生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_アロマターゼ活性化剤
出願番号:2011036593
年次:2012
IPC分類:A61K 36/18,A61P 43/00,A61P 25/24,A61P 19/08,A61P 15/12,A61P 5/30,A61P 3/06,A61K 8/97,A61Q 1/00,A61Q 19/00,A61P 17/00,A23K 1/16,A23L 1/30


特許情報キャッシュ

角尾 進悟 一ノ瀬 進 JP 2012171931 公開特許公報(A) 20120910 2011036593 20110223 アロマターゼ活性化剤 花王株式会社 000000918 特許業務法人アルガ特許事務所 110000084 有賀 三幸 100068700 高野 登志雄 100077562 中嶋 俊夫 100096736 村田 正樹 100117156 山本 博人 100111028 角尾 進悟 一ノ瀬 進 A61K 36/18 20060101AFI20120814BHJP A61P 43/00 20060101ALI20120814BHJP A61P 25/24 20060101ALI20120814BHJP A61P 19/08 20060101ALI20120814BHJP A61P 15/12 20060101ALI20120814BHJP A61P 5/30 20060101ALI20120814BHJP A61P 3/06 20060101ALI20120814BHJP A61K 8/97 20060101ALI20120814BHJP A61Q 1/00 20060101ALI20120814BHJP A61Q 19/00 20060101ALI20120814BHJP A61P 17/00 20060101ALI20120814BHJP A23K 1/16 20060101ALI20120814BHJP A23L 1/30 20060101ALN20120814BHJP JPA61K35/78 CA61P43/00 111A61P25/24A61P19/08A61P15/12A61P5/30A61P3/06A61K8/97A61Q1/00A61Q19/00A61P17/00A23K1/16 304CA23L1/30 B 3 OL 8 2B150 4B018 4C083 4C088 2B150AA01 2B150AA06 2B150AA07 2B150AA10 2B150DD40 2B150DD56 2B150DD57 4B018MD48 4B018ME14 4B018MF01 4C083AA111 4C083AA112 4C083BB51 4C083CC02 4C083CC11 4C083EE12 4C083FF01 4C088AB12 4C088AC05 4C088AC06 4C088AC11 4C088BA07 4C088BA08 4C088CA08 4C088CA09 4C088MA16 4C088MA22 4C088MA23 4C088MA28 4C088MA31 4C088MA35 4C088MA37 4C088MA41 4C088MA43 4C088MA52 4C088MA57 4C088MA63 4C088MA66 4C088NA14 4C088ZA12 4C088ZA81 4C088ZA97 4C088ZC02 4C088ZC11 4C088ZC33 本発明は、アロマターゼの活性を増強するアロマターゼ活性化剤に関する。 アロマターゼは、性ステロイドホルモン生合成経路の最終段階を触媒し、アンドロゲンからエストロゲンを生合成する、唯一のエストロゲン合成酵素として知られている。アロマターゼは、体内に広く分布するが、厳密な組織特異的発現調節を受けており、この発現調節機構は、I.1型(胎盤)、I.2型(胎盤)、I.3型(脂肪組織、乳がん)、I.4型(皮膚、脂肪組織、骨、胎児)、I.5型(胎児)、I.6型(骨)、I.7型(乳がん)、PII型(卵巣、脂肪組織、乳がん)、I.f型(脳)等の多種のタイプに分けることができる(非特許文献1)と考えられている。 アロマターゼによって生合成されるエストロゲンは、一般的に女性ホルモンとも云われ、17β−エストラジオール、エストロン、エストリオール等の存在が知られている。 このエストロゲンは、子宮内膜の増殖(非特許文献2)、性機能の調節(非特許文献3)、骨代謝の調節(非特許文献3)、脂質代謝の調節(非特許文献2)、肌状態(非特許文献2)、表皮細胞の増殖(非特許文献4)等様々な生理機能に関与している。 例えば、加齢(年齢の増加)や卵巣機能の低下等に伴って、体内のエストロゲン分泌能が低下してエストロゲンが欠乏し、更年期障害、性機能低下、自律神経失調症、脂質代謝異常、血管運動障害、骨粗しょう症等の症状や、肌トラブル、表皮細胞増殖能の低下等の症状が現れることが知られている。 このため、体内でのエストロゲンの産生能を高めることができれば、上記エストロゲン欠乏に起因する各種症状の予防、改善又は治療が可能であると考えられている。 そこで、アロマターゼの活性を促進することによって、上記症状を改善する植物等に関して、種々のものが検討されている(特許文献1〜4)が、更なるアロマターゼ活性化剤が期待されている。 セイロンマツリはイソマツ科の常緑の低木で、発汗を促進する作用を有することや、赤痢等の感染症や消化器疾患に用いられることが知られている。また、外用的には抗刺激薬としてリウマチ痛や慢性的な皮膚の掻痒症状に用いられることが知られている(非特許文献5)。 しかしながら、セイロンマツリとアロマターゼ活性との関係については知られていない。特開2005−343872号公報特開2005−343873号公報特開2008−63270号公報特開2008−81440号公報Regulation of aromatase expression in estrogen−responsive breast and uterine disease: From bench to treatment.,Bulun SE,Lin Z,Imir G,Amin S,Demura M,Yilmaz B,Martin R,Utsunomiya H,Thung S,Gurates B,Tamura M,Langoi D,Deb S.,Pharmacol Rev.2005 Sep;57(3):359−83.からだの科学 No 219 2001 日本評論社女性ホルモンの作用と性差の出現 玉舎輝彦著 金芳堂 2006年Female sex hormone stimulates cultured human keratinocyte proliferation and its RNA− and protein−synthetic activities:R Urano, K Sakabe, K Seiki,M Ohkido,J.Dermatol.Science,1995,vol.9:176−184世界薬用植物百科辞典 アンドリュー・シェヴァリエ著 株式会社誠文堂新光社 2000年 本発明は、アロマターゼ活性化剤を提供することに関する。 本発明者は、天然物由来であってアロマターゼ活性化作用を有する物質について鋭意研究を重ねた結果、セイロンマツリ又はその抽出物に、アロマターゼ、特に線維芽細胞に存在するアロマターゼを活性化する作用があることを見出した。 すなわち、本発明は、セイロンマツリ又はその抽出物を有効成分とするアロマターゼ活性化剤に係るものである。 本発明のアロマターゼ活性化剤は、天然由来であるので安全性が高く、また、エストロゲン生成を促進させることから、体内のエストロゲン欠乏に起因する各種症状の予防、改善又は治療の効果を発揮し得る医薬品、医薬部外品、化粧品、食品として、或いはこれらへ配合するための素材又は製剤として有用である。 本明細書において、「非治療的」とは、医療行為、すなわち治療による人体への処理行為を含まない概念である。 本明細書において、「改善」とは、疾患、症状又は状態の好転、疾患、症状又は状態の悪化の防止又は遅延、あるいは疾患又は症状の進行の逆転、防止又は遅延をいう。 本明細書において、「予防」とは、個体における疾患若しくは症状の発症の防止又は遅延、あるいは個体の疾患若しくは症状の発症の危険性を低下させることをいう。 本明細書において、「セイロンマツリ」とは、イソマツ科のセイロンレドワート(Plumbago zeylanica L.)を指す。また、「セリロンマツリの抽出物」とは、セリロンマツリから得られた抽出物を意味する。 斯かる植物は、いずれの任意の部位、例えば全草、葉、茎、芽、花、蕾、木質部、樹皮、地衣体、根、根茎、仮球茎、球茎、塊茎、種子、果実、菌核若しくは樹脂等、又はそれらの組み合わせを使用することができるが、葉や根、樹皮を用いるのが好ましい。 セイロンマツリは、そのまま又は乾燥・粉砕等して用いることができる。また、上記部位は、そのまま抽出工程に付されてもよく、又は粉砕、切断若しくは乾燥された後に抽出工程に付されてもよい。該抽出物は天然成分由来であり安全性も高い。 抽出物を得る抽出手段は、具体的には、固液抽出、液液抽出、浸漬、煎出、浸出、還流抽出、超音波抽出、マイクロ波抽出、攪拌等の手段を用いることができる。抽出時間を短縮する場合には、攪拌を伴う固液抽出が望ましい。この固液抽出の好適な条件の一例としては、100〜400r/minで1〜30分間の攪拌が挙げられる。 抽出物の酸化を防止するため、煮沸脱気や窒素ガス等の不活性ガスを通気して溶存酸素を除去しつつ、いわゆる非酸化的雰囲気下で抽出する手段を併用してもよい。 抽出のための溶剤には、極性溶剤、非極性溶剤のいずれをも使用することができる。溶剤の具体例としては、例えば、水;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類;プロピレングリコール、ブチレングリコール等の多価アルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等の鎖状及び環状エーテル類;ポリエチレングリコール等のポリエーテル類;スクワラン、ヘキサン、シクロヘキサン、石油エーテル等の炭化水素類;トルエン等の芳香族炭化水素類;ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類;及び超臨界二酸化炭素;ピリジン類;油脂、ワックス等その他オイル類等の有機溶剤;ならびにこれらの混合物が挙げられる。好適には、水、アルコール類、アルコール−水混合液、炭化水素類が挙げられ、アルコール−水混合液、炭化水素類がより好ましい。アルコール類としては炭素数1〜5のアルコール類が好ましく、エタノールがより好ましい。炭化水素類としてはヘキサンが好ましい。 抽出のための溶剤としてアルコール−水混合液を使用する場合には、アルコール類と水との配合割合(容量比)としては、0.001〜100:99.999〜0が好ましく、5〜95:95〜5がより好ましく、20〜80:80〜20がさらに好ましく、30〜70:70〜30がさらにより好ましく、40〜60:60〜40がなお好ましい。エタノール水溶液の場合、エタノール濃度が40〜60容量%であることが好ましい。 溶剤の使用量としては、セイロンマツリ(乾燥質量換算)1gに対して1〜100mLが好ましく、抽出時間としては、1分間〜100日間が好ましく、1分間〜30日間がより好ましい。このときの抽出温度は、0℃〜溶媒沸点、より好ましくは20〜100℃、さらに好ましくは20〜50℃である。 斯くして得られる植物抽出物は、抽出液や画分をそのまま用いてもよく、適宜な溶媒で希釈した希釈液として用いてもよく、或いは濃縮エキスや乾燥粉末としたり、ペースト状に調製したものでもよい。また、凍結乾燥し、用時に、通常抽出に用いられる溶剤、例えば水、エタノール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、水・エタノール混液、水・プロピレングリコール混液、水・ブチレングリコール混液等の溶剤で希釈して用いることもできる。また、リポソーム等のベシクルやマイクロカプセル等に内包させて用いることもできる。 また、セイロンマツリの抽出物は市販品を使用することもできる。 セイロンマツリの抽出物は、食品上・医薬品上許容し得る規格に適合し本発明の効果を発揮するものであれば粗精製物であってもよく、さらに得られた粗精製物を公知の分離精製方法を適宜組み合わせてこれらの純度を高めてもよい。精製手段としては、有機溶剤沈殿、遠心分離、限界濾過膜、高速液体クロマトグラフやカラムクロマトグラフ等が挙げられる。 後記実施例で示すとおり、本発明の植物又はその抽出物は、ヒト皮膚線維芽細胞に存在するアロマターゼを活性化させるので、優れたアロマターゼ活性化作用を有する。 そして、本発明の植物又はその抽出物は、皮膚組織内のエストロゲン量を増加させることができるので、様々な肌トラブル症状(肌荒れ等)、表皮細胞の増殖能の低下、更年期障害、性機能低下(排泄障害、膣炎、性機能低下等)、自律神経失調症(ほてり、多汗等)、精神神経症状(うつ、不眠症等)、脂質代謝異常(動脈硬化、コレステロール上昇、脳梗塞等)、血管運動障害、骨粗しょう症(腰痛、骨折等)等の体内のエストロゲン減少によって現れる各種症状(非特許文献2及び3)の予防、改善又は治療にも有効であると考えられる。 従って、本発明の植物又はその抽出物は、肌トラブル症状(肌荒れ等)、表皮細胞の増殖能の低下、更年期障害、性機能低下(排泄障害、膣炎、性機能低下等)、自律神経失調症(ほてり、多汗等)、精神神経症状(うつ、不眠症等)、脂質代謝異常(動脈硬化、コレステロール上昇、脳梗塞等)、血管運動障害、骨粗しょう症(腰痛、骨折等)等の体内のエストロゲン減少によって現れる各種症状の予防、改善又は治療のために使用することができる。当該使用は、ヒト若しくは非ヒト動物、又はそれらに由来する検体における使用であり得、また治療的使用であっても非治療的使用であってもよい。 また、本発明の植物又はその抽出物は、アロマターゼ活性化剤として使用することができ、さらにこの剤を製造するために使用することができる。このとき、当該アロマターゼ活性化剤には、当該セイロンマツリ及びその抽出物からなる群より選択される少なくとも1種を単独で、又はこれ以外に、必要に応じて適宜選択した担体等の、配合すべき後述の対象物において許容されるものを使用してもよい。なお、当該製剤は配合すべき対象物に応じて常法により製造することができる。 当該アロマターゼ活性化剤は、上記体内のエストロゲン減少によって現れる各種症状の予防、改善又は治療の各効果を発揮する、ヒト若しくは動物用の医薬品、医薬部外品、化粧品、食品又は飼料の有効成分として配合して使用することができる。 本発明のアロマターゼ活性化剤を医薬品の有効成分として用いる場合、当該医薬品は任意の投与形態で投与され得る。投与形態としては、例えば注射剤、坐剤、吸入薬、経皮吸収剤、外用剤等による非経口投与又は錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、シロップ剤等による経口投与が挙げられる。 このような種々の剤型の医薬製剤を調製するには、本発明のアロマターゼ活性化剤等を単独で、又は他の薬学的に許容される賦形剤、結合剤、増量剤、崩壊剤、界面活性剤、滑沢剤、分散剤、緩衝剤、保存剤、嬌味剤、香料、被膜剤、担体、希釈剤等を適宜組み合わせて用いることができる。 これらの投与形態のうち、好ましい形態は経口投与であり、アロマターゼ活性化剤等を含む製剤中のセイロンマツリ又はその抽出物の含有量(抽出物の乾燥物換算)は、一般的に0.00001〜10質量%とするのが好ましく、0.0001〜1質量%とするのがより好ましい。 本発明のアロマターゼ活性化剤を食品の有効成分として用いる場合、当該食品の形態は、固形、半固形又は液状であり得、例えば、パン類、ケーキ類、麺類、菓子類、ゼリー類、冷凍食品、アイスクリーム類、乳製品、飲料等の各種食品の他、上述した経口投与製剤と同様の形態(錠剤、カプセル剤、シロップ等)が挙げられる。 種々の形態の食品を調製するには、本発明のアロマターゼ活性化剤を単独で、又は他の食品材料や、溶剤、軟化剤、油、乳化剤、防腐剤、香科、安定剤、着色剤、酸化防止剤、保湿剤、増粘剤等を適宜組み合わせて用いることができる。当該食品中のセイロンマツリ又はその抽出物の含有量(抽出物の乾燥物換算)は、一般的に0.01〜100質量%とするのが好ましく、0.1〜100質量%とするのがより好ましく、更に好ましくは1〜100質量%とするのが好ましい。 また、本発明のアロマターゼ活性化剤を、飼料の有効成分として用いる場合には、当該飼料としては、例えば牛、豚、鶏、羊、馬等に用いる家畜用飼料、ウサギ、ラット、マウス等に用いる小動物用飼料、マグロ、ウナギ、タイ、ハマチ等に用いる魚介類用飼料、犬、猫、小鳥、リス等に用いるペットフード等が挙げられる。 尚、飼料を製造する場合には、本発明のアロマターゼ活性化剤の他に、牛、豚、羊等の肉類、蛋白質、穀物類、ぬか類、粕類、糖類、野菜、ビタミン類、ミネラル類等一般に用いられる飼料原料、更に一般的に飼料に使用されるゲル化剤、保型剤、pH調整剤、調味料、防腐剤、栄養補強剤等を組み合わせて用いることができる。 また、飼料中の、本発明のセイロンマツリ又はその抽出物の含有量は、その使用形態により異なるが、乾燥物換算で、通常0.0001〜20質量%であり、0.001〜10質量%が好ましく、0.01〜5質量%がより好ましい 本発明のアロマターゼ活性化剤の投与量又は摂取量は、対象者の状態、体重、性別、年齢又はその他の要因に従って変動し得るが、経口投与又は摂取の場合成人1人当たり、セイロンマツリの抽出物(乾燥物換算)として、1日あたり0.01mg〜100mg/kgとすることが好ましく、特に0.1mg〜10mg/kgとするのが好ましい。 本発明のアロマターゼ活性化剤を医薬部外品や化粧料の有効成分として用いる場合は、その形態は、皮膚外用剤、洗浄剤、メイクアップ化粧料等とすることができ、使用方法に応じて、ローション、乳液、ゲル、クリーム、軟膏剤、粉末、顆粒等の種々の剤型で提供することができる。このような種々の剤型の医薬部外品や化粧料は、本発明のセイロンマツリ及びその抽出物からなる群より選択される少なくとも1種と、医薬部外品、皮膚化粧料に配合される、油性成分、保湿剤、粉体、色素、乳化剤、可溶化剤、洗浄剤、紫外線吸収剤、増粘剤、薬剤(例えば、抗炎症剤、殺菌剤、酸化防止剤、ビタミン類、脂肪代謝促進作用又は脱共役蛋白質発現促進作用が知られている薬物或いは天然物)、香料、樹脂、防菌防黴剤、植物抽出物、アルコール類等を適宜組み合わせることにより調製することができる。 当該医薬部外品、化粧品の全量中の、本発明のセイロンマツリ又はその抽出物は、抽出物の乾燥物換算で、通常0.0001〜20質量%であり、0.001〜10質量%が好ましく、0.01〜5質量%がより好ましい。製造例1:セイロンマツリ抽出物の調製 乾燥したセイロンマツリ(学名 Plumbago zeylanica)の樹皮50gに、10倍量(0.5L)の50(v/v)%エタノール−水混合溶液を加え、常温、22日間で抽出し、不溶物をろ別後、抽出液を得、減圧濃縮し、セイロンマツリの抽出乾固物を得た。 この抽出固形分を蒸発残分1.0(w/v)%となるよう50(v/v)%エタノールに溶解し、セイロンマツリの50(v/v)%エタノール抽出物を調製した。実施例1:抽出物におけるアロマターゼ活性化 上記製造例1で得られた抽出物を試料として用いた。 ヒト皮膚由来線維芽細胞(HDF1616:KURABO)を使用した。 24穴細胞培養プレート(FALCON)にヒト皮膚線維芽細胞を播種し、コンフルエントになるまで培養した。培地を除き、無血清培地900μLを加えて24時間培養した。 その際、ウェルには、乾燥質量換算での抽出物の最終濃度が表1に示す濃度となるように前記製造例1で得られた抽出物を3ウェルずつに加えた。 また、ネガティブコントロールとして50(v/v)%エタノール水溶液9μLを加えたもの(Cont)を用意した。 バックグラウンドには細胞を含まない培地を用い、薬剤を加えず同様の時間インキュベートし、その後も同様の操作をした。アロマターゼの基質である1β−3H−androst−4−ene−3,17−dione (PerkinElmer)を37kBq/100μLとなる様に無血清培地に加え、各ウェルに100μLずつ添加し、24時間培養した。1ウェルから900μLを2mLチューブにとり、CHCl3 1mLを加え激しく攪拌した。15,000rpm,10分間遠心して上層(水層)を別のチューブに移した。Charcoal/Dextran (Charcoal, dextran coated (SIGMA) 5gをH2O 50mLに懸濁したもの) 200μLを加えてよく混ぜ、30分間室温で放置した。15,000rpm,10分間遠心し、上清を新しいチューブに移した。CHCl3 1mLを加え激しく攪拌し、15,000rpm,10分間遠心して上層(水層)をUltimaGold (PerkinElmer) 5mLに加え、液体シンチレーションカウンター(PerkinElmer Tricarb 2550)で3Hの放射活性を測定した。 なお、上記測定方法は、〔Stampfer MJ,Willett WC,Colditz GA,Rosner B,Speizer FE and Hennenkens CH,N.Engl.J.Med.,313,1044−1049,1985〕を参考にして行った。 アロマターゼの反応によって、1β−3H−androst−4−ene−3,17−dioneは3H2Oを放出して、放射活性のないエストロンに変換される。この実験法では放出された3H2Oの放射活性を検出しており、放射活性が高いほどアロマターゼ活性も高いことを示している。 結果を表1に示す。 表1に示すように、コントロールでは基質の分解がほとんどなかったのに対し、セイロンマツリ抽出物を添加した細胞では基質の分解による高い放射活性が得られたことから、上記植物抽出物は、線維芽細胞に存在するアロマターゼの活性化作用を有していることが確認された。 セイロンマツリ又はその抽出物を有効成分とするアロマターゼ活性化剤。 抽出物が、アルコール−水混合液抽出物又はヘキサン抽出物である請求項1記載のアロマターゼ活性化剤。 形態が皮膚外用剤である請求項1又は2記載のアロマターゼ活性化剤。 【課題】性ステロイドホルモン生合成経路の最終段階を触媒し、アンドロゲンからエストロゲンを生合成するアロマターゼ活性化剤の提供。【解決手段】イソマツ科の常緑の低木であるセイロンマツリ又はそのアルコール−水混合液抽出物又はヘキサン抽出物を有効成分とする更年期障害、性機能低下、自律神経失調症、脂質代謝異常、血管運動障害、骨粗しょう症等の症状や、肌トラブル、表皮細胞増殖能の低下等の症状の予防、改善又は治療が可能なアロマターゼ活性化剤。【選択図】なし


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