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タイトル:特許公報(B2)_固体分散体とその医薬組成物、並びにそれらの製造方法
出願番号:2010502820
年次:2014
IPC分類:A61K 47/04,A61K 47/30,A61K 47/36,A61K 9/20


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吉田 一志 大窪 教道 坂田 純一 金澤 一 JP 5437232 特許公報(B2) 20131220 2010502820 20090310 固体分散体とその医薬組成物、並びにそれらの製造方法 あすか製薬株式会社 000002990 鍬田 充生 100090686 吉田 一志 大窪 教道 坂田 純一 金澤 一 JP 2008061126 20080311 JP 2009030376 20090212 20140312 A61K 47/04 20060101AFI20140220BHJP A61K 47/30 20060101ALI20140220BHJP A61K 47/36 20060101ALI20140220BHJP A61K 9/20 20060101ALI20140220BHJP JPA61K47/04A61K47/30A61K47/36A61K9/20 A61K 9/00〜 9/72 47/00〜47/48 31/00〜31/80 特表2007−508249(JP,A) 特表2007−508248(JP,A) 29 JP2009054517 20090310 WO2009113522 20090917 41 20120221 平井 裕彰 本発明は、粉末状多孔質担体を用いた固体分散体において、水に対して難溶性の活性成分(フィブラート系活性成分など)の溶出性が改善された固体分散体、この固体分散体を含む医薬組成物、並びにそれらの製造方法に関する。 水に対して難溶性の活性成分(フィブラート系活性成分など)は溶出性又は分散性が低いため、生物学的利用能(生物学的利用性又はバイオアベイラビリティー)が著しく低下する。このような活性成分の溶出性を改善するため、種々の製剤処方、例えば、活性成分の微細化、活性成分を可溶化する担体中に活性成分を分散させた固体分散体、粉末状多孔質担体に活性成分を含浸担持した固体分散体などが検討されている。 例えば、欧州公開EP330532号公報(特許文献1)には、界面活性剤(特に、ラウリル硫酸ナトリウム)とフェノフィブラートとを共微粉砕することにより、フェノフィブラートの生物学的利用能を向上させることが開示されている。国際公開第WO98/31361号パンフレット(特許文献2)には、不活性担体に、微粉化したフェノフィブラート及び界面活性剤を懸濁させた親水性ポリマーを付着させることにより、フェノフィブラートの生物学的利用能を向上することが開示されている。しかし、これらの製剤では、依然として薬物の溶出性又は分散性が十分でなく、生物学的利用能も十分に満足のいくものではない。また、活性成分の粒子径が微細化するに伴って、取り扱い性が低下する。 特表2003−500439号公報(特許文献3)には、フィブラート及びスタチンなどの脂質調整剤とポリエチレングリコールなどの賦形剤とが共融混合物を生成した組成物が開示されている。特開2007−161588号公報(特許文献4)には、フェノフィブラートをポリエチレングリコールとともに融解混合した後、固化させることにより調製した固体分散体であって、固体分散体に対するフェノフィブラートの割合が50質量%以上である固体分散体が開示されている。しかし、これらの固体分散体では、薬理活性成分の種類によって使用可能で溶融可能な担体成分が大きく制約される。また、薬理活性成分と担体成分とを溶融混合するため、熱的に安定な成分にしか適用できない。 多孔性担体を利用した固体分散体について、例えば、「ケミカル アンド ファーマシューティカル ブルティン(Chemical & Pharmaceutical Bulletin)」(日本)、35(9)、1987年、p3800−3806(非特許文献1)では、担体として、多孔性粉体の一つであるコロイダルシリカを用い、水系からの噴霧乾燥により難溶性薬物の溶解性を改善させている。日本薬学会年会講演要旨集、121、1999年、p103(非特許文献2)では、インドメタシン又はトルブタミドに担体コロイダルシリカを添加して、主薬の結晶性を変化させ、溶出性を改善させている。特開2004−10575号公報(特許文献5)では、イトラコナゾールに無機多孔性物質(ケイ酸カルシウム、軽質無水ケイ酸など)を配合し、イトラコナゾールの溶出性を改善させている。特開2004−238348号公報(特許文献6)では、ケイ酸又はその塩からなる芯物質に、イトラコナゾール溶液を吸着及び/又は被覆し、イトラコナゾールの生物学的利用能を改善させている。特開2006−506388号公報(特許文献7)には、疎水性で高度に分散性の二酸化ケイ素を含有する医薬組成物及び化粧品組成物において、二酸化ケイ素が70〜400g/Lの突き固め密度を有する医薬組成物及び化粧品組成物が開示され、二酸化ケイ素のBET比表面積が50〜400m2/gであることも記載されている。特開2006−248922号公報(特許文献8)には、インドメタシン、アセトアミノフェンなどの薬物とシリカとを噴霧乾燥した複合粒子と、他の成分との混合物を打錠した錠剤が開示されている。 しかし、無水ケイ酸などの多孔質担体が嵩高いため、固体分散体を圧縮成形しても固形製剤が大型化する。特に、圧縮成形すると、無水ケイ酸などの多孔質担体が強く結合するため、固形製剤の分散性又は崩壊性が低下し、却って活性成分の溶出性が低下する。 国際公開第WO 2004/096280号パンフレット(特許文献9)には、超難水溶性薬物と多孔体とを含有する組成物を、二酸化炭素の超臨界液体又は亜臨界液体で処理して得られる薬物含有組成物が開示されている。この文献には、ケイ酸又はその塩として「サイリシア」(富士シリシア(株)製)とともに真球状多孔性シリカ「サンスフェアH−51」(旭硝子(株)製)を用いた例も記載され、組成物からの薬物の溶出性が向上することが記載されている。しかし、薬物の溶出性を向上させるためには、耐圧性容器に薬物と多孔体とを入れて二酸化炭素を充填し、加熱加圧して二酸化炭素の超臨界液体又は亜臨界液体で処理する必要がある。そのため、製造工程が複雑化し、工業的に不利である。さらに、前記組成物を圧縮成形すると、製剤の分散性又は崩壊性が低下し、薬物の溶出性が低下する場合がある。 国際公開第WO 2005/034920号パンフレット(特許文献10)には、疎水性、親水性又は水混和性であるビヒクル(ポリエチレングリコールなどのベヒクル)中に溶解したフィブラートを含む固体経口投与形態、さらに賦型剤を含む固体投与形態が開示され、担体又は賦形剤(吸油材料)としてAeroperl(商標)300(Degussa社)も記載されている。この文献には、ビヒクルを液体形態とし、フィブラートの融点未満の温度で液体ビヒクルを保持し、ビヒクル中に所望量のフィブラートを溶解させ、得られた溶液を、ビヒクルの融点未満の温度を有する固体担体上にスプレーし、得られた組成物を機械的に処理して粒子を得た後、前記微粒子材料を慣用方法に供して固体経口投与形態を製造する方法も記載されている。しかし、この方法では、フィブラートをビヒクルに加熱して溶解することにより固体分散体を調製し、この溶融状態の固体分散体を担体にスプレーする必要があり、特殊なスプレー装置を必要とすると共に、操作が煩雑である。また、固体分散体を調製するためには、フィブラートに対して比較的多くのビヒクルを必要とする。さらに、ビヒクルの融点未満の温度を有する固体担体上に溶融した固体分散体をスプレーして沈着するため、担体の表面に活性成分が偏在するとともに、固体投与形態からのフィブラートの溶出性はフィブラートとビヒクルとの溶融固体分散体により支配され、フィブラートの溶出性を大きく向上できない。そのため、製剤を小型化しつつ、少ない含量でフィブラートの生物学的利用能を大きく改善することが困難である。欧州公開EP330532号公報(特許請求の範囲)国際公開第WO98/31361号パンフレット(特許請求の範囲)特表2003−500439号公報(特許請求の範囲)特開2007−161588号公報(特許請求の範囲)特開2004−10575号公報(特許請求の範囲)特開2004−238348号公報(特許請求の範囲)特開2006−506388号公報(特許請求の範囲)特開2006−248922号公報(特許請求の範囲)国際公開第WO 2004/096280号パンフレット(特許請求の範囲)国際公開第WO 2005/034920号パンフレット(特許請求の範囲)「ケミカル アンド ファーマシューティカル ブルティン(Chemical & Pharmaceutical Bulletin)」(日本)、35(9)、1987年、p3800−3806「日本薬学会年会講演要旨集」、121、1999年、p103 従って、本発明の目的は、水に対して難溶性の活性成分(フィブラート系化合物など)の溶出性又は分散性、並びに生物学的利用能を従来製剤と比較して含有量が少ない活性成分にも係らず顕著に改善できる固体分散体及びその製造方法、並びに前記固体分散体で構成された医薬組成物(又は医薬製剤)を提供することにある。 本発明の他の目的は、製剤を小型化できる固体分散体及びその製造方法、並びに前記固体分散体で構成された医薬組成物(又は医薬製剤)を提供することにある。 本発明のさらに他の目的は、圧縮成形しても活性成分の溶出性を向上できる固体分散体及びその製造方法、並びに前記固体分散体で構成された医薬組成物(又は医薬製剤)を提供することにある。 本発明の別の目的は、固体分散体並びに前記固体分散体で構成された医薬組成物を簡便かつ容易に製造できる方法を提供することにある。 本発明者らは、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、水に対して難溶性の活性成分(フィブラート系化合物など)を含む固体分散体において、多孔質担体として特定の多孔質ケイ素系担体を用いると、超臨界流体などで処理することなく、圧縮成形しても前記活性成分の溶出性及び生物学的利用能を大きく改善できることを見いだし、本発明を完成した。 すなわち、本発明の固体分散体は、水に対して難溶性の活性成分と、この活性成分を含浸して担持する粉末状多孔質担体とで構成された固体分散体であって、前記多孔質担体が、温度950℃で2時間加熱したとき、減量が小さな多孔質ケイ素系担体を含む。すなわち、前記多孔質ケイ素系担体は、有機又は無機質カップリング剤などによる表面処理、焼成などの熱処理によりシラノール基の濃度が低減している。例えば、乾燥させて水分を除去した後、局方2.43「強熱減量試験法」などの試験法に従って、温度950℃で2時間加熱したとき、多孔質ケイ素系担体の減量(灼熱減量)は、4重量%以下(例えば、3.5重量%以下、特に3.0重量%以下)である。粉末状多孔質担体は少なくとも前記特性の多孔質ケイ素系担体で構成されていればよい。また、この固体分散体は、超臨界流体又は亜臨界流体で処理することなく調製されている。また、マトリックス成分中に活性成分が分子状又は微粒子状の形態で溶解又は分散した固体分散体の溶融物を多孔質担体に噴霧することなく、本発明の固体分散体を得ることができる。活性成分は多孔質担体に含浸して担持されていてもよく、通常、均一に担持されている。前記加熱減量特性を有する多孔質ケイ素系担体は球状多孔質ケイ素系担体で構成してもよく、前記多孔質ケイ素系担体は焼成シリカ(ヒュームド・シリカ)などであってもよい。前記加熱減量特性を有する多孔質ケイ素系担体の赤外線吸収スペクトルにおいて、波数3800cm−1での吸収強度をI0、波数3650cm−1での吸収強度をI1、波数3600cm−1での吸収強度をI2、波数3550cm−1での吸収強度をI3、波数3500cm−1での吸収強度をI4、波数3450cm−1での吸収強度をI5、波数3400cm−1での吸収強度をI6、波数3350cm−1での吸収強度をI7、波数3300cm−1での吸収強度をI8、波数3200cm−1での吸収強度をI9、波数3100cm−1での吸収強度をI10としたとき、多孔質ケイ素系担体は以下の少なくとも1つの強度比を示す。 (1-2)強度比(I2/I0):8〜18 (1-3)強度比(I3/I0):10〜40 (1-4)強度比(I4/I0):15〜70 (1-5)強度比(I5/I0):20〜95 (1-6)強度比(I6/I0):15〜75 (1-7)強度比(I7/I0):10〜45 (1-8)強度比(I8/I0):8〜25 (2-2)強度比(I4/I1):6〜10.5 (2-3)強度比(I5/I1):7〜15 (2-4)強度比(I6/I1):6.5〜12 (2-5)強度比(I7/I1):3.5〜6.7 (3-1)強度比(I4/I2):3〜3.9 (3-2)強度比(I5/I2):3.5〜5.6 (3-3)強度比(I6/I2):3〜4.5 多孔質ケイ素系担体は、平均細孔径5〜40nm(例えば、10〜40nm)、JIS K5101に準じた吸油量75〜500ml/100g(例えば、175〜500ml/100g)を有していてもよい。さらに、多孔質ケイ素系担体は、レーザー回折法による平均粒子径1〜50μm、BET法による比表面積250〜1200m2/g、細孔容積0.5〜5ml/gを有していてもよい。多孔質ケイ素系担体は、温度950℃で2時間加熱後の減量3.0重量%以下、吸油量200〜400ml/100g、比表面積300〜1000m2/gを有する球状シリカであってもよい。多孔質ケイ素系担体は、内部にナノメータ単位の微細孔を無数に有し、粒子体積の50〜85%を空間が占める単分散粒子であってもよい。多孔質ケイ素系担体は、静置法による沈降容積(見掛け比重)10〜50ml/5gを有していてもよい。多孔質ケイ素系担体は球状シリカ(球状二酸化ケイ素など)であってもよい。さらに、多孔質担体は前記加熱減量特性を有する多孔質ケイ素系担体単独で構成してもよく、前記加熱減量特性を有する多孔質ケイ素系担体と、他の多孔質担体とで構成してもよい。多孔質ケイ素系担体と他の多孔質担体との割合は、例えば、前者/後者=50/50〜100/0(重量比)程度であってもよい。 前記活性成分は、生理活性成分であってもよく、薬理活性成分であってもよい。薬理活性成分としては、高脂血症治療薬、高血圧治療薬、抗肥満薬、利尿薬、抗血栓薬、糖尿病治療薬、糖尿病性合併症治療薬などが例示できる。前記薬理活性成分は、フィブラート系化合物、例えば、ベザフィブラート、クリノフィブラート、クロフィブラート、フェノフィブラート、ベクロブラート、ビニフィブラート、シプロフィブラート、エトフィブラート、ゲムフィブロジル、ニコフィブラート、ピリフィブラート、ロニフィブラート、シムフィブラート、シンフィブラート、テオフィブラート又はこれらの遊離酸、若しくは活性代謝物若しくはそれらの塩から選択された少なくとも一種であってもよい。前記活性成分の担持量は、粉末状多孔質担体1重量部に対して0.01〜5重量部程度であってもよい。 本発明の固体分散体において、結晶性活性成分は、結晶、半結晶又は非晶質の形態で多孔質担体に担持されていてもよい。結晶性活性成分は、非晶質の形態で担持されている場合が多い。 さらに、多孔質担体には前記活性成分に加えて水溶性添加剤成分がさらに担持されていてもよい。多孔質担体には、前記活性成分に加えて、水溶性高分子、糖類、界面活性剤及び脂質のうち少なくとも一種の添加剤成分がさらに担持されていてもよい。添加剤成分は、ビニルピロリドンの単独又は共重合体、ポリビニルアルコール、アクリル酸の単独又は共重合体、ポリエチレングリコール、セルロースエーテル類、糖類、糖アルコール類、アニオン性界面活性剤及び非イオン性界面活性剤から選択された少なくとも一種であってもよい。さらに、各添加剤成分の割合は、水に対して難溶性の活性成分100重量部に対して1〜30重量部であってもよく、添加剤成分の総量は、水に対して難溶性の活性成分100重量部に対して1〜50重量部(例えば、3〜50重量部、特に5〜30重量部)であってもよい。水に対して難溶性の活性成分及び添加剤成分(水溶性添加剤成分)は、通常、多孔質担体の全体に亘り均一に含浸されて担持されている。 本発明の方法では、超臨界流体(超臨界二酸化炭素流体など)又は亜臨界流体(亜臨界二酸化炭素流体など)で処理することなく、水に対して難溶性の活性成分が粉末状多孔質担体に担持された固体分散体を製造する。この方法において、前記難溶性の活性成分の有機溶媒溶液(室温、特に、温度10℃で液体溶液)を、前記加熱減量特性を有する多孔質ケイ素系担体を含む粉末状多孔質担体に含浸させ、有機溶媒を除去することにより、前記活性成分が前記多孔質担体に担持された固体分散体を製造できる。有機溶媒溶液は、水溶性高分子、糖類及び界面活性剤から選択された少なくとも一種の成分を含んでいてもよい。有機溶媒溶液は、通常、温度10℃で液体であり、室温で有機溶媒溶液に粉末状多孔質担体を浸漬し、粉末状多孔質担体に有機溶媒溶液を含浸させ、混合物を乾燥して有機溶媒を除去してもよい。より具体的には、活性成分の有機溶媒溶液と粉末状多孔質担体との混合液を噴霧乾燥させることにより、固体分散体を製造できる。 本発明は、前記固体分散体で構成されている医薬組成物も包含する。この医薬組成物は、複数の活性成分を含み、少なくとも1つの活性成分が水に対して難溶性の活性成分である医薬組成物であってもよい。このような医薬組成物において、少なくとも水に対して難溶性の活性成分が前記加熱減量特性を有する多孔質ケイ素系担体を含む粉末状多孔質担体に担持されていてもよい。また、投与量の多い活性成分と投与量の少ない活性成分とを含み、少なくとも投与量の多い活性成分が水に対して難溶性の活性成分である医薬組成物であってもよい。このような医薬組成物において、少なくとも水に対して難溶性の活性成分が前記粉末状多孔質担体に担持されていてもよい。例えば、フィブラート系化合物とスタチン系化合物とを含み、少なくともフィブラート系化合物が前記加熱減量特性を有する多孔質ケイ素系担体を含む粉末状多孔質担体に担持された医薬組成物であってもよい。医薬組成物は、さらに、賦形剤、結合剤、崩壊剤及び滑沢剤から選択された少なくとも一種の担体成分を含んでいてもよい。本発明では、前記固体分散体を用いるため、圧縮成形しても活性成分の溶出性が低下することがない。そのため、医薬組成物は固体分散体が圧縮成形された製剤(固形製剤)であるのが好ましい。本発明の方法では、前記固体分散体を少なくとも圧縮する工程を経て医薬組成物を製造する。 なお、本明細書において、「固体分散体」とは、多孔質マトリックスとしての固体多孔質担体に、活性成分が微粒子又は分子状態で分散して担持された分散体を意味し、溶融可能な有機固体マトリックス(非多孔質マトリックス)中に活性成分が微粒子又は分子状態で溶解又は分散した溶融可能な分散体(固体分散体)が、固体多孔質担体に担持された形態を含まない。本明細書では、前記加熱減量特性を有する多孔質ケイ素系担体を、単に「第1の多孔質担体」といい、他の多孔質担体を、単に「第2の多孔質担体」という場合がある。 本発明では、固体分散体の多孔質担体として第1の多孔質担体(特定の多孔質ケイ素系担体)を用いるため、水に対して難溶性の活性成分の溶出性又は分散性を大きく改善でき、従来製剤と比較して少ない活性成分の含量にも係らず生物学的利用能を大幅に向上できる。また、第1の多孔質担体を用いるため、製剤(医薬組成物又は医薬製剤)を小型化でき、患者のコンプライアンスを改善できる。さらに、圧縮成形しても活性成分の溶出性を大きく向上できる。また、超臨界流体(超臨界二酸化炭素流体など)又は亜臨界流体(亜臨界二酸化炭素流体など)で処理することなく、含浸、乾燥という簡単な操作で固体分散体並びに固体分散体で構成された医薬組成物を容易に製造できる。図1は実施例1〜7で用いた第1の多孔質担体の赤外線吸収スペクトルである。図2は実施例4〜7で用いた第2の多孔質担体の赤外線吸収スペクトルである。図3は実施例1〜7の錠剤及び対照製剤の溶出試験の結果を示すグラフである。図4は実施例3の錠剤と対照製剤の吸収性試験の結果を示すグラフである。図5は実施例8で用いた第1の多孔質担体の赤外線吸収スペクトルである。図6は実施例8の錠剤及び対照製剤の溶出試験の結果を示すグラフである。図7は実施例11及び比較例1の錠剤の溶出試験の結果を示すグラフである。図8は実施例25で用いた第1の多孔質担体の赤外線吸収スペクトルである。図9は実施例25の錠剤及び対照製剤の溶出試験の結果を示すグラフである。発明の詳細な説明 [固体分散体] 本発明の固体分散体は、水に対して難溶性の活性成分と、この活性成分を含浸して担持する粉末状多孔質担体とで構成されている。活性成分は、通常、多孔質マトリックスとしての粉末状多孔質担体に含浸又は浸透して担持されており、粉末状多孔質担体の全体に亘り均一に担持されている。また、本発明の固体分散体は、水に対して難溶性の活性成分と粉末状多孔質担体とを含有する組成物を超臨界流体(超臨界二酸化炭素流体など)又は亜臨界流体(亜臨界二酸化炭素流体など)で処理することなく調製されており、また溶融可能な有機固体マトリックス中に活性成分が微粒子又は分子状態で溶解又は分散した溶融可能な分散体(固体分散体)を加熱して溶融し、溶融した固体分散体を固体多孔質担体に噴霧して担持させることなく調製されている。なお、水に対する難溶性の活性成分の溶解度は、温度25℃において、1mg/mL以下、好ましくは0.1mg/mL以下、さらに好ましくは0.01mg/mL以下である。 難溶性の活性成分は、生理活性を有していてもよく、薬理活性を有していてもよい。難溶性の活性成分の種類は特に制限されず、例えば、高脂血症治療薬、狭心症治療薬、高血圧治療薬、低血圧治療薬、抗肥満薬、心不全治療薬、心筋梗塞治療薬、抗不整脈薬、糖尿病治療薬、糖尿病性合併症治療薬、消化性潰瘍治療薬、解熱剤、鎮痛剤、抗炎症薬、健胃・消化・制酸・制吐薬、鎮咳去たん薬、気管支喘息治療薬、便秘治療薬、下痢治療薬、肝疾患治療薬、胆道・脾臓系治療薬、痔治療薬、甲状腺疾患治療薬、高尿酸血症治療薬、リウマチ治療薬、抗生物質、抗うつ薬、抗アレルギー薬、抗結核薬、前立腺肥大症治療薬、骨粗鬆症治療薬、アルツハイマー病治療薬などがあげられる。 高脂血症治療薬としては、HMG−CoA還元酵素阻害剤、例えば、シンバスタチン、ロバスタチン、アトルバスタチン、ピタバスタチン、ロスバスタチン、セリバスタチン、イタバスタチン、ZD−4522又はそれらの塩(例、ナトリウム塩、カルシウム塩など)などのスタチン系化合物、フィブラート系化合物、プロブコール、ニコチン酸系薬剤(例えば、ニコモール、ニセリトロールなど)、イコサペント酸エチル、植物ステロール(例えば、ソイステロールなど)、小腸コレステロールトランスポーター阻害剤(例えば、エゼチミブ)、陰イオン交換樹脂(コレスチミド、コレスチラミン)などが例示できる。 高血圧治療薬としては、例えば、アンジオテンシン変換酵素阻害剤(例えば、テモカプリル、シラザプリル、トランドラプリル又はそれらの塩など)、アンジオテンシンII拮抗剤(例えば、カンデサルタン シレキセチル、エプロサルタン、バルサンタン、テルミサルタン、イルベサルタン、オルメサルタンメドキソミル、タソサルタン又はそれらの塩など)、カルシウム拮抗剤(例えば、マニジピン、ニフェジピン、ニカルジピン、アムロジピン、エホニジピン又はそれらの塩など)、カリウムチャンネル開口薬(例えば、レブクロマカリムなど)、塩酸クロニジン、塩酸ブナゾシンなどが挙げられる。 抗肥満薬としては、例えば、中枢性抗肥満薬(例えば、デキスフェンフルラミン、フェンフルラミン、フェンテルミン、シブトラミン、アンフェプラモン、デキサンフェタミン、マジンドール、フェニルプロパノールアミン、クロベンゾレックスなど)、膵リパーゼ阻害薬(例えば、オルリスタットなど)、β3アゴニスト、ペプチド性食欲抑制薬(例えば、レプチン、CNTF(毛様体神経栄養因子)など)、コレシストキニンアゴニスト(例えば、リンチトリプトなど)などが挙げられる。 心不全治療薬としては、例えば、キサンチン誘導体(例えば、サリチル酸ナトリウムテオブロミン、サリチル酸カルシウムテオブロミンなど)、チアジド系化合物(例えば、エチアジド、シクロペンチアジド、トリクロルメチアジド、ヒドロクロロチアジド、ヒドロフルメチアジド、ベンチルヒドロクロロチアジド、ペンフルチジド、ポリチアジド、メチクロチアジドなど)、非チアジド系化合物(メチクラン、トリパミドなど)、抗アルドステロン系化合物(例えば、スピロノラクトン、トリアムテレンなど)、炭酸脱水酵素阻害剤(例えば、アセタゾラミドなど)、クロルベンゼンスルホンアミド系化合物(例えば、クロルタリドン、メフルシド、インダパミドなど)、アゾセミド、イソソルビド、エタクリン酸、ピレタニド、ブメタニド、フロセミドなどが挙げられる。 心筋梗塞治療薬としては、例えば、ヘパリン(例えば、ヘパリンナトリウム、ヘパリンカルシウム、ダルテパリンナトリウム(dalteparin sodium)など)、ワルファリン、抗トロンビン薬(例えば、アルガトロバン(aragatroban)など)、血栓溶解薬(例えば、ウロキナーゼ(urokinase)、チソキナーゼ(tisokinase)、アルテプラーゼ(alteplase)、ナテプラーゼ(nateplase)、モンテプラーゼ(monteplase)、パミテプラーゼ(pamiteplase)など)、血小板凝集抑制薬(例えば、ジビリダモール、シロスタゾール(cilostazol)、イコサペント酸エチルなど)、アスピリンなどが挙げられる。 糖尿病治療薬としては、例えば、インスリン製剤、α−グルコシダーゼ阻害剤(例えば、ボグリボース、アカルボースなど)、ビグアナイド剤(例えば、フェンフォルミン又はそれらの塩など)、インスリン分泌促進剤[スルホニルウレア剤(例えば、トルブタミド、グリベンクラミド、グリクラジド、クロルプロパミド、トラザミド、アセトヘキサミド、グリクロピラミド、グリメピリド、グリピザイド、グリブゾールなど)、レパグリニド、ナテグリニド、ミチグリニド又はそのカルシウム塩水和物など]、ジペプチジルペプチダーゼIV阻害剤、β3アゴニスト、アミリンアゴニスト(例えば、プラムリンチドなど)、ホスホチロシンホスファターゼ阻害剤(例えば、、バナジン酸など)、糖新生阻害剤(例えば、グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤、グルコース−6−ホスファターゼ阻害剤、グルカゴン拮抗剤など)、SGLUT(sodium-glucose cotransporter)阻害剤(例えば、T−1095など)、インスリン抵抗性改善剤(塩酸ピオグリタゾンなど)などが挙げられる。 糖尿病性合併症治療薬としては、例えば、アルドース還元酵素阻害剤(例えば、トルレスタット、エパルレスタット、ゼナレスタット、ゾポルレスタット、ミナルレスタット、フィダレスタットなど)、神経栄養因子(例えば、NGF、NT−3など)、神経栄養因子産生・分泌促進剤、PKC阻害剤、AGE阻害剤、活性酸素消去薬(例えば、チオクト酸など)、脳血管拡張剤が挙げられる。 消化性潰瘍治療薬としては、例えば、プロトンポンプ阻害剤(例えば、オメプラゾール、ランソプラゾールなど)、防御因子増強剤(例えば、テプレノン、メトクロプラミド、ソファルコンなど)などが挙げられる。 リウマチ治療薬としては、例えば、免疫抑制剤(例えば、レフルノミド、メトトレキサートなど)、サラゾスルファピリジン、オーラノフィンなどが挙げられる。 抗アレルギー薬としては、例えば、抗ヒスタミン剤(例えば、フマル酸クレマスチン、ロラタジン、メキタジン、エバスチン、オキサトミド、プランルカスト水和物、ベシル酸ベポタスチンなど)などが挙げられる。 さらに、必要より、生薬、ビタミン類(ビタミンA、ビタミンB、ビタミンB12(メコバラミン)、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンEなど)、ミネラル類、アミノ酸類などを用いてもよい。 これらの活性成分は、光学活性体であってもよくラセミ体であってもよい。これらの活性成分は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。 薬理活性成分のうち、前記フィブラート系化合物としては、例えば、ベザフィブラート、クリノフィブラート、クロフィブラート、フェノフィブラート、ベクロブラート、ビニフィブラート、シプロフィブラート、エトフィブラート、ゲムフィブロジル、ニコフィブラート、ピリフィブラート、ロニフィブラート、シムフィブラート、シンフィブラート、テオフィブラート又はこれらの塩(例えば、クロフィブラートアルミニウムなど)などが例示できる。フィブラート系化合物には、活性化合物の誘導体(エステル、含水塩、水和物など)やプロドラッグ、遊離酸又は活性代謝物(フィブリン酸、クロフィブリン酸、フェノフィブリン酸など)若しくはそれらの塩も含まれる。例えば、フィブラート系化合物は、フェノフィブラートおよびフェノフィブラートに対応する遊離酸又は活性代謝物(フェノフィブリン酸)であってもよい。 前記フィブラート系化合物は、光学活性体であってもよくラセミ体であってもよい。フィブラート系化合物は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。また、フィブラート系化合物は、他の活性成分(例えば、フィブラート系化合物を除く他の高脂血症治療薬(HMG−CoA還元酵素阻害剤(スタチン系化合物)など)、高血圧治療薬、抗肥満薬、利尿薬、抗血栓薬、糖尿病治療薬、糖尿病性合併症治療薬などから選択された少なくとも一種)と組み合わせて使用してもよい。 フィブラート系化合物は、肝臓でのトリグリセリド合成又は分泌を抑制することにより、低密度リポタンパク結合性(LDL)コレステロール及びトリグリセリド(TG)を低下させると共に高密度リポタンパク結合性(HDL)コレステロールを上昇させ、高脂血症の予防及び/又は治療剤として有用である。フィブラート系化合物のうち、脂質改善作用、特にLDLコレステロール又はトリグリセリド低下作用の大きなフェノフィブラートが好ましい。 さらに、前記活性成分は非晶質であってもよく結晶性であってもよい。結晶性活性成分であっても、本発明の固体分散体では溶出性を大きく改善できる。そのため、活性成分の使用量が少なくても、生物学的利用能を大きく向上できる。 本発明では、溶出性及び生物学的利用能が低く、投与量が多い活性成分であっても、剤形を小型化できるとともに、投与量を低減しても生物学的利用能を高めることができる。そのため、本発明は水に対して難溶性で生物学的利用能が低い活性成分に適用するのが好ましく、投与量の少ない活性成分(例えば、1回の投与量が0.1〜15mg、好ましくは0.5〜10mg、さらに好ましくは1〜5mg程度)に適用してもよい。特に水に対して難溶性で生物学的利用能が低く、しかも投与量の多い活性成分(例えば、1回の投与量が25〜1000mg、好ましくは30〜500mg、さらに好ましくは50〜300mg程度)に適用するのが好ましい。このような投与量の多い活性成分としては、高脂血症治療薬(例えば、フィブラート系化合物(例えば、フェノフィブラートなど)、プロブコール、ニコチン酸系薬剤など)、抗肥満薬、心不全治療薬、心筋梗塞治療薬、糖尿病治療薬、糖尿病性合併症治療薬などが例示できる。投与量の多い活性成分と投与量の少ない活性成分との重量割合は、例えば、前者/後者=1000/1〜5/1、好ましくは500/1〜10/1、さらに好ましくは300/1〜20/1(例えば、100/1〜25/1)程度であってもよく、20/1〜5/1程度であってもよい。 なお、本発明では複数の活性成分を多孔質担体に担持させてもよく、例えば、投与量の多い活性成分(例えば、フェノフィブラートなどのフィブラート系化合物)と投与量の少ない活性成分(例えば、ピタバスタチン(又はピタバスタチンカルシウム)などのスタチン系化合物など)との双方が多孔質担体に担持されていてもよい。 さらに、固体分散体において、前記難溶性活性成分が前記多孔質担体に担持されていればよく、前記難溶性活性成分及び水溶性活性成分が前記多孔質担体に担持されていてもよい。 本発明では、温度950℃で2時間加熱したとき、減量が4重量%以下の多孔質ケイ素系担体(第1の多孔質担体)を含む粉末状多孔質担体を用いる。すなわち、粉末状多孔質担体は、少なくとも前記加熱減量特性を有する第1の多孔質担体(多孔質ケイ素系担体)で構成される。第1の多孔質担体は、無機ケイ素化合物、例えば、酸化ケイ素(二酸化ケイ素、含水二酸化ケイ素、シリカなど)、ケイ酸化合物[例えば、ケイ酸(例えば、軽質無水ケイ酸など)、ケイ酸塩(例えば、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムなど)]などで構成できる。第1の多孔質担体は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの第1の多孔質担体は、二酸化ケイ素(含水二酸化ケイ素を含む)又はシリカで構成されている場合が多い。 ケイ素系担体は、未処理であってもよく、シラノール基(例えば、全体に対して2〜5.5重量%、好ましくは2.5〜5重量%程度のシラノール基)を有していてもよい。なお、多くのシラノール基を有する担体を圧縮成形すると、担体の結合能(賦形能)が高くなり、賦形剤として使用するのに適している。しかし、結合能の高い担体を用いて圧縮成形すると、活性成分の溶出性を大きく低減させる。そのため、ケイ素系担体は、例えば、シラノール基の濃度が、全体に対して0.5〜4重量%、好ましくは1〜3.5重量%、さらに好ましくは1.5〜3重量%(例えば、1.5〜2.5重量%)程度に低減又は調整された担体であってもよい。圧縮成形でのケイ素系多孔体の結合力を低減するため、ケイ素系担体は、表面処理剤又は表面改質剤(カップリング剤など)での表面処理及び/又は焼成などの熱処理により、シラノール基の濃度を低減又は調整してもよい。 表面処理剤又は表面改質剤は有機カップリング剤(有機カルボン酸又はその酸無水物、酸ハライドなどの有機酸類、脂肪族(ポリ)イソシアネート、芳香族(ポリ)イソシアネートなどの(ポリ)イソシアネート化合物、脂肪族(ポリ)アミン、芳香族(ポリ)アミンなどの(ポリ)アミン類、エポキシ化合物など)であってもよく無機カップリング剤であってもよい。無機カップリング剤としては、例えば、アルコキシシラン類[テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランなどのテトラC1−4アルコキシシラン、メチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシランなどのモノC1−4アルキルトリC1−4アルコキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシランなどのジC1−4アルキルジC1−4アルコキシシラン、トリメチルモノメトキシシラン、トリエチルモノエトキシシランなどのトリC1−4アルキルモノC1−4アルコキシシランなど];アリールアルコキシシラン類[フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシランなどのモノアリールトリC1−4アルコキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシランなどジアリールジC1−4アルコキシシランなど];3−クロロプロピルトリエトキシシランなどのハロアルキル基を有するアルコキシシラン;3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシランなどのメルカプト基を有するアルコキシシラン;2−カルボキシエチルトリメトキシシラン、3−カルボキシプロピルトリエトキシシランなどのカルボキシル基を有するアルコキシシラン;3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシランなどのアミノ基又は置換アミノ基を有するアルコキシシラン;グリシジルオキシエチルトリメトキシシラン、グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラン、シクロヘキセンオキシドエチルトリメトキシシランなどのエポキシ基を有するアルコキシシラン;3−(メタ)アクリロキシプロピルジメチルメトキシシランなどのビニル基又は(メタ)アクリロイル基を有するアルコキシシラン;2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルトリメトキシシラン、3−(2−ヒドロキシエトキシ)プロピルトリメトキシシラン、これらのヒドロキシル基にアルキレンオキサイド(エチレンオキサイドなど)が付加した付加体などのヒドロキシル基を有するアルコキシシラン;これらのアルコキシシランのアルコキシ基の少なくとも一部がハロゲン原子(塩素又は臭素原子)で置換されたハロシラン(ジメチルクロロメトキシシランなど)などのシランカップリング剤が挙げられ、これらのシランカップリング剤に対応するアルミニウムカップリング剤、チタンカップリング剤、ジルコニウムカップリング剤などであってもよい。これらの表面処理剤の使用量は、賦形性を損なわない範囲で選択できる。また、表面処理剤の使用量は、赤外線吸収スペクトルを指標として評価できる。 焼成などの熱処理は、酸素含有ガス(空気など)、不活性ガス(例えば、窒素ガス、ヘリウムガス、アルゴンガスなどの希ガス、二酸化炭素ガスなど)、水素ガスなどの雰囲気中、温度500〜2000℃(好ましくは800〜1700℃、さらに好ましくは1000〜1500℃)程度の温度で行うことができる。熱処理時間は、例えば、10分〜24時間(例えば、30分〜12時間、特に1〜6時間)程度であってもよい。このような熱処理によりシラノール基の脱水反応が進行し、シラノール基の濃度を低減できる。そのため、第1の多孔質担体は焼成シリカ(ヒュームド・シリカ)であってもよい。また、第1の多孔質担体は、造粒されていてもよい。造粒には、転動造粒、流動層造粒などの慣用の造粒法が利用でき、前記表面処理及び/又は熱処理に伴って造粒してもよい。 第1の多孔質担体は、温度950℃で2時間加熱したとき、加熱減量(灼熱減量)が4重量%以下(好ましくは3.5重量%以下、さらに好ましくは3.0重量%以下、特に2.5重量%以下、例えば、2重量%以下)であってもよい。例えば、加熱減量(灼熱減量)は0.3〜3.5重量%(例えば、0.5〜3重量%)程度であってもよく、0〜2.5重量%(例えば、0〜2重量%)程度であってもよい。このような加熱減量(灼熱減量)は、乾燥(105℃で2時間に亘り乾燥)させて水分(例えば、吸着水)を除去した後、日本薬局方2.43「強熱減量試験法」などの試験法に従って、温度950℃で2時間加熱し、加熱後の担体の重量減少を算出することにより測定できる。 前記第1の多孔質担体は粒子状であればよく、第1の多孔質担体の形状は、無定形、球状、楕円形状、多面体状、角柱状などであってもよく、通常、球状、楕円形状(特に、球状)である場合が多い。球状の第1の多孔質担体を用いると、高い流動性及び小さな嵩密度により、製剤を小型化できるとともに、取り扱い性、打錠などの工程も含め、製剤の製造作業性を向上できる。 第1の多孔質担体(ケイ素系担体)は、通常、赤外線吸収スペクトルにおいて、波数3400〜3500cm−1(例えば、波数3440〜3480cm−1)において吸収ピークを示す。なお、測定条件によっては、上記波数域では吸収強度が変動する場合がある。第1の多孔質担体は、軽質無水ケイ酸と比べて、赤外線吸収スペクトルにおいて、少なくとも波数3100〜3550cm−1、特に3200〜3400cm−1((例えば、3300〜3350cm−1)の領域での吸収強度が小さいという特色を有している。 第1の多孔質担体の赤外線吸収スペクトルにおいて、波数3800cm−1での吸収強度をI0、波数3650cm−1での吸収強度をI1、波数3600cm−1での吸収強度をI2、波数3550cm−1での吸収強度をI3、波数3500cm−1での吸収強度をI4、波数3450cm−1での吸収強度をI5、波数3400cm−1での吸収強度をI6、波数3350cm−1での吸収強度をI7、波数3300cm−1での吸収強度をI8、波数3200cm−1での吸収強度をI9、波数3100cm−1での吸収強度をI10としたとき、少なくとも1つの強度比は以下の通りであってもよい。 (1)吸収強度I0に対する強度比 (1-1)強度比(I1/I0):1〜7(例えば、2〜6.7)、好ましくは3〜6.5(例えば、3.5〜6.5)、さらに好ましくは3.7〜6.3(例えば、4〜6.2)、特に4.5〜6.3(例えば、5〜6.2)程度 (1-2)強度比(I2/I0):1〜19(例えば、2〜18.5、特に5〜18.5)、好ましくは8〜18(例えば、8.5〜17.5)、さらに好ましくは9〜17(例えば、9.2〜16.7)、特に10〜18(例えば、11〜17)程度 前記強度比(I2/I0)は以下の通りであってもよい。強度比(I2/I0):1〜6、好ましくは2〜5(例えば、2.5〜4.5)、さらに好ましくは2.8〜4.2(例えば、3〜4)程度、特に3.5〜4程度 (1-3)強度比(I3/I0):2.5〜42(例えば、7.5〜40)、好ましくは10〜40(例えば、12〜38)、さらに好ましくは15〜37(例えば、17〜35)程度、通常、20〜40(例えば、22〜37)、特に23〜36程度 (1-4)強度比(I4/I0):3〜75(例えば、10〜70)、好ましくは15〜70(例えば、20〜65)、さらに好ましくは25〜62(例えば、27〜61)、通常、30〜75(例えば、35〜73)、特に例えば、38〜70程度 強度比(I4/I0)は以下の通りであってもよい。強度比(I4/I0):3〜15(例えば、4〜12)、好ましくは4.5〜10(例えば、5〜10)、さらに好ましくは5.5〜9(例えば、6〜8.5)程度、特に6.5〜8程度 (1-5)強度比(I5/I0):5〜105(例えば、10〜100)、好ましくは20〜95(例えば、25〜90)、さらに好ましくは30〜87(例えば、35〜86)程度。通常、40〜110(例えば、45〜105)、特に50〜100程度 (1-6)強度比(I6/I0):3.5〜75(例えば、10〜75)、好ましくは15〜75(例えば、20〜73)、さらに好ましくは25〜72(例えば、28〜70)程度。通常、35〜85(例えば、40〜80)、特に45〜75程度 強度比(I6/I0)は以下の通りであってもよい。強度比(I6/I0):3.5〜20(例えば、4〜15)、好ましくは4.5〜13(例えば、5〜12)、さらに好ましくは5.5〜10(例えば、6〜9)、特に6.5〜8.5程度 (1-7)強度比(I7/I0):2.5〜47(例えば、5〜45)、好ましくは10〜45(例えば、12〜42)、さらに好ましくは15〜40(例えば、18〜38)程度。通常、20〜50(例えば、23〜47)、特に25〜45程度 (1-8)強度比(I8/I0):1.5〜27(例えば、5〜26)、好ましくは8〜25(例えば、9〜23)、さらに好ましくは10〜22(例えば、11〜21)程度。通常、13〜30(例えば、14〜27)、特に15〜25程度 強度比(I8/I0)は以下の通りであってもよい。強度比(I8/I0):1.5〜10(例えば、2〜8)、好ましくは2.5〜7(例えば、3〜6)、さらに好ましくは3.5〜5.5(例えば、4〜5)程度 (1-9)強度比(I9/I0):1〜12(例えば、3〜11)、好ましくは4.5〜10.5(例えば、5〜10)、さらに好ましくは5.5〜9.5(例えば、5.6〜9)、通常、6.0〜12(例えば、6.2〜11)、特に6.2〜10程度 強度比(I9/I0)は以下の通りであってもよい。強度比(I9/I0):1〜5(例えば、1.5〜4.5)、好ましくは2〜4(例えば、2.5〜3.5)程度 (1-10)強度比(I10/I0):0.5〜4.5(例えば、1〜4.5)、好ましくは1.2〜4.3(例えば、1.3〜4.2)、さらに好ましくは1.3〜4(例えば、1.5〜3.7)程度 強度比(I10/I0)は以下の通りであってもよい。強度比(I10/I0):0.5〜3(例えば、1〜3)、好ましくは1.2〜2.5(例えば、1.5〜2.5)、特に1.2〜2.0程度。 (2)吸収強度I1に対する強度比 (2-1)強度比(I3/I1):3.5〜5.8(例えば、3.7〜5.7)、好ましくは3.8〜5.8(例えば、3.9〜5.7)、さらに好ましくは4〜5.8(例えば、4.2〜5.7)、特に4.5〜5.8(例えば、4.6〜5.7)程度 (2-2)強度比(I4/I1):6〜10.5、好ましくは6.3〜10.3(例えば、6.5〜10.3)、さらに好ましくは6.7〜10.2(例えば、6.8〜10)、特に7.7〜10.5(例えば、7.8〜10)程度 (2-3)強度比(I5/I1):7〜15、好ましくは7.5〜14.7(例えば、8〜14.5)、さらに好ましくは8.5〜14.3(例えば、9〜14)、通常、9.5〜15(例えば、9.8〜14.8)、特に10〜14.5程度 (2-4)強度比(I6/I1):6.5〜12(例えば、6.7〜11.7)、好ましくは7〜11.5(例えば、7.2〜11.2)、さらに好ましくは7.5〜11.1(例えば、7.5〜11)、通常、8〜12(例えば、8.2〜12)、特に8〜11.5程度 (2-5)強度比(I7/I1):3.5〜6.7(例えば、3.7〜6.6)、好ましくは4〜6.5(例えば、4.3〜6.5)、さらに好ましくは4.5〜6.3程度。通常、4.6〜6.7(例えば、4.8〜6.6)、特に4.8〜6.5程度 (2-6)強度比(I8/I1):2.3〜3.8(例えば、2.5〜3.7)、好ましくは2.6〜3.5(例えば、2.7〜3.5)、さらに好ましくは2.8〜3.4(例えば、2.9〜3.3)程度 (2-7)強度比(I9/I1):1〜1.7、好ましくは1.1〜1.6(例えば、1.1〜1.5)程度。 (3)吸収強度I2に対する強度比 (3-1)強度比(I4/I2):3〜3.9(例えば、3.2〜3.9)、好ましくは3.2〜3.8(例えば、3.1〜3.7)、特に3.3〜3.9(例えば、3.4〜3.8)程度 (3-2)強度比(I5/I2):3.5〜5.6、好ましくは3.7〜5.5、さらに好ましくは3.8〜5.4(例えば、4〜5.4)、通常、4.2〜5.6(例えば、4.3〜5.5)、特に4.4〜5.4程度 (3-3)強度比(I6/I2):3〜4.5、好ましくは3.1〜4.4(例えば、)、さらに好ましくは3.2〜4.2(例えば、3.3〜4.1)、特に3.5〜4.5(例えば、3.6〜4.3)程度 (3-4)強度比(I7/I2):1.5〜2.5(例えば、1.7〜2.5)、好ましくは1.8〜2.5、さらに好ましくは1.9〜2.4(例えば、2〜2.3)、特に2.1〜2.5程度 (3-5)強度比(I8/I2):1〜1.4、好ましくは1.1〜1.4、さらに好ましくは1.2〜1.3程度。 上記強度比に関し、(1)吸収強度I0に対する強度比(好ましくは特に、強度比(1-1)〜(1-10)のうち少なくとも1つの強度比、特に強度比(1-1)〜(1-9)のうち少なくとも1つの強度比、中でも強度比(1-2)〜(1-8)のうち少なくとも1つの強度比)及び(2)吸収強度I1に対する強度比(特に、強度比(2-1)〜(2-6)のうち少なくとも1つの強度比、特に強度比(2-2)〜(2-5)のうち少なくとも1つの強度比)は、シラノール基又はヒドロキシル基の濃度の高い多孔質ケイ素系担体(例えば、軽質無水ケイ酸などの無定形多孔質担体)と識別する上で有用である。また、(3)吸収強度I2に対する強度比(特に、強度比(3-1)〜(3-5)のうち少なくとも1つの強度比、特に強度比(3-1)〜(3-3)のうち少なくとも1つの強度比)も第1の多孔質担体を識別するのに有用な指標となりうる。 なお、第1の多孔質担体は、少なくとも1つの上記強度比を示せばよく、複数の強度比(例えば、強度比(I2/I0)および強度比(I3/I0)などの2つの強度比)又は全部の強度比を示してもよい。 なお、赤外線吸収スペクトルによる前記強度比は、KBr法に従って、KBr約200mgと担体約2mgとを乳鉢で混合し、プレートを調製して測定し、各波数での吸収強度に基づいて算出できる。所定の波数での吸収強度は、赤外線吸収スペクトルチャートにおいて、ベースラインからの高さで表すことができる。前記強度比の算出において、小さな吸収強度の値(例えば、吸収強度I0、I1など)は、赤外線吸収スペクトルを拡大することにより、吸収強度を正確に測定でき、吸収強度が変動する領域での吸収強度の値(例えば、吸収強度I5、I6など)は、赤外線吸収スペクトルの変動域の強度を平均化して、全体としてなだらかな曲線又は直線を引き、所定の波数との交点を強度として用いることができる。 第1の多孔質担体の平均細孔径は、例えば、平均細孔径5〜40nm、好ましくは7〜35nm、さらに好ましくは10〜30nm(例えば、15〜25nm)程度である。活性成分の溶出性を高めるためには、第1の多孔質担体の平均細孔径が、或る程度大きいのが好ましく、例えば、10〜40nm、好ましくは12〜35nm、さらに好ましくは13〜30nm(例えば、15〜25nm)程度であるのが有利である。 第1の多孔質担体の吸油量(JIS K501に規定する方法で測定、単位:ml/100g)は、例えば、75〜500(好ましくは100〜450、さらに好ましくは150〜400、特に200〜380(例えば、220〜350)程度であり、通常、230〜320程度である。活性成分の担持量を増大させるとともに溶出性を改善するため、第1の多孔質担体の吸油量は高いのが好ましく、例えば、175〜500(好ましくは190〜450、さらに好ましくは200〜400、特に220〜380(例えば、230〜350)程度であり、通常、230〜320程度である。 さらに、レーザー回折法による第1の多孔質担体の平均粒子径は、例えば、1〜50μm、好ましくは2〜45μm(例えば、3〜40μm)、さらに好ましくは3〜35μm(例えば、5〜30μm)程度であってもよい。また、第1の多孔質担体の平均粒子径は、例えば、1〜25μm(例えば、7〜25μm)、好ましくは2〜20μm(例えば、8〜15μm)、さらに好ましくは3〜15μm(例えば、9〜13μm)程度であってもよく、8〜22μm(例えば、10〜12μm)程度であってもよい。第1の多孔質担体のBET法による比表面積(単位:m2/g)は、例えば、250〜1200(好ましくは300〜1000、さらに好ましくは350〜900、特に400〜800(例えば、400〜600)程度である。また、第1の多孔質担体の細孔容積(単位:ml/g)は、例えば、0.5〜5(好ましくは0.7〜3、さらに好ましくは0.8〜2.5、特に1〜2程度である。また、静置法による第1の多孔質担体の沈降容積(見掛け比重、単位:ml/5g)は、例えば、10〜50(好ましくは15〜45、さらに好ましくは20〜40)程度である。 さらに、第1の多孔質担体は、内部にナノメータ単位(前記平均細孔径)の微細孔を無数に有し、粒子体積の50〜85%(例えば、55〜83%、好ましくは60〜80%、さらに好ましくは65〜80%(例えば、70〜80%)程度)を空間が占めていてもよい。さらに、第1の多孔質担体の粒度分布は多分散であってもよいが、単分散であるのが好ましい。特に、第1の多孔質担体は、単分散粒子(例えば、体積基準の粒度分布において、累積度数10%の粒径をD10、累積度数90%の粒径をD90としたとき、粒度分布幅D90/D10が1.2〜3、好ましくは1.3〜2.7、さらに好ましくは1.5〜2.5(例えば、1.85〜2.3))程度であってもよい。 なお、第1の多孔質担体の5重量%水スラリーのpHは4〜8(例えば、5〜7)程度であってもよい。 第1の多孔質担体として、平均細孔径、比表面積及び吸油量が比較的大きい担体を用いると、活性成分の溶出性を改善するのに有利である。このような担体の平均細孔径は、12〜35nm、好ましくは13〜30nm(例えば、15〜25nm)程度であり、15〜20nm程度であってもよい。また、BET比表面積(単位:m2/g)は、例えば、400〜900(例えば、450〜850)、好ましくは500〜800(例えば、500〜750)程度である。吸油量(単位:ml/100g)は、200〜500(例えば、220〜450)、好ましくは230〜400(例えば、230〜350)程度であり、230〜320程度であってもよい。 このような第1の多孔質担体(球状多孔質シリカなど)を用いると、嵩密度が小さく、活性成分を安定かつ微粒子又は分子状態で担持するためか、活性化合物の溶出性及び生物学的利用能を大きく改善できるとともに、製剤を小型化できる。また、圧縮成形して顆粒や錠剤を調製しても活性成分の溶出性を向上できる。 なお、第1の多孔質担体は、「サイロスフェア」の品番「C−1504」「C−1510」(富士シリシア化学(株)製)、「アエロパールAEROPERL」の品番「300/30」(デグサDegussa社製)などとして入手できる。また、前記第1の多孔質担体は球状の形態(球状多孔質シリカなどの形態)で入手できる。 固体分散体において、活性成分の形態は、特に制限されず、結晶化されていてもよく、非晶質状態であってもよい。特に、活性成分が結晶性であっても、非晶質の形態で前記加熱減量特性を有する第1の多孔質担体(球状多孔質シリカなど)に担持できる。すなわち、結晶性活性成分を、前記熱減量特性を有する第1の多孔質担体(球状多孔質シリカなど)に担持させ、X線回折及び熱分析に供しても、結晶に起因するピーク又は吸熱ピークが観察されない。そのため、本発明では、結晶性活性成分であっても、有効に溶出性を向上できる。 前記加熱減量特性を有する第1の多孔質担体(球状多孔質ケイ素系担体など)は賦形剤として機能するため、粉末状多孔質担体は第1の多孔質担体単独で構成してもよく、必要により第1の多孔質担体と第2の多孔質担体とで構成してもよい。第2の多孔質担体は、例えば、結晶セルロース(ポーラスセルロースなど)などのセルロース、樹脂(イオン交換樹脂、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂など)、無機物質[活性炭、鉱物類(ゼオライト、ケイソウ土、タルク、カオリン、クレーなど)、金属酸化物(アルミナ、酸化亜鉛、二酸化チタンなど)、金属水酸化物(水酸化カルシウムなどのアルカリ土類金属水酸化物;水酸化アルミニウムなど)、金属炭酸塩(炭酸カルシウムなどのアルカリ土類金属炭酸塩など)、金属硫酸塩(硫酸カルシウムなどのアルカリ土類金属硫酸塩など)、金属リン酸塩(リン酸カルシウムなどのアルカリ土類金属リン酸塩など)など]であってもよい。これらの多孔質担体は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。 第2の多孔質担体は多孔質ケイ素系担体であるのが好ましく、多孔質ケイ素系担体としては、例えば、二酸化ケイ素(含水二酸化ケイ素を含む)又はシリカ、ケイ酸化合物[軽質無水ケイ酸、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、合成ケイ酸マグネシウムナトリウム、コロイド性含水ケイ酸アルミニウムなど]、ケイソウ土、ゼオライトなどで構成できる。これらの第2の多孔質担体も単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。第2の多孔質担体は、無定形であってもよく、球状(楕円状などの形態を含む)であってもよい。無定形又は球状担体としては、通常、軽質無水ケイ酸、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、ケイ酸アルミン酸マグネシウムを用いる場合が多い。特に、無定形の第2の多孔質担体としては無定形軽質無水ケイ酸などを用いる場合が多い。なお、無定形軽質無水ケイ酸としては、例えば、富士シリシア化学(株)製サイリシアシリーズ(サイリシア250、サイリシア320、サイリシア350、サイリシア470、サイリシア440、サイリシア740など)、フロイント産業(株)製アドソリダーシリーズ(アドソリダー101、アドソリダー102など)、日本アエロジル(株)製アエロジルシリーズ(アエロジル200、アエロジル300など)などとして入手できる。また、球状の第2の多孔質担体を用いてもよい。このような球状の第2の多孔質担体としては、例えば、「サンスフェア」の品番「H−51」「H−52」「H−53」(旭硝子(株)製)などとして入手できる。球状の第2の多孔質担体を用いると、高い流動性及び小さな嵩密度により、取り扱い性、打錠などの工程も含め、製剤の製造作業性を向上できる。 第2の多孔質担体は第1の多孔質担体よりも多くのヒドロキシル基(又はシラノール基)を含んでいてもよい。温度950℃で2時間加熱したとき、第2の多孔質担体の加熱減量(灼熱減量)は、例えば、4.5重量%以上(例えば、5〜17重量%)、特に5〜15重量%(例えば、7〜10重量%)程度であってもよい。第2の多孔質担体としての多孔質ケイ素系担体は、赤外線吸収スペクトルにおいて、次のような強度比を有していてもよい。(1)吸収強度I0に対する強度比 (1-11)強度比(I1/I0):2.5〜15(例えば、5〜12、特に6〜12)、好ましくは7〜10(例えば、7.3〜9.5)、さらに好ましくは7.5〜9(例えば、7.5〜8.5)程度 (1-12)強度比(I2/I0):5〜30(例えば、7〜28、特に10〜27)、好ましくは15〜25(例えば、19〜23)、さらに好ましくは19.5〜22.5程度 強度比(I2/I0)は以下の通りであってもよい。強度比(I2/I0):5〜15(例えば、6〜12)、好ましくは7〜10(例えば、7.5〜9.5)程度 (1-13)強度比(I3/I0):10〜65(例えば、20〜60)、好ましくは35〜55(例えば、40〜50)、さらに好ましくは44〜48程度 (1-14)強度比(I4/I0):13〜120(例えば、20〜115)、好ましくは65〜110(例えば、70〜100)、さらに好ましくは75〜95(例えば、80〜90)程度 強度比(I4/I0)は以下の通りであってもよい。(I4/I0):13〜30(例えば、15〜28)、好ましくは17〜27(例えば、18〜25)、さらに好ましくは20〜23程度 (1-15)強度比(I5/I0):25〜150(例えば、50〜145)、好ましくは75〜140(例えば、100〜135)、さらに好ましくは110〜130程度 (1-16)強度比(I6/I0):15〜125(例えば、30〜120)、好ましくは50〜115(例えば、75〜110)、さらに好ましくは95〜110程度 強度比(I6/I0)は以下の通りであってもよい。強度比(I6/I0):15〜40(例えば、17〜37)、好ましくは20〜35(例えば、23〜33)、さらに好ましくは25〜33程度 (1-17)強度比(I7/I0):10〜75(例えば、20〜70)、好ましくは30〜65(例えば、45〜60)、さらに好ましくは50〜60程度 (1-18)強度比(I8/I0):8〜65(例えば、15〜60)、好ましくは25〜50(例えば、28〜45)、さらに好ましくは30〜35程度 強度比(I8/I0)は以下の通りであってもよい。強度比(I8/I0):8〜20(例えば、10〜18)、好ましくは12〜18(例えば、13〜17)、さらに好ましくは13.5〜16.5(例えば、14.5〜16.5)程度 (1-19)強度比(I9/I0):3〜20(例えば、10〜18)、好ましくは12〜17(例えば、12.5〜16)、さらに好ましくは13〜15程度 強度比(I9/I0)は以下の通りであってもよい。強度比(I9/I0):3〜15(例えば、5〜13)、好ましくは6〜12、さらに好ましくは7〜11(例えば、8〜10)程度 (1-20)強度比(I10/I0):1〜10(例えば、2〜8)、好ましくは3〜7(例えば、3.5〜6.5)、さらに好ましくは4.7〜6(例えば、4.8〜5.7)程度 強度比(I10/I0)は以下の通りであってもよい。強度比(I10/I0):好ましくは2.5〜6.5(例えば、3〜6)、さらに好ましくは3.5〜5.5(例えば、3.5〜5)、特に3.7〜4.7程度。 (2)吸収強度I1に対する強度比 (2-11)強度比(I3/I1):4〜10(例えば、4.5〜10)、好ましくは5〜8(例えば、5.5〜7.5)、さらに好ましくは5.7〜7(例えば、5.8〜6.5)程度 (2-12)強度比(I4/I1):7〜15、好ましくは8〜13(例えば、10〜13)、さらに好ましくは10.5〜12.5(例えば、10.5〜12)程度 (2-13)強度比(I5/I1):10〜20、好ましくは12〜19(例えば、13〜18)、さらに好ましくは14〜17(例えば、15〜16.5)程度 (2-14)強度比(I6/I1):8〜18、好ましくは10〜16(例えば、11〜15.5)、さらに好ましくは12〜15(例えば、12.5〜14.5)程度 (2-15)強度比(I7/I1):5〜12、好ましくは5.5〜10(例えば、5.5〜8.5)、さらに好ましくは6〜8(例えば、6.5〜7.7)程度 (2-16)強度比(I8/I1):3.2〜8、好ましくは3.5〜6(例えば、3.5〜6)、さらに好ましくは3.7〜5(例えば、3.8〜4.8)程度。 なお、これらの多孔質ケイ素系担体も、少なくとも1つの上記強度比を示せばよく、複数の強度比(例えば、強度比(I2/I0)および強度比(I3/I0)などの2つの強度比)又は全部の強度比を示してもよい。 第2の多孔質担体の平均粒径は、特に限定されず、例えば、1〜20μm程度の範囲から適宜選択でき、2〜15μm、好ましくは3〜10μm、特に4〜10μm(例えば、4〜8μm)程度であってもよい。 第2の多孔質担体も多数の微細な孔を有しており、平均細孔径は、例えば、1〜30nm、好ましくは2〜27nm(例えば、3〜25nm)、さらに好ましくは5〜22nm(例えば、6〜20nm)程度である。また、第2の多孔質担体の平均細孔容積は、例えば、0.1〜5mL/g、好ましくは0.3〜3mL/g、さらに好ましくは0.5〜2mL/g(例えば、0.7〜1.75mL/g)、特に1〜1.7mL/g程度である。第2の多孔質担体の比表面積は、特に限定されず、例えば、100〜1000m2/g(例えば、200〜800m2/g)、好ましくは250〜750m2/g(例えば、300〜700m2/g)程度である。 第2の多孔質担体の吸油量(単位:ml/100g)は、例えば、75〜500(好ましくは90〜400、さらに好ましくは100〜350、特に150〜350(例えば、170〜320))程度である。静置法による第2の多孔質担体の沈降容積(見掛け比重、単位:ml/5g)は、例えば、10〜120(好ましくは20〜110、さらに好ましくは30〜100)程度である。 第2の多孔質担体としてのケイ素系多孔質担体は、前記第1の多孔質担体と同じくシラノール基を有していてもよく、シラノール基の濃度を低減又は調整するため、前記第1の多孔質担体と同じく前記表面処理剤で表面処理されていてもよい。 第1の多孔質担体(球状多孔質担体など)と第2の多孔質担体(無定形多孔質担体など)との割合は、活性成分の溶出性を損なわない範囲で選択でき、通常、前者/後者(重量比)=50/50〜100/0(例えば、55/45〜99/1)、好ましくは60/40〜100/0(例えば、65/35〜95/5)、さらに好ましくは70/30〜100/0(例えば、75/25〜90/10)、特に75/25〜100/0程度である。第2の多孔質担体の割合が多くなると、活性成分の溶出性が低下する傾向にある。 粉末状多孔質担体に対する活性成分の担持量は、担体や活性成分の種類などに応じて、粉末状多孔質担体1重量部に対して活性成分0.01〜10重量部(例えば、0.01〜5重量部)程度の範囲から選択でき、例えば、粉末状多孔質担体1重量部に対して活性成分0.1〜5重量部(例えば、0.2〜4重量部)、好ましくは0.25〜3重量部(例えば、0.3〜2.5重量部)、さらに好ましくは0.5〜2重量部(例えば、0.5〜1.5重量部)程度、特に0.7〜1.2程度であってもよい。本発明では、活性成分の溶出性が高く、バイオアベイラビリティを大きく向上できる。そのため、活性成分の使用量を低減しつつ、高いバイオアベイラビリティを達成できる。例えば、本発明の固体分散体では、活性成分の使用量を従前の活性成分の使用量に対して10〜50重量%、好ましくは20〜45重量%(例えば、25〜35重量%)程度低減しても、従前と同様のバイオアベイラビリティを得ることができる。また、粉末状多孔質担体が賦形剤として機能するため、固体分散体は圧縮成形性も高い。そのため、剤形を小型化でき、服用性及び患者のコンプライアンスも高めることができる。 固体分散体は、前記活性成分に限らず、種々の薬学的に許容される製剤成分(又は担体成分、添加剤成分)、例えば、賦形剤、結合剤、崩壊剤などを含んでいてもよい。これらの担体成分(又は添加剤成分)のうち、多孔質担体と活性成分との濡れ性、活性成分の含浸性及び溶出性を制御するため、水溶性高分子、賦形剤、界面活性剤から選択された少なくとも一種を用いるのが好ましく、活性成分の溶出性を制御するため、脂質を用いてもよい。特に、多孔質担体に対する活性成分の含浸性、含浸操作性及び活性成分の溶出性などを制御するため、固体分散体は、水溶性高分子、糖類、界面活性剤、脂質などから選択された少なくとも一種の成分をさらに含んでいてもよく、これらの成分は活性成分とともに担体に担持してもよく固体分散体の担体とは別の担体に担持していてもよい。添加剤成分は、水溶性成分(特に、水溶性高分子、糖類、界面活性剤から選択された少なくとも一種の水溶性成分)である場合が多い。なお、添加剤成分(特に、水溶性添加剤成分)は、水に対して難溶性の活性成分(又は疎水性活性成分)との親和性又は相溶性が低く、活性成分を分子状の形態で溶解又は微粒子の形態で分散できない成分(活性成分が分子レベル又は微粒子レベルで溶解又は分散した溶融可能な固体分散体を形成できず、固体分散体の固体マトリックスとして機能しない添加剤成分)であってもよい。 水溶性高分子としては、例えば、可溶性デンプン;アラビアゴム、デキストリン、アルギン酸ナトリウム、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸ナトリウムなどの多糖類;ポリビニルピロリドン(ポビドン)、ビニルピロリドン−酢酸ビニル共重合体(コポビドン)などのビニルピロリドンの単独又は共重合体;ポリビニルアルコール;カルボキシビニルポリマー(カーボポール934,940、カーボマーなど)、ポリアクリル酸系ポリマー、ポリメタクリル酸系ポリマー(オイドラギットL,LD,Sなど)などの(メタ)アクリル酸の単独又は共重合体;ポリエチレングリコール(マクロゴールなど)などの合成高分子;メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカリウム、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)などのセルロースエーテル類などが例示できる。水溶性高分子は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの水溶性高分子のうち、ポリビニルピロリドン(ポビドン)などのビニルピロリドンの単独又は共重合体、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸系ポリマーなどのアクリル酸の単独又は共重合体、ポリエチレングリコール(マクロゴールなど)、HPMC、HPCなどのセルロースエーテル類などが好ましい。特に、ポリビニルピロリドン(ポビドン)、カルボキシビニルポリマー、ポリエチレングリコール(マクロゴールなど)、HPMC、HPCなどが好ましい。HPMCには、HPMC2208、HPMC2906,HPMC910などが含まれ、HPCにはヒドロキシプロポキシ基53〜78%程度のHPCが含まれる。水溶性高分子としては、HPMC及びHPCから選択された少なくとも一種の水溶性セルロースエーテル類を用いる場合が多い。 糖類としては、例えば、乳糖、白糖、ブドウ糖、果糖、ショ糖、マルトース(麦芽糖)、還元麦芽糖、マルチトール、マンニトール、ソルビトール、キシリトールなどの糖類(単糖類、又は二糖類などのオリゴ糖)又は糖アルコール類などが例示できる。これらの糖類も単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの糖類のうち、糖アルコール(マンニトールなど)が好ましい。 前記界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤(例えば、ベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ドデカンスルホン酸などのスルホン酸又はその塩類;ドデシル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)などのアルキル硫酸塩(C6−30アルキル硫酸アルカリ金属塩など);スルホ脂肪族ジカルボン酸エステル塩(例えば、スルホコハク酸ラウリル二ナトリウムなどのスルホコハク酸塩など);ステアリン酸カルシウムなどの長鎖脂肪酸金属塩;胆汁酸又はその塩;コール酸、デオキシコール酸などのコール酸類など)、カチオン性界面活性剤(テトラアルキルアンモニウムハライドなどのテトラアルキルアンモニウム塩;塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化セチルピリジニウムなど)、非イオン性界面活性剤(ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖ステアリン酸エステル、ショ糖オレイン酸エステルなどのショ糖長鎖脂肪酸エステル;エチレングリコールモノ又はジステアリン酸エステル、ポリエチレングリコールモノ又はジオレイン酸エステル、ポリエチレングリコールモノ又はジステアリン酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油などの(ポリ)エチレングリコール長鎖脂肪酸エステル;モノカプリル酸デカグリセリン、モノカプリン酸モノステアリン酸グリセリン、モノオレイン酸グリセリンなどの(ポリ)グリセリン長鎖脂肪酸エステル;モノラウリル酸ソルビタン、モノ乃至トリステアリン酸ソルビタン、モノ乃至トリオレイン酸ソルビタンなどのソルビタン長鎖脂肪酸エステル;前記ソルビタン長鎖脂肪酸エステルに対応するソルビット長鎖脂肪酸エステル;ポリソルベートなどのポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアリレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノヤシ油長鎖脂肪酸エステルなどの(ポリ)オキシエチレンソルビタン長鎖脂肪酸エステル;前記ポリオキシエチレンソルビタン長鎖脂肪酸エステルに対応する(ポリ)オキシエチレンソルビット長鎖脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンステアリン酸アミドなどのポリオキシアルキレン長鎖脂肪酸アミド;ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテルなどのポリオキシエチレン高級アルコールエーテル;ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールなど)、両イオン性界面活性剤(ドデシル−ジ−(アミノエチル)グリシンなどのグリシン類;ベタイン、ジメチルドデシルカルボキシベタインなどのベタイン類;レシチンなどのホスファチジン酸誘導体など)、及び高分子型界面活性剤(プルロニックやポロクサマーなどのポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール;ポリエチレンオキシド−(メタ)アクリレート共重合体;ポリエチレンオキシド−エピクロルヒドリン共重合体;ポリエーテルエステルアミド、ポリエーテルアミドイミド、ポリエーテルエステルなど)などが挙げられる。なお、前記長鎖脂肪酸としては、C8−26飽和又は不飽和脂肪酸、好ましくはC12−20飽和又は不飽和脂肪酸が例示できる。これらの界面活性剤は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。 界面活性剤のうち、アニオン性界面活性剤[例えば、SLSなどのC10−24アルキル硫酸ナトリウム、スルホコハク酸塩など]及び/又は非イオン性界面活性剤[例えば、ショ糖C8−26脂肪酸エステル、(ポリ)グリセリンC8−26脂肪酸エステル、ソルビタンC8−26脂肪酸エステル、ポリソルベートなどの(ポリ)オキシエチレンソルビタン長鎖脂肪酸エステルなど]、プルロニックやポロクサマーなどのポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールなどが好ましい。なお、高分子型界面活性剤としてのポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールは非イオン性界面活性剤に分類することができる。 脂質としては、ワックス類(蜜ろう、カルナバろう、カカオ脂、ラノリン、パラフィン、ワセリンなど)、長鎖脂肪酸エステル(飽和又は不飽和脂肪酸アルキルエステル、脂肪酸と多価アルコール(ポリC2−4アルキレングリコール、グリセリン又はポリグリセリンなど)とのエステル(油脂類、例えば、グリセライド、硬化ヒマシ油などの硬化油など)、リン脂質、高級アルコール(ステアリルアルコール、オレイルアルコールなどの飽和又は不飽和高級アルコールなど)、高級脂肪酸(オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ステアリン酸などの飽和又は不飽和高級脂肪酸)、金属石鹸類(例えば、ヤシ油脂肪酸ナトリウム、ステアリン酸カルシウムなどの脂肪酸金属塩など)などが例示できる。これらの脂質も単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。 なお、これらの成分のうち、固体分散体の均一性を高めるためには、少なくとも水溶性高分子及び/又は界面活性剤を用いるのが有利である。 これらの成分の担持量又は使用量は、固体分散体の特性に応じて選択でき、通常、前記活性成分100重量部に対して、それぞれ、0.1〜100重量部(例えば、1〜50重量部)、好ましくは0.5〜50重量部、さらに好ましくは1.5〜30重量部(例えば、2.5〜25重量部)程度の範囲から選択でき、通常、1.5〜20重量部(例えば、1.5〜15重量部)程度であってもよい。また、各添加剤成分の使用量は、前記活性成分100重量部に対して3〜50重量部、好ましくは5〜30重量部(例えば、7〜25重量部)程度の範囲から選択でき、通常、5〜20重量部(例えば、5〜15重量部)程度であってもよい。 なお、本発明では、前記添加剤成分と活性成分とを加熱して溶融混合し、固体分散体(ビヒクル又は固体マトリックスとしての前記添加剤成分に活性成分が分子状又は微粒子状の形態で含有された溶融可能な分散体(固体分散体))を調製する必要がない。しかも、前記第1の多孔質担体で構成された粉末状多孔質担体は固形製剤の賦形剤として機能するとともに、前記添加剤成分は、前記粉末状多孔質担体に対する活性成分の濡れ性及び含浸性を向上させる。さらに、前記活性成分の溶出性及び生物学的利用能を向上できる。そのため、前記添加剤成分の使用量を大きく低減でき、剤形を小型化できる。また、軽質無水ケイ酸を用いて固体分散体を調製し、圧縮成形すると、成形体(整粒した顆粒や錠剤)からの活性成分の溶出性が大きく損なわれる。そのため、溶出性を改善するために圧縮成形する際に大量の崩壊剤を添加する必要があるが、本発明では少量の崩壊剤であっても高い溶出性が得られる。 前記多孔質担体に担持される各添加剤成分(例えば、水溶性高分子、糖類及び界面活性剤から選択された成分)の割合は、例えば、水に対して難溶性の活性成分100重量部に対して0.1〜30重量部(例えば、0.5〜25重量部)、好ましくは1〜20重量部(例えば、1.5〜20重量部)、さらに好ましくは2〜15重量部(例えば、2.5〜13重量部)程度であってもよい。また、各添加剤成分の使用量は、前記活性成分100重量部に対して1〜30重量部(例えば、2〜25重量部)、好ましくは3〜20重量部(例えば、5〜20重量部)、さらに好ましくは5〜15重量部(例えば、7〜13重量部)程度であってもよい。また、前記添加剤成分(水溶性セルロースエーテル類および界面活性剤など)の総量は、例えば、水に対して難溶性の活性成分(フェノフィブラート成分など)100重量部に対して1〜100重量部程度の範囲から選択でき、通常、1〜50重量部(例えば、3〜50重量部)、好ましくは5〜40重量部(例えば、5〜30重量部)、さらに好ましくは10〜40重量部(例えば、10〜30重量部)、特に10〜25重量部程度であってもよい。 [固体分散体の製造方法] 本発明では、超臨界流体(超臨界水など)又は亜臨界流体(亜臨界水など)で処理することなく、前記活性成分が粉末状多孔質担体に担持された固体分散体を製造できる。すなわち、前記難溶性の活性成分の有機溶媒溶液を、少なくとも第1の多孔質担体で構成された粉末状多孔質担体に含浸させ、有機溶媒を除去することにより、前記活性成分が前記多孔質担体に担持された固体分散体を製造できる。本発明では、マトリックス成分と活性成分とを加熱溶融させてマトリックス成分中に活性成分が溶解又は微分散した溶融可能な分散体(固体分散体)を調製し、この固体分散体を溶融させて担体に噴霧する必要がない。そのため、活性成分が熱劣化することがなく、広範囲の活性成分に適用でき、簡便かつ効率的に活性成分の溶出性及び生物学的利用能を向上できる。 有機溶媒は、前記難溶性の活性成分(並びに前記水溶性高分子などの成分)を溶解できればよく、例えば、アルコール類(メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノールなど)、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチルなど)、ケトン類(アセトン、エチルメチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)、エーテル類(エチルエーテル、プロピルエーテルなどの鎖状エーテル、ジオキサン、テトラヒドロフランなどの環状エーテルなど)、セロソルブ類(エチルセロソルブなど)、セロソルブアセテート類、カルビトール類(メチルカルビトールなど)、炭化水素類(ヘキサンなどの脂肪族炭化水素類、シクロヘキサンなどの脂環族炭化水素類、トルエンなどの芳香族炭化水素類など)、ハロゲン化炭化水素類(メチレンクロライドなど)、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、ニトリル類、アミド類などであってもよい。有機溶剤は単独で又は二種以上混合して使用できる。なお、必要であれば、溶液状態を維持できる限り、水を併用してもよい。有機溶剤としては、通常、エタノール、イソプロパノール、アセトンなどを用いる場合が多い。 有機溶媒溶液の濃度は、固形分換算で、1〜50wt/vol%、好ましくは5〜30wt/vol%(例えば、10〜25wt/vol%)、さらに好ましくは7〜20wt/vol%(例えば、10〜15wt/vol%)程度であってもよい。また、前記難溶性の活性成分を含む有機溶媒溶液は、通常、室温(温度15〜25℃)、好ましくは温度10℃、さらに好ましくは温度5℃、特に温度0℃で液体(液状の形態)である。 本発明では有機溶媒溶液の形態で多孔質担体に含浸させるため、活性成分及び前記添加剤成分が多孔質担体の表面に偏って担持されることがなく、多孔質担体の深部まで均一に浸透し、全体に亘って均一に担持できる。前記添加剤成分(例えば、水溶性高分子、糖類及び界面活性剤から選択された少なくとも一種の成分)を含む有機溶媒溶液を用いると、多孔質担体に対する難溶性活性成分の浸透性又は含浸性を向上できる。 含浸工程では、前記難溶性の活性成分を含む有機溶媒溶液と、粉末状多孔質担体とを接触させればよく、多孔質担体に有機溶媒溶液を噴霧などにより適用してもよいが、通常、撹拌下又は静置下で前記有機溶媒溶液中に多孔質担体を放置したり、前記有機溶媒溶液と多孔質担体とを混合して含浸させる場合が多い。室温で有機溶媒溶液に粉末状多孔質担体を浸漬して、粉末状多孔質担体に有機溶媒溶液を含浸させる場合が多い。両者の接触により、有機溶媒中の活性成分は多孔質担体の細孔内に侵入し、担持される。なお、活性成分の大部分は多孔質担体の細孔に侵入又は吸着されるようである。 前記含浸操作は、通常、常圧下で行う場合が多いものの、必要により減圧下又は加圧下で行ってもよい。また、前記含浸操作は、有機溶媒の沸点未満の温度で行うことができ、通常、温度0〜50℃、好ましくは5〜35℃(例えば、10〜30℃)、さらに好ましくは15〜25℃程度で行うことができる。含浸操作は、室温(例えば、10〜35℃、好ましくは15〜30℃、特に15〜25℃程度)で行うことができる。必要であれば、加温又は加熱して含浸させてもよい。さらに、必要により、活性成分が含浸された多孔質担体を、濾別、遠心分離などの方法で分離し、洗浄してもよい。 そして、混合物(活性成分が含浸された粉末状多孔質担体を含む混合物)を乾燥して有機溶媒を除去することにより固体分散体が得られる。すなわち、粉末状多孔質担体から残存する有機溶媒を除去することにより、活性成分が多孔質担体に分散した分散体(固体分散体)を得ることができる。活性成分は、通常、多孔質担体に均一に分散して担持されている。本発明では、溶融可能なマトリックスと活性成分とを含む固体分散体の溶融物を多孔質担体に噴霧して担持することなく、多孔質担体に有機溶媒溶液を含浸させるため、活性成分及び添加剤成分は、通常、多孔質担体の全体に亘り担持されている。有機溶媒の除去は、慣用の方法、例えば、乾燥(風乾燥、加熱乾燥)で行うことができ、常圧又は減圧下で乾燥することもできる。 なお、活性成分の有機溶媒溶液と粉末状多孔質担体との混合液を凍結乾燥又は噴霧乾燥して溶媒を除去すると、固体分散体を効率よく製造できる。特に、前記有機溶媒溶液と粉末状多孔質担体との混合液を噴霧乾燥させると、均質な固体分散体を効率よく製造できる。この凍結乾燥又は噴霧乾燥(スプレードライ)は、慣用の方法で行うことができ、例えば、噴霧乾燥は、前記混合物を気流中に噴霧し、温風/熱風により乾燥させることにより行うことができる。 本発明の固体分散体は、活性成分が多孔質担体に含浸して担持されていればよく、活性成分と多孔質担体との混合物であってもよく、通常、活性成分が多孔質担体に均一に分散して担持されている。特に、多孔質担体の細孔内に活性成分が取り込まれた状態で活性成分が分散しているため、活性成分の溶出性を顕著に改善でき、活性成分の使用量を低減しても、生物学的利用能を向上できる。 本発明の固体分散体は、単独で医薬として用いてもよく、圧縮成形性に優れているため、圧縮成形し、破砕及び整粒することにより顆粒剤として使用してもよく、打錠して錠剤として使用してもよい。本発明の固体分散体は、通常、薬学的に許容可能な担体又は添加剤(前記例示の担体又は添加剤など)と組み合わせて固形製剤などの医薬組成物として用いる場合が多い。 [医薬組成物とその製造方法] 本発明の医薬組成物は、水に対して難溶性の活性成分が、前記第1の多孔質担体で構成された粉末状多孔質担体に担持された前記固体分散体を含んでいればよく、複数の活性成分を含んでいてもよい。複数の活性成分のうち少なくとも1つの活性成分が水に対して難溶性の活性成分であればよく、複数の活性成分は、水に対して難溶性の複数の活性成分で構成してもよく、水溶性活性成分を含んでいてもよい。また、全ての複数の活性成分が単一の多孔質担体(第1の多孔質担体)に担持されていてもよく、複数の活性成分がそれぞれ複数の多孔質担体(少なくとも第1の多孔質担体で構成された複数の粉末状多孔質担体)に担持されていてもよい。この場合、全ての複数の多孔質担体は必ずしも本発明で用いる前記特定の粉末状多孔質担体である必要はない。また、粉末状多孔質担体には複数の活性成分のうち全ての又は一部の活性成分が担持されていてもよい。多孔質担体に担持されていない他の活性成分は、種々の形態で医薬組成物に含有させることができる。 また、投与量の多い活性成分と投与量の少ない活性成分とを含む医薬組成物では、投与量の少ない活性成分(水難溶性活性成分など)を多孔質担体に担持させてもよいが、少なくとも投与量の多い活性成分を多孔質担体(少なくとも第1の多孔質担体で構成された粉末状多孔質担体、特に第1の多孔質担体)に担持させるのが好ましい。特に、投与量が多く、しかも水に対して難溶性の活性成分を多孔質担体(少なくとも第1の多孔質担体で構成された粉末状多孔質担体、特に第1の多孔質担体)に担持させるのが好ましい。例えば、投与量の多い水難溶性活性成分と投与量の少ない水難溶性活性成分とを組み合わせる場合、少なくとも投与量の多い水難溶性活性成分を前記第1の多孔質担体に担持させるのが好ましい。より具体的には、高脂血症治療薬のうち、例えば、フィブラート系化合物(例えば、フェノフィブラートなど)とスタチン系化合物(ピタバスタチン又はピタバスタチンカルシウムなど)とを含む医薬組成物では、少なくともフィブラート系化合物は粉末状多孔質担体に担持した固体分散体の形態で含有するのが好ましく、スタチン系化合物は、多孔質担体に担持させてもよく、固体分散体とは遊離した形態(混合物又は製剤などの形態)で、医薬組成物に含有させてもよい。 なお、投与量の多い活性成分を多孔質担体(特に第1の多孔質担体)に担持させた固体分散体と、投与量の少ない活性成分(特に多孔質担体に担持されていない活性成分)とを含む製剤において、投与量の少ない活性成分は、医薬組成物の種々の工程で添加でき、例えば、固体分散体を含む顆粒を調製した後、打錠して錠剤を製造する場合、顆粒の調製工程で添加してもよく、顆粒に添加して打錠してもよい。 投与量の少ない活性成分としては、狭心症治療薬、高血圧治療薬、低血圧治療薬、抗肥満薬、心不全治療薬、心筋梗塞治療薬、抗不整脈薬、糖尿病治療薬、糖尿病性合併症治療薬、消化性潰瘍治療薬、解熱剤、鎮痛剤、抗炎症薬、健胃・消化・制酸・制吐薬、鎮咳去たん薬、気管支喘息治療薬、便秘治療薬、下痢治療薬、肝疾患治療薬、胆道・脾臓系治療薬、痔治療薬、甲状腺疾患治療薬、高尿酸血症治療薬、リウマチ治療薬、抗生物質、抗うつ薬、抗アレルギー薬、抗結核薬、前立腺肥大症治療薬、骨粗鬆症治療薬、アルツハイマー病治療薬などがあげられる。 高脂血症治療薬としては、HMG−CoA還元酵素阻害剤、例えば、シンバスタチン、ロバスタチン、アトルバスタチン、ピタバスタチン、ロスバスタチン、セリバスタチン、イタバスタチン、プラバスタチン、フルバスタチン又はそれらの塩(例、ナトリウム塩、カルシウム塩など)などのスタチン系化合物、小腸コレステロールトランスポーター阻害剤(例えば、エゼチミブ)などが例示できる。 高血圧治療薬としては、例えば、アンジオテンシン変換酵素阻害剤(例えば、カプトプリル、エナラプリル、デラプリル、イミダプリル、キナプリル、テモカプリル、シラザプリル、トランドラプリル、リシニプリル又はそれらの塩など)、アンジオテンシンII拮抗剤(例えば、カンデサルタン シレキセチル、ロサルタン、バルサンタン、テルミサルタン、オルメサルタンメドキソミル又はそれらの塩など)、カルシウム拮抗剤(例えば、マニジピン、ニフェジピン、ニカルジピン、アムロジピン、エホニジピン又はそれらの塩など)、塩酸クロニジン、塩酸ブナゾシンなどが挙げられる。 抗肥満薬としては、例えば、中枢性抗肥満薬(例えば、マジンドールなど)などが挙げられる。 心不全治療薬としては、例えば、チアジド系化合物(例えば、トリクロルメチアジド、ヒドロクロロチアジドなど)、非チアジド系化合物(トリパミドなど)、抗アルドステロン系化合物(例えば、スピロノラクトンなど)、クロルベンゼンスルホンアミド系化合物(例えば、メフルシド、インダパミドなど)、アゾセミド、硝酸イソソルビド、ピレタニド、ブメタニドなどが挙げられる。 心筋梗塞治療薬としては、例えば、ワルファリン(例えば、ワルファリンカリウムなど)、抗トロンビン薬(例えば、アルガトロバン(aragatroban)など)、血小板凝集抑制薬(例えば、イコサペント酸エチル、ベラプロストナトリウム(beraprost sodium)、アスピリン、硫酸クロピドグレルなどが挙げられる。 糖尿病治療薬としては、例えば、インスリン製剤、α−グルコシダーゼ阻害剤(例えば、ボグリボース、ミグリトールなど)、インスリン分泌促進剤(例えば、トルブタミド、グリベンクラミド、グリクラジド、グリメピリドなど)、インスリン抵抗性改善剤(塩酸ピオグリタゾンなど)などが挙げられる。 糖尿病性合併症治療薬としては、例えば、活性酸素消去薬(例えば、チオクト酸など)、脳血管拡張剤(例えば、チアプリドなど)が挙げられる。 消化性潰瘍治療薬としては、例えば、プロトンポンプ阻害剤(例えば、オメプラゾール、ランソプラゾールなど)、防御因子増強剤(例えば、メトクロプラミドなど)などが挙げられる。 リウマチ治療薬としては、例えば、免疫抑制剤(例えば、レフルノミド、メトトレキサートなど)、オーラノフィンなどが挙げられる。 抗アレルギー薬としては、例えば、抗ヒスタミン剤(例えば、フマル酸クレマスチン、ロラタジン、メキタジン、エバスチン、オキサトミド、ベシル酸ベポタスチンなど)などが挙げられる。 さらに、複数の活性成分を含む場合、医薬組成物の形態は、例えば、単一の製剤、キット製剤などであってもよい。例えば、高脂血症治療薬のうち、例えば、フィブラート系化合物(例えば、フェノフィブラートなど)とスタチン系化合物(ピタバスタチンなど)とを組み合わせた医薬組成物は、少なくともフィブラート系化合物が粉末状多孔質担体に担持された形態、例えば、(a)フィブラート系化合物が前記粉末状多孔質担体に担持された固体分散体と、スタチン系化合物とを含む単一の医薬組成物(製剤)であってもよく、(b)フィブラート系化合物及びスタチン系化合物の双方が前記粉末状多孔質担体に担持された固体分散体を含む単一の医薬組成物(製剤)であってもよく、(c)フィブラート系化合物が前記粉末状多孔質担体に担持した固体分散体を含む製剤と、スタチン系化合物を含む製剤とで構成されたキット形態の医薬組成物(キット製剤)であってもよい。 医薬組成物において、剤形は特に制限されず、半固形製剤(クリーム剤、ゼリー剤、グミ剤、軟膏剤、ゲル剤など)、液剤(懸濁剤、乳剤、シロップ剤など)などであってもよいが、通常、固形製剤(粉剤、散剤、粒剤(顆粒剤、細粒剤など)、丸剤、ピル、錠剤(舌下錠、口腔内崩壊錠、トローチ剤、チュアブル錠なども含む)、カプセル剤(硬カプセル剤、軟カプセル剤、マイクロカプセル剤など)、ドライシロップ剤、座剤、フィルム状製剤、シート状製剤など)である場合が多い。なお、カプセル剤は、液体充填カプセル(軟カプセルなど)であってもよく、固体分散体、顆粒剤などの固形剤を充填したカプセルであってもよい。また、前記粉剤及び/又は液剤は、注射剤、スプレー剤又はエアゾール剤としてもよい。さらに、製剤は経口投与製剤であってもよく、非経口投与製剤(点眼剤、点鼻剤、吸入剤、貼付剤(パップ剤など)など)であってもよい。さらに、製剤は局所投与製剤(座剤など)であってもよい。本発明の医薬組成物は、必要により、速放性製剤又は徐放性製剤としてもよい。本発明の製剤は経口投与固形製剤、例えば、散剤、錠剤(裸錠など)、顆粒剤、丸剤、カプセル剤、フィルム剤である場合が多く、錠剤、顆粒剤及びカプセル剤が好ましい。 前記担体は、医薬組成物(又は製剤)の形態(剤形)、投与形態、用途などに応じて、例えば、日本薬局方(局方)の他、(1)医薬品添加物ハンドブック、丸善(株)、(1989)、(2)「医薬品添加物辞典2000」(薬事日報社、2002年3月発行)、(3)「医薬品添加物辞典2005」(薬事日報社、2005年5月発行)、(4)薬剤学、改訂第5版、(株)南江堂(1997)、及び(5)医薬品添加物規格2003(薬事日報社、2003年8月)などに収載されている成分(例えば、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、コーティング剤など)から選択できる。製剤組成物(特に、固形製剤)の担体としては、賦形剤、結合剤および崩壊剤から選択された少なくとも一種の担体を使用する場合が多く、脂質などの添加剤を用いてもよい。 特に、本発明の固体分散体は、圧縮成形しても活性成分の溶出性を損なうことがない。より詳細には、例えば、軽質無水ケイ酸(例えば、「サイリシア350」)を用いて固体分散体を調製し、圧縮成形すると、成形体(整粒した顆粒や錠剤)からの活性成分の溶出性が大きく損なわれる。これに対して、本発明の固体分散体は圧縮成形しても、活性成分の溶出性を大きく向上できる。そのため、本発明は、通常、圧縮成形工程に供される成分、例えば、賦形剤、結合剤、崩壊剤及び滑沢剤から選択された少なくとも一種の担体成分を含む医薬組成物に適用するのに有利である。すなわち、本発明は、固体分散体が圧縮成形された固形製剤に適用するのに有利である。 前記賦形剤としては、乳糖、白糖、ブドウ糖、ショ糖、マンニトール、ソルビトール、キシリトールなどの糖類又は糖アルコール類;トウモロコシデンプン、バレイショデンプンなどのデンプン;結晶セルロース(微結晶セルロースも含む)などの多糖類;軽質無水ケイ酸、合成ケイ酸アルミニウムなどの酸化ケイ素又はケイ酸塩;無水リン酸水素カルシウムなどのリン酸塩などが例示できる。 結合剤としては、アルファ化デンプン、部分アルファ化デンプンなどの可溶性デンプン;寒天、アラビアゴム、デキストリン、アルギン酸ナトリウム、トラガントガム、キサンタンガム、ヒアルロン酸、ペクチン、コンドロイチン硫酸ナトリウムなどの多糖類;ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸系ポリマー、ポリ乳酸、ポリエチレングリコールなどの合成高分子;メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどのセルロースエーテル類などが例示できる。 崩壊剤としては、炭酸カルシウム、カルボキシメチルセルロース又はその塩(カルメロース、カルメロースナトリウム、カルメロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウムなど)、ポリビニルピロリドン(ポリビニルピロリドン、架橋ポリビニルピロリドン(クロスポビドン)など)、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、デンプングリコール酸ナトリウムなどが例示できる。 前記脂質としては、前記例示のワックス類、長鎖脂肪酸エステル、高級アルコール、リン脂質、高級脂肪酸、金属石鹸類などが例示できる。 担体は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。担体の割合は、特に制限されず、活性成分100重量部に対して、例えば、1〜500重量部、好ましくは5〜300重量部、さらに好ましくは10〜250重量部(例えば、25〜200重量部)程度であってもよい。 滑沢剤としては、例えば、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ポリエチレングリコール6000などが例示できる。 また、添加剤としては、崩壊助剤、抗酸化剤又は酸化防止剤、界面活性剤、乳化剤、分散剤、懸濁剤、溶解補助剤、増粘剤(カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール、ゼラチンなどの水溶性高分子;カルボキシメチルセルロースなどのセルロースエーテル類など)、pH調整剤又は緩衝剤(クエン酸−クエン酸ナトリウム緩衝剤など)、防腐剤又は保存剤(メチルパラベン、ブチルパラベンなどのパラベン類など)、殺菌剤又は抗菌剤(安息香酸ナトリウムなどの安息香酸類など)、帯電防止剤、矯味剤又はマスキング剤(例えば、甘味剤など)、着色剤(ベンガラなどの染顔料など)、矯臭剤又は香料(芳香剤など)、清涼化剤、消泡剤などが挙げられる。添加剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。 固形製剤はコーティング剤でコーティングされていてもよい。前記コーティング剤としては、例えば、糖類、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース誘導体、ポリオキシエチレングリコール、腸溶性成分(セルロースアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、メチルメタクリレート−(メタ)アクリル酸共重合体、オイドラギット(メタアクリル酸−アクリル酸共重合体)など)、胃溶性成分(ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートなどの塩基性成分を含むポリマー(オイドラギットなど)など)などが例示できる。 活性成分として少なくともフィブラート系化合物(特にフェノフィブラート又はその遊離酸若しくは活性代謝物など)を含む代表的な単位投与形態の医薬組成物(錠剤などの固形製剤など)の処方(単位:mg)は下記表に示す通りである。なお、多孔質担体は賦形剤としても機能し、水溶性高分子を結合剤として機能させることもできるため、追加の賦形剤及び/又は結合剤は必ずしも必要ではない。 本発明の医薬組成物は、活性成分を含む固体分散体、担体成分(薬学的に許容される製剤成分)、必要により添加剤などを用いて、慣用の方法、例えば、第十五改正日本薬局方記載の製造法又はこの製造方法に準じた方法により調製できる。例えば、固形剤は、活性成分含有固体分散体とともに、担体成分(結合剤、賦形剤、崩壊剤から選択された少なくとも1つの担体など)を用いて調製できる。例えば、顆粒剤は、押出造粒、噴霧造粒などにより活性成分含有固体分散体と担体成分(薬学的に許容される製剤成分)とを造粒し、必要により整粒することにより調製できる。錠剤は、前記造粒物を必要により担体成分及び/又は添加剤と混合し、圧縮成形することにより製造できる。また、圧縮成形剤を、必要により、コーティングしてもよい。カプセル剤は、カプセルに顆粒剤を充填することにより調製できる。 なお、前記のように、本発明の固体分散体は圧縮成形性に優れている。そのため、固体分散体を少なくとも圧縮する工程を経て医薬組成物を製造するのに適している。例えば、固体分散体を必要により担体成分(賦形剤など)とともに圧縮成形し、成形体を破砕して整粒し、顆粒剤を得ることができ、固体分散体と担体成分との混合物を圧縮成形(打錠)することにより錠剤を製造でき、前記顆粒剤と担体成分との混合物を圧縮成形(打錠)することにより錠剤を製造できる。 本発明の医薬組成物は、非ヒト動物に対しても適用できるが、通常、ヒトに対して用いられる。製剤中の活性成分の含有量及び製剤の投与量並びに投与スケジュールは、活性成分の種類、投与対象、投与対象の年齢、体重、性別及び状態(一般的状態、病状など)、投与時間、剤形、投与方法などにより、適宜選択することができる。製剤中の活性成分の含有量は、製剤全体に対して、固形分換算で、例えば、0.01〜90重量%、好ましくは0.05〜80重量%、さらに好ましくは0.1〜70重量%(例えば、0.5〜50重量%)程度であってもよい。より具体的には、例えば、製剤中のフィブラート系化合物の含有量は、例えば、1〜90重量%、好ましくは5〜80重量%、さらに好ましくは10〜70重量%(例えば、15〜50重量%)程度であってもよい。また、フィブラート系化合物の投与量は、1日当たり、成人(体重約60kg)に対して1〜500mg、好ましくは5〜300mg(例えば、10〜250mg)、さらに好ましくは30〜200mg(例えば、50〜150mg)程度であってもよい。スタチン系化合物の投与量は、1日当たり、成人に対して0.1〜50mg、好ましくは0.5〜40mg、さらに好ましくは1〜30mg(例えば、1〜10mg)程度であってもよい。本発明の医薬組成物は、1日当たり1回投与してもよく、複数回(例えば、2〜5回程度)投与してもよい。 以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。 実施例1〜7 [固体分散体及び錠剤の調製] フェノフィブラート(5g)、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS,0.5g)及びヒドロキシプロピルメチルセルロース2910(HPMC2910,0.5g)をエタノール/アセトン混合液(容積比1:1)に溶解し、50mLの溶液(温度10℃及び0℃で溶液の形態)を調製した。 得られた溶液に、第1の多孔質担体として球状の含水二酸化ケイ素(富士シリシア化学(株)製「サイロスフェアC−1510」)及び多孔質ケイ素系担体として無定形軽質無水ケイ酸(富士シリシア化学(株)製「サイリシア350」)を下記表2に示す割合で添加し、撹拌した。 なお、球状の第1の多孔質担体及び無定形状第2の多孔質担体の特性は以下の通りである。 [第1の多孔質担体:「サイロスフェアC−1510」] 加熱減量(950℃、2時間):2.5重量%以下 赤外線吸収スペクトル: 波数3800cm−1での吸収強度をI0、波数3650cm−1での吸収強度をI1、波数3600cm−1での吸収強度をI2、波数3550cm−1での吸収強度をI3、波数3500cm−1での吸収強度をI4、波数3450cm−1での吸収強度をI5、波数3400cm−1での吸収強度をI6、波数3350cm−1での吸収強度をI7、波数3300cm−1での吸収強度をI8、波数3200cm−1での吸収強度をI9、波数3100cm−1での吸収強度をI10としたとき、強度比は以下の通りであった。(1)I1/I0=5.7、I2/I0=13.2、I3/I0=27.5、I4/I0=47.0、I5/I0=61.3、I6/I0=49.8、I7/I0=28.2、I8/I0=16.0、I9/I0=6.3、I10/I0=1.9(I2/I0=3.7、I4/I0=7.2、I6/I0=7.5、I8/I0=4.3、I9/I0=2.8、I10/I0=1.6である場合がある)(2)I3/I1=4.8、I4/I1=8.3、I5/I1=10.8、I6/I1=8.7、I7/I1=4.9、I8/I1=2.8 平均粒子径約10μm、平均細孔径17nm、細孔容積(単位:ml/g)1.5、比表面積(単位:m2/g)520、吸油量(単位:ml/100g)250 第1の多孔質担体「サイロスフェアC−1510」の赤外線吸収スペクトルを図1に示す。 [無定形の第2の多孔質担体:「サイリシア350」] 加熱減量(950℃、2時間):5重量% 赤外線吸収スペクトル: (1)I1/I0=7.8、I2/I0=20.9、I3/I0=46.4、I4/I0=86.8、I5/I0=124.8、I6/I0=102.3、I7/I0=55.9、I8/I0=33.4、I9/I0=14.5、I10/I0=5.3(I2/I0=8.5、I4/I0=21.3、I6/I0=28.0、I8/I0=15.4I9/I0=8.9、I10/I0=4.2である場合がある) (2)I3/I1=6.0、I4/I1=11.2、I5/I1=15.7、I6/I1=13.2、I7/I1=7.2、I8/I1=4.3 平均粒子径約3.9μm、平均細孔径21nm、細孔容積(単位:ml/g)1.7、比表面積(単位:m2/g)300、吸油量(単位:ml/100g)310 無定形第2の多孔質担体「サイリシア350」の赤外線吸収スペクトルを図2に示す。 得られた懸濁液を、スプレードライヤ(ヤマト科学(株)製「GS31」)を用いて窒素雰囲気中、80℃で噴霧乾燥し、固体分散体粉末を得た。得られた固体分散体粉末及び崩壊剤(クロスカルメロースナトリウム)を秤量し、乳鉢にて混合した後、50kNで圧縮してスラッグ錠を製した。このスラッグ錠を破砕し、目開き710μmのふるいを通し、顆粒を得た。得られた顆粒に滑沢剤(ステアリン酸マグネシウム)を添加して混合した後、5kNで圧縮製錠し、錠剤を得た。錠剤中のフェノフィブラートの含有量を高速液体クロマトグラフィ(HPLC)により測定したところ、1錠あたり約48mgのフェノフィブラートを含有していた。製剤処方(各成分の割合:重量部)を表3に示す。 対照製剤 フェノフィブラートと界面活性剤とを共微粉砕することにより得られ、フェノフィブラート67mgを含むフェノフィブラート微粉化製剤(あすか製薬(株)製、リピディル(登録商標)カプセル67)を対照製剤として用いた。 [溶出試験] 実施例1〜7及び対照製剤について、パドル法により、下記の条件で、溶出試験(n=1〜3)を実施したところ、図3に示す結果を得た。 溶出液:水(ポリソルベート80を1.0重量%含む) 回転数:毎分50回転 図3より明らかなように、実施例1〜7の錠剤は、活性成分の含有量が少ないにも拘わらず、対照製剤に対して高い溶出性を示した。 [吸収性] イヌ(ビーグル雄,21〜24ヶ月齢)を一晩絶食させ、30分間給餌させた後、約15分後に、実施例3の錠剤と対照製剤とをそれぞれ水30mLとともに経口投与した。投与後の飲水は自由とした。投与前、投与後、0.5〜25時間(0.5時間、1時間、1.5時間、2、2.5時間、3時間、4時間、6時間、8時間及び24時間)経過後に左右前腕橈側皮静脈より血液を約1mL採取した。抽出操作を行った後、LC/MS/MS(装置機種:LC部:HP1100,Agilent Technologies製,MS部:QuattroII,Micromass製)を用いて分析し、血漿中のフェノフィブリン酸(FA)及びその還元型(RFA)の濃度(μg/mL)を算出し、フェノフィブリン酸(FA)及びその還元型(RFA)の合計量をグラフ化した。結果を図4に示す。 図4から明らかなように、活性成分の含有量が少ないにも拘わらず、実施例3の錠剤は、対照製剤と同等の吸収性を示した。 実施例8 [固体分散体及び錠剤の調製] 実施例1で用いた球状の第1の多孔質担体(富士シリシア化学(株)製「サイロスフェアC−1510」)に代えて、第1の多孔質担体として、球状であり、かつ下記の特性を有する含水二酸化ケイ素(富士シリシア化学(株)製「サイロスフェアC−1504」)を用い、HPMC2910に代えてHPCを用いる以外、実施例1と同様にして固体分散体粉末を得た。 [第1の多孔質担体:「サイロスフェアC−1504」] 加熱減量(950℃、2時間):2.5重量%以下 赤外線吸収スペクトル: (1)I1/I0=6.1、I2/I0=16.4、I3/I0=34.1、I4/I0=59.8、I5/I0=85.8、I6/I0=66.8、I7/I0=37.2、I8/I0=19.9、I9/I0=8.4、I10/I0=3.3 (2)I3/I1=5.6、I4/I1=9.8、I5/I1=14.0、I6/I1=10.9、I7/I1=6.1、I8/I1=3.3 平均粒子径約4.5μm、平均細孔径17nm、細孔容積(単位:ml/g)1.5、比表面積(単位:m2/g)520、吸油量(単位:ml/100g)290 球状の第1の多孔質担体「サイロスフェアC−1504」の赤外線吸収スペクトルを図5に示す。 得られた固体分散体粉末、崩壊剤(クロスカルメロースナトリウム)及び滑沢剤(ステアリン酸マグネシウム)を用いて実施例1と同様にして錠剤を得た。一錠(175.2mg)当たりの製剤処方は、フェノフィブラート53.3mg、第1の多孔質担体53.3mg、SLS 1.9mg、HPC 10.7mg、崩壊剤53.5mg、滑沢剤2.7mgである。 [溶出試験] 実施例8の製剤と対照製剤について、実施例1と同様にしてパドル法により溶出試験を実施したところ、図6に示す結果を得た。図6から明らかなように、実施例8の錠剤は、活性成分の含有量が少ないにも拘わらず、対照製剤に対して高い溶出性を示した。 実施例9 [固体分散体及び錠剤の調製] 実施例1で用いた球状の第1の多孔質担体に代えて、第1の多孔質担体として、球状である含水二酸化ケイ素(富士シリシア化学(株)製「サイロスフェアC−1504」)を用い、フェノフイブラートと第1の多孔質担体との割合を調整するとともに、HPMC2910に代えてHPCを用いる以外、実施例1と同様にして固体分散体粉末を得た。 得られた固体分散体粉末、崩壊剤(クロスカルメロースナトリウム)及び滑沢剤(ステアリン酸マグネシウム)を用いて実施例1と同様にして錠剤を得た。一錠(172.7mg)当たりの製剤処方は、フェノフィブラート53.3mg、第1の多孔質担体48mg、SLS 1.9mg、HPC 10.7mg、崩壊剤53.5mg、滑沢剤5.3mgである。 実施例10 [固体分散体及び錠剤の調製] 実施例1で用いた球状の第1の多孔質担体に代えて、第1の多孔質担体として、球状である含水二酸化ケイ素(富士シリシア化学(株)製「サイロスフェアC−1504」)を用い、フェノフイブラートと第1の多孔質担体との割合を調整するとともに、HPMC2910に代えてHPCを用いる以外、実施例1と同様にして固体分散体粉末を得た。 得られた固体分散体粉末、崩壊剤(クロスカルメロースナトリウム)及び滑沢剤(ステアリン酸マグネシウム)を用いて実施例1と同様にして錠剤を得た。一錠(161.7mg)当たりの製剤処方は、フェノフィブラート53.3mg、第1の多孔質担体37mg、SLS 1.9mg、HPC 10.7mg、崩壊剤53.5mg、滑沢剤5.3mgである。 実施例11 実施例8で得られた固体分散体粉末と、粉末状ピタバスタチン(ピタバスタチンカルシウム)と、崩壊剤(クロスカルメロースナトリウム)とを秤量し、乳鉢で混合した後、50kNで圧縮してスラッグ錠を製した。このスラッグ錠を破砕し、目開き710μmのふるいを通し、顆粒を得た。得られた顆粒に滑沢剤(ステアリン酸マグネシウム)を添加して混合し、50kNで圧縮成形し、錠剤を得た。1錠(175.2mg)あたりの製剤処方は、フェノフィブラート53.3mg、ピタバスタチン2mg、第1の多孔質担体53.3mg、SLS 1.9mg、HPC 10.7mg、崩壊剤53.5mg、滑沢剤2.7mgである。 比較例1 界面活性剤(SLS)の共存下でフェノフィブラートを共微粉砕したフェノフィブラート(平均粒子径5μm)100重量部と、賦形剤(乳糖水和物)と、結合剤(アルファー化デンプン)とを含むフェノフィブラート微粉化製剤と粉末状ピタバスタチン(ピタバスタチンカルシウム)3重量部とを混合し、崩壊剤(クロスポビドン)及び滑沢剤(ステアリン酸マグネシウム)を用いて実施例1と同様にして錠剤を得た。錠剤の処方は以下の通りである。 微分化フェノフィブラート 67.0mg ピタバスタチンカルシウム 2.0mg 乳糖水和物(賦形剤) 33.6mg SLS(界面活性剤) 2.3mg アルファー化デンプン(結合剤) 10.1mg クロスポビドン(崩壊剤) 2.3mg ステアリン酸マグネシウム(滑沢剤) 1.7mg そして、実施例11及び比較例1の錠剤を前記溶出試験に供したところ、フェノフィブラートについて図7に示す結果を得た。図7から明らかなように、実施例11の製剤はフェノフィブラートを高い溶出率で溶出する。これに対して、比較例1の錠剤はフェノフィブラートの溶出性が低い。なお、実施例11及び比較例1においてピタバスタチンの溶出は同様の挙動を示し、10分で溶出率90%以上、15分で溶出率95%以上であった。なお、ピタバスタチンの溶出試験は、パドル法により、溶出液として水を用い、回転数毎分50回転で行った(n=6)。また、フェノフィブラートの溶出試験は、溶出液としてラウリル硫酸ナトリウム溶液を用い、回転数毎分100回転で行った。 実施例12 実施例8で得られた固体分散体粉末と粉末状ロスバスタチン(ロスバスタチンカルシウム)とを、フェノフィブラート/ロスバスタチン=100/4.7(重量比)の割合で混合し、崩壊剤(クロスカルメロースナトリウム)及び滑沢剤(ステアリン酸マグネシウム)を用いて実施例1と同様にして錠剤を得た。錠剤中の活性成分の含有量を高速液体クロマトグラフィ(HPLC)により測定したところ、1錠あたりフェノフィブラート含有量約53.3mg、ロスバスタチン含有量2.5mgであった。 実施例13 実施例8で得られた固体分散体粉末と粉末状アトルバスタチン(アトルバスタチンカルシウム水和物)とを、フェノフィブラート/アトルバスタチン=100/9.4(重量比)の割合で混合し、崩壊剤(クロスカルメロースナトリウム)及び滑沢剤(ステアリン酸マグネシウム)を用いて実施例1と同様にして錠剤を得た。錠剤中の活性成分の含有量は、1錠あたりフェノフィブラート含有量約53.3mg、アトルバスタチン含有量5mgであった。 実施例14 実施例8で得られた固体分散体粉末と粉末状プラバスタチンとを、フェノフィブラート/プラバスタチン=100/9.4(重量比)の割合で混合し、崩壊剤(クロスカルメロースナトリウム)及び滑沢剤(ステアリン酸マグネシウム)を用いて実施例1と同様にして錠剤を得た。錠剤中の活性成分の含有量は、1錠あたりフェノフィブラート含有量約53.3mg、プラバスタチン含有量5mgであった。 実施例15 実施例8で得られた固体分散体粉末と粉末状シンバスタチンとを、フェノフィブラート/シンバスタチン=100/9.4(重量比)の割合で混合し、崩壊剤(クロスカルメロースナトリウム)及び滑沢剤(ステアリン酸マグネシウム)を用いて実施例1と同様にして錠剤を得た。錠剤中の活性成分の含有量は、1錠あたりフェノフィブラート含有量約53.3mg、シンバスタチン含有量5mgであった。 実施例16 実施例8で得られた固体分散体粉末と粉末状エゼチミブとを、フェノフィブラート/エゼチミブ=53.3/18.8(重量比)の割合で混合し、崩壊剤(クロスカルメロースナトリウム)及び滑沢剤(ステアリン酸マグネシウム)を用いて実施例1と同様にして錠剤を得た。錠剤中の活性成分の含有量は、1錠あたりフェノフィブラート含有量約53.3mg、エゼチミブ含有量10mgであった。 実施例17 実施例8で得られた固体分散体粉末と粉末状カンデサルタン シレキセチルとを、フェノフィブラート/カンデサルタン シレキセチル=100/3.8(重量比)の割合で混合し、崩壊剤(クロスカルメロースナトリウム)及び滑沢剤(ステアリン酸マグネシウム)を用いて実施例1と同様にして錠剤を得た。錠剤中の活性成分の含有量は、1錠あたりフェノフィブラート含有量約53.3mg、カンデサルタン シレキセチル含有量2mgであった。 実施例18 実施例8で得られた固体分散体粉末と粉末状ロサルタン(ロサルタンカリウム)とを、フェノフィブラート/ロサルタン=100/47(重量比)の割合で混合し、崩壊剤(クロスカルメロースナトリウム)及び滑沢剤(ステアリン酸マグネシウム)を用いて実施例1と同様にして錠剤を得た。錠剤中の活性成分の含有量は、1錠あたりフェノフィブラート含有量約53.3mg、ロサルタン含有量25mgであった。 実施例19 実施例8で得られた固体分散体粉末と粉末状テルミサルタンとを、フェノフィブラート/テルミサルタン=100/37.5(重量比)の割合で混合し、崩壊剤(クロスカルメロースナトリウム)及び滑沢剤(ステアリン酸マグネシウム)を用いて実施例1と同様にして錠剤を得た。錠剤中の活性成分の含有量は、1錠あたりフェノフィブラート含有量約53.3mg、テルミサルタン含有量20mgであった。 実施例20 実施例8で得られた固体分散体粉末と粉末状アムロジピン(アムロジピンベシル酸塩)とを、フェノフィブラート/アムロジピン=100/4.7(重量比)の割合で混合し、崩壊剤(クロスカルメロースナトリウム)及び滑沢剤(ステアリン酸マグネシウム)を用いて実施例1と同様にして錠剤を得た。錠剤中の活性成分の含有量は、1錠あたりフェノフィブラート含有量約53.3mg、アムロジピン含有量2.5mgであった。 実施例21 実施例8で得られた固体分散体粉末と粉末状アスピリンとを、フェノフィブラート/アスピリン=100/5.6(重量比)の割合で混合し、崩壊剤(クロスカルメロースナトリウム)及び滑沢剤(ステアリン酸マグネシウム)を用いて実施例1と同様にして錠剤を得た。錠剤中の活性成分の含有量は、1錠あたりフェノフィブラート含有量約53.3mg、アスピリン含有量3mgであった。 実施例22 実施例8で得られた固体分散体粉末と粉末状グリメピリドとを、フェノフィブラート/グリメピリド=100/1.9(重量比)の割合で混合し、崩壊剤(クロスカルメロースナトリウム)及び滑沢剤(ステアリン酸マグネシウム)を用いて実施例1と同様にして錠剤を得た。錠剤中の活性成分の含有量は、1錠あたりフェノフィブラート含有量約53.3mg、グリメピリド含有量1mgであった。 実施例23 実施例8で得られた固体分散体粉末と粉末状ボグリボースとを、フェノフィブラート/ボグリボース=100/0.4(重量比)の割合で混合し、崩壊剤(クロスカルメロースナトリウム)及び滑沢剤(ステアリン酸マグネシウム)を用いて実施例1と同様にして錠剤を得た。錠剤中の活性成分の含有量は、1錠あたりフェノフィブラート含有量約53.3mg、ボグリボース含有量0.2mgであった。 実施例24 実施例8で得られた固体分散体粉末と粉末状ピオグリタゾン(塩酸ピオグリタゾン)とを、フェノフィブラート/ピオグリタゾン=100/28.1(重量比)の割合で混合し、崩壊剤(クロスカルメロースナトリウム)及び滑沢剤(ステアリン酸マグネシウム)を用いて実施例1と同様にして錠剤を得た。錠剤中の活性成分の含有量は、1錠あたりフェノフィブラート含有量約53.3mg、ピオグリタゾン含有量15mgであった。 実施例25 [固体分散体及び錠剤の調製] 実施例1で用いた球状の第1の多孔質担体(富士シリシア化学(株)製「サイロスフェアC−1510」)に代えて、第1の多孔質担体として、球状であり、かつ下記の特性を有する含水二酸化ケイ素(デグサ社製「アエロパール300/30」)を用い、HPMC2910に加えてHPCを用いる以外、実施例1と同様にして固体分散体粉末を得た。 [第1の多孔質担体:「アエロパール300/30」] 加熱減量(950℃、2時間):2.0重量%以下 赤外線吸収スペクトル: (1)I1/I0=4.1、I2/I0=9.5、I3/I0=17.7、I4/I0=29.1、I5/I0=37.1、I6/I0=31.3、I7/I0=19.1、I8/I0=12.3、I9/I0=6.1、I10/I0=2.7 (2)I3/I1=4.4、I4/I1=7.2、I5/I1=9.1、I6/I1=7.7、I7/I1=4.7、I8/I1=3.0 平均粒子径約30μm、比表面積(単位:m2/g)300 球状の第1の多孔質担体「アエロパール300/30」の赤外線吸収スペクトルを図8に示す。 得られた固体分散体粉末、崩壊剤(クロスカルメロースナトリウムおよびクロスポビドン)及び滑沢剤(ステアリン酸マグネシウム)を用いて実施例1と同様にして錠剤を得た。一錠(175.4mg)当たりの製剤処方は、フェノフィブラート53.3mg、第1の多孔質担体53.3mg、SLS 1.9mg、HPMC2910 5.35mg、HPC 5.35mg、崩壊剤53.5mg(クロスカルメロースナトリウム26.75mg、クロスポビドン26.75mg)、滑沢剤2.7mgである。 [溶出試験] 実施例25の製剤と対照製剤について、実施例1と同様にしてパドル法により溶出試験を実施したところ、図9に示す結果を得た。図9から明らかなように、実施例25の錠剤は、活性成分の含有量が少ないにも拘わらず、対照製剤に対して高い溶出性を示した。 製剤例1(錠剤) 実施例1と同様にして噴霧乾燥し、固体分散体を得た。この固体分散体及び下記の担体成分を混合した後、5kNで圧縮製錠し、錠剤を得た。なお、下記割合は錠剤中の成分の割合(重量%)である。 実施例1の固体分散体 41重量% 乳糖 39重量% 結晶セルロース 9重量% クロスポビドン 9重量% タルク 1重量% ショ糖脂肪酸エステル 1重量% 製剤例2(錠剤) 実施例5と同様にして噴霧乾燥し、固体分散体を得た。この固体分散体及び下記の担体成分を混合した後、5kNで圧縮製錠し、錠剤を得た。なお、下記割合は錠剤中の成分の割合(重量%)である。 実施例5の固体分散体 54重量% D−マンニトール 22重量% クロスポビドン 22重量% ステアリン酸マグネシウム 2重量% 製剤例3(カプセル剤) 実施例7と同様にして噴霧乾燥し、固体分散体粉末を得た。得られた固体分散体粉末とD−マンニトールとクロスカルメロースナトリウムとを混合し、混合物を20kNで圧縮してスラッグ錠を製した。スラッグ錠を破砕し、目開き710μmの篩いを通して顆粒を得た。得られた顆粒剤をゼラチンカプセルにつき約197mgずつ充填し、カプセル剤を調製した。なお、下記割合はカプセル内容物100重量%に対する成分の割合である。 実施例7の固体分散体 52重量% D−マンニトール 24重量% クロスカルメロースナトリウム 24重量% 本発明の固体分散体及び医薬組成物は、活性成分の溶出性又は分散性、生物学的利用能が著しく改善されており、医薬製剤中の活性成分の含量を低減することができると共に、剤形を小型化できる。そのため、医薬組成物は、服用性に優れており、患者のコンプライアンスを向上させるのに有効である。本発明の固体分散体及び医薬組成物は、活性成分の種類に応じて、種々の疾患、例えば、メタボリックシンドローム、高脂血症、糖尿病、糖尿病合併症などの予防及び/又は治療剤として利用できる。 水に対して難溶性の活性成分と、この活性成分を含浸して担持する粉末状多孔質担体とで構成された固体分散体であって、前記多孔質担体が、平均細孔径15〜20nm、吸油量230〜320ml/100g、平均粒子径3〜15μm、比表面積400〜600m2/gを有し、温度950℃で2時間加熱したとき、減量が2.5重量%以下の多孔質ケイ素系担体を含む固体分散体。 多孔質ケイ素系担体が、球状多孔質ケイ素系担体で構成されている請求項1記載の固体分散体。 赤外線吸収スペクトルにおいて、波数3800cm−1での吸収強度をI0、波数3650cm−1での吸収強度をI1、波数3600cm−1での吸収強度をI2、波数3550cm−1での吸収強度をI3、波数3500cm−1での吸収強度をI4、波数3450cm−1での吸収強度をI5、波数3400cm−1での吸収強度をI6、波数3350cm−1での吸収強度をI7、波数3300cm−1での吸収強度をI8としたとき、多孔質ケイ素系担体が以下の少なくとも1つの強度比を示す請求項1又は2記載の固体分散体。 (1-2)強度比(I2/I0):11〜17 (1-3)強度比(I3/I0):20〜40 (1-4)強度比(I4/I0):35〜73 (1-5)強度比(I5/I0):40〜110 (1-6)強度比(I6/I0):35〜85 (1-7)強度比(I7/I0):23〜47 (1-8)強度比(I8/I0):14〜27 (2-2)強度比(I4/I1):7.7〜10.5 (2-3)強度比(I5/I1):9.5〜15 (2-4)強度比(I6/I1):8〜12 多孔質ケイ素系担体が、温度950℃で2時間加熱後の減量2重量%以下の球状シリカである請求項1〜3のいずれかに記載の固体分散体。 多孔質ケイ素系担体が、内部にナノメータ単位の微細孔を無数に有し、粒子体積の50〜85%を空間が占める球状シリカの単分散粒子である請求項1〜4のいずれかに記載の固体分散体。 多孔質ケイ素系担体が、見掛け比重10〜50ml/5gを有する請求項1〜5のいずれかに記載の固体分散体。 多孔質担体が、平均細孔径15〜20nm、吸油量230〜320ml/100g、平均粒子径3〜15μm、比表面積400〜600m2/gを有し、温度950℃で2時間加熱したとき、減量が2.5重量%以下の多孔質ケイ素系担体と、他の多孔質担体とで構成されている請求項1〜6のいずれかに記載の固体分散体。 多孔質担体が、平均細孔径15〜20nm、吸油量230〜320ml/100g、平均粒子径3〜15μm、比表面積400〜600m2/gを有し、温度950℃で2時間加熱したとき、減量が2.5重量%以下の多孔質ケイ素系担体と、他の多孔質担体とで構成され、多孔質ケイ素系担体と他の多孔質担体との割合が前者/後者=50/50〜100/0(重量比)である請求項1〜7のいずれかに記載の固体分散体。 活性成分が、高脂血症治療薬、高血圧治療薬、抗肥満薬、利尿薬、抗血栓薬、糖尿病治療薬、及び糖尿病性合併症治療薬から選択された少なくとも一種である請求項1〜8のいずれかに記載の固体分散体。 活性成分がフィブラート系化合物である請求項1〜9のいずれかに記載の固体分散体。 活性成分が、ベザフィブラート、クリノフィブラート、クロフィブラート、フェノフィブラート、ベクロブラート、ビニフィブラート、シプロフィブラート、エトフィブラート、ゲムフィブロジル、ニコフィブラート、ピリフィブラート、ロニフィブラート、シムフィブラート、シンフィブラート、テオフィブラート又はこれらの遊離酸、若しくは活性代謝物若しくはそれらの塩から選択された少なくとも一種である請求項1〜10のいずれかに記載の固体分散体。 粉末状多孔質担体1重量部に対して0.01〜5重量部の割合で活性成分が担持されている請求項1〜11のいずれかに記載の固体分散体。 結晶性活性成分が、非晶質の形態で多孔質担体に担持されている請求項1〜12のいずれかに記載の固体分散体。 水溶性添加剤成分がさらに多孔質担体に担持されている請求項1〜13のいずれかに記載の固体分散体。 水溶性添加剤成分が、水溶性高分子、糖類、界面活性剤から選択された少なくとも一種の水溶性成分である請求項14記載の固体分散体。 水溶性高分子が、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、ポリエチレングリコール、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースから選択された少なくとも一種であり、界面活性剤がアニオン性界面活性剤及び/又は非イオン性界面活性剤である請求項15記載の固体分散体。 水溶性添加剤成分としてのヒドロキシプロピルメチルセルロース及びC10−24アルキル硫酸ナトリウムが多孔質担体に担持されている請求項1〜16のいずれかに記載の固体分散体。 添加剤成分の総量が、水に対して難溶性の活性成分100重量部に対して1〜50重量部である請求項14〜17記載の固体分散体。 水に対して難溶性の活性成分と、水溶性添加剤成分とが、多孔質担体の全体に亘り均一に含浸されて担持されている請求項14〜18に記載の固体分散体。 水に対して難溶性の活性成分が粉末状多孔質担体に担持された固体分散体を製造する方法であって、前記難溶性の活性成分の有機溶媒溶液を、請求項1〜6のいずれかに記載の多孔質ケイ素系担体を含む粉末状多孔質担体に含浸させ、有機溶媒を除去し、前記活性成分が前記多孔質担体に担持された固体分散体を製造する方法。 有機溶媒溶液が温度10℃で液体であり、室温で有機溶媒溶液に粉末状多孔質担体を浸漬して、粉末状多孔質担体に有機溶媒溶液を含浸させ、混合物を乾燥して有機溶媒を除去する請求項20記載の製造方法。 活性成分の有機溶媒溶液と粉末状多孔質担体との混合液を噴霧乾燥させる請求項20又は21記載の製造方法。 請求項1〜19のいずれかに記載の固体分散体で構成されている医薬組成物。 複数の活性成分を含み、少なくとも1つの活性成分が水に対して難溶性の活性成分である医薬組成物であって、少なくとも水に対して難溶性の活性成分が、請求項1〜6のいずれかに記載の多孔質ケイ素系担体を含む粉末状多孔質担体に担持されている請求項23記載の医薬組成物。 投与量の多い活性成分と投与量の少ない活性成分とを含み、少なくとも投与量の多い活性成分が水に対して難溶性の活性成分である医薬組成物であって、少なくとも水に対して難溶性の活性成分が、請求項1〜6のいずれかに記載の多孔質ケイ素系担体を含む粉末状多孔質担体に担持されている請求項23又は24記載の医薬組成物。 フィブラート系化合物とスタチン系化合物とを含み、少なくともフィブラート系化合物が粉末状多孔質担体に担持されている請求項23〜25のいずれかに記載の医薬組成物。 さらに、賦形剤、結合剤、崩壊剤及び滑沢剤から選択された少なくとも一種の担体成分を含む請求項23〜26のいずれかに記載の医薬組成物。 固体分散体が圧縮成形された固形製剤である請求項23〜27のいずれかに記載の医薬組成物。 請求項1〜19のいずれかに記載の固体分散体を少なくとも圧縮する工程を経て医薬組成物を製造する方法。


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