タイトル: | 公表特許公報(A)_2−メチルテトラヒドロフランをフルフラールから1種の触媒上で一段階で製造する方法 |
出願番号: | 2010513893 |
年次: | 2010 |
IPC分類: | C07D 307/06,C07D 307/08,C07B 61/00 |
トビアス ヴァープニッツ ダニエル ブロイニンガー イェンス ハイマン レネ バッケス ロルフ ピンコス JP 2010531839 公表特許公報(A) 20100930 2010513893 20080624 2−メチルテトラヒドロフランをフルフラールから1種の触媒上で一段階で製造する方法 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア 508020155 BASF SE 矢野 敏雄 100061815 山崎 利臣 100094798 久野 琢也 100099483 杉本 博司 100110593 高橋 佳大 100112793 星 公弘 100128679 二宮 浩康 100135633 アインゼル・フェリックス=ラインハルト 100114890 トビアス ヴァープニッツ ダニエル ブロイニンガー イェンス ハイマン レネ バッケス ロルフ ピンコス EP 07111507.5 20070702 C07D 307/06 20060101AFI20100903BHJP C07D 307/08 20060101ALI20100903BHJP C07B 61/00 20060101ALN20100903BHJP JPC07D307/06C07D307/08C07B61/00 300 AP(BW,GH,GM,KE,LS,MW,MZ,NA,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),EP(AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MT,NL,NO,PL,PT,RO,SE,SI,SK,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PG,PH,PL,PT,RO,RS,RU,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,SV,SY,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN,ZA,ZM,ZW EP2008058039 20080624 WO2009003882 20090108 18 20090702 4C037 4H039 4C037BA02 4C037BA08 4H039CA11 4H039CA42 4H039CB10 4H039CB20 本発明は、1種の触媒上でのフルフラールから2−メチルテトラヒドロフランを一段階で製造する方法に関する。 2−メチルテトラヒドロフラン(以下、2−Me−THF)は、高い溶解力を有する有機溶剤である。2−Me−THFは、化学合成のためのテトラヒドロフラン(以下、THF)に代わる溶剤として使用され、テトラヒドロフランとは、好ましくは温度上昇とともに低下するより低い水溶性の点で異なり、通常の炭化水素を基礎とする燃料に対してアルコール性添加剤と比較してより良好に混和可能であるため燃料添加剤として使用され、かつホモポリマーに対して改善された特性を有するポリエーテルの製造のためのコモノマーとして使用される。 2−Me−THFは、再生原料から取得できる。2−Me−THFは、植物性廃棄物から、そこに含まれるヘミセルロースをフルフラールへと分解し、それを転化させて2−Me−THFとすることによって得ることができるので、それは持続的な開発に役立っている。 植物性の、特に農業廃棄物からフルフラールを製造することは公知であり、高い完成度に達している一方で、それに対して、フルフラールを2−Me−THFへと転化することは技術的になおも満足行く程度に解決されていない。 フルフラールの水素化による転化の素反応は公知であり、それはZheng他によってJournal of Molecular Catalysis A: Chemical(2006),246(1−2),18−23で詳細に説明されている。その著者は、2−メチルフランを、2−Me−THFの製造での前駆物質として必須のものと見なしており、脱カルボニル化による一酸化炭素の形成を含む、該水素化の主反応と副反応を説明している。 2−Me−THFはしばしばフルフラールの水素化による転化に際して少量で生成するが、フルフラールを2−Me−THFへと直接的に転化させることを説明する刊行物は僅かしか存在しない。 Kyosuke他はJ.Pharm.Soc.Jpn 66(1946)、58において、フルフラールからの2−メチル−THFへと260℃でラネーニッケル触媒上で直接的に転化させることで、少量の有用生成物しか産出しないことを示している。好ましいものとして、Kyosuke他は、その代わりに、メチルフランを単離した中間生成物として経由する二段階法であって、その両方の段階について異なる触媒を使用するものを推奨している。ここでは、第一段階でアドキンスによる銅−クロマイトが使用され、第二段階でラネーニッケルが使用される。 Proskuryakov他は、Trudy Leningradskogo Tekhnologicheskogo Instituta imeni Lenso−veta(1958),44,3−5において、ラネーニッケル触媒と銅クロマイト触媒との1:1混合物上でオートクレーブ中で220℃及び160アトムでフルフラールを転化させる場合に、最大で42%の2−Me−THFの収率を記載している。その著者は、前記経路において副反応によりグリコール及び他の、詳細に特定されないフルフラールの開環生成物が生ずるため、より高い2−Me−THF割合が得られないことを示している。 欠点としては、更に、得られた反応排出物混合物から2−Me−THFを単離・精製することが困難であると認識されていることである。それというのも、副生成物であるTHF、2−ペンタノン及び水は、純物質として又はその共沸物の形で、2−Me−THFの沸点と類似の沸点を有するからである。ここで、水/2−Me−THFの共沸物の沸点は、73℃であり、水/THFの共沸物の沸点は、64℃であり、そして水/2−ペンタノンの共沸物の沸点は、84℃であるが、一方で、THFの純物質の沸点は、66℃であり、2−Me−THFの純物質の沸点は、80℃であり、そして2−ペンタノンの純物質の沸点は、102℃である。 US−A6,479,677号から、2−Me−THFの二段階の製造方法であって、各段階のためにそれぞれ1つの個々の触媒を使用するものが知られている。各段階は、異なる触媒を有する1つの個々の反応器内で実施される。この気相法は、銅−クロマイト触媒上でフルフラールをメチルフランへと水素化することを含み、それは引き続きニッケル触媒上で転化されて2−Me−THFとなる。 しかしながら、開示した方法は、一連の欠点を有する。ここで、前記転化の個々の段階のために2種類の触媒と異なる反応条件が必要であり、そのことは工業的実施を困難にし、個々の反応器の空間的分離が必要とする。水素の混加は、各水素化工程のために別個に必要であり、かつフルフラールから熱的負荷に際して常に少量で起こる一酸化炭素の形成は、ニッケル触媒の不活性化と、高い毒性の揮発性Ni(CO)4の形成をもたらす。一酸化炭素などの危険な不純物の蓄積(Aufpegelung)によって、経済的に望ましい循環ガス様式は不可能となる。 従って、本発明の課題は、フルフラールから2−メチルテトラヒドロフランを特定の複数の触媒を使用して製造するにあたり中間生成物を単離あるいは精製することなく一段階で製造する方法であって、それにより2−メチルテトラヒドロフランを、特に1つの反応器中での転化によって、かつ循環様式において良好な収率及び純度で得ることができる方法を提供することであった。 従って、本発明は、フルフラールを水素含有ガスで、周期律表の第8族、第9族及び/又は第10族の少なくとも1種の貴金属、特にルテニウム、ロジウム、イリジウム、金、パラジウム及び/又は白金、有利にはパラジウム及び/又は白金を含有する担体触媒の存在下に一段階で水素化するための方法に関する。 一段階、又は一段階の水素化とは、本願においては、フルフラールから出発して、中間生成物を単離あるいは精製することなく最終生成物の2−Me−THFをもたらす方法を表す。本発明による方法は、技術水準の方法に対して、好ましくは一段階でかつ1種のみの触媒上で実施される。元素の周期律表の第8族、第9族及び/又は第10族の少なくとも1種の貴金属、有利にはパラジウム及び/又は白金を含有する担体触媒は、本発明による方法で使用される唯一の触媒である。 触媒 本発明により使用される触媒は、活性金属として、元素の周期律表の第8族、第9族及び/又は第10族の少なくとも1種の貴金属、特にルテニウム、ロジウム、イリジウム、金、有利にはパラジウム及び/又は白金、特に有利にはパラジウムを担体上に有する。該触媒は、付加的に、元素の周期律表の第4族及び第7族ないし第12族の金属を有してよく、並びに場合により元素の周期律表の第1族及び第2族の元素、特にナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムを有してよい。好ましくは、前記触媒は、パラジウム及び白金以外の他の活性金属を有さない。活性金属の施与は、担体を金属塩水溶液、例えばパラジウム塩水溶液などの水溶液中に浸漬するか、相応の金属塩溶液を担体上に噴霧するか、又は浸漬などの他の好適な方法によって達成することができる。 触媒活性金属は、該当する元素の塩もしくは酸化物の溶液もしくは懸濁液で浸漬させ、乾燥させ、そして該金属化合物を還元剤、好ましくは水素もしくは錯体水素化物によって還元してより低い酸化状態の該当する金属もしくは化合物を得ることによって該担体材料上に施与することができる。前記の担体上に触媒活性金属を施与するための他の方法は、担体を、容易に熱分解可能な塩、例えば触媒活性金属の硝酸塩もしくは容易に熱分解可能な錯体化合物、例えば触媒活性金属のカルボニル錯体もしくはヒドリド錯体で含浸させ、そしてこうして浸漬された担体を吸着された金属化合物の熱分解のために300〜600℃の温度に加熱することにある。前記の熱分解は、好ましくは保護ガス雰囲気下で行われる。好適な保護ガスは、例えば窒素、二酸化炭素、水素もしくは希ガスである。更に、触媒活性金属は、触媒担体上に蒸着もしくは火炎溶射によって堆積させることができる。前記の担体触媒中の触媒活性金属の含有率は、原則的に本発明による方法の成功には重要ではない。しかしながら、触媒活性金属のより高い含有率は、一般に、より低い含有率の場合よりも高い空時転化率をもたらす。 白金及びパラジウムの金属塩としては、相応の金属の硝酸塩、ニトロシル硝酸塩、ハロゲン化物、炭酸塩、カルボン酸塩、アセチルアセトン酸塩、塩化物、クロロ錯体又はアミン錯体が適しており、その際、硝酸塩が好ましい。 パラジウム及び白金並びに場合によりなおも更なる活性金属を担体上に有する触媒では、金属塩もしくは金属塩溶液は、同時にもしくは前後して施与されてよい。 金属塩溶液で被覆されもしくは含浸された担体は、引き続き、好ましくは100℃〜150℃の温度で乾燥され、そして選択的に200℃〜600℃の温度で、有利には350℃〜450℃の温度で焼成される。別々の浸漬の場合に、触媒は、上記のように、各浸漬工程の後に乾燥され、選択的に焼成される。活性成分を浸漬する順序は、その場合に自由に選択可能である。 引き続き、被覆及び乾燥され、選択的に焼成された担体は、遊離の水素を含有するガス流中で、約30℃ないし約600℃の温度で、好ましくは約150℃ないし約450℃の温度で活性化される。好ましくは、該ガス流は、50〜100容量%のH2と、0〜50容量%のN2とからなる。 1もしくは複数の金属塩溶液は、それぞれ触媒の全質量に対する活性金属の全含有率が、約0.1ないし約30質量%、有利には約0.1ないし約10質量%、更に有利には約0.25ないし約5質量%、特に約0.5ないし約2.5質量%となる量で1もしくは複数の担体上に施与される。 担体材料として使用できるのは、例えば活性炭、例えばDonau Carbon GmbH社(60388フランクフルト・アン・マイン在)の市販製品スーパーソルボン(Supersorbon)カーボンの形の活性炭、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、炭化ケイ素、酸化カルシウム、二酸化チタン及び/又は二酸化ジルコニウム又はそれらの混合物であり、その際、活性炭を使用することが好ましい。 方法操作 本発明による方法は、転化が一段階でかつ1種の触媒のみでもたらされる点で優れている。 本発明による一段階の水素化は、1もしくは複数の、特に2、3、4、5、6、7、8つの反応器中で実施することができる。 反応混合物は、該1もしくは複数の反応器中を、好ましくはそれぞれ上から下へと流過する。 本発明による方法の範囲において、該水素化は、気相もしくは液相中で実施でき、好ましくは気相中で作業される。一般に、該方法は気相中で約150〜300℃の温度で、好ましくは190〜250℃の温度で実施される。その際に使用される圧力は、一般に、1〜15バール(絶対圧)、好ましくは約5〜15バール(絶対圧)である。本発明における圧力は、全圧もしくは絶対(abs)圧として示されている。 液相中では、本発明による方法は、一般に150〜250℃で20〜200バール(絶対圧)の圧力で実施される。 本発明による方法は、連続的にも断続的にも実施することができ、その際、連続的な方法の実施が好ましい。連続的な方法操作の場合に、水素化が予定されるフルフラールの量は、1時間あたりに触媒1リットルあたりで約0.05ないし約3kgであり、更に有利には1時間あたりに触媒1リットルあたりで約0.1ないし約1kgである。 水素化ガスとしては、遊離の水素を含有し、かつ例えばCOなどの触媒毒を有害な量で有さない任意のガスを使用することができる。例えば、リフォーマー排ガスを使用することができる。好ましくは、純粋な水素が水素化ガスとして使用される。しかしながら、水蒸気もしくは窒素などの不活性なキャリヤーガスを付加的に使用することもできる。 液相においては、本発明による水素化は、溶剤もしくは希釈剤の不在下もしくは存在下で実施できる。すなわち該水素化は溶液中で実施する必要はない。 しかしながら、溶剤もしくは希釈剤を使用してもよい。溶剤もしくは希釈剤としては、あらゆる好適な溶剤もしくは希釈剤を使用することができる。その選択は、その際、使用される溶剤もしくは希釈剤が、水素化されるフルフラールと均一な溶液を形成できるかぎりは重要ではない。 好適な溶剤もしくは希釈剤の例は、以下のものを含む: 例えばテトラヒドロフランもしくはジオキサンなどの直鎖状もしくは環状のエーテル、並びにアルキル基が好ましくは1〜10個の炭素原子を、特に3〜6個の炭素原子を有する脂肪族アルコール。 使用される溶剤もしくは希釈剤の量は、特に制限されず、かつ必要に応じて自由に選択できるが、その際、水素化のために予定されるフルフラールの10〜70質量%の溶液をもたらす量が好ましい。 更に、水素化反応器は、水素化の実施に際して、液相において直通で、すなわち生成物返送なくして又は循環(流通)で、すなわち反応器を出て行く水素化混合物の一部を循環に導いて稼働させることができる。 本発明による水素化を気相中で実施する場合には、反応生成物は、反応器を出た後に完全に凝縮及び分離される。気体状の成分である水素と、場合により使用される付加的なキャリヤーガスは、部分的に循環において反応器へと返送される(循環ガス様式)。好ましい循環ガス様式の場合に、循環ガス容量と新たなガスの容量との比率は、少なくとも1:1、有利には少なくとも5:1、特に有利には少なくとも10:1である。 反応器としては、例えば管束反応器などの固定床反応器が該当する。液体様式では、流動床反応器が使用できる。 本発明による水素化の反応排出物は、自体公知のように、しかし好ましくは熱交換器中での0〜80℃への冷却によって凝縮される。凝縮の後に、相分離が生ずる。下相は、90%超が水からなるが、その一方で、上相は、所望の生成物である2−Me−THFの他に、場合により後続する純粋蒸留によって良好に分離可能な少量の副生成物を有するに過ぎない。2−メチル−テトラヒドロフラン(2−Me−THF)は、本発明による方法によって非常に良好な収率及び純度で得られる。相分離は、周囲温度で実施することができる。しかしながら、反応排出物は、好ましくは60℃で凝縮される。それというのも、この温度で2−メチル−THFと水の混合可能性は特に低いからである。 以下に、これから本発明による方法を、幾つかの実施例をもとにより詳細に説明する。 実施例 触媒の製造例 4kgのスーパーソルボンカーボン(4mmのストランド、製造元Donau Carbon GmbH)を、含浸ドラム中に装入し、そしてパラジウムに関して7.2質量%の硝酸パラジウム(II)の水溶液2.8kgを室温で微細ノズル(1mm)を用いて噴霧した。その液体は、完全に該炭素担体の細孔中に取り込まれた。該材料を、引き続き加熱キャビネット中で100℃で40時間乾燥させた。 引き続き、乾燥させた触媒を200℃で水流中で活性化(還元)させた。こうして製造された触媒は、触媒の質量に対して、5質量%のパラジウムを含有していた。 水素化生成物の分析 反応生成物である2−Me−THF、2−ペンタノン、3−ペンタノン、1−ペンタノール、THF、フラン及びメチルフラン並びに出発材料であるフルフラールを、ガスクロマトグラフィーによって分析した。該混合物を、そのためにメタノールもしくはアセトンで希釈して(1:10〜1:100の希釈)又は希釈せずにGCクロマトグラフ(HP社、キャリヤーガス:水素)において30mのDB1カラム(J+W社)へと射出し、そして60〜300℃のオーブン温度で(1分間あたりに8ケルビンの昇温速度で220℃まで、次いで1分間あたりに20ケルビンの昇温速度で300℃まで)水素炎イオン化検出器(温度:290℃)を用いて分析した。純度は、クロマトグラムのシグナルの積分によって測定した。 実施例1 蒸発器と、オイル加熱式の3.8lの二重ジャケット型管形反応器と、分離器と、循環ガス圧縮器とから構成される連続的な水素化のための設備において、フルフラールを、連続的に固定床触媒上で気相中で水素化させた。 該管形反応器に、3l(1350gに相当)のPd触媒(5%Pd/スーパーソルボン、4mmのストランド)を充填した。 該管形反応器は、上方から下方へと流過するものであった。該触媒は、当業者に公知の方法に従って無圧で窒素/水素混合物によって200℃で活性化されるので、混合ガス中の水素含有率は、ゆっくりと0%から100%までに高められた。引き続き、該設備を水素をもって10バールにまで加圧し、新たな水素ガスを150NL/hに調整し、蒸発器を290℃に温度調節し、反応器を260℃に温度調節し、そして循環ガスを運転に採用した。蒸発器に、一段階蒸留されたフルフラール100g/hを流した。水素化の間に、循環ガスを1200g/hに調整し、95NL/hの排ガスを燃焼に供給した。この条件下で、260時間にわたってフルフラールの99%超が転化され、2−MeTHFについての選択性は、50%であった。二相の排出物の上相は、以下の組成を有していた:フランは、2.4質量%、2−メチルフランは、2質量%、THFは、20質量%、2−MeTHFは、49質量%、2−ペンタノンは、9.2質量%、2−ペンタノールは、0.5質量%、1−ペンタノールは、0.9質量%、残りは100%まで未同定の副生成物。前記副生成物は、従来技術による蒸留によって除去できるので、所望の生成物である2−MeTHFは、99%超の純度で得られた。 実施例2 蒸発器と、オイル加熱式の0.375lの二重ジャケット型管形反応器と、分離器と、循環ガス圧縮器とから構成される連続的な水素化のための設備において、フルフラールを、連続的に固定床触媒上で気相中で水素化させた。 該管形反応器に、350ml(173.3gに相当)のPd触媒(5%Pd/スーパーソルボン、4mmのストランド)を充填した。 該管形反応器は、下方から上方へと流過するものであった。該触媒は、当業者に公知の方法に従って無圧で窒素/水素混合物によって260℃で活性化されるので、混合ガス中の水素含有率は、ゆっくりと0%から100%までに高められた。引き続き、該設備を水素をもって10バールにまで加圧し、新たな水素ガスを150NL/hに調整し、蒸発器を240℃に温度調節し、反応器を245℃に温度調節した。水素化の間に、20g/hのフルフラールを、下方から上方へと通過させた(アップフロー様式(Sumpffahrweise))。35Nl/hの新たなガスと550NL/hの循環ガスを使用した。この条件下でフルフラールは完全に転化された。 反応排出物を、自体公知のようにテトラエチレングリコールジメチルエーテルと混合するが、その際、管形反応器と分離器の間で25ml/hのテトラエチレングリコールジメチルエーテルがガス流に配量された。該ガス流を無圧部で放圧した後に、分離器中で、反応生成物を含有する液相を除去して回収した。単相の反応排出物においては、テトラエチレングリコールジメチルエーテルを考慮することなく、2−メチルフランが59質量%、THFが31質量%、2−MeTHFが49質量%、2−ペンタノールが0.5質量%、n−ブタノールが0.5質量%で見出され、残りが100%まで未同定の副生成物であった。前記副生成物は、蒸留によって除去できるので、所望の生成物である2−MeTHFは、99%超の純度で得られた。 フルフラールを水素含有ガスで、元素の周期律表の第8族、第9族及び/又は第10族の少なくとも1種の貴金属を含有する担体触媒の存在下で一段階で水素化することによって2−メチルテトラヒドロフランを製造する方法。 請求項1に記載のフルフラールを一段階で水素化することによって2−メチルテトラヒドロフランを製造する方法において、触媒がパラジウム及び/又は白金を含有することを特徴とする方法。 請求項1又は2に記載の方法において、触媒が、付加的に元素の周期律表の第1族、第2族、第4族及び第7族ないし第12族の金属を有することを特徴とする方法。 請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法において、触媒がパラジウム及び/又は白金と、元素の周期律表の第1族及び第2族の少なくとも1種の元素を有することを特徴とする方法。 請求項1から4までのいずれか1項に記載の方法において、活性炭、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、炭化ケイ素、酸化カルシウム、二酸化チタン及び/又は二酸化ジルコニウム又はそれらの混合物を、担体として使用することを特徴とする方法。 請求項1から5までのいずれか1項に記載の方法において、該方法を液相中で150〜250℃の温度で、20〜200バール(絶対圧)で実施することを特徴とする方法。 請求項6に記載の方法において、該方法を溶剤の存在下もしくは不在下で実施することを特徴とする方法。 請求項1から5までのいずれか1項に記載の方法において、該方法を気相中で150〜300℃の温度で、1〜15バール(絶対圧)で実施することを特徴とする方法。 請求項1から7までのいずれか1項に記載の方法において、該方法を循環ガス様式又は循環様式で実施することを特徴とする方法。 本発明の対象は、フルフラールを水素含有ガスで、元素の周期律表の第8族、第9族及び/又は第10族の少なくとも1種の貴金属を含有する担体触媒の存在下で一段階で水素化することによって2−メチルテトラヒドロフランを製造する方法である。20081203A16333全文3 フルフラールを水素含有ガスで、活性金属として、ルテニウム、ロジウム、イリジウム、金、パラジウム及び白金からなる群から選択される少なくとも1種の貴金属を含有し、かつ場合により付加的に元素の周期律表の第1族、第2族及び第4族の金属を有する担体触媒の存在下で一段階で水素化することによって2−メチルテトラヒドロフランを製造する方法。 請求項1に記載の方法において、触媒がパラジウム及び白金以外の他の活性金属を有さないことを特徴とする方法。 請求項1又は2に記載の方法において、触媒がパラジウム及び/又は白金と、元素の周期律表の第1族及び第2族の少なくとも1種の元素を有することを特徴とする方法。 請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法において、活性炭、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、炭化ケイ素、酸化カルシウム、二酸化チタン及び/又は二酸化ジルコニウム又はそれらの混合物を、担体として使用することを特徴とする方法。 請求項1から4までのいずれか1項に記載の方法において、該方法を液相中で150〜250℃の温度で、20〜200バール(絶対圧)で実施することを特徴とする方法。 請求項5に記載の方法において、該方法を溶剤の存在下もしくは不在下で実施することを特徴とする方法。 請求項1から4までのいずれか1項に記載の方法において、該方法を気相中で150〜300℃の温度で、1〜15バール(絶対圧)で実施することを特徴とする方法。 請求項1から7までのいずれか1項に記載の方法において、該方法を循環ガス様式又は循環様式で実施することを特徴とする方法。