生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_水中油型乳化組成物
出願番号:2011279672
年次:2013
IPC分類:A61K 8/06,A61K 8/25,A61K 8/29,A61K 8/73,A61Q 19/00


特許情報キャッシュ

植松 美喜 浅野 浩志 JP 2013129626 公開特許公報(A) 20130704 2011279672 20111221 水中油型乳化組成物 日本メナード化粧品株式会社 592262543 植松 美喜 浅野 浩志 A61K 8/06 20060101AFI20130607BHJP A61K 8/25 20060101ALI20130607BHJP A61K 8/29 20060101ALI20130607BHJP A61K 8/73 20060101ALI20130607BHJP A61Q 19/00 20060101ALI20130607BHJP JPA61K8/06A61K8/25A61K8/29A61K8/73A61Q19/00 4 OL 11 4C083 4C083AB171 4C083AB172 4C083AB241 4C083AB242 4C083AB381 4C083AB382 4C083AB441 4C083AB442 4C083AC022 4C083AC122 4C083AD352 4C083BB25 4C083BB36 4C083CC03 4C083CC04 4C083CC05 4C083CC11 4C083DD23 4C083DD27 4C083DD33 4C083EE01 4C083EE06 4C083EE10 4C083FF05 本発明は、乳化組成物に関し、特に界面活性剤を使用することなく、みずみずしくさっぱりした使用感を持ち、かつ長期安定性に優れた化粧料用水中油型乳化組成物に関する。 化粧料等に用いられるエマルションは、添加されている界面活性剤の乳化作用により、水性成分と油性成分とを安定的に混合せしめている。しかしながら、界面活性剤を多量に配合すると塗布時の使用感触にべたつきが生じる場合がある。さらに、近年化粧料についてもより一層高い安全性が期待されており、この観点からごく希に刺激性を示す恐れがある界面活性剤の存在が問題とされることもある。そのため、界面活性剤を含有しないエマルションが強く求められている。 界面活性剤を用いず、粉体等の固体粒子を界面に吸着させることによって安定化されるエマルションはピッカリングエマルションとして知られている。ここで、液液又は気液界面に自発的に吸着して界面活性を示す固体粒子は界面活性粒子と呼ばれている。ピッカリングエマルションの調製に関しては、これまで数多くの研究成果が報告されており(非特許文献1)、水及び油に対する粒子の濡れ性を制御することが粒子を界面に吸着させるためには重要であることが明らかにされている。(非特許文献2) また化粧料への応用例として、疎水化シリカと粘土鉱物を配合することにより油中水型エマルションの乳化安定性を高めたもの(特許文献1)等が報告されている。野々村美宗 表面 Vol.42,No.1,PAGE12−19 (2004)B.P.Binks and S.O.Lumsdon Langmuir 2000,16,PAGE8622−8631特開2004−224709 しかしながら、乳化の安定性及び塗布時の感触において、化粧料として満足のいく水中油型ピッカリングエマルションを調製することは非常に困難であった。 本発明の目的は、界面活性剤を使用することなく、みずみずしくさっぱりした使用感を持ち、かつ長期安定性に優れた化粧料用水中油型乳化組成物を提供することにある。 本発明者等は、このような事情に鑑み、鋭意研究を重ねた結果、構成成分として(A)部分的疎水化シリカ微粒子及び(B)疎水化処理微粒子酸化チタンを含有する油相と、(C)水溶性高分子及び(D)粘土鉱物を含有する水相とからなることを特徴とする水中油型乳化組成物が優れた乳化安定性を有し、みずみずしくさっぱりとした使用感であることを見出し、本発明を完成した。 すなわち、本発明は、界面活性粒子である(A)部分的疎水化シリカ微粒子を油水界面に吸着させることにより水中油型エマルションを調製するものである。さらに(B)疎水化処理微粒子酸化チタンを油相成分に、(C)水溶性高分子及び(D)粘土鉱物を水相成分に配合することにより、長期安定性に優れた水中油型乳化組成物を提供することができる。この水中油型乳化組成物は実質的に界面活性剤を含有せず、みずみずしくさっぱりとした使用感に優れたものである。 以下、本発明を詳細に説明する。 本発明の構成成分(A)である部分的疎水化シリカ微粒子は、以下の方法により得ることができる。 すなわち、乾式親水性シリカ微粒子を油性成分に分散して親水性シリカ微粒子油性成分分散体を得る分散工程;親水性シリカ微粒子油性成分分散体中に分散された親水性シリカ微粒子を表面改質して疎水化シリカ微粒子油性成分分散体を得る表面改質工程;及び疎水化シリカ微粒子油性成分分散体に含まれる疎水化シリカ微粒子を破砕する破砕工程により両親媒性粒子である部分的疎水化シリカ微粒子並びに部分的疎水化シリカ微粒子油性成分分散体を得ることができる。この部分的疎水化シリカ微粒子は親水性表面と疎水性表面とを有する界面活性粒子であり、実質的に界面活性剤に含まれない。 〔分散工程〕 乾式親水性シリカとしては、ケイ素塩化合物(四塩化ケイ素等)等の気体を酸素水素炎中で燃焼させて得られるシリカを用いることができ、市販品としてAerosilシリーズ(日本アエロジル株式会社)、CAB−O−SILシリーズ(キャボットコーポレーション)、HDKシリーズ(旭化成ワッカーシリコーン株式会社)等が挙げられる。 油性成分としては、炭化水素油、脂肪酸、脂肪酸アミド、脂肪酸エステル、高級アルコール、シリコーン、及びポリオキシアルキレン化合物等が使用でき、分散安定性の観点から、炭化水素油、及びシリコーンが好ましく、さらに好ましくは40℃における動粘度が1〜20mm2/sの炭化水素油、及び25℃における動粘度が1〜50mm2/sのシリコーンである。 これらの炭化水素油及びシリコーンは市場から容易に入手することができ、以下に商品名を例示する。 <炭化水素油>商品名の後に続く括弧内の数字は40℃における動粘度mm2/sである。 IPソルベント1620(1)、及びIPソルベント2028(3)(出光興産株式会社);コスモホワイトP60(9)、及びコスモホワイトP70(13)(コスモ石油ルブリカンツ株式会社、「コスモ」は、コスモ石油株式会社の登録商標である。);パールリーム4(3)、パールリームEX(10)、及びパールリーム6(20)(日油株式会社製、「パールリーム」は日油株式会社の登録商標である。);アイソパーシリーズ(エクソン モービル ケミカル社)等。 <ジメチルポリシロキサン> KF−96−10cs、KF−96−20cs、KF−96−30cs、及びKF−96−50cs{信越化学工業株式会社;商品名の終り(csの直前)に記載されている数字は25℃における動粘度を表し、例えば、「10」は10mm2/sである。};SH200 C Fluid 10cs、SH200 C Fluid 20cs、及びSH200 C Fluid 50cs{東レ・ダウコーニングシリコーン株式会社製;商品名の終り(csの直前)に記載されている数字は25℃における動粘度を表し、例えば、「10」は10mm2/sである。};並びに、TSF451−10、TSF451−20、TSF451−30、及びTSF451−50{モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製;商品名の終りに記載されている数字は25℃における動粘度を表し、例えば、「10」は10mm2/sである。}等。 親水性シリカ微粒子油性成分分散体は、予め油性成分の入った分散容器に乾式親水性シリカ微粒子を加えて均一分散する方法で得ることができる。このとき、分散には公知の分散機を使用することができ、中でも、高速せん断式分散機及び3軸遊星型ミキサーが好ましい。 分散の温度としては、特に制限はなく、油性成分の種類に応じて適宜選択することができるが、30〜150℃が好ましい。また、分散に要する時間は、5分〜10時間が好ましく、さらに好ましくは15分〜3時間である。 親水性シリカ微粒子油性成分分散体に含まれる親水性シリカ微粒子の含有量は該油性成分分散体の全量に対して、0.1〜10重量%が好ましく、さらに好ましくは1〜5重量%である。 〔表面改質工程〕 シリカ微粒子の表面改質に使用する疎水化剤としては、ハロシラン、アルコキシシラン、シラザン等を用いることができ、特にシラザンが好ましい。 疎水化シリカ微粒子油性成分分散体は、親水性シリカ微粒子油性成分分散体を撹拌しながら疎水化剤を加えることにより得ることができる。このとき、撹拌には公知の分散機を使用することができ、中でも、高速せん断式分散機及び3軸遊星型ミキサーが好ましい。 疎水化剤の使用量は該親水性シリカ微粒子の重量に対して、0.5〜20重量%が好ましく、さらに好ましくは1〜10重量%である。 〔破砕工程〕 部分的疎水化シリカ微粒子は疎水化シリカ微粒子油性成分分散体に含まれる疎水化シリカ微粒子を破砕することにより得ることができる。破砕によって、疎水化シリカ微粒子の表面が親水性表面(破砕によって生じた新たな表面)と疎水性表面(疎水化剤によって疎水化された表面)とに分割される。 破砕は、疎水化シリカ微粒子油性成分分散体を湿式分散する方法で行うことができる。このとき、湿式分散には公知の破砕分散機等を使用することができ、中でも、高速せん断式分散機が微粒子の再凝集が起こりにくい点で好ましい。 破砕の温度としては、特に制限はなく、油性成分の種類に応じて適宜選択することができるが、30〜150℃が好ましい。また、破砕に要する時間は、5分〜10時間が好ましく、さらに好ましくは15分〜3時間である。 〔部分的疎水化シリカ微粒子の単離〕 なお、部分的疎水化シリカ微粒子油性成分分散体はそのまま用いてもよく、部分的疎水化シリカ微粒子油性成分分散体から油性成分を除去し、乾燥して、部分的疎水化シリカ微粒子を取り出してから用いてもよい。部分的疎水化シリカ微粒子は、部分的疎水化シリカ微粒子を含む分散体50gをn−ヘキサン450gと混合して生じた白色沈殿を遠心分離にて取り出し、100℃の順風式乾燥機にて12時間乾燥することで単離することができる。 部分的疎水化シリカ微粒子のM値は、8〜25が好ましく、乳化安定性の観点から10〜20がより好ましい。M値は微粒子の疎水性の程度を表す概念であり、M値が高いほど疎水性が高いことを示している。M値は水とメタノールの混合溶液に、測定試料を均一分散させる際に必要最低量のメタノールの容量割合で表わされ、以下の方法で求めることができる。 〔M値算出方法〕 測定試料(部分的疎水化シリカ微粒子)0.2gを容量250mLのビーカー中で50mLの水に添加し、続いてメタノールをビュレットから徐々に滴下する。このとき、ビーカー中の溶液をマグネティックスターラーで常時撹拌し、測定試料の全量が溶液中に均一に懸濁された時点を終点とする。この終点におけるビーカー中の水・メタノール混合溶液のメタノールの容量百分率がM値である。 本発明の構成成分(A)である部分的疎水化シリカ微粒子を任意の油相成分と水相成分とともに混合・撹拌すると、部分的疎水化シリカ微粒子が油相と水相の界面に吸着することにより、水中油型エマルションを得ることができる。このとき、水中油型エマルションを得るには、部分的疎水化シリカ微粒子の水に対する濡れ性が油に対する濡れ性よりも大きいことが重要である。 一方、一般に疎水化シリカとして市販されているジメチルシリル化シリカ微粒子(例えば、Aerosil R976,日本アエロジル株式会社製)を用いて、任意の油相成分と水相成分とともに混合・撹拌すると、油中水型エマルションしか得ることができない。これはジメチルシリル化シリカ微粒子の油に対する濡れ性が、水に対する濡れ性と比較して非常に大きいためである。 上記部分的疎水化シリカ微粒子を油滴粒子と水相の界面に吸着させて水中油型エマルションを得るという本発明の性質を考慮すると、その平均粒子径は乳化粒子(油滴粒子)よりも小さいことが好ましい。本発明の構成成分(A)である部分的疎水化シリカ微粒子の体積平均粒子径としては、0.05〜1μmが好ましく、さらに好ましくは0.1〜0.5μmである。 部分的疎水化シリカ微粒子の体積平均粒子径は、部分的疎水化シリカ微粒子を1重量%の濃度となるようにイソプロパノールに分散した分散液を測定試料とし、JIS Z8825−1:2001に準拠したレーザー回折式粒度分析計(例えば、Leeds&Northrup社製Microtracシリーズ、株式会社堀場製作所製ParticaLAシリーズ等)を用いて、イソプロパノールと部分的疎水化シリカ微粒子の屈折率をそれぞれ1.377、1.457として、測定温度25±5℃にて測定し、50%積算体積平均粒子径として求められる。 上記部分的疎水化シリカ微粒子は乳化組成物中に0.1〜10.0重量%含有することが好ましく、乳化組成物の安定性及びみずみずしい使用感を実現するには、0.5〜5.0重量%含有することがより好ましい。 本発明の構成成分(B)である疎水化処理微粒子酸化チタンとしては、例えば、シリコーン処理、含フッ素化合物処理、脂肪酸処理、アミノ酸処理、金属石鹸処理等、公知の各種表面処理を行った微粒子酸化チタンを用いることができる。 具体的には、シリコーン処理としては、メチルハイドロジェンポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン、トリメチルシロキシケイ酸、シリコーン樹脂等による処理;含フッ素化合物処理としては、パーフルオロアルキルリン酸エステル、パーフルオロアルキルシラン等による処理;脂肪酸処理としては、ミリスチン酸、ステアリン酸等による処理が挙げられる。さらに、複数の表面処理剤を組み合わせて疎水化処理を行う方法も知られている。 本発明の構成成分(B)としては、吸着シリコーン処理された微粒子酸化チタンが乳化安定性の点から好ましく、市販品としてはSA処理(三好化成株式会社製)微粒子酸化チタン等がある。 本発明では、上記のような疎水化処理微粒子酸化チタンを油相成分中に含有することにより、部分的疎水化シリカ微粒子による水中油型エマルションの乳化安定性を強化せしめている。これは、油滴粒子と水相の界面に吸着している部分的疎水化シリカ微粒子同士のわずかな隙間を疎水化処理微粒子酸化チタンが埋めるように配置するためである。これを考慮すると、疎水化処理微粒子酸化チタンの平均粒子径は乳化粒子(油滴粒子)よりも小さいことが好ましく、さらに好ましくは、部分的疎水化シリカの平均粒子径よりも小さいものである。具体的には平均粒子径が0.1μm以下のものが好ましく、さらに好ましくは0.05μm以下である。 上記疎水化処理微粒子酸化チタンは、乳化組成物中に0.5〜10.0重量%含有することが好ましい。 本発明の水中油型乳化組成物においては、経時による乳化粒子の沈降、クリーミングに対する安定性を付与するため、水相成分中に水溶性高分子及び粘土鉱物を含有する。 本発明の構成成分(C)である水溶性高分子は、一般には水に溶解するとき分子のまわりに多くの水を包含したヒドロゲルを形成して、水溶液粘度を著しく増大させるものである。例えば、アルギン酸、カラギーナン、寒天、ファーセラン、グアーガム、クインスシード、コンニャクマンナン、タマリンドガム、タラガム、デキストリン、デンプン、ローカストビーンガム、アラビアガム、ガッティガム、カラヤガム、トラガカントガム、アラビノガラクタン、ペクチン、マルメロ、小麦タンパク質、大豆タンパク質、アルブミン、カゼイン、ゼラチン、キトサン、ヒアルロン酸、カードラン、キサンタンガム、ジェランガム、シクロデキストリン、デキストリン、プルラン、微結晶性セルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カチオン化セルロース、デンプンリン酸エステル、デンプングルコール酸ナトリウム、カチオン化グアーガム、カルボキシメチル・ヒドロキシプロピル化グアーガム、ヒドロキシプロピル化グアーガム等、多くの種類がある。 本発明では(C)の水溶性高分子として、粘度がpHや塩等にあまり影響されにくい点から、キサンタンガムが好ましく、市販品としてエコーガム、エコーガムT、ケルデント(いずれもDSP五協フード&ケミカル株式会社製)、キサンタンガム(メルク株式会社製)、サンエース(三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製)、ネオソフトXK(太陽化学株式会社製)等が挙げられる。 上記水溶性高分子は、乳化組成物中に0.1〜2.0重量%含有することが好ましい。 本発明の構成成分(D)である粘土鉱物は、含水ケイ酸塩であり、さらにその形状から特定すれば層状ケイ酸塩を意味する。この粘土鉱物の一例を示せば、カオリナイト、タルク、スメクタイト、バーミキュライト、雲母等がある。本発明の構成成分(D)としては、これらの合成品、置換体、誘導体、表面処理品でも良く、これらを1種又は2種以上用いることができる。 乳化安定性の観点から、本発明では、ある程度不純物が少なく細かな粒子の粘土鉱物の方が好ましく、中でも、トリオクタヘドラル型三層構造を有するスメクタイト族の合成粘土鉱物が良い。その種類としてはフッ素ヘクトライト、ヘクトライト、サポナイト、スチブンサイトの4種がある。具体的には、フッ素ヘクトライトとしてラポナイトB(LAPORTE Industries Ltd.製)、ルーセンタイトSWF(コープケミカル株式会社製)、ヘクトライトとしてラポナイトXLG(LAPORTE Industries Ltd.製)、イオナイト−H(水澤化学工業株式会社製)、チキソピーW、チキソピーR(いずれも協和化学工業株式会社製)、ルーセンタイトSWN、ルーセンタイトSAN(いずれもコープケミカル株式会社製)、サポナイトとしてスメクトンSAI(クニミネ工業株式会社製)、スチブンサイトとしてイオナイト−K、イオナイト−T(いずれも水澤化学工業株式会社製)等が市販されている。 上記粘土鉱物は、乳化組成物中に0.5〜5.0重量%含有することが好ましい。 本発明による水中油型乳化組成物の形態は特に限定されず、化粧水、乳液、クリーム、洗顔料、ジェル、パック等の基礎化粧品、化粧下地、ファンデーション、アイシャドウ、チークカラー等のメイクアップ化粧品、サンスクリーン等、従来化粧料に用いるものであれば何れの形態でも広く適用可能である。 本発明の化粧料には、前述の成分の他に、必要に応じて本発明の効果を損なわない範囲で、通常の化粧料に配合される成分である油脂、ロウ類、炭化水素、脂肪酸、アルコール、エーテル、エステル、シリコーン油、フッ素油、多価アルコール、糖類、油溶性高分子、保湿剤、紫外線吸収剤、pH調整剤、酸化防止剤、金属イオン封鎖剤、殺菌・防腐剤、染料、香料、可塑剤、有機溶媒、薬剤、動植物抽出物、体質粉体、有機色材、無機色材、パール顔料、表面処理粉体、複合顔料、アミノ酸及びペプチド、ビタミン等を適宜配合することができる。 本発明により、界面活性剤を使用することなく、みずみずしくさっぱりした使用感を持ち、かつ長期安定性に優れた化粧料用水中油型乳化組成物を提供することができる。次に、本発明の一層の理解のために、製造例、実施例を挙げ、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例中の%はすべて重量%を意味する。 本発明に使用した部分的疎水化シリカ微粒子の製造例を示す。 部分的疎水化シリカa1 油性成分(b1){40℃での動粘度10mm2/sの水添ポリブテン(日油株式会社製、商品名 パールリームEX)}100部と乾式親水性シリカ微粒子(p1){日本アエロジル株式会社製、商品名 Aerosil 130(BET法による比表面積130m2/g)}8部を減圧装置及び加熱装置付き3軸プラネタリミキサ(浅田鉄工株式会社製プラネタリディスパ)に入れ、減圧下(およそ5kPa)で60分間、撹拌・分散(低速撹拌羽根;50rpm、高速撹拌羽根;3000rpm)して、親水性シリカ微粒子油性成分分散体(hd1)を得た。 続いて常圧(およそ101kPa)にて撹拌(低速撹拌羽根;50rpm、高速撹拌羽根;3000rpm)を継続しながら、疎水化剤(m1){ヘキサメチルジシラザン(信越化学工業株式会社製、商品名 HMDS−3)}0.4部(乾式親水性シリカ微粒子の重量に対して5重量%)を添加し、60分間撹拌を継続することにより疎水化処理を行い、疎水化シリカ微粒子油性成分分散体(pd1)を得た。 その後、常圧(およそ101kPa)にて撹拌(低速撹拌羽根;50rpm、高速撹拌羽根;4000rpm)を継続しながら100℃まで加熱し、その温度で60分間撹拌してから、撹拌を継続したまま室温(25±3℃、以下同じである。)まで冷却することにより、破砕処理して、両親媒性粒子である部分的疎水化シリカ微粒子a1を含む部分的疎水化シリカ微粒子油性成分分散体(q1)を得た。 部分的疎水化シリカ微粒子油性成分分散体(q1)50gとn−ヘキサン(関東化学株式会社、試薬1級)450gとをふた付きガラス容器に入れ、30秒間手で上下に振ることで撹拌した後、6時間、室温下で静置し、透明な上澄み層をスポイトで除去した。続いて、残留した下層をサンプルチューブに入れて遠心分離(回転数;4000rpm、時間;10分間)にて固液分離して沈殿物を取り出し、100±5℃に温調した温風式乾燥機にて12時間加熱、乾燥して両親媒性粒子である部分的疎水化シリカ微粒子a1を得た。 部分的疎水化シリカ微粒子a1のM値は13、体積平均粒子径は0.2μm(株式会社堀場製作所製ParticaLA950にて測定)であった。 部分的疎水化シリカa2 「油性成分(b1)」を「油性成分(b2){40℃での動粘度3mm2/sの流動パラフィン(出光興産株式会社製、商品名 IPソルベント2028)}」に変更したこと、「乾式親水性シリカ微粒子(p1)8部」を「乾式親水性シリカ微粒子(p2){日本アエロジル株式会社製、商品名 Aerosil 200(BET法による比表面積200m2/g)}0.5部」に変更したこと、「疎水化剤(m1)0.4部」を「疎水化剤(m2){メチルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製、商品名 KBM−13)}0.05部(乾式親水性シリカ微粒子の重量に対して10重量%)」に変更したこと以外、部分的疎水化シリカa1と同様にして、部分的疎水化シリカa2を得た。 部分的疎水化シリカ微粒子a2のM値は20、体積平均粒子径は0.2μm(株式会社堀場製作所製ParticaLA950にて測定)であった。 部分的疎水化シリカa3 「油性成分(b2)」を「油性成分(b3){25℃での動粘度50mm2/sのジメチルポリシロキサン(信越化学工業株式会社製、商品名 KF−96−50cs)}」に変更したこと、「乾式親水性シリカ微粒子(p2)0.5部」を「乾式親水性シリカ微粒子(p2)7部」に変更したこと、「疎水化剤(m2)0.05部」を「疎水化剤(m2)0.1部(乾式親水性シリカ微粒子の重量に対して1.4重量%)」に変更したこと以外、部分的疎水化シリカa2と同様にして、部分的疎水化シリカa3を得た。 部分的疎水化シリカ微粒子a3のM値は10、体積平均粒子径は0.2μm(株式会社堀場製作所製ParticaLA950にて測定)であった。 次に、本発明の乳化組成物の実施例について説明する。下記表1に示す各組成物を調製し、その長期乳化安定性、化粧料としての使用感触について検討を行った結果を表1に併せて示す。なお、評価は以下の基準に従い行った。[評価1:長期安定性] 調製した乳化組成物を40℃で1ヶ月間放置し、その安定性を評価した。評価基準は下記のとおりである。 ○:油あるいは水の分離が全く認められない。 △:油あるいは水の分離がわずかに認められる。 ×:油あるいは水の分離が明確に認められる。[評価2:塗布時のみずみずしさ] 専門パネル10名によって、実使用試験を実施した。評価基準は下記のとおりである。 ◎:パネル8名以上が、塗布中みずみずしいと認める。 ○:パネル6名以上8名未満が、塗布中みずみずしいと認める。 △:パネル3名以上6名未満が、塗布中みずみずしいと認める。 ×:パネル3名未満が、塗布中みずみずしいと認める。[評価3:使用後のべたつき感]専門パネル10名によって、実使用試験を実施した。評価基準は下記のとおりである。 ◎:パネル8名以上が、使用後べたつき感がないと認める。 ○:パネル6名以上8名未満が、使用後べたつき感がないと認める。 △:パネル3名以上6名未満が、使用後べたつき感がないと認める。 ×:パネル3名未満が、使用後べたつき感がないと認める。 [製造方法] 水相中の各成分を加熱溶解した後、予め三本ローラーにて均一分散した油相を添加し、乳化機で乳化した。 [結果] 表1より、部分的疎水化シリカを0.1〜10重量%配合した実施例1〜7では、水中油型乳化組成物を得ることができた。一方、部分的疎水化シリカの代わりに市販の疎水化シリカを配合した比較例1では、油中水型乳化相を生じたが、すぐに分離してしまった。また、市販の親水性シリカを添加した比較例2では乳化物が得られなかった。さらに、部分的疎水化シリカを0.5〜5.0重量%含有した実施例1,5及び6は長期安定性、塗布時のみずみずしさ、塗布後のべたつきのなさにおいて特に優れていた。このことから、本発明における部分的疎水化シリカの配合量は0.5〜5.0重量%が好適である。 次に、疎水化処理微粒子酸化チタンの配合量について検討した。下記表2に示す各組成物を調製し、その長期乳化安定性、化粧料としての使用感触について検討を行った結果を表2に併せて示す。なお、製造方法及び評価は上記の方法と同様に行った。 [結果] 表2より、疎水化処理微粒子酸化チタンを配合していない比較例3及び4は疎水化処理微粒子酸化チタンを配合している実施例8〜13と比較して安定性に劣っていた。乳化組成物の長期安定性と塗布時のみずみずしさ、及びべたつきのなさとの両立を実現するためには疎水化処理微粒子酸化チタンを0.5〜10.0重量%含有することが好適である。 続いて、水相成分である水溶性高分子と粘土鉱物の配合量について検討した。下記表3に示す各組成物を調製し、その長期乳化安定性、化粧料としての使用感触について検討を行った結果を表3に併せて示す。なお、製造方法及び評価は上記の方法と同様に行った。 [結果] 表3より、水溶性高分子と粘土鉱物を併用していない比較例5及び6は水溶性高分子と粘土鉱物を併用した実施例14〜20と比較して長期安定性に劣っていた。さらに塗布時のみずみずしさとべたつきのなさを考慮すると、水溶性高分子の配合量は0.1〜2.0重量%が、粘土鉱物の配合量は0.5〜5.0重量%が好適である。 本発明によれば、界面活性剤を使用せずに、長期安定性に優れ、みずみずしく、さっぱりとした使用感を有する水中油型乳化組成物を提供することができる。この水中油型乳化組成物は、界面活性剤を含有していないために、高い安全性とさっぱりとした使用感を実現することができるものである。 構成成分として(A)部分的疎水化シリカ微粒子及び(B)疎水化処理微粒子酸化チタンを含有する油相と、(C)水溶性高分子及び(D)粘土鉱物を含有する水相とからなることを特徴とする水中油型乳化組成物。 実質的に界面活性剤を含まない請求項1記載の水中油型乳化組成物。 構成成分(B)が吸着シリコーン処理微粒子酸化チタンであることを特徴とする請求項1又は2記載の水中油型乳化組成物。 構成成分(A)を0.1〜10.0重量%含有することを特徴とする請求項1〜3いずれか1項記載の水中油型乳化組成物。 【課題】 界面活性剤を使用することなく、みずみずしくさっぱりした使用感を持ち、かつ長期安定性に優れた、安全性の高い化粧料用水中油型乳化組成物を提供する。【解決手段】 構成成分として(A)部分的疎水化シリカ微粒子及び(B)疎水化処理微粒子酸化チタンを含有する油相と、(C)水溶性高分子及び(D)粘土鉱物を含有する水相とからなることを特徴とし、主に構成成分(A)と(B)が油水界面に吸着することにより、乳化を安定せしめている化粧料用水中油型乳化組成物。【選択図】なし


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