生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_足白癬が生息する角質除去システム
出願番号:2011234375
年次:2013
IPC分類:A61K 31/19,A61P 17/00,A61P 31/10,A61P 43/00


特許情報キャッシュ

曽我部 俊教 JP 2013082659 公開特許公報(A) 20130509 2011234375 20111005 足白癬が生息する角質除去システム 株式会社森林研究所 598095042 曽我部 俊教 A61K 31/19 20060101AFI20130412BHJP A61P 17/00 20060101ALI20130412BHJP A61P 31/10 20060101ALI20130412BHJP A61P 43/00 20060101ALI20130412BHJP JPA61K31/19A61P17/00 101A61P31/10A61P43/00 121 2 1 書面 15 4C206 4C206AA01 4C206AA02 4C206DA02 4C206MA02 4C206MA04 4C206MA52 4C206MA83 4C206NA05 4C206NA10 4C206NA14 4C206ZA90 4C206ZB35 4C206ZC75 本発明は足をきれいで快適に保つために、足から白癬菌を除去することを目的としたものである。 足白癬(水虫)は治り難く、細菌性疾患に対する抗生物質のように短期間で劇的な効果を発現する薬剤が少ないと言われている。その理由としては、真菌はヒトと同じ真核細胞生物であって、細胞の構造・機能に共通性が多いので、真菌にダメ−ジを与える薬剤はヒトの細胞にも同様に影響するので、その面から制約を受けるため、これが細菌などに適用される抗生物質と違い選択毒性の高い抗真菌剤の開発が困難な理由である。また、真菌感染症患者が細菌感染症患者より少なく、その市場性の少ないことも開発の遅れる原因とされている。 一般に足白癬では外用剤を使用する期間は4〜6週間であるが、2〜3カ月は治癒しない例も多いので、最近の製剤では2〜3カ月、角質増殖型は1年位治療を続けなければならない。 更に、足白癬の治療で注意すべきことは、治療によって一見治癒したように見えるが、菌はまだ残っていることが多い。このことは皮膚の症状の消失が真の治癒ではないことである。この時点で治療を中止する人が多いのが足白癬が治り難いといわれる理由である。足白癬特に趾間型の場合、掻痒がなくなると治療を中止する患者が多く、これが再燃して慢性化する。 十分に足白癬を治療すれば、翌年には足白癬はまず起こらないか、起こっても治療するほど悪化しないが、2年、3年と経過するにつれて、足白癬は元のように発症するようになる。この場合、菌を培養同定すると、全く同一の菌種であり、発症部位も前と変わらないことから、これは再燃であって再感染ではないことが判る。 このように、従来の治療方法で足白癬を完治するのは非常に困難である。そこで、発明者は木酢液を研究する過程で、白癬菌の発育抑制作用に優れていることを見出し、特許文献1にあるように木酢液を使用し、足を燻製状態にして殺菌する方式を考案した。 株式会社森林研究所が依頼して実施した、東京医科大学 薬理学教室 松宮教授による臨床試験「森の快足救 のヒトへの安全性と有効性評価」によっても、甲部を除いた5本指のカバー状ソックスに濃度100%と50%の木酢液を含侵させて履き、足白癬(水虫)患者で試験を実施した結果、双方とも一応の安全性が証明されると伴に、特に50%濃度の安全性が証明ざれ、双方とも使用後は足白癬の症状が治ることが確認された。 また、この考案を木酢液濃度100%で商品化した「森の快足救」、「森の休足」「カイカイ・ナイト」「フットガード」などを1回使用すると、取りあえず症状が治まり、きれいな素足になり、悪臭も収まることは、多くの実例から確認できる。 しかし、足白癬が再燃する場合が多いことから、白癬菌が完全に除去できず、角質層に残っている場合が多いと推定され、この原因は角質が剥離する期間が長過ぎて、角質中の木酢液濃度が低下して白癬菌の発育を抑制できなくなるためと考えられる。 更に、気密性の集合住宅では、室内に木酢液の強烈な臭いが長時間残留する欠点や、皮膚刺激が強く炎症を起こす事例も見受けられるなどの欠点がある。 特願H03−263344に発明者が考案した、5本指カバー状ソックスや防水カバーを利用し、木酢液で足を燻製状態にして、角質に生息する白癬菌を主にした細菌を殺菌すると伴に、足の悪臭を消すためになされたものがある。 背景技術で説明したように現在の医学では、簡単に足白癬を治療して足をきれいで快適に保つことは困難である。 発明者も木酢液による白癬菌の発育阻害試験は実施しているが、試料が発明者や知人の白癬菌を培養したものであるため、ここでは、岡山大学医学部保健学科が実施した濃度による発育抑制実験を参考にする。この実験で使用された試料は、白癬菌はTrichophyton mentagrophytesとTrichophyton rubrumの2菌種、木酢液は市販品である。ここで、発明者が実施した発育阻害試験と、岡山大学医学部保健学科が実施した濃度による発育抑制実験はほぼ同じ結果である。 発育抑制実験は終濃度2、3、4、5%の木酢液を含んだ寒天平板希釈法で行った。発育抑制作用は,両菌種とも3%以上で7日培養後の菌糸の発育は見られなかった、すなわち休止状態になる。 この実験結果からは、白癬菌が生息する可能性がある角質全体に木酢液を吸収させて、角質中に3%濃度以上の木酢液が残留する間にこれを剥離すれば、足白癬は治るということである。 ここで、木酢液は原料、採取時間、炭化炉によって品質に大きなバラつきがある。有機酸類、アルコール類、フェノール類、中性成分類などの含有比率が大きく違い、樹木中の水分量が影響してPH値も大きく相違する。本文献中で用いられる木酢液は照葉樹原料であり、炭窯で得たPH値が2.3〜2.5のものである。 木酢液には角質の剥離を促進する働きもあり、100%濃度では角質が代謝する期間は、薄い部分の剥離が3日後頃より始まり、厚い部分は概ね12〜13日間後で終了する。特許文献1はこれを参考に考案された。 濃度を薄めると剥離作用は衰えて、50%濃度では薄い部分の剥離が4日後頃より始まり厚い部分は概ね14〜15日程度で終了するが、踵周辺などの特に厚い部分は剥離しにくい。30%濃度では指周りの角質の薄い部分は剥離するが、足裏の厚い部分の多くは剥がれない。 12〜13日間角質中の木酢液濃度を3%以上、望ましくは5%濃度以上に保てば、特許文献1の方法で足白癬は完全に治るが、燻製状態になった角質は汗をかき、または入浴によって水を吸収するため角質中の木酢成分が溶出して、濃度は時を経ると伴に希釈されていく。 100%濃度で燻製状態にした足部も、日数を経ると急速に角質中の木酢液濃度が低下して、例えば1日で3割低下すると仮定すると、7日後に11.7%、12日後には2%、14日後では1%未満になって白癬菌の発育を抑制できなくなる。また、肌の質を含め入浴回数や入浴時間や季節など、生活習慣や温度差が大きく角質中の木酢液の溶出に関与する。 3%濃度未満となり白癬菌が発育をするようになると、菌糸が代謝によってできる新しい角質層に移ってしまい白癬菌の完全な除去はできない。 このようなことから、角質中に白癬菌の発育を抑制する木酢液濃度が残っている間に、素早く角質を剥離させる必要がある。木酢液にも角質の剥離を促進する働きはあるが遅いため、更に剥離を加速する安全な物質が必要である。 課題を解決する手段 発明者はサリチル酸や乳酸を角質に吸収させると、角質を素早く剥離する働きがあることを見出し、自己の足で確認した。結果、サリチル酸では20%濃度以上で2〜7日間で角質剥離が終了し、乳酸では20%濃度以上で2〜7日間で角質剥離が終了することを見出した。これは100%濃度の木酢液の2倍の剥離速度である。7日以内に角質を剥離できれば、角質中の白癬菌の発育を抑制する木酢液濃を容易に得ることができるので、新しくできる角質へ白癬菌が移ることはない。 ここで、サリチル酸は水に不溶であり、木酢液を混合した混合溶液を得ることは不可能である。一方で乳酸は水溶性であり、木酢液と混合しても化学反応はなく、角質中に残留する木酢液濃度にも変化がないことを見出した。 下記の木酢液単独、乳酸単独、乳酸+木酢液の皮膚剥離試験に示すように、例えば、木酢液単独使用では厚い角質部が剥離しない30%濃度と、乳酸単独使用では剥離しない5%濃度を混合すると、8日間で角質全体が剥離する。また乳酸を単独使用して剥離すると皮膚に炎症を起こすが、木酢液を混合すると起こらない。このように、混合すると単独で使用するのに比べて、角質の剥離終了時間が短縮し皮膚の炎症が軽減されることを見出した。すなわち木酢液と乳酸を混合すると相乗効果が生まれて、角質の剥離終了時間が短縮されて炎症が抑制される。 ここで、乳酸による角質の剥離は1〜2日後と早く、新しい角質が出来る前に無理に剥がしている状況であり、剥がれた跡の肌は赤く炎症している。一方、木酢液よる角質の剥離は3〜4日後と遅いが、新しい角質が出来た後で剥がれるので、剥がれた跡にはきれいな肌が現れる。また、乳酸と木酢液を混合した乳酸木酢液による角質の剥離は3日後で、木酢液単独使用と同じく新しい角質が出来た後で剥がれ、剥離が終了するのが7〜8日と1/2に短縮され、剥がれた跡にはきれいな肌が現れる。この現象は、それぞれ角質が剥離する一定範囲の濃度は必要とするが、その範囲では濃度や配合には関わり無く起こる。 乳酸濃度15%以上を1時間、人の角質に浸透させると、概ね7日間以内に乳酸が浸透した部分の角質は剥離し、木酢液濃度30%以上を1時間、人の角質に浸透させると、概ね1週間後に角質中の濃度は4%である。 混合による相乗効果や相殺がないと仮定すると、15%以上の濃度の乳酸と30%以上濃度の木酢液を混合した乳酸木酢液を、角質に浸透させれば白癬菌を足から除去して足白癬を完治することができるが、現実には相乗効果があるため、30%以上の濃度の木酢液と5%以上の濃度の乳酸を混合した乳酸木酢液で可能である。 濃度100%の木酢液は室内にも長時間残留する強烈な臭いがするが、50%以下であると、強い臭いはするが室内に長時間臭いが残留するほどではなく、30%ではいやな臭いであるが強く意識するほどではない。 濃度100%の木酢液を使用すると、刺激が強く炎症を起こす事例が、前記東京医科大学の臨床試験でも見受けられるが、50%濃度では前記東京医科大学の臨床試験にあるように炎症を起こすことはない。 木酢液だけを使用する場合には、照葉樹原料で短時間だけ採取した特殊な木酢液の100%濃度を使用しなければ、角質の剥離が十分に果たせないが、乳酸を使用すれば木酢濃度を低下することができる。 白癬菌が生息する場所は甲を除いた足全体であり、そこに乳酸木酢液を吸収させるためには、角質にこの液が30〜120分間望ましくは50〜90分間と長時間接触しなければならない。 容器に入った乳酸木酢液に長時間足を漬け込んでいれば、角質に吸収させることができるが、歩くことができないし液量も多く要る。そこで、足白癬が生息している場所を覆う5本指のカバー状ソックスに乳酸木酢液を含侵させて履き、防水袋で履い防水すれば、5本指のカバー状ソックスと接触する角質すべてに乳酸木酢液を吸収させることができ、歩くことができて液量も最小にできる。 そして、症状が現れている所以外にも広く分布しているため、5本指カバー状ソックスに覆われている角質全部に乳酸木酢液が吸収されるのが望ましい。 このように、本発明は足の角質に乳酸木酢液を吸収させて、角質中に生息する白癬菌の活動が休止している間に剥離除去して、足白癬を完治して足をきれいで快適に保つという、新しい発想で実施されたものである。 5本指カバー状ソックスに限らず、一般的の指なしカバー状ソックスでも乳酸木酢液が指間を含む角質全部に吸収されるものであればよい。また、防水袋は液漏れを防ぐためだけのものであり、形状や素材はどのようなものでもよい。 木酢液、乳酸は食品添加物であり、重篤な副作用の可能性が低く安全である。 乳酸10%、木酢液50%の含有比率の乳酸木酢液40mlを得る。 図1に示す5本指カバー状ソックスを履き、防水袋で覆う。防水袋を開いて、乳酸木酢液40mlをソックスに含侵させた後、防水袋を輪ゴムで閉じて固定する。1時間この状態を保って、ソックスで覆われた角質に、乳酸木酢液を吸収させる。 使用後の経過を観察すると、1日目で指上部の薄い角質が一部剥がれ始める。2日目で踵の一部と指の付け根部分の一部が剥がれ始める。3日目に指の間や周辺部が剥がれ始める。4日目に土踏まず周辺と足側面が剥がれ始める。5日目にすでに剥がれた部分を除き全体的に激しく剥離する。6日目に踵周辺の厚い角質部分以外大方の剥離が終了する。7日目に踵周りの厚い部分が取れて剥離が終了して、新しい角質のきれいな足になる。 乳酸木酢液を吸収して剥離する古い角質中には、生息していた白癬菌が存在しているが、使用後7日目の角質中の木酢液濃度が約6%であるため、白癬菌は休止状態になっていて新しくできる角質に白癬菌は移動していない。よって古い角質剥離後は、白癬菌が無い、きれいで臭いがない足となる。 発明の技術分野 足白癬を簡単に解消する技術である。 図1、図2は5本指のカバー状ソックスと防水袋を使用して乳酸木酢液を角質に吸収させている状態を現している。図1の防水袋は袋状で、図2の防水袋はカバー状である。 爪水虫の解消。 1.防水袋2.5本指のカバー状ソックス3.足 足に生息する白癬菌除去を目的として研究開発されたものであり、角質が吸収すると約7日間で剥離する作用と、その間角質中の白癬菌を休止させる作用を併せ持つ、乳酸と木酢液の混合物で、3〜50%望ましくは10〜20%濃度の乳酸と30〜95%望ましくは40〜60%濃度の木酢液で構成されたことが特徴である乳酸木酢液。 請求項1の乳酸木酢液を簡便で効率よく角質に吸収させる目的のものであり、図1で示すように乳酸木酢液、5本指のカバー状ソックス、防水袋、袋留めゴム又は図2で示すように乳酸木酢液、5本指のカバー状ソックス、カバー状の防水袋、で構成されたもので5本指のカバー状ソックスに乳酸木酢液を含侵させた後、角質に十分吸収させるため30〜120分間は、その状態が容易に保持できる角質の除去システムである。 【課題】 足をきれいで快適に保つためには、足から白癬菌を除去することが必要であるが、簡単に治す方法がない。【解決手段】白癬菌の発育休止作用と、これが生息する角質剥離作用を得るために、濃度5%以上の乳酸と濃度30%以上の木酢液を混合した乳酸木酢液を得、これを30〜120分間足の白癬菌が生息する角質に接触させて吸収させる簡便な方式を実施する。【選択図】図1 20111216A16330全文3本発明は足をきれいで快適に保つために、足から白癬菌を除去することを目的としたものである。足白癬(水虫)は治り難く、細菌性疾患に対する抗生物質のように短期間で劇的な効果を発現する薬剤が少ないと言われている。その理由としては、真菌はヒトと同じ真核細胞生物であって、細胞の構造・機能に共通性が多いので、真菌にダメ−ジを与える薬剤はヒトの細胞にも同様に影響するので、その面から制約を受けるため、これが細菌などに適用される抗生物質と違い選択毒性の高い抗真菌剤の開発が困難な理由である。また、真菌感染症患者が細菌感染症患者より少なく、その市場性の少ないことも開発の遅れる原因とされている。一般に足白癬では外用剤を使用する期間は4〜6週間であるが、2〜3カ月は治癒しない例も多いので、最近の製剤では2〜3カ月、角質増殖型は1年位治療を続けなければならない。更に、足白癬の治療で注意すべきことは、治療によって一見治癒したように見えるが、菌はまだ残っていることが多い。このことは皮膚の症状の消失が真の治癒ではないことである。この時点で治療を中止する人が多いのが足白癬が治り難いといわれる理由である。足白癬特に趾間型の場合、掻痒がなくなると治療を中止する患者が多く、これが再燃して慢性化する。十分に足白癬を治療すれば、翌年には足白癬はまず起こらないか、起こっても治療するほど悪化しないが、2年、3年と経過するにつれて、足白癬は元のように発症するようになる。この場合、菌を培養同定すると、全く同一の菌種であり、発症部位も前と変わらないことから、これは再燃であって再感染ではないことが判る。このように、従来の治療方法で足白癬を完治するのは非常に困難である。そこで、発明者は木酢液を研究する過程で、白癬菌の発育抑制作用に優れていることを見出し、特許文献1にあるように木酢液を使用し、足を燻製状態にして殺菌する方式を考案した。株式会社森林研究所が依頼して実施した、東京医科大学 薬理学教室 松宮教授による臨床試験「森の快足救 のヒトへの安全性と有効性評価」によっても、甲部を除いた5本指のカバー状ソックスに濃度100%と50%と30%の木酢液を含侵させて2時間履き、足白癬(水虫)患者で試験を実施した結果、双方とも一応の安全性が証明されると伴に、特に50%、30%濃度の安全性が証明ざれ、100%と50%で使用後は足白癬の症状が治ることが確認された。また、この考案を木酢液濃度100%で商品化した「森の快足救」、「森の休足」「カイカイ・ナイト」「フットガード」などを1回使用すると、取りあえず症状が治まり、きれいな素足になり、悪臭も収まることは、多くの実例から確認できる。しかし、足白癬が再燃する場合が多いことから、白癬菌が完全に除去できず、角質層に残っている場合が多いと推定され、この原因は角質が剥離する期間が長過ぎて、角質中の木酢液濃度が低下して白癬菌の発育を抑制できなくなるためと考えられる。更に、気密性に優れた集合住宅では、室内に木酢液の強烈な臭いが長時間残留する欠点や、皮膚刺激が強く炎症を起こす事例も見受けられるなどの欠点がある。特願H03−263344に発明者が考案した、5本指カバー状ソックスや防水カバーを利用し、木酢液で足を燻製状態にして、角質に生息する白癬菌を主にした細菌を殺菌すると伴に、足の悪臭を消すためになされたものがある。背景技術で説明したように現在の医学では、簡単に足白癬を治療して足をきれいで快適に保つことは困難である。発明者も木酢液による白癬菌の発育阻害試験は実施しているが、試料が発明者や知人の白癬菌を培養したものであるため、ここでは、岡山大学医学部保健学科が実施した濃度による発育抑制実験を参考にする。この実験で使用された試料は、白癬菌はTrichophyton mentagrophytesとTrichophyton rubrumの2菌種、木酢液は市販品である。ここで、発明者が実施した発育阻害試験と、岡山大学医学部保健学科が実施した濃度による発育抑制実験はほぼ同じ結果である。発育抑制実験は終濃度2、3、4、5%の木酢液を含んだ寒天平板希釈法で行った。発育抑制作用は,両菌種とも3%以上で7日培養後の菌糸の発育は見られなかった、すなわち休止状態になる。この実験結果からは、白癬菌が生息する可能性がある角質全体に木酢液を吸収させて、角質中に3%濃度以上の木酢液が残留する間にこれを剥離すれば、足白癬は治るということである。ここで、木酢液は原料、採取時期、炭化炉、乾燥時間によって品質に大きなバラつきがある。有機酸類、アルコール類、フェノール類、中性成分類などの含有比率が大きく違い、樹木中の水分量が影響してPH値も大きく相違する。本文献中で用いられる木酢液は照葉樹原料であり、12〜3月に伐採し、炭窯で得たPH値が2.3〜2.5のものである。木酢液には角質の剥離を促進する働きがあるが、そのためには角質に木酢液を十分浸透させる必要があり30〜120分間角質と木酢液を接触させなければならない。ここで使用時間を60分間で固定すると100%濃度では角質が代謝する期間は、薄い部分の剥離が3日後頃より始まり、厚い部分は概ね12〜13日間後で終了する。皮膚刺激を抑制するために濃度を薄めると剥離作用は衰えて、50%濃度60分間使用では薄い部分の剥離が4日後頃より始まり、厚い部分は概ね14〜15日程度で終了するが、踵周辺などの特に厚い部分は剥離しにくい。40%濃度では指周りの角質の薄い部分は剥離するが、足裏の厚い部分の多くは剥がれない。12〜13日間角質中の木酢液濃度を3%以上、望ましくは5%濃度以上に保てば、特許文献1の方法で足白癬は完全に治るが、燻製状態になった角質は汗をかき、または入浴によって水を吸収するため角質中の木酢成分が溶出して、濃度は時を経ると伴に希釈されていく。100%濃度で燻製状態にした足部も、日数を経ると急速に角質中の木酢液濃度が低下して、例えば1日で3割低下すると仮定すると、7日後に11.7%、12日後には2%、14日後では1%未満になって白癬菌の発育を抑制できなくなる。また、肌の質を含め入浴回数や入浴時間や季節など、生活習慣や温度差が大きく角質中の木酢液の溶出に関与する。3%濃度未満となり白癬菌が発育をするようになると、菌糸が代謝によってできる新しい角質層に移ってしまい白癬菌の完全な除去はできない。このようなことから、角質中に白癬菌の発育を抑制する木酢液濃度が残っている間に、素早く角質を剥離させる必要がある。木酢液にも角質の剥離を促進する働きはあるが遅いため、更に剥離を加速する安全な物質が必要である。課題を解決する手段発明者はサリチル酸や乳酸を角質に吸収させると、角質を素早く剥離する働きがあることを見出し、自己の足で確認した。結果、サリチル酸では20%濃度以上で2〜7日間で角質剥離が終了し、乳酸では20%濃度以上で2〜7日間で角質剥離が終了することを見出した。これは100%濃度の木酢液の2倍の剥離速度である。7日以内に角質を剥離できれば、角質中の白癬菌の発育を抑制する木酢液濃を容易に得ることができるので、新しくできる角質へ白癬菌が移ることはない。ここで、サリチル酸は水に不溶であり、木酢液を混合した混合溶液を得ることは不可能である。一方で乳酸は水溶性であり、木酢液と混合しても化学反応はなく、角質中に残留する木酢液濃度にも変化がないことを見出した。下記の木酢液単独、乳酸単独、乳酸+木酢液の皮膚剥離試験に示すように、例えば、木酢液単独使用では厚い角質部が剥離しない30%濃度と、乳酸単独使用では剥離しない5%濃度を混合すると、8日間で角質全体が剥離する。また乳酸を単独使用して剥離すると皮膚に炎症を起こすが、木酢液を混合すると起こらない。このように、混合すると単独で使用するのに比べて、角質の剥離終了時間が短縮し皮膚の炎症が軽減されることを見出した。すなわち木酢液と乳酸を混合すると相乗効果が生まれて、角質の剥離終了時間が短縮されて炎症が抑制される。ここで、乳酸による角質の剥離開始は使用後1〜2日後と早く、新しい角質が出来る前に無理に剥がしている状況であり、剥がれた跡の肌は赤く炎症している。一方、木酢液よる角質の剥離開始は3〜4日後と遅いが、新しい角質が出来た後で剥がれるので、剥がれた跡にはきれいな肌が現れる。また、乳酸と木酢液を混合した乳酸木酢液による角質の剥離開始は3日後で、木酢液単独使用と同じく新しい角質が出来た後で剥がれ、剥離が終了するのが7〜8日と1/2に短縮され、剥がれた跡にはきれいな肌が現れる。この現象は、それぞれ角質が剥離する一定範囲の濃度は必要とするが、その範囲では濃度や配合には関わり無く起こる。木酢液・乳酸単独と乳酸+木酢液との皮膚剥離試験(試験期間:2011/06/10〜2011/08/31)木酢液単独の濃度別皮膚剥離試験乳酸単独使用の濃度別皮膚剥離試験(50%濃度木酢液+濃度別乳酸)使用の皮膚剥離試験(30%濃度木酢液+濃度別乳酸)使用の皮膚剥離試験乳酸濃度15%以上を1時間、人の角質に浸透させると、概ね7日間以内に乳酸が浸透した部分の角質は剥離するが、乳酸には白癬菌の発育を抑制する作用はないため、角質が剥離する間に新しい角質中に移動して治療効果はない。木酢液濃度40%を1時間、人の角質に浸透させると、概ね7日後に角質中の濃度は3.3%であるが、角質を剥離する作用は弱く、例え剥離しても14日以上を要し、概ね14日後の角質中の濃度は0.3%で白癬菌の発育阻害はできない。このように、乳酸単独使用では足白癬の治療は不可能であり、本酢液単独使用にも課題がある。混合による相乗効果や相殺がないと仮定すると、15%以上の濃度の乳酸と40%以上濃度の木酢液を混合した乳酸木酢液を角質に浸透させれば、概ね7日後に角質が剥離し、その時の角質中の木酢液濃度は3.3%であり白癬菌を足から除去して、足白癬を完治することができる。現実には相乗効果があるため、40%濃度以上の木酢液と5%以上の濃度の乳酸を混合した乳酸木酢液で可能である。濃度100%の木酢液は室内にも長時間残留する強烈な臭いがするが、50%以下であると、強い臭いはするが室内に長時間臭いが残留するほどではなく、いやな臭いであるが強く意識するほどではない。濃度100%の木酢液を使用すると、刺激が強く炎症を起こす事例が、前記東京医科大学の臨床試験でも見受けられるが、50%濃度では前記東京医科大学の臨床試験にあるように炎症を起こすことはない。木酢液だけを使用する場合には、照葉樹原料で短時間だけ採取した特殊な木酢液の100%濃度を使用しなければ、角質の剥離が十分に果たせないが、乳酸を使用すれば木酢濃度を低下することができる。白癬菌が生息する場所は甲を除いた足全体であり、そこに乳酸木酢液を吸収させるためには、角質にこの液が30〜120分間望ましくは50〜90分間と長時間接触しなければならない。容器に入った乳酸木酢液に長時間足を漬け込んでいれば、角質に吸収させることができるが、歩くことができないし液量も多く要る。そこで、足白癬が生息している場所を覆う5本指のカバー状ソックスに乳酸木酢液を含侵させて履き、防水袋で履い防水すれば、5本指のカバー状ソックスと接触する角質すべてに乳酸木酢液を吸収させることができ、歩くことができて液量も最小にできる。そして、足白癬は症状が現れている所以外にも広く分布しているため、5本指カバー状ソックスに覆われている角質全部に乳酸木酢液が吸収されるのが望ましい。このように、本発明は足の角質に乳酸木酢液を吸収させて、角質中に生息する白癬菌の活動が休止している間に剥離除去して、足白癬を完治して足をきれいで快適に保つという、新しい発想で実施されたものである。5本指カバー状ソックスに限らず、一般的の指なしカバー状ソックスでも乳酸木酢液が指間を含む角質全部に吸収されるものであればよい。また、防水袋は液漏れを防ぐためだけのものであり、形状や素材はどのようなものでもよい。木酢液、乳酸は食品添加物であり、重篤な副作用の可能性が低く安全である。乳酸10%、木酢液50%の含有比率の乳酸木酢液40mlを得る。図1に示す5本指カバー状ソックスを履き、防水袋で覆う。防水袋を開いて、乳酸木酢液40mlをソックスに含侵させた後、防水袋を輪ゴムで閉じて固定する。1時間この状態を保って、ソックスで覆われた角質に、乳酸木酢液を吸収させる。使用後の経過を観察すると、1日目で指上部の薄い角質が一部剥がれ始める。2日目で踵の一部と指の付け根部分の一部が剥がれ始める。3日目に指の間や周辺部が剥がれ始める。4日目に土踏まず周辺と足側面が剥がれ始める。5日目にすでに剥がれた部分を除き全体的に激しく剥離する。6日目に踵周辺の厚い角質部分以外大方の剥離が終了する。7日目に踵周りの厚い部分が取れて剥離が終了して、新しい角質のきれいな足になる。乳酸木酢液を吸収して剥離する古い角質中には、生息していた白癬菌が存在しているが、使用後7日目の角質中の木酢液濃度が約6%であるため、白癬菌は休止状態になっていて新しくできる角質に白癬菌は移動していない。よって古い角質剥離後は、白癬菌が無い、きれいで臭いがない足となる。042−1乳酸5%、木酢液60%の含有比率の乳酸木酢液40mlを得る。042−2図1に示す5本指カバー状ソックスを履き、防水袋で覆う。防水袋を開いて、乳酸木酢液40mlをソックスに含侵させた後、防水袋を輪ゴムで閉じて固定する。1時間この状態を保って、ソックスで覆われた角質に、乳酸木酢液を吸収させる。042−3使用後の経過は2日目で指上部の薄い角質が一部剥がれ始め、踵の一部と指の付け根部分の一部が剥がれ始める。3日目に指の間や周辺部が剥がれ始める。4日目に土踏まず周辺と足側面が剥がれ始める。5日目にすでに剥がれた部分を除き全体的に激しく剥離する。6日目に踵周辺の厚い角質部分以外大方の剥離が終了する。7日目に踵周りの厚い部分が取れて剥離が終了して、新しい角質のきれいな足になる。発明の技術分野足白癬を簡単に解消する技術である。図1、図2は5本指のカバー状ソックスと防水袋を使用して乳酸木酢液を角質に吸収させている状態を現している。の防水袋は袋状で、の防水袋はカバー状である。


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