タイトル: | 公開特許公報(A)_新規なエチニルベンゾフェノン化合物類又はその類縁体 |
出願番号: | 2011247033 |
年次: | 2013 |
IPC分類: | C07C 49/784,C07C 45/61,C07C 49/83,G11B 7/244,C07B 61/00 |
遠藤 亮介 初田 弘毅 ユン キョンソン JP 2013103888 公開特許公報(A) 20130530 2011247033 20111111 新規なエチニルベンゾフェノン化合物類又はその類縁体 デクセリアルズ株式会社 000108410 特許業務法人田治米国際特許事務所 110000224 遠藤 亮介 初田 弘毅 ユン キョンソン C07C 49/784 20060101AFI20130507BHJP C07C 45/61 20060101ALI20130507BHJP C07C 49/83 20060101ALI20130507BHJP G11B 7/244 20060101ALI20130507BHJP C07B 61/00 20060101ALN20130507BHJP JPC07C49/784C07C45/61C07C49/83 AG11B7/24 516C07B61/00 300 4 OL 14 4H006 4H039 5D029 4H006AA01 4H006AA02 4H006AC22 4H006BA05 4H006BA25 4H006BA37 4H006BA48 4H039CA31 4H039CD10 4H039CD20 5D029JA04 本発明は、非線形光吸収効果を示す新規なエチニルベンゾフェノン化合物類又はその類縁体に関する。 近年、いわゆる光ディスク等の光情報記録媒体の記録層に対して高強度パルスレーザ(例えば、波長400〜410nm、出力1〜100W、パルス幅1〜10psec、周波数0.1〜10GHz)を集光照射することにより、焦点近傍領域をその周囲の領域に対して光学的異質領域(記録マークとして機能する領域)とする技術が提案されている(特許文献1)。このような技術においては、近年の光情報記録媒体に求められる記録容量の増大に対応するため、記録マーク形成時間の短縮化、即ち、光情報記録媒体への情報書き込み時間の短縮化が求められており、特許文献1の技術では、記録層に酸発生剤を配合することで書き込み速度の高速化が図られている。特開2010−15632号公報 しかしながら、特許文献1に提案されている光情報記録媒体の場合、光酸発生剤の光熱感受性が高いため、夏期に一般家屋や倉庫で起りうる高温環境(約40〜60℃)下での保管時に、記録層に含有されている光酸発生剤からの意図しない酸が発生し、そのために光情報記録媒体が徐々に変色し、数十年というスパンでは記録マークの消失という事態の発生も懸念されている。 このため、光酸発生剤のような長期保存性に問題のある材料に代わり、一般家屋や倉庫で起りうる高温環境下では安定であるが、高強度パルスレーザによる照射の際には好ましい非線形光吸収効果を示し、書き込み時間の短縮化を実現できる化合物が求められていた。 本発明の目的は、以上の従来の問題点を解決しようとするものであり、高強度パルスレーザで光情報記録媒体の記録層に記録マークを書き込む際に、書き込み時間を短縮化するために記録層に添加するための、非線形光吸収効果を示す新規な化合物を提供することである。 本発明者らは、特定のベンゾフェノン系構造(ベンゾフェノン構造、チオベンゾフェノン構造又はベンゾフェノンイミン構造)のエチニルベンゾフェノン化合物類又はその類縁体により、上述の目的を達成できることを見出し、本発明を完成させるに至った。 即ち、本発明は、式(1)で表されるエチニルベンゾフェノン化合物類又はその類縁体である。 式(1)中、R1は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基又はアラルキル基であり、nは1、2又は3であり、Xは、O、S又はNHであり、Arは、フェニル基、ビフェニルイル基又はヒドロキシジフェニルメチル基である。但し、Arがフェニル基であり且つXがOである場合、R1は水素原子ではなく、nが1のとき、R1が結合するフェニル基の4′位に結合したフッ素原子でもない。 また、本発明は、式(1)のエチニルベンゾフェノン化合物類又はその類縁体の製造方法であって、式(2)の末端アルキンを、薗頭カップリング反応条件下で、式(3)のハロゲン化アリールと反応させることにより式(1)のエチニルベンゾフェノン化合物類又はその類縁体を形成することを特徴とする製造方法を提供する。 これらの式中、R1は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基又はアラルキル基であり、nは1、2又は3であり、XはO、S又はNHであり、Yは臭素原子又はヨウ素原子であり、Arはフェニル基、ビフェニルイル基又はヒドロキシジフェニルメチル基である。但し、Arがフェニル基であり且つXがOである場合、R1は水素原子ではなく、nが1のとき、R1が結合するフェニル基の4′位に結合したフッ素原子でもない。 本発明の新規なエチニルベンゾフェノン化合物類又はその類縁体は、特定のベンゾフェノン系構造、即ち、ベンゾフェノン構造、チオベンゾフェノン構造又はベンゾフェノンイミン構造にアセチレンが直接結合し、更にアセチレンに特定のアリール基又はアラルキル基が結合した特殊な化学構造を有し、非線形光吸収効果を示す。このため、高強度パルスレーザで光情報記録媒体の記録層に記録マークを書き込む際に、記録層に本発明のエチニルベンゾフェノン化合物類又はその類縁体を配合した場合には、書き込み時間を大幅に短縮化することができる。図1Aは、実施例1の式(1a)のエチニルベンゾフェノン化合物の1H−NMRチャートである。図1Bは、図1Aの部分拡大チャートである。図2Aは、実施例2の式(1b)のエチニルベンゾフェノン化合物のH1−NMRチャートである。図2Bは、図2Aの部分拡大チャートである。 本発明の新規な化合物は、以下式(1)のエチニルベンゾフェノン化合物類又はその類縁体である。 式(1)中、R1のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられる。中でも、製造の容易性等の点からフッ素原子が好ましい。 R1のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられる。これらのアルキル基は、塩素原子、臭素原子、ニトロ基、ヒドロキシ基などの置換基を有することができる。中でも、モノマーへの溶解性等の点からブチル基が好ましい。 R1のアリール基としては、フェニル基、ビフェニル−4−イル基、ナフチル基、フルオレン−2−イル基等を挙げることができる。これらのアリール基は、塩素原子、臭素原子、ニトロ基、ヒドロキシ基などの置換基を有することができる。中でも、製造の容易性等の点からフェニル基が好ましい。 R1のアラルキル基としては、ベンジル基、o−メチルベンジル基、(1−ナフチル)メチル基、2−ピリジルメチル基、9−アントラセニルメチル基等を挙げることができる。これらのアラルキル基は、塩素原子、臭素原子、ニトロ基、ヒドロキシ基などの置換基を有することができる。中でも、製造の容易性等の点からベンジル基が好ましい。 これらのR1の中でも、原料入手容易性の点から水素原子が好ましい。 また、R1の個数であるnは1,2又は3であるが、R1が水素原子である場合には、nの個数により化学構造上に相違はない。R1が水素原子以外の置換基であり且つnが1の場合には、エチニル基と直接結合していないフェニル基に対するR1の結合位置は2′位、3′位、又は4′位であり、製造の容易性等の点から置換位置は4′位が好ましい。nが2の場合の置換位置の組み合わせとしては、(2′位,4′位)、(2′位,6′位)、(3′位,5′位)、(2′位,5′位)が挙げられる。これらの中でも、製造の容易性等の点から(2′位,4′位)が好ましい。nが3の場合の置換位置の組み合わせとしては、(2′位,4′位,6′位)、(2′位,4′位,5′位)、(2′位,3′位,4′位)が挙げられる。 Xは、O、S又はNHであり、中でも、原料入手容易性の点からOが好ましい。 Arとしては、フェニル基、ビフェニルイル基又はヒドロキシジフェニルメチル基が挙げられ、これらの中でも、光ディスクの性能等の点からビフェニル−4−イル基、ヒドロキシジフェニルメチル基が好ましい。但し、Arがフェニル基であり且つXがOである場合、R1は水素原子ではなく、nが1のとき、R1が結合するフェニル基の4′位に結合したフッ素原子でもない。 以上説明した、本発明の新規な式(1)のエチニルベンゾフェノン化合物類又はその類縁体の好ましい具体的な態様は、以下の式(1a)及び(1b)で表される化合物である。 式(1a)及び(1b)の化合物のうち、モノマーへの溶解性等の点で後者の方がより好ましい。 本発明の新規な式(1)のエチニルベンゾフェノン化合物類又はその類縁体は、薗頭カップリング反応(例えば、Tetrahedron Lett. 1975, 4467; J. Org. Chem. 2001, 66, 1910-1913参照)を利用して以下の反応式に従って製造することができる。 具体的には、式(2)の末端アルキンを、公知の薗頭カップリング反応条件下で、式(3)のハロゲン化アリールと反応させることにより式(1)のエチニルベンゾフェノン化合物類又はその類縁体を製造することができる。 これらの式中、R1、n、X、Y、Arは式(1)又は式(3)に関して説明したとおりである。 ここで、薗頭カップリング反応とは、パラジウム触媒、銅触媒、塩基の作用によりアリールアルキン類とハロゲン化アリールとをクロスカップリングさせてアルキニル化アリール(芳香族アセチレン)を得る化学反応のことである。この反応の一般的操作は以下の通りである。 即ち、式(2)の末端アルキンと式(3)のハロゲン化アリールの略等モル混合物に、その1/10モルのヨウ化銅(I)とパラジウム(II)ジクロロビストリフェニルホスフィンとトリエチルアミン等の塩基性溶媒とを混合し、必要に応じてトリフェニルホスフィンを加え、窒素雰囲気下、室温又は還流下で1〜12時間加熱することにより、生成物として式(1)の新規なエチニルベンゾフェノン化合物類又はその類縁体を得ることができる。必要により、公知の精製方法を適用して高純度の式(1)のエチニルベンゾフェノン化合物類又はその類縁体を得ることができる。 以上説明した本発明の式(1)のエチニルベンゾフェノン化合物類又はその類縁体は、高強度パルスレーザによるレーザアブレッションにより記録を行う光情報記録媒体の記録層に増感剤として好ましく配合することができる。このような光情報記録媒体としては、ガラスやポリカーボネートなどの透明基板間に記録層が形成されたものを好ましく例示することができる。 このような記録層としては、高い架橋密度を実現可能な高い平面性骨格を有する熱硬化性エポキシ化合物と、本発明の式(1)のエチニルベンゾフェノン化合物類又はその類縁体と、エポキシ硬化剤とを含有する熱硬化性エポキシ組成物を硬化させた硬化樹脂層を好ましく適用することができる。 また、光情報記録媒体は、透明基板に熱硬化性エポキシ組成物を常法により塗布し、その上に透明基板を重ねた後、オーブンで加熱硬化させることで製造することができる。 以下、本発明を実施例により具体的に説明する。<実施例1> 窒素置換した100mLの三口フラスコに、4−ブロモベンゾフェノン2.33g、4−エチニルビフェニル1.59g、トリフェニルホスフィン0.025g、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロライド0.0125g、CuI(I)0.0125g、及びトリエチルアミン40mLを投入し、加熱して4時間還流させた後、室温で16時間撹拌を続けた。反応終了後、5%塩酸水溶液で中和し、生じた沈殿物を濾取し、トルエンで再結晶することにより、2.1g(収率65%)の白色結晶を得た。この白色結晶の同定は1H−NMR(図1A及び図1B参照)とMSにより行い、また、純度は99%以上であった(LC、Area%)。以上の分析結果より、白色結晶は、式(1a)の化合物であると同定できた。1H−NMR(CDCl3):7.36−7.38(m、1H),7.42−7.51(m,4H),7.50−7.65(m,9H),7.77−7.81(m,4H)MS(m/z):389(M+H)<実施例2> 窒素置換した100mLの三口フラスコに、4−ブロモベンゾフェノン2.33g、1,1−ジフェニル−2−プロピン−1−オール1.86g、トリフェニルホスフィン0.025g、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロライド0.0125g、CuI(I)0.0125g、及びトリエチルアミン40mLを投入し、加熱して4時間還流させた後、室温で16時間撹拌を続けた。反応終了後、5%塩酸水溶液で中和し、混合物を酢酸エチルで有機層を抽出して、無水マグネシウムを用いて乾燥させ、溶媒を留去し、残渣をエタノールで再結晶することにより、2.4g(収率69%)の白色結晶を得た。この白色結晶の同定は、1H−NMR(図2A及び図2B参照)とMSにより行い、また、純度は99%以上であった(LC、Area%)。以上の分析結果より、白色結晶は、式(1b)の化合物であると同定できた。1H−NMR(CDCl3):δ(ppm)2.91(s、1H),7.28−7.38(m、6H),7.45−7.50(m,2H),7.58−7.67(m,7H),7.75−7.77(m,4H)MS(m/z):389(M+H)(書き込み時間短縮効果の評価) <光情報記録媒体1〜9の作成> エポキシ化合物として(1,6−ナフトジオールジグリシジルエーテル(HP−4032D、DIC(株))と、実施例1又は2の化合物、ベンゾフェノン、ジフェニルアセチレン及び1,4−ジフェニルブタジインから選ばれた増感剤とを、表1の配合量で混合し、更に、エポキシ用硬化剤としてトリス(ジメチルアミノメチル)フェノール(DMP−30、関東化学(株))1質量部を均一に混合して脱泡処理することにより液状の熱硬化性組成物を調製した。この熱硬化性組成物を、0.15mm厚のカバーグラス基板に0.30mmの厚さとなるように塗工し、その上に0.75mm厚のガラス基板を配置し、80℃に温められたオーブン中で12時間加熱し、熱硬化性組成物を硬化させて記録層とし、これにより両面がガラス基板で挟持された記録層を有する光情報記録媒体を得た。 <書き込み試験評価> ピコ秒パルス発振するレーザダイオード(波長:405nm、パルス幅:3ピコ秒、対物アウトピークパワー:19W、繰り返し周波数:1GHz)からのレーザ光を、対物レンズ(NA:0.85)を用いて光情報記録媒体1〜9の記録層の深さ50μm位置に集光して、記録マークを形成した。このとき、パルスレーザ光照射時間(書き込み時間)が異なる複数の記録マークを形成して書き込みを行った。なお、書き込み時間の調整は、ファンクションジェネレータ(MP1800A、アンリツ(株)により制御した。 次に、同じレーザダイオードを用いて、記録マークの読み出しを行った。具体的には、記録マークからの信号を、偏向ビームスプリッタ及びλ/4板より分岐し、CCD(Charge Coupled Device)を用いて、記録マークが確認できるか否かという基準で確認した。確認できた記録マークの書き込み時のパルスレーザ光照射時間のうち、最短の照射時間を光情報記録媒体の書き込み時間とした。<表1の結果の考察> 光情報記録媒体5は、増感剤を含有しない記録層を有する媒体であり、書き込み時間が1100nsと相対的に長いものであった。それに対し、光情報記録媒体6〜9は、化学構造的に405nmのレーザ光に対し非線形光吸収効果を示すことが期待される芳香族共役系を有する化合物を増感剤として含有する記録層を有する媒体であり、光情報記録媒体5よりも大きく書き込み時間が短縮されていることがわかる。 それにも増して、本発明の新規なエチニルベンゾフェノン化合物類又はその類縁体を含有する光情報記録媒体4の場合(配合量が光情報記録媒体6〜8と同じ)、更に書き込み時間が短縮化されていることがわかる。 また、本発明の新規なエチニルベンゾフェノン化合物類又はその類縁体の場合、光情報記録媒体1及び2〜4の結果から、光情報記録媒体6〜9と同程度の書き込み時間の短縮効果を実現するためには、1/10程度の配合で十分であることがわかる。 なお、光情報記録後の光情報記録媒体1〜4について、85℃のオーブン中に500時間放置して記録マークの読み出しを行ったところ、放置前と全く変化はなく、良好な保存安定性を示した。 本発明の新規なエチニルベンゾフェノン化合物類又はその類縁体は、ベンゾフェノン系構造、即ち、ベンゾフェノン構造、チオベンゾフェノン構造又はベンゾフェノンイミン構造にアセチレンが直接結合し、更にアセチレンに特定のアリール基又はアラルキル基が結合した特殊な化学構造を有するため、非線形光吸収効果を示す。このため、高強度パルスレーザで光情報記録媒体の記録層に記録マークを書き込む際に、記録層に本発明のエチニルベンゾフェノン化合物類又はその類縁体を配合した場合には、書き込み時間を大幅に短縮化することができる。よって、光情報記録媒体の記録層へ配合するための増感剤として有用である。式(1)(式(1)中、R1は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基又はアラルキル基であり、nは1、2又は3であり、Xは、O、S又はNHであり、Arは、フェニル基、ビフェニルイル基又はヒドロキシジフェニルメチル基である。但し、Arがフェニル基であり且つXがOである場合、R1は水素原子ではなく、nが1のとき、R1が結合するフェニル基の4′位に結合したフッ素原子でもない。)で表されるエチニルベンゾフェノン化合物類又はその類縁体。 式(1)の化合物が以下式(1a)で表されるエチニルベンゾフェノン化合物類又はその類縁体。 式(1)の化合物が以下式(1b)で表されるエチニルベンゾフェノン化合物類又はその類縁体。 請求項1記載の式(1)のエチニルベンゾフェノン化合物類又はその類縁体の製造方法であって、 式(2)の末端アルキンを、薗頭カップリング反応条件下で、式(3)のハロゲン化アリールと反応させることにより式(1)のエチニルベンゾフェノン化合物類又はその類縁体を形成することを特徴とする製造方法。(これらの式中、R1は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基又はアラルキル基であり、nは1、2又は3であり、XはO、S又はNHであり、Yは臭素原子又はヨウ素原子であり、Arはフェニル基、ビフェニルイル基又はヒドロキシジフェニルメチル基である。但し、Arがフェニル基であり且つXがOである場合、R1は水素原子ではなく、nが1のとき、R1が結合するフェニル基の4′位に結合したフッ素原子でもない。) 【課題】高強度パルスレーザでの書き込み時間を短縮化するための光情報記録媒体の記録層に添加する非線形光吸収効果を示す新規な化合物の提供。【解決手段】式(1)の構造式で表されるエチニルベンゾフェノン化合物類又はその類縁体。(式中、R1は、水素原子、ハロゲン原子などであり、nは1、2又は3であり、Xは、O、S又はNHであり、Arは、フェニル基、ビフェニルイル基又はヒドロキシジフェニルメチル基である。但し、Arがフェニル基であり且つXがOである場合、R1は水素原子ではなく、nが1のとき、R1が結合するフェニル基の4′位に結合したフッ素原子でもない。)【選択図】なし20120110A1633000153図1Aは、実施例1の式(1a)のエチニルベンゾフェノン化合物の1H−NMRチャートである。図1Bは、図1Aの部分拡大チャートである。図2Aは、実施例2の式(1b)のエチニルベンゾフェノン化合物の1H−NMRチャートである。図2Bは、図2Aの部分拡大チャートである。A1633000393<実施例1> 窒素置換した100mLの三口フラスコに、4−ブロモベンゾフェノン2.33g、4−エチニルビフェニル1.59g、トリフェニルホスフィン0.025g、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド0.0125g、CuI(I)0.0125g、及びトリエチルアミン40mLを投入し、加熱して4時間還流させた後、室温で16時間撹拌を続けた。反応終了後、5%塩酸水溶液で中和し、生じた沈殿物を濾取し、トルエンで再結晶することにより、2.1g(収率65%)の白色結晶を得た。この白色結晶の同定は1H−NMR(図1A及び図1B参照)とMSにより行い、また、純度は99%以上であった(LC、Area%)。以上の分析結果より、白色結晶は、式(1a)の化合物であると同定できた。A1633000433<実施例2> 窒素置換した100mLの三口フラスコに、4−ブロモベンゾフェノン2.33g、1,1−ジフェニル−2−プロピン−1−オール1.86g、トリフェニルホスフィン0.025g、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド0.0125g、CuI(I)0.0125g、及びトリエチルアミン40mLを投入し、加熱して4時間還流させた後、室温で16時間撹拌を続けた。反応終了後、5%塩酸水溶液で中和し、混合物を酢酸エチルで有機層を抽出して、無水硫酸マグネシウムを用いて乾燥させ、溶媒を留去し、残渣をエタノールで再結晶することにより、2.4g(収率69%)の白色結晶を得た。この白色結晶の同定は、1H−NMR(図2A及び図2B参照)とMSにより行い、また、純度は99%以上であった(LC、Area%)。以上の分析結果より、白色結晶は、式(1b)の化合物であると同定できた。A16333請求項23 式(1)の化合物が以下式(1a)で表される請求項1に記載のエチニルベンゾフェノン化合物類又はその類縁体。A16333請求項33 式(1)の化合物が以下式(1b)で表される請求項1に記載のエチニルベンゾフェノン化合物類又はその類縁体。