タイトル: | 公開特許公報(A)_歯磨剤組成物 |
出願番号: | 2011266617 |
年次: | 2013 |
IPC分類: | A61K 8/19,A61K 8/365,A61K 8/46,A61K 8/73,A61K 8/81,A61Q 11/00 |
吉田 祐輔 赤羽 康宏 JP 2013119520 公開特許公報(A) 20130617 2011266617 20111206 歯磨剤組成物 ライオン株式会社 000006769 小島 隆司 100079304 重松 沙織 100114513 小林 克成 100120721 石川 武史 100124590 吉田 祐輔 赤羽 康宏 A61K 8/19 20060101AFI20130521BHJP A61K 8/365 20060101ALI20130521BHJP A61K 8/46 20060101ALI20130521BHJP A61K 8/73 20060101ALI20130521BHJP A61K 8/81 20060101ALI20130521BHJP A61Q 11/00 20060101ALI20130521BHJP JPA61K8/19A61K8/365A61K8/46A61K8/73A61K8/81A61Q11/00 3 OL 14 4C083 4C083AB172 4C083AB271 4C083AB272 4C083AB472 4C083AC122 4C083AC132 4C083AC301 4C083AC302 4C083AC482 4C083AC661 4C083AC662 4C083AC781 4C083AC782 4C083AC791 4C083AC792 4C083AC862 4C083AD091 4C083AD092 4C083AD271 4C083AD272 4C083AD301 4C083AD302 4C083AD351 4C083AD352 4C083BB05 4C083CC41 4C083DD22 4C083DD23 4C083EE01 4C083EE06 4C083EE38 本発明は、硝酸カリウム及び/又は乳酸アルミニウムを含有する歯磨剤組成物に関し、更に詳述すると、歯磨き時の泡立ちが十分に確保され、かつ良好な保存安定性を有する、知覚過敏予防効果に優れた歯磨剤組成物に関する。 歯磨剤組成物には、知覚過敏予防効果付与を目的として硝酸カリウム又は乳酸アルミニウムが配合される。 一方、歯磨剤組成物には、通常、泡立ち確保のためラウリル硫酸ナトリウム等のアニオン性界面活性剤が配合されている。また、粘結剤として各種水溶性高分子が配合される。 しかしながら、硝酸カリウム、乳酸アルミニウムを含有する歯磨剤組成物は、歯磨き時の泡立ちが悪く、泡立ち量を十分に確保できないという問題があった。このため、十分な効果が発現するまで時間をかけて歯をブラッシングできず、歯磨剤組成物を口腔内に行き渡らせることができないという課題があった。また、経時で液分離を起こしやすく、保存安定性も課題となっていた。 特許文献1(特開2006−96696号公報)、特許文献2(特開2005−68071号公報)には、硝酸カリウムを含有する歯磨剤が提案されている。特許文献3(特表2011−513436号公報)、特許文献4(特表2009−542705号公報)には、親水性コロイドとしてキサンタンガムを含む歯みがき剤組成物、口腔ケア組成物が提案され、さらに硝酸カリウム、アルギネートエステル(アルギン酸エステル)が配合されることが記載されている。しかし、これらは歯磨き時の泡立ち、液分離安定性に関しては不十分であった。特開2006−96696号公報特開2005−68071号公報特表2011−513436号公報特表2009−542705号公報 本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、硝酸カリウム、乳酸アルミニウムを配合した歯磨剤組成物における上記課題を解決し、歯磨き時の泡立ちが十分に確保され、かつ良好な保存安定性を有する、知覚過敏予防効果に優れた歯磨剤組成物を提供することを目的とする。 本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、(A)硝酸カリウム及び/又は乳酸アルミニウムと、(B)アニオン性界面活性剤と、(C)キサンタンガム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン、カルボキシビニルポリマーから選ばれる1種又は2種以上の水溶性高分子と、(D)アルギン酸プロピレングリコールとを配合することにより、歯磨き時の泡立ちが十分に確保され、更に液分離安定性も改善し、高い知覚過敏予防効果を奏する歯磨剤組成物が得られることを知見し、本発明をなすに至った。 即ち、歯磨剤組成物に成分(A)を配合すると、成分(B)を配合しても歯磨き時の泡立ち量が少ないという課題が生じるが、本発明によれば、成分(A)、(B)を配合した歯磨剤組成物に、成分(C)、(D)を併用して配合することによって、上記課題が解消し、十分量の泡立ち量を確保することができ、歯磨きを十分な時間行って歯磨剤組成物を口腔内に行き渡らせることができる。また、経時での液分離安定性を改善することができる。 硝酸カリウム、乳酸アルミニウム、アニオン性界面活性剤、上記水溶性高分子、アルギン酸プロピレングリコールは、歯磨剤組成物の配合成分としてそれぞれ公知であるが、成分(A)、(B)、(C)及び成分(D)を組み合わせて配合することで、上記した歯磨剤組成物における泡立ち量が改善し、上記格別の作用効果を与えることは、本発明者らが新たに見出したものである。 従って、本発明は、(A)硝酸カリウム及び/又は乳酸アルミニウム、(B)アニオン性界面活性剤、(C)キサンタンガム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン、カルボキシビニルポリマーから選ばれる1種又は2種以上の水溶性高分子、(D)アルギン酸プロピレングリコールを含有してなることを特徴とする歯磨剤組成物を提供する。 本発明によれば、歯磨き時の泡立ちが十分に確保され、かつ良好な保存安定性を有する、知覚過敏予防効果に優れた、硝酸カリウム及び/又は乳酸アルミニウム含有の歯磨剤組成物を提供できる。 以下、本発明につき更に詳述する。本発明の歯磨剤組成物は、(A)硝酸カリウム及び/又は乳酸アルミニウム、(B)アニオン性界面活性剤、(C)水溶性高分子、(D)アルギン酸プロピレングリコールを含有する。 成分(A)の硝酸カリウム、乳酸アルミニウムは、知覚過敏予防効果の付与成分であり、一方を単独で配合しても、硝酸カリウム及び乳酸アルミニウムの併用でもよい。硝酸カリウム、乳酸アルミニウムは、市販のものを使用できる。 成分(A)の配合量は、組成全体の0.1〜10%(質量%。以下同様。)が好ましく、より好ましくは1〜7%である。0.1%未満では知覚過敏予防効果を満足に付与できない場合がある。10%を超えると、保存後に液分離が生じる場合がある。 (B)アニオン性界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ミリスチル硫酸ナトリウム等のアルキル基の炭素数が12〜14のアルキル硫酸塩、N−ラウロイルザルコシン酸ナトリウム、N−ミリストイルザルコシン酸ナトリウム等のアシルザルコシン酸ナトリウム、ラウロイルメチルタウリンナトリウム等のN−メチル−N−アシルタウリンナトリウム、N−メチル−N−アシルアラニンナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、水素添加ココナッツ脂肪酸モノグリセリドモノ硫酸ナトリウム、ラウリルスルホ酢酸ナトリウム、α−オレフィンスルホン酸ナトリウム、N−パルミトイルグルタルミン酸ナトリウムなどが挙げられる。中でも、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウロイルサルコシンナトリウム、ラウロイルメチルタウリンナトリウムが、本発明の効果発現に好適である。特に、溶解性及び使用感の点から特にラウリル硫酸ナトリウムがより好適である。 これらアニオン性界面活性剤は市販のものを使用できる。例えばラウリル硫酸ナトリウムは、東邦化学工業(株)製、日光ケミカルズ(株)製などが挙げられる。 (B)アニオン性界面活性剤の含有量は特に制限されず、通常量でよく、組成全体の0.1〜3%、特に0.2〜2%が好ましい。0.1%未満では泡立ち量に劣る場合があり、3%を超えると保存後に液分離が悪くなる場合がある。 成分(C)の水溶性高分子は、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン、カルボキシビニルポリマーから選ばれ、これらは1種単独でも、2種以上を併用してもよい。これらの中では、キサンタンガムが歯磨剤調製時の成形性及び口腔内分散性に優れることから好適に使用できる。なおこの場合、キサンタンガムと、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン、カルボキシビニルポリマーから選ばれる1種又は2種以上とを効果発現の点で組み合わせて配合してもよい。 成分(C)のキサンタンガムとしては、B型粘度計を用いて測定した粘度が500〜3,000mPa・sであるものが好ましく、特に1,000〜2,000mPa・sであるものがより好ましい。 なお、上記粘度は、1%キサンタンガム水溶液(1%塩化カリウム含有)を、B10H型粘度計で測定(ローターNo.3、回転数;60rpm、測定時間;30秒間、25℃)した値である。 成分(C)は、市販品を使用できる。具体的に、キサンタンガムとしては、商品名 モナートガムDA(DSP五経フード&ケミカル(株)製)、カルボキシメチルセルロースナトリウムとしては商品名 CMCダイセル(ダイセルファインケム(株)製)、ポリアクリル酸ナトリウムとしては、商品名 レオジック250−H(東亜合成(株)製)、アルギン酸ナトリウムとしては商品名 キミカアルギン(キミカ(株)製)、カラギーナンとしては、商品名 カラギーナンCF02(三晶(株)製)、カルボキシビニルポリマーとしては、商品名 カーボポール980(ルーブリゾール(株)製)などが挙げられる。 成分(C)の配合量は、組成全体の0.1〜3%が好ましく、より好ましくは0.2〜2%である。0.1%未満では保存後に液分離を生じる場合がある。3%を超えると、保存後に練肌が悪くなる場合がある。 成分(D)のアルギン酸プロピレングリコールは、市販のものを使用でき、例えばキミロイドBF(キミカ(株)製)などが挙げられる。 成分(D)のアルギン酸プロピレングリコールの配合量は、組成全体の0.05〜3%が好ましく、より好ましくは0.1〜2%である。0.05%未満では歯磨き時の泡立ちに劣る場合がある。3%を超えると保存後に液分離を生じる場合がある。 本発明では、成分(C)と成分(D)とを併用することが、歯磨き時の泡立ち量向上、更には液分離安定性の確保に重要であり、成分(C)又は成分(D)を欠くと泡立ち量が少なく、また、液分離安定性に劣る。 この場合、成分(C)と成分(D)とが適切比率であることが、効果発現により好適である。成分(C)/成分(D)は質量比として0.2〜20の範囲であることが好ましく、より好ましくは0.3〜10である。0.2未満では保存後に液分離を生じる場合がある。20を超えると、歯磨き時の泡立ちに劣る場合がある。 本発明の歯磨剤組成物は、練歯磨、液状歯磨、液体歯磨、潤製歯磨等として、特に練歯磨として好適に調製される。この場合、上記成分に加えて、必要に応じてその他の公知成分を添加することができる。例えば、研磨剤、界面活性剤、湿潤剤、粘結剤、香料、色素、pH調整剤、甘味剤、防腐剤、各種有効成分などを挙げられる。 研磨剤としては、シリカゲル、沈降シリカ、アルミノシリケート、ジルコノシリケート等のシリカ系研磨剤、ピロリン酸カルシウム、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、アルミナ、炭酸マグネシウム、第3リン酸マグネシウム、ゼオライト、ケイ酸ジルコニウム、ハイドロキシアパタイト、合成樹脂系研磨剤等が挙げられる(配合量は、通常5〜50%)。 界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両イオン性界面活性剤を配合することができる。具体的に下記のものを例示できる。非イオン性界面活性剤: ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステルなどの糖アルコール脂肪酸エステル類、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル等の多価アルコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油などのエーテル型の活性剤、ラウリン酸ジエタノールアミド等の脂肪酸アルカノールアミド類カチオン性界面活性剤: 塩化ジステアリルメチルアンモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム両イオン性界面活性剤: 2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリウムベタイン、N−ラウリルジアミノエチルグリシン、N−ミリスチルジアミノエチルグリシン等のN−アルキルジアミノエチルグリシンあるいはN−アルキル−1−ヒドロキシエチルイミダゾリンベタインナトリウム これら界面活性剤の配合量は、成分(B)を含めた合計量が0.1〜10%となる範囲が好ましい。 湿潤剤としては、ソルビット、キシリトール、エリスリトール、還元でんぷん糖化物等の糖アルコール、プロピレングリコ−ル、ペンチレングリコール、ヘキシレングリコール、オクチレングリコール、分子量200〜6,000のポリエチレングリコール、エチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン等の多価アルコールが挙げられる(配合量は通常0.1〜50%。)。 粘結剤としては、成分(C)及び(D)以外の公知の粘結剤を、本発明の効果を妨げない範囲で配合してもよい。例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシメチルエチルセルロース、メチルセルロース、カチオン化セルロース等のセルロース系粘結剤、モンモリロナイト、ゼラチン等の無機粘結剤が挙げられる(配合量は、成分(C)及び(D)を含め0.15〜6%の範囲が好ましい。)。 香料としては、通常使用される香料、例えばメントール、アネトール、カルボン、オイゲノール、リモネン、n−デシルアルコール、シトロネロール、α−テレピネオール、シトロネリルアセテート、シネオール、リナロール、エチルリナロール、ワニリン、チモール、スペアミント油、ペパーミント油、レモン油、オレンジ油、セージ油、ローズマリー油、桂皮油、ピメント油、桂葉油、シソ油、冬緑油、丁字油、ユーカリ油等が挙げられる。 色素としては、青色1号、青色4号、緑色3号等の法定色素、カラメル等の天然色素、酸化チタン等が挙げられる。 pH調整剤としては、例えばクエン酸、乳酸、リンゴ酸などの有機酸及びその塩類、塩酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウムなどの無機化合物が挙げられる。 甘味剤としては、サッカリンナトリウム、アスパラテーム、ステビオサイド、ステビアエキス、パラメトキシシンナミックアルデヒド、ネオヘスペリジルジヒドロカルコン、ぺリラルチンが、防腐剤としては、ブチルパラベン、エチルパラベン等のパラオキシ安息香酸エステル、安息香酸ナトリウムなどが挙げられる。 各種有効成分としては、デキストラナーゼ、アミラーゼ、プロテアーゼ、ムタナーゼ等の酵素、モノフルオロリン酸ナトリウム等のアルカリ金属モノフルオロフォスフェート、フッ化ナトリウム、フッ化第1スズ等のフッ化物、トラネキサム酸、イプシロンアミノカプロン酸、アルミニウムクロルヒドロキシアラントイン、アズレン、グリチルリチン酸塩、グリチルレチン酸、塩化ナトリウム、ビタミン類等の抗炎症剤、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、トリクロサン、ヒノキチオール、塩化リゾチーム等の殺菌剤、ポリリン酸塩類等の歯石予防剤、ポリビニルピロリドン等のタバコヤニ除去剤、グリシン、プロリンなどのアミノ酸類が挙げられる。 以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記の例において%は特に断らない限りいずれも質量%を示す。 なお、使用した原料の詳細は下記の通りである。・硝酸カリウム:食添ST硝酸カリウム(商品名)〔大塚化学(株)製〕・乳酸アルミニウム:乳酸アルミニウム(商品名)〔武蔵野化学研究所(株)製〕・ラウリル硫酸ナトリウム:アルスコープ LN(商品名)〔東邦化学工業(株)製〕・ラウロイルメチルタウリンナトリウム:NIKKOL LMT(商品名)〔日光ケミカルズ(株)製〕・ラウロイルサルコシンナトリウム:ソイポンSLP(商品名)〔川研ファインケミカル(株)製〕・キサンタンガム:モナートガムDA(商品名)〔DSP五経フード&ケミカル(株)製、粘度*;1,466mPa・s〕*;B10H型粘度計(TVB10H型粘度計、東機産業(株))を用いて、ローターNo.3、回転数;60rpm、測定時間;30秒間、25℃で測定した1%キサンタンガム水溶液(1%塩化カリウム含有)の粘度・カルボキシメチルセルロースナトリウム: カルボキシメチルセルロースナトリウム:CMCダイセル(商品名)〔ダイセルファインケム(株)製〕・ポリアクリル酸ナトリウム:レオジック250−H(商品名)〔東亜合成(株)製〕・アルギン酸ナトリウム:キミカアルギン(商品名)〔キミカ(株)製〕・カラギーナン:カラギーナンCF02(商品名)〔三晶(株)製〕・カルボキシビニルポリマー: カーボポール980(商品名)〔ルーブリゾール(株)製〕・アルギン酸プロピレングリコール:キミロイドBF(商品名)〔キミカ(株)製〕[実施例、比較例] 表1〜6に示す組成の歯磨剤組成物(練歯磨)を常法により調製し、下記方法で評価した。結果を表1〜6に併記した。(1)知覚過敏予防効果の評価 知覚過敏症状のある10人を用いた官能試験により評価した。歯ブラシ上に約1.5cmの試験歯磨剤組成物をのせ、通常、歯を磨く方法で約4週間(1日2回)使用し、4週間後の知覚過敏症状の状態について下記評点基準で評価した。 評点基準 3点:知覚過敏症状による痛みをまったく感じなくなり、症状が改善した。 2点:知覚過敏症状による痛みをわずかに感じるが、使用前と比較して症状が改善し た。 1点:知覚過敏症状による痛みを使用前と変わらず感じ、症状の改善がない。 10名の評点結果を平均し、下記評価基準で評価した。◎及び○のものを知覚過敏症状を抑制し予防効果が得られる歯磨剤組成物であると判断した。 知覚過敏予防効果の評価基準 ◎:2.5点以上3.0点以下 ○:2.0点以上2.5点未満 △:1.5点以上2.0点未満 ×:1.5点未満(2)歯磨き時の泡立ちの評価 専門家パネラー10人を用いた官能試験により評価した。歯ブラシ上に約1.5cmの試験歯磨剤組成物をのせ、通常、歯を磨く方法で約1週間(1日2回)使用し、歯磨き時の口腔内での泡立ちについて下記評価基準で評価した。 評点基準 4点:泡立ち量が十分にある。 3点:泡立ち量が適度にある。 2点:泡立ち量が少ない。 1点:泡立ちが殆どない。 10名の評点結果を平均し、以下の基準で示し、◎及び○のものを歯磨き時の泡立ちが確保され、満足できる使用感が得られる歯磨剤組成物であると判断した。 口腔内での泡立ちの評価基準 ◎:3.5点以上4.0点以下 ○:3.0点以上3.5点未満 △:2.0点以上2.5点未満 ×:2.0点未満(3)製剤の液分離安定性の評価 口径8mmのラミネートチューブに充填した試験歯磨剤組成物の各組成3本を50℃、1ヶ月間保存した後、わら半紙上に歯磨剤組成物を10cm押し出し、わら半紙に染み出た液の長さを測定し、下記の4段階で液分離の度合いを評価した。なお、製剤の液分離安定性は温度に依存して液分離が促進される傾向を示し、1ヶ月間の保存期間で評価が可能である保存温度として50℃を選択した。 評点基準 4点:液分離は全く観察されない。 3点:押し出した時、口元部分に僅かに液分離が認められるが、使用上問題ない。 2点:押し出した時、口元部分に液分離が1〜3cm認められる。 1点:押し出した時、口元部分に液分離が3cmを超えて認められる。 3本の評価点の平均値を求め、液分離の度合いを下記4段階で判定した。◎及び○のものを、50℃保存時における液分離安定性に優れる歯磨剤組成物であると判断した。 ◎:3.5点以上4.0点以下 ○:3.0点以上3.5点未満 △:2.0点以上3.0点未満 ×:2.0点未満 (A)硝酸カリウム及び/又は乳酸アルミニウム、(B)アニオン性界面活性剤、(C)キサンタンガム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン、カルボキシビニルポリマーから選ばれる1種又は2種以上の水溶性高分子、(D)アルギン酸プロピレングリコールを含有してなることを特徴とする歯磨剤組成物。 (C)/(D)が質量比として0.2〜20であることを特徴とする請求項1記載の歯磨剤組成物。 (B)アニオン性界面活性剤が、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウロイルメチルタウリンナトリウム、ラウロイルサルコシンナトリウムから選ばれる1種以上である請求項1又は2記載の歯磨剤組成物。 【課題】歯磨き時の泡立ちが十分に確保され、かつ良好な保存安定性を有する、知覚過敏予防効果に優れた、硝酸カリウム及び/又は乳酸アルミニウムを含有する歯磨剤組成物を提供する。【解決手段】(A)硝酸カリウム及び/又は乳酸アルミニウム、(B)アニオン性界面活性剤、(C)キサンタンガム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン、カルボキシビニルポリマーから選ばれる1種又は2種以上の水溶性高分子、(D)アルギン酸プロピレングリコールを含有してなることを特徴とする歯磨剤組成物。【選択図】なし