去時の反応混合物の温度は、低沸点化合物の留去のされ易さ及び第4級アンモニウム塩水溶液の副反応の低減等から、好ましくは40〜120℃、更に好ましくは50〜100℃、より好ましくは60〜90℃である。 低沸点化合物の留去後は、反応混合物のpHを中性近傍、好ましくはpH5.0〜9.5、より好ましくは5.5〜9.0、更に好ましくは6.0〜8.5に調整する。本発明により得られた第4級アンモニウム塩水溶液は、25℃のpHがこれらの範囲にあることが好ましい。 低沸点化合物の留去は、消泡剤の存在下に行うことが好ましく、本発明で使用できる消泡剤としては、ジメチルポリシロキサン、部分的にアミノ基やポリオキシアルキレン基等に変性されたジメチルポリシロキサン等のシリコーン化合物、二酸化珪素等が挙げられ、これらの1種以上を用いることができ、また予め乳化したものでもよく、好ましくはジメチルポリシロキサン、部分的にアミノ基やポリオキシアルキレン基等に変性されたジメチルポリシロキサン及びこれらのシリコーンと二酸化珪素との混合物、より好ましくはポリオキシアルキレン基等に変性されたジメチルポリシロキサン及びこれらのシリコーンと二酸化珪素との混合物である。消泡剤を添加混合することで、泡立ちによるトラブルもなく製造がスムーズに行え、更に処理量のアップを図ることができ、大幅な生産性向上が可能となる。 消泡剤の添加量は、反応混合物に対して好ましくは10〜1,000mg/kg、より好ましくは25〜500mg/kg、特に好ましくは50〜250mg/kgである。 消泡剤の添加時期は、4級化の前または4級化後のどちらでも良いが、4級化時の泡立ちのトラブル回避や処理量のアップによる生産性向上から4級化の前に添加することが好ましい。従って、本発明では、第3級アミン(1)の4級化を消泡剤の存在下で行うことができる。この場合、消泡剤は、反応系、更に第3級アミン(1)と水の合計量に対して前記範囲で用いることが好ましい。 低沸点化合物の留去は、常圧下または減圧下で行うことが出来る。減圧下で行う場合は、圧力3〜95kPaが好ましく、より好ましくは6.7〜90kPa、特に好ましくは13〜80kPaである。 低沸点化合物の留去において不活性ガスをキャリアガスとして吹き込みを行うことが好ましく、不活性ガスとしては、窒素や蒸気等が挙げられ、好ましくは窒素である。不活性ガスの吹き込み量は、反応混合物に対して0.05〜500L/kgが好ましく、低沸点化合物の留去の効果及び不活性ガスのコスト負担より、より好ましくは0.1〜100L/kg、特に好ましくは0.5〜50L/kgである。 低沸点化合物の留去は、バッチ式の槽および薄膜蒸発機等の全ての装置で効果が得られるが、生産コストの観点から好ましくはバッチ式の槽である。 本発明の製造方法では、第4級アンモニウム塩(2)を20〜80質量%、更に25〜60質量%、より更に27〜50質量%含有する水溶液を得ることができる。 本発明により製造された第4級アンモニウム塩は、各種洗浄剤(衣料用洗浄剤、身体用洗浄剤、毛髪用洗浄剤等)、毛髪処理剤、柔軟剤等に使用することができる。 実施例及び比較例で製造された第4級アンモニウム塩水溶液の匂い評価を以下の通り行った。 製造直後の水溶液又は60℃で6ヶ月保存後の水溶液を、100mLのビーカーに入れ、室温にてパネラー5名による官能評価を行い、下記基準で異臭の抑制を評価した。なお、水溶液の保存は、協同硝子株式会社製の広口規格びんPS−No.11(胴径51.5mm、高さ95.5mm、口径39.5mm、ガラス製)に水溶液50mLを入れて密閉、遮光の状態で行った。 A:5名が異臭を感じなかった B:4名が異臭を感じなかった C:3名が異臭を感じなかった D:2名が異臭を感じなかった E:0名又は1名が異臭を感じなかった(4名又は5名が異臭を感じた)実施例1 攪拌機、温度計、圧力計を具備した0.5Lオートクレーブに、ラウリルジメチルアミン(花王株式会社製ファーミン DM2098)85.4g(0.40モル)、イオン交換水179.7gを入れ、窒素置換した。その後、4級化剤の添加条件として、温度を60℃にした後に、塩化メチルをラウリルジメチルアミンに対して1.02モル倍(20.6g)、添加速度0.033モル倍/分(添加時間30.6分)で圧入して、次いで熟成条件として60〜70℃で2時間攪拌して反応させた。反応後に、pH調整として80℃で炭酸ソーダを添加して、pH7.5(25℃)、第4級アンモニウム塩濃度36.8質量%、反応率99.4%の第4級アンモニウム塩水溶液285gを得た。この第4級アンモニウム塩水溶液は、匂い評価Bであった。ここで、モル比は、ラウリルジメチルアミンの分子量を213.41、塩化メチルの分子量を50.49として算出した。実施例2〜10、比較例1〜4 実施例1と同様の反応装置を使用し、表1に示す仕込材料、4級化剤の添加条件の温度、4級化剤の添加速度、熟成条件で行った以外は、実施例1と同様の条件で反応を行って、表1に示すpH、4級塩濃度、反応率の第4級アンモニウム塩水溶液を得た。それぞれの第4級アンモニウム塩水溶液の匂い評価を表1に示した。実施例11 攪拌機、温度計、圧力計を具備した0.5Lオートクレーブに、ラウリルジメチルアミン85.4g(0.40モル)、イオン交換水177g、ポリエーテル変性シリコーン(消泡剤、東レ・ダウコーニング株製 DOW CORNING TORAY FZ−2203)0.029g(反応系に対して100mg/kg)を入れ、窒素置換した。その後、4級化剤の添加条件として、温度を60℃にした後に、塩化メチルをラウリルジメチルアミンに対して1.05モル倍(21.2g)、添加速度0.033モル倍/分(添加時間30.6分)で圧入して、次いで熟成条件として60〜70℃で2時間攪拌して反応させた。反応後に、反応混合物を攪拌機、温度計、導入管を具備した4つ口丸底フラスコに移し、80℃で17%炭酸ソーダ水溶液0.28gを添加してpH9.7にした。その後、80℃、常圧下で窒素2L(第4級アンモニウム塩水溶液に対して7L/kg)を3時間で吹き込みして低沸点化合物の留去を行った後に、35%塩酸水溶液0.23gを加えて60〜80℃で1時間混合して、pH7.1(25℃)、4級塩濃度37.0%、反応率99.4%の第4級アンモニウム塩水溶液260gを得た。この第4級アンモニウム塩水溶液は、匂い評価Aであった。さらに、第4級アンモニウム塩水溶液を60℃で2ヶ月間保存した結果、匂い評価Aであった(評価方法は、何れも実施例1等と同じ)。実施例12 実施例11と同様の条件で反応して、第4級アンモニウム塩水溶液を得た。反応後に、反応混合物を攪拌機、温度計、導入管を具備した4つ口丸底フラスコに移し、70℃で炭酸ソーダを添加してpH9.5に調整した。その後、70℃、60kPaの減圧下で窒素1L(第4級アンモニウム塩水溶液に対して3.5L/kg)を3時間で吹き込みして低沸点化合物の留去を行った後に、35%塩酸水溶液加えて60〜80℃で1時間混合して、pH6.8(25℃)、4級塩濃度37.3%、反応率99.4%の第4級アンモニウム塩水溶液255gを得た。この第4級アンモニウム塩水溶液は、匂い評価Aであった。さらに、第4級アンモニウム塩水溶液を60℃で2ヶ月間保存した結果、匂い評価Aであった(評価方法は、何れも実施例1等と同じ)。 下記一般式(1)で表される第3級アミン(1)を水中で4級化して下記一般式(2)で表わされる第4級アンモニウム塩(2)を製造する、第4級アンモニウム塩の製造方法であって、 4級化剤を第3級アミン(1)に対して0.05モル倍量/分以下の添加速度で反応系に添加する、第4級アンモニウム塩の製造方法。(式中、R1は、エステル基、アミド基又はエーテル基が挿入されていてもよい、炭素数6〜30の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示す。)(式中、R1は、エステル基、アミド基又はエーテル基が挿入されていてもよい、炭素数6〜30の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示し、R2は炭素数1〜3のアルキル基を示し、X-は陰イオン基を示す。) 4級化剤の使用量が、第3級アミン(1)に対して0.95〜2.0モル倍である請求項1記載の第4級アンモニウム塩の製造方法。 4級化剤を添加する際の反応系の温度が、25〜110℃である請求項1又は2記載の第4級アンモニウム塩の製造方法。 4級化剤の全量が20〜600分で反応系に添加される、請求項1〜3の何れか1項記載の第4級アンモニウム塩の製造方法。 4級化剤の添加速度が、第3級アミンに対して0.006〜0.04モル倍/分である、請求項1〜4の何れか1項記載の第4級アンモニウム塩の製造方法。 第4級アンモニウム塩(2)が、一般式(2)中のR2がメチル基、X-が塩化物イオンの第4級アンモニウム塩である、請求項1〜5の何れか1項記載の第4級アンモニウム塩の製造方法。 前記4級化剤が塩化メチルである、請求項1〜6の何れか1項記載の第4級アンモニウム塩の製造方法。 第3級アミン(1)が、一般式(1)中のR1が炭素数10〜18の直鎖アルキル基の第3級アミンである、請求項1〜7の何れか1項記載の第4級アンモニウム塩の製造方法。 水に対する第3級アミン(1)の割合が、4級化剤を最初に導入する前の時点で、20〜80質量%である、請求項1〜8の何れか1項記載の第4級アンモニウム塩の製造方法。 【課題】匂いに優れた高品質な第4級アンモニウム塩の製造方法を提供する。【解決手段】所定の第3級アミン(1)を水中で4級化して所定の第4級アンモニウム塩(2)を製造する、第4級アンモニウム塩の製造方法であって、4級化剤を第3級アミン(1)に対して0.05モル倍量/分以下の添加速度で反応系に添加する、第4級アンモニウム塩の製造方法。【選択図】なし


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特許公報(B2)_第4級アンモニウム塩の製造方法

生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_第4級アンモニウム塩の製造方法
出願番号:2011288553
年次:2015
IPC分類:C07C 209/12,C07C 211/63


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井上 勝久 小坂 遥香 JP 5809050 特許公報(B2) 20150918 2011288553 20111228 第4級アンモニウム塩の製造方法 花王株式会社 000000918 古谷 聡 100087642 溝部 孝彦 100076680 義経 和昌 100098408 井上 勝久 小坂 遥香 20151110 C07C 209/12 20060101AFI20151021BHJP C07C 211/63 20060101ALI20151021BHJP JPC07C209/12C07C211/63 C07C 209/12 C07C 211/63 C07C 209/22 C07C 209/82 C11D 1/62 CAplus/REGISTRY/CASREACTCAplus/REGISTRY(STN) (STN) 特開昭63−005064(JP,A) 特開2000−229919(JP,A) 特表平05−505614(JP,A) 中国特許出願公開第101050182(CN,A) 特開2005−075816(JP,A) 特開2009−227664(JP,A) 特開平04−095053(JP,A) 特開2008−081444(JP,A) 特開平11−106370(JP,A) 特開平10−182565(JP,A) 7 2013136542 20130711 10 20140916 品川 陽子 本発明は、第4級アンモニウム塩の製造方法に関する。 第4級アンモニウム塩は、衣料用洗浄剤や殺菌剤、抗菌剤及び繊維などの柔軟剤や毛髪処理剤、帯電防止剤等に基剤として用いられている。第4級アンモニウム塩は、第3級アミンと4級化剤を必要に応じて溶媒を使用して反応させる方法等により製造される。しかし、製造された第4級アンモニウム塩には、反応中に副生する低級アミンや未反応の4級化剤等の不純物を含有し、この不純物は極少量を含有しても匂いや保存安定性を悪くするという問題があった。 そのために、従来では匂いや、色相、保存安定性の改善を目的に、反応後に常圧下あるいは減圧下でのキャリアーガスを用いた除去や減圧下での留去が行われている。例えば、特許文献1では、反応溶媒にエチルアルコールやイソプロピルアルコール等を使用して4級化し、次いで、その反応溶媒と共に不純物を留去することで色相を改善している。特許文献2には、加熱下での留去時間が、泡立ちにより長くなることで匂いが悪化するのを改善する方法として、シリコーン等の消泡剤を添加した後、留去する方法が提案されている。 また、特許文献3には、溶媒として非イオン界面活性剤を用いて、第3級アミンをジアルキル硫酸で4級化させる、不純物の副生が少なく、匂いの良好な第4級アンモニウム塩の製造方法が開示されている。また、特許文献4には、第3級アミン化合物と4級化剤とを、溶媒不存在下で反応させる第4級アンモニウム塩の製造方法が開示されている。特開平11−106370号公報特開平11−279132号公報特開2005−179187号公報特開2001−278846号公報 特許文献1では、製造される第4級アンモニウム塩は低級アルコールとの混合物として得られることから、引火性であるために取り扱い設備の高コスト化、及び商品として低級アルコールによる匂い影響や引火点が検出されて使用できない事がある。また、特許文献2でも、効率的な匂い改善の効果が得られない等の問題があった。更に、従来の第4級アンモニウム塩は、過酷な条件で保存された後の匂いの発生を十分に抑制することは困難であり、特許文献1〜4にはこの課題やその課題の解決手段の具体的な言及はない。 本発明の課題は、製造直後の異臭がなく、過酷な条件で保存された後も異臭の発生を抑制できる高品質な第4級アンモニウム塩が得られる製造方法を提供することである。さらに詳しくは、過酷な条件で保存された後も異臭の発生を抑制できる優れた高品質な第4級アンモニウム塩を、溶媒留去や脱臭操作等の煩雑な精製を行わずに、水溶液の形態で得ることができる製造方法を提供することである。 本発明は、下記一般式(1)で表される第3級アミン(1)〔以下、第3級アミン(1)という〕を水中で4級化して下記一般式(2)で表わされる第4級アンモニウム塩(2)〔以下、第4級アンモニウム塩(2)という〕を製造する、第4級アンモニウム塩の製造方法であって、 4級化剤を第3級アミン(1)に対して0.05モル倍量/分以下の添加速度で反応系に添加する、第4級アンモニウム塩の製造方法に関する。(式中、R1は、エステル基、アミド基又はエーテル基が挿入されていてもよい、炭素数6〜30の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示す。)(式中、R1は、エステル基、アミド基又はエーテル基が挿入されていてもよい、炭素数6〜30の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示し、R2は炭素数1〜3のアルキル基を示し、X-は陰イオン基を示す。) 本発明により、製造直後の異臭がなく、過酷な条件で保存された後も異臭の発生を抑制できる高品質な第4級アンモニウム塩を製造することができる。さらに、この第4級アンモニウム塩は、水溶液の形態で得ることができ、過酷な条件で保存された後も異臭の発生を抑制できることに加え、溶媒による匂いや引火性を有さないことから、取り扱い性に優れ、衣料用洗浄剤、殺菌剤、抗菌剤、繊維用柔軟剤、毛髪処理剤、帯電防止剤等の調製原料として用いる場合に有用である。 本発明に用いられる第3級アミン(I)は、一般式(I)中のR1が、エステル基(−COO−もしくは−OCO−)、アミド基(−NHCO−もしくは−CONH−)、エーテル基(−O−)が挿入されていてもよい、炭素数6〜30、好ましくは炭素数8〜24、より好ましくは炭素数10〜22の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基である。R1は炭素数8〜24の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であることが好ましく、更に炭素数10〜22の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であることがより好ましく、より更に炭素数10〜18の直鎖のアルキル基であることが更に好ましい。 第4級アンモニウム塩(2)は、第3級アミン(1)を4級化して得られるものであり、一般式(2)中のR2は、炭素数1〜3のアルキル基であって、好ましくはメチル基、エチル基、より好ましくはメチル基である。 一般式(2)中のX-は陰イオン基であって、具体的にはCl-、Br-等のハロゲンイオン、メチル硫酸、エチル硫酸等の短鎖アルキル(炭素数1〜3)硫酸イオン、酢酸、酒石酸、乳酸、リンゴ酸、コハク酸等の有機酸の陰イオンが挙げられ、好ましくはCl-、Br-等のハロゲンイオン、メチル硫酸、エチル硫酸等の短鎖アルキル(炭素数1〜2)硫酸イオンであり、より好ましくはCl-、メチル硫酸イオン、特に好ましくはCl-(塩化物イオン)である。 本発明では、水中で第3級アミン(1)を4級化して第4級アンモニウム塩(2)を製造する。また、水の他に、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等の低級アルコール(炭素数1〜3)、エチレングリコール、プロピレングリコール等のジオール類(炭素数2〜5)、アセトン、アセトニトリルのような有機溶媒を、本反応に影響が無い範囲内で、適宜加えることも可能である。影響のない添加量の範囲としては、例えば、得られた第4級アンモニウム塩水溶液に引火点が発現しない範囲で加えることが出来る。具体的には、エチルアルコールの場合には5質量%以下で添加する事が出来る。本発明では、4級化を水中で行うため、反応溶媒は水を95質量%以上含有することが好ましく、95〜100質量%含有することがより好ましい。 水に対する第3級アミン(1)の割合は、得られる第4級アンモニウム塩水溶液の常温における流動性の確保及び効率的な生産性の観点から、4級化剤を最初に導入する前の時点で、20〜80質量%であることが好ましく、より好ましくは25〜70質量%、更に好ましくは30〜60質量%である。この割合は、〔第3級アミン(1)の仕込量/水の仕込量〕×100により求められるものである。 4級化剤は、第3級アミン(1)を第4級アンモニウム塩(2)の構造とするものが適宜選定される。具体的には、塩化メチル、臭化メチル、よう化メチル等のハロゲン化アルキル、炭酸ジメチルや炭酸ジエチル等の炭酸ジアルキル、ジメチル硫酸やジエチル硫酸等のジアルキル硫酸等が挙げられ、好ましくは塩化メチル、炭酸ジメチル、ジメチル硫酸やジエチル硫酸、より好ましくは低コストの観点から塩化メチル、ジメチル硫酸、更に、低コストと4級化反応率の観点から、より好ましくは塩化メチルである。 本発明では、4級化剤を第3級アミン(1)に対して0.05モル倍/分以下の添加速度で反応系に添加する。低級アミン等の副生物の抑制や仕込みに要する時間の短縮化の観点から、この添加速度は、0.0015〜0.048倍/分が好ましく、0.004〜0.042倍/分がより好ましく、0.006〜0.04モル倍/分が更に好ましい。4級化剤を反応系に添加する態様は、一括、連続、分割、間欠など、種々可能であるが、本発明では、いずれの場合でも反応系に導入される4級化剤の添加速度が前記範囲となるように制御する(例えば、分割もしくは間欠で添加する場合は、各添加操作ごとに添加速度を前記範囲とする)ことで、匂いに優れた第4級アンモニウム塩を水系で効率よく製造できるものである。また、連続で添加する場合、添加速度は、前記範囲内において、一定、変動のいずれでもよい。なお、反応系は、第3級アミン(1)及び水を含んで構成される混合物であってよく、更にこれに4級化剤を含んで構成される混合物であってよい。例えば、反応系を、第3級アミン(1)、4級化剤及び水の混合物とみなすことができ、その場合、反応系の量は、これら三者の仕込量の合計とすることができる。 4級化剤の使用量は、第3級アミン(1)に対して0.95〜2.0モル倍が好ましい。4級化後の未反応第3級アミン含量の低減や4級化剤の副反応、反応後に残存する4級化剤の廃棄等の後処理への負担低減の観点から、4級化剤の使用量は、第3級アミン(1)に対して0.98〜1.5モル倍がより好ましく、0.99〜1.30モル倍が更に好ましく、1.00〜1.15モル倍がより更に好ましい。 4級化剤を添加する際の反応系の温度(仕込み温度)は、25〜110℃が好ましい。4級化剤と第3級アミン(1)の反応性の観点から、40〜100℃が好ましく、4級化の反応熱による過度の温度上昇を抑制する観点から、50〜90℃がより好ましい。一般に、この範囲の温度では、第3級アミン(1)は、反応初期では溶解しない状態で水を含む反応系中に存在する。本発明では、不均一系で4級化反応を開始するものであり、4級化剤の添加後、4級化反応が進行するに従って反応系中の第4級アンモニウム塩(2)の割合が増加し、全体として均一系(溶解)へと移行しているものである。 本発明では、目的物である第4級アンモニウム塩(2)の生産効率、4級化反応率、及び色相等の品質の観点から、4級化剤の全量が20〜600分、更に23〜250分、より更に25〜150分で反応系に添加されることが好ましい。つまり、4級化剤が最初に反応系に添加されてから、最後に添加されるまでの時間が前記範囲であることが好ましい。 本発明では、4級化剤の全量が反応系に添加された後、所定温度、所定時間の熟成を行い、反応を進行させることが好ましい。熟成温度は25〜120℃が好ましく、速やかに反応を進行させる観点及び反応品の色相等の品質を悪化させない観点から、25〜110℃が更に好ましく、40〜100℃がより好ましく、50〜90℃が更に好ましい。また、熟成時間は4級化の反応率(原料の第3級アミン(1)の減少量)に基づいて決定することができるが、4級化剤の全量が反応系に添加された後、10〜1200分、更に20〜600分、より更に30〜300分の熟成を行うことが好ましい。 本発明では、4級化後にアルカリ性下で低沸点化合物の留去を行い、その後に中性に調整することが、第4級アンモニウム塩水溶液の保存安定性や各種製品を製造する際の取り扱い性などの観点で好ましい。4級化反応の終結は、未反応の第3級アミン(1)を滴定等にて定量することにより確認することができる。 ここで、低沸点化合物とは、沸点が150℃以下である化合物をいい、具体的には、未反応の4級化剤、水等の反応溶媒、炭素数1〜3の1級、2級又は3級アミン等の低級アミン、匂いに影響する不純物等が挙げられる。 低沸点化合物の留去時の反応系のpHは、低沸点化合物の留去のされ易さ及び得られる第4級アンモニウム塩水溶液中の無機塩量の低減等の観点から、好ましくは7.5〜13.0、更に好ましくは8.5〜12.0、より好ましくは8.6〜11.0である。すなわち、本発明では、第3級アミン(1)を水中で4級化して第4級アンモニウム塩(2)と水とを含有する反応混合物を調製し、該調製物のpHを7.5〜13.0、更に好ましくは8.5〜12.0、より好ましくは8.6〜11.0として低沸点化合物の留去を行うことが好ましい。 低沸点化合物の留去時の反応混合物の温度は、低沸点化合物の留去のされ易さ及び第4級アンモニウム塩水溶液の副反応の低減等から、好ましくは40〜120℃、更に好ましくは50〜100℃、より好ましくは60〜90℃である。 低沸点化合物の留去後は、反応混合物のpHを中性近傍、好ましくはpH5.0〜9.5、より好ましくは5.5〜9.0、更に好ましくは6.0〜8.5に調整する。本発明により得られた第4級アンモニウム塩水溶液は、25℃のpHがこれらの範囲にあることが好ましい。 低沸点化合物の留去は、消泡剤の存在下に行うことが好ましく、本発明で使用できる消泡剤としては、ジメチルポリシロキサン、部分的にアミノ基やポリオキシアルキレン基等に変性されたジメチルポリシロキサン等のシリコーン化合物、二酸化珪素等が挙げられ、これらの1種以上を用いることができ、また予め乳化したものでもよく、好ましくはジメチルポリシロキサン、部分的にアミノ基やポリオキシアルキレン基等に変性されたジメチルポリシロキサン及びこれらのシリコーンと二酸化珪素との混合物、より好ましくはポリオキシアルキレン基等に変性されたジメチルポリシロキサン及びこれらのシリコーンと二酸化珪素との混合物である。消泡剤を添加混合することで、泡立ちによるトラブルもなく製造がスムーズに行え、更に処理量のアップを図ることができ、大幅な生産性向上が可能となる。 消泡剤の添加量は、反応混合物に対して好ましくは10〜1,000mg/kg、より好ましくは25〜500mg/kg、特に好ましくは50〜250mg/kgである。 消泡剤の添加時期は、4級化の前または4級化後のどちらでも良いが、4級化時の泡立ちのトラブル回避や処理量のアップによる生産性向上から4級化の前に添加することが好ましい。従って、本発明では、第3級アミン(1)の4級化を消泡剤の存在下で行うことができる。この場合、消泡剤は、反応系、更に第3級アミン(1)と水の合計量に対して前記範囲で用いることが好ましい。 低沸点化合物の留去は、常圧下または減圧下で行うことが出来る。減圧下で行う場合は、圧力3〜95kPaが好ましく、より好ましくは6.7〜90kPa、特に好ましくは13〜80kPaである。 低沸点化合物の留去において不活性ガスをキャリアガスとして吹き込みを行うことが好ましく、不活性ガスとしては、窒素や蒸気等が挙げられ、好ましくは窒素である。不活性ガスの吹き込み量は、反応混合物に対して0.05〜500L/kgが好ましく、低沸点化合物の留去の効果及び不活性ガスのコスト負担より、より好ましくは0.1〜100L/kg、特に好ましくは0.5〜50L/kgである。 低沸点化合物の留去は、バッチ式の槽および薄膜蒸発機等の全ての装置で効果が得られるが、生産コストの観点から好ましくはバッチ式の槽である。 本発明の製造方法では、第4級アンモニウム塩(2)を20〜80質量%、更に25〜60質量%、より更に27〜50質量%含有する水溶液を得ることができる。 本発明により製造された第4級アンモニウム塩は、各種洗浄剤(衣料用洗浄剤、身体用洗浄剤、毛髪用洗浄剤等)、毛髪処理剤、柔軟剤等に使用することができる。 実施例及び比較例で製造された第4級アンモニウム塩水溶液の匂い評価を以下の通り行った。 製造直後の水溶液又は60℃で6ヶ月保存後の水溶液を、100mLのビーカーに入れ、室温にてパネラー5名による官能評価を行い、下記基準で異臭の抑制を評価した。なお、水溶液の保存は、協同硝子株式会社製の広口規格びんPS−No.11(胴径51.5mm、高さ95.5mm、口径39.5mm、ガラス製)に水溶液50mLを入れて密閉、遮光の状態で行った。 A:5名が異臭を感じなかった B:4名が異臭を感じなかった C:3名が異臭を感じなかった D:2名が異臭を感じなかった E:0名又は1名が異臭を感じなかった(4名又は5名が異臭を感じた)実施例1 攪拌機、温度計、圧力計を具備した0.5Lオートクレーブに、ラウリルジメチルアミン(花王株式会社製ファーミン DM2098)85.4g(0.40モル)、イオン交換水179.7gを入れ、窒素置換した。その後、4級化剤の添加条件として、温度を60℃にした後に、塩化メチルをラウリルジメチルアミンに対して1.02モル倍(20.6g)、添加速度0.033モル倍/分(添加時間30.6分)で圧入して、次いで熟成条件として60〜70℃で2時間攪拌して反応させた。反応後に、pH調整として80℃で炭酸ソーダを添加して、pH7.5(25℃)、第4級アンモニウム塩濃度36.8質量%、反応率99.4%の第4級アンモニウム塩水溶液285gを得た。この第4級アンモニウム塩水溶液は、匂い評価Bであった。ここで、モル比は、ラウリルジメチルアミンの分子量を213.41、塩化メチルの分子量を50.49として算出した。実施例2〜10、比較例1〜4 実施例1と同様の反応装置を使用し、表1に示す仕込材料、4級化剤の添加条件の温度、4級化剤の添加速度、熟成条件で行った以外は、実施例1と同様の条件で反応を行って、表1に示すpH、4級塩濃度、反応率の第4級アンモニウム塩水溶液を得た。それぞれの第4級アンモニウム塩水溶液の匂い評価を表1に示した。実施例11 攪拌機、温度計、圧力計を具備した0.5Lオートクレーブに、ラウリルジメチルアミン85.4g(0.40モル)、イオン交換水177g、ポリエーテル変性シリコーン(消泡剤、東レ・ダウコーニング株製 DOW CORNING TORAY FZ−2203)0.029g(反応系に対して100mg/kg)を入れ、窒素置換した。その後、4級化剤の添加条件として、温度を60℃にした後に、塩化メチルをラウリルジメチルアミンに対して1.05モル倍(21.2g)、添加速度0.033モル倍/分(添加時間30.6分)で圧入して、次いで熟成条件として60〜70℃で2時間攪拌して反応させた。反応後に、反応混合物を攪拌機、温度計、導入管を具備した4つ口丸底フラスコに移し、80℃で17%炭酸ソーダ水溶液0.28gを添加してpH9.7にした。その後、80℃、常圧下で窒素2L(第4級アンモニウム塩水溶液に対して7L/kg)を3時間で吹き込みして低沸点化合物の留去を行った後に、35%塩酸水溶液0.23gを加えて60〜80℃で1時間混合して、pH7.1(25℃)、4級塩濃度37.0%、反応率99.4%の第4級アンモニウム塩水溶液260gを得た。この第4級アンモニウム塩水溶液は、匂い評価Aであった。さらに、第4級アンモニウム塩水溶液を60℃で2ヶ月間保存した結果、匂い評価Aであった(評価方法は、何れも実施例1等と同じ)。実施例12 実施例11と同様の条件で反応して、第4級アンモニウム塩水溶液を得た。反応後に、反応混合物を攪拌機、温度計、導入管を具備した4つ口丸底フラスコに移し、70℃で炭酸ソーダを添加してpH9.5に調整した。その後、70℃、60kPaの減圧下で窒素1L(第4級アンモニウム塩水溶液に対して3.5L/kg)を3時間で吹き込みして低沸点化合物の留去を行った後に、35%塩酸水溶液加えて60〜80℃で1時間混合して、pH6.8(25℃)、4級塩濃度37.3%、反応率99.4%の第4級アンモニウム塩水溶液255gを得た。この第4級アンモニウム塩水溶液は、匂い評価Aであった。さらに、第4級アンモニウム塩水溶液を60℃で2ヶ月間保存した結果、匂い評価Aであった(評価方法は、何れも実施例1等と同じ)。 下記一般式(1)で表される第3級アミン(1)を水中で4級化して下記一般式(2)で表わされる第4級アンモニウム塩(2)を製造する、第4級アンモニウム塩の製造方法であって、 水に対する第3級アミン(1)の割合が、4級化剤を最初に導入する前の時点で、30〜60質量%であり、 4級化剤を第3級アミン(1)に対して0.006〜0.04モル倍/分の添加速度で反応系に添加する、第4級アンモニウム塩の製造方法。(式中、R1は、エステル基、アミド基又はエーテル基が挿入されていてもよい、炭素数6〜30の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示す。)(式中、R1は、エステル基、アミド基又はエーテル基が挿入されていてもよい、炭素数6〜30の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示し、R2は炭素数1〜3のアルキル基を示し、X-は陰イオン基を示す。) 4級化剤の使用量が、第3級アミン(1)に対して0.95〜2.0モル倍である請求項1記載の第4級アンモニウム塩の製造方法。 4級化剤を添加する際の反応系の温度が、25〜110℃である請求項1又は2記載の第4級アンモニウム塩の製造方法。 4級化剤の全量が20〜600分で反応系に添加される、請求項1〜3の何れか1項記載の第4級アンモニウム塩の製造方法。 第4級アンモニウム塩(2)が、一般式(2)中のR2がメチル基、X-が塩化物イオンの第4級アンモニウム塩である、請求項1〜4の何れか1項記載の第4級アンモニウム塩の製造方法。 前記4級化剤が塩化メチルである、請求項1〜5の何れか1項記載の第4級アンモニウム塩の製造方法。 第3級アミン(1)が、一般式(1)中のR1が炭素数10〜18の直鎖アルキル基の第3級アミンである、請求項1〜6の何れか1項記載の第4級アンモニウム塩の製造方法。


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