生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_犬の口臭抑制剤およびこれを用いる犬の口臭抑制方法
出願番号:2011231238
年次:2013
IPC分類:A61K 31/724,A61P 1/00,A23K 1/16,A23K 1/18


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田村 博三 屋良 朝彦 萩原 裕也 JP 2013087104 公開特許公報(A) 20130513 2011231238 20111021 犬の口臭抑制剤およびこれを用いる犬の口臭抑制方法 株式会社トロピカルテクノセンター 592234908 特許業務法人 小野国際特許事務所 110000590 田村 博三 屋良 朝彦 萩原 裕也 A61K 31/724 20060101AFI20130416BHJP A61P 1/00 20060101ALI20130416BHJP A23K 1/16 20060101ALI20130416BHJP A23K 1/18 20060101ALI20130416BHJP JPA61K31/724A61P1/00 171A23K1/16 303DA23K1/18 A 6 OL 7 2B005 2B150 4C086 2B005AA05 2B150AA06 2B150DC16 4C086AA01 4C086AA02 4C086EA20 4C086MA01 4C086MA04 4C086MA16 4C086MA34 4C086NA14 4C086ZA67 4C086ZC61 本発明は、犬の口臭抑制剤および口臭抑制方法に関し、更に詳細には、日常の給餌に併せて使用可能な、犬の口臭を低減ないしは消失させる犬の口臭抑制剤並びこれを用いる犬の口臭抑制方法に関する。 愛玩動物として、犬が広く飼われており、近年では住宅環境の問題から、室内犬を飼育する人が増えている。このような愛犬家にとって、大きな問題の一つは、犬の口臭である。 この口臭は、犬のプラーク(歯垢)や、歯周病と関連があるとも言われており、特に動物性の飼料を与えられる犬において口臭が強い傾向がある。 そこで、口臭を防止する方法として、犬の歯に形成されたプラークの除去が行われている。このプラークの除去方法としては、歯ブラシやカーゼ等の道具を使用したブラッシングによる機械的除去と、界面活性剤や酵素等を含有する薬剤の使用による化学的除去が知られている。しかし、ペットの歯を磨くなどプラークの機械的除去により口腔内を清掃することは、ペットが暴れたり逃げたりするため容易な作業ではなく、この方法でプラーク除去することは困難であった。 一方、薬剤の使用は、形成されたプラークの除去や、プラークを形成するマイクロコッカス・ミュータンスの除去という意味では有効であるが、抗生物質を用いてマイクロコッカス・ミュータンスを死滅させる方法は、一時的には良いものの、時間がたてば耐性菌が生じ、結果的にプラークも再度形成されるという問題があった。また、ポリグリセリン脂肪酸エステル、デキストラナーゼ、青葉アルコール、水溶性高分子物質等を組み合わせたペット用の液状口腔用組成物薬剤も知られているが(特許文献1)、薬剤の配合成分によっては、犬の消化器系にも影響を及ぼすこともあり、また犬の嗜好性もあるため、使用される薬剤の種類や量が限られるという問題があった。特開2010−43016特許第3075873号特許第3117328号 本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、家庭内においても簡単に投与することができ、しかも犬の消化機能に影響を与えず、また、犬が摂取を嫌うことのない犬の口臭抑制剤の提供をその課題とするものである。 本発明者らは上記課題を解決するため、犬の口臭を抑制できる物質を幅広く検索していたところ、サイクロデキストランは優れた犬の口臭抑制効果を有し、しかもそれ自体で特異な食味を有さず、さらに犬の消化器系に対する影響もないことを見いだし、本発明を完成した。 すなわち本発明は、サイクロデキストランを有効成分として含有する犬の口臭抑制剤である。 また本発明は、犬にサイクロデキストランを摂取せしめることを特徴とする犬の口臭抑制方法である。 本発明の犬の口臭抑制剤(以下、単に「口臭抑制剤」という)の主成分は、サイクロデキストランであるため、特異な味を有するものでなく、しかも犬の消化管内での問題等が生じるものではない。従って、この口臭抑制剤を日常的に、飲用水として、あるいはペットフードと共に摂取させることで、簡単に犬の口臭を低減ないしは消滅させることが可能である。 本発明の口臭抑制剤の有効成分であるサイクロデキストランは、7〜17個のグルコースがα−1,6グルコシド結合で環状に連結した公知の環状イソマルトオリゴ糖である。この環状オリゴ糖であるサイクロデキストランは、バチルス(Bacillus)属微生物が生産する酵素によりデキストランまたはデンプンから合成される(特許文献2および特許文献3)。 このものは、上記特許文献に記載の方法に従い製造できるものであるが、例えば、株式会社シー・アイ・バイオよりCIPlusシリーズという商品名で市販されているので、これらを利用しても良い。 このサイクロデキストランは、これをそのままの状態で口臭抑制剤として用いても良いが、一般には、有効量のサイクロデキストランと、公知の獣医学的に許容される担体を組み合わせ、適当な剤形として口臭抑制剤とすればよい。 使用される獣医学的に許容される担体としては、水、乳糖等が挙げられ、剤形としては、液剤、粉剤、顆粒剤等の固形剤が挙げられる。なお、水溶液の場合は、クエン酸等を加え、酸性にすることが保存安定性の面で好ましい。また、サイクロデキストランを、ドッグフード素材に加え、ドッグフードの形態のものとしても、クッキー素材等の食品素材に配合し、これを焼き上げた菓子形態としても良い。 本発明の口臭抑制剤を犬に摂取させ、犬の口臭を軽減ないし消滅させるには、上記口臭抑制剤が液剤の場合は、これを飲用水として摂取させれば良く、この場合の摂取量は、液剤中のサイクロデキストランとして、1日あたり、0.4ないし1g/匹程度とすれば良い。また、口臭抑制剤が粉剤、顆粒剤等の場合は、これをドッグ・フード等に混和ないし振りかけ、摂取させれば良く、この場合の摂取量も、ほぼ上記と同じで良い。 このようにすることで、犬の口臭が徐々に軽減ないし消滅するが、その期間は犬の口臭の程度、年齢等によって相違し、一般には、1週間ないし1ヶ月程度である。 次に実施例を挙げ、本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に何ら制約されるものではない。実 施 例 1 犬の口臭軽減効果(固形剤): サイクロデキストラン混合物(CIplus/(株)シー・アイ・バイオ製;サイクロデキストラン含量20%)を3g量りとり、80gのドッグフード(Farmers Warehouse社製)に混ぜ、被検餌とした。この被検餌を、検体犬に毎日1食の食事に欠かさず食べさせ続けた。 上記被検餌の投与後、2週間に一度、口臭の有無を2名のパネラーが調べ、下記評価基準で評価した。この結果を表1に示す。 評価基準: 評 価 内 容 ○ 口臭なし △ 口臭少しあり × 口臭あり この結果、被検餌の給餌開始3週間目より口臭の軽減効果が認められた。また、その効果は試験期間内は持続した。実 施 例 2 犬の口臭軽減効果(液剤): 蒸留水にクエン酸を0.05質量%となるように加えた後、これにサイクロデキストラン混合物(CIplus/サイクロデキストラン含量20%)を1質量%となるよう加え、液状の口臭抑制剤を調製した。この口臭抑制剤を、検体犬1匹あたり毎日250ml以上となるよう、欠かさずに摂取させた(サイクロデキストランとしては、毎日0.5g以上の摂取)。摂取開始後、検体犬の口臭の有無を、2名のパネラーが実施例1と同様に評価した。この結果を表2に示す。 この結果、口臭抑制剤の摂取から3週間目で効果が表れはじめた。また、試験期間内は効果が持続することが確認できた。実 施 例 3 口臭成分の測定 (1)サンプル採取 事前にガスクロマトグラフ(以下GC)用のヘッドスペースバイアル(20ml容量)に滅菌済綿棒(メンディップ病院用綿棒IP7540)を入れ重量を測定した。次に、この滅菌済綿棒を、実施例1および2の各被検体犬の歯の根元に軽く押し当て、奥歯から前歯に向かって綿棒を一周させて唾液を拭き取った。 ヘッドスペースバイアル(20ml容量)に、唾液をふき取った綿棒を入れ、採取した唾液量を測定した。この綿棒は、GC分析を実施するまで上記バイアルに入れて蓋をし、冷凍(−12℃)にて保管した(この唾液の採取は、実施例1および2の実験開始前および終了時の2回行った)。 (2)GC分析 ヘッドスペースサンプラー(オーブン温度80℃、ループ温度170℃、トランスファーライン温度210℃、平衡化時間5min、キャリア圧力 0psi、バイアル圧力 11.0psi)を利用して、綿棒より臭気成分を揮発させた。 各綿棒からの臭気成分(酪酸)を、GC(オーブン100℃、昇温条件3℃/min、最終温度200℃、カラム流量1.191ml/min、注入量 1μl、スプリット比 5:1)を用いて測定した。各被検体犬についての、口臭低減剤の使用前後での酪酸のピーク面積の変化を確認した。この結果を表3に示す。 この結果、サイクロデキストランを摂取し、口臭が低下した検体犬では、唾液中の口臭物質である酪酸も減少することが確認された。 本発明の口臭抑制剤は、犬に対し嫌悪感を抱かせることなく、また、消化器系に影響を与えることなく口臭を低減ないし消滅させることができるので、ペット分野において広く利用されるものである。 サイクロデキストランを有効成分として含有する犬の口臭抑制剤。 液剤または固形剤の剤形である請求項1記載の犬の口臭抑制剤。 ドッグフード形態の剤形である請求項1記載の犬の口臭抑制剤。 菓子形態の剤形である請求項1記載の犬の口臭抑制剤。 犬にサイクロデキストランを投与することを特徴とする犬の口臭抑制方法。 サイクロデキストランとして、1日1匹あたり、0.4ないし1gを投与する請求項5記載の犬の口臭抑制方法。 【課題】家庭内においても簡単に投与することができ、しかも犬の消化機能に影響を与えず、また、犬が摂取を嫌うことのない犬の口臭抑制剤を提供すること。【解決手段】サイクロデキストランを有効成分として含有する犬の口臭抑制剤および犬にサイクロデキストランを摂取せしめることを特徴とする犬の口臭抑制方法。【選択図】なし


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