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タイトル:特許公報(B2)_ハロゲン及び重金属フリーの湿度表示用組成物、並びにそれから成る湿度インジケータカード
出願番号:2010288895
年次:2014
IPC分類:C09K 3/00,G01N 21/81,G01N 31/00


特許情報キャッシュ

ヨハンナ ナイリム シュテファン ディック JP 5595258 特許公報(B2) 20140815 2010288895 20101224 ハロゲン及び重金属フリーの湿度表示用組成物、並びにそれから成る湿度インジケータカード ジュート−ヒェミー アイピー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コムパニー コマンデットゲゼルシャフト 512200572 浜田 治雄 100064012 ヨハンナ ナイリム シュテファン ディック EP 09180725.5 20091224 20140924 C09K 3/00 20060101AFI20140904BHJP G01N 21/81 20060101ALI20140904BHJP G01N 31/00 20060101ALI20140904BHJP JPC09K3/00 YG01N21/81G01N31/00 B C09K 3/00 G01N 21/81 G01N 31/00 特開2007−198828(JP,A) 米国特許第02214354(US,A) 米国特許第06877457(US,B1) 米国特許第06698378(US,B1) 13 2011132529 20110707 13 20101224 古妻 泰一 本発明は、重金属又はハロゲン化合物を含まない湿度表示用組成物(humidity indicating composition)、該湿度表示用組成物から成る湿度インジケータカード、及び該湿度インジケータカードの製造方法に関する。 多くのタイプの材料、特に、電子部品及び半導体部品を輸送又は保管する場合、それらの部品が、それらの部品へダメージをもたらす周囲大気の特定のレベルの湿気に暴露されているか否かを知ることが望ましい。例えば、電子部品は、特定の閾値を越える湿度を有する大気への暴露によって、閾値が低く、暴露が短期間であっても、ダメージを受けることがある。 輸送及び保管コンテナ内での湿度レベルの検知の必要性を検討するために、湿度インジケータが開発されている。一般に、2つのタイプの湿度インジケータがある。これらの湿度インジケータのうちの一つは、特定の湿度レベルへの暴露によって、可逆的に色を変化させる。そのような可逆の湿度インジケータは、一般に、吸取紙に含浸させた湿度表示用物質として塩化コバルトを利用する。ミルスペック(軍規格)MIL−I−8835Aは、そのようなインジケータ及び性能の要求の詳細について規定する。該インジケータは、所定レベルの湿気に暴露される場合、色を変化させ、湿度レベルが所定のレベルより下に低下する場合、その元の色に戻る。可逆の湿度インジケータは、乾燥剤の現状及び/又は保管コンテナ内の現状の湿度レベルを表示するのに用いられる。 第二のタイプの湿度インジケータは、不可逆の湿度インジケータである。これらのインジケータは、所定レベルの湿度を検知し、コンテナに保管された部品が所定レベルの湿気に暴露されているか否かについての可視表示を提供することを企図している。したがって、不可逆の湿度インジケータは、湿度が短期間で所定のレベルに到達する場合に、また、部品が後で確認されるときに、湿度のレベルが所定のレベルより下に低下する場合であっても、表示を提供することができる。保管コンテナが比較的温暖な気候で使用され、また、大気の水分量が、周囲大気の温度に強く依存して上昇及び下降する場合に、湿度レベルの大きな変化が時に発生する。これらの条件下では、そのような高湿度が、保管コンテナの部品にダメージをもたらすのに十分であっても、可逆の湿度インジケータは、保管コンテナ内の高湿度の一時的な存在を表示し得ない。不可逆の湿度インジケータカードは、例えば、米国特許第6,877,457号明細書及び米国特許第6,698,378号明細書に記載されている。 表面実装デバイス(SMD)の出現は、半田リフロー工程及びこれらの領域内の湿気の影響からパッケージのダメージである“割れ”及び“剥離”に関する新しい分類の品質及び信頼性の懸案事項を導入した。大気湿度からの湿気は、拡散によって浸透性のパッケージング材に侵入する。プリント回路基板(PCB)への半田SMDパッケージに使用される組立工程は、200℃より高い温度にすべてのパッケージ本体を暴露する。半田リフロー時に、迅速な水和膨張、材料のミスマッチ、及び物質界面崩壊の組み合わせは、パッケージのクラッキング及び/又はパッケージ内の重大な界面の剥離をもたらす。これらの割れと剥離での湿気の存在は、SMDに対して悪影響を及ぼし得る。この関係を検討するために、エレクトロニクス産業協議会/電子素子技術連合評議会(JEDEC)は、“取り扱い”、パッケージング及び湿気/リフローの影響を受けやすい表面実装デバイスに関する共同工業規格(Joint Industry Standard)IPC/JEDEC J−STD−033B(2005年10月)を作成した。この文書は、湿気/リフロー関連の失敗を回避するのに必要な取り扱い、包装及び輸送の必要条件と共に、湿気/リフローの影響を受けやすいSMDパッケージのための室内放置寿命暴露(floor life exposure)の標準化されたレベルについて規定する。 この規格では、湿度インジケータカードは、“湿度感受性化学物質が適用され、その結果、示された相対湿度を越える場合、顕著な色変化(色相)、典型的には、青色(乾燥した)からピンク色(湿った)となる、(1枚の)カード”と定義される。さらに、該規格は、湿度インジケータカードが、乾燥剤及びSMDと共に、防湿バリアバッグ内で通常包装され、感湿素子が曝される湿気のレベルを決定することを補助することを示す。該規格の付属書は、客観的に色変化を評価するための試験について規定し、また、SMDドライパッキング(dry packing)に適するための湿度インジケータカードでの最小限の色相変化を規定する。該規格は、+/− 2% RHの精密度を有する5% RH、10% RH及び60% RHの相対湿度(RH)の湿度レベルを示す、湿度インジケータカードを要求する。 過去に、電子産業で使用される多くの湿度インジケータカードは、湿度表示用物質として吸取紙に含浸させた塩化コバルト(II)が使用されていた。これらのインジケータは、一定レベルの湿気への暴露後に、青色(乾燥した)からピンク色(湿った)に、それらの色を変化させる。また、コバルト(II)ジブロミドが塩化コバルト(II)の代替物に使用されていた。しかしながら、塩化コバルト(II)及びコバルト(II)ジブロミド系の湿度インジケータカードは、相当量の重金属及びハロゲン化物アニオンを含む。 他の湿度インジケータカード系は、塩化銅及び相乗効果を有する塩類(synergistic salt)(例えば、国際公開第01/09601号A1パンフレットとしても公表された欧州特許出願公開第1 200 819号A0明細書)に基づいて示唆された。国際公開第01/09601号A1パンフレットに記載された配合はすべて、塩化銅、及び塩化銅の最大30倍の量の相乗効果を有する塩類を含み、湿度インジケータカードにおいて、相当量の化合物がハロゲン及び重金属を含むことを示す。 EP1 293 773号A2明細書では、他の湿度インジケータカード系は、m−クレゾールパープル、チモールブルー、トロペオリン00及びp−キシレノールブルーの群から選択される、特定のpH指示用色素(pH indicator dye)、並びに少なくとも1:5(好ましくは1:20、最も好ましくは1:30)の過剰の亜鉛塩(例えば、塩化亜鉛)に基づいて示唆された。この開示に基づく湿度インジケータカードは、過剰の亜鉛塩による重金属と同様に、大量のアニオンも含む。 さらに、他の湿度インジケータカード系は、米国特許出願公開第2005/0106735号A1明細書のpH指示用色素、色素増強添加剤(color enhancing additive)(酸及び塩基)、及び吸湿性の塩類に基づいて示唆された。塩化マグネシウム及び塩化ナトリウムのような吸湿性の塩類は、本発明を実施するために必要であり、それによって、湿度インジケータカードでアニオンが豊富な量となる。ニュートラルレッドは、水酸化ナトリウム及び塩化マグネシウムと組み合わせて本明細書に記載され、湿らせられる場合に、深緑色(乾燥した)からさび茶色に変化するインジケータスポットを提供する。 ニュートラルレッド、クリスタルバイオレット、ブリリアントグリーン、メチルバイオレット、メチルオレンジ、及び酢酸又はクエン酸のような有機酸等のpH指示薬の組み合わせの配合に基づく湿度インジケータカードは、米国特許出願公開第2007/0157702号A1明細書に示唆される。この系は、規定湿度レベルが達成される場合、第一の色から異なる第二の色へのシャープな色の移行を示さないことが分かった。さらに、系を調節して、異なる湿度レベルで色を変化させることができないことが分かった。 特開2007−198828号公報では、pH指示薬及び水溶性塩含有層によって連続的に層を成した二重層に基づく湿度インジケータが、導入される。pH指示薬としては、ブロモクレゾールグリーン、メチルレッド、クロロフェノールレッド、ブロモクレゾールパープル、ニュートラルレッド、フェノールレッド、クレゾールレッド、αナフトールフタレイン、クルクミン、メタクレゾールパープル、エチルビス(2,4ジニトロフェニル)アセタート、チモールブルー、パラキシレノールブルー、フェノールフタレイン、アルカリブルー、アリザリンイエロー、フェノールパープル、フェノールブルー、及びブロモフェノールブルーが記載されている。さらに、任意添加剤について、保湿剤としてグリセリンが言及されている。 不可逆の湿度インジケータカード系は、米国特許第2,214,354号明細書に、水溶性色素、及び任意に、湿潤剤、浸透剤又は展着剤等と組み合わせた、潮解性の塩類に基づいて、示唆された。これらの物質は、水吸収及び古紙の拡散を促進する。湿度インジケータの色変化の増強のための色素の添加は、特開昭61−154986号公報に記載されている。 驚くべきことに、湿度インジケータスポットを作製するための含浸液への特定の変色促進剤の添加は、重金属を用いない有機色素に基づく配合が、重金属含有カードによって知られた色変化の特徴及びその精度を維持することが可能であることが分かった。 近年になって、半導体及び電子産業は、それらの製品に存在する特定の素子の量の制限のためのスペック及び規格を採用した。例えば、これらの産業は、ハロゲン(すなわち、F、Cl、Br及び/又はIを含む化合物)、リン及び特定の重金属の量を、それらの存在の化学的性質に関係なく制限する。これらの制限は、湿度インジケータカードを含む構成部品及びパッケージング材と同様に、半導体及び電子製品にも適用される。 したがって、低減された量のハロゲンから成り、重金属フリーの湿度インジケータカードである必要がある。しかしながら、従来の湿度インジケータカードの精度、判読率及び信頼性は、重金属及びハロゲン含有化合物の削除によって、低下しないに違いない。米国特許第6,877,457号明細書米国特許第6,698,378号明細書欧州特許出願公開第1 200 819号A0明細書国際公開第01/09601号A1パンフレット欧州特許出願公開第1 293 773号A2明細書米国特許出願公開第2005/0106735号A1明細書米国特許出願公開第2007/0157702号A1明細書特開2007−198828号公報米国特許第2,214,354号明細書特開昭61−154986号公報 本発明の目的は、ハロゲン化合物及び重金属を含まず、また、従来の湿度表示用組成物と同様又は改良された精度、判読率及び信頼性を有する、湿度表示用組成物を提供することである。 本発明の第二の目的は、低量のハロゲン化合物及び重金属のみから成り、また、従来の湿度インジケータカードと同様又は改良された精度、判読率及び信頼性を有する、湿度インジケータカードを提供することである。 本発明の第三の目的は、該湿度インジケータカードの製造方法を提供することである。 (発明の説明) 驚くべきことに、上述の目的は、湿度表示用組成物であって、(a)有機pH指示用色素化合物と、(b)ブレンステッド酸又は塩基と、(c)一般式がHOCH2−(CHOH)n−CH2OH(式中、nは、0、1、2、3又は4である)であるポリオールと、(d)溶媒とを含み、該成分(a)、(b)、(c)及び(d)は、ハロゲン及び/又は重金属を含まない、湿度表示用組成物によって、達成することができる。 したがって、該成分(a)、(b)及び(c)のいずれも組成物も全体として、F、Cl、Br、I及びAtから成る元素の周期系第17族元素を含まない。 さらに、該成分(a)、(b)及び(c)のいずれも組成物も全体として、コバルト、銅、亜鉛等の重金属の原子又はイオンを含まない。 本発明の湿度表示用組成物の成分は、以下により詳細に説明される。 (a)有機pH指示用色素化合物(Organic pH indicator dye compound) 有機pH指示用色素化合物は、化合物が有色に見えるような人間の目に見えるスペクトルからの光を吸収する有機化合物である。化合物によって吸収された可視スペクトルの特定の波長又は波長の範囲は、化合物の変化によって生じる色の影響のようなpHの変化に反応して変化する。したがって、化合物は、視覚的にpHの変化を示すのに適切である。色の移行が生じる特定のpH領域は、化合物の分子構造に依存する。 一般に知られている有機pH指示用色素化合物は、それぞれ、本発明による湿度表示用組成物の成分(a)として使用されるのに適した、リトマス、シアニジン、キシレノールブルー、ニュートラルレッド、チモールブルー、フェノールフタレイン、アリザリン、アルカリブルー、チモールフタレインである。 トリフェニルメタンの基礎構造は、キシレノールブルー、チモールブルー、フェノールフタレイン、アリザリン、アルカリブルー、チモールフタレインにある。 フェナジンの基礎構造は、ニュートラルレッドにある。ニュートラルレッドは、塩化コバルトから成る従来の湿度インジケータカードでみられる色の移行と同様の、青色から赤色への明確な色の移行を示すので、好ましい有機pH指示用色素化合物である。 (b)ブレンステッド酸又は塩基 ブレンステッド酸は、プロトンを提供することが可能な化合物であり、また、ブレンステッド塩基は、プロトンを受け取ることが可能な化合物である。 したがって、本発明による湿度表示用組成物のブレンステッド酸又は塩基成分は、動的平衡で、該組成物に含まれる有機pH指示用色素化合物(a)にプロトンを提供することができるか、あるいは、該化合物(a)からプロトンを受け取ることができる。周囲大気の相対湿度の影響下で、該平衡は、有機pH指示用色素化合物(a)の色の変化を生ずる、プロトン化された有機pH指示用色素化合物(a)の側面、又はプロトン化されない有機pH指示用色素化合物(a)の側面により移行される。 ブレンステッド酸又は塩基によって生じたpHは、該ブレンステッド酸又は塩基、及び解離定数によって影響を受ける。したがって、特定の有機pH指示用色素化合物(a)の量に関連するブレンステッド酸又は塩基の量を変えることによって、有機pH指示用色素化合物(a)の色の移行が生じる特定の相対湿度は、影響を受ける場合がある。 あるいは又はさらに、生じるpHは、種々の解離定数の特定のブレンステッド酸又は塩基の選択によって、影響を受ける場合がある。したがって、特定の有機pH指示用色素化合物(a)の色の移行が生じる相対湿度も、特定のブレンステッド酸又は塩基を変えることによって、影響を受ける場合がある。 アルカリ金属カーボネート(alkali metal carbonate)、アルカリ金属ヒドロキシド(alkali metal hydroxide)、アルカリ金属アセテート(alkali metal acetate)、酢酸、クエン酸、硫酸、硝酸は、例示的なブレンステッド酸又は塩基として言及することができる。 好ましくは、ブレンステッド酸又は塩基は、湿度表示用組成物に、該有機pH指示用色素化合物1重量部に対して、1〜2,500重量部、より好ましくは30〜200重量部の量が含まれる。 (c)ポリオール 本発明の湿度表示用組成物に含まれるポリオール(c)は、有機pH指示用色素化合物(a)の色の影響を増加させる。したがって、周囲大気の相対湿度が変化する場合、有機pH指示用色素化合物(a)の色の移行の可視性は、改善される。 該ポリオールは、一般式がHOCH2−(CHOH)n−CH2OH(式中、nは、0、1、2、3又は4である)である。エチレングリコール、グリセリン、エリトリトール、キシリトール、マンニトール、ソルビトールは、例示的な化合物として言及することができる。単一のポリオール又は2以上の種々のポリオールの組み合わせは、本発明の湿度表示用組成物で使用することができる。 キシリトール及びグリセリンは、有機pH指示用色素化合物(a)の色の移行の可視性の特に有利な改善を生ずるので、好ましいポリオールである。 好ましくは、該ポリオールは、湿度表示用組成物に、該ブレンステッド酸又は塩基1重量部に対して、0.02〜50重量部、より好ましくは0.1〜10重量部の量が含まれる。 (d)溶媒 上述の成分(a)、(b)及び(c)は、溶媒に溶解される。該溶媒は、水、メタノール、エタノール、アセトン及びその組み合わせから選択される。 水は、有毒でなく、あるいは可燃性ではなく、したがって通気を必要としないために、本発明による湿度表示用組成物の好ましい溶媒である。 水だけでは、成分(a)、(b)及び(c)を溶解するのに適当でない場合、水とエタノールの混合物を溶媒に使用することができる。 湿度表示用組成物に含まれる溶媒の量は、該湿度表示用組成物の成分の完全な溶解を達成するために適切に選択される。もしそうでなければ、湿度インジケータカードに関する色の影響又は湿度表示用組成物が、十分に強力でなく、周囲大気の相対湿度が変化する場合、その色の変化する明確な可視スポットを生ずるために、過剰の溶媒は、回避する必要がある。好ましくは、該溶媒は、湿度表示用組成物に、該有機pH指示用色素化合物1重量部に対して、20〜70,000重量部、より好ましくは1,000〜35,000重量部の量が含まれる。 (付加成分としてのアスコルビン酸) 本発明の湿度表示用組成物には、付加成分として、アスコルビン酸を含むことができる。アスコルビン酸が湿度表示用組成物に含まれる場合、その量は、上述の成分(a)、(b)、(c)を含む溶媒(d)の溶解度によってのみ実質的に限定される。好ましくは、アスコルビン酸は、該ブレンステッド酸又は塩基に対して、1〜3重量部の量が含まれる。 (湿度表示用組成物) 上述したように、本発明による湿度表示用組成物は、ハロゲン及び重金属を含まない。 特に好ましい成分(a)、(b)、(c)及び(d)の組み合わせを以下に説明する。 手動で印刷する又はスポットを付与することによって、あるいは適切な装置を用いて、シート基材に適用することができ、シート基材への適用後、乾燥大気(0%の相対湿度)での青色から、相対湿度が60%である大気でのバイオレット(violet)又はマゼンタへの明確な色変化を生ずるので、有機pH指示色素化合物(a)としてのニュートラルレッド、ブレンステッド酸又は塩基(b)としての硫酸、ポリオール(c)としてのグリセリン、及び溶媒としての水の組み合わせが、好ましい。 特に好ましい組み合わせは、有機pH指示色素化合物(a)としてのニュートラルレッド、ブレンステッド酸又は塩基(b)としての硫酸、ポリオール(c)としてのグリセリン、及び溶媒としての水、そして、更なる成分としてアスコルビン酸から成る。驚くべきことに、アスコルビン酸の存在が、乾燥大気(0%の相対湿度)での湿度表示用組成物のブリリアントブルーの色を生じさせることが分かった。その結果、60%のような高い相対湿度を有する大気でのバイオレット又はマゼンタへの色変化は、より明確に見ることができる。 該湿度表示用組成物は、溶媒(d)の粘性と実質的に同一の粘性を有する組成物を混合するのに適した手段を用いて、該溶媒(d)に、上述した量の成分(a)、(b)、(c)及び任意にアスコルビン酸を混合することによって製造される。成分(a)、(b)、(c)及び任意にアスコルビン酸を該溶媒に添加する順序は、特に限定されない。 (湿度インジケータカード) 本発明による湿度インジケータカードは、シート基材と、溶媒を蒸発させ、その結果、湿度表示用組成物が乾燥した上述の湿度表示用組成物とから成る。 該湿度インジケータカードは、シート材料の表面の少なくとも一部に配置される。好ましくは、該湿度インジケータカードを、周囲大気の幾つかのレベルの相対湿度を示すのに適するようにするために、種々のレベルの相対湿度で色の変化を示す種々の湿度表示用組成物が、該シート材料の表面の種々の部分に提供される。例えば、3つの異なる湿度表示用組成物を、該シート材料の表面の種々のスポットに提供することができる。 該シート基材は、従来の吸取紙から作製されても良い。プラスチック製フィルム、織布及び不織布材料のような他のシート材料を、用いても良い。一実施態様において、300g/m2の最小基本重量(名目上200ポンドの基本重量と等価)のセルロース系材料から作られた吸取紙が、使用される。該シート基材は、硫酸バリウム、二酸化チタン、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、酸化亜鉛及び塩基性炭酸鉛等の、紙及び/又はプラスチックシートの製造で一般的な添加剤を含むことができる。該化合物は、顔料及び/又は賦形剤等のようなシート基材の製造工程で一般に用いられる。さらに、該製造工程に由来して、紙等のシート基材に微量の塩化物が含まれる場合がある。したがって、本発明の湿度表示用組成物は、ハロゲン化合物及び重金属を含まないが、湿度インジケータカードは、低量のハロゲン化合物及び/又は重金属を含む場合がある。該ハロゲン化合物及び/又は重金属は、本発明の湿度表示用組成物及び湿度インジケータカードでは機能しない。 該湿度インジケータカードは、使用時、機器(例えば、電子機器、又は集積回路等の電子部品)の輸送コンテナ又は保管コンテナに設置される。コンテナ内の大気に存在する湿気は、該湿度表示用組成物によって吸着され、規定湿度レベルを示す。 一旦、該湿度表示用組成物が、規定湿度レベルの環境中に置かれれば、適切な色スポットの色は、特定の色から他の色に変化し、記載された機器のような電子機器を保護するために、特定の湿度レベルの存在及び作用が必要とされることを示す。 (湿度インジケータカードの製造方法) 本発明による湿度インジケータカードの製造方法は、(i)上述したシート基材を提供するステップと、(ii)該シート基材の表面の少なくとも一部に、上述した湿度表示用組成物を適用するステップと、(iii)該湿度表示用組成物の溶媒(d)を蒸発させるステップとを含む。 任意に、種々の条件の周囲大気の相対湿度で色変化を示す、該シート基材の幾つかの領域に提供することが意図される場合、ステップ(ii)は、種々の湿度表示用組成物を用いて繰り返される。 該シート基材の表面に湿度表示用組成物を適用するステップは、印刷又はスポットの付与のような、シート基材への低粘性溶液の適用のための適切な任意の操作によって、行なうことができる。 溶媒を蒸発させるステップは、室温、又は50〜80℃のような高温で行なうことができる。満足できる程度に短い、溶媒を蒸発させるのに必要な時間を達成するために、特定の温度を適切に選択することができる。高温も、該シート基材の表面に適用される湿度表示用組成物のスポットの灰色の又は黒い変色を生ずる可能性があるので、回避する必要がある。 (例1−比較例) 湿度インジケータカードを、表1に示すニュートラルレッド/硫酸配合を用いて製造した。これらの溶液を、名目上200ポンドの基本重量の市販の白色の吸取紙(FiberMark社、Brattleboro,VT)に、機械でスポットを付与し、80℃で15分間乾燥した。それぞれのスポットで、50μlの溶液を用いた。また、カードの重量は、1.00gであった。 (例2) 表2〜4に示すニュートラルレッド/酸配合を用いて、キシリトールを使用する湿度インジケータカードを製造した。これらの溶液を、名目上200ポンドの基本重量の市販の白色の吸取紙(FiberMark社、Brattleboro,VT)に、機械でスポットを付与し、80℃で15分間乾燥した。それぞれのスポットで、50μlの溶液を用いた。また、カードの重量は、1.00gであった。 驚くべきことに、アスコルビン酸の添加は、ブリリアントブルースポットを生じ、灰色への変色を防ぐ。 (例3) 次のポリオールを使用する酸性のニュートラルレッドの配合を調製した: CCE1: グリセリン CCE2: エチレングリコール CCE3: キシリトール CCE4: ソルビトール CCE5: エリトリトール これらの溶液を、名目上200ポンドの基本重量の市販の白色の吸取紙(FiberMark社、Brattleboro,VT)に、手動でスポットを付与し、80℃で15分間乾燥した。それぞれのスポットで、15μlの溶液を用いて、12mmの径のスポットを作製した。 これらの溶液を、名目上200ポンドの基本重量の市販の白色の吸取紙(FiberMark社、Brattleboro,VT)に、機械でスポットを付与し、80℃で15分間乾燥した。それぞれのスポットで、50μlの溶液を用いた。また、カードの重量は、1.00gであった。 本発明の原理、好適な実施態様、及び操作方法は、前述の規格に記述されている。開示された特定の構造又は実施態様が限定的であるというよりも、むしろ例示となるとみなされるので、本明細書で保護されることが意図される発明は、開示された特定の構造又は実施態様に限定されるように解釈されない。変形及び変更は、発明から逸脱することなしに、当業者によって行うことができる。 湿度インジケータカード用組成物であって、(a)有機pH指示用色素化合物と、(b)ブレンステッド酸又は塩基と、(c)一般式がHOCH2−(CHOH)n−CH2OH(式中、nは、0、1、2、3又は4である)であるポリオールと、(d)溶媒と、(e)アスコルビン酸を含み、 該成分(a)、(b)、(c)及び(d)は、ハロゲン及び重金属の何れも含まない、湿度インジケータカード用組成物。 前記有機pH指示用色素化合物が、フェナジン色素及びトリフェニルメタン色素から選択される、請求項1記載の組成物。 前記有機pH指示用色素化合物が、リトマス、シアニジン、キシレノールブルー、ニュートラルレッド、チモールブルー、フェノールフタレイン、アリザリン、アルカリブルー、チモールフタレイン、及びその組み合わせより成る一覧から選択される、請求項1記載の組成物。 前記ブレンステッド酸又は塩基が、アルカリ金属カーボネート、アルカリ金属ヒドロキシド、アルカリ金属アセテート、酢酸、クエン酸、硫酸、及び硝酸より成る一覧から選択される、請求項1記載の組成物。 前記ポリオールが、エチレングリコール、グリセリン、エリトリトール、キシリトール、マンニトール、ソルビトール、及びその組み合わせより成る一覧から選択される、請求項1記載の組成物。 前記有機pH指示用色素化合物が、ニュートラルレッドであり、前記ブレンステッド酸又は塩基が、硫酸であり、前記ポリオールが、グリセリン、キシリトール、及びその組み合わせから選択される、請求項1記載の組成物。 前記ブレンステッド酸又は塩基が、前記有機pH指示用色素化合物1重量部に対して、1〜2,500重量部の量含まれ、 前記ポリオールが、前記ブレンステッド酸又は塩基1重量部に対して、0.02〜50重量部の量含まれ、 前記溶媒が、前記有機pH指示用色素化合物1重量部に対して、20〜70,000重量部の量含まれる、請求項1記載の組成物。 前記アスコルビン酸が、前記ブレンステッド酸又は塩基1重量部に対して、1〜3重量部の量含まれる、請求項1記載の組成物。 前記溶媒が、水、メタノール、エタノール、アセトン及びその組み合わせより成る一覧から選択される、請求項1記載の組成物。 織布及び不織布から選択されるシート基材を提供し、シート基材の少なくとも一部に請求項1ないし9記載の何れかの組成物を適用し、前記組成物の溶媒を蒸発させることによって得られる、湿度インジケータカード。 シート基材が吸取紙である、請求項10記載の湿度インジケータカード。 湿度インジケータカードの製造方法であって、(i)織布及び不織布から選択されるシート基材を提供するステップと、(ii)該シート基材の表面の少なくとも一部に、請求項1〜9の何れか一項に記載の組成物を適用するステップと、(iii)該組成物の溶媒(d)を蒸発させるステップと、を含む、湿度インジケータカードの製造方法。 前記ステップ(iii)が、50〜80℃の範囲の温度で行われる、請求項12記載の湿度インジケータカードの製造方法。


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