生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_皮膚化粧料
出願番号:2011196659
年次:2013
IPC分類:A61K 8/27,A61K 8/29,A61K 8/81,A61Q 17/04,A61K 8/03


特許情報キャッシュ

千原 英樹 松井 秀樹 中家 芳樹 JP 2013056860 公開特許公報(A) 20130328 2011196659 20110909 皮膚化粧料 ダイセル・エボニック株式会社 000108982 古谷 聡 100087642 溝部 孝彦 100076680 義経 和昌 100098408 千原 英樹 松井 秀樹 中家 芳樹 A61K 8/27 20060101AFI20130301BHJP A61K 8/29 20060101ALI20130301BHJP A61K 8/81 20060101ALI20130301BHJP A61Q 17/04 20060101ALI20130301BHJP A61K 8/03 20060101ALI20130301BHJP JPA61K8/27A61K8/29A61K8/81A61Q17/04A61K8/03 6 OL 8 4C083 4C083AB211 4C083AB222 4C083AB241 4C083AB242 4C083AC862 4C083AD021 4C083AD022 4C083AD072 4C083AD092 4C083AD162 4C083AD172 4C083BB46 4C083CC19 4C083DD05 4C083DD39 4C083EE17 本発明は、日焼け止め用として好適な皮膚化粧料に関する。 有機系及び無機系の紫外線防止成分を含む各種化粧料が知られている。 特許文献1には、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル等のUV吸収剤と、内部に疎水化処理された超微粒子酸化チタンを35%以上含有した樹脂球状粉末が配合された日焼け止め化粧料の発明が開示されている。 この発明は、化粧料が衣服に付着して汚すという問題の解決を目的とするものである。 特許文献2には、酸化亜鉛や酸化チタンを樹脂で被覆した球状複合粒子の製造方法が開示されており、得られた球状複合粒子の用途として化粧料が記載されている。特開2011−068567号公報特開2010−132811号公報 本発明は、紫外線防止成分としての酸化亜鉛と酸化チタンが均一に分散されていることから、高い紫外線防止作用を有している皮膚化粧料を提供することを課題とする。 本発明は、課題の解決手段として、 紫外線防止成分としての酸化亜鉛と酸化チタンを含有する皮膚化粧料であって、 前記酸化亜鉛が、酸化亜鉛粒子が熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー及びゴムから選ばれるマトリックス成分に内包された複合粒子として含有されている、皮膚化粧料を提供する。 本発明の皮膚化粧料は、紫外線防止成分として含有されている酸化亜鉛と酸化チタンが凝集することなく均一に分散された状態で存在している。このため、皮膚に塗布したときには、皮膚上に酸化亜鉛と酸化チタンが均一に分散した状態にできることから、紫外線防止効果が高く、ばらつきがない。 本発明の皮膚化粧料は、紫外線防止成分としての酸化亜鉛と酸化チタンを含有しているが、酸化亜鉛は、酸化亜鉛粒子が熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー及び熱可塑性ゴムから選ばれるマトリックス成分に内包された複合粒子として含有されている。 ここで「内包」は、酸化亜鉛粒子がマトリックス成分内に分散して含まれていることを意味するが、一部(例えば、10質量%量以下、好ましくは5質量%量以下、より好ましくは3質量%量以下)が複合粒子の表面に露出した状態のものも含まれる。 本発明で使用する複合粒子中の酸化亜鉛粒子の含有量は、紫外線防止効果を高め、かつ化粧料中における分散性を高めるため、20〜70質量%が好ましく、30〜60質量%がより好ましい。 本発明で使用する複合粒子は、平均粒径が0.5〜50μmの範囲であるものが好ましく、1〜15μmの範囲であるものがより好ましい。この平均粒径は、レーザー回折/散乱式レーザー分布装置又は走査型電子顕微鏡(SEM)により測定することができる。 本発明で使用する複合粒子は、上記した平均粒径の範囲を満たすと共に、粒径が1〜15μmの範囲内のものが80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であるこことがより好ましく、95質量%以上であることがさらに好ましい。 本発明で使用する複合粒子に内包されている酸化亜鉛粒子は、平均粒径が5〜100nmの範囲であるものが好ましく、10〜50nmの範囲であるものがより好ましい。この平均粒径は、レーザー回折/散乱式レーザー分布装置又は走査型電子顕微鏡(SEM)により測定することができる。 本発明で使用する複合粒子は、例えば、特許文献1(特開2011−068567号公報)の段落番号0027に記載の方法、特許文献2(特開2010−132811号公報)の発明の製造方法により製造することができる。 マトリックス成分となる熱可塑性樹脂としては、ポリアミド系樹脂(ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、ナイロン612、ナイロン1010等)、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、オレフィン系樹脂、ビニル系樹脂、セルロース系樹脂、ポリエーテル系樹脂、各種エラストマー、ポリアリレート、ポリフェニレンスルフィド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルエーテルケトン等を挙げることができる。 熱可塑性エラストマーとしては、分子内にハードセグメントとソフトセグメントとを有する公知のエラストマーを用いることができ、ポリアミド系熱可塑性エラストマー(TPAE)、ポリエステル系熱可塑性エラストマー(TPEE)、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー(TPU)、ポリスチレン系熱可塑性エラストマー(TPS)、フッ素ポリマー系熱可塑性エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー(TPO)等を挙げることができる。 ポリアミド系熱可塑性エラストマーとしては、ポリアミド6あるいはポリアミド12等のポリアミド成分と、ポリエーテルジオール等からなるポリエーテル成分とを、それぞれハードセグメントとソフトセグメントとして有するポリアミドエラストマー等が好ましい。 ゴムとしては、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、クロロプレンゴム(CR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ニトリルゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)、エチレン−プロピレンゴム[エチレン−プロピレン共重合体(EPM)、三元エチレン−プロピレンゴム(EPDM)]、アクリルゴム(ACM、ANMなど)、エピクロロヒドリンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム(FKM)、ウレタンゴム(AU)、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)等を挙げることができる。 本発明で使用する複合粒子は球状(最大外径と最小外径の比率が1に近いもの)であることが好ましく、真球状(前記比率が1であるもの)であるものがより好ましい。 本発明の皮膚化粧料に含まれる酸化チタンは、上記した複合粒子を形成するマトリックス成分に内包されたものではなく、酸化チタンのみからなる粒子として含有されている。但し、製造原料としては、油剤(化粧料成分として公知の油剤)等との混合物として使用することができる。 本発明の皮膚化粧料中、酸化亜鉛と酸化チタンの合計含有量は、0.5〜50質量%が好ましく、3〜45質量%がより好ましく、5〜35質量%がさらに好ましい。 酸化亜鉛と酸化チタンの割合は、それらの合計量(100質量%)中、酸化亜鉛2〜50質量%が好ましく、より好ましくは5〜30質量%であり、酸化チタン98〜60質量%が好ましく、より好ましくは95〜70質量%である。 本発明の皮膚化粧料には、さらに紫外線防止成分として、公知の有機化合物からなる紫外線吸収剤を含有することができる。 このような紫外線吸収剤としては、p−アミノ安息香酸又はそのエステル、サリチル酸エステル、ケイ皮酸ベンジル、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、メトキシケイヒ酸エチルヘキシル、2,4−ビス{[4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ]−フェニル}−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、4−tert−ブチル−4−メトキシジベンゾイルメタン、2−ヒドロキシ4−メトキシベンゾフェノン+等を挙げることができる。 本発明の皮膚化粧料は、さらに化粧料成分として公知の各種無機充填剤(但し、酸化亜鉛と酸化チタンは含まれない)や有機充填剤を含有することができる。 無機充填剤としては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、クレー、カオリン、リン酸カルシウム、ヒドロキシアパタイト、マイカ、タルク、シリカ、石英粉末、ガラス粉、珪藻土、ネフェリンサイナイト、クリストバライト、ウォラストナイト、水酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化アルミナ、硫酸カルシウム、酸化マグネシウム、硫酸バリウム、ドロマイト、炭化珪素、窒化硅素、窒化硼素、各種金属粉末、黒鉛、フェライト、カーボンブラック等を挙げることができる。その他として、銀、銅、亜鉛等の抗菌機能を持つ金属が担持された抗菌性フィラー(ヒドロキシアパタイト銀、ゼオライト銀等)等も挙げることができる。 有機充填剤としては、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、カーボン繊維、フタロシアニン等の有機顔料、架橋ポリメタクリル酸メチル等の各種ポリマーの粒状物等を挙げることができる。 本発明の皮膚化粧料は、さらに無機系及び有機系着色剤から選ばれる着色剤を含有することができる。 無機系着色剤としては、カーボンブラック、酸化チタン、群青、べんがら、黒色酸化鉄、黄色酸化鉄、酸化クロム、複合酸化物顔料等の無機顔料を挙げることができる。 有機系着色剤としては、アゾ系顔料;アントラキノン、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、キナクリドン、ジケトピロロピロール等の多環式系顔料;等の有機顔料、更に樹脂用の分散染料、油性染料等を挙げることができる。 さらに化粧品に使用される厚生省令第30号に規定される各種タール色素類;アルミニウムレーキ類などのレーキ顔料等も好ましく用いられる。 これらの着色剤は、上記した酸化亜鉛の複合粒子と同様の方法により複合粒子にして使用することができる。 本発明の皮膚化粧料は、その他の成分として、油剤、アルコール、安定剤、皮膜形成剤、乳化剤、香料、防腐剤、抗酸化剤、薬用成分、増量剤等の公知の化粧料成分を含有することができる。 本発明の皮膚化粧料は、ローション、エマルジョン、クリーム状、ゲル状等の液状や、粉状、粒状、練り状、成形体等の固形状等の形態で用いることができ、クリーム、ファンデーション、フェイスパウダー、アイシャドー、アイライナー、マスカラ、日焼け止め、リップクリーム、ハンドクリーム、ボディクリーム、スクラブ剤、パック剤、化粧水、乳液、美容液等にすることができる。 本発明の皮膚化粧料は、特に30〜50質量%量の水を含有する、油相と水相の2相分離型の皮膚化粧料として好適である。 このような2相分離型の皮膚化粧料としては、紫外線防止成分としての酸化亜鉛を含む複合粒子と酸化チタン、油剤、皮膜形成剤、乳化剤及び水を含有し、水の含有量が30〜50質量%であるものが好ましい。 本発明の皮膚化粧料は、酸化亜鉛を含む複合粒子と酸化チタンを紫外線防止成分として含有しているものであるが、これらの複合粒子と酸化チタンを混合するとき、凝集することなく均一に分散されるため、皮膚化粧料中に紫外線防止成分が均一に分散されることになる。 このため、使用時においては、酸化亜鉛と酸化チタンが皮膚上に均一に広げられた状態で塗布できるため、紫外線防止作用がむらなく発揮されることになる。 本発明の皮膚化粧料は、例えば次の手順で製造することができる。 酸化亜鉛を含む複合粒子と酸化チタンを混合する(混合物1)。 他の成分を混合する(混合物2)。 混合物1と混合物2を混合する(混合物3)。 水を含む形態の場合には、混合物3に水を添加する。混合物2に乳化剤が含まれている場合には、混合物3に水を添加しながら乳化する。なお、防腐剤を含有するときは、予め水に防腐剤を溶解乃至は分散させておく。 実施例1及び比較例1 表1に示す上下2層に分離したシェーキングタイプ(振った後で使用するタイプ)の皮膚化粧料を調製した。実施例1及び比較例1の化粧料中における酸化チタンの含有量は19.0質量%であり、酸化亜鉛の含有量は2.50質量%である。 <手順1> 実施例1は、(1)、(2)、(5)、(6)を均一に混合分散させた(混合物A)。 比較例1は、(1)、(2)、(5)、(7)、(8)を均一に混合分散させた(混合物B)。 <手順2> 実施例1、比較例1ともに(3)、(4)を混合溶解させた(混合物C) <手順3> 実施例1、比較例1ともに(7)、(8)を混合溶解させた(水混合物)。 <手順4> 混合物A又は混合物Bに混合物Cを少量ずつ添加しながら均一に混合分散させた(混合物A+C又は混合物B+C)。 <手順5> 混合物A+C又は混合物B+Cに水混合物を少量ずつ添加して乳化させて(2000r/pで2分間)、目的とする皮膚化粧料を得た。 得られた皮膚化粧料について、SPFとPA値を測定した。結果を表1に示す。 SPFは、UVB(波長290〜320nm)の防止効果の指標であり、数値が大きいほどUVBの防止効果が高いことを示す。 PA値は、UVA(波長320〜400nm)の防止効果の指標であり、「+」が多いほどUVAの防止効果が高いことを示す。 なお、SPFとPA値は、次の方法により測定した。 SPF,PA値:作成したサンスクリーン剤をトランスポテープに塗布し、SPFアナライザー(Labsphere社製 UV-1000S)で測定を行った。 表1から明らかなとおり、実施例1と比較例1では、SPFとPA値において明確な違いが認められた。 この結果は、実施例1では紫外線防止成分としての酸化亜鉛と酸化チタンが凝集することなく均一に分散したが、比較例1では酸化亜鉛と酸化チタンして均一に分散しなかったことによるものである。 Solaveil CT-200:酸化チタン、イソヘキサデカン、トリオクタノイン、ステアリン酸、アルミナ、ポリヒドロキシステアリン酸の混合物(クローダジャパン製) SS3408:カプリリルメチコン(油剤)(東レ・ダウコーニング社製) SH245:シクロペンタシロキサン(油剤)(東レ・ダウコーニング社製) BY11-018:トリメチルシロキシケイ酸とシクロメチコンの混合物(皮膜形成剤)(東レ・ダウコーニング社製) ES-5612:PEG-10ジメチコン(乳化剤)との混合物(東レ・ダウコーニング社製) MSP-ZNO-50:酸化亜鉛50質量%がナイロン12に内包された複合粒子(ダイセル・エボニック(株)製) MSP-100:ナイロン12新球パウダー(ダイセル・エボニック(株)製) ZONEN MT-10:メチルイソチアゾリン(防腐剤)(ケミクレア製) 紫外線防止成分としての酸化亜鉛と酸化チタンを含有する皮膚化粧料であって、 前記酸化亜鉛が、酸化亜鉛粒子が熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー及びゴムから選ばれるマトリックス成分に内包された複合粒子として含有されている、皮膚化粧料。 前記複合粒子中の酸化亜鉛粒子の含有量が30〜70質量%である、請求項1記載の皮膚化粧料。 前記複合粒子が、平均粒径が1〜10μmの範囲のものであり、内包されている酸化亜鉛粒子の平均粒径が0.5〜50nmの範囲のものである、請求項1又は2記載の皮膚化粧料。 さらに紫外線防止成分として、有機化合物からなる紫外線吸収剤を含有する、請求項1〜3のいずれか1項記載の皮膚化粧料。 さらに30〜50質量%の水を含有する、油相と水相の2相分離型である、請求項1〜4のいずれか1項記載の皮膚化粧料。 紫外線防止成分としての酸化亜鉛を含む複合粒子と酸化チタン、油剤、皮膜形成剤、乳化剤及び水を含有し、水の含有量が30〜50質量%である、油相と水相の2相分離型である、請求項1〜5のいずれか1項記載の皮膚化粧料。 【課題】紫外線防止成分が均一分散されており、紫外線防止効果が高い皮膚化粧料の提供。【解決手段】紫外線防止成分としての酸化亜鉛と酸化チタンを含有する皮膚化粧料であって、前記酸化亜鉛が、酸化亜鉛粒子が熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー及びゴムから選ばれるマトリックス成分に内包された複合粒子として含有されている、皮膚化粧料。【選択図】なし


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