タイトル: | 公開特許公報(A)_色素の安定性を改善した生化学分析用試験片 |
出願番号: | 2011249485 |
年次: | 2013 |
IPC分類: | C12Q 1/28,C09B 21/00,G01N 33/50,G01N 33/52,C12M 1/34 |
塚本 暁 西村 研吾 JP 2013102736 公開特許公報(A) 20130530 2011249485 20111115 色素の安定性を改善した生化学分析用試験片 東洋紡株式会社 000003160 塚本 暁 西村 研吾 C12Q 1/28 20060101AFI20130507BHJP C09B 21/00 20060101ALI20130507BHJP G01N 33/50 20060101ALI20130507BHJP G01N 33/52 20060101ALI20130507BHJP C12M 1/34 20060101ALI20130507BHJP JPC12Q1/28C09B21/00G01N33/50 EG01N33/52 BC12M1/34 B 12 OL 16 2G045 4B029 4B063 2G045AA25 2G045FB11 2G045FB17 4B029AA07 4B029BB16 4B029CC03 4B029FA12 4B063QA01 4B063QQ03 4B063QR02 4B063QR03 4B063QR53 4B063QR66 4B063QX01 本発明は、乾式分析時のロイコ色素の安定化に関する。更に詳しくは、ロイコ色素の安定化剤とそれを消去する酵素を用いた多層分析用試験片に関する。 臨床検査分野では、酵素法により様々な項目の測定が行われている。例えばグルコースオキシダーゼ等の酸化酵素を用いて過酸化水素を発生させ、ペルオキシダーゼと色素の存在下で発色後の吸光度を測定し、物質の濃度を定量化する方法が従来から知られている。 この際用いられる色素の種類としてはトリンダー試薬と呼ばれる色素またはロイコ色素と呼ばれる色素が存在する。トリンダー試薬とは4−アミノアンチピリンなどのカップラーと各種トリンダー試薬との2種からなる色素であり、特徴としては光や熱に対して安定な色素である。感度に関しては過酸化水素2分子に反応する。一方ロイコ色素は10-(カルボキシメチルアミノカルボニル)-3,7-ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジンナトリウム(DA67)やN−(カルボキシメチルアミノカルボニル)−4,4−ビス(ジメチルアミノ)ビフェニルアミン(DA64)などがあり過酸化水素1分子に対して反応するため高感度の測定が可能だが、光や熱に対して不安定なため、測定前のブランクが高くなるなどの問題があり、各社ロイコ色素の自己発色抑制に関して様々な検討を行っている。 特許文献1では発色試薬にシクロデキストリン又は/及びその誘導体を共存させることにより液体系の試薬でのロイコ色素DA67の自己発色抑制について検討されている。10日以内の短期間の効果は認められているが長期間保存した場合の挙動についての記載が一切なく長期保存の効果は不明である。特許文献2では溶液中でロイコ色素DA64とフルクトシルアミノ酸オキシダーゼ又はフルクトシルアミノ酸オキシダーゼおよびペルオキシダーゼを共存させることにより、発色したDA64の吸収波長727nmにおける吸光度増加が、保存期間が長くなっても自己発色が抑制されたと報告されている。特許文献3では溶液中で、ロイコ色素を還元性チオアルコール類及び還元性硫酸塩類からなる1種以上の還元剤と共存させることにより、溶液試薬の自己発色が抑制された。具体的にはDA67と特定の還元剤である亜硫酸ナトリウムや二亜硫酸ナトリウムを用いた場合、高い効果を得ている。しかし前記3つの特許文献では、溶液中、液体系のロイコ色素の自己発色抑制の検討であり、乾式分析用試験片では試験片作成時の乾燥工程や作成後の保管などにおいて光や熱避けることが難しいため、自己発色を抑制するという点で非常に難易度が高く、これまで検討されてこなかった。このような背景より、特に感度が高いが安定化が難しいロイコ色素を用いて乾式生化学分析用試験片で使われている例はなく、ロイコ色素の保存安定性のよい乾式生化学分析用試験片が望まれていた。特開平01―118768号公報WO2003/033601特開2008−201968号公報本発明の目的は、ロイコ色素の自己発色を抑制して保存安定性を有する生化学分析用試験片を提供することにある。本発明者らが鋭意検討した結果、ロイコ色素と酸化防止剤を共存させることにより、ロイコ色素の自己発色を長期に亘って抑制できることを見出した。さらに検討を進めた結果、アスコルビン酸およびグルタチオンが極めて顕著な効果をもたらすことを見出し、本発明を完成するに至った。従来血中に含むアスコルビン酸(還元剤)が酸化発色反応に影響を及ぼし精度に悪影響するという問題があり、アスコルビン酸の影響を消去する方法が各種検討されてきた。しかしながら本発明は、アスコルビン酸を色素の自己発色抑制する還元剤(酸化防止剤)として使用し、酸化発色反応前は色素の安定化剤として作用し、酸化発色反応時にアスコルビン酸オキシダーゼによりアスコルビン酸を消去する方法により、ロイコ色素の安定化方法及び酸化発色反応を行う際の非特異的発色を軽減する方法を提供することができる。本発明は、これらの方法を利用した生化学分析用試験片を提供する。すなわち、本発明は、以下の構成からなる。(1)ロイコ色素と、基質および酸素存在下で酸化反応により過酸化水素を発生させる酵素とを含有する、多層構造からなる生化学分析用試験片であって、(a)1層にロイコ色素及び1種以上の酸化防止剤を少なくとも含有し、(b)前記層とは別の層にペルオキシダーゼ及び酸化防止剤を消去する酵素を含有することを特徴とする、生化学分析用試験片。(2)酸化防止剤がアスコルビン酸、アルコルビン酸誘導体、グルタチオン、及びグルタチオン誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1種の酸化防止剤である、(1)に記載の生化学分析用試験片。(3)酸化防止剤がアスコルビン酸及び/又はアスコルビン酸誘導体である、(2)に記載の生化学分析用試験片。(4)酸化防止剤を消去する酵素がアスコルビン酸オキシダーゼ及び/又はγ-グルタミルトランスペプチターゼである、(1)から(3)のいずれかに記載の生化学分析用試験片。(5)酸化防止剤を消去する酵素がアスコルビン酸オキシダーゼである、(4)に記載の生化学分析用試験片。(6)酸化防止剤の濃度が0.03mg/cm2以上0.05mg/cm2以下である、(1)から(5)のいずれかに記載の生化学分析用試験片(7)酸化防止剤を消去する酵素の濃度が3U/cm2以上100U/cm2以下である、(1)から(6)のいずれかに記載の生化学分析用試験片。(8)ロイコ色素が10-(カルボキシメチルアミノカルボニル)-3,7-ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジンナトリウム(DA67)である、(1)から(7)のいずれかに記載の生化学分析用試験片。(9)ロイコ色素の添加量が0.03mg/cm2以上0.10mg/cm2以下である、(1)から(8)のいずれかに記載の生化学分析用試験片。(10)基質と酸素存在下で酸化反応により過酸化水素を発生させる酵素が、グルコースオキシダーゼ、尿酸オキシダーゼ(ウリカーゼ)、コレステロールオキシダーゼ、クレアチニンアミドヒドロラーゼ、リパーゼ、ケトアミンオキシダーゼ、および糖化アミノ酸オキシダーゼからなる群より選ばれる1種もしくは2種以上である、(1)から(9)のいずれかに記載の生化学分析用試験片。(11)(1)〜(10)のいずれかに記載の生化学分析用試験片を用いて酵素反応を行うことを特徴とする生化学分析方法。(12)(1)〜(10)のいずれかに記載の生化学分析用試験片を用いて酵素反応を行うことにより生化学分析を行うための、生化学分析装置。 本発明により、乾式分析系の生化学分析用試験片でもロイコ色素を安定化することができ、感度が高いロイコ色素を用いることができる。これにより、より精度の高い測定に資する。 以下、本発明を詳述する。本発明による「ロイコ色素」は、トリフェニルメタン誘導体、フェノチアジン誘導体、ジフェニルアミン誘導体等が挙げられる。具体的には、4,4’−ベンジリデンビス(N,N−ジメチルアニリン)、4,4’−ビス[N−エチル−N−(3−スルホプロピルアミノ)−2,6−ジメチルフェニル]メタン、1−(エチルアミノチオカルボニル)−2−(3,5−ジメトキシ−4−ヒドロキシフェニル)−4,5−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)イミダゾール、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ジフェニルアミン、N−(カルボキシメチルアミノカルボニル)−4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ジフェニルアミン塩(DA64)、10−(カルボキシメチルアミノカルボニル)−3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン塩(DA67)等が挙げられる。これらの中でも、モル吸光係数が高く、極大吸収波長が高波長側にあり血液中の共存物質の波長を回避でき色素の波長を検出しやすいという理由から、ロイコ色素が好ましく、10−(カルボキシメチルアミノカルボニル)−3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン塩(DA67)がより好ましい。 「基質と酸素存在下で酸化反応により過酸化水素を発生させる酵素」とは例えば、グルコースオキシダーゼ、ペルオキシダーゼ、コレステロールオキシダーゼ、ケトアミンオキシダーゼ、糖化アミノ酸オキシダーゼ、尿酸オキシダーゼ(ウリカーゼ)が例示される。本発明における「生化学分析用試験片」とは、酵素反応により目的測定物を定量もしくは定性するための、高分子材料からなる反応基材であり、チップ、スライドもしくはストリップと呼ばれることもある。本発明の生化学分析用試験片に用いられる生化学分析の方法としては、試験片に酵素と色素を少なくとも含み、測定対象検体試料の酵素反応量を色素の発色差により定性化もしくは定量化する酵素比色法を採用する方法がある。実際の生化学分析用試験片の使用においては、生化学分析用試験片が採用する方法に対応した測定機器を用いる。測定機器により差異があるが、本生化学分析用試験片を用いた代表的な生化学分析方法は、(1)生化学分析用試験片に検体試料を滴下し、次いで(2)該試験片を測定機器に装着し、(3)測定機器内で発光の検出を行う。そして(4)機器内で測定値を演算により濃度に換算され、(5)測定結果が画面もしくは音声により通知される、という方法である。 本発明における生化学分析とは、生体由来の検体に存在する有機・無機化合物を測定するために行われる分析のことをいい、臨床検査に用いられる測定項目の分析を指しても用いられる。生化学分析が用いられる臨床検査としては、血液検査、尿・糞便検査等があり、本発明は、血液検査に属する生化学分析に好適に使用される。血液検査における生化学分析において本発明の生化学分析用試験片を用いることができる分析対象項目の例としては、血糖(グルコース)、ヘモグロビンA1c、グリコアルブミン、インスリン、総タンパク質、アルブミン、コリンエステラーゼ、乳酸脱水素酵素(LD)、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT=GPT)、アスパラギン酸アミノトラスフェラーゼ(AST=GOT)、γ−グルタミントランスペプチダーゼ、アルカリフォスファターゼ、ビルビリン、アミラーゼ、クレアチニン、クレアチンキナーゼ、総コレステロール、中性脂肪、HDLコレステロール、LDLコレステロール、尿酸がある。 本発明が利用される分野における実施態様の一つは、血糖(グルコース)を、酵素比色法を用いて分析するための生化学分析用試験片である。試験片には少なくともグルコースオキシダーゼとペルオキシダーゼおよび色素が含有されている。血液検体が試験片に滴下されると、血液の血しょう内のグルコースにグルコースオキシダーゼが反応し、グルコースが酸化されてグルコン酸と過酸化水素を発生させる。次に、過酸化水素と色素の存在下でペルオキシダーゼが反応し、発色反応が起きる。この発色反応を試験片とは別の測定機器により測定し、血糖値が算出される。 本発明が利用される分野における実施態様のもう一つはヘモグロビンA1c(HbA1c)を酵素比色法により分析するための生化学分析用試験片である。試験片には少なくとも界面活性剤、プロテアーゼ、フルクトシルアミノ酸オキシダーゼとペルオキシダーゼおよび色素が含有されている。血液検体が試験片に滴下されると、界面活性剤により血球からヘモグロビンが取り出され、その後プロテアーゼが糖化ペプチドを切り出す。そして糖化ペプチドであるHbA1cにフルクトシルアミノ酸オキシダーゼが反応し、HbA1cが酸化されて過酸化水素を発生させる。次に、過酸化水素と色素の存在下でペルオキシダーゼが反応し、発色反応が起きる。この発色反応を試験片とは別の測定機器により、別途測定されたヘモグロビン(Hb)とHbA1cの比によりHbA1cが算出される。 生化学分析用試験片は、2層以上の多層構造からなる。本発明の生化学分析用試験片は、酸化防止剤及び酸化防止剤を消去する酵素がそれぞれ別の層に存在し、ペルオキシダーゼ及び基質と酸素存在下で酸化反応により過酸化水素を発生させる酵素が別の層に存在することが好ましい。例えば、2層構造の場合には下の層にロイコ色素、1種以上の酸化防止剤及び基質と酸素存在下で酸化反応により過酸化水素を発生させる酵素を含むことが好ましい。また上の層にはペルオキシダーゼ及び酸化防止剤を消去する酵素を含むことが好ましい。この2層には安定剤、pH調整剤、界面活性剤、その他の添加剤を含有させることができる。3層構造の場合には、一番下の層にロイコ色素、1種以上の酸化防止剤及び基質と酸素存在下で酸化反応により過酸化水素を発生させる酵素を含むことが好ましく、中間層には酸化防止剤を消去する酵素を含むことが好ましい。一番上の層にはペルオキシダーゼを含むことが好ましい。また中間層にペルオキシダーゼを含み、一番上の層に酸化防止剤を消去する酵素を含む場合であってもよい。さらに3層には安定剤、pH調整剤、界面活性剤、その他の添加剤を含有させることができる。 生化学分析用試験片は酸化防止剤とロイコ色素が同一層に存在し、酸化防止剤を消去する酵素がその層と別層に存在することを特徴とする。ロイコ色素は酸化劣化により自己発色するという問題がある。そこでロイコ色素に酸化防止剤を共存させることにより、色素の自己発色を抑制することができる。しかしながらロイコ色素と酸化防止剤が共存している場合、酸化酵素による酸化反応が進まない。そこで別層に含侵させた酸化防止剤を消去する酵素が検体の液体に溶け、次の層に浸透し、まず酸化防止剤の消去反応が行われる。そしてその後の主反応である酸化反応が進む。これらの反応によりロイコ色素の酸化防止(自己発色抑制)と主反応である酸化反応が両立可能となる。 生化学分析用試験片に含有される酸化防止剤にはアスコルビン酸、グルタチオン、システインさらにはアスコルビン酸誘導体、グルタチオン誘導体が好ましく用いられる。試験片にはこれらの酸化防止剤のうち1種類のみが含有されていてもよいが、2種類以上の酵素が含有されていてもよい。好ましくはアスコルビン酸及び/又はアスコルビン酸誘導体である。 生化学分析用試験片に含有される酸化防止剤を消去する酵素には、アスコルビン酸オキシダーゼ、γ−グルタミルトランスペプチターゼ(γ−GT)、システインオキシダーゼが例示される。試験片にはこれらの酸化防止剤を消去する酵素のうち1種類のみが含有されていてもよいが、2種類以上の酵素が含有されていてもよい。これらの酵素は、用いる酸化防止剤の種類によって選択される。アスコルビン酸またはアスコルビン酸の誘導体を酸化防止剤として用いる場合、酸化防止剤を消去する酵素として用いられる酵素は好ましくはアスコルビン酸オキシダーゼである。 上記のように生化学分析用試験片に含有される酸化防止剤と酸化防止剤を消去する酵素がアスコルビン酸とアスコルビン酸オキシダーゼの組み合わせが好ましい理由としては、本発明によるアスコルビン酸を色素の酸化防止つまり自己発色抑制目的とは別に、生化学分析においては血中に含むアスコルビン酸が妨害物質として問題があり対策が必要となっている。例えば酵素法による血糖測定時にはアスコルビン酸が還元作用があるため色素の発色を抑制し測定感度が低下し誤値が測定されるという問題がある。この対策として測定時の試薬中にアスコルビン酸を消去する目的でアスコルビン酸オキシダーゼが用いられることが検討されている。今回のように色素の酸化防止剤としてアスコルビン酸とアスコルビン酸オキシダーゼを用いた場合、色素の自己発色抑制だけでなくアスコスビン酸オキシダーゼが血中のアルコルビン酸を消去し測定精度向上するという相乗効果があるためである。 生化学分析用試験片に含有される酸化防止剤の濃度は0.03mg/cm2以上0.05mg/cm2の間で使用されることが好ましい。0.03mg/cm2未満の濃度ではロイコ色素の自己発色を抑制することができず好ましくない。また0.05mg/cm2以上の濃度では酸化防止剤が生化学分析時の主反応である酸化反応を阻害するため好ましくない。 生化学分析用試験片に含有されるロイコ色素の添加量は0.03以上0.10mg/cm2以下であることが好ましい。0.03mg/cm2未満の濃度では測定感度が不足するため好ましくない。0.10mg/cm2を超えると自己発色し易くなり酸化防止剤を用いて抑制することも難しく、さらには試薬作成時に色素が凝集し均一な濃度の試験片を作りにくくなるため好ましくない。またより好ましくは0.03以上0.05mg/cm2以下である 生化学分析用試験片に含有される酸化防止剤を消去する酵素の濃度は3U/cm2以上100U/cm2以下であることが好ましい。3U/cm2未満の場合、短時間の反応でアスコルビン酸を消去できず、主反応である酸化反応が進まず好ましくない。100U/cm2を超えると試験片作成時に基材へ酵素を均一に固定化できなくなり好ましくない。 本発明の使用態様では、医療従事者がPOC(ポイントオブケア)を行う生化学分析装置診断用途で使用するだけでなく、患者本人が自己診断を行うための血糖センサーや小型生化学分析装置として使用されることもある。以下に実施例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。なお明細中の物性評価は以下の方法で測定した。(試験片作成方法)繊維構造体(織物、平織り、目付け80g/m2、厚み110μm)から1cm2の試験片を作成し酵素や色素固定化用の基材とした。実施例の試験片は2層構造とし、上の層に酸化防止剤を消去する酵素とペルオキシダーゼを含み、下の層には色素と酸化防止剤、基質と酸素存在下で酸化反応により過酸化水素を発生させる酵素を含んでいる。それぞれの層を作成した後に2層を積層し分析用試験片を作成した。比較例1から比較例7では上記実施例1の試薬組成と異なるが、試験片作成方法は同様に1層ずつ作成し、その後2層積層し試験片を作成した。また比較例8と9は1層により評価を実施した。詳細な試薬量、例えば酵素や色素、酸化防止剤の量については表1、3、5中に示す(吸光度評価)上記の方法で作成した試験片の発色抑制状態を反射光測定装置(島津製作所社製クロマトスキャナー CS−9300PC)、測定温度は20℃で、光源としては1mm×5mmで行い、色素のλmax=666nmの吸光度を2層目の下面から測定した。またスライド作成から200ルクス20℃の条件で保管し、その後3日後、8日後の吸光度を測定し自己発色の有無について評価を行った。 また定量性に関しては上記の方法で作成した試験片に54.6μmol/L、500μmol/L、および1680μmol/Lの3種類の濃度のフルクトシルバリルヒスチジン水溶液(F−VH)10μLを滴下し、その反応状態を反射光測定装置(島津製作所社製クロマトスキャナー CS−9300PC)によって、測定温度は20℃で、光源としては1mm×5mmで行い、色素のλmax=666nmの吸光度を測定した。また測定した吸光度はF−VH濃度と関係より希釈直線性を求め、相関係数より定量性の評価を行った。(フルクトシルアミノ酸オキシダーゼ(FAOD)の活性測定)フルクトシルアミノ酸オキシダーゼの活性は、ペルオキシダーゼ存在下で、糖化バリルヒスチジンと糖化アミノ酸オキシダーゼとの反応で生成した過酸化水素と酸化還元系発色試薬を反応させ、その吸光度変化から算出した。ここで、フルクトシルアミノ酸オキシダーゼの至適pH(pH=6.5)で、37℃−1分あたり、フルクトシルバリルヒスチジンを加水分解し、1.0μmolの過酸化水素を生成する酵素量を1Uと定義した。(ペルオキシダーゼ(POD)の活性測定)ペルオキシダーゼの活性は、ペルオキシダーゼ存在下で、過酸化水素とピロガロール(Pyrogallol)を反応させ、生成したプルプロガリン(Purpurogallin)に由来する吸光度の変化から算出した。ここで、ペルオキシダーゼの至適pH(pH=6.0)で、20℃−20秒あたり、1.0mgのプルプロガリン(Purpurogallin)に相当する呈色を生ずる酵素量を1Uと定義した。(アスコルビン酸オキシダーゼ(ASO)の活性測定) アスコルビン酸オキシダーゼの活性は、アスコルビン酸オキシダーゼの存在下で30℃pH5.6において1分間に1.0μmolのアスコルビン酸を酸化する酵素量を1Uと定義した。(実施例1)試験片の作成方法については、1層目は東洋紡績製アスコルビン酸オキシダーゼ(ASO)62.6Uと東洋紡績製ペルオキシダーゼ(POD)40U)をバッファー10μL(50mM PIPES)に溶解し試薬を調整した。この試薬を繊維構造体(織物)へ含浸させ、50℃の熱風で15分間乾燥させて生化学分析用試験片を作成した。2層目は、酵素(東洋紡績製フルクトシルアミノ酸オキシダーゼ(FAOD))10Uと色素(10-(カルボキシメチルアミノカルボニル)-3,7-ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジンナトリウム(DA67))0.05mgと酸化防止剤アスコルビン酸0.05mgをバッファー10μL(50mM PIPES)に溶解し試薬を調整した。この試薬を繊維構造体(織物)へ含浸させ、50℃の熱風で15分間乾燥させて生化学分析用試験片を作成した。試験片の試薬組成を表1に示す。 上記の方法で作成した試験片の吸光度評価や定量性評価を行った。その結果を表2に示す。なお、表2、表4、表6中の自己発色の評価欄において、記号の表す意味は以下の通りである。◎ 666nm付近において十分な自己発色抑制効果がみられた。○ 666nm付近において自己発色抑制効果がみられた。△ 666nm付近において自己発色抑制効果がみられたが不十分である。× 666nm付近において自己発色抑制効果がみられなかった。また、表2、表4、表6中の定量性の評価欄において、記号の表す意味は以下の通りである。◎ F−VH濃度と吸光度の高い相関関係がみられた。○ F−VH濃度と吸光度の相関関係がみられた。△ F−VH濃度と吸光度の相関関係がみられたが不十分である。× F−VH濃度と吸光度の相関関係がみられなかった。さらに表2、表4、表6では上記の自己発色と定量性について総合的に評価を行い、自己発色と定量性を両立できるものを◎や○そうでないものを×とした。表2の結果から明らかなように実施例1の試薬組成では経時的な自己発色がなく、666nm付近において十分な自己発色抑制効果がみられた。実施例1の試薬組成では基質濃度と吸光度との相関係数が高く定量性が得られた。また、自己発色抑制と定量性を両立することができた。(実施例2)試験方法は実施例1と同様に行った。試験片の試薬組成については表1に示す。試験片の作成方法については、1層目は酵素東洋紡績製アスコルビン酸オキシダーゼ(ASO)62.6Uと東洋紡績製ペルオキシダーゼ(POD)40Uをバッファー10μL(50mM PIPES)に溶解し試薬を調整した。この試薬を繊維構造体(織物)へ含浸させ、50℃の熱風で15分間乾燥させて生化学分析用試験片を作成した。2層目は、酵素(東洋紡績製フルクトシルアミノ酸オキシダーゼ(FAOD)10Uと色素(10-(カルボキシメチルアミノカルボニル)-3,7-ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジンナトリウム(DA67))0.05mgと酸化防止剤アスコルビン酸0.03mgをバッファー10μL(50mM PIPES)に溶解し試薬を調整した。この試薬を繊維構造体(織物)へ含浸させ、50℃の熱風で15分間乾燥させて生化学分析用試験片を作成した。表2の結果から明らかなように実施例2の試薬組成では経時的な自己発色がなく、666nm付近において十分な自己発色抑制効果がみられた。実施例2の試薬組成では基質濃度と吸光度との相関係数が非常に高く定量性が得られた。また、自己発色抑制と定量性を両立することができた。(比較例1)試験方法は実施例1と同様に行った。試験片の試薬組成については表3に示す。試験片の作成方法については、1層目は酵素東洋紡績製アスコルビン酸オキシダーゼ(ASO)62.6Uをバッファー10μL(50mM PIPES)に溶解し試薬を調整した。この試薬を繊維構造体(織物)へ含浸させ、50℃の熱風で15分間乾燥させて生化学分析用試験片を作成した。2層目は、酵素(東洋紡績製フルクトシルアミノ酸オキシダーゼ(FAOD)10Uと東洋紡績製ペルオキシダーゼ(POD)40Uと色素(10-(カルボキシメチルアミノカルボニル)-3,7-ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジンナトリウム(DA67))0.05mgと酸化防止剤アスコルビン酸0.2mgをバッファー10μL(50mM PIPES)に溶解し試薬を調整した。この試薬を繊維構造体(織物)へ含浸させ、50℃の熱風で15分間乾燥させて生化学分析用試験片を作成した。表4の結果から明らかなように比較例1の試薬組成では経時的な自己発色がなく、666nm付近において自己発色抑制効果がみられた。比較例1の試薬組成では基質濃度と吸光度との相関係数が低く定量性が得られなかった。また、自己発色抑制と定量性を両立することができなかった。(比較例2)試験方法は実施例1と同様に行った。試験片の試薬組成については表3に示す。試験片の作成方法については、1層目は酵素東洋紡績製アスコルビン酸オキシダーゼ(ASO)62.6Uと東洋紡績製ペルオキシダーゼ(POD)40Uをバッファー10μL(50mM PIPES)に溶解し試薬を調整した。この試薬を繊維構造体(織物)へ含浸させ、50℃の熱風で15分間乾燥させて生化学分析用試験片を作成した。2層目は、酵素(東洋紡績製フルクトシルアミノ酸オキシダーゼ(FAOD)10Uと色素(10-(カルボキシメチルアミノカルボニル)-3,7-ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジンナトリウム(DA67))0.05mgと酸化防止剤アスコルビン酸0.2mgをバッファー10μL(50mM PIPES)に溶解し試薬を調整した。この試薬を繊維構造体(織物)へ含浸させ、50℃の熱風で15分間乾燥させて生化学分析用試験片を作成した。表4の結果から明らかなように比較例2の試薬組成では経時的な自己発色がなく、666nm付近において自己発色抑制効果がみられた。比較例2の試薬組成では基質濃度と吸光度との相関係数が低く定量性が得られなかった。また、自己発色抑制と定量性を両立することができなかった。(比較例3)試験方法は実施例1と同様に行った。試験片の試薬組成については表3に示す。試験片の作成方法については、1層目は酵素東洋紡績製アスコルビン酸オキシダーゼ(ASO)62.6Uと東洋紡績製ペルオキシダーゼ(POD)40Uをバッファー10μL(50mM PIPES)に溶解し試薬を調整した。この試薬を繊維構造体(織物)へ含浸させ、50℃の熱風で15分間乾燥させて生化学分析用試験片を作成した。2層目は、酵素(東洋紡績製フルクトシルアミノ酸オキシダーゼ(FAOD)10Uと色素(10-(カルボキシメチルアミノカルボニル)-3,7-ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジンナトリウム(DA67))0.10mgと酸化防止剤アスコルビン酸0.2mgをバッファー10μL(50mM PIPES)に溶解し試薬を調整した。この試薬を繊維構造体(織物)へ含浸させ、50℃の熱風で15分間乾燥させて生化学分析用試験片を作成した。表4の結果から明らかなように比較例3の試薬組成では経時的な自己発色があり、666nm付近において自己発色抑制効果がみられなかった。比較例3の試薬組成では基質濃度と吸光度との相関係数が非常に高く定量性が得られた。また、自己発色抑制と定量性を両立することができなかった。(比較例4)試験方法は実施例1と同様に行った。試験片の試薬組成については表3に示す。試験片の作成方法については、1層目は酵素東洋紡績製アスコルビン酸オキシダーゼ(ASO)62.6Uと東洋紡績製ペルオキシダーゼ(POD)40Uをバッファー10μL(50mM PIPES)に溶解し試薬を調整した。この試薬を繊維構造体(織物)へ含浸させ、50℃の熱風で15分間乾燥させて生化学分析用試験片を作成した。2層目は、酵素(東洋紡績製フルクトシルアミノ酸オキシダーゼ(FAOD)10Uと色素(10-(カルボキシメチルアミノカルボニル)-3,7-ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジンナトリウム(DA67))0.05mgと酸化防止剤アスコルビン酸0.1mgをバッファー10μL(50mM PIPES)に溶解し試薬を調整した。この試薬を繊維構造体(織物)へ含浸させ、50℃の熱風で15分間乾燥させて生化学分析用試験片を作成した。表4の結果から明らかなように比較例5の試薬組成では経時的な自己発色がなく、666nm付近において自己発色抑制効果がみられた。比較例5の試薬組成では基質濃度と吸光度との相関係数が低く定量性が得られなかった。また、自己発色抑制と定量性を両立することができなかった。(比較例5)試験方法は実施例1と同様に行った。試験片の試薬組成については表3に示す。試験片の作成方法については、1層目は酵素東洋紡績製アスコルビン酸オキシダーゼ(ASO)62.6Uと東洋紡績製ペルオキシダーゼ(POD)40Uをバッファー10μL(50mM PIPES)に溶解し試薬を調整した。この試薬を繊維構造体(織物)へ含浸させ、50℃の熱風で15分間乾燥させて生化学分析用試験片を作成した。2層目は、酵素(東洋紡績製フルクトシルアミノ酸オキシダーゼ(FAOD)10Uと色素(10-(カルボキシメチルアミノカルボニル)-3,7-ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジンナトリウム(DA67))0.05mgと酸化防止剤アスコルビン酸0.01mgをバッファー10μL(50mM PIPES)に溶解し試薬を調整した。この試薬を繊維構造体(織物)へ含浸させ、50℃の熱風で15分間乾燥させ生化学分析用試験片を作成した。表4の結果から明らかなように比較例6の試薬組成では経時的な自己発色があり、666nm付近において自己発色抑制効果がみられなかった。比較例6の試薬組成では基質濃度と吸光度との相関係数が非常に高く定量性が得られた。また、自己発色抑制と定量性を両立することができなかった。(比較例6)試験方法は実施例1と同様に行った。試験片の試薬組成については表3に示す。試験片の作成方法については、1層目は酵素東洋紡績製ペルオキシダーゼ(POD)40Uをバッファー10μL(50mM PIPES)に溶解し試薬を調整した。この試薬を繊維構造体(織物)へ含浸させ、50℃の熱風で15分間乾燥させ生化学分析用試験片を作成した。2層目は、酵素(東洋紡績製フルクトシルアミノ酸オキシダーゼ(FAOD)10Uと色素(10-(カルボキシメチルアミノカルボニル)-3,7-ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジンナトリウム(DA67))0.05mgをバッファー10μL(50mM PIPES)に溶解し試薬を調整した。この試薬を繊維構造体(織物)へ含浸させ、50℃の熱風で15分間乾燥させ生化学分析用試験片を作成した。表4の結果から明らかなように比較例7の試薬組成では経時的な自己発色があり、666nm付近において自己発色抑制効果がみられなかった。比較例7の試薬組成では基質濃度と吸光度との相関係数が非常に高く定量性が得られた。また、自己発色抑制と定量性を両立することができなかった。(比較例7)試験方法は実施例1と同様に行った。試験片の試薬組成については表5に示す。試験片の作成方法については、1層目はなく、2層目に酵素東洋紡績製アスコルビン酸オキシダーゼ(ASO)62.6Uと色素(10-(カルボキシメチルアミノカルボニル)-3,7-ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジンナトリウム(DA67))0.05mgと酸化防止剤アスコルビン酸0.2mgをバッファー10μL(50mM PIPES)に溶解し試薬を調整した。この試薬を繊維構造体(織物)へ含浸させ、50℃の熱風で15分間乾燥させ生化学分析用試験片を作成した。表6の結果から明らかなように比較例8の試薬組成では経時的な自己発色がなく、666nm付近において自己発色抑制効果がみられた。比較例8の試薬組成では基質濃度と吸光度との相関係数が低く定量性が得られなかった。また、自己発色抑制と定量性を両立することができなかった。(比較例8)試験方法は実施例1と同様に行った。試験片の試薬組成については表5に示す。試験片の作成方法については、1層目はなく、2層目に色素(10-(カルボキシメチルアミノカルボニル)-3,7-ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジンナトリウム(DA67)0.05mg)と酸化防止剤アスコルビン酸0.2mgをバッファー10μL(50mM PIPES)に溶解し試薬を調整した。この試薬を繊維構造体(織物)へ含浸させ、50℃の熱風で15分間乾燥させ生化学分析用試験片を作成した。表6の結果から明らかなように比較例9の試薬組成では経時的な自己発色がなく、666nm付近において自己発色抑制効果がみられた。比較例9の試薬組成では基質濃度と吸光度との相関係数が低く定量性が得られなかった。また、自己発色抑制と定量性を両立することができなかった。本発明により、簡便な乾式の生化学分析用試験片の酵素反応時に感度の高い色素を安定的に使用可能となり、安定した酵素反応性が得られ、精度良く測定可能な試験片を提供することができる。そのため糖尿病診断や様々な病気の診断時に測定精度の向上が可能になり、病気の予防や診断など産業界に大きく寄与することが期待される。ロイコ色素と、基質および酸素存在下で酸化反応により過酸化水素を発生させる酵素とを含有する、多層構造からなる生化学分析用試験片であって、(a)1層にロイコ色素及び1種以上の酸化防止剤を少なくとも含有し、(b)前記層とは別の層にペルオキシダーゼ及び酸化防止剤を消去する酵素を含有することを特徴とする、生化学分析用試験片。酸化防止剤がアスコルビン酸、アルコルビン酸誘導体、グルタチオン、及びグルタチオン誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1種の酸化防止剤である、請求項1に記載の生化学分析用試験片。酸化防止剤がアスコルビン酸及び/又はアスコルビン酸誘導体である、請求項2に記載の生化学分析用試験片。酸化防止剤を消去する酵素がアスコルビン酸オキシダーゼ及び/又はγ-グルタミルトランスペプチターゼである、請求項1〜3のいずれかに記載の生化学分析用試験片。酸化防止剤を消去する酵素がアスコルビン酸オキシダーゼである、請求項4に記載の生化学分析用試験片。酸化防止剤の濃度が0.03mg/cm2以上0.05mg/cm2以下である、請求項1〜5のいずれかに記載の生化学分析用試験片酸化防止剤を消去する酵素の濃度が3U/cm2以上100U/cm2以下である、請求項1〜6のいずれかに記載の生化学分析用試験片。ロイコ色素が10-(カルボキシメチルアミノカルボニル)-3,7-ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジンナトリウム(DA67)である、請求項1〜7のいずれかに記載の生化学分析用試験片。ロイコ色素の添加量が0.03から0.10mg/cm2以下である、請求項1〜8のいずれかに記載の生化学分析用試験片。基質と酸素存在下で酸化反応により過酸化水素を発生させる酵素が、グルコースオキシダーゼ、尿酸オキシダーゼ(ウリカーゼ)、コレステロールオキシダーゼ、クレアチニンアミドヒドロラーゼ、リパーゼ、ケトアミンオキシダーゼ、および糖化アミノ酸オキシダーゼからなる群より選ばれる1種もしくは2種以上である、請求項1〜9のいずれかに記載の生化学分析用試験片。請求項1〜10のいずれかに記載の生化学分析用試験片を用いて酵素反応を行うことを特徴とする生化学分析方法。請求項1〜10のいずれかに記載の生化学分析用試験片を用いて酵素反応を行うことにより生化学分析を行うための、生化学分析装置。 【課題】ロイコ色素の自己発色を抑制して保存安定性を有する生化学分析用試験片を提供する。【解決手段】ロイコ色素と、基質および酸素存在下で酸化反応により過酸化水素を発生させる酵素とを含有する、多層構造からなる生化学分析用試験片であって、(a)1層にロイコ色素及び1種以上の酸化防止剤を少なくとも含有し、(b)前記層とは別の層にペルオキシダーゼ及び酸化防止剤を消去する酵素を含有することを特徴とする、生化学分析用試験片。【選択図】 なし