生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_アルキルナフタレンの製造方法
出願番号:2011069104
年次:2012
IPC分類:C07C 2/66,C07C 15/24,B01J 29/70,C07B 61/00


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山田 剛 武田 義郎 JP 2012201650 公開特許公報(A) 20121022 2011069104 20110328 アルキルナフタレンの製造方法 ライオン株式会社 000006769 山田 剛 武田 義郎 C07C 2/66 20060101AFI20120925BHJP C07C 15/24 20060101ALI20120925BHJP B01J 29/70 20060101ALI20120925BHJP C07B 61/00 20060101ALN20120925BHJP JPC07C2/66C07C15/24B01J29/70 ZC07B61/00 300 5 OL 7 4G169 4H006 4H039 4G169AA02 4G169AA10 4G169BA07B 4G169CB25 4G169CB62 4G169CB66 4G169DA05 4G169ZA32B 4H006AA02 4H006AC22 4H006AD17 4H006BA09 4H006BA30 4H006BA33 4H006BA71 4H006BD10 4H006DA15 4H039CA19 4H039CF10アルキル化触媒を用いて、ナフタレンとアルキル化成分からアルキルナフタレンを高収率で製造する方法に関する。従来より、合成潤滑油としてのアルキルナフタレンは、一般に精製ナフタレンをアルキル化成分とアルキル化触媒によりアルキル化して製造されており、特開平6−9981、特開平11−209315、特開2002−20326等に開示されている。しかしながら、精製ナフタレン中にアルキル化触媒を被毒する窒素化合物が含まれていると、反応性が大きく低下する場合があった。本発明は、上記従来技術の課題に鑑み、これを解消しようとするものであり、必要最少量の触媒を用いて高いアルキル化反応を実現する、経済的且つ効率的な製造方法を提供することである。本発明者らは、上記従来の課題について、鋭意検討を行った結果、ナフタレンにアルキル化触媒を添加する前に酸性吸着剤を添加することで、触媒の被毒を未然に防止し、高収率のアルキル化反応を実現する本発明を完成するに至った。本発明は上記知見に基づいてなされたもので、下記構成からなる製造方法を提供する。〔1〕一反応槽にて、(1)ナフタレンと酸性吸着剤を混合し、ナフタレンに含有される窒素化合物を吸着除去した後、(2) アルキル化成分及びアルキル化触媒を添加してナフタレンをアルキル化することを特徴とする、アルキルナフタレンの製造方法〔2〕反応後、前記酸性吸着剤と前記アルキル化触媒を濾過により固液分離する請求項1記載のアルキルナフタレンの製造方法〔3〕前記酸性吸着剤が、活性白土及び/または、酸性白土である請求項1記載のアルキルナフタレンの製造方法〔4〕前記アルキル化触媒が、水素型ゼオライトYである請求項1記載のアルキルナフタレンの製造方法〔5〕前記アルキル化成分が炭素数12〜24のα-オレフィンである請求項1記載のアルキルナフタレンの製造方法 本製造法によると、ナフタレン原料に含まれた、触媒毒としての窒素化合物による反応阻害を受けずに、アルキルナフタレンの製造を高効率かつ経済的に製造できる。以下に、本発明の実施形態を詳しく説明する。本発明で用いるアルキルナフタレンの製造法としては、一反応槽にて、(1)ナフタレンと酸性吸着剤を混合し、ナフタレンに含有される窒素化合物を吸着除去した後、(2) アルキル化成分及びアルキル化触媒を添加してナフタレンをアルキル化することを特徴とする。本発明で用いる反応槽は、特に限定はしないが、ナフタレンの溶解、触媒毒吸着剤による吸着処理、アルキル化触媒によるアルキル化反応のために、固体、液体混合系でも攪拌可能な攪拌機が付いており、最高230℃までの昇温が可能なジャケット或いはコイルが付いており、更に、昇華したナフタレンの回収が可能な装置が付いていることが好ましい。本発明で反応に供するナフタレンは、精製ナフタレン、粗ナフタレンのどちらでもよい。本発明を採用することで、高価な触媒を増量することなく、比較的安価な吸着剤量の使用量を調整することで、高収率なアルキル化反応を達成できる。本発明で用いる吸着剤の種類としては、酸性の吸着剤がよく、アルカリ性や疎水性の吸着剤では効果を発揮しない。酸性吸着剤としては、活性白土、酸性白土、合成ゼオライトが好ましく、特に活性白土が好ましい。酸性白土は粘土鉱物のモンモリロナイトを主成分とし、活性白土は酸性白土を熱酸処理して得られるものである。また合成ゼオライトは結晶性のアルミノケイ酸塩である。具体的には、酸性白土として、ニッカナイト(東新化成製)、ミズカエース(水澤化学工業製)、活性白土として、活性白土E(東新化成製)、ガレオンアース(水澤化学工業製)、合成ゼオライトとして、ゼオスター(日本化学工業製)、ゼオラム(東ソー製)、キョーワード(協和化学工業製)等のような商品が挙げられる。酸性吸着剤は、固形ナフタレンと同時に反応槽に仕込んでから昇温を開始してもよいし、予め溶解しておいたナフタレンに添加してもよい。吸着処理温度は、ナフタレンが溶解する80℃以上であればよく、酸性吸着剤とナフタレンが固液混合していればよい。吸着時間は特に限定しないが80℃以上で10分間以上処理すればよい。本発明で用いるアルキル化触媒のゼオライトは、水素型ゼオライトYが好ましい。水素型ゼオライトYとは、粘土鉱物の酸処理により得られた活性ケイ酸又は活性アルミノケイ酸をシリカ原料として合成されたゼオライトである。具体的には、HSZ−300(東ソー製)、ミズカシーブス(水澤化学工業製)等のような商品が挙げられる。水素型ゼオライトYの添加量は、オレフィンに対して1〜15質量%、好ましくは、3〜10質量%である。本発明で用いるアルキル化剤としては、特に限定されるものでない。しかし、潤滑油、或いは真空ポンプ油としての用途には、炭素数12〜24のオレフィンを用いることが好ましく、より好ましくは炭素数14〜20のオレフィンである。具体的には、ドデセン、テトラデセン、ヘキサデセン、オクタデセン、アイコセン、ドコセン、テトラコセン及びこれらの混合物が挙げられる。炭素数が12未満のオレフィンでは、生成するアルキルナフタレンの沸点が低すぎ、また、炭素数が24を越えるオレフィンでは、生成するアルキルナフタレンの粘度が高く、流動点も高くなり、潤滑油としては好ましくない。本発明において、アルキル化反応におけるアルキル化剤とナフタレンのモル比は、好ましくは1:2〜1:8、より好ましくは、1:2〜1:6である。ナフタレンの割合が2未満であると、ジアルキルナフタレンの生成割合が増して好ましくない。またナフタレンの割合が8を越えてもモノアルキルナフタレンの生成割合は変わらない。アルキル化剤は上記モル比となるように一括添加して反応してもよいし、連続滴下により反応してもよい。アルキル化の反応温度は、150℃〜250℃、好ましくは180℃〜230℃で行うのがよく、反応時間は1〜10時間の範囲で行うのがよい。本発明では、上記炭素数12〜24のオレフィンとナフタレンのアルキル化反応後、濾過助剤としてKCフロックやセライトなどを反応物に添加し、酸性吸着剤やアルキル化触媒と一緒に100℃〜180℃で濾過することが望ましい。上記濾液に存在する未反応ナフタレン、及び未反応オレフィンを蒸留により回収し、蒸留残渣となるアルキルナフタレンを潤滑油などの製品として使用することができる。また、蒸留残渣であるアルキルナフタレンを更に減圧下、高温(Full.Vac、200℃以上)にして蒸留させた留出液は高品質グレードとして真空ポンプ油などの製品として使用することができる。本発明のアルキルナフタレンは、作動油、ギアー油、冷凍機油、コンプレッサー油、拡散ポンプ油、圧延油などの合成潤滑油として有用なものとなる。 以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。 実施例及び比較例に用いた試料成分を以下に示す。 ・ ナフタレン:商品名 Refined Naphthalene : PN C521A(CHINA STEEL CHEMICAL CORPORATION) 本ナフタレンはキノリン含有量が360ppmであった。 キノリンは窒素化合物でありアルキル化触媒の被毒成分である。尚、キノリンの定量は、(株)三井化学分析センターに依頼して行った。・活性白土:活性白土E(東新化成製)、ガレオンアースV2R(水澤化学工業株式会社) ・ ゼオライト触媒:HSZ−300(東ソー製)、ミズカシーブスLCN(水澤化学工業株式会社) ・α−オレフィン:リニアレン168、リニアレン14(出光興産株式会社) ・濾過助剤:KCフロック W−50S(日本製紙ケミカル株式会社)、セライト545(昭和化学株式会社)(実施例1)ナフタレン(キノリン含有360ppm)262gと活性白土(活性白土E(東新化成製))4.8gを100℃で1時間、攪拌混合し、キノリンを吸着処理した。続いて、ゼオライト触媒(HSZ−300(東ソー製))4.8gを添加後、液温を210℃まで昇温し、炭素鎖長16〜18のα−オレフィン(リニアレン168)119gを3時間かけて滴下した。210℃で2時間熟成後、100℃まで冷却し濾過助剤としてKCフロック及び、セライトを添加し、攪拌した。攪拌混合後、加圧0.3MPaGにより活性白土とゼオライト触媒をKCフロック、セライトと共に濾過除去した。得られた濾液の未反応α−オレフィンをGC測定し、AO転化率(反応率)を求めた。(実施例2)活性白土をガレオンアースV2Rとし、ゼオライト触媒をミズカシーブスLCNに変更した以外は実施例1と同一条件にて反応し、ろ過処理し、AO転化率(反応率)を求めた。GC測定方法は以下の通りである。GC条件: 充填剤 Chromosorb WAW DMCS、カラム 内径32mm×長さ0.6m検出器: FID、キャリアーガス: Heカラム温度: 80℃ → 昇温8℃/min → 320℃、15min.注入口温度: 320℃、検出器温度: 320℃試料注入量: 1μL (ヘキサン10重量%溶液)尚、C16及びC18AOの質量%の計算は 内部標準として使用したC14AOの検量線から求めた。 アルファオレフィン(以下、AOと略す)の転化率の計算は以下のようにして求めた。また式中の用語の意味は以下の通りである。 AO転化率(%)=〔A−(B×C)〕÷A×100尚、上式でA=C168AO仕込量÷(C168AO仕込量+NP仕込量)×100 即ち、Aは仕込み原料中のC168AOの質量%である。 B=内部標準試料(C14AO)仕込量÷反応生成物濾液量×100 ここでC14AOは内部標準試料として反応生成物の濾液に後添加したものである。従って、Bはガスクロ分析試料中のC14AOの質量%である。 C=(C16AO及びC18AOのピーク面積の和)÷C14AOのピーク面積 即ち、Cは反応生成物中のC16AO及びC18AOと内部標準試料のC14AOの存在比率である。 従って、 〔A−(B×C)〕は、仕込み原料中のC168AOの質量%と、反応生成物中の C168AOの質量%の差を表す。 用語は以下である。 C168AO:リニアレン168(炭素鎖長16と炭素鎖長18のα−オレフィンの混 合物)、 NP:ナフタレン、 C16AO:炭素鎖長16のα−オレフィン、 C18AO:炭素鎖長18のα−オレフィン、 C14AO:リニアレン14(炭素鎖長14のα−オレフィン)(比較例1)ナフタレン(キノリン含有360ppm)262gにゼオライト触媒(HSZ−300(東ソー製))4.8gを添加後、液温を210℃まで昇温し、炭素鎖長16〜18のα−オレフィン(リニアレン168)119gを3時間かけて滴下した。以後の熟成、及び濾過は実施例1と同様に行った。 表1に実施例、比較例を示す。表1から、ナフタレンに触媒毒(窒素化合物のキノリン)が含まれていても、触媒添加前に吸着剤を添加するだけの簡便な方法により、反応率を飛躍的に向上させることが可能になることがわかる。一反応槽にて、(1)ナフタレンと酸性吸着剤を混合し、ナフタレンに含有される窒素化合物を吸着除去した後、(2) アルキル化成分及びアルキル化触媒を添加してナフタレンをアルキル化することを特徴とする、アルキルナフタレンの製造方法反応後、前記酸性吸着剤と前記アルキル化触媒を濾過により固液分離する請求項1記載のアルキルナフタレンの製造方法前記酸性吸着剤が、活性白土及び/または、酸性白土である請求項1記載のアルキルナフタレンの製造方法前記アルキル化触媒が、水素型ゼオライトYである請求項1記載のアルキルナフタレンの製造方法前記アルキル化成分が炭素数12〜24のα-オレフィンである請求項1記載のアルキルナフタレンの製造方法 【課題】 ナフタレンとアルキル化成分を、アルキル化触媒を用いてアルキル化しアルキルナフタレンを製造する際、ナフタレン原料に含まれる触媒毒を、反応前の簡便な方法により無毒化することにより、高いアルキル化反応を実現する製造方法を提供する。【解決手段】触媒毒を含むナフタレンにアルキル化触媒を添加する前に、酸性吸着剤を添加することにより窒素化合物の触媒毒を吸着除去し、アルキル化触媒の被毒を未然に防止して高いアルキル化反応を実現させる。【選択図】なし


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