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タイトル:特許公報(B2)_ブレオマイシン水解酵素の活性を指標とした天然保湿因子による皮膚バリアー機能状態の評価方法
出願番号:2010513058
年次:2014
IPC分類:C12Q 1/37,G01N 33/50


特許情報キャッシュ

武田 篤 日比野 利彦 JP 5602015 特許公報(B2) 20140829 2010513058 20090521 ブレオマイシン水解酵素の活性を指標とした天然保湿因子による皮膚バリアー機能状態の評価方法 株式会社 資生堂 000001959 青木 篤 100099759 石田 敬 100077517 福本 積 100087871 古賀 哲次 100087413 渡辺 陽一 100117019 武居 良太郎 100150810 中島 勝 100141977 武田 篤 日比野 利彦 JP 2008135944 20080523 20141008 C12Q 1/37 20060101AFI20140918BHJP G01N 33/50 20060101ALI20140918BHJP JPC12Q1/37G01N33/50 Q C12Q 1/00−1/68 G01N 33/50 CAplus/MEDLINE/BIOSIS/WPIDS(STN) JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII) Thomson Innovation J. Invest. Dermatol.,2008年 4月,Vol.128,P.S90,539 武田篤他,ヒトブレオマイシン水解酵素の精製と発現,生化学,2002年,Vol.72, No.8,P.778,1P-424 梶谷茜他,ラットブレオマイシン水解酵素の組織局在と定量,生化学,2001年,Vol.73, No.8,P.780,1P-600 J. Biochem.,2007年,Vol.141,P.69-76 J. Biol. Chem.,2006年,Vol. 281, No. 32,P. 22485-22492 6 JP2009059362 20090521 WO2009142268 20091126 8 20120502 特許法第30条第1項適用 BMB2007(第30回日本分子生物学会年会・第80回日本生化学会大会 合同大会)講演要旨集(発行日:2007年11月25日)第583頁に発表 特許法第30条第1項適用 JOURNAL OF INVESTIGATIVE DERMATOROGY ・ 2008 International Investigative Dermatology Meeting(掲載日:2008年4月)要旨集 第S90頁に発表 鈴木 崇之 本発明は、皮膚組織におけるブレオマイシン水解酵素の活性を指標とした、天然保湿因子(natural moisturizing factor ; NMF)による皮膚バリアー機能状態を評価する方法及び皮膚バリアー機能改善剤をスクリーニング評価する方法、さらには皮膚組織におけるブレオマイシン水解酵素の活性を亢進させることによる、NMFによる皮膚バリアー機能を改善する方法、を提供する。 表皮の顆粒層のケラチン線維は、角化する際にフィラグリンと呼ばれるタンパク質に結合して凝集し、“ケラチンパターン”と称される特異的な形態をつくる。顆粒細胞内のケラトヒアリン顆粒にはフィラグリンの前駆物質であるプロフィラグリン(フィラグリン単位が10乃至12個縦に並んだもの)が多量に存在するが、角化の際、フィラグリンモノマーが生成されるとともに脱リン酸化によりケラチン線維を凝集させる。その後、ペプチジルアルギニンデイミナーゼ(PAD)という酵素の作用によって脱イミノ化され、ケラチンと遊離した後、角層上層でアミノ酸などに分解される。これらのアミノ酸は天然保湿因子と呼ばれ、角層水分量の保持に重要な役割を担い、また紫外線吸収能をもつことで知られる(Blank I.H. J.I. Dermatol., 18, 433 (1952); Blank I.H. J.I. Dermatol., 21, 259 (1953))。 NMFの主成分であるアミノ酸がフィグラリンに由来することが明らかになって以来、乾燥肌を呈する病態とフィグラリンの関連性についての研究が進められている。近年、老人性乾皮症、アトピー性疾患などの乾燥肌において角層中のアミノ酸が減少していることが明らかになっている(Horii I. et al., Br. J. Dermatol., 121, 587-592(1989); Tanaka M. et al., Br. J. Dermatol., 139, 618-621(1989))。 PADはフィラグリンのアルギニン残基に作用して脱イミノ化させ、シトルリン残基に変換させる。このようにフィラグリンが脱イミノ化されることでフィラグリンとケラチン繊維との親和性が弱まり、ケラチン繊維が遊離し、その結果フィラグリンはプロテアーゼの作用を受け易くなり、最終的にNMFにまで分解されるものと考えられる。しかしながら、脱イミノ化されたフラグリンが表皮のどのプロテアーゼの作用を受け、最終的にNMFにまで分解されかは解明されていない。冒頭にも述べたとおり、NMFは皮膚の保湿機能、ひいては皮膚のバリアー機能に重要な役割を担い、フィラグリンがどのような過程を経てNMFにまで分解されるかを知ることは皮膚科学または化粧学上、あるいは皮膚のバリアー機能を改善させる薬剤を見つける上で重要である。Blank I.H. J.I. Dermatol., 18, 433 (1952)Blank I.H. J.I. Dermatol., 21, 259 (1953)Horii I. et al., Br. J. Dermatol., 121, 587-592(1989)Tanaka M. et al., Br. J. Dermatol., 139, 618-621(1989)Kamata et al., J. Biochem., 141, 69-76, 2007 本発明はNMFの生成過程を解明することで、NMFによる皮膚バリアー機能状態を評価する方法や、皮膚バリアー機能を改善する薬剤のスクリーニング方法、さらには皮膚バリアー機能を改善する方法の提供を課題とする。 本発明者はNMFの起源となるフィラグリンの分解過程を解明する目的で研究を行った。まずPADで脱イミノ化したフィラグリンにあらゆる酵素を作用させたところ、脱イミノ化フィラグリンはほとんどの酵素に対して感受性を示さなかったが、カルパイン−Iに対しては高い感受性を示し、小さいペプチド断片にまで分解されることを見出した。なお、カルパイン−Iは脱イミノ化されていないフィラグリン(以下、単に「未修飾のフィラグリン」と呼ぶことがある)に比べ、脱イミノ化フィラグリンに対して強い分化活性を示した。また、カルパイン−Iのみでは脱イミノ化フィラグリンをアミノ酸単位にまで分解することはできなかった。 さらに、かかる小ペプチド断片を分解する酵素を各種探索したところ、驚くべきことにこれら断片はブレオマイシン水解酵素(BH)によりアミノ酸単位、即ちNMFにまで分解されることが見出された。なお、ブレオマイシン水解酵素は脱イミノ化フィラグリン自体を分解することはできないことがわかった。 以上より、PADにより脱イミノ化されることでケラチン繊維の遊離された脱イミノ化フィラグリンは生体において、まずカルパイン−Iによりある程度の小分子にまで切断され、その後ブレオマイシン水解酵素によりアミノ酸単位にまで分解されてNMFとなることで、皮膚の保水機能、ひいては皮膚バリアー機能が発揮されるものと考えられる。 従って、本願は以下の発明を包含する。(1)皮膚組織におけるブレオマイシン水解酵素の活性を指標とした、天然保湿因子(NMF)による皮膚バリアー機能状態を評価する方法。(2)前記皮膚組織におけるブレオマイシン水解酵素の活性が、対照の皮膚と比べ有意に低下していたら、NMFによる皮膚バリアー機能が低下していると判断し、対照の皮膚と比べ同程度以上であるなら、NMFによる皮膚バリアー機能が健常であると判断する、(1)の方法。(3)さらに、皮膚組織におけるカルパイン−Iの活性を指標とする、(1)又は(2)の方法。(4)前記皮膚組織におけるカルパイン−Iの活性が、対照の皮膚と比べ有意に低下していたら、NMFによる皮膚バリアー機能が低下していると判断し、対照の皮膚と比べ同程度以上であるなら、NMFによる皮膚バリアー機能が健常であると判断する、(3)の方法。(5)皮膚組織におけるブレオマイシン水解酵素の活性を指標とした、NMFによる皮膚バリアー機能改善剤をスクリーニング評価する方法。(6)さらに、皮膚組織におけるカルパイン−Iの活性を指標とする、(5)の方法。(7)皮膚組織におけるブレオマイシン水解酵素の活性を亢進させることによる、NMFによる皮膚バリアー機能を改善する方法。(8)さらに、皮膚組織におけるカルパイン−Iの活性をも亢進させる、(7)の方法。 本発明の方法により、皮膚の性状、すなわちNMFによる皮膚バリアー機能状態を生化学的レベルで判定することが可能となる。種々のプロテアーゼによる脱イミノ化フィラグリンの分解。ブレオマイシン水解酵素によるカルパインIで分解した脱イミノ化フィラグリンペプチドからのアミノ酸の産生。 ブレオマイシン水解酵素は分子量250〜280kDa(六量体)の細胞質システインペプチド加水分解酵素であり、唯一知られている活性は、癌の組み合わせ化学療法に頻繁に使用される糖ペプチドブレオマイシンの代謝不活性化である。システインタンパク質分解酵素パパインスーパーファミリーの特徴的な活性部位残基を含み、コード遺伝子はヒトでは遺伝子座17q11.2に存在する(Takeda et al., J Biochem., 119, 29-36, 1996))。あらゆる組織に存在し、皮膚におけるその存在も知られていたが(Kamata et al., J. Biochem., 141, 69-76, 2007)、フィラグリンとの関係については全く知られていなかった。 カルパイン−Iはμカルパインとも称され、カルシウムイオンによって活性化される中性システインプロテアーゼである。その機能は十分には解明されておらず、細胞内のカルシウムを介したシグナル伝達に関与しているものと考えられている。ブレオマイシン水解酵素と同様にあらゆる組織に存在することが知られていたが、フィラグリンとの関係については全く知られていなかった。 本発明に係るブレオマイシン水解酵素やカルパイン−Iの測定は、ブレオマイシン水解酵素やカルパイン−Iを測定することのできる任意の方法に従い、定量的又は定性的に実施することができる。具体的には、ブレオマイシン水解酵素やカルパイン−Iに特異的な抗体を利用する免疫測定方法、例えば酵素ラベルを利用するELISA法、放射性ラベルを利用するRIA法、免疫比濁法、ウェスタンブロット法、ラテックス凝集法、赤血球凝集法等、様々な方法が挙げられる。免疫測定法の方式には競合法やサンドイッチ法が挙げられる。他に、ブレオマイシン水解酵素やカルパイン−Iはそれらをコードする遺伝子の量の測定により行うこともできる。この場合、好ましくは、ブレオマイシン水解酵素やカルパイン−Iの発現は細胞内のブレオマイシン水解酵素やカルパイン−IをコードするmRNAの量を測定することにより決定する。mRNAの抽出、その量の定量的又は定性的測定も当業界において周知であり、例えばPCR法、3SR法、NASBA法、TMA法など、さまざまな周知の方法により実施することができる。他に、ブレオマイシン水解酵素やカルパイン−Iはin situハイブリダイゼーション法やその生物活性の測定を通じて定性的に決定することができる。 天然保湿因子(NMF)による皮膚バリアー機能状態を評価する方法におけるブレオマイシン水解酵素やカルパイン−Iの量は、例えば対照の皮膚と比べ有意に低下していたら、NMFによる皮膚バリアー機能が低下していると判断し、対照の皮膚と比べ同程度以上であるなら、NMFによる皮膚バリアー機能が健常であると判断する、 「対照の皮膚と比べ有意に低下」とは、例えば皮膚医学的見地から健常であると医師により判断された正常な「対照の皮膚」と比べ、測定されたブレオマイシン水解酵素やカルパイン−Iの量が80%以下、又は70%以下、又は60%以下、又は50%以下、又は30%以下、又は10%以下である場合をいう。「対照の皮膚と比べ同程度以上」とは、例えば皮膚医学的見地から健常であると医師により判断された正常な「対照の皮膚」と比べ、測定されたブレオマイシン水解酵素やカルパイン−Iの量が例えば80%以上、又は90%以上、又は100%以上である場合をいう。 皮膚組織におけるブレオマイシン水解酵素の活性を指標とした、NMFによる皮膚バリアー機能改善剤をスクリーニング評価する方法においては、候補薬剤を作用させた皮膚におけるブレオマイシン水解酵素やカルパイン−Iの量が、例えば薬剤を作用させていない対照の皮膚と比べ、有意に亢進していたら、その候補薬剤はNMFによる皮膚バリアー機能改善剤であると判断する。「対照の皮膚と比べ有意に亢進」とは、例えば候補薬剤を作用させた皮膚における測定されたブレオマイシン水解酵素やカルパイン−Iの量が「対照の皮膚」と比べ、例えば120%以上、又は150%以上、又は200%以上である場合をいう。 皮膚組織におけるブレオマイシン水解酵素の活性を亢進させることによる、NMFによる皮膚バリアー機能を改善する方法においては、皮膚におけるブレオマイシン水解酵素やカルパイン−Iの量を、例えば当該処置方法を施す前の皮膚における量と比べ、有意に亢進させる。「有意に亢進」とは、例えばブレオマイシン水解酵素やカルパイン−Iの量を120%以上、又は150%以上、又は200%以上の値にする場合をいう。 被検体となる皮膚角層試料の採取は任意の方法で実施することができるが、簡便性の観点からテープストリッピング法が好ましい。テープストリッピングとは、皮膚表層に粘着テープ片を貼付し、剥がし、皮膚角層をその剥がした粘着テープに付着させることで角層試料を採取する方法である。テープストリッピング法を利用すれば、角層をテープ一枚採取するだけでブレオマイシン水解酵素やカルパイン−I発現の測定が可能となり、ブレオマイシン水解酵素やカルパイン−Iを指標とした非侵襲性の肌荒れ、不全角化の評価方法が可能となる。テープストリッピングの好ましい方法は、まず皮膚の表層を例えばエタノールなどで浄化して皮脂、汚れ等を取り除き、適当なサイズ(例えば5×5cm)に切った粘着テープ片を皮膚表面の上に軽く載せ、テープ全体に均等な力を加えて平たく押さえ付け、その後均等な力で粘着テープを剥ぎ取ることで行われる。粘着テープは市販のセロファンテープなどであってよく、例えばScotch Superstrength Mailing Tape (3M社製)、セロファンテープ(セロテープ(登録商標);ニチバン株式会社)等が使用できる。 以下、具体例を挙げて、本発明を更に具体的に説明する。なお、本発明はこれにより限定されるものではない。 本実験では以下の材料を使用した。 フィラグリン:(リコンビナントフィラグリンを大腸菌発現系を作製することにより調製した) rPAD:(リコンビナントPADを大腸菌発現系を作製することにより作製した) トリプシン:(Sigma社) キモトリプシン:(Sigma社) カテプシンL:(EMD Bioscience社) カルパインI:(EMD Bioscience社) カテプシンD:(EMD Bioscience社) ブレオマイシン水解酵素:(新生児ラット表皮より、非特許文献5に従い作製)実験1 本実験では、様々なプロテアーゼ(20種以上)によるフィラグリン(A)及び脱イミノ化フィラグリン(B)に対する分解作用を検討した。脱イミノ化フィラグリンはフィラグリンを50mM HEPES-NaOH バッファー(pH 7.4), 50 mM DTT, 100mM CaCl2の存在下、rPADと37℃で一晩反応し、完全に脱イミノ化させることで生成した。以下に、代表的なプロテアーゼによるフィラグリン及び脱イミノ化フィラグリンの分解結果を示す。 フィラグリン及び脱イミノ化フィラグリンをそれぞれ、20 mM Tris-HCl (pH8.0), 20 mM CaCl2の存在下、トリプシン(E:Sモル比=1:200;なお、Eは酵素、Sは基質を表す)又はキモトリプシン(E:Sモル比=1:60)と37℃で反応させ、経時的に反応溶液の一部を分取して、煮沸により反応を停止させた。SDS-PAGE後、CBB R-250染色液でゲルを染色した。 フィラグリン及び脱イミノ化フィラグリンをそれぞれ、100 mM 酢酸バッファー(pH5.0), 10 mM DTT, 5 mM EDTAの存在下、カテプシンL(E:Sモル比=1:25)と37℃で反応させ、経時的に反応溶液の一部を分取して、煮沸により反応を停止させた。SDS-PAGE後、CBB R-250染色液でゲルを染色した。 フィラグリン及び脱イミノ化フィラグリンをそれぞれ、20 mM Tris-HCl バッファー(pH 7.5), 0.5 mM CaCl2, 10 mM DTTの存在下、カルパインI(E:Sモル比=1:20)と30℃で反応させ、経時的に反応溶液の一部を分取して、煮沸により反応を停止させた。SDS-PAGE後、CBB R-250染色液でゲルを染色した。 フィラグリン及び脱イミノ化フィラグリンをそれぞれ、100 mM クエン酸バッファー(pH3.5)の存在下、カテプシンD(E:Sモル比=1:20)と37℃で反応させ、経時的に反応溶液の一部を分取して、煮沸により反応を停止させた。SDS-PAGE後、CBB R-250染色液でゲルを染色した。 スキャンしたゲルのデンシトメトリック解析をWindows(登録商標)XPコンピュータでコンピュータソフト Image Jプログラムを用いて行った。 図1にその結果を示す。調べた20種以上の酵素の中で、脱イミノ化フィラグリンに対し最も強い分解活性を示すのはカルパイン−Iであった。トリプシンやカテプシンL,Dは脱イミノ化フラグリンに対し分解活性をほとんど示さなかった。なお、カルパイン−Iは未修飾のフィラグリンに対しても分解活性を示すが、その活性は脱イミノ化フィラグリンに対するものよりも弱かった。実験2 本実験では、様々なプロテアーゼによるカルパインIで分解した脱イミノ化フィラグリンペプチドからのアミノ酸産生を検討した。以下に、ブレオマイシン水解酵素によるのアミノ酸産生結果を示す。カルパインIで分解した脱イミノ化フィラグリンペプチドからのアミノ酸産生の条件 Tris バッファーは蛍光試薬に反応するため、全ての反応をHEPES バッファー系で行った。ブレオマイシン水解酵素によって新しく生成したα-アミノ基はフルオレスカミンによるポストラベル蛍光法を用いて測定した。 フィラグリンは50mM HEPES-NaOH バッファー(pH 7.4), 50 mM DTT, 100mM CaCl2の存在下、rPADと37℃で一晩反応し、完全に脱イミノ化させた。それらをカルパインIと30℃で1時間反応後、煮沸によって反応停止した。分解されて生じたペプチド混合液には5mM EDTAを添加し、ブレオマイシン水解酵素と37℃で反応させ、経時的に反応溶液の一部を分取して、煮沸により反応を停止させた。対照溶液はブレオマイシン水解酵素の代わりにHEPES-NaOH バッファー (pH 7.4)を加え、同様に反応した。 反応後の試料溶液50μlに、20mM HEPES-NaOH (pH 8.0) 100μl, 0.3mg/mlフルオレスカミン・アセトン溶液 50μlを添加して混和後、さらに20mM HEPES-NaOH (pH 8.0) 500μlを加えてよく混和した。蛍光は励起固定波長370nm, 蛍光波長475nmで測定した。生成したアミノ基の量はL-ロイシンの標準検量線を用いて概算した。 図2にその結果を示す。ブレオマイシン水解酵素により、カルパインIにより分解された脱イミノ化フィラグリンペプチドを、カルパインIにより分解された未修飾のフィラグリンペプチドに比べ、迅速に分解性アミノ酸を産生することがわかる。 皮膚組織試料におけるブレオマイシン水解酵素の活性を指標とした、天然保湿因子(NMF)による皮膚バリアー機能状態を評価する方法。 前記皮膚組織試料におけるブレオマイシン水解酵素の活性が、対照の皮膚試料と比べ有意に低下していたら、NMFによる皮膚バリアー機能が低下していると判断し、対照の皮膚試料と比べ同程度以上であるなら、NMFによる皮膚バリアー機能が健常であると判断する、請求項1記載の方法。 さらに、皮膚組織試料におけるカルパイン−Iの活性を指標とする、請求項1又は2に記載の方法。 前記皮膚組織試料におけるカルパイン−Iの活性が、対照の皮膚試料と比べ有意に低下していたら、NMFによる皮膚バリアー機能が低下していると判断し、対照の皮膚試料と比べ同程度以上であるなら、NMFによる皮膚バリアー機能が健常であると判断する、請求項3記載の方法。 皮膚組織試料におけるブレオマイシン水解酵素の活性を指標とした、NMFによる皮膚バリアー機能改善剤をスクリーニング評価する方法。 さらに、皮膚組織試料におけるカルパイン−Iの活性を指標とする、請求項5に記載の方法。


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