タイトル: | 公開特許公報(A)_化粧料 |
出願番号: | 2011004630 |
年次: | 2012 |
IPC分類: | A61K 8/60,A61K 8/81,A61K 8/86,A61Q 19/00 |
坂谷 志織 JP 2012106974 公開特許公報(A) 20120607 2011004630 20110113 化粧料 株式会社ファンケル 593106918 長谷部 善太郎 100122954 佐藤 荘助 100150681 山田 泰之 100162396 児玉 喜博 100105061 坂谷 志織 JP 2010236044 20101021 A61K 8/60 20060101AFI20120511BHJP A61K 8/81 20060101ALI20120511BHJP A61K 8/86 20060101ALI20120511BHJP A61Q 19/00 20060101ALI20120511BHJP JPA61K8/60A61K8/81A61K8/86A61Q19/00 4 1 OL 9 4C083 4C083AA122 4C083AB032 4C083AC112 4C083AC122 4C083AC172 4C083AC302 4C083AC422 4C083AD091 4C083AD092 4C083AD112 4C083AD201 4C083AD202 4C083AD332 4C083AD352 4C083AD412 4C083AD432 4C083CC04 4C083DD27 4C083EE06 4C083EE12 本発明は、化粧料の技術分野に関する。 本出願人は、ポリメタクリル酸メトキシポリエチレングリコールの有する保湿性を見出し、化粧料の特許を出願した(特許文献1:特開2003−171257号公報)。 しかしながら、更に保湿性の高い化粧料を提供する技術が求められている。特開2003−171257号公報 本発明は、ポリメタクリル酸メトキシポリエチレングリコールを含有する化粧料の保湿性を高めることを課題とする。 本発明の主な構成は、次のとおりである。(1)ポリメタクリル酸メトキシポリエチレングリコール(A)とポリオキシエチレンメチルグルコシド(B)を含有する化粧料。(2)ポリメタクリル酸メトキシポリエチレングリコール(A)とポリオキシエチレンメチルグルコシド(B)を含有する保湿化粧料。(3)ポリメタクリル酸メトキシポリエチレングリコール(A)は、ポリスチレン換算数平均分子量1000〜100000であることを特徴とする(1)又は(2)記載の化粧料。(4)ポリオキシエチレンメチルグルコシド(B)は、メチルグルコースのポリエチレングリコールエーテルであり、次の化学式で表されることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の化粧料。 CH3C6H10O5(OCH2CH2)nOH n=5〜30 皮膚面に塗付すことにより、角質層の水分量が高くなり、皮膚表面からの水分蒸散量を抑えて、保湿性に優れた化粧料を提供することができる。ポリメタクリル酸メトキシポリエチレングリコールとポリオキシエチレンメチルグルコシドを組み合わせることにより、保湿性を向上させることができることが確認され、肌荒れ改善、肌荒れ防止に効果がある。角層水分量の試験結果を示すグラフ皮膚からの水分蒸散量試験結果を示すグラフ 本発明に適用されるポリメタクリル酸メトキシポリエチレングリコールは、メタクリル酸メトキシポリエチレングリコールを単独重合させて得られるものである。 メタクリル酸メトキシポリエチレングリコールは、例えば、ポリエチレングリコールメチルエーテルとメタクリル酸クロリドとを反応させて得ることができる。また、一部は試薬として市販されているものもある。例えば、新中村化学工業株式会社から市販されたNKエステルM−230G(n≒23)、NKエステルM−90G(n≒9)、日油株式会社から市販されたブレンマーPME-1000(n≒23)、ブレンマーPME−400(n≒9)、ブレンマーPME-200(n≒4)をモノマーとして用いることができる。次に、重合体の製造方法については常法に従えば良く、モノマーを溶媒中で重合開始剤の存在下、反応させて得られる。 以下に、本発明に係るポリメタクリル酸メトキシポリエチレングリコールの合成例を示す。 合成例1 ポリメタクリル酸メトキシポリエチレングリコール (ポリオキシエチレン鎖の平均重合度が4.5) 100mlナスフラスコに重合開始剤AIBNを0.0306g量り、フラスコ内をアルゴンガスで3回置換した後、30mlの蒸留ベンゼンを加えてAIBNが溶解するまで室温下で攪拌した。これにポリエチレングリコールメチルエーテルメタクリレート(PEGの平均重合度は4.5)を5ml加え、60℃で48時間、続いて70℃で24時間加熱し、重合を行なった。その後、重合を停止し目的物を回収した。 合成例2 ポリメタクリル酸メトキシポリエチレングリコール(ポリオキシエチレン鎖の平均重合度が9) 100mlナスフラスコに重合開始剤AIBNを0.0403g量り、フラスコ内をアルゴンガスで3回置換した後、30mlの蒸留ベンゼンを加えてAIBNが溶解するまで室温下で攪拌した。これにポリエチレングリコールメチルエーテルメタクリレート(PEGの平均重合度は9)を5ml加え、60℃で48時間、続いて70℃で24時間加熱し、重合を行なった。その後、重合を停止し目的物を回収した。 合成例3 ポリメタクリル酸メトキシポリエチレングリコール(ポリオキシエチレン鎖の平均重合度が22.7) 100mlナスフラスコに重合開始剤AIBNを0.00753g量り、フラスコ内をアルゴンガスで3回置換した後、30mlの蒸留ベンゼンを加えてAIBNが溶解するまで室温下で攪拌した。これにポリエチレングリコールメチルエーテルメタクリレート(PEGの平均重合度は22.7)を5ml加え、60℃で48時間、続いて70℃で24時間加熱し、重合を行なった。その後、重合を停止し目的物を回収した。 得られたポリメタクリル酸メトキシポリエチレングリコールの分子量をGPCを用いて測定した。その結果、合成例1の分子量はポリスチレン換算で数平均分子量Mn=13800、質量平均分子量Mw=40400であった。合成例2の分子量はポリスチレン換算で数平均分子量Mn=15363、質量平均分子量Mw=35680であった。合成例3の分子量はポリスチレン換算で数平均分子量Mn=8300、質量平均分子量Mw=10000であった。 上記の如くして得られる本発明に係るポリメタクリル酸メトキシポリエチレングリコールの分子量は、その使用目的に応じて種々調整することができるが、通常はポリスチレン換算で1000以上、100000以下であり、好ましくは2500以上、100000以下である。本発明の化粧料では、上記重合体が化粧料全体に対して、通常0.05〜20質量%の範囲で含有される。 0.05質量%に満たないと、保湿性が不十分の場合があり、20質量%を超えるとべたつくので好ましくない。 本発明に用いるポリオキシエチレンメチルグルコシドは、メチルグルコースのポリエチレングリコールエーテルであり、次の化学式で表される。 CH3C6H10O5(OCH2CH2)nOH ここでオキシエチレン基の重合度nは5〜30が好ましい。 ポリオキシエチレンメチルグルコシドは市販品を用いることができる。オキシエチレン基の平均重合度nが10であり、化粧品の成分表示名称がメチルグルセス−10であるものとして、日本油脂製:マクビオブライドMG−10E、ノベオン製:GLUCAME E−10を用いることができる。 オキシエチレン基の平均重合度nが20であり、化粧品の成分表示名称がメチルグルセス−20であるものとして、日本油脂製:マクビオブライドMG−20E、ノベオン製:GLUCAME E−20を用いることができる。 ポリオキシエチレンメチルグルコシドの配合量は、全化粧料に対して0.05質量%以上10.0質量%以下が好ましい。0.05質量%に満たないと保湿性が不十分の場合があり、10.0質量%を超えるとべたつくので好ましくない。 本発明の化粧料には、通常化粧料に用いられる成分を配合することができ、多価アルコール、糖、油剤、界面活性剤、水溶性高分子、有機粉体、無機粉体、香料、pH調整剤、防腐剤、ビタミン等の美容成分を含有させることができる。 本発明の化粧料は主に皮膚に適用され、皮膚の保湿に効果を有するものであり、皮膚外用剤であれば医薬部外品も含まれる。 本発明の化粧料の剤型としては、化粧水、乳液、クリーム、水性ジェル、パック等が挙げられ、乳化剤型については、水中油乳化、油中水乳化のいずれも可能である。(角質水分量測定)1.実験方法 前腕内側部をハンドソープの泡で10回こすり、ぬるま湯で10秒流す。 前腕の水分をふき取り、23℃、相対湿度36%の環境下で20分安静に保つ。 左右前腕に3箇所ずつ2.5cm×2.5cmの領域を記し、表1に記載の6試料を順次塗布して、順次、塗布後20分、40分、60分、80分、100分、120分後の角層水分量を測定した。尚、無塗布部位をコントロールとして角層水分量を測定した。 試料の塗布方法は、ヘラを精密電子天秤に載せ、試料を10mg秤り採り、そのヘラを用いて2.5cm×2.5cmの領域に塗布した。 角層水分量はIBS社製SKICON−200を用いて、各領域で5回ずつ測定し、平均した。2.結果 同じ試験を、試料の塗布領域の場所を変えて、2回繰り返した。測定1回目の結果を表2に、測定2回目の結果を表3に示す。2回とも同じ傾向が確認できた。また、1回目の結果を図1にグラフで示す。 ポリオキシエチレンメチルグルコシド、ジプロピレングリコール(DPG)、1,3−ブチレングリコール(BG)はいずれも保湿剤であるが、ポリメタクリル酸メトキシポリエチレングリコールを併用したときの角層水分量の増大効果に違いが認められる。DPG、BGそれぞれについて、ポリメタクリル酸メトキシポリエチレングリコールを併用しても角層水分量は殆ど変化しなかった。ポリメタクリル酸メトキシポリエチレングリコール単独では、角層水分量を増大させる効果は無いものと考えられる。一方、ポリオキシエチレンメチルグルコシドとポリメタクリル酸メトキシポリエチレングリコールを併用すると角層水分量が顕著に増大した。(水分蒸散量測定)1.実験方法 クリームビン(開口部の直径が4cm)に精製水を10mL入れる。 ビンのふちに糊をつけて、濾紙(No.2)を接着する。 濾紙の中心部に0.5mLの試料を滴下した。試料は濾紙全体に自然に広がる。試料は表4に示す。 精密天秤を用いて試料を濾紙に滴下したクリームビンの総重量を測定する。 恒温恒湿室(23〜24℃、相対湿度33%)にて6時間放置し、クリームビンの総重量を測定し、元の重量との差から、水分蒸散量を求めた。2.結果 水分蒸散量の結果を図2に示す。ポリオキシエチレンメチルグルコシドとポリメタクリル酸メトキシポリエチレングリコールを併用したものは優れた水分蒸散抑制効果を示した。処方例1 エモリエント化粧水 (配合成分) (質量%)1.合成例2の高分子 0.52.メチルグルセス−10 5.0 (ポリオキシエチレンメチルグルコシド)3.ジステアリン酸ポリグリセリル-10 0.24.ステアリン酸ポリグリセリル-10 0.4 6.オリーブ油 3.07.1,3-ブチレングリコール 4 .08.キサンタンガム 0.110.1,2-ペンタンジオール 1.011.クエン酸三ナトリウム 0.04 12.クエン酸 0.0113.フェノキシエタノール 0.2 14.精製水 残余 本化粧水は保湿性が高く、肌荒れ改善、防止効果に優れる。処方例2 美容液 (配合成分) (質量%)1.合成例2の高分子 2.02.メチルグルセス−20 8.03.ジステアリン酸ポリグリセリル-10 0.64.ステアリン酸ポリグリセリル-10 1.4 5.精製水 0.26.オリーブ油 4.07.ホホバ油 4.08.ジプロピレングリコール 3.09.カルボキシビニルポリマー 0.111.1,2-ペンタンジオール 1.012.エラスチン 0.113.ヒアルロン酸 0.114.コラーゲン 0.115.水酸化カリウム 0.0316.精製水 残余 本美容液は保湿性が高く、肌荒れ改善、防止効果に優れる。 ポリメタクリル酸メトキシポリエチレングリコール(A)と、ポリオキシエチレンメチルグルコシド(B)を含有する化粧料。 ポリメタクリル酸メトキシポリエチレングリコール(A)とポリオキシエチレンメチルグルコシド(B)を含有する保湿化粧料。 ポリメタクリル酸メトキシポリエチレングリコール(A)は、ポリスチレン換算数平均分子量1000〜100000であることを特徴とする請求項1又は2記載の化粧料。 ポリオキシエチレンメチルグルコシド(B)は、メチルグルコースのポリエチレングリコールエーテルであり、次の化学式で表されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の化粧料。 CH3C6H10O5(OCH2CH2)nOH n=5〜30 【課題】ポリメタクリル酸メトキシポリエチレングリコールを含有する化粧料の保湿性を高める【解決手段】ポリメタクリル酸メトキシポリエチレングリコール(A)と、ポリオキシエチレンメチルグルコシド(B)を含有する化粧料。【選択図】図1