生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_高純度尿素水の製造方法
出願番号:2011084223
年次:2012
IPC分類:C07C 273/16,C07C 275/02


特許情報キャッシュ

桑机 拓矢 藤野 哲士 古荘 三郎 JP 2012219040 公開特許公報(A) 20121112 2011084223 20110406 高純度尿素水の製造方法 日本化成株式会社 000230652 日本錬水株式会社 000232863 岡田 数彦 100097928 桑机 拓矢 藤野 哲士 古荘 三郎 C07C 273/16 20060101AFI20121016BHJP C07C 275/02 20060101ALI20121016BHJP JPC07C273/16C07C275/02 1 OL 5 4H006 4H006AA02 4H006AD17 4H006AD32 4H006BB31 本発明は高純度尿素水の製造方法に関する。 ディーゼルエンジン等の内燃機関の排気ガスに含まれるNOxを還元浄化する方法として、尿素水とSCR(Selective Catalytic Reduction、選択還元触媒)方式の触媒コンバータによりNOxを大幅に低減する方法が提案されている(特許文献1)。この尿素SCR方式は、尿素水を還元剤とし、これを前記SCR触媒コンバータに入る直前に排気ガスに混合させる方式であり、尿素は排気ガス中でアンモニアに変化し、SCR触媒コンバータ内で排気ガス中のNOxがアンモニアと結びついて水と無害な窒素に分解されるので、排気ガスのクリーン化に有望な技術とされている。 SCR脱硝(車載)用尿素水のISO規格ISO22241−1によれば、10種類のカチオン成分に関して上限濃度が0.2ppm(銅、亜鉛など4種)と0.5ppm(ナトリウム、カルシウムなど6種)と定められている。 高純度尿素水の製造方法として、H型強酸性カチオン交換樹脂の単床カラムに濃度30〜50質量%の尿素水原液を連続的に通液する方法が提案されている(特許文献2)。斯かる方法によれば、Ca、Fe、NaおよびKの濃度がそれぞれ0.5ppm以下である高純度尿素水が得られるとのことである。また、ここには、H型強酸性カチオン交換樹脂とOH型強塩基性アニオン交換樹脂の混床を使用する方法は尿素水の精製には不適であるとの比較例がある。そして、その理由としては、アニオン交換樹脂の再生に使用した水酸化ナトリウムが樹脂に残留していることが原因と思われる、Naイオンが微量であるがカラムから溶出する点が挙げられている。 また、尿素水をSCR触媒へ導入する配管は、尿素水を噴霧状に導入する必要があるため細管であることが要求される。そこで、導入配管の閉塞原因物質として、グアニジン、ビウレット等の不純物が除去された尿素水が提案されている(特許文献3)。そして、ここには、グアニジンの濃度に関してはイオン交換樹脂によりグアニジンを吸着分離する方法、ビウレットの濃度に関しては尿素工程液の精製条件を管理して尿素からビウレットへの生成反応を抑制する方法が教示されている。 更に、尿素水に含まれる遊離アンモニアは溶液のpH値を高めるために、タンク、その他の配管材料である金属に対してアルカリ腐食を引き起こす虞れが高い。一方、余りに低いpH値は尿素の分解を引き起こす虞れが高い。従って、精製された尿素水のpH値は、尿素水本来のpH値(8〜9)より大きく変動せずに8〜10が望ましい。特開2004−290835号公報特開2006−068680号公報特開2007−145796号公報 本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、その目的は、比較的簡単な方法により、前述の金属イオンと閉塞原因物質とを一挙に除去することが出来、しかも、pH値の変動が抑制された高純度尿素水の製造方法を提供することにある。 すなわち、本発明の要旨は、尿素水原液を酸性カチオン交換樹脂で処理した後に塩基性アニオン交換樹脂で処理することを特徴とする高純度尿素水の製造方法に存する。 本発明によれば前記の課題が解決される。 以下、本発明を詳細に説明する。 尿素水原液に使用される尿素としては、肥料用途などの種々の尿素原料が挙げられる。一方、水としては、電気伝導度が50〜100μS/cmの水を使用するのが好ましい。一般には、工業用水あるいは水道水の電気伝導度は、この範囲内に収まるものである。尿素濃度は通常30〜50重量%である。 イオン交換樹脂としては、ゲル型、ポーラス型、ハイポーラス型のものが知られているが、そのいずれであってもよい。 本発明においては、尿素水原液を酸性カチオン交換樹脂で処理した後に塩基性アニオン交換樹脂で処理する。従って、尿素水原液を下向き流として通液させる場合は、通液カラムの下部に塩基性アニオン交換樹脂を充填し、その上部に酸性カチオン交換樹脂を充填する必要がある。本発明においては、このように両交換樹脂を複床として使用することが重要であり、混床として使用した場合は本発明の目的を達成することが出来ない。なお、本発明において、酸性カチオン交換樹脂と強塩基性アニオン交換樹脂とをそれぞれ別の通液カラムに充填して使用してもよい。 尿素水原液中の金属イオン、アンモニウムイオン、グアニジンは酸性カチオン交換樹脂でイオン交換され(H+が放出)、尿素水原液中のビウレット、トリウレット等は強塩基性アニオン交換樹脂でイオン交換される(OH−が放出)。塩基性アニオン交換樹脂を先行させた場合は、尿素水原液のpH値が上昇して重金属イオンが塩を形成して析出する虞れがある。この点は、酸性カチオン交換樹脂と塩基性アニオン交換樹脂とを混床として使用した場合についても同様である。また、酸性カチオン交換樹脂のみの処理では、H+の放出によりpH値が低下するが、その後の塩基性アニオン交換樹脂処理によるOH−により、pH値の大幅な変動は抑制される。 酸性カチオン交換樹脂と塩基性アニオン交換樹脂の使用割合は、カチオン交換またはアニオン交換される前記の不純物の量比によって適宜決定される。尿素水原液の通液速度(SV)は、通常1〜15程度であり、尿素水原液の処理可能量は原料の純度に依存するが、通常の原料の範囲では、イオン交換樹脂の容量の100倍以上の処理が可能である。 次に、実施例により、本発明を更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。<尿素水原液の調製> 60℃に加温した純水1350gをマグネットスターラーで撹拌しながら、工業尿素650gを添加し、尿素を完全に溶解させ32.5重量%の尿素水とした。次いで、試薬のビウレット(関東化学社製 試薬特級)、塩化ナトリウム(和光純薬社製 試薬特級)、塩化カルシウム(和光純薬社製 試薬特級)、硫酸銅(II)五水和物(米山化学工業社製 試薬1級)を少量加えた。 得られた尿素水原液中のビウレット及びトリウレットの濃度は、液体クロマトグラフィー法(検出限界10ppm)により、それぞれ、5000ppm及び1100ppm、グアニジン濃度はキャピラリー電気泳動法(検出限界10ppm)により84ppm、ナトリウム、カルシウム、銅の濃度はlCP−MS法(検出限界0.01ppm)により、それぞれ、2.9ppm、3.0ppm、2.8ppmであった。 実施例1: 直径10mm、高さ1000mmのガラスカラムの下部に予めHClによりH型に再生したカチオン交換樹脂SKlB(三菱化学社製)30mlを充填し、更に、その上に予めNaOHによりOH型に再生したアニオン交換樹脂SA10A(三菱化学社製)30mlを各イオン交換樹脂が混合しないように徐々に注ぎ、2層を形成した。定量ポンプを使用し、通液速度SV=5(1時間当りイオン交換樹脂の体積の5倍=150ml/h)で上向き流でガラスカラムに尿素水原液を通液した。ガラスカラムからの流出液を60ml毎にサンプリングし、300mlになるまで通液した。得られたサンプルの各不純物の濃度を上記方法により測定した。結果を表1に示す。 表1に示すように、尿素水原液中の不純物(ビウレット、トリウレット、グアニジン、金属)が一括して低減された。また、精製された尿素水のpH値の大きな変動はなかった。 尿素水原液を酸性カチオン交換樹脂で処理した後に塩基性アニオン交換樹脂で処理することを特徴とする高純度尿素水の製造方法。 【課題】比較的簡単な方法により、前述の金属イオンと閉塞原因物質とを一挙に除去することが出来、しかも、pH値の変動が抑制された高純度尿素水の製造方法を提供する。【解決手段】尿素水原液を酸性カチオン交換樹脂で処理した後に強塩基性アニオン交換樹脂で処理する。【選択図】なし


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特許公報(B2)_高純度尿素水の製造方法

生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_高純度尿素水の製造方法
出願番号:2011084223
年次:2015
IPC分類:B01D 53/56,B01D 53/94,C07C 273/16,C07C 275/02


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桑机 拓矢 藤野 哲士 古荘 三郎 JP 5715870 特許公報(B2) 20150320 2011084223 20110406 高純度尿素水の製造方法 日本化成株式会社 000230652 日本錬水株式会社 000232863 岡田 数彦 100097928 桑机 拓矢 藤野 哲士 古荘 三郎 20150513 B01D 53/56 20060101AFI20150423BHJP B01D 53/94 20060101ALI20150423BHJP C07C 273/16 20060101ALI20150423BHJP C07C 275/02 20060101ALI20150423BHJP JPB01D53/34 129BB01D53/36 101ZC07C273/16C07C275/02 B01D 53/56 B01D 53/94 C07C 273/16 C07C 275/02 CAplus/REGISTRY(STN) 特開昭49−135924(JP,A) 米国特許第03903158(US,A) 特開2008−239574(JP,A) 特開2006−068680(JP,A) 国際公開第2010/013677(WO,A1) 国際公開第2009/032188(WO,A1) 1 2012219040 20121112 5 20140210 岩井 好子 本発明は高純度尿素水の製造方法に関する。 ディーゼルエンジン等の内燃機関の排気ガスに含まれるNOxを還元浄化する方法として、尿素水とSCR(Selective Catalytic Reduction、選択還元触媒)方式の触媒コンバータによりNOxを大幅に低減する方法が提案されている(特許文献1)。この尿素SCR方式は、尿素水を還元剤とし、これを前記SCR触媒コンバータに入る直前に排気ガスに混合させる方式であり、尿素は排気ガス中でアンモニアに変化し、SCR触媒コンバータ内で排気ガス中のNOxがアンモニアと結びついて水と無害な窒素に分解されるので、排気ガスのクリーン化に有望な技術とされている。 SCR脱硝(車載)用尿素水のISO規格ISO22241−1によれば、10種類のカチオン成分に関して上限濃度が0.2ppm(銅、亜鉛など4種)と0.5ppm(ナトリウム、カルシウムなど6種)と定められている。 高純度尿素水の製造方法として、H型強酸性カチオン交換樹脂の単床カラムに濃度30〜50質量%の尿素水原液を連続的に通液する方法が提案されている(特許文献2)。斯かる方法によれば、Ca、Fe、NaおよびKの濃度がそれぞれ0.5ppm以下である高純度尿素水が得られるとのことである。また、ここには、H型強酸性カチオン交換樹脂とOH型強塩基性アニオン交換樹脂の混床を使用する方法は尿素水の精製には不適であるとの比較例がある。そして、その理由としては、アニオン交換樹脂の再生に使用した水酸化ナトリウムが樹脂に残留していることが原因と思われる、Naイオンが微量であるがカラムから溶出する点が挙げられている。 また、尿素水をSCR触媒へ導入する配管は、尿素水を噴霧状に導入する必要があるため細管であることが要求される。そこで、導入配管の閉塞原因物質として、グアニジン、ビウレット等の不純物が除去された尿素水が提案されている(特許文献3)。そして、ここには、グアニジンの濃度に関してはイオン交換樹脂によりグアニジンを吸着分離する方法、ビウレットの濃度に関しては尿素工程液の精製条件を管理して尿素からビウレットへの生成反応を抑制する方法が教示されている。 更に、尿素水に含まれる遊離アンモニアは溶液のpH値を高めるために、タンク、その他の配管材料である金属に対してアルカリ腐食を引き起こす虞れが高い。一方、余りに低いpH値は尿素の分解を引き起こす虞れが高い。従って、精製された尿素水のpH値は、尿素水本来のpH値(8〜9)より大きく変動せずに8〜10が望ましい。特開2004−290835号公報特開2006−068680号公報特開2007−145796号公報 本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、その目的は、比較的簡単な方法により、前述の金属イオンと閉塞原因物質とを一挙に除去することが出来、しかも、pH値の変動が抑制された高純度尿素水の製造方法を提供することにある。 すなわち、本発明の要旨は、尿素水原液を酸性カチオン交換樹脂で処理した後に塩基性アニオン交換樹脂で処理することを特徴とする選択還元触媒脱硝用高純度尿素水の製造方法に存する。 本発明によれば前記の課題が解決される。 以下、本発明を詳細に説明する。 尿素水原液に使用される尿素としては、肥料用途などの種々の尿素原料が挙げられる。一方、水としては、電気伝導度が50〜100μS/cmの水を使用するのが好ましい。一般には、工業用水あるいは水道水の電気伝導度は、この範囲内に収まるものである。尿素濃度は通常30〜50重量%である。 イオン交換樹脂としては、ゲル型、ポーラス型、ハイポーラス型のものが知られているが、そのいずれであってもよい。 本発明においては、尿素水原液を酸性カチオン交換樹脂で処理した後に塩基性アニオン交換樹脂で処理する。従って、尿素水原液を下向き流として通液させる場合は、通液カラムの下部に塩基性アニオン交換樹脂を充填し、その上部に酸性カチオン交換樹脂を充填する必要がある。本発明においては、このように両交換樹脂を複床として使用することが重要であり、混床として使用した場合は本発明の目的を達成することが出来ない。なお、本発明において、酸性カチオン交換樹脂と強塩基性アニオン交換樹脂とをそれぞれ別の通液カラムに充填して使用してもよい。 尿素水原液中の金属イオン、アンモニウムイオン、グアニジンは酸性カチオン交換樹脂でイオン交換され(H+が放出)、尿素水原液中のビウレット、トリウレット等は強塩基性アニオン交換樹脂でイオン交換される(OH−が放出)。塩基性アニオン交換樹脂を先行させた場合は、尿素水原液のpH値が上昇して重金属イオンが塩を形成して析出する虞れがある。この点は、酸性カチオン交換樹脂と塩基性アニオン交換樹脂とを混床として使用した場合についても同様である。また、酸性カチオン交換樹脂のみの処理では、H+の放出によりpH値が低下するが、その後の塩基性アニオン交換樹脂処理によるOH−により、pH値の大幅な変動は抑制される。 酸性カチオン交換樹脂と塩基性アニオン交換樹脂の使用割合は、カチオン交換またはアニオン交換される前記の不純物の量比によって適宜決定される。尿素水原液の通液速度(SV)は、通常1〜15程度であり、尿素水原液の処理可能量は原料の純度に依存するが、通常の原料の範囲では、イオン交換樹脂の容量の100倍以上の処理が可能である。 次に、実施例により、本発明を更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。<尿素水原液の調製> 60℃に加温した純水1350gをマグネットスターラーで撹拌しながら、工業尿素650gを添加し、尿素を完全に溶解させ32.5重量%の尿素水とした。次いで、試薬のビウレット(関東化学社製 試薬特級)、塩化ナトリウム(和光純薬社製 試薬特級)、塩化カルシウム(和光純薬社製 試薬特級)、硫酸銅(II)五水和物(米山化学工業社製 試薬1級)を少量加えた。 得られた尿素水原液中のビウレット及びトリウレットの濃度は、液体クロマトグラフィー法(検出限界10ppm)により、それぞれ、5000ppm及び1100ppm、グアニジン濃度はキャピラリー電気泳動法(検出限界10ppm)により84ppm、ナトリウム、カルシウム、銅の濃度はlCP−MS法(検出限界0.01ppm)により、それぞれ、2.9ppm、3.0ppm、2.8ppmであった。 実施例1: 直径10mm、高さ1000mmのガラスカラムの下部に予めHClによりH型に再生したカチオン交換樹脂SKlB(三菱化学社製)30mlを充填し、更に、その上に予めNaOHによりOH型に再生したアニオン交換樹脂SA10A(三菱化学社製)30mlを各イオン交換樹脂が混合しないように徐々に注ぎ、2層を形成した。定量ポンプを使用し、通液速度SV=5(1時間当りイオン交換樹脂の体積の5倍=150ml/h)で上向き流でガラスカラムに尿素水原液を通液した。ガラスカラムからの流出液を60ml毎にサンプリングし、300mlになるまで通液した。得られたサンプルの各不純物の濃度を上記方法により測定した。結果を表1に示す。 表1に示すように、尿素水原液中の不純物(ビウレット、トリウレット、グアニジン、金属)が一括して低減された。また、精製された尿素水のpH値の大きな変動はなかった。 尿素水原液を酸性カチオン交換樹脂で処理した後に塩基性アニオン交換樹脂で処理することを特徴とする選択還元触媒脱硝用高純度尿素水の製造方法。


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