生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_光ファイバ複合架空地線の寿命予測方法。
出願番号:2011067077
年次:2012
IPC分類:G01N 17/00,H02G 1/02,G02B 6/44


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磯崎 正則 鈴木 正義 鈴木 貴雄 JP 2012202792 公開特許公報(A) 20121022 2011067077 20110325 光ファイバ複合架空地線の寿命予測方法。 東京電力株式会社 000003687 三谷 惠 100100516 磯崎 正則 鈴木 正義 鈴木 貴雄 G01N 17/00 20060101AFI20120925BHJP H02G 1/02 20060101ALI20120925BHJP G02B 6/44 20060101ALI20120925BHJP JPG01N17/00H02G1/02 321AG02B6/44 366 2 1 OL 8 2G050 2H001 2G050AA04 2G050BA02 2G050CA03 2G050DA03 2G050EA06 2H001BB01 2H001DD04 2H001FF02 2H001KK06 2H001KK19 2H001KK24 本発明は、光ファイバ複合架空地線(OPtical Ground Wire, OPGW)の寿命を予測する光ファイバ複合架空地線の寿命予測方法に関する。 架空地線は、送電線を雷から保護するとともに電磁誘導障害や電波障害を緩和するものであり、最近では、架空地線の中心に通信用光ファイバーを収納した光ファイバ複合架空地線(OPtical Ground Wire, OPGW)が採用されることが多くなっている。 光ファイバ複合架空地線の懸垂クランプには、鉄塔と接続してアースをとるための地線用ボンド線が設けられている。すなわち、地線用ボンド線は、雷電流や常時誘導電流、地絡時の故障電流を大地に逃すために光ファイバ複合架空地線の懸垂箇所に設置されており、許容電流や施工性の観点から、電流容量に応じて1本または2本の硬銅より線が地線用ボンド線として設置されている。また、光ファイバ複合架空地線にはアルミ覆鋼線が使われている。 図4は、光ファイバ複合架空地線の懸垂クランプと鉄塔とが地線用ボンド線で接続される部分の一部切欠平面図である。光ファイバ複合架空地線11は懸垂クランプ12で懸垂されて鉄塔13に取り付けられている。この光ファイバ複合架空地線11の懸垂クランプ12と鉄塔13との間には、地線用ボンド線14が取り付けられる。この地線用ボンド線14により、光ファイバ複合架空地線11は鉄塔13にアースされる。 図5は地線用ボンド線14の説明図であり、図5(a)は正面図、図5(b)は平面図である。地線用ボンド線14は硬銅より線15の両端に接続金具16が取り付けられて形成されている。接続金具16は取付穴17を有し、この取付穴17に懸垂クランプ12及び鉄塔13のボルトが挿入され、ナットで締め付けられて取り付けられる。 地線用ボンド線には硬銅より線が使用され、光ファイバ複合架空地線にはアルミ覆鋼線が使用されているので、地線用ボンド線14の直下における光ファイバ複合架空地線には、地線用ボンド線を伝う銅イオンを含んだ雨水が流入し、銅イオンとアルミとが異種金属接触を起こし、アルミが腐食する事例が散見されている。この腐食は、光ファイバ複合架空地線のアルミ管の穴あきの原因となり、光ファイバの不通現象を起こしている。 図6は光ファイバ複合架空地線の腐食の説明図であり、図6(a)は光ファイバ複合架空地線の断面図、図6(b)は光ファイバ複合架空地線のアルミ管の腐食経緯の説明図、図6(c)は腐食した光ファイバ複合架空地線の断面図である。 図6(a)に示すように、光ファイバ複合架空地線はアルミ管18の中に複数の光ファイバケーブル19が収納され、アルミ管18の外周に複数のアルミ覆鋼線20が配置されている。 光ファイバ複合架空地線のアルミ管の腐食は、図6(b)に示す経緯で進行する。まず、地線用ボンド線を伝う銅イオンを含んだ雨水21が、光ファイバ複合架空地線のアルミ管(AI管)18とアルミ覆鋼線(AC管)20との間に流入すると、アルミ管(AI管)18とアルミ覆鋼線(AC管)20との腐食が進行し、最終的にアルミ管(AI管)18に孔食が発生する。そして、孔食によりアルミ管(AI管)18に銅イオンを含んだ雨水21が流入すると、腐食生成物22や気温の低下時に凍結膨張した雨水により光ファイバケーブル19を圧迫し、光ファイバケーブル19の断芯に至ることがある。 そこで、光ファイバ複合架空地線アルミ管の穴あきを高精度に特定し、改修(張り替え)する区間を短くでき、改修費用の削減、工期の短縮を可能としたものがある(例えば、特許文献1参照)。 また、電線腐食の対象箇所と同等の構成を有し対象箇所と同等の状態を模擬できる基準対象物を用いて、電気抵抗と腐食との関係のデータを取得してそのデータを対象箇所における基準データとし、架設電線から電気的接触を取って電気抵抗を測定し、取得された実測電気抵抗データと基準データとを比較することにより、架設電線の腐食の変化を得て対象箇所における腐食の程度を診断するようにしたものがある(例えば、特許文献2参照)。特開2007−192837号公報特開2005−33926号公報 しかし、特許文献1のものは、光ファイバ複合架空地線アルミ管の穴あきを高精度に特定していくものであり、腐食の対象箇所が予め分かっている地線用ボンド線14の直下における光ファイバ複合架空地線の寿命予測には適さない。 また、特許文献2のものは、電線腐食の対象箇所における腐食の程度を診断するものであるが、電線腐食の対象箇所を電気的接触を取って電気抵抗を測定して特定していくことになるので、腐食の対象箇所である地線用ボンド線14の直下における光ファイバ複合架空地線の電気抵抗を測定しなければならない。地線用ボンド線の設置数は膨大であり、地線用ボンド線14の直下における光ファイバ複合架空地線の電気抵抗を測定することは現実的でない。 地線用ボンド線14の直下における光ファイバ複合架空地線は、腐食環境と経過年数により腐食の程度が異なるが、その腐食の程度を診断できると、光ファイバ複合架空地線の張替時期を明確にすることができ設備の信頼性を向上できる。 本発明の目的は、地線用ボンド線の直下における光ファイバ複合架空地線の腐食の程度を低コストで診断し、その寿命を精度良く予測できる光ファイバ複合架空地線の寿命予測方法を提供することである。 請求項1の発明に係る光ファイバ複合架空地線の寿命予測方法は、光ファイバ複合架空地線を配置した懸垂クランプに地線用ボンド線を取り付けた複数の供試体を用意し、複数の異なる腐食環境にそれぞれ対応した特性の異なる腐食溶液を用意し、各々の供試体に対して特性の異なる腐食溶液の吹き付けと乾燥とのサイクルを繰り返し加速試験を行い、前記加速試験中に前記光ファイバ複合架空地線の光ファイバを収納したアルミ管の孔食深さの時系列データを測定し、複数の異なる腐食環境毎に時間を関数とした加速試験での前記孔食深さのグラフを作成し、加速試験での前記孔食深さのグラフを腐食倍率に基づいて実際の前記孔食深さのグラフに換算し、換算した前記孔食深さのグラフに基づいて前記腐食環境毎に光ファイバ複合架空地線の寿命を予測することを特徴とする。 請求項2の光ファイバ複合架空地線の寿命予測方法は、請求項1の発明において、実際の光ファイバ複合架空地線を回収したときは、前記光ファイバ複合架空地線の前記孔食深さを測定し、実際の光ファイバ複合架空地線が使用された腐食環境、使用期間及び測定した孔食深さに基づいて、換算された前記孔食深さのグラフを補正することを特徴とする。 請求項1の発明によれば、光ファイバ複合架空地線を配置した懸垂クランプに地線用ボンド線を取り付けた複数の供試体に対し、特性の異なる腐食溶液の吹き付けと乾燥とのサイクルを繰り返し加速試験を行い、複数の異なる腐食環境毎に時間を関数とした加速試験での孔食深さのグラフを作成し、加速試験での孔食深さのグラフを腐食倍率に基づいて実際の孔食深さのグラフに換算した孔食深さのグラフを求め、腐食環境毎に光ファイバ複合架空地線の寿命を予測するので、地線用ボンド線の直下における光ファイバ複合架空地線の電気抵抗を測定することなく、光ファイバ複合架空地線の腐食の程度を低コストで診断でき、その寿命を精度良く予測できる。 請求項2の発明によれば、実際の光ファイバ複合架空地線を回収したときは、その回収した光ファイバ複合架空地線の孔食深さを測定し、実際の光ファイバ複合架空地線が使用された腐食環境、使用期間及び測定した孔食深さに基づいて、換算された孔食深さのグラフを補正するので、その診断の精度を向上させることができ、光ファイバ複合架空地線寿命の精度をより向上させることができる。本発明の実施形態に係る光ファイバ複合架空地線の寿命予測方法の一例を示すフローチャート。本発明の実施形態における加速試験での孔食深さの一例を示すグラフ。図2に示した加速試験での孔食深さのブラフを腐食倍率に基づいて換算した実際の孔食深さの一例のグラフ。光ファイバ複合架空地線の懸垂クランプと鉄塔とが地線用ボンド線で接続される部分の一部切欠平面図。地線用ボンド線14の説明図。光ファイバ複合架空地線の腐食の説明図。 以下、本発明の実施形態を説明する。図1は本発明の実施形態に係る光ファイバ複合架空地線の寿命予測方法の一例を示すフローチャートである。まず、光ファイバ複合架空地線を配置した懸垂クランプに地線用ボンド線を取り付けた複数の供試体を用意する(S1)。この供試体は、懸垂クランプに所定長さの光ファイバ複合架空地線を配置し、懸垂クランプに地線用ボンド線を取り付けて、複数のものを用意する。 次に、複数の異なる腐食環境にそれぞれ対応した特性の異なる腐食溶液を用意する(S2)。例えば、腐食溶液としては、臨海工業地帯を想定したNaCl濃度5%でpH2の溶液(腐食溶液A)、海塩少なく汚染ガス濃度の高い環境を想定したNaCl濃度1%でpH2の溶液(腐食溶液B)、一般的な海岸近接地帯を想定したNaCl濃度5%でpH4の溶液(腐食溶液C)、比較的汚損程度の小さい環境を想定したNaCl濃度1%でpH4の溶液(腐食溶液D)を用意する。 このように、4種類の特性の異なる腐食溶液A、B、C、Dを用意したときは、それに対応して4個の供試体を用意し、各々の供試体に対して腐食溶液A、B、C、Dの吹き付けと乾燥とのサイクルを繰り返し加速試験を行う(S3)。すなわち、供試体aに対して腐食溶液Aを吹き付け、供試体bに対して腐食溶液Bを吹き付け、供試体cに対して腐食溶液Cを吹き付け、供試体dに対して腐食溶液Dを吹き付け、この吹き付けと乾燥とのサイクルを繰り返し加速試験を行う。 この加速試験中に光ファイバ複合架空地線の光ファイバを収納したアルミ管の孔食深さの時系列データを測定する(S4)。この場合、供試体a、b、c、dごとにアルミ管の孔食深さの時系列データを測定する。 そして、供試体a、b、c、dごとにアルミ管の孔食深さの時系列データを横軸を時間としたグラフにプロットして、複数の異なる腐食環境毎に時間を関数とした加速試験での孔食深さのグラフを作成する(S5)。 図2は、加速試験での孔食深さの一例を示すグラフである。縦軸は供試体a、b、c、dの孔食深さ、横軸は実験時間(日)である。アルミ管の厚さは、標準アルミ厚よりやや大きくした300μmとした場合を示している。孔食深さがアルミ管の標準アルミ厚に達するまでの時間は、供試体aの場合は約25日、供試体bの場合は約31日、供試体cの場合は約45日、供試体dの場合は約47日であった。 次に、このようにして作成した加速試験での孔食深さのグラフを腐食倍率に基づいて実際の孔食深さのグラフに換算する(S6)。 腐食倍率は、実際の光ファイバ複合架空地線を回収したときは、光ファイバ複合架空地線の孔食深さを測定し、加速試験での孔食深さと比較して求める。一方、実際の光ファイバ複合架空地線を回収できないときは理論値として求める。理論値として求めた場合には、実際の光ファイバ複合架空地線を新たに回収したときは、その回収した光ファイバ複合架空地線の使用された腐食環境、使用期間及び測定した孔食深さに基づいて、換算された孔食深さのグラフを補正する。これにより、より精度の高い実際の孔食深さのグラフを得られる。 図3は、図2に示した加速試験での孔食深さのブラフを腐食倍率に基づいて換算した実際の孔食深さの一例のグラフである。縦軸は供試体a、b、c、dの孔食深さ、横軸は経過時間(年)である。すなわち、腐食倍率に基づき、孔食深さがアルミ管の標準アルミ厚に達するまでの時間が長くなっている。孔食深さがアルミ管の標準アルミ厚に達するまでの時間は、供試体aの場合は約20年、供試体bの場合は約30年、供試体cの場合は約48年、供試体dの場合は約58年である。 そして、図3に示す換算した孔食深さのグラフに基づいて、腐食環境毎に光ファイバ複合架空地線の寿命を予測する。例えば、供試体aの環境下(臨海工業地帯の環境下)の地線用ボンド線の直下における光ファイバ複合架空地線の場合には、使用期間が10年であれば孔食深さは約190μmであることが分かり、使用期間が20年で孔食深さがアルミ管の標準アルミ厚に達するので、余寿命は約10年であることが分かる。 このように、腐食環境と経過年数とにより、腐食している可能性を評価することが可能となる。これにより、対象設備全体の点検・張替計画の立案が可能となる。11…光ファイバ複合架空地線、12…懸垂クランプ、13…鉄塔、14…地線用ボンド線、15…硬銅より線、16…接続金具、17…取付穴、18…アルミ缶、19…光ファイバケーブル、20…アルミ覆鋼線、21…雨水、22…腐食生成物 光ファイバ複合架空地線を配置した懸垂クランプに地線用ボンド線を取り付けた複数の供試体を用意し、 複数の異なる腐食環境にそれぞれ対応した特性の異なる腐食溶液を用意し、 各々の供試体に対して特性の異なる腐食溶液の吹き付けと乾燥とのサイクルを繰り返し加速試験を行い、 前記加速試験中に前記光ファイバ複合架空地線の光ファイバを収納したアルミ管の孔食深さの時系列データを測定し、 複数の異なる腐食環境毎に時間を関数とした加速試験での前記孔食深さのグラフを作成し、 加速試験での前記孔食深さのグラフを腐食倍率に基づいて実際の前記孔食深さのグラフに換算し、 換算した前記孔食深さのグラフに基づいて前記腐食環境毎に光ファイバ複合架空地線の寿命を予測することを特徴とする光ファイバ複合架空地線の寿命予測方法。 実際の光ファイバ複合架空地線を回収したときは、前記光ファイバ複合架空地線の前記孔食深さを測定し、実際の光ファイバ複合架空地線が使用された腐食環境、使用期間及び測定した孔食深さに基づいて、換算された前記孔食深さのグラフを補正することを特徴とする請求項1記載の光ファイバ複合架空地線の寿命予測方法。 【課題】 地線用ボンド線の直下における光ファイバ複合架空地線の腐食の程度を低コストで診断し、その寿命を精度良く予測することである。【解決手段】光ファイバ複合架空地線を配置した懸垂クランプに地線用ボンド線を取り付けた複数の供試体を用意し、複数の異なる腐食環境にそれぞれ対応した特性の異なる腐食溶液を用意し、各々の供試体に対して特性の異なる腐食溶液の吹き付けと乾燥とのサイクルを繰り返し加速試験を行い、加速試験中に光ファイバ複合架空地線の光ファイバを収納したアルミ管の孔食深さの時系列データを測定し、複数の異なる腐食環境毎に時間を関数とした加速試験での孔食深さのグラフを作成し、加速試験での孔食深さのグラフを腐食倍率に基づいて実際の孔食深さのグラフに換算し、換算した孔食深さのグラフに基づいて腐食環境毎に光ファイバ複合架空地線の寿命を予測することを特徴とする。【選択図】 図1


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