生命科学関連特許情報

タイトル:公表特許公報(A)_ブテンから軽質オレフィンとイソプレンを製造する方法
出願番号:2010534476
年次:2011
IPC分類:C07C 1/247,C07C 4/04,C07C 5/333,C07C 11/18,C07C 11/04,C07C 11/06


特許情報キャッシュ

ベルメイレン,ワルター ブヴァール,フランソワ JP 2011504476 公表特許公報(A) 20110210 2010534476 20081120 ブテンから軽質オレフィンとイソプレンを製造する方法 トータル・ペトロケミカルズ・リサーチ・フエリユイ 504469606 越場 隆 100092277 越場 洋 100155446 ベルメイレン,ワルター ブヴァール,フランソワ EP 07121337.5 20071122 C07C 1/247 20060101AFI20110114BHJP C07C 4/04 20060101ALI20110114BHJP C07C 5/333 20060101ALI20110114BHJP C07C 11/18 20060101ALI20110114BHJP C07C 11/04 20060101ALI20110114BHJP C07C 11/06 20060101ALI20110114BHJP JPC07C1/247C07C4/04C07C5/333C07C11/18C07C11/04C07C11/06 AP(BW,GH,GM,KE,LS,MW,MZ,NA,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),EP(AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MT,NL,NO,PL,PT,RO,SE,SI,SK,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PG,PH,PL,PT,RO,RS,RU,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN,ZA,ZM,ZW EP2008065926 20081120 WO2009065898 20090528 16 20100524 4H006 4H006AA02 4H006AC12 4H006AC13 4H006AC21 4H006AC26 4H006AC29 4H006AC41 4H006AC43 4H006BA66 4H006BD70 4H006BD84 本発明は、ブタンから軽質オレフィンおよびイソプレンを作るプロセスに関するものである。軽質オレフィンとはエチレンおよびプロピレンを意味する。 石油化学工業の原料(フィードストック)としてオレフィンは古くから使用されている。エチレン、プロピレンおよびブテンのようなオレフィンは種々の石油化学製品、例えばポリマーやイソプレンの製造で利用されてきた(これらに限定されるものではない)。イソプレンが種々の化学製品およびエラストマーの基礎的出発材料として使われている。 メチルt-ブチル-エーテル(MTBE)はガソリンタンクからの漏れの問題のため、環境への負の影響があるとして使用が禁止されている。従来、このMTBEは酸性樹脂触媒上でのメタノールとイソブテンとの反応によって作られてきた。イソブテンは流動接触クラッキング装置のC4カットのような既存の精製流から得るか、スチームクラッキングの粗C4から得ることができる。副産物から得られるこのイソブテンの他に、フィールド・ブタンから意図的に得ることもでき、脱水素してイソブテンと水素が得られる。一般に、世界でのMTBEの生産量の30%以上はフィールド・ブタンから作られる。その装置の多くは閉鎖が命じられているが、MTBE生産とリンクした脱水素装置の別の道は存在しない。 イソプレンはこれまでナフサのスチームクラッキングの副産物である熱クラッキングガソリンから抽出で作られてきた。その収率は極めて低く、生産されるエチレンの1〜3%程度である。従って、生産能が少量であるこのイソプレンのためだけに資本集約的な技術を正当化することは難しい。熱クラッキングガソリンからイソプレンを単離するプロセスでは先ず最初にダイマー化と蒸留によってシクロペンタジエンを除去し、次に、超精留によってピペリレン(pipirylenes)を分離する。最後段階は溶剤を使用した抽出蒸留である。さらに、シクロペンタジエンおよびピペリレンに対する仕様が非常に厳しく、同じ熱クラッキングガソリン中にこれらの化合物が豊富に含まれるため、熱クラッキングガソリンから得られるイソプレンの品質を保証するのは難しい。熱クラッキングガソリンはイソプレンを少量(10%)しか含まれないので、たくさんの副産物(ジシクロペンタジエンやピペリレン)が同じ面倒な方法に従って生じるが、それらの市場価格は必ずしもイソプレンの市場価格と同一レベルにはならない。 イソプレンを生産する他のルートは精製装置および石油化学製品カットからイソアミレンを単離し、イソプレンへの脱水素を行う方法である。このプロセスは一般にカリウム化合物を含む鉄酸化物触媒で600℃以上の温度で水蒸気の存在、減圧下に行なわれる。この反応は熱力学的平衡によって律速され、単に部分的変換だけが得られる。 また、イソペンタンから二重脱水素によってイソプレンを作ることもできる。 さらに他の方法でイソプレンを2段階法で作ることもできる。第1段ではイソブテン、t-ブタノール、ジ-t-ブチルエーテル、イソブタノール、ジイソブチル・エーテル、メチルt-ブチルエーテルまたはエチル-t−ブチルエーテルをホルムアルデヒドの2分子と一緒に凝縮してジメチルオキシランを作る。このジメチルオキシランを分離し、精製する。第2段では、ジメチルオキシランを適当な条件下でクラッキングしてイソプレンと1分子のホルムアルデヒドにする。最近の2段階法の改良法では一段階プロセスで、その場合にはイソブテン、t-ブタノール、ジ-t-ブチルエーテル、イソブタノール、ジイソブチルエーテル、メチル−t-ブチルエーテルまたはエチル-t−ブチルエーテルをホルムアルデヒドと直接反応させてイソプレンにする。 ブタン(および任意成分としてのエタン)からエチレン、プロピレンおよびイソプレンを作るフレキシブルなプロセスが発見された。このプロセスではブタン画分を脱イソブテン化装置(デイソブタナイザー、de-isobutanizer)で処理して、濃縮されたイソブタン画分と濃縮されたノーマル-ブタン画分とを得る。 濃縮されたノーマル-ブタン画分は、必要に応じてエタン画分と一緒に、非接触クラッキング(スチームクラッキング、スチームクラッキング)帯域中でクラッキングされてエチレンとプロピレンとを含むオレフィンリッチな流れが作られる。このオレフィンリッチな画分中に含まれるn-ブテンは必要に応じてエチレンと反応させてプロピレンの生産量を増やすようにすることができる。 上記の濃縮されたイソブタン画分脱水素してイソブテンにし、このイソブテンをホルムアルデヒドと反応させて4,4-ジメチル-m-ジオキサンとし、それをさらにクラッキングしてイソプレンにすることもできる。また、濃縮されたイソブタン画分を酸化してt-ブチルヒドロペルオキシドにし、このt-ブチルヒドロペルオキシドをオレフィン(例えばプロピレン)と反応させてエポキシド(例えばプロピレンオキサイド)およびt-ブタノールににすることができる。このt-ブタノールを脱水してイソブテンにするか、ホルムアルデヒドと反応させてイソプレンにする。あるいは、t-ブチル・ヒドロペルオキシドクラッキングしてはt-ブタノールにし、ホルムアルデヒドと反応させてイソプレンにする。 エタン、プロパンおよびブタンから成る炭化水素フィードストックを有する国は多数ある。プロパンはLPGとして高い価値があり、従って分離されてLPGおよび残留エタンとして販売され、ブタンはエチレン、プロピレンおよびより高級オレフィンに転換される。n-ブタンのスチームクラッキングではエチレンとプロピレンが生産され、これはエチレンのみを生産するエタンの普通のスチームクラッキングより利点がある。エタンのスチームクラッキングで出きるプロピレンの量は一般にプロピレンを回収するのに必要な機器を設置するのに十分な量ではない。 イソブタンのスチームクラッキングではエチレンの収率が低く、プロピレン収率が高く、燃料ガスがより多くできる。イソブタンのスチームクラッキングでは液体(C5+)生成物の収率が高く、炉のコイルのコーキングが早くなり、スチームクラッカー炉の下流の汚染を最小にするのに必要なオイル冷却機器が複雑になる。本発明ではスチームクラッキング前にイソブタンをブタンから除去するという効果がある。 n-ブタンのスチームクラッキングではブテン誘導体が生産され、エチレンとブテン-2との間のメタセシス(またはジスプロポーショネーション)反応によってスチームクラッカーのプロピレン生産量を増加できる。イソブタンのスチームクラッキングではイソブテンが高くなる結果、炭素数が4の他の炭化水素中に希釈される。メタセシス反応ではイソブテンの存在を最少にして、イソブテンが重質炭化水素となり、より多くのプロピレンを作ることができるブテン-2が失われるのを防ぐ必要がある。これもブタンのスチームクラッキング前にイソブタンを除共する効果である。 上記プロセスは従来技術には記載も示唆もない。特許文献1(米国特許第US 5,523,502号明細書には下記から成る炭化水素からオレフィンを選択生産する合成プロセスが記載されている:(a) 流動床、移動ベッドまたは濃縮トランスファーライン反応装置で、スチームの存在下に、第1の炭化水素フィードストックを固体酸触媒と接触させるデープクラッキングプロセスで第1の炭化水素フィードストックをクラッキンして第1のオレフィン含有流を作り、(b) 熱クラッキング炉の放射熱帯域で、スチームの存在下に、第2の炭化水素フィードストックを熱的にクラッキングする非触媒スチームクラッキングプロセスで第2の炭化水素フィードストックをクラッキングして第2のオレフィン含有流を作り、(c) 第1のオレフィン含有流を第2のオレフィン含有流と組合せて下流プロセス用の混合オレフィン含有流を作り、(d) 混合オレフィン含有流の少なくとも一部を第2の炭化水素フィードストックの一部としてスチームクラッキング段階(b)へ戻し、(e) 下流プロセス段階での混合オレフィン含有流から選択的に製造されたオレフィンを回収する。 このプロセスでは、第1の炭化水素フィードストックは原油、ナフサ、蒸留物、減圧ガス油、残油およびこれらの混合物から成る群の中から選択され、第2の炭化水素フィードストックはガス油、ナフサ、ブタン、プロパン、エタンおよびこれらの混合物から成る群の中から選択される軽質炭化水素フィードストックから成る。 特許文献2(米国公開特許第20050107650 A1号明細書)には炭化水素のスチームクラッキングと、得られたエチレンからプロピレンを作ることを含む炭化水素フィード流からプロピレンを生産する方法が記載されている。この発明は特に全てがエタンかエタンが主であるフィード流に適用できる。より正確には下記工程から成るエタンからプロピレンを製造する方法に関するものである:(a) エタンまたは主としてエタンから成るフィードストックをスチームクラッキングして、エチレン、水素、エタン、メタン、アセチレン、C3および重質炭化水素を含むクラッキング生成物を作り、(b)水素、メタン、C3および重質炭化水素を除去し、C2精留塔でアセチレンを主としてエチレンに変換して主としてエチレンとエタンとを含む処理済みクラッキング生成物を作り、エチレン画分と塔底エタン画分とを得ることを含むエチレンプラント回収セクションで上記クラッキング生成物を処理し、(c) 上記塔底エタン画分をスチームクラッキングへ再循環し、(d) 二量体化セクションでの二量体化反応によってエチレン画分の第1の部分からブテンリッチ流を作り、(e) このブテンリッチ流中のブテンをエチレン画分の第2部分とメタセシスセクションでメタセシス反応させてプロピレンリッチ流を生産し、(f) プロピレンリッチ流から製品のプロピレンを分離する。 特許文献3(米国特許第US 5,026,936号明細書)には下記から成るプロピレンの生産方法が記載されている:(a) C4またはオレフィンおよび/またはパラフィン系炭化水素をエチレンとプロピレンの生産に有利な条件下でゼオライト触媒でクラッキングしてエチレン、プロピレンおよびブテンから成る混合物を形成し、(b) 段階(a)の反応物からエチレンとブテンを分離し、(c) 段階(a)の反応物から分離したエチレンとブテンをメタセシス(metathesizing)して追加のプロピレンを形成し、(d) 段階(a)および段階(c)からプロピレンを回収する。 上記特許の実施例では、段階(a)においてクラッキングされたC4画分は基本的にn-ブテンと14%のパラフィンとから成るラフィネート2である。ラフィネート1は記載本的にイソブテン、n-ブテンおよびパラフィンの混合物である。メチルt-ブチル-エーテル(MTBE)を作るために、イソブテンとメタノールとの選択的反応によってラフィネート1はラフィネート2に変換される。しかし、環境問題から、MTBEの生産は急激に減少しており、ラフィネート2の利用はますますできなくなっている。 特許文献4(米国特許第US4091046号明細書)にはイソブタンをクラッキングし、クラッキング生成物からプロピレン流とイソブテン流とを分離し、プロピレンおよびイソブテンを不均化(ジスプロポーショネーション)させ、不均化させた流れからイソアミレン流を分離する、イソブタンからイソアミレンを製造する方法が記載されている。このイソアミレンは脱水素によってイソプレンに変換できる。イソブタンはノーマルブタンから骨格異性化によって作ることができる。ジスプロポーショネーションで生じるエチレンはダイマー化でき、得られたブチレンはジスプロポーショネーション反応へ再循環するか、脱水素してブタジエンにすることができる。クラッキング生成物から除去したイソブタンと不均化した流れから除去したイソブタンはクラッキング反応に再循環される。クラッキング反応で生じた水素は異性化段階で使用してノーマルブタンをイソブタンへ変換するか、ブテンをブタジエンへ変換する際に生じるアセチレンの水素化で使用できる。このプロセスはブタンの異性化が必要である。米国特許第US 5,523,502号明細書米国公開特許第20050107650 A1号明細書米国特許第US 5,026,936号明細書米国特許第US4091046号明細書 本発明は、軽質炭化水素からエチレン、プロピレンおよびイソプレンを選択的に生産するためのプロセスを提供する。 本発明は、下記の(a)〜(h)の段階から成る軽質炭化水素からエチレン、プロピレンおよびイソプレンを選択的に製造する方法を関するものである:(a) 脱イソブタン装置(de-isobutanizer)でブタン画分を分別してイソブタンがリッチな画分とノーマル-ブタンがリッチな画分とを作り、(b) 非触媒クラッキング帯域で上記のノーマル-ブタンがリッチな画分(必要に応じてさらにエタン画分と必要に応じてさらにプロパン画分と)をクラッキングしてオレフィンリッチ流を作り、好ましくは、エタン画分がある場合、プロパン画分がある場合、ノーマル-ブタン画分がある場合には、これらは別の非触媒クラッキング帯域でクラッキングし、(c)分離セクションで上記オレフィンリッチ流を処理してエチレン流とプロピレン流とを回収し、(d) 段階(a)で回収されたイソブタンをイソブテンまたはt-ブチルヒドロペルオキシドに変えるか、一部をイソブテン、一部をt-ブチルヒドロペルオキシドに変え、(e) 必要に応じて、段階(d)のイソブテンをホルムアルデヒドと反応させてイソプレンを作り、(f) 必要に応じて、段階(d)のt-ブチル・ヒドロペルオキシドと反応させてエポキシドとt-ブタノールを作り、さらにt-ブタノールを分離するか、必要に応じて、段階(d)のt-ブチル・ヒドロペルオキシドをt-ブタノールへクラッキングさせ、ホルムアルデヒドと反応させてイソプレンを作るか、必要に応じて、段階(d)のt-ブチル・ヒドロペルオキシドの一部をオレフィンと反応させ、残りの部分をt-ブタノールへクラッキングさせ、ホルムアルデヒドと反応させてイソプレンを作り、(g) 段階(f)で回収したt-ブタノールを脱水してイソブテンとし、このイソブテンをホルムアルデヒドと反応させてイソプレンを作るか、必要に応じて、段階(f)で回収したt-ブタノールをホルムアルデヒドと直接反応させてイソプレンを作るか、必要に応じて、段階(f)で回収したt-ブタノールを脱水してイソブテンとし、このイソブテンを脱水してイソブタンにし、このイソブタンを酸化してt-ブチル・ヒドロペルオキシドにし、このt-ブチル・ヒドロペルオキシドは再循環するか、必要に応じて、段階(f)で回収したt-ブタノールを脱水してイソブテンとし、このイソブテンおよび段階(c)で回収したプロピレン(または段階(c)で回収した2-ブテン)を不均化(disproportionating)し、イソアミレン流を分離し、このイソアミレンを脱水素してイソプレンに変換するか、必要に応じて、段階(g)の上記ルートを組み合わせ、(h) 必要に応じて、段階(d)のイソブテンおよび段階(段c)で回収したプロピレン(または段階(c)で回収した2-ブテン)を不均化し、イソアミレン流を分離し、このイソアミレン流を脱水素してイソプレンに変換し、 段階(e)、(f)および(h)の少なくとも一つは必須である。本発明の一つの実施例を示す図。本発明の別の実施例を示す図。本発明のさらに別の実施例を示す図。MTBEの生産設備の例を示す図。[図4]の設備を改造したプロセスの例を示す図。 ノルマル-ブタンおよびプロパンから、または、ノーマル-ブタン、エタンおよびプロパンからエチレン、プロピレンおよびイソプレン製造する上記以外のフレキシブルなプロセスも本発明の範囲を逸脱するものではない。そうしたプロセスはLPGのマーケットでプロパンに過剰設備がある場合等で起きる。プロパンのスチームクラッキングでは多量のエチレンができるが、プロピレンの量はかなり少なく、燃料ガス(主としてメタン)が多い。燃料ガスは潜在的な化学的価値をロスするものと見なされる。 本発明の一つの実施例では、ノーマル-ブタン画分とエタン画分が非触媒クラッキング帯域でクラッキングされる。また、必要に応じて、ノーマル-ブタン画分とエタン画分は2つの別々の非触媒クラッキング帯域でクラッキングされる。 本発明の他の実施例では、ノーマル-ブタン画分とプロパン画分が非触媒クラッキング帯域でクラッキングされる。また、必要に応じて、ノーマル-ブタン画分とプロパン画分は2つの別々の非触媒クラッキング帯域でクラッキングされる。 本発明の他の実施例では、ノーマル-ブタン画分、エタン画分およびプロパン画分が非触媒クラッキング帯域でクラッキングされる。また、必要に応じて、ノーマル-ブタン画分、エタン画分およびプロパン画分は2つの非触媒クラッキング帯域でクラッキングされる。例えば、ノーマル-ブタン画分とプロパン画分の一部とを非触媒クラッキング帯域でクラッキングし、エタン画分とプロパン画分の残りの部分を別の非触媒クラッキング帯域でクラッキングする。あるいは、ノーマル-ブタン画分、エタン画分およびプロパン画分を3つの別々の非触媒クラッキング帯域でクラッキングすることもできる。すなわち、ブタン画分を一つの非触媒クラッキング帯域でクラッキングし、エタン画分を別の非触媒クラッキング帯域でクラッキングし、プロパン画分も別の非触媒クラッキング帯域でクラッキングする。 本発明の他の実施例では、基本的にエタン、プロパンおよびブタンから成る軽質炭化水素フィードストックを分別してLPGとして使われるC3画分と、エタン画分と、ブタン画分とを得る。ブタン画分は脱イソブタン化装置(de-isobutanizer)を介してクラッキング帯域に送られ、エタン画分はクラッキング帯域へ送られる。 ブタンが一時的に供給不足になった場合にブタンをプロパンに置換することはでき、それによって石油化学コンビナートの運転を継続することができるが、これは本発明で本質的なことではない。 本発明はMTBE設備を改造する場合に重要である。[図4]はMTBEの生産設備の例を示し、DIBは脱イソブタン化装置(de-isobutanizer)であり、「異性化(isomerisation)」はn-ブタンをイソブタンに変換するユニットである。ここではイソブタンがメタノールと反応してMTBEが生産される。メタノールは天然ガスから作られる。 [図5]は[図4]の設備を改造したプロセスの例を示し、n-ブタンの異性化製造ユニットおよびMTBE製造ユニットとを止め、これまで異性化製造ユニットへ送られていたn-ブタンを混合フィードクラッカ(例えばスチームクラッカ)へ送る。また、DIBを追加してより多くのブタンを処理する。n-ブタンは上記混合フィードクラッカへ送られ、イソブタンは脱水素装置へ送られてイソブテンが作られる。メタノールはHCHOに変換される。縮合ユニットを挿入し、この縮合ユニットでHCHOとイソブテンを反応させてイソプレンを作る。 本発明は、下記段階(1)〜(4):(1) ブタン・フィードストックを脱イソブタン化装置(de-isobutanizer)へ送って塔頂イソブタンとブタンを回収し、(2) 段階(1)のn-ブタンを異性化装置で異性化し、得られたイソブタンを段階(1)の脱イソブタン化装置へ戻し、(3) 段階(1)のイソブタンを脱水素してイソブテンにし、(4) 段階(3)のイソブテンをメタノールと反応させてMTBEを作る、工程を有する、イソブタンをベースにしたMTBE製造ユニットを下記(5)〜(7)のように改造してイソプレンを生産するものである:(5) 段階(2)の異性化反応と段階(4)のMTBE反応とを止め、(6) メタノールをHCHOに変換し、段階(3)で回収したイソブテンと反応させてイソプレンを生産し、(7) 段階1で回収したn-ブタンをクラッカ、好ましくはスチームクラッカへ送る。 本発明の特定実施例では、脱イソブタン化装置(de-isobutanizer)を追加し、それにブタン・フィードストックを供給し、この追加の脱イソブタン化装置で回収されたイソブタンを段階(3)の脱水素ユニットへ送り、追加の脱イソブタン化装置で回収されたn-ブタンを段階(7)のクラッカへ送る。 上記の段階(a)、(b)および(c)自体は基本的に公知のものである。主たるオレフィンはエチレンとプロピレンであるが、C4オレフィン例えば1-ブテンおよび2-ブテンも重要である。 本発明の特定実施例では、上記段階(c)の分離セクションで、段階(b)のオレフィンリッチ流を下記のように処理する:(1)水素とメタンを除去する(2)エチレン流を回収する、(3)エタン流を回収し、それをクラッキング帯域へ再循環し、(4)プロピレン流を回収し、(5)プロパン流を回収し、必要に応じて、それをクラッキング帯域へ剤循環し、(6)C4流を回収し(7)重質物を除去する。 本発明の他の特定実施例では、上記段階(c)の後に、下記からなる段階(c1)を行なう:すなわち、段階(c)で製造されたC4流中のジエン類およびアルキンを水素化して対応オレフィンを作る。 本発明の他の特定実施例では、段階(c)および段階(c1)の後に、下記からなる段階(c2)を行なう:すなわち、段階(d)で製造されたC4流と段階(c)で製造されたにエチレン流の一部をメタセシスセクションでメタセシス反応してプロピレンを生産する。 本発明の他の特定実施例では、上記段階(c)、段階(c1)および段階(c2)の後に、下記からなる段階(c3)を行なう:すなわち、段階(c2)の流れを処理して下記を回収する:(1)エチレン流、必要に応じてメタセシスセクションへ再循環される、(2)プロピレン流、(3)C4および重質化合物流 本発明の他の特定実施例では、上記段階(c)、段階(c1)、段階(c2)、段階(C3) の後に、下記からなる段階(C4)を行なう:すなわち、段階(c3)で生産したC4および重質化合物流を処理し、水素化するか、水素化せずにクラッキング帯域へ再循環するか、必要に応じて脱イソブタン化装置を介するか直接に、クラッキング帯域へ再循環する。 段階(d)のイソブタンのイソブテンへの脱水素化自体は公知である。イソブタンのt-ブチルヒドロペルオキシドへの変換自体も公知で、例えば下記文献に記載されている。これら特許の内容は本発明の一部を成す。米国特許第US 4128587号明細書米国特許第US 5399777号明細書米国特許第US 5475147号明細書 段階(e)のイソブテンとホルムアルデヒドとの反応でイソプレンを作る反応自体は公知である。イソブテンとホルムアルデヒドとの反応で4,4-ジメチル-m-ジオキサンが得られ、それが分解してイソプレンになる。このルートは例えば下記文献に記載されている。これら特許の内容は本発明の一部を成す。英国特許第GB 1370899号公報米国特許第US 3972955号明細書 なお、酸性水溶媒体中でイソブテンまたはt-ブタノールをホルムアルデヒドと反応させてイソプレンを生産するルートは下記文献に記載されている。これら特許の内容は本発明の一部を成す。欧州特許第EP 106323号公報欧州特許第EP1614671号公報 運転条件および触媒はイソプレンが直接生じるように最適化される。プロセスは酸触媒で触媒される。運転条件はイソプレンができるだけ速く除去され、形成されと直ぐに除去されるような条件を選択する。一般に、これは形成されたイソプレンを未転換のイソブチレンおよび水蒸気と一緒に蒸発させて行なわれる。これらの蒸気を凝縮し、イソプレンを残留するイソブチレンおよび水から単離する。イソブチレンは変換反応装置へ戻し、再循環できる。最も適切なイソブチル単位はイソブチレンである。すなわち、これは反応装置の温度を維持するのに必要な熱量が最少で済む。アルコールまたはエーテルは酸触媒の存在下で少なくとも部分的にクラッキングされるが、多量の反応熱を必要とする。一般に蒸留後に単離されたイソプレンは非常に純粋である。イソブチレンとホルムアルデヒドからは5つの炭素を有する他の炭化水素はできない。典型的な副産物はイソプレンおよびホルムアルデヒドのオリゴマーで、イソプレンからの分離は容易である。触媒は任意の均一酸触媒またはヘテロ酸触媒にすることができる。触媒は反応装置を出るイソプレンと一緒に蒸発しないで、反応装置の水相中に残る高沸点の酸であるのが好ましい。液体の均一酸触媒の例は硫酸、ヒドロ硫酸、リン酸、モノヒドロリン酸、ジヒドロリン酸、硼酸、硝酸、メタンスルホン酸、パラ−トルイル−スルホン酸、ヘテロポリ酸である。不均一酸も使用でき、その例はスルホン化され、架橋したジビニールスチレン、スルホン化されたポリフルオロ炭化水素、スルホン化アモルファス・シリカ、スルホン化されたメソポーラスなシリカ、スルホン化ジルコニア、担持ヘテロポリ酸、ゼオライト、その他である。 段階(f)のt-ブチルヒドロペルオキシドとプロピレンとを反応させてプロピレンオキサイドとt-ブタノールにする反応自体は公知で、下記文献に記載されている。これら特許の内容は本発明の一部を成す。米国特許第US 4036905号明細書米国特許第US 5274138号明細書米国特許第US 5539131号明細書米国特許第US 7223875号明細書 段階(f)の第2段の反応の例は下記文献に記載されている。これら特許の内容は本発明の一部を成す。米国特許第US 5399794号明細書米国特許第US 4922035号明細書 段階(g)のt-ブタノールのイソブテンへの脱水反応自体は公知で、下記文献に記載されている。この特許の内容は本発明の一部を成す。米国公開特許第2005-0014985号明細書 イソブテンのイソブタンへの水素化は公知である。 段階(g)および段階(h)でのイソブテンおよびプロピレンを不均一化(ジスプロポーショネーション)してイソアミレンとし、イソアミレン流を分離し、イソアミレンを脱水素してイソプレンに変換する方法自体は公知である。その例は下記文献に記載されている。この特許の内容は本発明の一部を成す。米国特許第US 4091146号明細書 以下、本発明の各種の流れの概要を記載する。 [図1]は本発明の実施例を示し、DIBは段階(a)の脱イソブタン化装置(de-isobutanizer)であり、ブタン(C4)が供給される。n-ブタン(n-C4)はクラッキング帯域に送られ、エチレン(C2-)、プロピレン(C3-)、C4(C4's)およびC5(C5's)が生産される。「スチームクラッキング」は段階(b)および(c)を表す。イソブタンは脱水素(DH)へ送られてイソブテン(I-C4-)が生産される。次いで、イソブテンは「縮合」へ送られ、そこでホルムアルデヒド(HCHO)と反応してイソプレンが作られる。 (図2]は他の実施例を示し、DIBで回収されたイソブテンを空気酸化ユニットへ送って、t- ブチルヒドロペルオキシド(TBHP)を作る。このTBHPがプロピレン(C3−)と反応されてt−ブタノール(TBA)とプロピレンオキサイド(PO)とが生産される。次いで、TBAがホルムアルデヒドと反応してイソプレンが生産される。 (図3]はさらに他の実施例を示し、DIBで回収したイソブテンが脱水素(DH)へ送られてイソブテン(I−C4−)が生産され、このイソブテンはメタテシス(methathesis)ユニットへ送られ、プロピレン(C3−)または2−ブテン(2−C4)と反応してイソアミレンが作られ、それをDHユニットで脱水素してイソプレンが生産される。 下記の(a)〜(h)の段階階から成る軽質炭化水素からエチレン、プロピレンおよびイソプレンを選択的に製造する方法:(a) 脱イソブタン装置(de-isobutanizer)でブタン画分を分別(fractionating)してイソブタンがリッチな画分とノーマル-ブタンがリッチな画分とを作り、(b) 非触媒クラッキング帯域で上記のノーマル-ブタンがリッチな画分(必要に応じてさらにエタン画分と、必要に応じてさらにプロパン画分と)をクラッキングしてオレフィンリッチ流を作り、(c)分離セクションで上記オレフィンリッチ流を処理してエチレン流とプロピレン流とを回収し、(d) 段階(a)で回収されたイソブタンをイソブテンまたはt-ブチルヒドロペルオキシドに変えるか、一部をイソブテン、一部をt-ブチルヒドロペルオキシドに変え、(e) 必要に応じて、段階(d)のイソブテンをホルムアルデヒドと反応させてイソプレンを作り、(f) 必要に応じて、段階(d)のt-ブチル・ヒドロペルオキシドと反応させてエポキシドとt-ブタノールを作り、さらにt-ブタノールを分離するか、必要に応じて、段階(d)のt-ブチル・ヒドロペルオキシドをt-ブタノールへクラッキングさせ、ホルムアルデヒドと反応させてイソプレンを作るか、必要に応じて、段階(d)のt-ブチル・ヒドロペルオキシドの一部をオレフィンと反応させ、残りの部分をt-ブタノールへクラッキングさせ、ホルムアルデヒドと反応させてイソプレンを作り、(g) 段階(f)で回収したt-ブタノールを脱水してイソブテンとし、このイソブテンをホルムアルデヒドと反応させてイソプレンを作るか、必要に応じて、段階(f)で回収したt-ブタノールをホルムアルデヒドと直接反応させてイソプレンを作るか、必要に応じて、段階(f)で回収したt-ブタノールを脱水してイソブテンとし、このイソブテンを脱水してイソブタンにし、このイソブタンを酸化してt-ブチル・ヒドロペルオキシドにし、このt-ブチル・ヒドロペルオキシドは再循環するか、必要に応じて、段階(f)で回収したt-ブタノールを脱水してイソブテンとし、このイソブテンおよび段階(c)で回収したプロピレン(または段階(c)で回収した2-ブテン)を不均化(disproportionating)し、イソアミレン流を分離し、このイソアミレンを脱水素してイソプレンに変換するか、必要に応じて、段階(g)の上記ルートを組み合わせ、(h) 必要に応じて、段階(d)のイソブテンおよび段階(段c)で回収したプロピレン(または段階(c)で回収した2-ブテン)を不均化し、イソアミレン流を分離し、このイソアミレン流を脱水素してイソプレンに変換する。 ただし、段階(e)、(f)および(h)の少なくとも一つは必須である。 段階(b)でノーマル-ブタン画分およびエタン画分を非触媒クラッキング帯域でクラッキングする請求項1に記載の方法。 ノーマル-ブタン画分およびエタン画分を3つの別々の非触媒クラッキング帯域でクラッキングする請求項2に記載の方法。 段階(b)でノーマル-ブタン画分およびプロパン画分を非触媒クラッキング帯域でクラッキングする請求項1に記載の方法。 ノーマル-ブタン画分およびプロパン画分を2つの別々の非触媒クラッキング帯域でクラッキングする請求項4に記載の方法。 段階(b)でノーマル-ブタン画分、エタン画分およびプロパン画分を非触媒クラッキング帯域でクラッキングする請求項2に記載の方法。 ノーマル-ブタン画分、エタン画分およびプロパン画分を3つの別々の非触媒クラッキング帯域でクラッキングする請求項6に記載の方法。 基本的にエタン、プロパンおよびブタンから成る軽質炭化水素フィードストックを分別してLPGとして使用されるC3画分と、エタン画分およびブタン画分を作り、エタン画分は段階(b)のクラッキング帯域へ送り、ブタン画分は段階(a)の脱イソブタン化装置(de-isobutanizer)へ送ってイソブタンがリッチな画分とノーマル-ブタンがリッチな画分とを作り、上記のノーマル-ブタン画分は段階(b)のクラッキング帯域へ送る請求項2または3に記載の方法。 下記段階(1)〜(4):(1)ブタン・フィードストックを脱イソブタン化装置(de-isobutanizer)へ送って塔頂イソブタンとブタンを回収し、(2) 段階(1)のn-ブタンを異性化装置で異性化し、得られたイソブタンを段階(1)の脱イソブタン化装置へ戻し、(3) 段階(1)のイソブタンを脱水素してイソブテンにし、(4) 段階(3)のイソブテンをメタノールと反応させてMTBEを作る、工程を有する、イソブタンをベースにしたMTBE製造ユニットを、下記(5)〜(7)でイソプレンを生産するものに改造する回収方法:(5) 段階(2)の異性化反応と段階(4)のMTBE反応とを止め、(6) メタノールをHCHOに変換し、段階(3)で回収したイソブテンと反応させてイソプレンを生産し、(7) 段階1で回収したn-ブタンをクラッカ、好ましくはスチームクラッカへ送る。 追加の脱イソブタン化装置を挿入し、この脱イソブタン化装置にブタンフィードストックを供給し、上記脱イソブタン化装置から回収したイソブタンを段階(3)の脱水素ユニッイトへ送り、追加した上記脱イソブタン化装置で回収したn-ブタンを段階(7)のクラッカへ送る請求項9の改造方法。 【課題】軽質炭化水素からエチレン、プロピレン、イソプレンを選択製造。【解決手段階】(a) 脱イソブタン装置でブタン画分を分別してイソブタン豊富分とn-ブタン豊富分とし、(b) 非触媒クラッキング帯域でn-ブタンリッチ分を接触分解してオレフィン豊富流とし、(c)分離セクションでオレフィン豊富流を処理してエチレン流とプロピレン流とを回収し、(d)aで回収したイソブタンをイソブテンまたはt-ブチルヒドロペルオキシドに変え、(e)dのイソブテンをホルムアルデヒドと反応させてイソプレンとし、(f)dのt-ブチル・ヒドロペルオキシドと反応させてエポキシドとt-ブタノールとし、t-ブタノールを分離し、(g) fで回収したt-ブタノールの脱水でイソブテンとし、このイソブテンをホルムアルデヒドと反応させてイソプレンとし、(h)dのイソブテンと(c)で回収したプロピレンを不均化し、イソアミレン流を分離し、イソアミレン流の脱水素でイソプレンへ変換。


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