生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_美容マッサージ方法
出願番号:2011006518
年次:2012
IPC分類:A61K 8/86,A61H 39/04,A61Q 19/00


特許情報キャッシュ

菅野 康彦 早重 智成 井上 俊枝 大城 由香 野島 恵 大矢 淳子 高田 定樹 JP 2012148982 公開特許公報(A) 20120809 2011006518 20110115 美容マッサージ方法 株式会社 資生堂 000001959 伊東 忠彦 100070150 菅野 康彦 早重 智成 井上 俊枝 大城 由香 野島 恵 大矢 淳子 高田 定樹 A61K 8/86 20060101AFI20120713BHJP A61H 39/04 20060101ALI20120713BHJP A61Q 19/00 20060101ALI20120713BHJP JPA61K8/86A61H39/04 HA61Q19/00 5 1 OL 8 4C083 4C101 4C083AA112 4C083AD041 4C083AD042 4C083CC05 4C083DD31 4C083EE12 4C101BA01 4C101BA09 4C101BB11 4C101BE02 4C101EB14 本発明は美容マッサージ方法に関する。 一般的に、血液循環の改善や筋肉の緊張の緩和などの美容効果を得るために、マッサージが施される。中でも、頭皮マッサージは、頭皮における血行を促進し、毛穴に溜まった老廃物の除去を目的として、施される(特許文献1など)。特開2009−35486号公報 しかしながら、従来の頭皮マッサージは、その効果がマッサージを施した頭皮の部位及びその周辺のみにしか及ぼすことができなかった。 そのため、美容を目的として施される頭皮マッサージにより、頭皮から離れた部位の美容効果が得られる美容マッサージ方法の開発が求められていた。 本発明によれば、 頭皮のフロント部分からトップ部分に向かって頭皮を強擦する処理と、 頭皮のフロント部分からトップ部分に向かって頭皮を揉撚する処理と、 頭皮のネープ部分からトップ部分に向かって頭皮を揉撚する処理と、 頭皮のフロント部分からフェースラインに沿って耳上部分まで揉撚し、続いて耳周りを揉撚する処理と、 頭皮のネープ部分からトップ部分に向かって頭皮を軽擦する処理と、 耳周りを軽擦する処理と、を含む、美容マッサージ方法が提供される。 本発明によれば、以下の効果を奏する。 美容を目的として施される頭皮マッサージにより、頭皮から離れた部位の美容効果が得られる美容マッサージ方法を提供できる。図1は、本発明の美容方法を説明するための概念図である。図2は、本発明の美容方法を説明するための概念図である。図3は、本発明の美容方法を説明するための概念図である。図4は、本発明の美容方法を説明するための概念図である。図5は、本発明の美容方法を説明するための概念図である。図6は、本発明の美容方法を説明するための概念図である。図7は、本発明で実施形態の一例であるマッサージの概略図である。図8は、マッサージ施術前後の顔の輪郭の変化を示す図である。 次に、本発明について詳述する。 一般的に、頭皮と顔の皮膚組織は、物理的に離れているにも関らず、密接な関係を有する。具体的には、頭皮と顔の皮膚組織とは、一枚皮で繋がっており、筋肉、リンパ、血液も連携している。また、頭皮と顔の皮膚組織は、表皮、角層、基底膜、真皮、皮下組織など、基本的な組織構造が同様である。そのため、これらの刺激を頭皮に施すことにより、顔の物理的性質が変化すると考えられる。さらに、一般に、頭皮の表面積は、顔の皮膚組織の表面積の2倍以上であることから、頭皮への美容的施術により、頭皮だけでなく頭皮から離れた顔の皮膚にも美容効果を得ることが可能となる。 本発明に係る美容方法は、頭皮のフロント部分からトップ部分に向かって頭皮を強擦する処理と、頭皮のフロント部分からトップ部分に向かって頭皮を揉撚する処理と、頭皮のネープ部分からトップ部分に向かって頭皮を揉撚する処理と、頭皮のフロント部分からフェースラインに沿って耳上部分まで揉撚し、続いて耳周りを揉撚する処理と、頭皮のネープ部分からトップ部分に向かって頭皮を軽擦する処理と、耳周りを軽擦する処理と、を含む。さらに、場合に応じて頭皮を刺激する他の処理を含んでも良い。 この時、頭皮に刺激を与える方法としては、頭皮に圧力を与える処理であれば特に限定されない。具体的には、ヒトの手、足、又は小型のマッサージ用器具などにより、容易に頭皮に圧力を印加できる。 また、圧力の印加方法としては、特に限定されず、具体的には、一定の圧力を継続的に印加する方法、一定の圧力を断続的に印加する方法、変動する圧力を継続的に印加する方法、変動する圧力を断続的に印加する方法などが挙げられる。また、圧力の大きさや印加頻度、環境温度、環境湿度などは、当業者が適宜選択することができるものである。 本発明に係る美容マッサージ方法における強擦する処理とは、皮膚表面を強くこすることや、強くさすることを示す。一般的には、親指、示指又は中指の指腹を使い、深部へのマッサージをする行為などを指す。また、本発明に係る美容マッサージ方法における揉撚する処理とは、筋肉をほぐす様に揉むことを含む。さらに、一般的には、術手を患部へ密着させ、垂直に圧をかけ、その圧を抜かずに筋組織を動かす行為などを指す。またさらに、本発明に係る美容マッサージ方法における軽擦する処理とは、皮膚表面を軽くなでることや、軽くさすることを含む。さらにまた、一般的には、術手を患部に密着させ、同一圧で同一速度で同一方向に遠心性でなでる行為などを指す。 次に、各々の処理について詳説する。 [頭皮のフロント部分からトップ部分に向かって頭皮を強擦する処理] 図1は、本発明の美容方法の1ステップを説明するための概念図である。本処理では、頭皮のフロント部分からトップ部分に向かって頭皮を強擦することができれば特に限定されない。例えば、図1のように、頭皮のフロント部分からトップに向かって、両手の親指をジグザグに動かすことで頭皮を強擦することなどが挙げられる。この処理は、10秒から15秒程度で行うことが好ましく、この処理を1回行っても良く、2回以上行っても良いが、好ましくは3回程度である。 [頭皮のフロント部分からトップ部分に向かって頭皮を揉撚する処理] 図2は、本発明の美容方法の1ステップを説明するための概念図である。本処理では、頭皮のフロント部分からトップ部分に向かって頭皮を揉撚することができれば特に限定されない。図2のように、フェースラインに指の腹を置き、円を描くように頭皮のフロント部分からトップに向かって、頭皮を揉撚することなどが挙げられる。揉撚の回数は1回でも良く、2回以上行っても良いが、好ましくは4回程度である。また、揉撚する際、頭皮をつまむように引き上げてからトップ部分に向かっても良い。 [頭皮のネープ部分からトップ部分に向かって頭皮を揉撚する処理] 図3は、本発明の美容方法の1ステップを説明するための概念図である。本処理では、頭皮のネープ部分からトップ部分に向かって頭皮を揉撚することができれば特に限定されない。例えば、図3のように頭皮のネープ部分からトップ部分に向かって、親指を除く残りの指でらせんを描くように揉撚することなどが挙げられる。 [頭皮のフロント部分からフェースラインに沿って耳上部分まで揉撚し、続いて耳周りを揉撚する処理] 図4は、本発明の美容方法の1ステップを説明するための概念図である。本処理では、頭皮のフロント部分からフェースラインに沿って耳上部分まで揉撚し、続いて耳周りを揉撚することができれば特に限定されない。 頭皮を揉撚する処理は、全体として20秒から30秒程度で1回行っても良く、2回以上行っても良いが、好ましくは2回である。 [頭皮のネープ部分からトップ部分に向かって頭皮を軽擦する処理] 図5は、本発明の美容方法の1ステップを説明するための概念図である。本処理では、頭皮のネープ部分からトップ部分に向かって頭皮を軽擦することができれば特に限定されない。例えば、図5に示すように、頭皮のネープ部分からトップ部分に向かって指全体で優しく滑らせることなどが挙げられる。この時、同様にフェースラインから頭皮のトップ部分に向かって指を滑らせても良い。この処理は、5秒程度で行うことが好ましい。また、この処理は1回行っても良く、2回以上行っても良い。 [耳周りを軽擦する処理] 図6は、本発明の美容方法の1ステップを説明するための概念図である。本処理では、耳周りを軽擦することができれば特に限定されない。例えば、図6に示すように、人差し指をもみあげ付近に、中指を耳後ろに置き、軽擦することなどが挙げられる。また、親指をもみあげ付近に置き、耳の周りに沿って首筋までを指を滑らせることなども挙げられる。この処理は10秒から20秒程度で行うことが好ましい。 [その他の処理] また、本発明の美容方法は、従来の美容方法の、他の処理を含んでも良い。例えば、軽擦法、強擦法、揉撚法、圧迫法、牽引法などを組み合わせた従来の美容方法を含んでも良いし、つぼ押しなどの美容方法を含んでも良い。 また、本発明の美容方法は、各々の施術の前に、化粧料などの美容用物質を塗布する処理を含んでも良い。美容用物質としては、特に限定はなく、公知のものを適宜使用することができるが、高重合ポリエチレングリコールを含むことが好ましい。高重合ポリエチレングリコールを含む美容用物質を用いることにより、美容用物質が頭皮に密着して均一に伸びるため、有効成分を均一に浸透させることができる。 本発明の美容方法を頭皮に施すことにより、顔の美容効果が期待される。具体的には、顔の輪郭がシェープアップされ、顔のリフトアップなどの美容効果が得られる。 そのため、本発明の美容方法は、シャンプーなどの施術後又はシャンプーをしながら施術しても良い。また、例えば、美容院やデパートの化粧品売り場、美容講習会場、インターネットを用いた美容指導等の場におけるヘアメイクやメイクアップ等と併せて行うことができる。さらに、これらのヘアメイクやメイクアップ等と、本件発明の美容マッサージ方法とを施術後に、写真撮影を行うことにより、美容効果が一層高まった顔写真を得ることも可能となる。 また、一般的に他人に小顔に見られたいという要望を持つ人に、本発明の美容マッサージ方法を繰り返し適用することにより、要望を満たすことも可能となる。さらに、エステティックサロンなどにおいて引き締まった小顔の表情を得るための美容方法の下準備としても、使用することが可能である。 本発明の実施形態においては、次のフローチャートに従い、頭皮マッサージ施術前後の顔の物理的性質の変化を評価した。[ステップ1]施術前測定[ステップ2]シャンプー[ステップ3]頭皮マッサージ[ステップ4]施術後測定[ステップ5]比較及び評価 この時、行った頭皮マッサージの例を図7に示す。 シャンプー台に頭を乗せて、仰向け状態の被施術者に対し、最初に、真皮の弾力をサポートするヒオウギエキス及び均一に成分を浸透させる高重合ポリエチレングリコールを含む美容用マッサージクリームを頭皮全体に塗布した(図7(a))。次に、塗布した美容用マッサージクリームを、指の腹及び手のひらを使って揉撚しながら頭になじませた(図7(b))。その後、図7(c)に示すように、両親指を用いて神庭を3秒程度押し、百会までゆっくりとすべらせ、百会を3秒程度押した。フェースラインからネープに向かって指先に力を加えながら地肌を滑らせた(図7(d))。この動作は頭の中央、右サイド、中央、左サイド、中央の順に行った。図7(e)に示すように、首筋に両手の四本の指を置き、首筋から後頭部に向かって指を滑らせ、人差し指で完骨、中指で天柱、薬指であ門を3秒程度押し、その後、トップまで指を滑らせた。フェースライン中央からトップに向かって親指をジグザグに動かし、頭皮を強擦した(図7(f))。これは3回繰り返した。次に、図7(g)に示すように、両手の4本の指をフェースラインに指腹を置き、頭皮のフロント部分からトップ部分に向かって頭皮を揉撚し、次に頭皮のネープ部分からトップ部分に向かって頭皮を揉撚し図7(h)、その後頭皮のフロント部分からフェースラインに沿って耳上部分まで揉撚し、続いて耳周りを揉撚して、最後に親指で完骨を押した図7(i)。図7(g)〜図7(i)の動作は2回繰り返した。図7(j)に示すように、ネープからトップに向かって指を滑らせた後、フェースラインからトップに向かって軽擦した。人差し指をもみ上げ付近に置き、中指を耳後ろに置き、軽擦する動作を3往復繰り返し、その後親指をもみ上げ付近に置いて、耳周りに沿って首筋まで指を滑らせた(図7(k))。首筋に置いた両手の人差し指、中指、薬指をネープ部分からトップ部分に滑らせ、各々、完骨、天柱、あ門を3秒程度押した後、そのままトップに向かって指を滑らせた(図7(l))。両手の手のひらを耳上の頭皮に当て、圧迫しながらトップに向かって引き上げた(図7(m))。正中線に沿って神庭から百会まで5箇所、親指で3秒程度ずつ押した(図7(n))。両手で握りこぶしを作りながら紙の根元を3箇所程度つかみ、頭皮を刺激した(図7(o))。神庭を3秒程度親指で押し、フェースラインに沿ってこめかみまで指を滑らせ、こめかみを親指で3秒程度押し、耳後ろからネープまで指を滑らせた(図7(p))。最後に、図7(q)に示すように、ドライタオルを頭に巻き、シャワーで41℃前後のお湯をかけ、1分程度かけてお湯をタオルに行き渡らせ、タオルを外してすすいだ。 (評価方法) 施術前測定及び施術後測定は、シャンプー及び頭皮マッサージ前後の顔の形状を、3次元サーフェス超高速撮影&解析システム(3dMD、3dMD LLD製)を用いて顔の輪郭の変化を測定した。 図8に、頭皮マッサージ施術前後の3次元サーフェス超高速撮影&解析システムを用いた顔の輪郭の変化を示す。図8(a)は頭皮マッサージを施術する前の顔画像であり、図8(b)は頭皮マッサージを施術する後の顔画像である。頭皮マッサージを施術する前後で、フェースラインが0.2mm〜1.0mm程度凹み、顔のシェープアップが実現していることがわかる。 本発明の頭皮への美容方法により、頭皮から離れた部位への美容効果を提供することができることがわかる。 頭皮のフロント部分からトップ部分に向かって頭皮を強擦する処理と、 頭皮のフロント部分からトップ部分に向かって頭皮を揉撚する処理と、 頭皮のネープ部分からトップ部分に向かって頭皮を揉撚する処理と、 頭皮のフロント部分からフェースラインに沿って耳上部分まで揉撚し、続いて耳周りを揉撚する処理と、 頭皮のネープ部分からトップ部分に向かって頭皮を軽擦する処理と、 耳周りを軽擦する処理と、を含む、美容マッサージ方法。 前記美容方法を施す前に、化粧料を塗布する処理をさらに含む、請求項1に記載の美容マッサージ方法。 前記化粧料は高重合ポリエチレングリコールを含む、請求項2に記載の美容マッサージ方法。 写真を撮影の前に施術する、請求項1から3のいずれか1項に記載の美容マッサージ方法。 シャンプー後に施術する、請求項1から3のいずれか1項に記載の美容マッサージ方法。 【課題】美容を目的として施される頭皮マッサージにより、頭皮から離れた部位の美容効果が得られる美容マッサージ方法を提供すること。【解決手段】頭皮のフロント部分からトップ部分に向かって頭皮を強擦する処理と、頭皮のフロント部分からトップ部分に向かって頭皮を揉撚する処理と、頭皮のネープ部分からトップ部分に向かって頭皮を揉撚する処理と、頭皮のフロント部分からフェースラインに沿って耳上部分まで揉撚し、続いて耳周りを揉撚する処理と、頭皮のネープ部分からトップ部分に向かって頭皮を軽擦する処理と、耳周りを軽擦する処理と、を含む、美容マッサージ方法。【選択図】図1


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