生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_カカオ抽出物の使用
出願番号:2010504544
年次:2014
IPC分類:A61K 36/18,A61K 31/353,A61P 3/04,A23L 1/30,A23G 1/00,A23G 1/30,A23L 2/52


特許情報キャッシュ

バーナート, ハーウィグ アレガート, リーン JP 5450383 特許公報(B2) 20140110 2010504544 20080424 カカオ抽出物の使用 バリー カレボー アーゲー 508157299 荒船 博司 100090033 荒船 良男 100093045 バーナート, ハーウィグ アレガート, リーン US 60/926,328 20070426 GB 0719542.3 20071008 20140326 A61K 36/18 20060101AFI20140306BHJP A61K 31/353 20060101ALI20140306BHJP A61P 3/04 20060101ALI20140306BHJP A23L 1/30 20060101ALN20140306BHJP A23G 1/00 20060101ALN20140306BHJP A23G 1/30 20060101ALN20140306BHJP A23L 2/52 20060101ALN20140306BHJP JPA61K35/78 CA61K31/353A61P3/04A23L1/30 BA23G1/00A23L2/00 F A61K 36/00−36/9068 A61K 31/353 A61P 3/04 A23G 1/00 A23L 1/30 A23L 2/52 CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN) JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII) 特表2005−506948(JP,A) 特表2001−500016(JP,A) 国際公開第2007/002851(WO,A1) 米国特許出願公開第2004/0005347(US,A1) 国際公開第02/014251(WO,A1) 阿部啓子 ,ニュ-トリゲノミクス ,ファルマシア ,2006年,Vol.42,No.9,Page.894-898 Matsui N et al,Ingested cocoa can prevent high-fat diet-induced obesity by regulating the expression of genes for fatty acid metabolism ,NUTRITION,2005年,Vol.21,No.5,pp.594-601 Eteng M U et al, Theobromine rich cocoa powder induces weight loss and changes in lipid profile of obese Wistar rats ,Discovery and Innovation,2006年,Vol.18,No.3,pp.191-196 15 EP2008003322 20080424 WO2008131910 20081106 2010524993 20100722 14 20110420 鶴見 秀紀 本発明は、カカオ抽出物及びその使用に関する。具体的には、本発明は肥満の治療又は軽減におけるカカオ抽出物の使用に関する。 チョコレートとカカオは、刺激、弛緩、多幸、催淫、強壮、及び抗うつ特性を含む多くの好ましい作用を有すると広く主張されている。しかしながら、これらの主張に対する科学的根拠は定めにくいままである。確かに、一部の個人はうつによって甘い食物をひどく欲しがることがあり、人々はチョコレートを消費する快楽から、又はチョコレート中の糖の消費による低血糖の軽減から、一時的な気分の高揚を得ることがある。しかしながら、潜在的に精神活性作用又は気分を変える作用を有することが示唆されているチョコレート中の種々の化学物質(糖以外)は、一般に薬理学的に有効なレベルでは存在していない。 チョコレートを製造するためのカカオは、乾燥し部分的に発酵させたカカオの木の種子から作られる。収穫したカカオポッドを開け、パルプとカカオ豆を取り出し、外皮を捨てる。次いでパルプと豆を通常6〜7日間、山積みにするか、箱に入れるか、又は格子に広げ、この間に濃厚なパルプは発酵するにつれて液化する。発酵したパルプは流出し、残されたカカオ豆を集め、乾燥し、さらに加工して、カカオバターやカカオパウダーを作る。場合によって、この製品をアルカリで処理して、粉末の酸性度を下げる。本来は強い苦味を有する豆の品質や風味にとって発酵は重要である。発酵させていないか、又は発酵の不十分なカカオ豆は生のジャガイモに似た風味を持ち、白カビや真菌の生育に非常に影響を受けるため、食物として消費されるチョコレートの製造には用いられていない。殻を除いたカカオ豆は「カカオニブ(cocoa nib)」として知られている。 カカオは、ポリフェノール、並びにテオブロミン及びカフェインを含む、キサンチンなどの他の生物活性化合物を含有することが知られている。 肥満とは、ヒト及び他の哺乳動物の脂肪組織に貯蔵された天然のエネルギーの蓄えが、ある種の健康状態又は死亡率の上昇に結びつくところまで増加した状態である。肥満は一個体の臨床状態であるが、重大で深刻化しつつある公衆の健康問題であると次第にみなされてきている。 ポリフェノールを含有するカカオ抽出物はいくつかの用途が提案されている。例えば、WO96/010404は、抗腫瘍性であると言われているプロアントシアニジンを含有するカカオ抽出物を記載している。US7,122,574は、高血圧の治療に用いることのできるポリフェノール含有カカオ抽出物を開示している。WO03/079998は、ポリフェノールを含有するカカオ抽出物をギャップ結合連絡の欠陥に関与する疾患の治療に使用できることを述べている。 ポリフェノール以外のカカオ抽出物の活性成分も生理的作用を得るために用いられている。例えば、US6,927,280は、カカオアルブミンとその使用を開示している。US7,115,285は、エネルギーを高め、気分を高揚させながら、同時にニコチン、コーヒー、甘い食物、又はチョコレートなどの物質に対する欲望及び渇望を抑えるためのテオブロミン又はその塩を含む組成物に関する。WO2007/042745はテオブロミンで強化されているチョコレートを含む組成物を開示し、チョコレート中の活性成分を概説しており、カカオは覚醒感及び満足感と関連する可能性のある、感情の高揚をもたらして気分を変動させることのできる、神経伝達物質として作用するフェニルエチルアミン及びチラミンを含む、ヒト及び/又は動物の生理に対する影響が十分にはわかっていない多くの化学物質を含有すると述べている。 US7,122,574は、ポリフェノール含有カカオ抽出物、及び満腹感への影響を含む多くの応用例を開示している。これらの抽出物は脱脂カカオ材料から製造されている。 WO98/09533は、カカオポリフェノールレベルを高くしたカカオ成分を記載している。US2004/0096566は、カカオ豆ポリフェノール抽出物を得る方法に関する。 US2004/0005347は、ドパミンD2受容体アゴニストと共にカカオ又はその活性成分の1つを使用することを含む、肥満を含むいくつかの障害を治療するための組成物及び方法に関する。 US2003/0206981は、カカオ豆の殻から抽出された食物繊維を含む組成物を記載している。これらの組成物は代謝障害の治療に有用であると述べられている。 EP−A−1609466は、シナモン葉油、ショウガ抽出物、樹脂油、又は油、ウコン抽出油及び/又は樹脂油、カカオ抽出物、クエン酸、シトラス精油、及びαアミラーゼ阻害活性を有する白インゲン豆タンパク質画分を含む錠剤形態の組成物を過体重のヒト及び動物の処置に使用できることを述べている。このカカオ抽出物は6%のテオブロミンを含有するが、それがどのように製造されるかは明らかでない。 US2006/0210653は、ヒトの自然代謝率を上げるための組成物に関する。カカオ抽出物は記載されている多くの可能な抽出物の1つであるが、それがどのように製造されるかは示されていない。 US2006/0204599は、減量を維持するためのアカシアから得られたダイエタリーサプリメントに関する。 US2006/0134230は、カカオ抽出物を含むいくつかの抽出物を含む減量組成物を開示している。このカカオ抽出物はテオブロミンを含有するが、どのように製造されるかは示されていない。 WO02/14251は、生のカカオ豆の溶媒抽出によってカカオ豆ポリフェノール抽出物を得る方法を記載している。この抽出物は、化粧品、食物、及び治療用途を有するが、高レベルのβ−シトステロールを含有する可能性がある。 WO2007/082703は、WO02/14251に記載の方法によって製造することのできる、カカオポリフェノールのビール生産における使用に関する。 FR−A−2885050は、皮膚の脂肪細胞を治療するためのポリフェノールを含有するカカオ抽出物を含む痩身化粧品及び/又は医薬組成物を記載している。WO96/010404US7,122,574WO03/079998US6,927,280US7,115,285WO2007/042745WO98/09533US2004/0096566US2004/0005347US2003/0206981EP−A−1609466US2006/0210653US2006/0204599US2006/0134230WO02/14251WO2007/082703FR−A−2885050 肥満の治療又は軽減に有用な組成物、具体的には天然産物から得られる組成物が依然として求められている。さらに経口消費用の製剤に容易に混和することのできる、これらの利益を有する組成物も依然として求められている。例えば、食物及び飲料に混和する組成物は、望ましくは容易に分散可能であり、色及び/又は触感に関してその製品に良好な外観を付与する。 本発明によれば、肥満の治療又は軽減に使用するための、25重量%超のポリフェノール含量を有する、発酵させていないか又は3日以内発酵させた未脱脂カカオ豆の抽出によって得られるカカオ抽出物が提供される。 他の側面において、本発明は、肥満の治療又は軽減に用いるための薬剤の製造における、25重量%超のポリフェノール含量を有する、発酵させていないか又は3日以内発酵させた未脱脂カカオ豆の抽出によって得られるカカオ抽出物の使用を提供するものである。 さらなる側面において、本発明は、25重量%超のポリフェノール含量を有する、発酵させていないか又は3日以内発酵させた未脱脂カカオ豆の抽出によって得られるカカオ抽出物の有効量を投与することを含む、肥満を治療又は軽減する方法を提供する。 発酵させていないか、又は短期間、例えば3日未満発酵させた未脱脂カカオ豆から調製された本発明による抽出物は、肥満の治療におけるそれらの作用に関して利点を有することが見出された。これは驚くべきことであった。生理的作用を有すると主張されている既知のカカオ抽出物のほとんどは脱脂及び/又は発酵された豆であって、多くの場合焙煎もされている豆から得られたものである。図1は、高脂肪食中の4週にわたる体重変化の結果である。図2は、高脂肪食中の4週にわたる体脂肪変化の結果である。 本発明の抽出物は典型的に、褐色の流動性粉末である。通常、この抽出物は顕著な臭気を有さない。 本発明の抽出物は、好ましくは少なくとも27重量%、より好ましくは少なくとも30重量%、さらに好ましくは少なくとも40重量%、例えば少なくとも45重量%のポリフェノール含量を有する。ポリフェノール含量の上限は、典型的に約70重量%である。従って、好ましいポリフェノールの量には、30から70%、35%から70%、40%から70%、45%から65%、及び45%から60%が含まれ、これらの百分率は抽出物の重量による。ポリフェノールの百分率は、好ましくはFolin−Ciocalteu法(例えば、Singleton VL、Orthofer R、Lamuela−Raventos RM、Analysis of total phenols and other oxidation substrates and antioxidants by means of Folin−Ciocalteu reagent、Meth Enzymol 1999;99:152〜178に記載されている)に従って、没食子酸当量として表わす。 本発明の抽出物中のポリフェノールは、典型的にモノマー及びオリゴマーを含む。好ましくは、本発明の抽出物は、それぞれ10重量%までのモノマー、ダイマー、トリマー、テトラマー、ペンタマー、ヘキサマー、ヘプタマー、オクタマー、ノナマー、及びデカマー、並びに15重量%までのより大きいオリゴマーを含む。より好ましくは、本発明の抽出物は、抽出物の重量の5〜10%のモノマー(好ましくは少なくとも5%のエピカテキンを含む)、5〜10%のダイマー、5〜10%のトリマー、2〜8%のテトラマー、2〜8%のペンタマー、2〜8%のヘキサマー、0.5〜5%のヘプタマー、0.1〜4%のオクタマー、0.1〜3%のノナマー、及び0.05〜2%のデカマー、並びに5〜12%のより大きいオリゴマーを含む。 本発明の抽出物は、カフェイン及びテオブロミンなどのキサンチン(好ましくは、メチルキサンチン)を含有することができる。カフェインは、典型的には20:1から5:1の範囲のテオブロミンとカフェインの重量比で、テオブロミンと共に存在することができる。本発明の一実施形態において、テオブロミン含量は、少なくとも5重量%、及び好ましくは5〜11重量%である。この実施形態において、組成物は、好ましくは7:1から12:1のポリフェノール:テオブロミン重量比を有する。別の実施形態において、抽出物は、例えば超臨界二酸化炭素で処理して、テオブロミン含量及び存在する可能性のある他のキサンチンの含量を低減することができる。この種の抽出物中のテオブロミン含量を低減する方法は、その内容を参照により本明細書に組み込むWO2007/082703の実施例2.3に記載されている。この別の実施形態において、抽出物は、5重量%未満、例えば4.5重量%未満、例えば0.1から4重量%のテオブロミン含量を有する。 本発明の抽出物は、未脱脂であり、発酵させていないか、又は3日以内発酵させたカカオ豆から調製される。これらのカカオ豆は、典型的に焙煎されていない。このように、本発明の抽出物を製造するために出発材料として用いられるカカオ豆は、カカオパウダー及びチョコレートを製造するために用いられるカカオ豆と大きく異なる。典型的に、抽出物は未発酵かつ未焙煎の殻を除去したカカオ豆であるカカオニブから調製される。 カカオ豆は、好ましくは以下を含む方法によって得られる。カカオ豆を収穫し、殻を取る;豆の発酵を妨げるか、又は3日以内(より好ましくは2日未満、さらに好ましくは1日未満)豆を発酵させ、その後、乾燥によって発酵工程を止める。 本発明に用いられる未脱脂カカオ豆又はカカオニブの脂肪含量は、典型的に30重量%超、より好ましくは35重量%超、さらに好ましくは40重量%超、例えば45重量%超、例えば50重量%超である。 本発明の抽出物は、好ましくはカカオ豆の溶媒抽出によって得られる。溶媒は、好ましくは場合によって水との混合物である、C1からC6アルコール、又はC1からC6ケトン、及びそれらの混合物から選択され、例えば場合によって水との混合物である、エタノール、アセトン、2−ブタノール、2−プロパノール、及びそれらの混合物などである。特に好ましい溶媒は、水:アセトンの重量比1:1から1:9である水とアセトンの混合物を含む。好ましくは、溶媒抽出は、所望の抽出度を達成する時間及び温度、典型的には20から60°で1時間から2日間、向流法を用いて実行される。抽出後、液体溶媒抽出物を蒸発させて溶媒の一部を除去し、次いで噴霧乾燥する。溶解性を改善するために、抽出物粉末は、好ましくは流動層で凝集させる。抽出物のキサンチン(及びテオブロミン)含量は、溶媒を除去した後、超臨界二酸化炭素で抽出することによって低減することができる。 本発明の抽出物を製造するために用いることのできる方法は、WO2007/082703及びWO02/14251に記載されており、それらの内容は参照により本明細書の組み込まれる。 本発明の抽出物は、好ましくは2重量%未満のフェニルエチルアミンを含む。 本発明の抽出物は、タンパク質及び糖などのカカオ豆に由来する他の成分を含むことができる。典型的に、抽出物は15から40重量%のタンパク質、例えば20から30重量%のタンパク質を含む。抽出物は2から12重量%の糖、例えば4から10重量%の糖を含むことができる。 本発明の抽出物はカカオ脂を含む。この文脈で用いられる「脂」という用語には、ステロール、脂質、及びリン脂質、並びにモノグリセリド及びジグリセリドなどのカカオ豆中の脂質材料が含まれる。理論に拘束されることを望むものではないが、これらの1種以上のカカオ脂の成分は、本発明の抽出物の有益な生理的作用に寄与すると考えられる。脱脂していないか、又は相当な時間発酵させていないカカオ豆から本発明の抽出物を調製することによって、脱脂豆又は発酵させた豆の抽出物と比較して、これらの脂肪成分の量が増大する。 好ましくは、本発明の抽出物は、0.1から10重量%のカカオ脂、例えば0.2から8重量%、又は0.3から7重量%、又は0.5から5重量%、又は0.7から3重量%のカカオ脂を含む。好ましくは、カカオ脂は非トリグリセリド脂質である。 本発明の好ましい抽出物の例は、(i)35から70重量%のカカオポリフェノール、(ii)1から10重量%のキサンチン、(iii)2重量%未満のフェニルエチルアミン、及び(iv)0.1から10重量%のカカオ脂を含む。 本発明の別の抽出物は、50〜60%のポリフェノール、7〜10%のテオブロミン、及び2%未満のフェニルエチルアミンを含む。例えば、この抽出物は、54〜58重量%のポリフェノール、8〜9重量%のテオブロミン、及び0.5〜1.5重量%のフェニルエチルアミンを含むことができる。これらの組成物において、脂肪含量は、好ましくは1%以下であり、かつ/又は糖含量は3%以下である。 本発明の1種以上の抽出物を混合して、混合抽出組成物を形成することができる。 抽出物は、本発明において肥満を治療又は軽減するために(好ましくはヒトにおいて)用いられる。本明細書で用いられる「肥満」という用語は、肥満及び過体重状態を指す。これらの状態は、ボディマス指数、ウエストとヒップの比、又は体脂肪を測定することによって決定することができる。本発明の抽出物は、それらの作用を満腹作用、食欲抑制、あるいは抗うつ又は気分高揚作用に依存しない。理論に拘束されることを望むものではないが、その代わりに、これらの抽出物は代謝及び/又は対象によって脂肪が燃焼される割合を上昇させる作用を有すると考えられる。従って本発明は、代謝を上昇させることによる肥満の治療又は軽減を提供し、他の側面において、代謝率を上昇させるための抽出物の使用に関する。 本発明の抽出物及び組成物は、好ましくはカカオ抽出物に加えられたドパミンD2受容体アゴニストを含有しない(例えば、カカオ抽出物以外の植物抽出物由来)。 本発明の抽出物は、好ましくは経口消費用に製剤化される。例えば、抽出物は、食品(foodstuff)又は菓子製品の一部として提供することができる。典型的に、抽出物は0.1重量%から50重量%、例えば0.5重量%から10重量%の量で食品又は菓子製品に含まれる。 食品及び菓子製品には、例えば脂肪連続相を有するもの、並びに水連続相を有するものが含まれる。食品は食物及び飲料を含む。 飲料には、熱くして又は冷やして消費するように適合されたものが含まれる。飲料は、甘味料、香味剤、着色剤、安定剤、及び保存剤から選択された1種以上の添加剤を含む。飲料は、典型的に50%から99%の水を含む。飲料は、典型的にその中に分散及び/又は懸濁された本発明の抽出物を含む。本発明の抽出物は、水を添加し混合すると飲料に変換できる粉末として製剤化することもできる。 食品は、典型的にタンパク質、脂肪、及び炭水化物の1種以上を含む。食品には乳製品及び菓子製品が含まれる。好ましい食品は、植物脂及び/又はカカオ脂を含む。特に好ましい食品には、カカオ固体及び糖を含むチョコレート及びチョコレート様製品が含まれる。例えば、本発明の抽出物は0.1重量%から50重量%、例えば0.5重量%から25重量%の量で従来のチョコレート又はチョコレート様製品に含まれることができる。 チョコレート又はチョコレート様製品は、好ましくはカカオ材料、糖、糖代替物、粉乳、脂肪、乳化剤、香味剤、及びそれらの混合物からなる群から選択された1種以上の成分を含む。 好ましくは、カカオ材料は、カカオパウダー、カカオマス、カカオリカー、カカオバター、及びそれらの混合物から選択される。粉乳には、例えば、脱脂粉乳、ホエー粉末及びその誘導体、全乳粉乳、及びそれらの混合物が含まれる。適切な糖には、スクロース、フルクトース、グルコース、及びデキストロース、並びにそれらの混合物が含まれる(スクロースが好ましい)。糖代替物には、好ましくはイヌリン、デキストリン、イソマルツロース、ポリデキストロース、及びマルチトール、並びにそれらの混合物が含まれる。脂肪には、バター脂肪又はその分別物、パーム油又はその分別物、ココナツ又はその分別物、パーム核油又はその分別物、液状油(例えば、ヒマワリ油及び/又はナタネ油)、上記の脂肪あるいはそれらの分別物又は硬化成分のエステル交換混合物、あるいはそれらの混合物が含まれる。乳化剤には、レシチン、分別レシチン、及びPGPR、又はそれらの混合物が含まれる。香味剤には、バニラ及びカラメル、又はそれらの混合物が含まれる。 チョコレート及びチョコレート様製品はビスケット、ナッツ類(全体又は小片)、クリスピー、スポンジ、ウエハース、又は果実、例えばチェリー、ショウガ、及びレーズン、又は他の乾燥果実などの1種以上の食物添加物を含むことができる。これらの添加物は、通常は製品に埋め込まれる。 あるいは、抽出物は医薬組成物又はサプリメントとして提供することもできる。 医薬組成物は、好ましくは、錠剤、丸剤、カプセル剤、カプレット剤、多粒子剤(顆粒、ビーズ、ペレット、及びマイクロカプセル化粒子を含む)、粉剤、エリキシル剤、シロップ剤、懸濁剤、及び液剤の形態である。医薬組成物は、医薬的に許容される希釈剤又は担体を含む。医薬組成物は、好ましくは非経口(例えば、経口)投与用に適合されている。経口投与可能な組成物は、固体又は液体形態であることができ、錠剤、粉剤、懸濁剤、及びシロップ剤の形態をとることができる。場合によって、組成物は1種以上の香味剤及び/又は着色剤を含む。そのような組成物で用いるのに適した医薬的に許容される担体は、薬学分野で周知である。本発明の医薬組成物は、0.1〜99重量%の抽出物を含有することができる。 サプリメントは、例えば液体形態(例えば、溶液、分散液、又は懸濁液)及び/又はカプセルに封入された抽出物を含むことができる。サプリメント(この用語にはダイエタリー製品及び栄養製品が含まれる)は、好ましくはゼラチン、グリセロール、デンプン、加工デンプン、デンプン誘導体、例えばグルコース、スクロース、ラクトース、及びフルクトースなどからなる群から選択された、封入材料を含む軟質ゲル又は硬カプセルの形態をとることができる。封入材料は、場合によって架橋剤又は重合剤、安定剤、抗酸化剤、感光性充填物を保護するための光吸収剤、保存剤などを含有することができる。好ましくは、食物サプリメント中の抽出物の量は1mgから1000mg(例えば、50から500mg)である。 本明細書で用いられる「有効量」という用語は、肥満の治療において、患者に単回又は複数回投与されたときに有効である抽出物又は組成物の量を指す。本発明の抽出物の有効量は、一般にヒト成人の場合、約0.1から20g/日、例えば1〜10g/日、もっとも好ましくは0.5から5g/日である。この1日用量を1日1回、又は分割量で投与することができる。抽出物は、経口、経皮、又は直腸的に、好ましくは経口的に投与できる。有効量は、既知の技法を用い、類似の環境下で得られた結果を観察することにより、当業者としての担当診断医が容易に決定することができる。有効量又は用量の決定において、いくつかの要因が担当診断医によって検討され、それにはこれに限定されるものではないが、哺乳動物の種、その大きさ、年齢、及び全身の健康状態、関与する特定の疾患又は障害、疾患又は障害の程度、又は関与の程度、又は重篤度、個々の患者の応答、投与される特定の化合物、投与様式、投与される調剤のバイオアベイラビリティ特性、選択される投与計画、併用薬剤の使用、及び他の関連する状況が含まれる。 本明細書における先に公開されたと考えられる文献の列挙又は議論は、その文献が最新技術の一部であるか、又は共通の一般的知識であることを認めているものとして必ずしも解釈されるべきではない。 以下の非限定的な実施例は本発明を例示するものであり、いずれの形でも本発明の範囲を制限するものではない。実施例及び本明細書を通じて、すべての百分率、部、及び比は、別段の指示のないかぎり重量による。 高脂肪食の雌Sprague−Dawleyラットにおけるカカオポリフェノール抽出物の抗肥満作用の評価抽出物 70/30のアセトン/水混合物を用い、向流法でカカオニブ(未発酵及び未焙煎の殻を除いたカカオ豆)を抽出することによって、抽出物を調製した。その液体抽出物を蒸発させ、次いで噴霧乾燥する。溶解性を改善するために、抽出物粉末を流動層で凝集させる。 抽出物は以下の組成を有した(重量%)。 ポリフェノール含量(総ポリフェノールの重量%)は以下のとおりであった。 没食子酸及び没食子酸誘導体は検出されなかった。処置 試験は雌Sprague−Dawleyラット24頭を用いて行った。1日用量のカカオポリフェノール抽出物48mg/kg体重(BW)(n=12)又はプラシーボ(天然水10ml/kgBW)(n=12)を高脂肪食(ラード31%及びダイズ油3%)中4週間与えた。カカオポリフェノール抽出物(48mg/kgBW)は、食餌及び水消費に影響を及ぼすことなく、ラットの体重増加を有意に制限し、脂肪量の増加を有意に低減することによって、抗肥満作用を示した。CPT−1発現(酵素)に対する作用は、脂肪異化の上昇という仮説を実証する。第4週のBWは、プラシーボ群の第4週のBWと比較して、カカオポリフェノール群では7%低下している。 TG:総増加量、TFI:総摂餌量、CPT−1:カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ、横1列の異なる文字は統計的有意差P<0.05を示す。 脱脂及び未脱脂カカオポリフェノール抽出物の比較 脱脂ポリフェノール抽出物を以下のとおり調製した。 脱脂カカオケークをホモジナイザ(Waringブレンダ)で粉砕し、ヘキサンの一部を添加した。混合物を室温及び約400rpmで30分間攪拌した。30分後、この混合物をガラスフィルタ3型で濾過した。残留物を回収し、オイルポンプを用いて高真空下で乾燥した。この残留物を同じ抽出条件を用い、別量のヘキサンで抽出した。残留物を回収し、アセトン/水を用いるさらなる抽出のために高真空下で乾燥した。2度のヘキサン抽出及び高真空下での乾燥後にフィルタに回収したカカオパウダーを、0.5%酢酸を添加した(pH=3)アセトン/水(1/1、v/v)混合物を用いて抽出した。この混合物を室温及び約400rpmで30分間攪拌した。30分後、この混合物をガラスフィルタ3型で濾過した。残留物を回収し、同じ抽出条件を用い、0.5%酢酸を添加した(pH=3)別量のアセトン/水(1/1、v/v)混合物で抽出した。濾液を合わせ、真空下、エバポレータで溶媒を除去した。残存する水画分を48時間凍結乾燥した。抽出物はポリフェノール含量(Folin)31.75%を有した。 本発明のカカオポリフェノール抽出物を、全体として実施例1に記載のとおりであるが、脱脂豆の抽出物と比較可能なポリフェノール含量を有するように未脱脂カカオ豆から調製した。 本発明のカカオポリフェノール抽出物(AP48と称する)及び脱脂カカオ豆のカカオポリフェノール抽出物(M48と称する)を共に、肥満を誘発した雌Sprague−Dawleyラットに4週間、48mg/kgBWの用量で経口投与した。 処置前及び処置後に体重及び最終体脂肪量を求め、その結果は以下のとおりであった。 高脂肪食中の4週にわたる(0週に開始し、4週に終了)体重変化を下記の表に示し、それらの結果を図1に図示する。 高脂肪食中の4週にわたる体脂肪(%)変化の結果を下記の表に示し、図2に図示する。 両方の抽出物が、体重の増加を有意に制限し、体脂肪量の増加を抑制又は制限することによって、誘発された肥満の影響を低減した。測定したすべてのパラメータにおいて、本発明の抽出物でより高い効果が観察された。 経口投与による肥満の治療又は軽減に使用するための医薬組成物の製造におけるカカオ抽出物の使用であって、前記カカオ抽出物は25重量%超のポリフェノール含量を有する、発酵させていないか又は3日以内発酵させた未脱脂カカオ豆から得られる未脱脂カカオニブの抽出によって得られる、カカオ抽出物の使用。 前記カカオ抽出物が、少なくとも30重量%のポリフェノール含量を有する、請求項1に記載の抽出物の使用。 前記カカオ抽出物が、30から70重量%のポリフェノール含量を有する、請求項1に記載の抽出物の使用。 前記カカオ抽出物が、少なくとも5重量%のテオブロミン含量を有する、請求項1から3のいずれか一項に記載の抽出物の使用。 前記カカオ抽出物が、5重量%未満のテオブロミン含量を有する、請求項1から3のいずれか一項に記載の抽出物の使用。 前記カカオ抽出物が、カカオ豆から得られる未脱脂カカオニブの溶媒抽出によって得られる、請求項1〜5のいずれか一項に記載の抽出物の使用。 前記カカオ抽出物を抽出する溶媒が、炭素数が1〜6のアルコール又はケトン、及びそれらの混合物、またはそれらと水との混合物から選択される、請求項6に記載の抽出物の使用。 前記カカオ抽出物を抽出する溶媒が、エタノール、アセトン、2−ブタノール、2−プロパノール、及びそれらの混合物、またはそれらと水との混合物から選択される、請求項7に記載の抽出物の使用。 前記カカオ抽出物が、2重量%未満のフェニルエチルアミンを含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の抽出物の使用。 前記カカオ抽出物が、0.1から10重量%のカカオ脂を含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の抽出物の使用。 前記カカオ抽出物が、0.2から5重量%のカカオ脂を含む、請求項10に記載の抽出物の使用。 カカオ脂が非トリグリセリド脂質である、請求項10又は11に記載の抽出物の使用。 前記カカオ抽出物が、(i)35から70重量%のカカオポリフェノール、(ii)1から10重量%のキサンチン、(iii)2重量%未満のフェニルエチルアミン、及び(iv)0.1から10重量%のカカオ脂を含む、請求項1〜12のいずれか一項に記載の抽出物の使用。 前記カカオ抽出物が、15から40重量%のタンパク質を含む、請求項1〜13のいずれか一項に記載の抽出物の使用。 前記カカオ抽出物が、2から12重量%の糖を含む、請求項1〜14のいずれか一項に記載の抽出物の使用。


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