生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_鎮痛耐性抑制剤
出願番号:2010514546
年次:2015
IPC分類:A61K 31/522,A61K 31/519,A61K 31/4439,A61K 31/506,A61K 31/427,A61K 31/52,A61P 25/30,A61P 43/00,A61P 1/10


特許情報キャッシュ

大内 潤 九里 俊二 小島 陽三 篠田 克己 佐々木 克敏 白倉 史郎 JP 5751831 特許公報(B2) 20150529 2010514546 20090529 鎮痛耐性抑制剤 協和発酵キリン株式会社 000001029 大内 潤 九里 俊二 小島 陽三 篠田 克己 佐々木 克敏 白倉 史郎 JP 2008141178 20080529 JP 2008302783 20081127 20150722 A61K 31/522 20060101AFI20150702BHJP A61K 31/519 20060101ALI20150702BHJP A61K 31/4439 20060101ALI20150702BHJP A61K 31/506 20060101ALI20150702BHJP A61K 31/427 20060101ALI20150702BHJP A61K 31/52 20060101ALI20150702BHJP A61P 25/30 20060101ALI20150702BHJP A61P 43/00 20060101ALI20150702BHJP A61P 1/10 20060101ALI20150702BHJP JPA61K31/522A61K31/519A61K31/4439A61K31/506A61K31/427A61K31/52A61P25/30A61P43/00 121A61P1/10 A61K 31/00 CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN) JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII) 国際公開第2006/059713(WO,A1) 国際公開第00/017201(WO,A1) 国際公開第2005/063743(WO,A1) 特表2003−535094(JP,A) 特表2004−524293(JP,A) 特表2005−500355(JP,A) 特表2008−513385(JP,A) 特表2004−517862(JP,A) 特表2006−514697(JP,A) 特表2008−503464(JP,A) British Journal of Pharmacology,1985年,Vol.84, No.4,p.789-791 日本薬理学雑誌,2007年,第129巻,第5号,p.390−391 日本臨牀,2002年,第60巻,第1号,p.112−116 Pain,2007年,Vol.129, No.3,p.287-294 Behavioural Pharmacology,2006年,Vol.17,pp.621-628 Psychopharmacology,2005年,Vol.181,pp.714-721 4 JP2009059845 20090529 WO2009145289 20091203 64 20120106 田村 直寛 本発明は、アデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物またはその薬学的に許容される塩を有効成分として含有する、オピオイド系鎮痛薬(オピオイド)の望ましくない作用(例えば、鎮痛耐性、痛覚過敏、依存、便秘、眠気など)を抑制する剤などに関する。 オピオイドは、重篤な急性および慢性の疼痛に対して広く使用されている。オピオイドは強い鎮痛効果を示す一方で、鎮痛耐性、痛覚過敏、便秘、依存、眠気など望ましくない作用を発現することが知られている(「ザ・メディカル・クリニックス・オブ・ノース・アメリカ(The Medical Clinics of North America)」2007年、第91巻、p. 199)。従来から、オピオイドによる鎮痛耐性や痛覚過敏の主な治療および/または予防方法として、オピオイド投与量の増量、オピオイドローテーション、投与ルートの変更などがとられてきた。しかし、オピオイド投与量の増量では、オピオイド自身が有する便秘、嘔気、眠気、呼吸抑制、錯乱、免疫抑制等の副作用も重篤となり、総合的な見地から臨床的有効性の低下が問題となっている。また、オピオイドローテーションや投与ルートの変更では、疼痛部位や患者の既往症(例えば腎障害、肝障害等)によりとるべき選択肢が限定される場合も少なくない。 依存などのオピオイドの望ましくない作用を低減させる方法として、例えば以下のような報告もある。(1) オピオイドと超低用量のオピオイド拮抗薬の混合剤であるオキシトレックス(Oxytrex;「ザ・ジャーナル・オブ・ペイン(The Journal of Pain)」2005年、第6巻、p. 392)やエンベダ(Embeda;「アニューアル・ミーティング・オブ・ザ・アメリカン・ソサイエティー・アネセジオロギスツ(Annual Meeting of The American Society of Anesthesiologists)」2007年、要旨A1370)がオピオイド単独投与に比べて、オピオイドの身体的依存を軽減する。(2) メチルナルトレキソンがオピオイド投与により誘発する便秘を改善する(「ザ・アニューアルズ・オブ・ファーマコロセラピー(The Annals of Pharmacotherapy)」2007年、第41巻、p. 984)。(3) アミノグアニジンがモルヒネの鎮痛耐性と身体的依存を抑制する(「ヨーロピアン・ジャーナル・オブ・ファーマコロジー(European Journal of Pharmacology)」2006年、第540巻、p. 60-66)。(4) フィナステライドがモルヒネの鎮痛耐性と身体的依存を抑制する(「ホルモンズ・アンド・ビヘイビアー(Hormones and Behavior)」2007年、第51巻、p. 605)。(5) N-メチル-D-アスパラギン酸(NMDA)受容体拮抗薬がオピオイドの鎮痛耐性や依存を抑制する(「ナウニン・シュミーデベルク・アーカイブ・オブ・ファーマコロジー(Naunyn-Schmiedeberg's Archives of Pharmacology)」2000年、 第361巻、p. 425;「ザ・クリニカル・ジャーナル・オブ・ペイン(The Clinical Journal of Pain)」2000年、第16巻、p. S73-9)。(6) GM1ガングリオシドの阻害剤がモルヒネの鎮痛耐性や身体的依存などを抑制する(US2004-0087607)。(7) アデノシン受容体拮抗剤である3,7-ジメチル-1-プロパルギルキサンチン(DMPX)は、モルヒネによる精神的依存を抑制する(非特許文献1参照)。(8) DMPXは、ヘロインによる精神的依存を抑制する(非特許文献2、特許文献1参照)。(9) 8-(3-クロロスチリル)カフェイン(CSC)はモルヒネによる精神依存を抑制する(非特許文献3参照)。(10) アデノシン受容体拮抗剤であるZM241385がオピオイドペプチドの一つであるDAMGOによる興奮性シナプス後電流に影響を与える(非特許文献4参照)。(11) アデノシン受容体拮抗剤である SCH59261とCSCがモルヒネの身体的依存を抑制する(非特許文献8参照)。 一方、アデノシンは生体内に広く分布し、その受容体を介して、中枢神経系、心筋、腎臓、平滑筋などに対して様々な生理作用を示すことが知られている(非特許文献5参照)。 例えば、アデノシンA1拮抗剤は排便促進作用を有することが知られている(非特許文献6参照)。また、アデノシンA2A受容体は、特に中枢神経系に関与していることが知られており、その拮抗剤は、例えばパーキンソン病などの治療薬として有用であることが知られており(非特許文献7参照)、また、レストレスレックス症候群(RLS)などの治療のためのアデノシンA2A受容体拮抗剤とオピオイドからなる組成物なども知られている(特許文献2および3参照)。また、アデノシンA2A受容体拮抗剤を用いたエタノールやオピオイドなどの乱用薬物の慢性的消費などを軽減する方法(特許文献1および4参照)や、慢性筋骨格痛を呈する疾患の治療方法(特許文献5参照)などが知られている。さらに、アデノシンA2B受容体拮抗剤は、便秘の治療薬として有用であることも知られている(特許文献6参照)。 アデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物としては、例えば下記式(IA)、(IB)、(IC)、(ID)、(IIA)、(IIIA)、(IIIB)、(IIIC)、(IVA)、(V)、(VIA)、(VII)、(VIII)などで表される化合物が知られている(特許文献7〜13、非特許文献9〜11参照)。国際公開第2006/009698号パンフレット国際公開第2007/047293号パンフレット国際公開第2007/038212号パンフレット国際公開第2006/059713号パンフレット国際公開第2005/094885号パンフレット国際公開第01/080893号パンフレット米国特許第5587378号明細書国際公開00/17201号パンフレット国際公開2005/063743号パンフレット国際公開2002/055524号パンフレット国際公開第2003/011864号パンフレット国際公開第2006/032273号パンフレット国際公開第2002/055083号パンフレット「ヨーロピアン・ジャーナル・オブ・ファーマコロジー(European Journal of Pharmacology)」1999年、第383巻、p. 107「プロシーディング・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシーズ・オブ・ザ・ユナイテッド・ステイツ・オブ・アメリカ(Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America)」2006年、第103巻、p. 7877「リサーチ・コミュニケーション・イン・アルコール・アンド・サブスタンス・オブ・アブーズ(Research Communications in Alcohol and Substances of Abuse)」1997年、第18巻、p. 141「ニューロサイエンス・レターズ(Neuroscience Letters)」2005年、第 376巻、p. 102「ネイチァー・レビュー・ドラッグ・ディスカバリー(Nature Reviews Drug Discovery)」2006年、第5巻、p. 247「ジャパニーズ・ジャーナル・オブ・ファーマコロジー(Jpn. J. Pharmacol. )」1995年、第68巻、p. 119「プログレス・イン・ニューロバイオロジー(Progress in Neurobiology)」2007年、第83巻、p. 332「ナウニン・シュミーデベルク・アーカイブ・オブ・ファーマコロジー(Naunyn-Schmiedeberg's Archives of Pharmacology)」2003年、 第368巻、p. 113「ヨーロピアン・ジャーナル・オブ・ファーマコロジー(European Journal of Pharmacology)」1994年、第267巻、p. 335「バイオオーガニック&メディシナル・ケミストリー・レターズ(Bioorganic&Medicinal Chemistry Letters)」2007年、第17巻、p.1376「ジャーナル・オブ・メディシナル・ケミストリー(Journal of Medicinal Chemistry)」1993年、第36巻、p.1333 本発明の目的は、アデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物またはその薬学的に許容される塩を有効成分として含有するオピオイドの望ましくない作用(例えば、鎮痛耐性、痛覚過敏、便秘、依存、眠気など)を抑制する剤などを提供することにある。 本発明は、以下の(1)〜(93)に関する。(1) アデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物またはその薬学的に許容される塩を有効成分として含有するオピオイドの望ましくない作用を抑制する剤。(2) 望ましくない作用が鎮痛耐性、痛覚過敏、便秘、依存または眠気である(1)記載の剤。(3) 望ましくない作用が鎮痛耐性または便秘である(1)記載の剤。(4) 望ましくない作用が鎮痛耐性である(1)記載の剤。(5) アデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物が、下記式(I)〜(VIII)のいずれかで表される化合物である(1)〜(4)のいずれかに記載の剤。(式中、R1は水素原子またはメチルを表し、R2およびR3は同一または異なって、メチル、エチル、プロピル、ブチルまたはイソプロピルを表し、R4、R5およびR6は同一または異なって、水素原子、メチル、エチル、メトキシ、エトキシ、フッ素原子、塩素原子または臭素原子を表し;R7はメチル、エチル、プロピル、ブチル、または3-メチルブチルを表すか、またはこれらの基にヒドロキシが置換した基を表し;R8はフェニル、ピリジル、ピリミジニルまたは5,6-ジヒドロ-2H-ピリジルメチルを表すか、またはこれらの基に塩素原子、メチル、エチル、メトキシおよびエトキシから選ばれる1〜3個の置換基が置換した基を表し、R9はピリジルまたはテトラヒドロピラニルを表し;R10およびR11は同一または異なって、水素原子、フッ素原子または2-メトキシエトキシを表し;R12はメチル、エチル、プロピルまたはブチルを表す)(6) アデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物が、下記式(I)で表される化合物である(1)〜(4)のいずれかに記載の剤。(式中、R1、R2、R3、R4、R5およびR6はそれぞれ前記と同義である)(7) アデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物が、下記式(II)で表される化合物である(1)〜(4)のいずれかに記載の剤。(式中、R7は前記と同義である)(8) アデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物が、下記式(III)で表される化合物である(1)〜(4)のいずれかに記載の剤。(式中、R8およびR9はそれぞれ前記と同義である)(9) アデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物が、下記式(IA)、(IB)、(IC)、(ID)、(IIA)、(IIIA)、(IIIB)、(IIIC)、(IVA)、(V)、(VIA)、(VII)または(VIII)で表される化合物である(1)〜(4)のいずれかに記載の剤。(10) アデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物が、下記式(IA)または(IB)で表される化合物である(1)〜(4)のいずれかに記載の剤。(11) アデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物が、下記式(IIA)、(IIIA)、(IIIB)または(IIIC)で表される化合物である(1)〜(4)のいずれかに記載の剤。(12) オピオイドが、アニレリジン、アヘン、アムプロミド、アリルプロジン、アルファプロジン、アルフェンタニル、イソメサドン、エチルメチルチアムブテン、エチルモルヒネ、エトヘプタジン、エトニタゼン、エプタゾシン、エンドルフィン、エンケファリン、オキシコドン、オキシモルフォン、クロニタゼン、ケトベミドン、コカイン、コデイン、シルモルファン、ジアモルホン、ジオキサフェチルブチレート、ジデゾシン、ジノルフィン、ジヒドロコデイン、ジヒドロモルヒネ、ジピパノン、ジメチルチアムブテン、ジメノキサドール、ジメフェプタノール、スフェンタニル、チリジン、デキストロモラミド、デソモルヒネ、トラマドール、ナルセイン、ナロルフィン、ナルブフェン、ニコモルヒネ、ノルレボルファノール、ノルメタドン、ノルモルヒネ、ノルピパノン、パパベレツム、ヒドロコドン、ヒドロキシペチジン、ヒドロモルフォン、ピミノジン、ピリトラミド、フェンタニル、フェナゾシン、フェナドキソン、フェノペリジン、フェノモルファン、ブトルファノール、ブプレノルフィン、プロペリジン、プロポキシフェン、プロフェプタジン、プロメドール、ヘロイン、ベジトラミド、ベルジルモルヒネ、ペンタゾシン、ミロフィン、メサドン、メタゾシン、メトポン、メプタジノール、メペリジン、モルヒネ、レバロルファン、レボフェナロフェンタニル、レボルファノールおよびレミフェンタニルからなる群から選ばれるオピオイドである(1)〜(11)のいずれかに記載の剤。(13) オピオイドが、モルヒネ、フェンタニルまたはオキシコドンである(1)〜(11)のいずれかに記載の剤。(14) オピオイドが、モルヒネである(1)〜(11)のいずれかに記載の剤。(15) (a)アデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物またはその薬学的に許容される塩と(b)オピオイドを組み合わせて含有する疼痛の治療および/または予防剤。(16) (a)アデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物またはその薬学的に許容される塩と(b)オピオイドを同時にまたは時間を置いて別々に投与するための、(a)と(b)を有効成分とする疼痛の治療および/または予防剤。(17) 疼痛が、侵害受容性疼痛、癌性疼痛、腰背部痛、術後痛、帯状疱疹痛、骨関節痛、腰背部痛、リウマチ性関節痛、骨関節炎に伴う痛み、線維筋痛症、筋筋膜痛、内臓痛、炎症性疼痛、神経因性疼痛、絞扼性神経障害、帯状疱疹後神経痛、糖尿病性疼痛、神経性腰痛、エイズウイルス感染後の疼痛、脊髄損傷後の疼痛および三叉神経痛からなるからなる群から選ばれる疼痛である(15)または(16)記載の剤。(18) アデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物が、下記式(I)〜(VIII)のいずれかで表される化合物である(15)〜(17)のいずれかに記載の剤。(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11およびR12はそれぞれ前記と同義である)(19) アデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物が、下記式(I)で表される化合物である(15)〜(17)のいずれかに記載の剤。(式中、R1、R2、R3、R4、R5およびR6はそれぞれ前記と同義である)(20) アデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物が、下記式(II)で表される化合物である(15)〜(17)のいずれかに記載の剤。(式中、R7は前記と同義である)(21) アデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物が、下記式(III)で表される化合物である(15)〜(17)のいずれかに記載の剤。(式中、R8およびR9はそれぞれ前記と同義である)(22) アデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物が、下記式(IA)、(IB)、(IC)、(ID)、(IIA)、(IIIA)、(IIIB)、(IIIC)、(IVA)、(V)、(VIA)、(VII)または(VIII)で表される化合物である(15)〜(17)のいずれかに記載の剤。(23) アデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物が、下記式(IA)または(IB)で表される化合物である(15)〜(17)のいずれかに記載の剤。(24) アデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物が、下記式(IIA)、(IIIA)、(IIIB)または(IIIC)で表される化合物である(15)〜(17)のいずれかに記載の剤。(25) オピオイドが、アニレリジン、アヘン、アムプロミド、アリルプロジン、アルファプロジン、アルフェンタニル、イソメサドン、エチルメチルチアムブテン、エチルモルヒネ、エトヘプタジン、エトニタゼン、エプタゾシン、エンドルフィン、エンケファリン、オキシコドン、オキシモルフォン、クロニタゼン、ケトベミドン、コカイン、コデイン、シルモルファン、ジアモルホン、ジオキサフェチルブチレート、ジデゾシン、ジノルフィン、ジヒドロコデイン、ジヒドロモルヒネ、ジピパノン、ジメチルチアムブテン、ジメノキサドール、ジメフェプタノール、スフェンタニル、チリジン、デキストロモラミド、デソモルヒネ、トラマドール、ナルセイン、ナロルフィン、ナルブフェン、ニコモルヒネ、ノルレボルファノール、ノルメタドン、ノルモルヒネ、ノルピパノン、パパベレツム、ヒドロコドン、ヒドロキシペチジン、ヒドロモルフォン、ピミノジン、ピリトラミド、フェンタニル、フェナゾシン、フェナドキソン、フェノペリジン、フェノモルファン、ブトルファノール、ブプレノルフィン、プロペリジン、プロポキシフェン、プロフェプタジン、プロメドール、ヘロイン、ベジトラミド、ベルジルモルヒネ、ペンタゾシン、ミロフィン、メサドン、メタゾシン、メトポン、メプタジノール、メペリジン、モルヒネ、レバロルファン、レボフェナロフェンタニル、レボルファノールおよびレミフェンタニルからなる群から選ばれるオピオイドである(15)〜(24)のいずれかに記載の剤。(26) オピオイドが、モルヒネ、フェンタニルまたはオキシコドンである(15)〜(24)のいずれかに記載の剤。(27) オピオイドが、モルヒネである(15)〜(24)のいずれかに記載の剤。(28) (a)アデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物またはその薬学的に許容される塩を含有する第1成分と(b)オピオイドを含有する第2成分を有することを特徴とするキット。(29) アデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物が、下記式(I)〜(VIII)のいずれかで表される化合物である(28)記載のキット。(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11およびR12はそれぞれ前記と同義である)(30) アデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物が、下記式(I)で表される化合物である(28)記載のキット。(式中、R1、R2、R3、R4、R5およびR6はそれぞれ前記と同義である)(31) アデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物が、下記式(II)で表される化合物である(28)記載のキット。(式中、R7は前記と同義である)(32) アデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物が、下記式(III)で表される化合物である(28)記載のキット。(式中、R8およびR9はそれぞれ前記と同義である)(33) アデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物が、下記式(IA)、(IB)、(IC)、(ID)、(IIA)、(IIIA)、(IIIB)、(IIIC)、(IVA)、(V)、(VIA)、(VII)または(VIII)で表される化合物である(28)記載のキット。(34) アデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物が、下記式(IA)または(IB)で表される化合物である(28)記載のキット。(35) アデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物が、下記式(IIA)、(IIIA)、(IIIB)または(IIIC)で表される化合物である(28)記載のキット。(36) オピオイドが、アニレリジン、アヘン、アムプロミド、アリルプロジン、アルファプロジン、アルフェンタニル、イソメサドン、エチルメチルチアムブテン、エチルモルヒネ、エトヘプタジン、エトニタゼン、エプタゾシン、エンドルフィン、エンケファリン、オキシコドン、オキシモルフォン、クロニタゼン、ケトベミドン、コカイン、コデイン、シルモルファン、ジアモルホン、ジオキサフェチルブチレート、ジデゾシン、ジノルフィン、ジヒドロコデイン、ジヒドロモルヒネ、ジピパノン、ジメチルチアムブテン、ジメノキサドール、ジメフェプタノール、スフェンタニル、チリジン、デキストロモラミド、デソモルヒネ、トラマドール、ナルセイン、ナロルフィン、ナルブフェン、ニコモルヒネ、ノルレボルファノール、ノルメタドン、ノルモルヒネ、ノルピパノン、パパベレツム、ヒドロコドン、ヒドロキシペチジン、ヒドロモルフォン、ピミノジン、ピリトラミド、フェンタニル、フェナゾシン、フェナドキソン、フェノペリジン、フェノモルファン、ブトルファノール、ブプレノルフィン、プロペリジン、プロポキシフェン、プロフェプタジン、プロメドール、ヘロイン、ベジトラミド、ベルジルモルヒネ、ペンタゾシン、ミロフィン、メサドン、メタゾシン、メトポン、メプタジノール、メペリジン、モルヒネ、レバロルファン、レボフェナロフェンタニル、レボルファノールおよびレミフェンタニルからなる群から選ばれるオピオイドである(28)〜(35)のいずれかに記載のキット。(37) オピオイドが、モルヒネ、フェンタニルまたはオキシコドンである(28)〜(35)のいずれかに記載のキット。(38) オピオイドが、モルヒネである(28)〜(35)のいずれかに記載のキット。(39) (a)下記式(I)〜(VIII)のいずれかで表される化合物またはその薬学的に許容される塩と(b)オピオイドとを含有する医薬組成物。(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11およびR12はそれぞれ前記と同義である)(40) (a)下記式(I)で表される化合物またはその薬学的に許容される塩と(b)オピオイドとを含有する医薬組成物。(式中、R1、R2、R3、R4、R5およびR6はそれぞれ前記と同義である)(41) (a)下記式(II)で表される化合物またはその薬学的に許容される塩と(b)オピオイドとを含有する医薬組成物。(式中、R7は前記と同義である)(42) (a)下記式(III)で表される化合物またはその薬学的に許容される塩と(b)オピオイドとを含有する医薬組成物。(式中、R8およびR9はそれぞれ前記と同義である)(43) (a)下記式(IA)、(IB)、(IC)、(ID)、(IIA)、(IIIA)、(IIIB)、(IIIC)、(IVA)、(V)、(VIA)、(VII)もしくは(VIII)で表される化合物またはその薬学的に許容される塩と(b)オピオイドとを含有する医薬組成物。(44) (a)下記式(IA)もしくは(IB)で表される化合物またはその薬学的に許容される塩と(b)オピオイドとを含有する医薬組成物。(45) (a)下記式(IIC)、(IIIA)、(IIIB)もしくは(IIIC)で表される化合物またはその薬学的に許容される塩と(b)オピオイドとを含有する医薬組成物。(46) オピオイドが、アニレリジン、アヘン、アムプロミド、アリルプロジン、アルファプロジン、アルフェンタニル、イソメサドン、エチルメチルチアムブテン、エチルモルヒネ、エトヘプタジン、エトニタゼン、エプタゾシン、エンドルフィン、エンケファリン、オキシコドン、オキシモルフォン、クロニタゼン、ケトベミドン、コカイン、コデイン、シルモルファン、ジアモルホン、ジオキサフェチルブチレート、ジデゾシン、ジノルフィン、ジヒドロコデイン、ジヒドロモルヒネ、ジピパノン、ジメチルチアムブテン、ジメノキサドール、ジメフェプタノール、スフェンタニル、チリジン、デキストロモラミド、デソモルヒネ、トラマドール、ナルセイン、ナロルフィン、ナルブフェン、ニコモルヒネ、ノルレボルファノール、ノルメタドン、ノルモルヒネ、ノルピパノン、パパベレツム、ヒドロコドン、ヒドロキシペチジン、ヒドロモルフォン、ピミノジン、ピリトラミド、フェンタニル、フェナゾシン、フェナドキソン、フェノペリジン、フェノモルファン、ブトルファノール、ブプレノルフィン、プロペリジン、プロポキシフェン、プロフェプタジン、プロメドール、ヘロイン、ベジトラミド、ベルジルモルヒネ、ペンタゾシン、ミロフィン、メサドン、メタゾシン、メトポン、メプタジノール、メペリジン、モルヒネ、レバロルファン、レボフェナロフェンタニル、レボルファノールおよびレミフェンタニルからなる群から選ばれるオピオイドである(39)〜(45)のいずれかに記載の医薬組成物。(47) オピオイドが、モルヒネ、フェンタニルまたはオキシコドンである(39)〜(45)のいずれかに記載の医薬組成物。(48) オピオイドが、モルヒネである(39)〜(45)のいずれかに記載の医薬組成物。(49) アデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物またはその薬学的に許容される塩の有効量を投与することを含むオピオイドの望ましくない作用の抑制方法。(50) 望ましくない作用が鎮痛耐性または便秘である(49)記載の方法。(51) 望ましくない作用が鎮痛耐性である(49)記載の方法。(52) アデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物が下記式(I)〜(VIII)のいずれかで表される化合物である(49)〜(51)のいずれかに記載の方法。(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11およびR12はそれぞれ前記と同義である)(53) アデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物が、下記式(I)、(II)または(III)で表される化合物である(49)〜(51)のいずれかに記載の方法。(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8およびR9はそれぞれ前記と同義である)(54) アデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物が、下記式(IA)、(IB)、(IC)、(ID)、(IIA)、(IIIA)、(IIIB)、(IIIC)、(IVA)、(V)、(VIA)、(VII)または(VIII)で表される化合物である(49)〜(51)のいずれかに記載の方法。(55) オピオイドが、アニレリジン、アヘン、アムプロミド、アリルプロジン、アルファプロジン、アルフェンタニル、イソメサドン、エチルメチルチアムブテン、エチルモルヒネ、エトヘプタジン、エトニタゼン、エプタゾシン、エンドルフィン、エンケファリン、オキシコドン、オキシモルフォン、クロニタゼン、ケトベミドン、コカイン、コデイン、シルモルファン、ジアモルホン、ジオキサフェチルブチレート、ジデゾシン、ジノルフィン、ジヒドロコデイン、ジヒドロモルヒネ、ジピパノン、ジメチルチアムブテン、ジメノキサドール、ジメフェプタノール、スフェンタニル、チリジン、デキストロモラミド、デソモルヒネ、トラマドール、ナルセイン、ナロルフィン、ナルブフェン、ニコモルヒネ、ノルレボルファノール、ノルメタドン、ノルモルヒネ、ノルピパノン、パパベレツム、ヒドロコドン、ヒドロキシペチジン、ヒドロモルフォン、ピミノジン、ピリトラミド、フェンタニル、フェナゾシン、フェナドキソン、フェノペリジン、フェノモルファン、ブトルファノール、ブプレノルフィン、プロペリジン、プロポキシフェン、プロフェプタジン、プロメドール、ヘロイン、ベジトラミド、ベルジルモルヒネ、ペンタゾシン、ミロフィン、メサドン、メタゾシン、メトポン、メプタジノール、メペリジン、モルヒネ、レバロルファン、レボフェナロフェンタニル、レボルファノールおよびレミフェンタニルからなる群から選ばれるオピオイドである(49)〜(54)のいずれかに記載の方法。(56) オピオイドが、モルヒネである(49)〜(54)のいずれかに記載の方法。(57) (a)アデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物またはその薬学的に許容される塩の有効量と(b)オピオイドの有効量を組み合わせて投与することを含む疼痛の治療および/または予防方法。(58) (a)アデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物またはその薬学的に許容される塩の有効量と(b)オピオイドの有効量を、同時にまたは時間を置いて別々に投与することを含む疼痛の治療および/または予防方法。(59) アデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物が下記式(I)〜(VIII)のいずれかで表される化合物である(57)または(58)記載の方法。(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11およびR12はそれぞれ前記と同義である)(60) アデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物が、下記式(I)、(II)または(III)で表される化合物である(57)または(58)記載の方法。(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8およびR9はそれぞれ前記と同義である)(61) アデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物が、下記式(IA)、(IB)、(IC)、(ID)、(IIA)、(IIIA)、(IIIB)、(IIIC)、(IVA)、(V)、(VIA)、(VII)または(VIII)で表される化合物である(57)または(58)記載の方法。(62) オピオイドが、アニレリジン、アヘン、アムプロミド、アリルプロジン、アルファプロジン、アルフェンタニル、イソメサドン、エチルメチルチアムブテン、エチルモルヒネ、エトヘプタジン、エトニタゼン、エプタゾシン、エンドルフィン、エンケファリン、オキシコドン、オキシモルフォン、クロニタゼン、ケトベミドン、コカイン、コデイン、シルモルファン、ジアモルホン、ジオキサフェチルブチレート、ジデゾシン、ジノルフィン、ジヒドロコデイン、ジヒドロモルヒネ、ジピパノン、ジメチルチアムブテン、ジメノキサドール、ジメフェプタノール、スフェンタニル、チリジン、デキストロモラミド、デソモルヒネ、トラマドール、ナルセイン、ナロルフィン、ナルブフェン、ニコモルヒネ、ノルレボルファノール、ノルメタドン、ノルモルヒネ、ノルピパノン、パパベレツム、ヒドロコドン、ヒドロキシペチジン、ヒドロモルフォン、ピミノジン、ピリトラミド、フェンタニル、フェナゾシン、フェナドキソン、フェノペリジン、フェノモルファン、ブトルファノール、ブプレノルフィン、プロペリジン、プロポキシフェン、プロフェプタジン、プロメドール、ヘロイン、ベジトラミド、ベルジルモルヒネ、ペンタゾシン、ミロフィン、メサドン、メタゾシン、メトポン、メプタジノール、メペリジン、モルヒネ、レバロルファン、レボフェナロフェンタニル、レボルファノールおよびレミフェンタニルからなる群から選ばれるオピオイドである(57)〜(61)のいずれかに記載の方法。(63) オピオイドがモルヒネである(57)〜(61)のいずれかに記載の方法。(64) オピオイドの望ましくない作用の抑制剤の製造のためのアデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物またはその薬学的に許容される塩の使用。(65) 望ましくない作用が鎮痛耐性または便秘である(64)記載の使用。(66) 望ましくない作用が鎮痛耐性である(64)記載の使用。(67) アデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物が下記式(I)〜(VIII)のいずれかで表される化合物である(64)〜(66)のいずれかに記載の使用。(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11およびR12はそれぞれ前記と同義である)(68) アデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物が、下記式(I)、(II)または(III)で表される化合物である(64)〜(66)のいずれかに記載の使用。(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8およびR9はそれぞれ前記と同義である)(69) アデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物が、下記式(IA)、(IB)、(IC)、(ID)、(IIA)、(IIIA)、(IIIB)、(IIIC)、(IVA)、(V)、(VIA)、(VII)または(VIII)で表される化合物である(64)〜(66)のいずれかに記載の使用。(70) オピオイドが、アニレリジン、アヘン、アムプロミド、アリルプロジン、アルファプロジン、アルフェンタニル、イソメサドン、エチルメチルチアムブテン、エチルモルヒネ、エトヘプタジン、エトニタゼン、エプタゾシン、エンドルフィン、エンケファリン、オキシコドン、オキシモルフォン、クロニタゼン、ケトベミドン、コカイン、コデイン、シルモルファン、ジアモルホン、ジオキサフェチルブチレート、ジデゾシン、ジノルフィン、ジヒドロコデイン、ジヒドロモルヒネ、ジピパノン、ジメチルチアムブテン、ジメノキサドール、ジメフェプタノール、スフェンタニル、チリジン、デキストロモラミド、デソモルヒネ、トラマドール、ナルセイン、ナロルフィン、ナルブフェン、ニコモルヒネ、ノルレボルファノール、ノルメタドン、ノルモルヒネ、ノルピパノン、パパベレツム、ヒドロコドン、ヒドロキシペチジン、ヒドロモルフォン、ピミノジン、ピリトラミド、フェンタニル、フェナゾシン、フェナドキソン、フェノペリジン、フェノモルファン、ブトルファノール、ブプレノルフィン、プロペリジン、プロポキシフェン、プロフェプタジン、プロメドール、ヘロイン、ベジトラミド、ベルジルモルヒネ、ペンタゾシン、ミロフィン、メサドン、メタゾシン、メトポン、メプタジノール、メペリジン、モルヒネ、レバロルファン、レボフェナロフェンタニル、レボルファノールおよびレミフェンタニルからなる群から選ばれるオピオイドである(64)〜(69)のいずれかに記載の使用。(71) オピオイドが、モルヒネである(64)〜(69)のいずれかに記載の使用。(72) 疼痛の治療および/または予防剤の製造のための(a)アデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物またはその薬学的に許容される塩と(b)オピオイドの組み合わせの使用。(73) (a)アデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物またはその薬学的に許容される塩と(b)オピオイドを同時にまたは時間を置いて別々に投与するための疼痛の治療および/または予防剤の製造のための(a)および(b)の使用。(74) アデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物が、下記式(I)〜(VIII)のいずれかで表される化合物である(72)または(73)記載の使用。(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11およびR12はそれぞれ前記と同義である)(75) アデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物が、下記式(I)、(II)または(III)で表される化合物またはその薬学的に許容される塩である(72)または(73)記載の使用。(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8およびR9はそれぞれ前記と同義である)(76) アデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物が、下記式(IA)、(IB)、(IC)、(ID)、(IIA)、(IIIA)、(IIIB)、(IIIC)、(IVA)、(V)、(VIA)、(VII)または(VIII)で表される化合物である(72)または(73)記載の使用。(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11およびR12はそれぞれ前記と同義である)(77) オピオイドが、アニレリジン、アヘン、アムプロミド、アリルプロジン、アルファプロジン、アルフェンタニル、イソメサドン、エチルメチルチアムブテン、エチルモルヒネ、エトヘプタジン、エトニタゼン、エプタゾシン、エンドルフィン、エンケファリン、オキシコドン、オキシモルフォン、クロニタゼン、ケトベミドン、コカイン、コデイン、シルモルファン、ジアモルホン、ジオキサフェチルブチレート、ジデゾシン、ジノルフィン、ジヒドロコデイン、ジヒドロモルヒネ、ジピパノン、ジメチルチアムブテン、ジメノキサドール、ジメフェプタノール、スフェンタニル、チリジン、デキストロモラミド、デソモルヒネ、トラマドール、ナルセイン、ナロルフィン、ナルブフェン、ニコモルヒネ、ノルレボルファノール、ノルメタドン、ノルモルヒネ、ノルピパノン、パパベレツム、ヒドロコドン、ヒドロキシペチジン、ヒドロモルフォン、ピミノジン、ピリトラミド、フェンタニル、フェナゾシン、フェナドキソン、フェノペリジン、フェノモルファン、ブトルファノール、ブプレノルフィン、プロペリジン、プロポキシフェン、プロフェプタジン、プロメドール、ヘロイン、ベジトラミド、ベルジルモルヒネ、ペンタゾシン、ミロフィン、メサドン、メタゾシン、メトポン、メプタジノール、メペリジン、モルヒネ、レバロルファン、レボフェナロフェンタニル、レボルファノールおよびレミフェンタニルからなる群から選ばれるオピオイドである(72)〜(76)のいずれかに記載の使用。(78) オピオイドが、モルヒネである(72)〜(76)のいずれかに記載の使用。(79) オピオイドの望ましくない作用の抑制に使用するためのアデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物またはその薬学的に許容される塩。(80) 望ましくない作用が、鎮痛耐性または便秘である(79)記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。(81) 望ましくない作用が、鎮痛耐性である(79)記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。(82) アデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物が、下記式(I)〜(VIII)のいずれかで表される化合物である(79)〜(81)のいずれかに記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11およびR12はそれぞれ前記と同義である)(83) アデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物が、下記式(I)、(II)または(III)で表される化合物である(79)〜(81)のいずれかに記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8およびR9はそれぞれ前記と同義である)(84) アデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物が、下記式(IA)、(IB)、(IC)、(ID)、(IIA)、(IIIA)、(IIIB)、(IIIC)、(IVA)、(V)、(VIA)、(VII)または(VIII)で表される化合物である(79)〜(81)のいずれかに記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。(85) オピオイドが、アニレリジン、アヘン、アムプロミド、アリルプロジン、アルファプロジン、アルフェンタニル、イソメサドン、エチルメチルチアムブテン、エチルモルヒネ、エトヘプタジン、エトニタゼン、エプタゾシン、エンドルフィン、エンケファリン、オキシコドン、オキシモルフォン、クロニタゼン、ケトベミドン、コカイン、コデイン、シルモルファン、ジアモルホン、ジオキサフェチルブチレート、ジデゾシン、ジノルフィン、ジヒドロコデイン、ジヒドロモルヒネ、ジピパノン、ジメチルチアムブテン、ジメノキサドール、ジメフェプタノール、スフェンタニル、チリジン、デキストロモラミド、デソモルヒネ、トラマドール、ナルセイン、ナロルフィン、ナルブフェン、ニコモルヒネ、ノルレボルファノール、ノルメタドン、ノルモルヒネ、ノルピパノン、パパベレツム、ヒドロコドン、ヒドロキシペチジン、ヒドロモルフォン、ピミノジン、ピリトラミド、フェンタニル、フェナゾシン、フェナドキソン、フェノペリジン、フェノモルファン、ブトルファノール、ブプレノルフィン、プロペリジン、プロポキシフェン、プロフェプタジン、プロメドール、ヘロイン、ベジトラミド、ベルジルモルヒネ、ペンタゾシン、ミロフィン、メサドン、メタゾシン、メトポン、メプタジノール、メペリジン、モルヒネ、レバロルファン、レボフェナロフェンタニル、レボルファノールおよびレミフェンタニルからなる群から選ばれるオピオイドである(79)〜(84)のいずれかに記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。(86) オピオイドが、モルヒネである(79)〜(84)のいずれかに記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。(87) 疼痛の治療および/または予防に使用するための(a)アデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物またはその薬学的に許容される塩と(b)オピオイドの組み合わせ。(88) 疼痛の治療および/または予防のために同時にまたは時間を置いて別々に使用するための(a)アデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物またはその薬学的に許容される塩と(b)オピオイドの組み合わせ。(89) アデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物が下記式(I)〜(VIII)のいずれかで表される化合物である(87)または(88)記載の組み合わせ。(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11およびR12はそれぞれ前記と同義である)(90) アデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物が、下記式(I)、(II)または(III)で表される化合物である(87)または(88)記載の組み合わせ。(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8およびR9はそれぞれ前記と同義である)(91) アデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物が、下記式(IA)、(IB)、(IC)、(ID)、(IIA)、(IIIA)、(IIIB)、(IIIC)、(IVA)、(V)、(VIA)、(VII)または(VIII)で表される化合物である(87)または(88)記載の組み合わせ。(92) オピオイドが、アニレリジン、アヘン、アムプロミド、アリルプロジン、アルファプロジン、アルフェンタニル、イソメサドン、エチルメチルチアムブテン、エチルモルヒネ、エトヘプタジン、エトニタゼン、エプタゾシン、エンドルフィン、エンケファリン、オキシコドン、オキシモルフォン、クロニタゼン、ケトベミドン、コカイン、コデイン、シルモルファン、ジアモルホン、ジオキサフェチルブチレート、ジデゾシン、ジノルフィン、ジヒドロコデイン、ジヒドロモルヒネ、ジピパノン、ジメチルチアムブテン、ジメノキサドール、ジメフェプタノール、スフェンタニル、チリジン、デキストロモラミド、デソモルヒネ、トラマドール、ナルセイン、ナロルフィン、ナルブフェン、ニコモルヒネ、ノルレボルファノール、ノルメタドン、ノルモルヒネ、ノルピパノン、パパベレツム、ヒドロコドン、ヒドロキシペチジン、ヒドロモルフォン、ピミノジン、ピリトラミド、フェンタニル、フェナゾシン、フェナドキソン、フェノペリジン、フェノモルファン、ブトルファノール、ブプレノルフィン、プロペリジン、プロポキシフェン、プロフェプタジン、プロメドール、ヘロイン、ベジトラミド、ベルジルモルヒネ、ペンタゾシン、ミロフィン、メサドン、メタゾシン、メトポン、メプタジノール、メペリジン、モルヒネ、レバロルファン、レボフェナロフェンタニル、レボルファノールおよびレミフェンタニルからなる群から選ばれるオピオイドである(87)〜(91)のいずれかに記載の組み合わせ。(93) オピオイドが、モルヒネである(87)〜(91)のいずれかに記載の組み合わせ。 本発明により、アデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物またはその薬学的に許容される塩を有効成分として含有するオピオイドの望ましくない作用(例えば鎮痛耐性、痛覚過敏、便秘、依存、眠気など)を抑制する剤などを提供することができる。本発明の試験例1に係る、モルヒネ鎮痛耐性に対する化合物(IA)の効果を示した図である。縦軸は反応潜時(秒)、横軸は投与後の時間(時)を表す。本発明の試験例2に係る、モルヒネ誘発便秘に対する化合物(IA)の効果を示した図である。縦軸は排便量(個数)を表す。棒グラフは左からそれぞれ正常群、モルヒネ投与群、化合物(IA)投与群、併用投与群の結果を示したものである。 本発明の、または本発明に使用されるアデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物としては、アデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物であれば特に限定されないが、好ましくはアデノシンA2A受容体に選択的な拮抗作用を有する化合物があげられる。 具体的には、例えば下記式(I)〜(VIII)で表される化合物またはその薬学的に許容される塩が好ましく、(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11およびR12はそれぞれ前記と同義である)より具体的には、例えば下記式(IA)、(IB)、(IIA)、(IIIA)、(IIIB)、(IIIC)、(IVA)、(V)、(VIA)、(VII)もしくは(VIII)で表される化合物またはその薬学的に許容される塩が好ましい。更により好ましくは、例えば下記式(IA)もしくは(IB)で表される化合物またはその薬学的に許容される塩があげられる。また、例えば下記式(IIA)で表される化合物またはその薬学的に許容される塩もあげられる。更にまた、例えば下記式(IIIA)、(IIIB)もしくは(IIIC)で表される化合物またはその薬学的に許容される塩もあげられる。 本発明の、または本発明に使用されるアデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物またはその薬学的に許容される塩は、薬学的に許容される酸付加塩、金属塩、アンモニウム塩、有機アミン付加塩、アミノ酸付加塩などを包含する。 本発明の、または本発明に使用されるアデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物の酸付加塩としては、例えば塩酸塩、硫酸塩、臭化水素酸塩、硝酸塩、リン酸塩などの無機酸塩、酢酸塩、メシル酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩などの有機酸塩があげられ、薬学的に許容される金属塩としては、例えばナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩、マグネシウム塩、カルシウム塩などのアルカリ土類金属塩、アルミニウム塩、亜鉛塩などがあげられ、薬学的に許容されるアンモニウム塩としては、例えばアンモニウム塩、テトラメチルアンモニウム塩などの塩があげられ、薬学的に許容される有機アミン付加塩としては、例えばモルホリン、ピペリジンなどの付加塩があげられ、薬学的に許容されるアミノ酸付加塩としては、例えばグリシン、フェニルアラニン、リジン、アスパラギン酸、グルタミン酸などの付加塩があげられる。 本発明の、または本発明に使用されるアデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物またはその薬学的に許容される塩は、それぞれ従来より既知の方法に従って製造することができる。例えば、化合物(I)は、WO94/01114、US5587378、ジャーナル・オブ・メディシナル・ケミストリー(J. Med. Chem.), 1993, 36, 1333-1342などに記載の方法により製造することができる。化合物(II)は、WO00/17201などに記載の方法により製造することができる。化合物(III)は、WO2005/063743などに記載の方法により製造することができる。化合物(IV)は、WO2001/092264などに記載の方法により製造することができる。化合物(V)は、WO2002/055524などに記載の方法により製造することができる。化合物(VI)は、WO2003011864などに記載の方法により製造することができる。化合物(VII)は、WO2006/032273などに記載の方法により製造することができる。化合物(VIII)は、WO2002/055083などに記載の方法により製造することができる。 本発明の、または本発明に使用されるアデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物には、幾何異性体、光学異性体などの立体異性体、互変異性体などが存在し得るものもあるが、本発明のオピオイドの望ましくない作用を抑制する剤、疼痛の治療および/または予防剤、キット、医薬組成物、オピオイドの望ましくない作用を抑制する方法、疼痛の治療および/または予防方法、オピオイドの望ましくない作用を抑制する剤の製造のための使用、疼痛の治療および/または予防剤の製造のための使用、ならびに組み合わせには、これらを含め、全ての可能な異性体およびそれらの混合物を使用することができ、本発明のアデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物には、これらを含め、全ての可能な異性体およびそれらの混合物が包含される。 本発明の、または本発明に使用されるアデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物の塩を取得したいとき、それぞれの化合物が塩の形で得られるときはそのまま精製すればよく、また、遊離の形で得られるときは、それぞれの化合物を適当な溶媒に溶解または懸濁し、酸または塩基を加えて単離、精製すればよい。 また、本発明の、または本発明に使用されるアデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物またはその薬学的に許容される塩は、水または各種溶媒との付加物の形で存在することもあるが、これらの付加物も本発明のオピオイドの望ましくない作用を抑制する剤、疼痛の治療および/または予防剤、キット、医薬組成物、オピオイドの望ましくない作用を抑制する方法、疼痛の治療および/または予防方法、オピオイドの望ましくない作用を抑制する剤の製造のための使用、疼痛の治療および/または予防剤の製造のための使用、ならびに組み合わせに使用することができる。 本発明に用いられるオピオイドとしては、例えば、オピオイド受容体に作用して鎮痛作用を示す薬物があげられ、具体的にはアニレリジン、アヘン、アムプロミド、アリルプロジン、アルファプロジン、アルフェンタニル、イソメサドン、エチルメチルチアムブテン、エチルモルヒネ、エトヘプタジン、エトニタゼン、エプタゾシン、エンドルフィン、エンケファリン、オキシコドン、オキシモルフォン、クロニタゼン、ケトベミドン、コカイン、コデイン、シルモルファン、ジアモルホン、ジオキサフェチルブチレート、ジデゾシン、ジノルフィン、ジヒドロコデイン、ジヒドロモルヒネ、ジピパノン、ジメチルチアムブテン、ジメノキサドール、ジメフェプタノール、スフェンタニル、チリジン、デキストロモラミド、デソモルヒネ、トラマドール、ナルセイン、ナロルフィン、ナルブフェン、ニコモルヒネ、ノルレボルファノール、ノルメタドン、ノルモルヒネ、ノルピパノン、パパベレツム、ヒドロコドン、ヒドロキシペチジン、ヒドロモルフォン、ピミノジン、ピリトラミド、フェンタニル、フェナゾシン、フェナドキソン、フェノペリジン、フェノモルファン、ブトルファノール、ブプレノルフィン、プロペリジン、プロポキシフェン、プロフェプタジン、プロメドール、ヘロイン、ベジトラミド、ベルジルモルヒネ、ペンタゾシン、ミロフィン、メサドン、メタゾシン、メトポン、メプタジノール、メペリジン、モルヒネ、レバロルファン、レボフェナロフェンタニル、レボルファノール、レミフェンタニルなどがあげられ、好ましくは、モルヒネ、フェンタニル、オキシコドンなどがあげられ、より好ましくはモルヒネなどがあげられる。これらは単独でも組み合わされていてもよい。 これらのオピオイドは、薬学的に許容される塩(該薬学的に許容される塩としては、薬学的に許容される酸付加塩、金属塩、アンモニウム塩、有機アミン付加塩、アミノ酸付加塩などを包含し、例えば塩酸塩、硫酸塩、臭化水素酸塩、硝酸塩、リン酸塩などの無機酸塩、酢酸塩、メシル酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩などの有機酸塩、ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩、マグネシウム塩、カルシウム塩などのアルカリ土類金属塩、アルミニウム塩、亜鉛塩などの金属塩、アンモニウム塩、テトラメチルアンモニウム塩などのアンモニウム塩、モルホリン、ピペリジンなどの有機アミン付加塩、グリシン、フェニルアラニン、リジン、アスパラギン酸、グルタミン酸などのアミノ酸付加塩などがあげられる)またはその水和物などとして存在することもあるが、本発明の疼痛の治療および/または予防剤、キット、医薬組成物、疼痛の治療および/または予防方法、疼痛の治療および/または予防剤の製造のための使用、ならびに組み合わせには、これらも使用することができる。 また、上記で例示したオピオイドは、市販品として、または従来既知の方法に従って製造して得ることができる。 本発明のオピオイドの望ましくない作用を抑制する剤およびアデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物は、例えば上記のオピオイドと共に使用することができ、また、本発明のオピオイドの望ましくない作用を抑制する剤、キット、医薬組成物、オピオイドの望ましくない作用を抑制する方法ならびに組み合わせは、例えば疼痛の治療および/または予防に使用することができる。本発明のオピオイドの望ましくない作用を抑制する剤、疼痛の治療および/または予防剤、キット、医薬組成物、オピオイドの望ましくない作用を抑制する方法、疼痛の治療および/または予防方法、アデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物、ならびに組み合わせが使用できる疼痛としては、特に限定されないが、例えば治療および/または予防のために従来よりオピオイドが用いられている疼痛(例えば、慢性疼痛など)があげられ、具体的には侵害受容性疼痛、神経因性疼痛などがあげられる。より具体的には、例えば侵害受容性疼痛、癌性疼痛、腰背部痛、外傷性頸部症候群に伴う痛み、外症痛、術後痛、熱傷痛、分娩痛、帯状疱疹痛、頭痛、片頭痛、骨関節痛、腰背部痛、リウマチ性関節痛、骨関節炎に伴う痛み、線維筋痛症、筋筋膜痛、内臓痛、炎症性疼痛、神経因性疼痛、絞扼性神経障害、幻肢痛、術後の遷延性疼痛、外傷後の遷延性疼痛、帯状疱疹後神経痛、糖尿病性疼痛、神経性腰痛、エイズウイルス感染後の疼痛、脳卒中後の視床痛、脊髄損傷後の疼痛、三叉神経痛、舌咽神経痛などがあげられ、好ましくは、例えば侵害受容性疼痛、癌性疼痛、腰背部痛、術後痛、帯状疱疹痛、骨関節痛、腰背部痛、リウマチ性関節痛、骨関節炎に伴う痛み、線維筋痛症、筋筋膜痛、内臓痛、炎症性疼痛、神経因性疼痛、絞扼性神経障害、帯状疱疹後神経痛、糖尿病性疼痛、神経性腰痛、エイズウイルス感染後の疼痛、脊髄損傷後の疼痛、三叉神経痛などがあげられる。 本発明のオピオイドの望ましくない作用とは、例えばモルヒネ、フェンタニル、オキシコドンなどのオピオイドを投与する場合に問題となっている症状や副作用などのことで、例えば、オピオイドを投与することによって生じる鎮痛耐性、痛覚過敏、依存、便秘、嘔吐、食欲不振、眠気、ふらつき、呼吸抑制、不安、掻痒、麻痺性イレウス、あくび、くしゃみ、流涙、発汗、悪心、腹痛、散瞳、頭痛、不眠、譫妄、振戦、全身筋肉痛、全身関節痛、呼吸促迫、退薬症候、息切れ、呼吸緩慢、不規則呼吸、呼吸異常、錯乱、無気肺、気管支痙攣、喉頭浮腫、中毒性巨大結腸、不整脈、血圧変動、顔面潮紅、眩暈、不穏、興奮、視調節障害、口渇、発疹、排尿障害、頭蓋内圧亢進などの症状があげられる。本発明のオピオイドの望ましくない作用を抑制する剤またはオピオイドの望ましくない作用を抑制する方法により、例えば、上記のオピオイドを投与することによって生じる上記であげた症状などを治療および/または予防することができ、中でも鎮痛耐性、痛覚過敏、依存、便秘、嘔吐、食欲不振、眠気、ふらつき、呼吸抑制、不安、掻痒、麻痺性イレウスなど、好ましくは鎮痛耐性、痛覚過敏、依存、便秘、嘔吐、食欲不振、眠気など、より好ましくは鎮痛耐性、痛覚過敏、依存、便秘など、さらに好ましくは鎮痛耐性、痛覚過敏、便秘など、さらにより好ましくは鎮痛耐性、便秘などを治療および/または予防することができる。 本発明のオピオイドの望ましくない作用を抑制する剤およびオピオイドの望ましくない作用を抑制する方法で使用されるアデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物またはその薬学的に許容される塩は、上記で示したアデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物またはその薬学的に許容される塩をそのまま単独で投与することも可能であるが、通常各種の医薬製剤として提供するのが望ましい。また、それら医薬製剤は、動物または人に使用されるものである。 本発明のオピオイドの望ましくない作用を抑制する剤およびオピオイドの望ましくない作用を抑制する方法に係わる医薬製剤は、活性成分としてアデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物またはその薬学的に許容される塩を単独で、または任意の他の治療のための有効成分との混合物として含有することができる。また、それら医薬製剤は、活性成分を薬学的に許容される一種またはそれ以上の担体(例えば、希釈剤、溶剤、賦形剤など)と一緒に混合し、製剤学の技術分野においてよく知られている任意の方法により製造される。 投与経路としては、治療に際し最も効果的なものを使用するのが望ましく、経口または、例えば静脈内、経皮などの非経口をあげることができる。 投与形態としては、例えば錠剤、注射剤、坐剤、パッチ剤などがあげられる。 経口投与に適当な、例えば錠剤などは、乳糖などの賦形剤、澱粉などの崩壊剤、ステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤、ヒドロキシプロピルセルロースなどの結合剤などを用いて製造できる。 非経口投与に適当な、例えば注射剤などは、塩溶液、ブドウ糖溶液または塩水とブドウ糖溶液の混合液などの希釈剤または溶剤などを用いて製造できる。坐剤、パッチ剤なども従来より公知の方法により製造できる。 アデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物またはその薬学的に許容される塩の投与量および投与回数は、その投与形態、使用するオピオイドの種類、効力、投与量および/または投与形態、患者の年齢、体重、治療すべき症状の性質もしくは重篤度などにより異なるが、通常経口の場合、成人一人あたり、0.01〜1000 mg、好ましくは0.05〜100 mgの範囲で、1日1回ないし数回投与する。静脈内投与などの非経口投与の場合、通常成人一人あたり0.001〜1000 mg、好ましくは0.01〜100 mgを1日1回ないし数回投与する。しかしながら、これら投与量および投与回数に関しては、前述の種々の条件により変動する。 本発明の医薬組成物、または疼痛の治療および/または予防剤、疼痛の治療および/または予防方法、疼痛の治療および/または予防剤の製造のための使用、組み合わせで使用される(a)アデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物またはその薬学的に許容される塩と(b)オピオイドとは、これらそれぞれの有効成分を含有するように、例えば薬学的に許容される担体とともに製剤化したものであれば、単剤(合剤)としてでも複数の製剤の組み合わせとしてでも使用または投与することができるが、中でも2つ以上の製剤の組み合わせが好ましい。複数の製剤の組み合わせとして使用または投与する際には、同時にまたは時間を置いて別々に使用または投与することができる。なお、これら製剤は、例えば錠剤、注射剤、坐剤、パッチ剤などの形態として用いることが好ましい。 (a)アデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物またはその薬学的に許容される塩と(b)オピオイドとの用量比(重量/重量)は、使用する(a)アデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物またはその薬学的に許容される塩と(b)オピオイドの組み合わせ、(a)アデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物またはその薬学的に許容される塩と(b)オピオイドのそれぞれの効力などに応じて適宜調整すればよいが、具体的には例えば1/100000((a)アデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物またはその薬学的に許容される塩/(b)オピオイド)〜1000/1、好ましくは1/50000〜500/1、より好ましくは1/6000〜100/1、さらに好ましくは1/4000〜15/1、さらにより好ましくは1/1000〜10/1、最も好ましくは1/100〜10/1の間の比である。 複数の製剤の組み合わせとして投与する際には、例えば(a)アデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物またはその薬学的に許容される塩を含有する第1成分と、(b)オピオイドを含有する第2成分とを、それぞれ別途製剤化し、キットとして作成しておき、このキットを用いてそれぞれの成分を同時にまたは時間を置いて、同一対象に対して同一経路または異なった経路で投与することもできる。 該キットとしては、例えば保存する際に外部の温度や光による内容物である成分の変性、容器からの化学成分の溶出などがみられない容器であれば材質、形状などは特に限定されない2つ以上の容器(例えばバイアル、バッグなど)と内容物からなり、内容物である上記第1成分と第2成分が別々の経路(例えばチューブなど)または同一の経路を介して投与可能な形態を有するものが用いられる。具体的には、錠剤、注射剤などのキットがあげられる。 上述したように、本発明の医薬組成物、疼痛の治療および/または予防剤、または組み合わせは、(a)アデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物またはその薬学的に許容される塩と(b)オピオイドのそれぞれの有効成分を含有するように製剤化したものであれば、単剤としてでも複数の製剤の組み合わせとしてでも使用、投与または製造することができる。これらの疼痛の治療および/または予防剤などは、錠剤などの経口的投与または注射剤、坐剤、パッチ剤などの非経口的投与に対して適する単位服用形態にあることが望ましい。 これら製剤は、それぞれ有効成分の他に薬学的に許容される一種またはそれ以上の担体(例えば、希釈剤、溶剤、賦形剤など)と一緒に混合し、製剤学の技術分野においてよく知られている任意の方法により製造される。 経口投与に適当な、例えば錠剤などは、乳糖などの賦形剤、澱粉などの崩壊剤、ステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤、ヒドロキシプロピルセルロースなどの結合剤などを用いて製造できる。 非経口投与に適当な、例えば注射剤などは、塩溶液、ブドウ糖溶液または塩水とブドウ糖溶液の混合液などの希釈剤または溶剤などを用いて製造できる。坐剤、パッチ剤なども従来より公知の方法により製造できる。 上記の目的で、(a)アデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物またはその薬学的に許容される塩と(b)オピオイドを複数の製剤の組み合わせとして使用または投与する場合には、それぞれの用量および投与回数はそれぞれの有効成分の効力、投与形態、患者の年齢、体重、症状などにより異なるが、通常一日当たり、(a)アデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物またはその薬学的に許容される塩と(b)オピオイドを、それぞれ以下の用量で投与するのが好ましい。 経口的に、例えば錠剤として投与する場合、(a)アデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物またはその薬学的に許容される塩と(b)オピオイドを、成人一人当たり、それぞれ0.1〜1000 mgと0.1〜10000 mg、好ましくは0.1〜500 mgと0.1〜5000 mg、さらに好ましくは0.5〜500 mgと1〜3000 mg、さらにより好ましくは0.5〜300 mgと1〜2000 mgを、通常一日一回ないし数回にわけて、同時にまたは時間を置いて別々に投与する。 非経口的に、例えば注射剤などとして投与する場合、(a)アデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物またはその薬学的に許容される塩と(b)オピオイドを、成人一人当たり、それぞれ0.1〜1000 mgと0.1〜10000 mg、好ましくは0.1〜500 mgと0.1〜5000 mg、さらに好ましくは0.5〜500 mgと1〜3000 mg、さらにより好ましくは0.5〜300 mgと1〜2000 mgを、通常一日一回ないし数回にわけて、同時にまたは時間を置いて別々に投与する。 また上記の目的で、(a)アデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物またはその薬学的に許容される塩と(b)オピオイドを単剤として使用または投与する場合には、それぞれの用量および投与回数はそれぞれの有効成分の効力、投与形態、患者の年齢、体重、症状などにより異なるが、上記の複数の製剤の組み合わせとして使用または投与する場合のそれぞれの用量で1つの製剤として調製し、使用または投与するのが好ましい。 しかしながら、これら投与量および投与回数に関しては、前述の種々の条件により変動する。 次に、アデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物またはその薬学的に許容される塩によるオピオイドの望ましくない作用の抑制効果、および(a)アデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物またはその薬学的に許容される塩と(b)オピオイドを組み合わせて投与することによる効果について試験例により具体的に説明する。試験例1 化合物(I)によるモルヒネ鎮痛耐性抑制作用実験材料および方法1. 使用動物 体重19〜25 gの雄性ddY系マウス(3〜4週齢、日本エスエルシー社)を用い、実験に供するまで、室温19〜25℃、湿度30〜70%、12時間明暗サイクル (明期 午前7時〜午後7時、暗期午後7時〜午前7時) で飼育した。餌および水は共に自由に摂取させた。2. 使用薬剤および調製法 以下、モルヒネの使用にあたっては、すべて麻薬研究者の指導のもと、麻薬取り扱い規則に準じ、試験を行った。モルヒネは0.6 mg/mLの濃度で生理食塩液に溶解し、6 mg/kgの用量で皮下投与した。化合物(IA)は1 mg/mLの濃度で0.5%メチルセルロース(0.5%MC)に懸濁し、10 mg/kgの用量で経口投与した。3. 鎮痛作用の測定 侵害性疼痛はホットプレート法にて測定した。マウスを53℃に設定したホットプレート装置(35100、Ugo Basile、Comerio、VA、Italy)上に置き、逃避行動(足を舐める、噛む、振る、跳躍する)を示すまでの時間(潜時)を疼痛閾値とした。実験には、投薬開始前の反応潜時が6〜16秒の動物を用いた。また、刺激部位への損傷を最小限にするために、カットオフタイムは45秒とした。鎮痛作用は、薬物反復投与最終日(7日目)、薬物投与後、30、60および120分に反応潜時を測定することにより評価した。4. 統計処理 実験結果は平均値±標準誤差で示した。統計学的解析は統計解析ソフトSAS(SAS Institute Inc、Cary、NC、USA)を用いて行った。2群間の比較は、Wilcoxn rank sum testを行った。P<0.05を有意差ありとした。5. 実験結果 結果を図1に示した。モルヒネを7日間反復投与した群(モルヒネ反復投与群;1日2回、7日目のみ1回投与)では、モルヒネ単回投与群(生理食塩液を1日2回6日間反復投与し、7日目のみモルヒネ投与)に比べて、反応潜時は有意かつ著しく減弱し、鎮痛耐性の形成が認められた。モルヒネ投与30分前に化合物(IA)を経口投与した併用反復投与群では、モルヒネ単回投与群に比べて、鎮痛作用の減弱は認められず、鎮痛耐性の形成が抑制された。なお、化合物(IA)を単独で反復投与した群(化合物(IA)反復投与群)では反応潜時への影響は認められなかった。 上記試験により、化合物(IA)にはモルヒネ鎮痛耐性を抑制する効果のあることが確認された。このことから、化合物(I)とオピオイドを組み合わせて使うことにより、オピオイドの慢性投与による鎮痛耐性の発現を抑制できると考えられた。試験例2 化合物(I)によるモルヒネ誘発便秘抑制作用実験材料および方法1. 使用動物 体重23〜27 gの雄性ddYマウス(5週齢、日本エスエルシー社)を用い、実験に供するまで、室温19〜25℃、湿度30〜70%、12時間明暗サイクル(明期 午前7時〜午後7時、暗期午後7時〜午前7時)で飼育した。餌および水は共に自由に摂取させた。採便の際には、絶食・絶水とした。2. 使用薬剤および調製法 モルヒネは0.3 mg/mLの濃度で生理食塩液に溶解し、3 mg/kgの用量で皮下投与した。化合物(IA)は1 mg/mLの濃度で0.5%MCに懸濁し、10 mg/kgの用量で経口投与した。3. 便秘抑制作用の測定 試験当日、個体識別用のためマウスの尾に番号付けし体重を測定した。測定した体重をもとに、0.5%MCまたは化合物(IA)を経口投与した。0.5%MCまたは化合物(IA)投与30分後に生理食塩液またはモルヒネを皮下投与し、採便を開始した。モルヒネ投与3時間後に便を採集した。排便量は、個数を計測することにより評価した。4. 統計処理 実験結果は平均値±標準誤差で示した。統計学的解析は統計解析ソフトSAS(SAS Institute Inc、Cary、NC、USA)を用いて行った。2群間の比較は、Wilcoxn rank sum testで行った。P<0.05を有意差ありとした。5. 実験結果 結果を図2に示した。モルヒネ投与群では、正常群に比べて排便量が有意に減少し、便秘が認められた。モルヒネ投与30分前に化合物(IA)を経口投与した併用投与群では、モルヒネ投与群に比べて、有意に排便量が増加し、便秘抑制作用が認められた。 また、化合物(IA)のみを投与した化合物(IA)投与群およびモルヒネと化合物(IA)を投与した併用投与群において、下痢は誘発されなかった。 上記試験より、化合物(IA)にはモルヒネ誘発の便秘を抑制する効果のあることが確認された。即ち、化合物(I)はモルヒネ誘発の便秘を改善すると考えられ、化合物(I)とオピオイドを組み合わせて使うことにより、オピオイドの投与により生ずる便秘を改善できると考えられた。試験例3 化合物(III)によるモルヒネ鎮痛耐性抑制作用実験材料および方法1. 使用動物 体重19〜25 gの雄性ddY系マウス(3〜4週齢、日本エスエルシー社)を用い、実験に供するまで、室温19〜25℃、湿度30〜70%、12時間明暗サイクル (明期 午前7時〜午後7時、暗期午後7時〜午前7時) で飼育した。餌および水は共に自由に摂取させた。2. 使用薬剤および調製法 以下、モルヒネの使用にあたっては、すべて麻薬研究者の指導のもと、麻薬取り扱い規則に準じ、試験を行った。モルヒネは0.6 mg/mLの濃度で生理食塩液に溶解し、6 mg/kgの用量で皮下投与した。化合物(IIIB)は0.3 mg/mLの濃度で0.5%MCに懸濁し、3 mg/kgの用量で経口投与した。化合物(IIIC)は0.1 mg/mLの濃度で0.5%MCに懸濁し、1 mg/kgの用量で経口投与した。3. 鎮痛作用の測定 侵害性疼痛はホットプレート法にて測定した。マウスを53℃に設定したホットプレート装置(35100、Ugo Basile、Comerio、VA、Italy)上に置き、逃避行動(足を舐める、噛む、振る、跳躍する)を示すまでの時間(潜時)を疼痛閾値とした。実験には、投薬開始前の反応潜時が6〜16秒の動物を用いた。また、刺激部位への損傷を最小限にするために、カットオフタイムは45秒とした。鎮痛作用は、薬物反復投与最終日(7日目)の薬物投与前、薬物投与後、30、60および120分に反応潜時を測定することにより評価した。4. 統計処理 実験結果は平均値±標準誤差で示した。統計学的解析は統計解析ソフトSAS(SAS Institute Inc、Cary、NC、USA)を用いて行った。2群間の比較は、Wilcoxn rank sum testを行った。P<0.05を有意差ありとした。5. 実験結果 結果を表1および表2に示した。 モルヒネを7日間反復投与した群(モルヒネ反復投与群;1日2回、7日目のみ1回投与)では、モルヒネ単回投与群(生理食塩液を1日2回6日間反復投与し、7日目のみモルヒネ投与)に比べて、反応潜時は有意かつ著しく減弱し、鎮痛耐性の形成が認められた。モルヒネ投与30分前に化合物(IIIB)または(IIIC)を経口投与した併用反復投与群(併用反復投与群;モルヒネ反復投与群における各モルヒネ投与の30分前に化合物(IIIB)または(IIIC)を投与)では、モルヒネ単回投与群に比べて、鎮痛作用の減弱は認められず、鎮痛耐性の形成が抑制された。なお、化合物(IIIB)または(IIIC)を単独で反復投与した群(化合物(IIIB)反復投与群、化合物(IIIC)反復投与群)では反応潜時への影響は認められなかった。 上記試験により、化合物(IIIB)および(IIIC)にはモルヒネ鎮痛耐性を抑制する効果のあることが確認された。このことから、化合物(IIIB)、(IIIC)などの化合物(III)とオピオイドを組み合わせて使うことにより、オピオイドの慢性投与による鎮痛耐性の発現を抑制できると考えられた。試験例4 化合物(IC)および(ID)によるモルヒネ鎮痛耐性抑制作用 化合物(IC)および(ID)のモルヒネの鎮痛耐性に及ぼす効果を調べた。実験は、試験例3と同様に行った。化合物(IC)および(ID)はそれぞれ10 mg/kgの用量で用いた。結果を表3に示した。統計学的解析において、2群間の比較には、Wilcoxn rank sum testを、多群間の比較には、Kruskal-Wallis testを用いた。 モルヒネを7日間反復投与した群(モルヒネ反復投与群;1日2回、7日目のみ1回投与)では、モルヒネ単回投与群(生理食塩液を1日2回6日間反復投与し、7日目のみモルヒネ投与)に比べて、反応潜時は有意かつ著しく減弱し、鎮痛耐性の形成が認められた。モルヒネ投与30分前に化合物(IC)または(ID)を経口投与した併用反復投与群(併用反復投与群;モルヒネ反復投与群における各モルヒネ投与の30分前に化合物(IC)または(ID)を投与)では、モルヒネ反復投与群に比べて、反応潜時の減弱は軽度で、鎮痛耐性の形成が抑制された。なお、化合物(IC)または(ID)を単独で反復投与した群(化合物(IC)反復投与群、化合物(ID)反復投与群)では反応潜時への影響は認められなかった。 上記試験により、化合物(IC)および(ID)にはモルヒネ鎮痛耐性を抑制する効果のあることが確認された。本試験と、試験例1の結果から、化合物(IA)、(IB)、(IC)、(ID)などの化合物(I)とオピオイドを組み合わせて使うことにより、オピオイドの慢性投与による鎮痛耐性の発現を抑制できると考えられた。試験例5 化合物(IIA)、(VIA)および(VII)によるモルヒネ鎮痛耐性抑制作用 化合物(IIA)、(VIA)および(VII)のモルヒネの鎮痛耐性に及ぼす効果を調べた。実験は、試験例3と同様に行った。化合物(IIA)は100 mg/kg、化合物(VIA)は30 mg/kg、化合物(VII)は60 mg/kgの用量でそれぞれ用いた。結果を表4に示した。統計学的解析において、2群間の比較には、Wilcoxn rank sum testを、多群間の比較には、Kruskal-Wallis testを用いた。 モルヒネを7日間反復投与した群(モルヒネ反復投与群;1日2回、7日目のみ1回投与)では、モルヒネ単回投与群(生理食塩液を1日2回6日間反復投与し、7日目のみモルヒネ投与)に比べて、反応潜時は有意かつ著しく減弱し、鎮痛耐性の形成が認められた。モルヒネ投与30分前に化合物(IIA)、(VIA)または(VII)を経口投与した併用反復投与群(併用反復投与群;モルヒネ反復投与群における各モルヒネ投与の30分前に化合物(IIA)、(VIA)または(VII)を投与)では、モルヒネ反復投与群に比べて、反応潜時の減弱は軽度で、鎮痛耐性の形成が抑制された。なお、化合物(IIA)、(VIA)または(VII)を単独で反復投与した群(化合物(IIA)反復投与群、化合物(VIA)反復投与群、または化合物(VII)反復投与群)では反応潜時への影響は認められなかった。 上記試験により、化合物(IIA)、(VIA)および(VII)にはモルヒネ鎮痛耐性を抑制する効果のあることが確認された。本試験の結果から、化合物(IIA)などの化合物(II)、化合物(VIA)などの化合物(VI)または化合物(VII)とオピオイドを組み合わせて使うことにより、オピオイドの慢性投与による鎮痛耐性の発現を抑制できると考えられた。試験例6 化合物(IVA)および(VIII)によるモルヒネ鎮痛耐性抑制作用 化合物(IVA)および(VIII)のモルヒネの鎮痛耐性に及ぼす効果を調べた。実験は、試験例3と同様に行った。化合物(IVA)および(VIII)はそれぞれ30 mg/kgの用量でそれぞれ用いた。結果を表5に示した。統計学的解析において、2群間の比較には、Wilcoxn rank sum testを、多群間の比較には、Kruskal-Wallis testを用いた。 モルヒネを7日間反復投与した群(モルヒネ反復投与群;1日2回、7日目のみ1回投与)では、モルヒネ単回投与群(生理食塩液を1日2回6日間反復投与し、7日目のみモルヒネ投与)に比べて、反応潜時は有意かつ著しく減弱し、鎮痛耐性の形成が認められた。モルヒネ投与30分前に化合物(IVA)または(VIII)を経口投与した併用反復投与群(併用反復投与群;モルヒネ反復投与群における各モルヒネ投与の30分前に化合物(IVA)または(VIII)を投与)では、モルヒネ反復投与群に比べて、反応潜時の減弱は軽度で、鎮痛耐性の形成が抑制された。なお、化合物(IVA)または(VIII)を単独で反復投与した群(化合物(IVA)反復投与群または化合物(VIII)反復投与群)では反応潜時への影響は認められなかった。 上記試験により、化合物(IVA)および(VIII)にはモルヒネ鎮痛耐性を抑制する効果のあることが確認された。本試験の結果から、化合物(IVA)などの化合物(IV)、または化合物(VIII)とオピオイドを組み合わせて使うことにより、オピオイドの慢性投与による鎮痛耐性の発現を抑制できると考えられた。試験例7 化合物(IA)によるオキシコドン鎮痛耐性抑制作用実験材料および方法1. 使用動物 体重18〜23 gの雄性ddY系マウス(3〜4週齢、日本エスエルシー社)を用い、実験に供するまで、室温19〜25℃、湿度30〜70%、12時間明暗サイクル (明期午前7時〜午後7時、暗期午後7時〜午前7時) で飼育した。餌および水は共に自由に摂取させた。2. 使用薬剤および調製法 以下、オキシコドンの使用にあたっては、すべて麻薬研究者の指導のもと、麻薬取り扱い規則に準じ、試験を行った。オキシコドンは2 mg/mLの濃度で注射用蒸留水を用いて調製し、20 mg/kgの用量で経口投与した。化合物(IA)は1 mg/mLの濃度で0.5%MCに懸濁し、10 mg/kgの用量で経口投与した。3. 鎮痛作用の測定 侵害性疼痛はホットプレート法にて測定した。マウスを53℃に設定したホットプレート装置(MK-350B、室町機械)上に置き、逃避行動(足を舐める、噛む、振る、跳躍する)を示すまでの時間(潜時)を疼痛閾値とした。実験には、投薬開始前の反応潜時が6〜16秒の動物を用いた。また、刺激部位への損傷を最小限にするために、カットオフタイムは45秒とした。鎮痛作用は、薬物反復投与最終日(4日目)、薬物投与後、30、60および120分に反応潜時を測定することにより評価した。4. 統計処理 実験結果は平均値±標準誤差で示した。統計学的解析は統計解析ソフトSASを用いて行った。2群間の比較は、Wilcoxn rank sum testを行った。P<0.05を有意差ありとした。5. 実験結果 結果を表6に示した。 オキシコドンを4日間反復投与した群(オキシコドン反復投与群;1日2回、4日目のみ1回投与)では、オキシコドン単回投与群(注射用蒸留水を1日2回3日間反復投与し、4日目のみオキシコドン投与)に比べて、反応潜時は有意かつ著しく減弱し、鎮痛耐性の形成が認められた。オキシコドン投与30分前に化合物(IA)を経口投与した併用反復投与群では、オキシコドン反復投与群に比べて、反応潜時の減弱は軽度で、鎮痛耐性の形成が抑制された。なお、化合物(IA)を単独で反復投与した群(化合物(IA)反復投与群)では反応潜時への影響は認められなかった。 上記試験により、化合物(IA)にはオキシコドン鎮痛耐性を抑制する効果のあることが確認された。 化合物(IA)は強力で選択的なアデノシンA2A受容体拮抗作用を有することが知られている(Eur. J. Pharmacol., 1994, 267(3), 335)。また、化合物(I)〜(VIII)がアデノシンA2A受容体拮抗作用を有することもよく知られている(例えば、Nature Reviews 2006, 5, 247、J. Med. Chem., 1993, 36, 1333、US5587378、WO00/17201、WO2005/063743、Bioorg. Med. Chem. Lett. 2007, 17, 1376、WO2002/055524、WO2003/011864、WO2006/032273、WO2002/055083など)。 従って、試験例1および3〜7より、アデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物(例えば、化合物(I)〜(VIII))またはその薬学的に許容される塩は、オピオイドの鎮痛耐性を抑制する効果を有することが考えられた。 また、上記試験例2より、アデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物(例えば、化合物(I)〜(VIII))またはその薬学的に許容される塩は、モルヒネなどのオピオイドが誘発する便秘を改善すると考えられ、アデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物(例えば、化合物(I)〜(VIII))またはその薬学的に許容される塩とオピオイドを組み合わせて使うことにより、オピオイドの投与により生ずる便秘を改善できると考えられた。 即ち、上記の試験例1〜7より、アデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物(例えば、化合物(I)〜(VIII))またはその薬学的に許容される塩とオピオイドを組み合わせて使うことにより、オピオイドの望ましくない作用(例えば、鎮痛耐性、便秘など)を抑制できると考えられる。さらに、アデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物(例えば、化合物(I)〜(VIII))またはその薬学的に許容される塩とオピオイドを組み合わせて用いることにより、オピオイドの投与量の増量を抑制できると期待され、その結果として、オピオイドの投与量の増量に基づくオピオイドの望ましくない作用(例えば、眠気、ふらつき、呼吸抑制、幻覚、不安、掻痒など)を抑制できると考えられる。すなわち、アデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物またはその薬学的に許容される塩とオピオイドを組み合わせて用いることはオピオイドの望ましくない作用が低減された疼痛の治療および/または予防に有用であると考えられる。従って、本発明の疼痛の治療および/または予防剤、疼痛の治療および/または予防方法は、モルヒネなどのオピオイドの望ましくない作用(例えば、鎮痛耐性、便秘など)により、オピオイド本来の有用な効果が十分に得られない患者に特に有効である。 以下に、本発明の態様を実施例より具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されることはない。 常法により、次の組成からなる錠剤を調製する。化合物(IA)40 g、乳糖286.8 gおよび馬鈴薯澱粉60 gを混合し、これにヒドロキシプロピルセルロースの10%水溶液120 gを加える。この混合物を常法により練合し、造粒して乾燥させた後、整粒し打錠用顆粒とする。これにステアリン酸マグネシウム1.2 gを加えて混合し、径8 mmの杵をもった打錠機(菊水社製RT-15型)で打錠を行って、錠剤(1錠あたり有効成分20 mgを含有する)を得る。 実施例1と同様にして、以下の組成を有する錠剤を調製する。 実施例1と同様にして、以下の組成を有する錠剤を調製する。 実施例1と同様にして、以下の組成を有する錠剤を調製する。 実施例1と同様にして、以下の組成を有する錠剤を調製する。 実施例1と同様にして、以下の組成を有する錠剤を調製する。 実施例1と同様にして、以下の組成を有する錠剤を調製する。 実施例1と同様にして、以下の組成を有する錠剤を調製する。 実施例1と同様にして、以下の組成を有する錠剤を調製する。 実施例1と同様にして、以下の組成を有する錠剤を調製する。 実施例1と同様にして、以下の組成を有する錠剤を調製する。 常法により、次の組成からなる錠剤を調製する。化合物(IA)40 g、モルヒネ40g、乳糖246.8 gおよび馬鈴薯澱粉60 gを混合し、これにヒドロキシプロピルセルロースの10%水溶液120 gを加える。この混合物を常法により練合し、造粒して乾燥させた後、整粒し打錠用顆粒とする。これにステアリン酸マグネシウム1.2 gを加えて混合し、径8 mmの杵をもった打錠機(菊水社製RT-15型)で打錠を行って、錠剤(1錠あたり化合物(IA)20 mgおよびモルヒネ20 mgを含有する)を得る。 実施例12と同様にして、以下の組成を有する錠剤を調製する。 実施例12と同様にして、以下の組成を有する錠剤を調製する。 実施例12と同様にして、以下の組成を有する錠剤を調製する。 常法により、次の組成からなる注射剤を調製する。化合物(IB)1 gを注射用蒸留水に添加して混合し、さらに塩酸および水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを7に調整した後、注射用蒸留水で全量を1000 mLとする。得られた混合液をガラスバイアルに2 mLずつ無菌的に充填して、注射剤(1バイアルあたり活性成分2 mgを含有する)を得る。 実施例16と同様にして、以下の組成を有する注射剤を調製する。 実施例16と同様にして、以下の組成を有する注射剤を調製する。 常法により、次の組成からなる注射剤を調製する。化合物(IB)1 gおよびモルヒネ1 gを注射用蒸留水に添加して混合し、さらに塩酸および水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを7に調整した後、注射用蒸留水で全量を1000 mLとする。得られた混合液をガラスバイアルに2 mLずつ無菌的に充填して、注射剤(1バイアルあたり化合物(IB)2 mgおよびモルヒネ2 mgを含有する)を得る。 実施例19と同様にして、以下の組成を有する注射剤を調製する。 実施例19と同様にして、以下の組成を有する注射剤を調製する。 実施例19と同様にして、以下の組成を有する注射剤を調製する。 本発明により、アデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物またはその薬学的に許容される塩を有効成分として含有するオピオイド系鎮痛薬(オピオイド)の望ましくない作用を抑制する剤などを提供することができる。1.図1-◆-:モルヒネ単回投与群-▲-:モルヒネ反復投与群-●-:併用反復投与群-■-:化合物(IA)反復投与群**:P<0.01[モルヒネ単回投与群vs.モルヒネ反復投与群(Wilcoxn rank sum test)]##:P<0.01[モルヒネ反復投与群vs.併用反復投与群(Wilcoxn rank sum test)]#:P<0.05[モルヒネ反復投与群vs.併用反復投与群(Wilcoxn rank sum test)]2.図2**:P<0.01(Wilcoxn rank sum test) 下記式(I)〜(IV)および(VI)〜(VIII)のいずれかで表される化合物またはその薬学的に許容される塩を有効成分として含有するオキシコドンおよびモルヒネから選ばれるオピオイドの鎮痛耐性を抑制する剤。(式中、R1は水素原子またはメチルを表し、R2およびR3は同一または異なって、メチル、エチル、プロピル、ブチルまたはイソプロピルを表し、R4、R5およびR6は同一または異なって、水素原子、メチル、エチル、メトキシ、エトキシ、フッ素原子、塩素原子または臭素原子を表し;R7はメチル、エチル、プロピル、ブチル、または3−メチルブチルを表すか、またはこれらの基にヒドロキシが置換した基を表し;R8はフェニル、ピリジル、ピリミジニルまたは5,6−ジヒドロ−2H−ピリジルメチルを表すか、またはこれらの基に塩素原子、メチル、エチル、メトキシおよびエトキシから選ばれる1〜3個の置換基が置換した基を表し、R9はピリジルまたはテトラヒドロピラニルを表し;R10およびR11は同一または異なって、水素原子、フッ素原子または2−メトキシエトキシを表し;R12はメチル、エチル、プロピルまたはブチルを表す) 式(I)〜(IV)および(VI)〜(VIII)のいずれかで表される化合物が、下記式(I)、(II)または(III)で表される化合物である請求項1記載の剤。(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8およびR9はそれぞれ前記と同義である) 式(I)〜(IV)および(VI)〜(VIII)のいずれかで表される化合物が、下記式(IA)、(IB)、(IIA)、(IIIA)、(IIIB)、(IIIC)、(IVA)、(VIA)、(VII)または(VIII)で表される化合物である請求項1記載の剤。 オキシコドンおよびモルヒネから選ばれるオピオイドが、モルヒネである請求項1〜3のいずれかに記載の剤。


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