生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_スルホン化合物
出願番号:2010537737
年次:2014
IPC分類:C07C 317/04


特許情報キャッシュ

竹内 剛 檜山 武寛 李 春 神吉 利彦 JP 5618833 特許公報(B2) 20140926 2010537737 20091014 スルホン化合物 住友精化株式会社 000195661 特許業務法人 安富国際特許事務所 110000914 竹内 剛 檜山 武寛 李 春 神吉 利彦 JP 2008293703 20081117 20141105 C07C 317/04 20060101AFI20141016BHJP JPC07C317/04 C07C 317/04 CAplus/REGISTRY(STN) 特開平09−147913(JP,A) Tetrahedron Letters,1985年,26(37),p.4495-4498 Tetrahedron Letters,1991年,31(29),p.3551-3554 Journal Medicinal Chemistry,2004年,47(19),p.4741-4754 G. Cappozzi et al.,Control of Regioselectivity in the Addition of Sulphenyl Chlorides to 3,3-Dimethylbutyne (t-Butylace,J. Chem. Soc. Perkin Trans. I,1982年,(9),p.2197-2201 J. Am. Chem. Soc.,1978年,100(15),p.4852-4858 A. V. Kuchin et al.,Direct synthesis of higher organoaluminum compounds,Zhurnal Obshchei Khimii,1980年,50(4),p.911-916 Science of Synthesis,2006年,p.1299-1314 Synthetic Communications,1983年,13(7),p.553-557 1 JP2009067792 20091014 WO2010055744 20100520 7 20120920 安田 周史 本発明は、スルホン化合物に関する。さらに詳しくは、主に電気化学デバイス用溶媒等に有用なスルホン化合物に関する。 スルホン化合物は、抽出溶剤や各種反応溶剤として用いられる一方、誘電率が高いものは、非プロトン性極性溶媒として、電気化学デバイス用の溶媒としても用いられる。具体的には、スルホン化合物であるスルホランや3−メチルスルホラン等のスルホラン誘導体を電解液として用いる電気二重層コンデンサ(特許文献1)、スルホランや3−メチルスルホラン等のスルホラン誘導体とプロピレンカーボネートとの混合溶媒を電解液として用いる電気二重層コンデンサ(特許文献2)等が提案されている。 電気化学デバイス用溶媒等に用いられる非プロトン性極性溶媒には、一般的に融点が低く、熱的安定性に優れることが望まれている。また、電気化学デバイス種によれば、系内水分の存在が問題になる場合があり、その際には、水の溶解度が低い溶媒が好ましく用いられる。 しかしながら、特許文献1および特許文献2に記載のスルホン化合物は、融点が比較的高いことから、低温環境において機能が低下する等の不具合がある。また、これらと共に用いられるプロピレンカーボネートは、熱的安定性に劣り、水の溶解度が比較的高いといった不具合がある。特開昭62−237715号公報特開昭63−12122号公報 本発明は、融点が比較的低く、熱的安定性に優れた非プロトン性極性溶媒を提供することを目的とする。 本発明は、下記式(1)で示すスルホン化合物に関する。 式(1)中、R1は2−エチルヘキシル基を示す。 R1で示される炭素数6〜8の分岐鎖状アルキル基としては、例えば、メチルペンチル基、ジメチルブチル基、エチルブチル基、メチルヘキシル基、ジメチルペンチル基、エチルペンチル基、トリメチルブチル基、エチルメチルブチル基、プロピルブチル基、メチルヘプチル基、ジメチルヘキシル基、エチルヘキシル基、トリメチルペンチル基、エチルメチルペンチル基、プロピルペンチル基、テトラメチルブチル基、エチルジメチルブチル基、ジエチルブチル基およびプロピルメチルブチル基等が挙げられる。 式(1)において、R1で示される分岐鎖状アルキル基の炭素数が5以下であれば、水の溶解度が高くなりすぎ、炭素数が9以上であれば、融点が高くなり好ましくない。 式(1)で表される本発明のスルホン化合物の具体例としては、例えば、メチル2−メチルペンチルスルホン、メチル2,3−ジメチルブチルスルホン、メチル2−エチルブチルスルホン、メチル2−メチルヘキシルスルホン、メチル2,3−ジメチルペンチルスルホン、メチル2−エチルペンチルスルホン、メチル2,2,3−トリメチルブチルスルホン、メチル2−エチル−3−メチルブチルスルホン、メチル2−メチルヘプチルスルホン、メチル2,3−ジメチルヘキシルスルホン、メチル2−エチルヘキシルスルホン、メチル2−プロピルペンチルスルホン、メチル2,2,3−トリメチルペンチルスルホン、メチル2−エチル−3−メチルペンチルスルホン、メチル2,2,3,3−テトラメチルブチルスルホン、メチル2−エチル−2,3−ジメチルブチルスルホン、メチル2,3−ジエチルブチルスルホンおよびメチル2−プロピル−3−メチルブチルスルホン等が挙げられる。 前記スルホン化合物の中でも、融点が比較的低く、水の溶解度が比較的低い観点から、式(1)においてR1で示される分岐鎖状アルキル基が炭素数8である場合が好ましく、メチル2−メチルヘプチルスルホン、メチル2−プロピルペンチルスルホンおよびメチル2−エチルヘキシルスルホンがより好ましく、メチル2−エチルヘキシルスルホンである場合がさらに好ましい。 式(1)で表されるスルホン化合物は、例えば、式(2)で表される有機ハロゲン化合物とメタンチオールのナトリウム塩とを反応させて、式(3)で表されるスルフィド化合物となし、これを酸化剤を用いて酸化させることによって製造することができる。 式(2)中、R1は、炭素数6〜8の分岐鎖状アルキル基を示し、Xはハロゲン原子を示す。 式(3)中、R1は式(2)におけるR1と同じ基を示す。 式(2)で表される有機ハロゲン化合物およびメタンチオールのナトリウム塩は、市販のものを用いることができる。 前記有機ハロゲン化合物の具体例としては、例えば、2−(ヨードメチル)ヘプタン、4−(ブロモメチル)ヘプタンおよび3−(クロロメチル)ヘプタン等が挙げられる。 式(2)で表される有機ハロゲン化合物とメタンチオールのナトリウム塩との反応において、メタンチオールのナトリウム塩の使用割合は、前記有機ハロゲン化合物1モルに対して、0.5〜10モルであることが好ましく、1.0〜5モルであることがより好ましい。 前記チオールのナトリウム塩と有機ハロゲン化合物との反応に際し、溶媒は用いなくてもよいが、原料が固体または反応液粘度が高く、攪拌が不十分な場合など必要に応じて用いてもよい。用いる溶媒としては、特に制限されるものではないが、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナノール、デカノール、ウンデカノール、ドデカノール、トリデカノール、テトラデカノール、シクロヘキサノール、エチレングリコールおよびプロピレングリコール等のアルコール類、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジペンチルエーテル、ジヘキシルエーテル、ジヘプチルエーテル、ジオクチルエーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピランおよび1,4−ジオキサン等のエーテル類、アセトニトリル、アクリロニトリルおよびプロピオニトリル等のニトリル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンおよびシクロヘキサノン等のケトン類、ブチロラクトン、カプロラクトン、ヘキサノラクトンおよび酢酸エチル等のエステル類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、シクロヘキサン、石油エーテル、ベンジン、ケロシン、トルエン、キシレン、メシチレンおよびベンゼン等の炭化水素類、並びに水等を挙げることができる。これらの中でもメタノールおよび水が好適に用いられる。これら溶媒は、1種単独で使用してもよいし、あるいは2種以上を組み合わせて使用してもよい。 前記溶媒の使用量は、特に限定されるものではないが、有機ハロゲン化合物100重量部に対して、100〜5000重量部であることが好ましい。 反応温度は、0〜200℃が好ましく、10〜150℃がより好ましい。反応時間は通常1〜30時間である。 本発明のスルホン化合物を製造する方法において、前記式(3)で示されるスルフィド化合物の酸化に用いられる酸化剤の具体例としては、特に限定されることはなく、例えば、過マンガン酸カリウム、クロム酸、酸素、過酸化水素水、および3−クロロ過安息香酸等の有機化酸化物等が挙げられる。これらの中でも、過酸化水素水が好ましく用いられる。 酸化剤の使用割合は、スルフィド化合物1モルに対して、1.8〜10モルの割合であることが好ましく、2〜5モルの割合であることがより好ましい。 スルフィド化合物を酸化する際に、溶媒は用いなくてもよいが、原料が固体または反応液粘度が高く、攪拌が不十分な場合など必要に応じて用いてもよい。用いる溶媒としては、特に制限されるものではないが、例えば、四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、ブロモプロパン、ブロモブタン、ブロモペンタン、ブロモヘキサン、ヨウ化メチル、ヨウ化エチルおよびヨウ化プロピル等のハロゲン化アルキル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンおよびシクロヘキサノン等のケトン類、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、シクロヘキサン、石油エーテル、ベンジン、ケロシン、トルエン、キシレン、メシチレンおよびベンゼン等の炭化水素類、並びに水等を挙げることができる。これらの中でもハロゲン化アルキル類および水が好適に用いられる。これら溶媒は、1種単独で使用してもよいし、あるいは2種以上を組み合わせて使用してもよい。 前記溶媒の使用量は、特に限定されるものではないが、スルフィド化合物100重量部に対して、100〜5000重量部であることが好ましい。 反応温度は、0〜200℃が好ましく、10〜150℃がより好ましい。反応時間は通常1〜30時間である。 かくして得られるスルホン化合物は、必要に応じて水洗、分液した後、蒸留することにより単離することができる。 本発明のスルホン化合物は、例えば、電解質溶媒等の電気化学デバイス用溶媒に好適に使用することができる。上記電気化学デバイスとしては、例えば、リチウム一次電池、リチウム二次電池、リチウムイオン電池、燃料電池、太陽電池、電気二重層コンデンサ等が挙げられる。 本発明のスルホン化合物は、水の溶解度が低いという特徴を有する。これにより、上記電気化学デバイス用溶媒に用いた場合、水の混入を抑制することができ、電流効率の低下や、内圧上昇等の発生を防止することができる。また、本発明のスルホン化合物は、融点が比較的低く、熱的安定性に優れることから、低温から高温まで広い温度範囲で安全に使用することができる。更に、本発明のスルホン化合物は、粘度が低いことから、電解質のイオン導電性を大幅に高めることができ、高い電気特性を実現することができる。 本発明のスルホン化合物は、融点が比較的低く、熱的安定性に優れたものであり、且つ、水の溶解度の低い非プロトン性極性溶媒であることから、主に電気化学デバイス用溶媒として有用である。 以下に実施例を挙げ、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。 実施例1 [メチル2−エチルヘキシルスルホンの合成(MEHS)] 攪拌機、温度計および冷却器を備え付けた500mL容の四つ口フラスコに窒素雰囲気下で、3−(クロロメチル)ヘプタン74.4g(0.50mol)を仕込み、28%メチルメルカプタンナトリウム水溶液187.8g(0.75mol)を徐々に加え、60℃に維持して2時間攪拌した。これにジクロロメタン50mlを加え10分撹拌した後、ジクロロメタン層を分取し、超純水30mLで1回洗浄した。得られたジクロロメタン層に35%過酸化水素水102.0g(1.05mol)を加え、60℃に維持して2時間攪拌し、ジクロロメタン層を蒸留することにより無色透明液体のメチル2−エチルヘキシルスルホン86.5gを得た。得られたメチル2−エチルヘキシルスルホンの収率は、3−(クロロメチル)ヘプタンに対して90%であった。 得られたメチル2−エチルヘキシルスルホンの融点および発熱開始温度について、窒素雰囲気下、示差走査熱量計を用いて測定した。さらに、水の溶解度について、カールフィッシャー電量滴定装置を用いて、水を飽和溶解させた当該スルホン化合物の水分量を測定することにより求めた。 なお、得られたメチル2−エチルヘキシルスルホンは、下記の物性を有することから同定することができた。 1−H−NMR(400MHz,溶媒:CDCl3):0.92(m,6H),1.30(m,3H),1.52(m,4H),2.06(m,2H),2.91(S,3H),2.95(d,J=5.9Hz,2H) 元素分析:C 56.2;H 10.5;S 16.7(計算値 C 56.2;H 10.2;S 16.7) 実施例1における融点、発熱開始温度および水の溶解度の測定結果を、比較例1としてのプロピレンカーボネート、比較例2としてのスルホランとともに表1に示す。 本発明によれば、主に電気化学デバイス用溶媒等に有用な融点が比較的低く、熱的安定性に優れた非プロトン性極性溶媒を提供することができる。 下記式(1)において、R1が2−エチルヘキシル基であるスルホン化合物。


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