タイトル: | 公開特許公報(A)_全有機体炭素測定装置 |
出願番号: | 2010292963 |
年次: | 2012 |
IPC分類: | G01N 31/00 |
能登 紀幸 JP 2012141185 公開特許公報(A) 20120726 2010292963 20101228 全有機体炭素測定装置 株式会社島津製作所 000001993 野口 繁雄 100085464 能登 紀幸 G01N 31/00 20060101AFI20120629BHJP JPG01N31/00 DG01N31/00 Y 2 1 OL 8 2G042 2G042BA03 2G042CA02 2G042CB03 2G042DA03 2G042DA04 2G042EA20 本発明は、試料を加熱して酸化分解するための酸化反応部と、酸化分解後の試料を流通させるためのセル、セルに対して光を照射する光源及びセルを透過した光を検出するための検出器を有する測定部と、を備えた全有機体炭素測定装置(以下、TOC計)に関するものである。 下水、河川水、工場排水などの水質を分析する水質分析計として、試料中に含まれている全有機体炭素(TOC)を測定するTOC計がある。TOC計では、採取した試料水を酸化反応部に導入し、試料中の炭素成分を酸化分解してCO2に変換し、そのCO2を含むガスを測定部のセルに導入して吸光度を測定することにより、試料水のTOCを測定する(特許文献1参照。)。 このようなTOC計では、試料ガス中に塩素などのハロゲン成分が含まれていると測定部の検出器で得られる検出信号に影響を与え、TOC測定値の誤差が大きくなる。そのため、TOC計にはハロゲン除去部が設けられている。ハロゲン除去部は酸化反応部からセルまでの間に配置され、通過するガスからハロゲン成分を除去するがCO2は除去しないものである。一般的なハロゲン除去部は、銅からなるハロゲン吸着材を収容した容器内を試料ガスが通過するように構成されている。特開2007−93290号公報 上記のような従来のハロゲン除去部では、酸化反応部からのガス(以下、試料ガスという)中のハロゲン成分濃度が高濃度になったときにハロゲン成分を除去しきれなくなるという問題があった。ハロゲン除去部の容量を大きくすればハロゲン除去能力が多少は向上するが、高濃度のハロゲン成分を含む試料から全てのハロゲン成分を除去できるまで向上するわけではなかった。 また、TOC計では、TC濃度やTOC濃度を検出信号のピークの面積から求めるが、ピークの面積を求めるためにはピークの開始点と終了点を検出する必要がある。そのため、ピーク検出角度が設定され、具体的には検出信号の立ち上がり角度が開始点検出用のピーク検出角度になったときをピーク開始点、立ち下がり角度が終了点検出用のピーク検出角度になったときをピーク終了点として検出するようになっている。 しかし、ハロゲン除去部の容量が大きいと、ハロゲン除去部で試料ガスが拡散するとともに、試料ガスがハロゲン除去部に滞在する時間が長くなって試料ガスがセルに到達するまでに時間がかかり、測定部で得られる検出信号のピーク形状がブロードになる。ピーク形状がブロードになると、ピークの立ち上がり角度がピーク検出角度になるまでの時間が遅くなってピーク開始点の検出が実際の開始点よりも遅れ、逆にピークの立ち下がり角度がピーク検出角度になるまでの時間が早くなってピーク終了点の検出が実際の終了点よりも早まる。その結果、算出されるピーク面積値が実際の面積よりも小さくなり、測定精度が低下してしまう。また、例えば1mg/L以下程度のTOCしか含まない低濃度領域の試料の測定では、ピーク形状がブロードになるとピークを検出することができなくなるという問題もある。 そこで、本発明は、ハロゲン除去部の容量を大きくしすぎることなく、試料からのハロゲン除去性能を向上させることを目的とするものである。 本発明は、試料水中の炭素成分を加熱して酸化分解することにより二酸化炭素に変換する酸化反応部と、酸化反応部からのガスを流通させるためのセル、セルに対して光を照射する光源及びセルを透過した光を検出するための検出器を有する測定部と、酸化反応部とセルとの間を接続する流路上に設けられ酸化反応部からのガス中のハロゲン成分を除去するためのハロゲン除去部と、を備えたTOC計であって、ハロゲン除去部は鉄イオンを含むハロゲン吸着溶液を内部に収容した容器からなる第1ハロゲンスクラバ及び内部に銅からなるハロゲン吸着材を収容した容器からなる第2ハロゲンスクラバを備え、酸化反応部からのガスは第1ハロゲンスクラバにおいてハロゲン吸着溶液中を通り、第1ハロゲンスクラバを経たガスが第2ハロゲンスクラバ内を通過するように構成されていることを特徴とするものである。 従来のTOC計におけるハロゲン除去部は、内部に銅からなるハロゲン吸着材を収容した容器のみで構成されていた。これに対し、上記の本発明にかかるTOC計のハロゲン除去部は、鉄イオンを含むハロゲン吸着溶液を内部に収容した容器からなる第1ハロゲンスクラバと内部に銅からなるハロゲン吸着材を収容した容器からなる第2ハロゲンスクラバを直列に接続して2段階のハロゲンスクラバで構成している。第2ハロゲンスクラバは、従来のTOC計に用いられていたものと同じものである。第2ハロゲンスクラバは、ハロゲン成分を低濃度で含むガスからハロゲン成分をほぼ完全に除去することができるが、ハロゲン成分を高濃度で含むガスに対してはハロゲン成分を除去しきれず、高濃度のハロゲン成分を除去するためにはハロゲンスクラバの容量を大幅に大きくする必要があった。 そこで、第2ハロゲンスクラバの上流側に鉄イオンを含むハロゲン吸着溶液を内部に収容した第1ハロゲンスクラバを直列に接続した。この第1ハロゲンスクラバは、ハロゲン成分を高濃度で含むガスからハロゲン成分を除去することに適したものである。この第1ハロゲンスクラバは、第2ハロゲンスクラバよりも小さい容量で高濃度のハロゲン成分を吸着して除去する能力がある反面、微量のハロゲン成分を除去しきれず、ハロゲン成分を低濃度で含むガスに対しても完全には除去しきれない。したがって、これら第1及び第2のハロゲンスクラバを組み合わせて相互のハロゲン除去能力を補完するようにした。 上記ハロゲン除去部の第1ハロゲンスクラバにおいて、容器の側面に出口流路が設けられている場合、ハロゲン吸着液の液面をその出口流路よりも低くする必要があるため、ハロゲン吸着液の液面の上方に試料ガスが滞留する空間ができてしまい、その空間がデッドボリュームとなってハロゲン吸着液内を通った試料ガスが出口流路から出るまでの時間が長くなる。そこで、第1ハロゲンスクラバの容器の上面を封止する上蓋に該容器からガスを排出するための出口流路を設け、ハロゲン吸着溶液の液面が上蓋にまで達するか又はその近傍にまで達するようにすることができる。そうすれば、第1ハロゲンスクラバ内のデッドボリュームが低減され、酸化反応部からのガスが第1ハロゲンスクラバに滞在する時間が短くなる。これにより、測定部で得られる検出信号のピークの形状がブロードになることを防止でき、測定精度の低下を防止できる。 本発明のTOC計では、ハロゲン除去部は鉄イオンを含むハロゲン吸着溶液を内部に収容した容器からなる第1ハロゲンスクラバ及び内部に銅からなるハロゲン吸着材を収容した容器からなる第2ハロゲンスクラバを備え、酸化反応部からのガスは第1ハロゲンスクラバにおいてハロゲン吸着溶液中を通り、第1ハロゲンスクラバを経たガスが第2ハロゲンスクラバ内を通過するように構成されているので、高濃度のハロゲン成分の除去に適した第1ハロゲンスクラバと低濃度のハロゲン成分の除去に適した第2ハロゲンスクラバの相互のハロゲン除去性能が補完され、ハロゲン成分を低濃度で含むガスに対しても高濃度で含むガスに対しても、ハロゲン除去部全体の容量を大幅に増大させることなく、ハロゲン成分の除去性能を向上させることができる。ハロゲン除去部全体の容量が大幅に増大しないので、測定部で得られる検出信号のピーク形状がブロードになることを防止でき、測定精度の低下を防止することができる。TOC計の一実施例を示す流路構成図である。第1ハロゲンスクラバの一例を示す図である。 TOC計の一実施例を図1を用いて説明する。 TOC計2は、TOC測定部3と、TOC測定部3に設けられている酸化反応部の燃焼管42にキャリアガスを送るキャリアガス供給部5と、それらを切り換える多ポートバルブ9によって構成されている。 多ポートバルブ9の共通ポートには試料水を計量して採取するためのサンプリングシリンジ11が接続され、他のポートには試料導入部13、試料水から無機炭素成分を除去する際に使用される塩酸15、希釈水17、無機炭素(IC)反応器19、燃焼管42及び排出用ドレン21がそれぞれ接続されており、オートサンプラから採取した試料をTOC測定部の燃焼管42に注入できるようになっている。 サンプリングシリンジ11は例えば容量5mLで、バレル下部にキャリアガスを導入するための通気ガス入口を備えている。その通気ガス入口は、電磁弁37を介してキャリアガス供給部5に接続されている。ガス通気機構は、ここでは、サンプリングシリンジ11はTOC測定時に、採取した試料水に塩酸15を添加した後、キャリアガスを通気して試料水中のICを除去するガス通気機構を兼ねている。 キャリアガス供給部5は、高純度空気をキャリアガスとして供給するものであり、上流側から順にキャリアガス入口23、電磁弁25、圧力を調節する調圧弁27、その圧力を計量する圧力計29、流量を調節するマスフローコントローラ31、流量計33、及び加湿器35が接続されて構成されている。流量が計量されて加湿されたキャリアガスは燃焼管42に送られる。また、サンプリングシリンジ11にも流量調整されたキャリアガスが通気ガスとして電磁弁37を介してサンプリングシリンジ11に供給される。 燃焼管42はその上部に試料注入部43を備え、内部に試料中の炭素成分の全てをCO2に変換するための金属酸化物や貴金属からなる酸化触媒を備えている。燃焼管42は加熱炉41に挿入されて加熱されるようになっている。試料注入部43にはキャリアガスの逆流を防止する逆止弁45を介してキャリアガス供給部5が接続されている。燃焼管42の下部の出口には、冷却部47と逆流防止トラップ49を介してIC反応器19のキャリアガス導入口に接続されている。 IC反応器19はIC測定時にはIC反応液19aとしてリン酸53がポンプ55によって供給され、IC反応器19に試料水が直接注入され、注入された試料水中のICがCO2として発生し、キャリアガスによって反応液トラップ60及び第1ハロゲンスクラバ62を経ることによってハロゲン成分の大部分が除去された後、除湿用電子クーラ51に導かれる。IC反応器19の使用後のIC反応液19aはドレン用電磁弁57から排出される。 除湿用電子クーラ51を経たガスは水分を除去する除湿器や第2ハロゲンスクラバ63及び異物を除去するためのメンブレンフィルタ63を介して非分散形赤外分析方式(NDIR)のセル65に導かれる。セル65の両端には光源67及び検出器69が対向して備えられている。検出器69の信号は動作様式に応じてTC、TOC又はICに相当する。排出された二酸化炭素はCO2アブソーバ71に吸着される。除湿用電子クーラ51には水分除去するためのドレンポット59が接続されている。 この実施例のTOC計では、IC反応器19を経たガス中のハロゲン成分を除去するため第1ハロゲンスクラバ62と第2ハロゲンスクラバ63からなるハロゲン除去部61を備えている。第1ハロゲンスクラバ62は、希塩酸(例えば濃度0.05mol/L)が収容され、その希塩酸中に鉄製の網状部材が浸漬された容器からなる。第1ハロゲンスクラバ62に収容された希塩酸は鉄製の網状部材からの鉄イオンを含むことによってハロゲン成分を吸着するためのハロゲン吸着溶液となる。第1ハロゲンスクラバ62の容量は例えば35mLであり、第2ハロゲンスクラバ63の容量は例えば33mLである。 図2(A)は第1ハロゲンスクラバ62の具体的な一例を示している。なお、この図において、鉄製の網状部材の図示は省略している。第1ハロゲンスクラバ62の上面を封止している上蓋62aにガスの入口流路及び出口流路を兼ね備えた流路接続部材73が取り付けられている。流路接続部材73は上部の流路保持部73bでハロゲントラップ60から接続されたチューブ75を保持し、チューブ75の先端はこの第1ハロゲンスクラバ62内に収容された希塩酸内に浸漬されている。流路接続部材73の本体部分73aはチューブ75の外側に隙間をもって流路をなす二重管構造となっており、チューブ75の外側の流路が本体部分73aの側面に設けられた出口部73cに接続されている。出口部73cには、除湿用電子クーラ51へと繋がるチューブ(図示は省略)が接続されるようになっている。 第1ハロゲンスクラバ62内には希塩酸からなるハロゲン吸着溶液が上蓋62aの直下の高さまで収容されている。図2(B)に示されているようにガス出口を容器の側方に設けると、ハロゲン吸着溶液をその出口よりも下の高さまでしか収容できず、ハロゲン吸着溶液の液面の上方にデッドボリュームが存在する。これに対し、図2(A)のように、上蓋62a側に出口部73cを設けることで、ハロゲン吸着溶液の液面の上方のデッドボリュームを大幅に低減することができ、同じ量のハロゲン吸着溶液を収容する場合にも第1ハロゲンスクラバ62の容器の容量を小さくすることができる。これにより、ガスが第1ハロゲンスクラバ62を通過する時間が短くなり、検出信号のピークがブロードになる程度を最小限にとどめることができる。 表1はハロゲンスクラバの容量が測定値に与える影響を調べた測定データを示したものである。この表において、左側のデータ(70mL)は第1ハロゲンスクラバ62として容量が70mLのものを用い、右側のデータは第1ハロゲンスクラバ62として容量が35mLのものを用いてTC濃度が0、0.25、0.5、0.75、1(mg/L)の標準液試料のTC測定を行なったデータである。これらのデータにおいて「面積値」は測定データにおけるピーク面積値、「CV値(%)」は標準液濃度に対する測定値の変動率(標準偏差/平均値)、「直線性(%)」は標準液濃度が0のときの測定値と1のときの測定値との間を直線で引いたときの当該直線と各測定値との間のずれをそれぞれ表わしている。 表1のデータを比較すると、標準液のTC濃度が1mg/LのときのCV値は、容量70mLのときに3.9%であったものが、容量35mLのときは1.5%に低減されており、直線性の最大値も容量70mLのときに12.9%であったものが、容量35mLのときは−1.7%に低減されている。これは、TC濃度が1mg/L以下の低濃度領域の試料の測定精度が、容量70mLのものよりも容量35mLのものを第1ハロゲンスクラバ62として用いた場合の方が向上していることを示している。なお、第1ハロゲンスクラバ62のハロゲン除去性能は容量の大きいものほど高くなるが、TOC計において測定する試料では35mLの容量のもので第1ハロゲンスクラバ62としての機能を十分に果たすことができる。 次に同実施例の動作を説明する。(TC測定) 試料水はサンプリングシリンジ11によってオートサンプラ1から一定量が吸入された後、多ポートバルブ9がサンプリングシリンジ11が燃焼管42に接続されるポートに切り換えられて、サンプリングシリンジ11のプランジャが上昇させられることにより試料水が燃焼管42の試料注入部43に送られ、同時に、高純度空気がキャリアガスとしてキャリアガス供給部5から逆止弁45を介して試料注入部43に送られ、試料水と空気の混合物が燃焼管42に導入される。燃焼管42では加熱炉41により例えば680℃に加熱され、試料水の炭素成分は酸化されて二酸化炭素に変換される。 燃焼管42で発生したガス(二酸化炭素と水蒸気)は冷却部47で冷却され、二酸化炭素は逆流防止トラップ49を経由してIC反応器19に導入される。IC反応液19aを経たガスはハロゲン成分の大部分が第1ハロゲンスクラバ62で除去された後、除湿用電子クーラ51に導かれて水分が除去され、さらに第2ハロゲンスクラバ63で残りのハロゲン成分が除去され、メンブレンフィルタ63により濾過されて、セル65に導入される。そして、光源67からの赤外光が、セル65中に照射され、二酸化炭素の濃度に比例した信号が検出器69から得られる。この信号は液体試料のTCに相当する。そして排出された二酸化炭素はCO2アブソーバ71に吸着される。(IC測定) サンプリングシリンジ11によってオートサンプラ1から吸入された一定量の試料水が、多ポートバルブ9の切替えとサンプリングシリンジ11の作動によってIC反応器19に送られる。IC反応器19では、下部からキャリアガスが送られてIC反応液19aがバブリングされる状態に保たれ、その状態で上部から導入された試料水は、IC反応液19aであるリン酸溶液に触れ、酸性化作用により二酸化炭素を生成する。この二酸化炭素を含むガスは、除湿用電子クーラ51に導かれてさらに水分が除去され、ハロゲンスクラバ61でハロゲン成分が除かれ、メンブレンフィルタ63により濾過されて、セル65に導入される。そして、光源67からの赤外光が、セル65中に照射され、二酸化炭素の濃度に比例した信号が検出器69から得られる。この二酸化炭素量はICに相当する。 このようにして測定されたTCからICを差し引きすれば、TOCを求めることができる。(TOC測定) このTOC測定装置では、サンプリングシリンジ11に通気処理を行う機構とサンプリングシリンジ11に酸を注入する機構を備えているので、直接にTOCを測定することもできる。すなわち、試料水の一定量がサンプリングシリンジ11に採取された後、多ポートバルブ9がサンプリングシリンジ11を塩酸15を供給するポートに切り替えられて塩酸がサンプリングシリンジ11に吸引される。その後、多ポートバルブ9がドレン用のポートに接続され、サンプリングシリンジ11のプランジャがバレル下部の通気位置まで下げられ、電磁弁37が開かれて、高純度空気がキャリアガスとしてサンプリングシリンジ11内に導入され、サンプリングシリンジ11内の試料水を通気処理して多ポートバルブ9のドレン用ポートから排出される。このとき、試料水に溶解していたICが炭酸ガスとしてキャリアガスとともに試料水から排出される。その後、その試料水を燃焼管42に導いて炭素成分を測定すると、TOCが測定される。 1 オートサンプラ 3 TOC測定部 5 キャリアガス供給部 9 多ポートバルブ 41 加熱炉 42 燃焼管 43 試料注入部 61 ハロゲン除去部 62 第1ハロゲンスクラバ 63 第2ハロゲンスクラバ 試料水中の炭素成分を加熱して酸化分解することにより二酸化炭素に変換する酸化反応部と、前記酸化反応部からのガスを流通させるためのセル、前記セルに対して光を照射する光源及びセルを透過した光を検出するための検出器を有する測定部と、前記酸化反応部と前記セルとの間を接続する流路上に設けられ前記酸化反応部からのガス中のハロゲン成分を除去するためのハロゲン除去部と、を備えた全有機体炭素測定装置において、 前記ハロゲン除去部は鉄イオンを含むハロゲン吸着溶液を内部に収容した容器からなる第1ハロゲンスクラバ及び内部に銅からなるハロゲン吸着材を収容した容器からなる第2ハロゲンスクラバを備え、前記酸化反応部からのガスは前記第1ハロゲンスクラバにおいてハロゲン吸着溶液中を通り、前記第1ハロゲンスクラバを経たガスが前記第2ハロゲンスクラバ内を通過するように構成されていることを特徴とする全有機体炭素測定装置。 前記第1ハロゲンスクラバは、前記ハロゲン吸着溶液を収容する容器の上面を封止する上蓋に該容器からガスを排出するための出口流路が設けられており、前記ハロゲン吸着溶液の液面は前記上蓋にまで達するか又はその近傍にまで達している請求項1に記載の全有機体炭素測定装置。 【課題】ハロゲン除去部の容量を大きくしすぎることなく、試料からのハロゲン除去性能を向上させる。【解決手段】IC反応器19から出たガス中のハロゲン成分を除去するため第1ハロゲンスクラバ62と第2ハロゲンスクラバ63からなるハロゲン除去部61を備えている。第1ハロゲンスクラバ62は、希塩酸が収容され、その希塩酸中に鉄製の網状部材が浸漬された容器からなる。第1ハロゲンスクラバ62に収容された希塩酸は鉄製の網状部材からの鉄イオンを含むことによってハロゲン成分を吸着するためのハロゲン吸着溶液となる。【選択図】 図1