生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_コラーゲン産生促進剤、食品及び皮膚外用剤
出願番号:2011007435
年次:2012
IPC分類:A61K 36/25,A61P 17/00,A61K 8/97,A61Q 19/00,A61P 43/00,A23L 1/30


特許情報キャッシュ

田沼 靖一 阿部 英明 JP 2012148991 公開特許公報(A) 20120809 2011007435 20110118 コラーゲン産生促進剤、食品及び皮膚外用剤 ヒノキ新薬株式会社 391064131 稲木 次之 100062373 加藤 和彦 100110906 田沼 靖一 阿部 英明 A61K 36/25 20060101AFI20120713BHJP A61P 17/00 20060101ALI20120713BHJP A61K 8/97 20060101ALI20120713BHJP A61Q 19/00 20060101ALI20120713BHJP A61P 43/00 20060101ALI20120713BHJP A23L 1/30 20060101ALI20120713BHJP JPA61K35/78 MA61P17/00A61K8/97A61Q19/00A61P43/00 105A23L1/30 B 3 1 OL 8 4B018 4C083 4C088 4B018LB01 4B018LB10 4B018MD61 4B018ME14 4B018MF01 4C083AA111 4C083AA112 4C083AB032 4C083AC072 4C083AC122 4C083AC352 4C083AC422 4C083AC482 4C083AD282 4C083AD532 4C083AD662 4C083CC02 4C083CC05 4C083DD31 4C083EE12 4C088AB16 4C088AC13 4C088BA08 4C088BA09 4C088CA05 4C088MA28 4C088MA63 4C088NA14 4C088ZA89 4C088ZB21 本発明はコラーゲンの産生を促進するコラーゲン産生促進剤、コラーゲン減少による老化等の現象の防止・緩和に有用な食品及び皮膚外用剤に関する。 コラーゲンは、身体の結合組織を構成する主要タンパク質であり、皮膚、骨、軟骨、腱、血管壁などに大量に存在し、身体の全タンパク量の約1/3を占めている。コラーゲンは皮膚や骨の構成要素として構造の維持に役立ち、また細胞間で細胞の保護や接着などの生理的役割を果たしている。炎症や創傷で害された組織の治癒過程においても、真皮線維芽細胞におけるコラーゲン等の線維成分の産生が重要な役割を担うことが報告されている。 コラーゲンは加齢による新陳代謝の衰えや、紫外線やストレスなどの外的要因によって減少する。皮膚ではその乾燥重量の70%をコラーゲンが占めており、コラーゲンの減少にともなって弾力性や柔軟性が失われ、ひいては、しわやたるみといった肌の加齢変化現象を生じさせる。また骨の組織がもろくなったり、炎症や創傷の際の回復が遅れるなど、様々な問題を生じさせる。 高分子であるコラーゲンは消化管や皮膚から吸収されにくいので、コラーゲン自体を摂食したり皮膚に適用しても、身体組織のコラーゲン増進効果は少ないと言われている。従って、身体自身に本来備わっている自然のコラーゲン産生能を活性化し、コラーゲンの産生を促進することにより、コラーゲン不足による老化等の問題を予防するような食品や皮膚外用剤が求められてきた。 特開2000−93121号公報記載の発明は、クマザサ、アマチャヅル、エゾウコギ、ベタイン、大豆サポニンから選択される物質をコラーゲンペプチドと共に摂取することにより、プロリン等のコラーゲン由来のアミノ酸の消化吸収を増進し、もって生体内のコラーゲン合成を促進するコラーゲン合成促進剤用組成物である。この文献においては、コラーゲンペプチドの吸収を高める吸収促進成分の一つとしてエゾウコギが記載されている。 特開2005−255527号公報記載の発明は、パフィア属に属する植物、キランソウ属に属する植物及びPhaponticum属に属する植物からなる群から選択される植物の抽出物と、他の動植物由来成分と、ビタミン等のその他の成分とを配合することにより生体内のコラーゲン合成を促進するコラーゲン合成促進剤用組成物である。この文献においては、主たる植物抽出物に補助的に配合される多数の動植物由来成分の一つとして、エゾウコギ抽出物が記載されている。特開2000−93121号公報特開2005−255527号公報 本発明においては、コラーゲン産生を促進し、コラーゲンの減少にともなう、はり・弾力の低下、ひいては、しわやたるみといった肌の加齢変化を予防・改善しうる新規のコラーゲン産生促進剤、及びそれを配合した新規の食品及び皮膚外用剤を提供することを目的とする。 前記目的を達成するために、本発明者らは、安全性に優れた物質の中から、コラーゲン産生促進効果を発現させる物質を得るべく鋭意研究を重ねた結果、従来は強壮作用や抗ストレス作用を有する物質として知られ、他のコラーゲン産生促進剤に補助的成分として配合されていたエゾウコギ抽出物が、単独でも顕著なコラーゲンの産生促進効果を有することを見出し、本発明を完成するに至った。 エゾウコギ(Siberian ginseng、学名Acanthopanex Senticosusu Harms)はウコギ科の落葉低木であり、滋養・強壮作用や抗ストレス作用のある薬用植物として知られている。本発明に用いられるエゾウコギ抽出物は、エゾウコギの茎、根及び葉などから水又は有機溶媒で抽出する。抽出に用いる有機溶媒は極性溶媒であっても非極性溶媒であってもよく、抽出方法にも特に制限はない。 本発明のコラーゲン産生促進剤におけるエゾウコギ抽出物の配合量は剤型や用途に応じて調整することができるが、安定性、安全性などの点から希釈して用いることが好ましい。発明者の実験によれば、エゾウコギ抽出物を単独で用いても、皮膚線維芽細胞のコラーゲン産生機能を高め、良好なコラーゲン産生促進作用を発揮する。比較的低濃度のエゾウコギ抽出物でも効果があるため、これを食品及び皮膚外用剤に安全に配合することができる。 本発明のコラーゲン産生促進剤を配合する食品には、必須成分であるエゾウコギ抽出物に加えて、必要に応じ、本発明の効果を損なわない範囲内で甘味料、防腐剤、酸化防止剤、香料、生薬や栄養補助剤等を配合できる。また、本発明のコラーゲン産生促進剤を配合する食品の形態は、粉末、散剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤等、経口摂取可能な様々な形態をとりうるほか、他の飲食品に添加することもできる。 本発明のコラーゲン産生促進剤を配合する皮膚外用剤には、必須成分であるエゾウコギ抽出物に加えて、必要に応じ、本発明の効果を損なわない範囲内で化粧料、医薬部外品、医薬品等に一般に用いられる各種成分、水性成分、保湿剤、増粘剤、紫外線吸収剤、紫外線散乱剤、防腐剤、酸化防止剤、香料、色剤、薬剤、生薬等を配合できる。また、本発明のコラーゲン産生促進剤を配合する皮膚外用剤の剤型は任意であり、例えば化粧水等の可溶化系、乳液、クリーム等の乳化系、あるいは軟膏、粉末分散系、水−油二層系、水−油−粉三層系等のような剤型でもかまわない。 以下、本発明を試験的な実施例により詳細に説明する。この説明は本発明の実施方法を明らかにするためのものであり、例示した手法、数値等は発明を限定するものではない。 コラーゲン産生促進作用の検定試験<試料> 試料は日本粉末株式会社製のエゾウコギエキスを用いた。同エキスは、中国産エゾウコギの根茎より水を抽出溶媒として抽出し、原生薬換算比が約20:1となるように調製されたものである。<試験方法>(試験対象) コラーゲン産生能を有するヒト皮膚由来正常線維芽細胞株(TIG-120細胞)を財団法人ヒューマンサイエンス振興財団ヒューマンサイエンス研究資源バンクより購入し、コラーゲン産生能の評価対象として用いた。(試験方法) TIG-120細胞株を基本培養液(ダルベッコ改変イーグル培地、培養補助因子としてウシ胎児血清を最終濃度10%で添加)を用いて12穴プラスチックプレート中に1穴あたり1.5×104個(培養面積の約10%を占める培養密度)播種し、5%CO2インキュベータ内で37℃で培養した。30%エタノールにて段階希釈した各濃度のエゾウコギエキスを基本培養液に1/100容量添加した培養液を調製し、播種後1日目にこれらの培養液へ交換(エゾウコギの最終希釈率10000〜1000倍)し、3日目に再度同希釈倍率の培養液に交換して更に1週間培養した。 1週間の培養の後、各培養上清中のコラーゲン量を市販のコラーゲン定量用キット(ACBio社製ヒトコラーゲン タイプ1 ELISA)を用いて酵素免疫測定法(ELISA法)により定量した。対照群としては、30%エタノールを1/100容量(最終濃度0.3%)添加した培養液にて培養を行った細胞を用いた。コラーゲン量は各群3サンプルの平均値をとり、対照群を100%とした相対値で算出した。(試験結果)エゾウコギエキス処理群において対照群の細胞よりも培養液中のコラーゲン量の増加(最大で約2倍)が見られた。よって本発明品にはヒト皮膚の線維芽細胞のコラーゲン産生能を増加させる作用があることが明らかとなった。また、低濃度の希釈エキスを配合した培養液(最終希釈率10000倍)においても顕著な作用があることが明らかとなった。食品製造例(1)美容食品の製造常法により抽出したエゾウコギエキスを用いて、表2記載の組成を有する美容食品を製造した。食品製造例(2)エゾウコギ飴の製造実施例1と同様にして得られたエゾウコギエキスを乾燥して粉末化した後、常法を用いて、表3記載の組成を有するエゾウコギ飴を製造した。皮膚外用剤製造例(1)美容乳液の製造常法により抽出したエゾウコギエキスを用いて、表4記載の組成を有する美容クリームを製造した。 皮膚外用剤製造例(2)美容液の製造常法により抽出したエゾウコギエキスを用いて、表5記載の組成を有する美容液を製造した。 本発明のコラーゲン産生促進剤は、ヒト皮膚の線維芽細胞におけるコラーゲン産生能を増加させる効果があり、またエゾウコギエキスは食品、皮膚外用剤などとして投与しうることが知られているから、コラーゲンの減少に伴う皮膚のはり・弾力の低下、ひいては、しわやたるみといった加齢変化を予防・改善し、加えて炎症や創傷の治癒過程にも有効な効果を期待できる。従って食品・化粧品等の製造上有用である。表1によって示されたコラーゲン産生促進効果を図示する。エゾウコギ抽出物を有効成分として配合したコラーゲン産生促進剤。請求項1記載のコラーゲン産生促進剤を配合した食品。請求項1記載のコラーゲン産生促進剤を配合した皮膚外用剤。 【課題】 コラーゲン産生を促進し、コラーゲンの減少にともなう老化等の現象を防止・緩和するコラーゲン産生促進剤と、それを配合した食品・皮膚外用剤を提供する。 【解決手段】 有効成分としてエゾウコギ抽出物を配合することにより生体のコラーゲン産生を促進する。必要に応じて甘味料、香料、生薬や栄養補助品等を配合することにより食品として摂取でき、また化粧料、医薬部外品を配合することにより皮膚外用剤として投与できる。【選択図】 図1


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