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タイトル:公開特許公報(A)_乳化物及びこれを含む化粧料
出願番号:2011022163
年次:2011
IPC分類:A61K 8/63,A61K 8/73,A61K 8/06,A61Q 19/00


特許情報キャッシュ

荒河 純 JP 2011184432 公開特許公報(A) 20110922 2011022163 20110203 乳化物及びこれを含む化粧料 富士フイルム株式会社 306037311 中島 淳 100079049 加藤 和詳 100084995 福田 浩志 100099025 荒河 純 JP 2010028129 20100210 A61K 8/63 20060101AFI20110826BHJP A61K 8/73 20060101ALI20110826BHJP A61K 8/06 20060101ALI20110826BHJP A61Q 19/00 20060101ALI20110826BHJP JPA61K8/63A61K8/73A61K8/06A61Q19/00 14 OL 20 4C083 4C083AB032 4C083AC102 4C083AC122 4C083AC172 4C083AC252 4C083AC302 4C083AC532 4C083AC662 4C083AD042 4C083AD211 4C083AD212 4C083AD242 4C083AD352 4C083AD491 4C083AD492 4C083AD532 4C083CC04 4C083DD23 4C083DD27 4C083EE01 4C083FF05 本発明は、乳化物及びこれを含む化粧料に関する。 流動パラフィン、シリコーンオイルなどの油剤を乳化した従来の化粧料では、油剤内部に水分を保持させる能力が無く、このため、皮膚に塗布されたときには皮膚表面に油の皮膜を形成し水分の蒸発を抑制することで皮膚の乾燥を防ぐものであった。しかしながら、これらの油剤が塗布された皮膚ではそこに存在していた水が油剤によって押し退けられ、本来皮膚が持つ保湿機能が有効に働かなくなるという問題点があった。 これに対し、近年、角層の細胞間脂質に着目した保湿機能改善が行われるようになってきた。これは細胞間に存在するセラミドを主体とした配向性の脂質と類似した成分を塗布することで細胞間脂質を補い、バリア機能と保湿機能の正常化を図るものである。こうした細胞間脂質を補う油剤としては、例えば特許文献1に示すような糖セラミド類や非特許文献1に示すような疑似セラミドが代表的なものである。 しかしながら、これらのセラミド類は、天然物から抽出される場合には収率が低く、合成する場合には工程が長いため、いずれの場合であっても非常に高価なものである。またこれらは一般に結晶性の高い物質であり、他の油剤への溶解性が低く、低温で結晶として析出する等の理由のため、化粧料に配合する場合、安定性を確保することが困難であった。また、水性のセラミド類分散物は、界面活性剤等を用いて分散することは可能であるが、角層の細胞間に浸透させるのに十分な小さなサイズにすることが困難であった。 これらの問題点を解決するために、最近、特許文献2に示されるような、アミノ酸系油剤、例えばN−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステリル、2−オクチルドデシル)が開発され、本アミノ酸系油剤と、大量のレシチン及び多価アルコールを使用した乳化型化粧料が開発された。特開2000−51676号公報特開2006−89420号公報Imokawa G.et al.,J.Soc Cosmet Chem.,40,273(1989) しかしながら、上記乳化型化粧料では、微細乳化が試みられたものの到達サイズは十分なものではなく、更に、耐塩性が無いことが特に問題であった。一般に化粧料には、塩類、無機塩、脂肪酸塩、リン酸塩、アスコルビン酸塩、クエン酸塩などが含まれていることから、これらの塩に対する耐性が低いと、乳化物粒子が凝集分離する現象が生じる。このため、耐塩性は、化粧料に用いる乳化物の特性としては極めて重要なものである。 本発明の目的は、微細且つ十分な耐塩性を有する乳化物及びこれを用いた乳化型化粧料を提供することにある。 本発明の態様によれば、以下の乳化物、乳化物の製造方法及び化粧料が提供される。<1> N−アシルアミノ酸ジエステルを含有し、油相として水相中に分散され且つ1nm以上100nm以下の体積平均粒子径を有する分散粒子と、少なくとも1種の、脂肪族基を含む置換基を有する多糖類と、を含む乳化物。<2> 前記N−アシルアミノ酸ジエステルにおけるアシル基が、炭素数8〜18のアシル基である<1>に記載の乳化物。<3> 前記N−アシルアミノ酸ジエステルが、N−ラウロイルグルタミン酸ジエステルである<1>又は<2>に記載の乳化物。<4> 前記N−ラウロイルグルタミン酸ジエステルの2つのエステル構造におけるアルコール残基が、それぞれ独立に、フィトステリルオキシ基、2−オクチルドデシルオキシ基、ベヘニルオキシ基及びコレステリルオキシ基から選択された少なくとも1種のアルコール残基である<3>記載の乳化物。<5> 前記少なくとも1種の、脂肪族基を含む置換基を有する多糖類が、下記の一般式(I)で表される化合物の少なくとも1種である<1>〜<4>のいずれかに記載の乳化物。 (polyS)−[(L)m−R]n (I)(式中、polySは多糖類を表し、Rは炭素数4〜20の、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、ヒドロキシアルキル基、カルボキシルアルキル基、アルキルカルボニル基、アルコキシカルボニル基又はアルキルカルボニルオキシ基を表し、mは0又は1以上の整数を表し、nは1以上の整数を表し、Lは連結基を表す。)<6> 前記少なくとも1種の、脂肪族基を含む置換基を有する多糖類が、重合度2〜100の糖単位で構成された多糖類である<1>〜<5>に記載の乳化物。<7> 前記多糖類が、イヌリンである<1>〜<6>のいずれかに記載の乳化物。<8> 更に、脂肪酸成分を含有する<1>〜<7>のいずれかに記載の乳化物。<9> 前記乳化物中に含まれる界面活性剤の総含有量は、油性成分の全質量に対して0.3倍量を超えない<1>〜<8>のいずれかに記載の乳化物。<10> <1>〜<9>のいずれかに記載の乳化物の製造方法であって、前記N−アシルアミノ酸ジエステルを少なくとも含む油相成分を該N−アシルアミノ酸ジエステルの良溶媒に溶解して、油相を調製すること、及び、得られた油相とN−アシルアミノ酸ジエステルの貧溶媒を含む水相とを混合すること、を含む乳化物の製造方法。<11> 前記N−アシルアミノ酸ジエステルの良溶媒が水溶性有機溶媒であり、前記N−アシルアミノ酸ジエステルの貧溶媒が水である<10>記載の乳化物の製造方法。<12> 前記油相と前記貧溶媒相との混合が、前記油相及び水相を、断面積が1μm2〜1mm2であるマイクロ流路にそれぞれ独立して通過させた後に、組み合わせて混合するものである<10>又は<11>記載の乳化物の製造方法。<13> 前記混合が、対向衝突により行なわれる<10>〜<12>のいずれかに記載の乳化物の製造方法。<14> <1>〜<9>のいずれかに記載の乳化物を含有する化粧料。 本発明によれば、微細且つ十分な耐塩性を有する乳化物及びこれを用いた水中油型化粧料を提供できる。 本発明の乳化物は、N−アシルアミノ酸ジエステルを含有し、油相として水相中に分散され且つ1nm以上100nm以下の体積平均粒子径を有する分散粒子と、脂肪族基を含む置換基を有する多糖類と、を含む乳化物である。 本発明の乳化物は、N−アシルアミノ酸ジエステルと、脂肪族基を含む置換基を有する少なくとも1種の多糖類とを含み、N−アシルアミノ酸ジエステルを含有する分散粒子の体積平均粒子径が1nm以上100nm以下であるので、乳化物中の分散粒子は微細なものとすることができ、また充分な耐塩性に優れた乳化物とすることができる。 本発明において「水相」とは、溶媒の種類にかかわらず「油相」に対する語として使用する。 本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけでなく、他の工程と明確に区別できない場合であっても本工程の所期の作用が達成されれば、本用語に含まれる。 本明細書において「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。 本発明において、各成分の量について言及する場合、各成分が複数存在する場合には、単独であることを特に断らない限り、存在する複数の成分の合計量を意味する。 以下、本発明について説明する。(N−アシルアミノ酸ジエステル) 本発明の乳化物は、N−アシルアミノ酸ジエステルを含む分散粒子が油相として水相中に分散された水中油型の乳化物である。N−アシルアミノ酸ジエステルは、分散粒子の一部を構成している。 本発明に用いるN−アシルアミノ酸ジエステルは、アミノ酸系油剤であり、油性成分でありながら、保水作用を有し、生体親和性にも優れるため、本発明の油性成分として適したものである。 本発明にかかるN−アシルアミノ酸ジエステルのアミノ酸残基としては、皮膚に対する浸透性の観点から、酸性アミノ酸残基が用いられることが好ましい。酸性アミノ酸残基としては、アスパラギン酸又はグルタミン酸に由来していることが好ましく、特にグルタミン酸に由来していることが好ましい。N−アシルアミノ酸ジエステルにおけるアシル基の炭素数には特に制限はないが、角層細胞間脂質との親和性の観点から、炭素数8〜18のものが好ましく、ラウロイル基が特に好ましい。 N−アシルアミノ酸ジエステルの2つのエステル構造におけるアルコール残基は、皮膚刺激性の低減の観点から、それぞれ独立に、炭素数16以上が好ましい。前記アルコール残基について例としては、セチルアルコール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、ベヘニルアルコール、オクチルドデシルアルコール、イソステアリルアルコール、ホホバアルコール、デシルテトラデカノール等の高級アルコール類、コレステロール、ジヒドロコレステロール、フィトステロールなどのステロール類などが挙げられる。これらを単独で用いてもよく、混合エステルとして用いてもよい。N−アシルアミノ酸ジエステルにおける2つのエステル構造における各アルコール残基としては、それぞれ独立に、2−オクチルドデシルオキシ基、ベヘニルオキシ基、フィトステリルオキシ基及びコレステリルオキシ基から選択された少なくとも1種のアルコール残基を、特に好ましく用いることができる。 このようなN−アシルアミノ酸ジエステルとしては、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジエステルが挙げられ、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジエステルにおける2つのエステル構造における各アルコール残基として、それぞれ独立に、2−オクチルドデシルオキシ基、ベヘニルオキシ基、フィトステリルオキシ基及びコレステリルオキシ基から選択された少なくとも1種のアルコール残基を有するN−ラウロイル−L−グルタミン酸ジエステルが、特に好ましい。 本発明におけるN−ラウロイル−L−グルタミン酸ジエステルとしては、例えば、味の素(株)製のエルデュウPS−203、PS−304、CL−202、CL−301、および日本エマルション(株)製のLG−1600、LG2000、LG−OD(H)、SG2000などが挙げられる。 油相中のN−アシルアミノ酸ジエステルの含有量は、保水効果の観点から10質量%以上が好ましく、30質量%以上が更に好ましく、50質量%以上が特に好ましい。また、油相中のN−アシルアミノ基ジエステルの含有量は、例えば、95質量%以下とすることができる。(脂肪酸成分) 本乳化物では、脂肪酸成分として、脂肪酸及び脂肪酸塩の少なくとも一方を含むことが好ましい。このような脂肪酸成分を用いれば、N−アシルアミノ酸ジエステルを含有する、より微細で且つより安定な分散粒子を得ることができる。なお、本発明において、後述する「界面活性剤」には、この脂肪酸成分は含まれない。 脂肪酸成分としての脂肪酸は、例えば化粧品、医薬品、食品等の分野で通常用いられているもののいずれであってもよく、分散粒子の分散性などの観点から、脂肪酸の炭素数が12以上20以下の脂肪酸であることが好ましい。なかでもラウリン酸、オレイン酸、イソステアリン酸等の、常温もしくは分散時の温度で液状である脂肪酸がより望ましい。炭素数12以上20以下の脂肪酸の例としてラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、オレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、リノール酸、α−リノレン酸、γ−リノレン酸等が挙げられる。脂肪酸成分としての脂肪酸は、油相成分として本発明の乳化物に含まれる。 脂肪酸成分としての脂肪酸塩は、脂肪酸の融点に関わらず水性媒体に可溶形態であるため、油相と水相との混合工程における溶解性の観点から、いずれの融点の脂肪酸から構成された脂肪酸塩であってもよく、また飽和脂肪酸又は不飽和脂肪酸のいずれの脂肪酸の塩であってもよい。脂肪酸塩を構成する塩の例としては、ナトリウム又はカリウム等が用いられた金属塩;L−アルギニン、L−ヒスチジン又はL−リジン等が用いられた塩基性アミノ酸塩;又は、トリエタノールアミン等が用いられたアルカノールアミン塩などが挙げられる。塩の種類は、用いられる脂肪酸の種類等により適宜選択されるが、溶解性及び分散液の安定性の観点から、ナトリウムなどの金属塩が好ましい。脂肪酸成分としての脂肪酸塩は、水性媒体に可溶であるので乳化物の水相成分とすることができる。 本乳化物中の脂肪酸成分は、炭素数が12以上20以下の脂肪酸を用いることができ、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、トール酸、イソステアリン酸、リノール酸、αリノレン酸、γリノレン酸等の脂肪酸及びこれらの塩を例示することができ、これらを単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。中でも、常温もしくは分散時の温度で液状であることの観点から、本発明における脂肪酸成分の例としては、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ラウリン酸、ステアリル酸、イソステアリン酸、オレイン酸、γリノレン酸、αリノレン酸、リノール酸及びそれらの塩からなる群より選択された少なくとも1種であることが好ましく、オレイン酸であることが特に好ましい。 本乳化物における脂肪酸成分は、N−アシルアミノ酸ジエステルを良好に分散可能にする量で含有されていればよく、乳化物の保存安定性、透明性の観点から、脂肪酸成分以外の油性成分の全質量に対して0.01倍量以上1.0倍量以下であることが好ましく、保存安定性の観点から0.05倍量以上、0.5倍量以下であることがより好ましい。脂肪酸成分の含有量は、N−アシルアミノ酸ジエステルを含む油性成分の全質量に対して、1.0倍量以下とすることにより過剰な脂肪酸の分離、析出を抑制することができ、一方、0.01倍量以上とすることにより油性成分への定着が十分となって好ましい。(他の油相成分) 本発明の乳化物の油相を構成する油性成分には、上述したアミノ酸系油剤の他に種々の油性成分を含むことができる。本発明で使用可能な油性成分は、水性媒体、特に水に不溶又は難溶の、油性媒体に溶解する成分であれば、特に限定は無い。なお、水性媒体に不溶とは、水性媒体100mLに対する溶解度が、25℃において、0.01g以下であることをいい、水性媒体に難溶とは、水性媒体100mLに対する溶解度が、25℃において、0.01gを超え0.1g以下であることをいう。また、本明細書における「機能性成分」とは、生体に適用した場合に、適用された生体において所定の生理学的効果の誘導が期待され得る成分を意味する。 本発明の乳化物に用いられるこれらの油性成分の例としては、化粧品に使用した際に有用な効果を示す油性成分を広く挙げることができる。油性成分の例としては、化学構造面からは、油脂類、炭化水素類、ロウ類、エステル類、高級アルコール類、高分子類、油溶性色素類、油溶性蛋白質類などが挙げられ、それらの2種以上の混合物である、各種の植物油又は動物油も含まれる。 これらの油性成分の例としては、ヤシ油、オリーブ油、コーン油、ホホバ油などの油脂類;ベヘニルアルコール、ステアリルアルコール、セタノールなどの高級アルコール類;コレステロール、フィトステロールなどのステロール類;パルミチン酸エチルヘキシル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシルなどのエステル類;スクワラン、水添ポリデセン、水添ポリイソブテンなどの炭化水素類が挙げられる。 また、特徴のある機能を有する機能性油性成分の例として、上記のN−アシルアミノ酸ジエステル以外には、βカロテン、アスタキサンチン、ゼアキサンチン、リコピン、ルテインなどのカロテノイド類;トコフェロール、トコトリエノールなどのビタミンE類;コエンザイムQ10などのユビキノン類;EPA、DHA、リノレン酸などのω−3油脂類なども含むことができる。 更に、保湿機能を持った油性成分として高価ではあるが、セラミドI、セラミドII、セラミドIII、セラミドV、セラミドVIなどの活性セラミド類;グルコシルセラミド、ガラクトシルセラミドなどのスフィンゴ糖脂質類;スフィンゴミエリン類;活性セラミドの構造を模して合成された疑似セラミド類も含むことができる。 本発明の乳化物において、このような油性成分の含有量としては、例えば、化粧料への応用を考慮すれば、分散粒子径及び/又は乳化安定性の観点から、好ましくは乳化物の全質量の0.1質量%〜50質量%、より好ましくは0.2質量%〜25質量%、更に好ましくは0.5質量%〜10質量%である。油性成分の含有量が前記0.1質量%以上であれば、有効成分の効能を充分に発揮でき、乳化物を、化粧料へ応用し易くなるため好ましい。一方、50質量%以下であれば、分散粒子径の増大や乳化安定性の悪化を抑制し、安定な組成物が得られるため、好ましい。(脂肪族基を含む置換基を有する多糖類) 本発明の乳化物の水相には、少なくとも1種の、脂肪族基を含む置換基を有する多糖類が含まれる。 本発明に用いられる「脂肪族基を含む置換基を有する多糖類」とは、多糖の糖鎖に脂肪族基を含む置換基がグラフト状に連結した構造を有するものである(以下、「脂肪族置換基連結多糖類」と称する。)。この脂肪族置換基連結多糖類は、一般に界面活性を有し、脂肪族基を疎水基とし、糖鎖部分を親水基とする一種の高分子界面活性剤にも分類することができる。この脂肪族置換基連結多糖類は、疎水基である脂肪族基を乳化物の油滴中に挿入又は吸着し、親水基である糖鎖部分を水中に大きく拡げた形で油滴表面に存在するため、乳化物中で乳化物粒子(油滴)がお互いに近づいて凝集し、更には合一するのを妨げると考えられている。また、この脂肪族置換基連結多糖類における大きな糖鎖が油滴(分散粒子)表面に存在することで、結果的に油滴の周りに厚い水和層が形成されるために、油滴のオストワルド成長も抑制されるものと考えられる。 多糖類の骨格の例としては、グルコースを単位糖とするデキストリン、デンプン、セルロース、グルカン、又はグリコーゲンプルランなど;フルクトースを単位糖とするイヌリン、レバン、又はフルクトオリゴ糖など;N−アセチルグルコサミンを単位糖とするキチンなど;ガラクトースを単位糖とするガルクトオリゴ糖など;マンノースを単位糖するマンナンオリゴ糖などがある。また、二種以上の単位糖から構成される多糖類として、ラフィノース、スタキオース(ガラクトース/フルクトース/グルコース)などが知られている。 多糖類の平均重合度(糖単位数)は、一般に2〜100であり、安定化効果と溶解性の観点から、5〜50であることが更に好ましい。 これらの多糖類の中では、乳化物における塩析現象、即ち、白濁、凝集、沈澱、増粘、分離を抑制する観点から、フルクトースを含む多糖類が好ましく、イヌリンが特に好ましい。イヌリンは、D−フルクトースを主要成分とするオリゴ糖である。イヌリンにおける、β−1,2結合したフラノイドフルクトースと、還元末端においてショ糖結合したα−D−グルコースを有する構造を示すフラノイドフルクトース単位は、一般に2〜60程度となる。 本脂肪族置換基連結多糖類とは、即ち、多糖類が持つ水酸基などの親水基の一部を、脂肪族基を主体とする疎水基で置換したものである。 多糖類と脂肪族基を含む置換基との結合様式は、以下に示す一般式(1)の構造で表される。 (polyS)−〔(L)m−R〕n (1) 式(1)中、(polyS)は多糖鎖を表す。Rは、炭素数4〜20の、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、ヒドロキシアルキル基、カルボキシルアルキル基、アルキルカルボニル基、アルコキシカルボニル基及びアルキルカルボニルオキシ基から選択される脂肪族基を表し、その基の中に置換基、例えば、芳香族環又は脂肪族環を1以上含んでもよい。置換基としての芳香族環又は脂肪族環の例としては、シクロヘキシル基、フェニル基、フェノキシ基、フェニルカルバミル基、コレステリル基、又はフィトステリル基等を挙げることができる。前記脂肪族基としては、塩析の抑制効果の観点から、12〜18の炭素数の脂肪酸基であることが好ましい。mは0又は1以上の整数の整数を表し、化合物安定性の観点から5以下の整数であることが好ましい。nは1以上の整数を表し、化合物の水溶性の観点から30以下の整数であることが好ましく、更に10以下であることが更に好ましい。 Lは、酸素原子、窒素原子及びカルボニル基から選択された少なくとも1つの部分構造を有する連結基を表す。連結基ならいずれの基でもよく、エステル基、エーテル基、ケトン基及びアミド基から選択された少なくとも1つの連結基であることが好ましい。ここで、Rと連結基(L)mを合わせた部分が疎水基に相当する。 疎水基の具体例としては、ステアリン酸、オレイン酸、パルミチン酸、又はミリスチン酸、ラウリン酸等の高級脂肪酸エステル;アルキルコハク酸、アルキル酒石酸、又はアルケニルコハク酸等のジカルボン酸モノエステル;アルキルカルバミン酸アミド、高級脂肪酸アミド、アルキルグリセリルエステル、アルキルグリセリルエーテル、コレステロール、又は、フィトステロール、などが挙げられる。 これらの脂肪酸基を含む置換基を有する多糖類の具体例としては、Colloid and Interface Science Series,Vol.4, Colloids in Cosmetics and Personal Care,WILEY-VCH Verlag GmbH & Co. Edited by T. F.Tadros,1(2008) に示すラウリルカルバミン酸イヌリン(イヌテック SP1;オラフティ)、ミリスチン酸デキストリン(レオパールMKL2;千葉製粉)、ステアリン酸イヌリン(レオパールISL2;千葉製粉)、オクテニルコハク酸デンプン(エマルスターA1;松谷化学)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースステアロキシエーテル(サンジェロース;大同化成)、各種乳化技術ノウハウ・事例集、(株)情報機構、23(2009) に示すラウリルカルバミドキトサンなどが挙げられる。またバイオサーファクタントの一種でAcinetobacter calcoaceticusが作るエマルザンも、脂肪族基連結多糖類の例に含まれる。 脂肪族置換基連結多糖類は、塩析の抑制効果の観点から、乳化物の全質量に対して0.05質量%〜10質量%で含まれることが好ましく、0.05質量%〜3.0質量%であることがより好ましい。 また、脂肪族置換基連結多糖類は、N−アシルアミノ酸ジエステルの全質量の0.1倍量〜5倍量含まれていることが塩析の抑制効果の観点から好ましく、0.5倍量〜3倍量であることが更に好ましい。 なお、本発明において、後述する「界面活性剤」にはこの脂肪族置換基連結多糖類は含まれない。(水相組成) 乳化物の水相には、N−アシルアミノ酸ジエステルの貧溶媒、例えば水、に溶解する他の成分が、水相成分として含有されていてもよく、このような水溶性の水相成分に、特定の機能を示しうる機能性成分が含まれていてもよい。 例えば水相成分として、下記に示すようなイオン界面活性剤、非イオン性界面活性剤又はこれらの混合物を含むことができる。 イオン性界面活性剤の例としては、アルキルスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、モノアルキルリン酸塩、レシチン等が挙げられる。 本発明における非イオン性界面活性剤のHLBは、分散性向上のためHLB10以上でHLB16以下であることが好ましく、乳化物の安定性の観点からは、HLB12以上16以下であることがより好ましい。また、前記非イオン性界面活性剤は、油相及び水相のいずれか一方に含有しても、また、双方に含有してもよい。 本乳化物がイオン性界面活性剤を含有する場合、これらのイオン性界面活性剤の含有量は、化粧料に用いた場合の皮膚刺激性の観点から、油性成分の全質量に対して0.1倍量以下であることが好ましい。また、本乳化物が非イオン性界面活性剤を含有する場合、非イオン性界面活性剤の含有量は、分散粒子の微細化の観点から油性成分の全質量に対して0.3倍量以下であることが好ましい。 ただし、本乳化物中に含まれる1種以上の界面活性剤の総含有量は、皮膚刺激を低く抑えるなどの観点から、油性成分の全質量に対して0.3倍量を超えないことが好ましい。 なお、上述の通り、本発明における「界面活性剤」には、前記脂肪酸成分と前記脂肪族置換基多糖類は含まれない。 本発明で好適に使用できる非イオン性界面活性剤の例としては、(モノ、ジ、トリ)グリセリン脂肪酸エステル、モノグリセリン有機酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、などが挙げられる。上記の中でも、乳化物の安定性向上の観点から、より好ましくは、ポリグリセリン脂肪酸エステル、およびショ糖脂肪酸エステルである。これらの非イオン性界面活性剤をそれぞれ単独または、それらの2種以上を任意の割合で併用することもできる。 pH調整剤としては、水酸化ナトリウム等の塩基、塩酸等の酸、リン酸塩緩衝液、クエン酸塩緩衝液等の緩衝液を用いることができる。酸化防止剤の例には、アスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体、クエン酸モノグリセリド等が挙げられる。 水相に対するこれらの添加剤の添加量は、油剤の濃度、ひいては化粧料にしたときの使用感の観点から、水相成分の全質量の20質量%以下、好ましくは10質量%以下とすることができる。また、必要に応じて水相中にあらかじめ少量の水溶性有機溶媒を添加しておくこともできる。この場合の水溶性有機溶媒の添加量は分散物の経時安定性の観点から20質量%以下、好ましくは10質量%以下である。 本発明の乳化物には、他の水相成分として、水溶性の塩類、他の糖類、タンパク質、酸化防止剤、防腐剤、色素、香料等を含むことができる。 塩類としては、塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウム、アスコルビン酸ナトリウム等が用いられる。糖類の例には、グルコース、フルクトース、スクロース、アラビノース、セロビオース、ラクトース、マルトース、トレハロース等が挙げられる。また、多糖類の例には、マルトデキストリン、オリゴ糖、イヌリン、アラビアガム、キトサン等がある。タンパク質の例には、各種アミノ酸類、オリゴペプチド、ゼラチン、水溶性コラーゲン、カゼイン、シクロデキストリン等が挙げられる。(製造方法) 本発明の乳化物の製造方法は、前記N−アシルアミノ酸ジエステルを少なくとも含む油相成分を該N−アシルアミノ酸ジエステルの良溶媒に溶解して油相を調製すること、及び、得られた油相とN−アシルアミノ酸ジエステルの貧溶媒を含む水相とを混合すること、を含む。 本発明の製造方法では、N−アシルアミノ酸ジエステルの良溶媒に、N−アシルアミノ酸ジエステルを含む油相成分を溶解して油相を調製した後に、N−アシルアミノ酸ジエステルの貧溶媒を含む水相とを混合するので、N−アシルアミノ酸ジエステルを含有する分散粒子が析出して、粒径が100nm以下の微細な分散粒子を分散させることができる。 N−アシルアミノ酸ジエステルの良溶媒は、例えば、N−アシルアミノ酸ジエステルを25℃において少なくとも0.1質量%以上溶解可能な常温で液状の溶媒であればよい。本発明において、良溶媒はN−アシルアミノ酸ジエステルが0.1質量%以上溶解する油脂・溶媒であれば、いかなる物質でも構わない。 本発明における良溶媒は、水溶性有機溶媒であることが好ましい。水溶性有機溶媒は、上述した乳化物に含まれていてもよいが、本明細書における「油性成分」には包含されない。[水溶性有機溶媒] 本発明において水溶性有機溶媒は、前記乳化物の製造方法で、油相成分を混合して油相を調製するために用いられ、N−アシルアミノ酸ジエステルの貧溶媒を含む水相との混合後には除去されることが好ましい。 本発明に用いられる水溶性有機溶媒とは、水に対する25℃での溶解度が10質量%以上の有機溶媒を指す。水に対する溶解度はできあがった乳化物の安定性の観点から30質量%以上が好ましく、50質量%以上が更に好ましい。 水溶性有機溶媒は、単独で用いてもよく、複数の水溶性有機溶媒の混合溶媒でもよい。また、水との混合物として用いてもよい。水との混合物を用いる場合には、該混合物における上記水溶性有機溶媒は、少なくとも50容量%以上含まれていることが好ましく、70容量%以上であることがより好ましい。 このような水溶性有機溶媒の例としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、2−ブタノール、アセトン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、メチルエチルケトン、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸メチル、アセト酢酸メチル、N−メチルピロリドン、ジメチルスルフォキシド、エチレングリコール、1,3ブタンジオール、1,4ブタンジオール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等、及びそれらの混合物を挙げられる。これらの中でも、食品への用途に限定した場合、前記水溶性有機溶媒としては、エタノール、プロピレングリコール、又はアセトンが好ましく、エタノール、又はエタノールと水との混合液が特に好ましい。 本発明における貧溶媒は、N−アシルアミノ酸ジエステルが貧溶、すなわち、N−アシルアミノ酸ジエステルが溶解しにくい、または溶解しない溶媒をいう。N−アシルアミノ酸ジエステルが溶解しにくい、又は溶解しないとは、N−アシルアミノ酸ジエステルの溶解度が25℃において0.1質量%未満となる常温で液状の溶媒であればよく、水であることが好ましい。 本発明において油相と水相との混合(乳化)は、一般にいずれの方法であってもよい。 乳化手段は、自然乳化法、界面化学的乳化法、電気乳化法、毛管乳化法、機械的乳化法、超音波乳化法等一般に知られている乳化法のいずれも使うことができる。エマルションを微細化するための有用な方法として、PIT乳化法、ゲル乳化法等の界面化学的乳化法が知られている。この方法は消費するエネルギーが小さいという利点があり、熱で劣化しやすい素材を微細に乳化する場合に適している。 また、汎用的に用いられる乳化法として、機械力を用いた方法、すなわち外部から強い剪断力を与えることで油滴を分裂させる方法が適用されている。機械力として最も一般的なものは、高速、高剪断攪拌機である。このような攪拌機としては、ホモミキサー、ディスパーミキサーおよびウルトラミキサーと呼ばれるものが市販されている。 また、微細化に有用な別な機械的な乳化装置として高圧ホモジナイザーがあり、種々の装置が市販されている。高圧ホモジナイザーは、攪拌方式と比べて大きな剪断力を与えることができるために、乳化剤の量を比較的少なくても微細化が可能である。 高圧ホモジナイザーには大きく分けて、固定した絞り部を有するチャンバー型高圧ホモジナイザーと、絞りの開度を制御するタイプの均質バルブ型高圧ホモジナイザーがある。 チャンバー型高圧ホモジナイザーの例としては、マイクロフルイダイザー(マイクロフルイディクス社製)、ナノマイザー(吉田機械興業(株)製)、アルティマイザー((株)スギノマシン製)等が挙げられる。 均質バルブ型高圧ホモジナイザーとしては、ゴーリンタイプホモジナイザー(APV社製)、ラニエタイプホモジナイザー(ラニエ社製)、高圧ホモジナイザー(ニロ・ソアビ社製)、ホモゲナイザー(三和機械(株)製)、高圧ホモゲナイザー(イズミフードマシナリ(株)製)、超高圧ホモジナイザー(イカ社製)等が挙げられる。 比較的エネルギー効率の良い分散装置で、簡単な構造を有する乳化装置として超音波ホモジナイザーがある。製造も可能な高出力超音波ホモジナイザーの例としては、超音波ホモジナイザーUS−600、同US−1200T,同RUS−1200T、同MUS−1200T(以上、(株)日本精機製作所製)、超音波プロセッサーUIP2000,同UIP−4000、同UIP−8000,同UIP−16000(以上、ヒールッシャー社製)等が挙げられる。これらの高出力超音波照射装置は25kHz以下、好ましくは15〜20kHzの周波数で使用される。 また、他の公知の乳化手段として、外部からの攪拌部を持たず、低エネルギーしか必要としない、スタチックミキサー、マイクロチャネル、マイクロミキサー、膜乳化装置等を使う方法はきわめて有用な方法である。下記に詳しく述べるように、これらの中で、マイクロミキサーを用いる方法は特に好ましい。(マイクロミキサー) 本発明において、油相を水溶性有機溶剤に溶解した後、これを水相と瞬間混合することにより、油相を析出させる方法で微細粒子を形成する方法により製造することが好ましい。水溶性有機溶媒溶液と、水性溶液とを瞬間混合する装置としては、対向衝突型マイクロミキサーであることが好ましい。即ち、水相、油相共に、各々断面積が1μm2〜1mm2のマイクロ流路に独立に通過させた後、油相及び水相を組み合わせて混合するマイクロミキサーであることが好ましく、混合が対向流衝突により混合させる対向衝突型マイクロミキサーであることが更に好ましい。ここで言うマイクロミキサーとは、主に2つの異なる液を微小空間中で混合するもので、一方の液が油性成分を含有する有機溶媒相(油相)であり、もう一方が水相である。 このように粒径が小さなエマルション調製に、マイクロ化学プロセスの一つであるマイクロミキサーを適用した場合、比較的低エネルギーで発熱が少なく、通常の攪拌乳化方式や高圧ホモジナイザー乳化に比べて、粒径が揃っていて、保存安定性にも優れる良好なエマルションを得ることができる。 マイクロミキサーを用いて乳化する方法の概要は、水相と有機溶媒相をそれぞれ微小空間に分け、それぞれの微小空間同士を接触、あるいは衝突させることにある。片方だけを微小空間に分け、もう一方がバルクであるような方法である、膜乳化法やマイクロチャネル乳化法とは明らかに異なるものであり、実際に片方だけを微小空間に分けても、マイクロミキサーを用いた場合の効果は得られない場合がある。公知となっているマイクロミキサーとしては、種々の構造のものがある。マイクロ流路中の流れと混合に着目すると、層流を維持してミキシングする方法と、流れを乱して、すなわち乱流でミキシングする方法の2種を挙げることができる。層流を維持してミキシングする方法では、流路幅より流路深さの寸法を大きくとることで、2液の境界面積をなるべく大きくし、両層の厚さを薄くすることで混合の効率化を図っている。また、2液の入り口を多数に分割して交互に流す多層流にする方法も考案されている。 一方、乱流でミキシングする方法では、それぞれの液を狭い流路に分けて比較的高速で流す方法が一般的である。アレイ化したマイクロノズルを用いて片方の液を、微小空間に導入されたもう一方の液中に噴出させる方法も考案されている。また、高速で流れる液同士を種々の手段を用いて強制的に接触させる方法は、特に混合効果が良好である。前者の層流を用いた方法は一般に、出来る粒子は大きいが比較的分布が揃ったものになるが、後者の乱流を用いた方法は、非常に微細なエマルションが得られる可能性があり、安定性及び透明性の点では乱流を用いた方法が好ましい場合が多い。乱流を用いた方法としては、櫛歯型と衝突型が代表的なものである。前記櫛歯型マイクロミキサーとしては、IMM社製製品に代表されるように、2つの櫛歯状の流路が対面して交互に入り組むように配置された構造となっている。これは櫛歯の幅を十分小さくとれば流れは乱流にはなるが、有機溶媒相と水相は衝突することなく、出会った後は並行流で同一方向に流れるため、強制的な接触効果は衝突型と比べて十分なものでなかった。 これに対し、KMミキサーに代表される衝突型マイクロミキサーでは、運動エネルギーを利用して強制接触をはかる構造となっている。具体的には、長澤ら(「H.Nagasawa et al, Chem.Eng.Technol,28,No.3,324−330(2005)」、特開2005−288254号公報)によって開示された、中心衝突型マイクロミキサーが挙げられる。水相と有機溶媒相とを対向衝突させる方法は、混合時間が極めて短く、瞬時に油相滴が形成されるため、極めて微細なエマルションを形成可能であることが明らかである。 本発明において、衝突型マイクロミキサーでミクロ混合して乳化する場合、乳化時の温度(乳化温度)は、得られるエマルションの粒径均一性の観点からマイクロミキサーの前記別な微小空間の温度(マイクロミキサーのミクロ混合部の温度)を80℃以下としてミクロ混合することが好ましく、0℃〜80℃がより好ましく、5℃〜75℃が特に好ましい。前記乳化温度0℃以上とすることにより、分散媒の主体が水であるため、乳化温度管理でき、好ましい。マイクロミキサーの前記微小空間の保温温度は100℃以下であることが好ましい。前記保温温度を100℃以下とすることにより、保温温度の管理が容易に制御でき、また、乳化性能に悪影響があるミクロな突沸現象を無くすことができる。前記保温温度は80℃以下の温度で制御することがさらに好ましい。 マイクロミキサーの前記微小空間に分けられた油相、貧溶媒相、及びマイクロミキサーの前記微小空間の保温温度は、貧溶媒相及び油相に含まれる成分によっても異なるが、それぞれ独立に、0℃〜50℃が好ましく、5℃〜25℃が特に好ましい。マイクロミキサーの前記微小空間の保温温度と、マイクロミキサーの前記微小空間に分けられた油相および貧溶媒相の保温温度と、マイクロミキサーの前記微小空間に分けられる前の油相および貧溶媒相の保温温度(即ち、油相および貧溶媒相供給タンクの保温温度)がそれぞれ異なっていても良いが、同じ温度にすることが混合の安定性の点で好ましい。 本発明において、マイクロミキサーの微小空間に分けられる前後の水相、油相、及びマイクロミキサーの前記微小空間及び前記別な微小空間の保温温度を室温より高くして、ミクロ混合して乳化した後は、マイクロミキサーにより得られた水中油滴型エマルションは採取後、冷却して常温にすることは特に好ましい。 本発明におけるマイクロミキサーの微小空間(流路)の最も狭い部分の断面積は、1μm2〜1mm2であり、分散粒子の粒径の微細化及び粒径分布のシャープネス化の観点から、500μm2〜50,000μm2が好ましい。 本発明における水相に用いるマイクロミキサーの微小空間(流路)の最も狭い部分の断面積は、混合安定性の観点から、1,000μm2〜50,000μm2が特に好ましい。 油相に用いるマイクロミキサーの微小空間(流路)の最も狭い部分の断面積は、エマルション粒径の微細化及び粒径分布のシャープネス化の観点から、500μm2〜20,000μm2が特に好ましい。 また、マイクロミキサーで混合(乳化分散)する場合、乳化分散時の油相と水相の流量としては、用いるマイクロミキサーによっても異なるが、エマルション粒径の微細化及び粒径分布のシャープ化の観点から、水相の流量としては、10ml/min〜500ml/minが好ましく、20ml/min〜350ml/minがより好ましく、50ml/min〜200ml/minが特に好ましい。 油相の流量としては、エマルション粒子径の微細化及び粒子径分布のシャープ化の観点から、1ml/min〜100ml/minが好ましく、さらには3ml/min〜50ml/minがより好ましく、5ml/min〜50ml/minが特に好ましい。 両相の流量をマイクロチャンネルの断面積で割った値、すなわち両相の流速比(Vo/Vw)は、粒子の微細化とマイクロミキサーの設計上、0.05以上5以下の範囲であることが好ましい。但し、Voは水不溶性天然成分を含む油相の流速であり、Vwは水相の流速である。また、流速比(Vo/Vw)が0.1以上3以下であることが、さらなる粒子の微細化の観点から最も好ましい範囲である。 また、水相及び油相の送液圧力としては、水相と油相として、0.030MPa〜5MPaと0.010MPa〜1MPaが好ましく、さらには、0.1MPa〜2MPaと0.02MPa〜0.5MPaがより好ましく、0.2MPa〜1MPaと0.04MPa〜0.2MPaが特に好ましい。前記水相の送液圧力を0.030MPa〜5MPaとすることにより、安定な送液流量を維持できる傾向となり、油相の送液圧力を0.010MPa〜1MPaとすることにより、均一な混合性が得られる傾向となり好ましい。 本発明において、前記流量、送液圧力及び保温温度はそれぞれ好ましい例の組み合せがより好ましい。 前記乳化分散における油相と水相との比率(質量)は、特に限定されるものではないが、油相/水相比率(質量%)として0.1/99.9〜50/50が好ましく、0.5/99.5〜30/70がより好ましく、1/99〜20/80が更に好ましい。 油相/水相比率を上記範囲とすることにより、有効成分を充分に含み、実用上充分な分散安定性が得られるため好ましい。 本発明の乳化物の製造方法では、用いられた水溶性有機溶媒は、マイクロ流路を通して乳化又は分散後、除去されることが好ましい。溶媒を除去する方法としては、ロータリーエバポレーター、フラッシュエバポレーター、超音波アトマイザー等を用いた蒸発法、限外濾過膜、逆浸透膜等の膜分離法が知られているが、特に限外濾過膜法が好ましい。 限外濾過(Ultra Filter:略してUF)とは、原液(水、高分子物質、低分子物質、コロイド物質等の混合水溶液)を加圧し、UF装置に注水することにより、原液を透過液(低分子物質)と濃縮液(高分子物質、コロイド物質)2系統の溶液に分離し、取り出すことができる装置である。 限外濾過膜は、ロブ−スリーラーヤン法により作製される典型的な非対称膜である。使用される高分子素材としては、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニル−ポリアクリロニトリル共重合体、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォン、フッ化ビニリデン、芳香族ポリアミド、酢酸セルロース及びセラミックス膜を挙げることができる。また、限外濾過膜の膜モジュールは平膜型、管状型、中空糸型、スパイラル型のいずれであってもよい。本発明に使用可能な市販の膜モジュールとしては、マイクローザーUF(旭化成ケミカルズ(株))、キャピラリー型エレメントNTU−3306(日東電工(株))等があるが、これに限定されるものではない。 得られた乳化物からの溶媒除去には、膜の材質は溶媒耐性の観点から、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォン、芳香族ポリアミドが特に好ましい。膜モジュールの形態としては、実験室スケールでは平膜が主に用いられるが工業的には中空糸型、スパイラル型が用いられるが、中空糸型が特に好ましい。また、分画分子量は有効成分の種類によって異なるが、通常、5,000〜100,000の範囲のものが用いられる。 操作温度は0℃〜80℃まで可能であるが、有効成分の劣化を考慮すると10℃〜40℃の範囲が特に好ましい。 ラボスケールの限外濾過装置としては、平膜型モジュールを用いる、ADVANTEC−UHP(アドバンテック(株))、フロータイプラボテストユニットRUM−2(日東電工(株))等がある。工業的にはそれぞれの膜モジュールを必要能力に応じた大きさと本数を任意に組み合わせてプラントを構成することができる。ベンチスケールのユニットとしては、RUW−5A(日東電工(株))等が市販されている。 本発明の乳化物に適用しうる製造方法では、溶媒除去に引き続き、得られた乳化物を濃縮化する工程を加えてもよい。濃縮方法としては、蒸発法、濾過膜法等溶媒除去と同じ方法、装置を用いることができる。濃縮の場合も限外濾過膜法が好ましい方法である。溶媒除去と同一膜を使うことができれば好ましいが、必要に応じて、分画分子量の異なる限外濾過膜を使用することもできる。また、溶媒除去とは異なる温度で運転し、濃縮効率を高めることも可能である。 本発明の乳化物の製造方法では、上記の乳化物中の分散粒子の体積平均粒径を、1nm〜100nmとするものである。得られた乳化物の浸透性、例えば肌への浸透性の観点から、より好ましくは1nm〜50nmである。 本発明における分散粒子の粒径は、市販の種々の粒度分布計等で計測可能であるが、粒径範囲及び測定の容易さから、動的光散乱法を適用したものとする。 動的光散乱を用いた市販の測定装置としては、ナノトラックUPA(日機装(株))、動的光散乱式粒径分布測定装置LB−550((株)堀場製作所)、濃厚系粒径アナライザーFPAR−1000(大塚電子(株))等が挙げられる。 本発明における分散粒子の粒径は、動的光散乱式粒径分布測定装置LB−550((株)堀場製作所)を用いて測定した値であり、具体的には、以下のよう計測した値を採用する。 即ち、粒径の測定方法は、本発明の乳化物から分取した試料に含まれる油成分の濃度が1質量%になるように純水で希釈を行い、石英セルを用いて測定を行う。粒径は、試料屈折率として1.600、分散媒屈折率として1.333(純水)、分散媒の粘度として純水の粘度を設定した時の体積平均径として求めることができる。 本乳化物のpH、分散粒子の安定性の観点からpHは、例えば、6以上8以下であり、好ましくはpH6.5以上7.5以下である。(化粧料) 本発明の化粧料は、上述した乳化物を含むものである。 本発明の乳化物は、耐塩性が高く、肌へ適用した場合に肌への浸透性が高く微細な分散粒子を含むエマルションであるため、N−アシルアミノ酸ジエステルの機能に応じた種々の機能を備えることができる。 化粧料としては、スキンケア化粧料(化粧水、美容液、乳液、クリームなど)、日焼け止め化粧料、口紅やファンデーションなどのメークアップ化粧料などを挙げることができるが、これらに制限されるものではない。 本化粧料におけるN−アシルアミノ酸ジエステルの含有量には特に制限はないが、N−アシルアミノ酸ジエステルによる機能を効果的に発揮可能とする観点から、0.01質量%以上含有されていればよい。 本発明の化粧料を化粧品に使用する場合、必要に応じて、化粧料に添加可能な成分を適宜添加することができる。 以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は質量基準である。(実施例1)[分散液の調製](1)分散物1の調製(本発明) 下記油相液1に記載の各成分を50℃にて30分間攪拌し油相液1−1を調製した。ここで用いたアミノ酸系油剤は、N−ラウロイル−Lグルタミン酸ジ(フィトステリル・ベヘニル・2−オクチルドデシル)(商品名:エルデュウPS−304;味の素(株)製)である。また下記水相液1−2は、純水にラウリルカルバミン酸イヌリン(商品名:イヌテックSP1;オラフティ(株)製。重合度25)を加えて50℃に加温し、充分に攪拌溶解した後、残りの成分を加えて混合し、液温を25℃に調整した。<油相液1−1組成> N−ラウロイル−Lグルタミン酸ジ(フィトステリル・ベヘニル・2−オクチルドデシル) 2.50部 オレイン酸(融点:14℃) 0.75部 エタノール〔水溶性有機溶媒〕 96.75部<水相液1−2組成> 純水 98.21部 ラウリルカルバミン酸イヌリン 0.29部 0.1モル水酸化ナトリウム 1.50部 (最終の分散物のpH=7.4) 得られた油相液1−1(油相)と水相液1−2(水相)を、1:7の比率(質量比)で、衝突型であるKM型マイクロミキサーを用いてミクロ混合(分散)して、分散液1を得た。なお、マイクロミキサーの使用条件は、下記のとおりである。また調整中は、油相液1−1は50℃に、水相液1−2は25℃に保温した。 −マイクロチャンネル− 油相側マイクロチャンネル 断面形状/幅/深さ/長さ = 矩形/70μm/100μm/10mm 水相側マイクロチャンネル 断面形状/幅/深さ/長さ = 矩形/490μm/100μm/10mm −流量− 外環に水相を35.0ml/min.の流量で導入し、内環に油相を5.0ml/min.の流量で導入してミクロ混合した。 得られた分散液1を大川原製作所製の「エバポール(CEP−lab)」を使用し、エタノール濃度が0.1質量%以下になるまで脱溶媒することで、アミノ酸系油剤濃度が1.0質量%になるように濃縮、調整し、pH=7.4の分散物1を得た。(2)分散物2の調製(本発明) 上記分散物1において、油相のN−ラウロイル−Lグルタミン酸ジ(フィトステリル・ベヘニル・2−オクチルドデシル)の代わりに、N−ラウロイル−Lグルタミン酸ジ(フィトステリル・2−オクチルドデシル)(商品名:エルデュウPS−203;味の素(株)製)を用いた以外は、分散物1と同様に作製した。(3)分散物3の調製(本発明) 上記分散物1において、水相のラウリルカルバミン酸イヌリンの代わりに、コレステリルプルラン(Meduseeds)を用いた以外は、分散物1と同様に作製した。なお、コレステリルプルランはMeduseedsC1(日油(株)製)1質量%分散物の形で使用した。(4)分散物4の調製(本発明) 上記分散物1において、水相のラウリルカルバミン酸イヌリンの代わりに、オクテニルコハク化デンプン(エマルスターA1;松谷化学(株)製)を用いた以外は、分散物1と同様に作製した。(5)分散物5の調製(比較例) 上記分散物1において、水相のラウリルカルバミン酸イヌリンの代わりに、イヌリン(フジFF;フジ日本製糖(株)製)を用いた以外は、分散物1と同様に作製した。(6)分散物6の調製(比較例) 上記分散物1において、水相のラウリルカルバミン酸イヌリンの代わりに、アラビアガム(INSTANTGUM−AB;コロイドナチュレ社製)を用いた以外は、分散物1と同様に作製した。(7)分散物7の調製(比較例) 上記分散物1において、水相のラウリルカルバミン酸イヌリンを抜いた以外は、分散物1と同様に作製した。[評価](1)分散物の粒径測定 上記分散物1〜7について調製直後の油滴様の分散粒子の粒径を、動的光散乱式粒径分布測定装置LB−550((株)堀場製作所)を用いて測定した。該粒径の測定は、粒子の濃度が0.2質量%になるように純水で希釈を行い、石英セルを用いて行った。粒子径は、試料屈折率として1.600、分散媒屈折率として1.333(純水)、分散媒の粘度として純水の粘度を設定した時の体積平均径として求めた。結果を表1に示す。(2)分散物の耐塩性評価 耐塩性の指標として、上記分散物1〜7に塩化ナトリウムを添加した時の濁度で評価した。濁度は、UV−VISIBLEスペクトルフォトメーターUV−2550((株)島津製作所製)を使用し、10mmセルにて650nmの吸光度として測定した(測定温度:温度25℃)。添加する塩化ナトリウム濃度を0.1質量%、0.3質量%、1.0質量%添加時の濁度の値を表2に示す。 表1及び表2に示されるように、本発明の実施例に相当する分散物1〜4はいずれも100nm以下の粒径を示すものであって、分散物5〜7と比較して、耐塩性が著しく改良されることは明らかである。また、このような微細な粒径の分散物であれば、高い浸透性が期待される。 特に、分散物1〜4の中でも、ラウリルカルバミン酸イヌリンを用いた分散物A及びBが、より微細であって耐塩性により優れていることが分かる。(化粧料の調製) 実施例1にて調製した分散物1〜7を用いて、下記の処方に従って化粧料(美容液)を作製した。 但し、配合量はいずれも質量%である。調製法は、50℃に加温した精製水の中に、撹拌しながら下記の成分を順次添加して溶解し、溶解完了後室温まで冷却することで調製した。分散物1〜7を用いて調製した化粧料をそれぞれ化粧料1〜7とした。 グリチルリチン酸ジカリウム 0.20 1,3−ブチレングリコール 5.00 グリセリン 5.00 ポリエチレングリコール1500 1.50 実施例1の分散物 16.00 キサンタンガム(2%水溶液) 5.00 クエン酸 0.03 クエン酸ナトリウム 0.10 アルギニン 0.05 EDTA−2Na 0.10 フェノキシエタノール 0.20 精製水 66.82(化粧料の経時評価) これらの化粧料の外観を、室温と40℃で1ヶ月間保存後に液の状態を目視により評価した。この結果を表3に示した。表3における各評価は、以下のとおりである。 A:1ヵ月保存後でも変化が認められないことを示す。 B:1ヵ月保存後にやや濁りが増えたことを示す。 C:1ヵ月保存後に明らかに濁り又は凝集物が生成したことを示す。 表3に示されるように、本発明の実施例に相当する化粧料1〜4は長期保存しても安定性が高いことがわかる。 このような化粧料であれば、耐塩性に優れ、安定性が良好であり、例えば本来の皮膚が持つ保湿機能に近い状態を維持する効果を長期間にわたって良好に保持することができる。 従って、本発明によれば、微細且つ高い耐塩性を有する乳化物と、この乳化物を含む化粧料を提供することができる。 N−アシルアミノ酸ジエステルを含有し、油相として水相中に分散され且つ1nm以上100nm以下の体積平均粒子径を有する分散粒子と、 少なくとも1種の、脂肪族基を含む置換基を有する多糖類と、 を含む乳化物。 前記N−アシルアミノ酸ジエステルにおけるアシル基が、炭素数8〜18のアシル基である請求項1記載の乳化物。 前記N−アシルアミノ酸ジエステルが、N−ラウロイルグルタミン酸ジエステルである請求項1又は請求項2記載の乳化物。 前記N−ラウロイルグルタミン酸ジエステルの2つのエステル構造におけるアルコール残基が、それぞれ独立に、フィトステリルオキシ基、2−オクチルドデシルオキシ基、ベヘニルオキシ基及びコレステリルオキシ基から選択された少なくとも1種アルコール残基である請求項3記載の乳化物。 前記少なくとも1種の、脂肪族基を含む置換基を有する多糖類が、下記の一般式(1)で表される化合物の少なくとも1種である請求項1〜請求項4のいずれか1項記載の乳化物。 (polyS)−[(L)m−R]n (1)(式中、polySは多糖類を表し、Rは炭素数4〜20の、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、ヒドロキシアルキル基、カルボキシルアルキル基、アルキルカルボニル基、アルコキシカルボニル基又はアルキルカルボニルオキシ基を表し、mは0又は1以上の整数を表し、nは1以上の整数を表し、Lは連結基を表す。) 前記少なくとも1種の、脂肪族基を含む置換基を有する多糖類が、重合度2〜100の糖単位で構成された多糖類である請求項1〜請求項5のいずれか1項記載の乳化物。 前記多糖類が、イヌリンである請求項1〜請求項6のいずれか1項記載の乳化物。 更に、脂肪酸成分を含有する請求項1〜請求項7のいずれか1項記載の乳化物。 前記乳化物中に含まれる界面活性剤の総含有量は、油性成分の全質量に対して0.3倍量を超えない請求項1〜請求項8のいずれか1項記載の乳化物。 請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の乳化物の製造方法であって、 前記N−アシルアミノ酸ジエステルを少なくとも含む油相成分を該N−アシルアミノ酸ジエステルの良溶媒に溶解して、油相を調製すること、及び、 得られた油相とN−アシルアミノ酸ジエステルの貧溶媒を含む水相とを混合すること を含む乳化物の製造方法。 前記N−アシルアミノ酸ジエステルの良溶媒が水溶性有機溶媒であり、前記N−アシルアミノ酸ジエステルの貧溶媒が水である請求項10記載の乳化物の製造方法。 前記油相と前記水相との混合が、前記油相及び水相を、断面積が1μm2〜1mm2であるマイクロ流路にそれぞれ独立して通過させた後に、組み合わせて混合するものである請求項10又は請求項11に記載の乳化物の製造方法。 前記混合が、対向衝突により行なわれる請求項10〜請求項12のいずれか1項記載の乳化物の製造方法。 請求項1〜請求項9のいずれか1項記載の乳化物を含有する化粧料。 【課題】微細且つ十分な耐塩性を有する乳化物及びこれを用いた化粧料を提供する。【解決手段】N−アシルアミノ酸ジエステルを少なくとも含有し、油相として水相中に分散され且つ1nm以上100nm以下の体積平均粒子径を有する分散粒子と、少なくとも1種の、脂肪族基を含む置換基を有する多糖類と、を含む乳化物。【選択図】なし


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