タイトル: | 公開特許公報(A)_プロスタグランジン産生促進剤 |
出願番号: | 2011003052 |
年次: | 2012 |
IPC分類: | A61K 8/97,A61K 36/18,A61Q 7/00,A61P 17/14,A61P 43/00 |
笠松 慎也 一ノ瀬 進 羽毛田 恵一 八谷 輝 JP 2012144463 公開特許公報(A) 20120802 2011003052 20110111 プロスタグランジン産生促進剤 花王株式会社 000000918 特許業務法人アルガ特許事務所 110000084 有賀 三幸 100068700 高野 登志雄 100077562 中嶋 俊夫 100096736 村田 正樹 100117156 山本 博人 100111028 笠松 慎也 一ノ瀬 進 羽毛田 恵一 八谷 輝 A61K 8/97 20060101AFI20120706BHJP A61K 36/18 20060101ALI20120706BHJP A61Q 7/00 20060101ALI20120706BHJP A61P 17/14 20060101ALI20120706BHJP A61P 43/00 20060101ALI20120706BHJP JPA61K8/97A61K35/78 CA61Q7/00A61P17/14A61P43/00 112 4 OL 9 4C083 4C088 4C083AA111 4C083AA112 4C083AC102 4C083BB53 4C083CC37 4C083EE22 4C083FF01 4C088AB12 4C088AB81 4C088AC04 4C088BA08 4C088BA37 4C088CA08 4C088MA13 4C088MA17 4C088MA23 4C088MA28 4C088MA31 4C088MA35 4C088MA37 4C088MA41 4C088MA43 4C088MA52 4C088MA56 4C088MA59 4C088MA60 4C088MA63 4C088MA66 4C088NA14 4C088ZA92 4C088ZC12 本発明は、プロスタグランジン産生促進剤に関する。 男性型脱毛症、円形脱毛症などの脱毛症の多くは、未だその発症機序の詳細は完全には明らかになっていない。従来これらの脱毛症の治療には、経験的に、血行促進剤、免疫抑制剤、代謝促進剤、ビタミン剤、抗男性ホルモン剤等の薬剤が用いられてきた。 プロスタグランジン(PGs)は炎症性メディエーターの1つとして知られている因子であり、細胞膜にあるリン脂質に由来するアラキドン酸に、シクロオキシゲナーゼ(COX)が作用することによって生成される。近年、PGsと毛成長との関連性が解明されてきており、PGsに着目した育毛剤が開発されている。 特許文献1及び2には、プロスタグランジンF2α(PGF2α)アナログが発毛を促進し、又は脱毛症を治療することが開示されている。特許文献3には、プロスタグランジンPGF化合物を含有する組成物を用いる毛髪の成長を刺激する方法が開示されている。特許文献4には、PGF2αアナログであるクロプロステノール又はフルプロステノールを局所適用して発毛を促進する方法が開示されている。 PGF2αは、上記アラキドン酸カスケードにおいて、プロスタグランジンE2(PGE2)、D2(PGD2)、H2(PGH2)など、様々な前駆体から合成される。このうち、PGE2から合成される場合、酵素カルボニルリダクターゼ−1(CBR−1)により触媒されることが知られている。特許文献5には、CBR−1の発現亢進を指標とした育毛剤のスクリーニング方法、及びその方法によってスクリーニングされた育毛剤としてN-[4-(ジメチルアミノ)フェニル]-4-オキソ-4H-クロメン-2-カルボキサミドが開示されている。非特許文献1には、公知の育毛剤であるミノキシジルが、毛組織のCOX−1やCOX−2を活性化し、PGE2の産生を促進すること、及びPGE2が細胞内cAMPを上昇させてIGF−1の産生を促進することを通じて、育毛効果を発揮し得ることが記載されている。 従って、PGE2を産生させることにより、毛成長を促すことができる。 ドウカンソウ(Vaccaria segetalis)は、種子が漢方で王不留行(おうふるぎょう)として知られ、血流を改善する活血薬として使用されている。ビャクズクはAmomum kravanhの種子で、種子は漢方で悪心、嘔吐、腹痛の改善等に使用されている。 しかし、これらの植物がPGE2産生に関与することや、育毛効果を発揮することはこれまで知られていなかった。米国特許6,262,105号公報米国特許公開2002/0037914号公報特表2001−511155号公報特表2001−538288号公報特開2006−223144号公報日薬理誌, 119:167-174, 2002 本発明は、プロスタグランジン産生促進作用を有し、育毛のために有用な素材の提供に関する。 本発明者らは、育毛剤として有用なプロスタグランジンE2産生促進作用を有する素材について探索したところ、ドウカンソウ又はビャクズクが当該作用を有することを見出した。 すなわち、本発明は以下を提供する。(1)ドウカンソウ、ビャクズク及びそれらの抽出物からなる群より選択されるうちの少なくとも1を有効成分とするプロスタグランジンE2産生促進剤。(2)抽出物がエタノール水溶液抽出物である(1)記載のプロスタグランジンE2産生促進剤。(3)ドウカンソウ、ビャクズク及びそれらの抽出物からなる群より選択されるうちの少なくとも1を有効成分とする育毛剤。(4)抽出物がエタノール水溶液抽出物である(3)記載の育毛剤。 本発明のプロスタグランジンE2の産生促進剤は、プロスタグランジン産生促進を介して、育毛効果を発揮することができる。植物エキスによるPGE2産生促進。 本明細書において、「ドウカンソウ」とは、ナデシコ科のVaccaria segetalisを指す。その種子は漢方で生薬として用いられ、王不留行(おうふるぎょう)と称される。「ビャクズク」とは、ショウガ科のAmomum kravanhの種子を指す。 上記に挙げた植物の抽出物は、特に限定されない限り、当該植物の任意の部位、例えば全草、葉、茎、芽、花、蕾、木質部、樹皮、地衣体、根、根茎、仮球茎、球茎、塊茎、種子、果実、菌核若しくは樹脂等、又はそれらの組み合わせからの抽出物であればよい。ドウカンソウ及びビャクズクの場合、抽出物を得るための好ましい部位は種子である。上記に挙げた部位は、そのまま抽出工程に付されてもよく、又は粉砕、切断若しくは乾燥された後に抽出工程に付されてもよい。 上記抽出物としては、市販されているものを利用してもよく、又は常法により得られる各種溶剤抽出物、又はその希釈液、その濃縮液、その乾燥末、ペースト若しくはその活性炭処理したものであってもよい。一例として、本発明における抽出物は、上記植物を室温(例えば、1〜30℃)若しくは加温(室温〜溶媒沸点)下にて抽出するか、又はソックスレー抽出器等の抽出器具を用いて抽出することにより得ることができる。 抽出のための溶剤には、極性溶剤、非極性溶剤のいずれをも使用することができる。溶剤の具体例としては、例えば、水;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類;プロピレングリコール、ブチレングリコール等の多価アルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等の鎖状及び環状エーテル類;ポリエチレングリコール等のポリエーテル類;スクワラン、ヘキサン、シクロヘキサン、石油エーテル等の炭化水素類;トルエン等の芳香族炭化水素類;ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類;及び超臨界二酸化炭素;ピリジン類;油脂、ワックス等その他オイル類等の有機溶剤;ならびにこれらの混合物が挙げられる。好適には、水、アルコール類及びその水溶液が挙げられ、アルコール類としてはエタノールが好ましい。より好ましい溶剤は、水及びエタノール水溶液である。 アルコール類と水との配合割合(容量比)としては、0.001〜100:99.999〜0が好ましく、5〜95:95〜5がより好ましく、20〜80:80〜20がさらに好ましく、30〜70:70〜30がさらにより好ましく、40〜60:60〜40がなお好ましい。エタノール水溶液の場合、エタノール類濃度が40〜60容量%であることが好ましい。 溶剤の使用量としては、植物(乾燥質量換算)1gに対して1〜100mLが好ましい。抽出条件は、十分な抽出が行える条件であれば特に限定されないが、抽出時間としては、1分間〜2ヶ月間が好ましく、10分間〜5週間がより好ましく、抽出温度は、0℃〜溶媒沸点が好ましく、5〜70℃がより好ましい。通常、低温なら長時間、高温なら短時間の抽出を行う。 抽出物を得る抽出手段は、具体的には、固液抽出、液液抽出、浸漬、煎出、浸出、還流抽出、超音波抽出、マイクロ波抽出、攪拌等の手段を用いることができる。 抽出条件の例として、15〜40℃で1時間〜5週間、約70℃で5時間、等が挙げられる。 また、抽出時間を短縮する場合には、攪拌を伴う固液抽出が望ましい。この固液抽出の好適な条件の一例としては、10〜100℃(好ましくは20〜70℃)下、100〜5000rpmで1〜300分間の攪拌が挙げられる。 抽出物の酸化を防止するため、煮沸脱気や窒素ガス等の不活性ガスを通気して溶存酸素を除去しつつ、いわゆる非酸化的雰囲気下で抽出する手段を併用してもよい。 本明細書において、「非治療的」とは、医療行為、すなわち治療による人体への処置行為を含まない概念である。 後記実施例に示すように、ドウカンソウ、ビャクズク及びそれらの抽出物は、細胞のプロスタグランジンE2(PGE2)産生を促進する作用を有する。従って、上記植物又はその抽出物は、PGE2産生促進剤として有用である。また、上記植物又はその抽出物は、当該PGE2産生促進作用を介して、育毛効果を発揮することができる。 すなわち、上記植物又はその抽出物は、PGE2産生促進のために使用することができる。あるいは、上記植物又はその抽出物は、育毛のために使用することができる。 当該植物又はその抽出物は、いずれか1種類が単独で使用されてもよく、あるいは任意の2種類以上が組み合わせて使用されてもよい。当該使用は、ヒト若しくは非ヒト動物、又はそれらに由来する組織、器官、細胞における使用であり得、また治療的使用であっても非治療的使用であってもよい。 従って、一態様として、本発明は、ドウカンソウ、ビャクズク及びそれらの抽出物からなる群より選択されるうちの少なくとも1を有効成分として含有するPGE2産生促進剤を提供する。別の態様として、本発明は、ドウカンソウ、ビャクズク及びそれらの抽出物からなる群より選択されるうちの少なくとも1を有効成分として含有する育毛剤を提供する。 一態様として、上記剤は、本質的に上記植物又はその抽出物のうちの少なくとも1から構成される。 上記植物又はその抽出物は、PGE2産生促進のため、又は育毛のための組成物、医薬、医薬部外品、化粧料等の製造のために使用することができる。当該組成物、医薬、医薬部外品、化粧料等もまた、本発明の範囲内である。 上記組成物、医薬、医薬部外品、化粧料等は、ヒト又は非ヒト動物用として製造され、又は使用され得る。上記植物若しくはその抽出物は、当該組成物、医薬、医薬部外品、化粧料等に配合され、PGE2産生促進のため、又は育毛のための有効成分であり得る。 上記医薬又は医薬部外品は、上記植物若しくはその抽出物を有効成分として含有する。当該医薬又は医薬部外品は、任意の投与形態で投与され得る。投与は経口でも非経口でもよい。経口投与のための剤型としては、例えば、錠剤、被覆錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤のような固形投薬形態、ならびにエリキシロール、シロップおよび懸濁液のような液体投薬形態が挙げられ、非経口投与のための剤型としては、注射、輸液、局所、外用剤、経皮、経粘膜、経鼻、経腸、吸入、坐剤、ボーラス、貼布剤等が挙げられる。 当該医薬又は医薬部外品は、好ましくは非経口形態であり得、より好ましくは皮膚外用剤の形態であり得る。 上記医薬又は医薬部外品は、上記植物若しくはその抽出物を単独若しくは複数で含有していてもよく、又は薬学的に許容される担体と組み合わせて含有していてもよい。斯かる担体としては、例えば、賦形剤、被膜剤、結合剤、増量剤、崩壊剤、滑沢剤、希釈剤、浸透圧調整剤、pH調整剤、分散剤、乳化剤、防腐剤、安定剤、酸化防止剤、着色剤、紫外線吸収剤、保湿剤、増粘剤、滑沢剤、活性増強剤、抗炎症剤、殺菌剤、香料、矯味剤、矯臭剤等が挙げられる。また、当該医薬や医薬部外品は、上記植物又はその抽出物のPGE2産生促進作用が失われない限り、他の有効成分や薬理成分を含有していてもよい。 上記医薬又は医薬部外品は、上記植物若しくはその抽出物から、あるいは必要に応じて上記担体及び/又は他の有効成分や薬理成分を組みあわせて、常法により製造することができる。当該医薬又は医薬部外品における上記植物若しくはその抽出物の含有量は、例えば皮膚外用剤とする場合、上記植物又はその抽出物の乾燥質量換算で、0.01〜100質量%とするのが好ましく、0.05〜70質量%とするのがより好ましく、0.1〜20質量%とするのがさらに好ましく、0.5〜10質量%とするのがさらにより好ましい。 上記化粧料は、上記植物若しくはその抽出物を有効成分として含有する。当該化粧料は、上記植物若しくはその抽出物を単独若しくは複数で含有していてもよく、又は化粧料として許容される担体と組み合わせて含有していてもよい。斯かる担体としては、例えば、賦形剤、被膜剤、結合剤、増量剤、崩壊剤、滑沢剤、希釈剤、浸透圧調整剤、pH調整剤、分散剤、乳化剤、防腐剤、安定剤、酸化防止剤、着色剤、紫外線吸収剤、保湿剤、増粘剤、滑沢剤、活性増強剤、抗炎症剤、殺菌剤、香料、矯味剤、矯臭剤等が挙げられる。また、当該化粧料は、上記植物又はその抽出物のPGE2産生促進作用が失われない限り、他の有効成分や化粧成分、例えば、保湿剤、美白剤、紫外線保護剤、細胞賦活剤、洗浄剤、角質溶解剤、メークアップ成分(例えば、化粧下地、ファンデーション、おしろい、パウダー、チーク、口紅、アイメーク、アイブロウ、マスカラ、その他)等を含有していてもよい。化粧料とする場合の形態としては、クリーム、乳液、ローション、懸濁液、ジェル、パウダー、パック、シート、パッチ、スティック、ケーキ等、化粧料に使用され得る任意の形態が挙げられる。好ましくは、上記化粧料は、頭皮に適用する化粧料、例えば、シャンプー、リンス、コンディショナー、ヘアトリートメント、毛髪美容液、整髪剤等であり得る。 上記化粧料は、上記植物若しくはその抽出物から、あるいは必要に応じて上記担体及び/又は他の有効成分や化粧成分を組みあわせて、常法により製造することができる。当該化粧料における上記植物若しくはその抽出物の含有量は、上記植物又はその抽出物の乾燥質量換算で、0.01〜100質量%とするのが好ましく、0.05〜70質量%とするのがより好ましく、0.1〜20質量%とするのがさらに好ましく、0.5〜10質量%とするのがさらにより好ましい。 また本発明は、細胞のPGE2産生を促進する方法を提供する。当該方法は、PGE2産生能を有し且つPGE2産生を促進させたい細胞に、ドウカンソウ、ビャクズク及びそれらの抽出物からなる群より選択されるうちの少なくとも1を添加する工程を含む。 本発明においてPGE2産生を促進する「細胞」は、天然又は遺伝子工学的に改変されたPGE2産生能又はPGE2発現能を有する細胞であれば特に限定されない。好ましくは、細胞としては、線維芽細胞、表皮細胞などが挙げられ、より好ましくは毛包構成細胞、毛母細胞若しくは毛乳頭細胞が挙げられる。 あるいは、当該「細胞」は、上記で挙げた細胞の細胞片または細胞分画物であってもよく、あるいは上記で挙げた細胞を含む組織又は上記で挙げた細胞に由来する培養物であってもよい。細胞が細胞培養物の場合、好ましくは、当該細胞は、上記植物又はそれらの抽出物の存在下で培養される。 添加される上記植物又はその抽出物の濃度は、細胞が細胞培養物の場合、培養物中での最終濃度として、上記植物又はその抽出物の乾燥質量換算で、0.00001〜5%(w/v)とするのが好ましく、0.0001〜2%(w/v)とするのがより好ましく、0.001〜1%(w/v)とするのがなお好ましい。 また本発明において、ドウカンソウ、ビャクズク及びそれらの抽出物からなる群より選択されるうちの少なくとも1は、PGE2産生促進のため又は育毛のために、それらを必要とする対象に有効量で投与され得る。 一態様において、当該投与は、健康増進又は美容目的により非治療的に行われる。 投与の対象としては、禿頭又は頭髪の乏しい被験体あるいは体毛の不足している被験体であって、発毛又は増毛若しくは毛の太さの増加を必要とする被験体が挙げられる。被験体は、好ましくはヒト又は非ヒト哺乳動物であり、より好ましくはヒトである。 好ましい投与量は、対象の種、体重、性別、年齢、状態又はその他の要因に従って変動し得る。投与の用量、経路、間隔、及び摂取の量や間隔は、当業者によって適宜決定され得る。例えば、ヒトの皮膚に外用投与する場合、投与量は、上記植物又はその抽出物の乾燥質量換算で、成人(60kg)1人当たり、0.001〜1000mg/日とすることが好ましく、0.01〜100mg/日がより好ましい。 以下、実施例を示し、本発明をより具体的に説明する。製造例1 ドウカンソウ抽出液の調製 ドウカンソウの種子(新和物産)40gに50%エタノール水溶液400mLを加え、常温で26日間浸漬した。これをろ過し、ドウカンソウ抽出液を得た。抽出液の濃縮固形分は0.65gであった。固形分濃度は0.19%(w/v)であった。固形分濃度1.0%(w/v)に調製して試験に用いた。製造例2 ビャクズク抽出液の調製 ビャクズクの種子(新和物産)40gに50%エタノール水溶液400mLを加え、常温で38日間浸漬した。これをろ過し、ビャクズク抽出液を得た。抽出液の濃縮固形分は1.58gであった。固形分濃度は0.53%(w/v)であった。固形分濃度1.0%(w/v)に調製して試験に用いた。実施例1 植物のプロスタグランジンE2産生促進作用 ヒト真皮線維芽細胞(Fibrocell、倉敷紡績株式会社より購入)は37℃、5%CO2存在下で培養した。培養液は、DMEM培地(インビトロジェン株式会社)を用いた。細胞を、24ウエルプレートに1×105cells/ウエル(N=2)となるように播き、DMEM培地(インビトロジェン株式会社)で24時間培養し、その後、培地に試験物質として製造例1若しくは2で調製した抽出物(最終濃度0.1%v/v;エキス分として0.001w/v%)、又は陰性対照(サイトカイン(-))として50%エタノール(0.1%v/v)のみ、若しくは陽性対照(サイトカイン(+))としてIL−1α及びTNFα(終濃度各2.5ng/ml)と50%エタノール(0.1%v/v)とを培地に添加し、さらに24時間培養した。培地を回収し、遠心により浮遊した細胞を除去した後、残りの培地中のPGE2の定量を行った。PGE2の定量は、Prostaglandin E2 Parameter Assay Kit(R&D SYSTEMS社)を用いたELISAにより定量した。 定量の結果を表1及び図1に示す。陰性対照群(サイトカイン(-))のPGE2産生量を0%、陽性対照群(サイトカイン(+))のPGE2産生量を100%として、植物抽出液添加群のPGE2産生量をパーセントで表した。ドウカンソウ及びビャクズクの抽出物により、細胞のPGE2産生が促進された。 ドウカンソウ、ビャクズク及びそれらの抽出物からなる群より選択されるうちの少なくとも1を有効成分とするプロスタグランジンE2産生促進剤。 抽出物がエタノール水溶液抽出物である請求項1記載のプロスタグランジンE2産生促進剤。 ドウカンソウ、ビャクズク及びそれらの抽出物からなる群より選択されるうちの少なくとも1を有効成分とする育毛剤。 抽出物がエタノール水溶液抽出物である請求項3記載の育毛剤。 【課題】プロスタグランジン産生促進作用を有し、育毛のために有用な素材の提供。【解決手段】ドウカンソウ、ビャクズク及びそれらの抽出物からなる群より選択されるうちの少なくとも1を有効成分とするプロスタグランジンE2産生促進剤。【選択図】なし