生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_分析試料の融解用ジルコニウムるつぼ、分析試料の作製方法及び分析方法
出願番号:2010287962
年次:2011
IPC分類:G01N 1/28


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坂口 正浩 山口 充 高橋 富雄 竹本 幸一 JP 2011090010 公開特許公報(A) 20110506 2010287962 20101224 分析試料の融解用ジルコニウムるつぼ、分析試料の作製方法及び分析方法 JX日鉱日石金属株式会社 502362758 小越 勇 100093296 坂口 正浩 山口 充 高橋 富雄 竹本 幸一 JP 2006146971 20060526 G01N 1/28 20060101AFI20110408BHJP JPG01N1/28 X 2 1 2008517792 20070220 OL 13 1.テフロン 2G052 2G052AB01 2G052AD32 2G052AD46 2G052DA03 2G052DA26 2G052EB06 2G052GA15本発明は、るつぼからの不純物の混入を抑制し、分析者の違い又はその技量によらずに、高純度試料の分析が可能となる分析試料の融解用ジルコニウムるつぼ、分析試料の作製方法及び分析方法に関する。最近、より高純度の材料を、迅速にかつ正確に測定することが要求されている。このような要求が増えるにしたがって、分析者の違いやその技量により測定結果に違いが出るという問題があり、信頼性確認のために再分析を行うということがしばしば行われていた。分析用の試料は、一般にフラックスで試料を融解して作製する。フラックスによる融解は、通常炭酸塩(アルカリ)融解、水酸化アルカリ融解、過酸化ナトリウム融解、硫酸水素ナトリウム融解などの融解法などが使用される。このようななかでも、過酸化ナトリウムは強力な酸化力を持っており、良好なフラックスである。この場合の、融解るつぼとして鉄又はニッケルるつぼが多く使用されるが、激しく侵されるということを勘案する必要がある。この過酸化ナトリウム融解は、試料の性質によって混合の割合が異なるが、一般には試料量の5〜10倍量の過酸化ナトリウムが使用されている(非特許文献1参照)。また、加熱温度も試料によって、変える必要があり、全て経験によって決められる。従来は、るつぼのブランクを差し引いて定量値を求めていたが、ブランクのばらつきは分析者の技量に大きく依存する。また、従来のジルコニウムるつぼは、純度99wt%(2N)レベルであるため、るつぼからの不純物が混入し、不純物混入により定量下限値が高く、最近の高純度試料の分析には不十分であった。このような高純度材料に対応する分析手段の特許文献は少ないが、それらの中で参考となる資料を紹介すると、例えば試料を定性、定量分析するための試料の調整方法に関するもので、試料を金属箔に載せて金属箔とともに、加熱分解し、さらに溶液化するという技術がある(特許文献1参照)が、これは極めて特殊な手法であり、汎用できるものではない。また、アルカリ融剤を用いて鉱石の化学分析を行うるつぼが、PtにPdを5〜90wt%添加したPt合金又はPd合金からなる化学分析用るつぼ(特許文献2参照)が開示されている。しかし、これはいずれも高価なるつぼ材料を使用することが前提となっており、実用的でないという問題がある。さらに、ニッケルるつぼ中で、ロジウム−ルテニウム合金めっき皮膜を過酸化ナトリウム又は過酸化カリウムで加熱融解し、皮膜中のロジウム量を分析する方法が開示されている(特許文献3参照)。しかし、この文献では、るつぼの純度については、一切開示はない。したがって、従来レベルの純度(2Nレベル)のるつぼであることが強く推定される。そのため、不純物混入により定量下限値が高く、精度の高い分析は得られていない問題がある。下記特許文献4には、ガラス中の微量セレンの定量方法に関する技術が開示され、具体的には、ガラス試料をアルカリ融解し、融解物を塩酸で溶解しさらにフッ化水素酸を加え、該融解物中のコロイダルシリカを分解して溶液とし、該溶液を共沈剤及び還元剤を加えて加熱することによりセレンを沈殿させ、セレンのろ過分離物をICPにより分析することが記載されている。この引用例1において、試料の分解および分離はジルコニウムるつぼを用いて行われているが、この引用例1でジルコニウムるつぼの純度については、一切記載がない。また、下記特許文献5には、従来の加圧分解法以外の方法によって有機珪素化合物中の珪素を定量する方法が記載されている。具体的には、分解容器に有機珪素化合物を秤取り、水酸化アルカリ及びアルコールを加え、まず低温で加熱することにより有機基を切断し、その後に高温で融解して有機物を分解し、得られた融解塩の塩酸溶液をICP等で測定することにより珪素を定量しようとする技術である。また、このための分解容器として、引用例2の段落[0017]に、「ニッケルるつぼ、ジルコニアるつぼ及び鉄るつぼ等が可能であるが、珪素の含有量が少ない高純度ニッケルるつぼの使用が好ましい」と記載されている。上記特許文献4、5で共通するのは、ジルコニウムるつぼが、高純度が実現できるレベルにあるかどうか、その純度によって何が達成できるのか、高純度で得られたものが、どのような結果をもたらすのか、ということは全く不明である。「ぶんせき」入門講座、1979年10月発行、「溶解に用いられる試薬」頁648〜655特開平10−38773号公報特開平2−172540号公報特開昭58−48854号公報特開2005−114505号公報特開2004−69413号公報高純度の材料を、迅速にかつ正確に測定することが要求されている最近の分析技術に鑑み、るつぼからの不純物の混入を抑制し、分析者の違い又はその技量によらずに、高純度の分析が可能となる分析試料の融解用ジルコニウムるつぼ及び分析試料の作製方法並びに分析方法を得ることを課題とする。上記の課題に鑑み、本発明は以下の発明を提供するものである。その1)として、分析試料の前処理に用いる融解用ジルコニウムるつぼであって、該ジルコニウムるつぼの純度が99.99wt%以上である分析試料の融解用ジルコニウムるつぼを提供する。その2)として、Na2CO3,K2CO3,H3BO3,NaOH,KOH,Na2B2O7,Li2B2O7等から選択したアルカリ剤の一種若しくは複数種からなる塩基性融解剤及び/若しくはNa2O,Na2O2,K2O,K2O2,KNO3,KClO3等から選択した酸化剤の一種若しくは複数種を添加した塩基性融解剤若しくは酸化剤、又はNa2S2O7,K2S2O7,NaHSO4等から選択した一種若しくは複数種の酸性融解剤を用いて融解を行う1)記載の分析試料の融解用ジルコニウムるつぼを提供する。融解剤の一覧を表1に示す。特に、過酸化ナトリウムは好適な融解剤である。なお、表1において、酸化剤をアルカリと併用する塩基性融解剤として表示しているが、上記の通り、この酸化剤は単独の融解剤として使用することもできる。その3)として、試料を予め99.99wt%以上の純度のジルコニウムるつぼで融解し、分析試料とする高純度ジルコニウムるつぼを用いた分析試料の作製方法を提供する。その4)として、試料を該るつぼに測りとり、さらにNa2CO3,K2CO3,H3BO3,NaOH,KOH,Na2B2O7,Li2B2O7等から選択したアルカリ剤の一種若しくは複数種からなる塩基性融解剤及び/若しくはNa2O,Na2O2,K2O,K2O2,KNO3,KClO3等から選択した酸化剤の一種若しくは複数種を添加した塩基性融解剤若しくは酸化剤、又はNa2S2O7,K2S2O7,NaHSO4等から選択した一種若しくは複数種の酸性融解剤を用いて(表1参照)融解し、分析試料とする3)の分析試料の作製方法を提供する。特に、過酸化ナトリウムは好適な融解剤である。その5)として、純度が99.99wt%以上の融解用ジルコニウムるつぼを用いて試料を融解し、これを分析することにより、Mn、Al、Si、Mg、Co、Ti、Cu、Mo、Fe、Cr、W、Pb、Niのそれぞれの定量下限値が10wtppm以下となる分析結果を得ることを特徴とする分析方法を提供する。本発明は、ジルコニウムるつぼの純度が99.99wt%以上の分析試料融解用ジルコニウムるつぼを使用することによって、るつぼからの不純物の混入を抑制し、分析者の違い又はその技量によらずに、より定量下限の低い分析が可能となり、さらに作業時間の短縮化及び使用する試薬の量の軽減化となり、高純度の材料を迅速にかつ正確に測定することが要求されている最近の分析技術の要請に応えることができるという優れた効果を有する。ジルコニウムるつぼからのFeの汚染量を示す図である。ジルコニウムるつぼからのCrの汚染量を示す図である。ジルコニウムるつぼからのMnの汚染量を示す図である。ジルコニウムるつぼからのAlの汚染量を示す図である。ジルコニウムるつぼからのTiの汚染量を示す図である。ジルコニウムるつぼからのCuの汚染量を示す図である。ジルコニウムるつぼの個体差に伴う不純物溶出量のばらつきを示す図である。本発明に用いる分析試料の前処理に用いる融解用ジルコニウムるつぼとして、純度が99.99wt%以上のジルコニウムるつぼを使用する。分析の一般的な手順は、次の通りである。(1)試料をジルコニウムるつぼに入れる。(2)るつぼにアルカリ融剤等の融剤を加える。(3)バーナーでるつぼを加熱し前記融剤及び試料を融解させる。(4)試料をPTFE製等のビーカーに移す。(5)酸等を添加する。(6)ビーカーを加熱し、溶解する。(7)メスフラスコに移す。(8)水を加え、液量を所定の値にする。(9)これをICP−AES等による測定を行う。以上に示すように、本願発明の純度が99.99wt%以上である融解用ジルコニウムるつぼを用いて試料を融解し、これを分析することにより、Mn、Al、Si、Mg、Co、Ti、Cu、Mo、Fe、Cr、W、Pb、Niのそれぞれの定量下限値が、10wtppm以下である分析結果を得ることができるという優れた効果を有する。従来のジルコニウムるつぼは、Feを数百〜数千wtppm含有している。したがって、分析操作中にジルコニウムるつぼからのFeの汚染が激しいという欠点がある。また、従来のジルコニウムるつぼはCrの溶出の問題もある。そのために、るつぼ中のFe及びCrなどが溶け出さないように、加熱時間等をコントロールする必要があり、また、そのときに融解状態を目視で確認しなければならないため、分析作業には高度な技術と経験が要求される。しかし、本発明の高純度ジルコニウムるつぼを用いることにより、Fe、Crなどの含有量が少ないために、融解条件のコントロールがラフであってもFe、Crなどの溶出量が少ないため、経験の浅いものでも容易に分析ができるという利点がある。以下、実施例及び比較例に基づいて説明する。なお、本実施例はあくまで一例であり、この例のみに制限されるものではない。すなわち、本発明に含まれる他の態様または変形を包含するものである。(実施例1)本発明の実施例では、99.99wt%の純度の高純度ジルコニウムるつぼ(高純度品)を使用し、被定量物質であるZrO2中の不純分(Fe,Cr等)の定量を行った。分析条件及び分析結果は、次の通りである。試料0.5gを取り、これを上記高純度ジルコニウムるつぼに入れ、5gの過酸化ナトリウムの融剤を使用し、これをバーナーで加熱し、この後、塩酸(HCl)を20ml、超純水50ml添加した。次に、これを300mlのテフロンビーカーに移し、加熱・溶解した。溶融後、全量を250mlフラスコに入れ、さらに超純水を加えて液量規定を行った。そして、このようにして得た試料について、ICP−AESによる測定を行った。ブランクは6回試験の結果である。るつぼから溶出した主な不純物(Fe、Cr、Mn、Al、Ti、Cu)の測定結果を、それぞれ図1−図6に示す。図1−6に示すように、下記に示す比較例(従来技術)と比較して、本願発明の高純度ジルコニウムるつぼを使用することにより、時間が経過しても溶出量が殆んど変化せず、その量も極めて低いことが理解できる。このように、Fe、Cr、Mn、Al、Ti、Cu等不純物の溶出を最小限に留めることが可能であり、精度の高い分析を行うことができるという優れた結果が得られた。特に、ジルコニウムるつぼからのFe及びCrの汚染を効果的に抑制できることが分かる。Mn、Al、Ti、Cu等不純物については、後述する比較例と比べて、それほど差がないが、そもそもZrるつぼからの汚染の絶対量が少ないので大きな差異が現れない。しかし、いずれの場合も、比較例に比べて、ジルコニウムるつぼからの汚染が少ないことが分かる。Feについて、定量下限値(ブランク試料6個測定の標準偏差(σ)の10倍と定義した)を調べた結果、本実施例のFeの定量下限値は10wtppmであった。このように、Feの定量下限が大きく下げることができたことにより、難分解性の不純物の分析にも適用できるという優れた効果を得ることが可能となった。(比較例1)比較例1では、99wt%の純度のジルコニウムるつぼを使用した。実施例1と同様に被定量物質であるZrO2中の不純分(Fe,Cr等の)の定量を行った。融剤として実施例と同様に、過酸化ナトリウムを使用した。ブランクは6回試験の結果である。この分析結果を、実施例と対比して同様に、図1−図6に示す。分析条件及び分析結果は、次の通りである。図1−図6に示すように、比較例1(従来技術)は、不純物の溶出が大きいことが分る。その量も、2〜3分後に著しく増加する。特にFe、Crの増加が大きく、Mn、Alの増加もある。このような不純物の増加は、精度の高い分析を行うことができないという問題を有している。このように、本比較例で示す従来のジルコニウムるつぼは、純度が2Nレベルと低いことが原因であり、不純物の含有量が多く、酸に難分解性のサンプル中の不純物分析に適用した場合、るつぼからのコンタミネーションが大きくなるという問題がある。定量下限値は、ブランク試料6回測定の標準偏差(σ)の10倍と定義し、本発明の実施例1のジルコニウムるつぼと対比して、比較例のジルコニウムるつぼからのFeの溶出量の定量下限値を調べた。その結果、比較例のジルコニウムるつぼでは、定量下限が50wtppmと悪い結果となった。上記の通り、実施例と比較例では、定量下限値の大きな差異があり、本願発明の定量下限値の大きな改善が可能であることが確認できた。次に、ジルコニウムるつぼの個体差に伴う不純物溶出量のばらつきを表2及び図7に示す。これらの表2及び図7に示すように、比較例1では、個体間のばらつきが大きいが、実施例1の個体間のばらつきは、標準偏差が十分小さくなった。個体間のばらつきが小さいことは、分析精度の向上に大きく影響し、定量下限値をさらに低くすることができるという効果を有する。上記実施例では過酸化ナトリウムを用いて試料を溶解したが、他の融解剤を含む物、すなわち本願発明において示す、Na2CO3,K2CO3,H3BO3,NaOH,KOH,Na2B2O7,Li2B2O7等から選択したアルカリ剤の一種若しくは複数種からなる塩基性融解剤及び/若しくはNa2O,Na2O2,K2O,K2O2,KNO3,KClO3等から選択した酸化剤の一種若しくは複数種を添加した塩基性融解剤若しくは酸化剤、又はNa2S2O7,K2S2O7,NaHSO4等から選択した一種若しくは複数種の酸性融解剤を用いて融解した場合でも、同様に定量下限の低下が得られることは、容易に理解されるべきである。ジルコニウムるつぼの純度が99.99wt%以上である、本発明の高純度ジルコニウムるつぼを使用することによって、るつぼからの不純物の混入を抑制し、分析者の違い又はその技量によらずに、高純度の分析が可能となり、さらに作業時間の短縮化及び使用する試薬の量の軽減化となるという優れた効果を有するので、高純度の材料を迅速にかつ正確に測定するという最近の分析技術の要請に応えることができる。 分析試料の前処理に用いる融解用ジルコニウムるつぼであって、該ジルコニウムるつぼの純度が99.99wt%以上であることを特徴とする分析試料の融解用ジルコニウムるつぼ。 Na2CO3,K2CO3,H3BO3,NaOH,KOH,Na2B2O7,Li2B2O7等から選択したアルカリ剤の一種若しくは複数種からなる塩基性融解剤及び/若しくはNa2O,Na2O2,K2O,K2O2,KNO3,KClO3等から選択した酸化剤の一種若しくは複数種を添加した塩基性融解剤若しくは酸化剤、又はNa2S2O7,K2S2O7,NaHSO4等から選択した一種若しくは複数種の酸性融解剤を用いて融解を行うことを特徴とする請求項1記載の分析試料の融解用ジルコニウムるつぼ。 試料を予め99.99wt%以上の純度のジルコニウムるつぼで融解し、分析試料とすることを特徴とする高純度ジルコニウムるつぼを用いた分析試料の作製方法。 試料を該るつぼに測りとり、さらにNa2CO3,K2CO3,H3BO3,NaOH,KOH,Na2B2O7,Li2B2O7等から選択したアルカリ剤の一種若しくは複数種からなる塩基性融解剤及び/若しくはNa2O,Na2O2,K2O,K2O2,KNO3,KClO3等から選択した酸化剤の一種若しくは複数種を添加した塩基性融解剤若しくは酸化剤、又はNa2S2O7,K2S2O7,NaHSO4等から選択した一種若しくは複数種の酸性融解剤を用いて融解し、分析試料とすることを特徴とする請求項3の分析試料の作製方法。 純度が99.99wt%以上の融解用ジルコニウムるつぼを用いて試料を融解し、これを分析することにより、Mn、Al、Si、Mg、Co、Ti、Cu、Mo、Fe、Cr、W、Pb、Niのそれぞれの定量下限値が10wtppm以下となる分析結果を得ることを特徴とする分析方法。 【課題】高純度の材料を、迅速にかつ正確に測定することが要求されている最近の分析技術に鑑み、るつぼからの不純物の混入を抑制し、分析者の違い又はその技量によらずに、高純度の分析が可能となる分析試料の融解用ジルコニウムるつぼ及び分析試料の作製方法並びに分析方法を得ることを課題とする。【解決手段】分析試料の前処理に用いる融解用ジルコニウムるつぼであって、該ジルコニウムるつぼの純度が99.99wt%以上であることを特徴とする分析試料の融解用ジルコニウムるつぼ。【選択図】図120101224A16333全文3 純度が99.99wt%以上の融解用ジルコニウムるつぼを用いて試料を融解し、これを分析することにより、Mn、Al、Si、Mg、Co、Ti、Cu、Mo、Fe、Cr、W、Pb、Niのそれぞれの定量下限値を10wtppm以下とする分析方法。 試料を予め99.99wt%以上の純度のジルコニウムるつぼに測りとり、さらにNa2CO3,K2CO3,H3BO3,NaOH,KOH,Na2B2O7,Li2B2O7から選択したアルカリ剤の一種若しくは複数種からなる塩基性融解剤及び/若しくはNa2O,Na2O2,K2O,K2O2,KNO3,KClO3から選択した酸化剤の一種若しくは複数種を添加した塩基性融解剤若しくは酸化剤、又はNa2S2O7,K2S2O7,NaHSO4等から選択した一種若しくは複数種の酸性融解剤を用いて融解した分析試料を用いて分析することを特徴とする請求項1記載の分析方法。


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特許公報(B2)_分析試料の融解用ジルコニウムるつぼ、分析試料の作製方法及び分析方法

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タイトル:特許公報(B2)_分析試料の融解用ジルコニウムるつぼ、分析試料の作製方法及び分析方法
出願番号:2010287962
年次:2013
IPC分類:G01N 1/28,B01L 3/04


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坂口 正浩 山口 充 高橋 富雄 竹本 幸一 JP 5122636 特許公報(B2) 20121102 2010287962 20101224 分析試料の融解用ジルコニウムるつぼ、分析試料の作製方法及び分析方法 JX日鉱日石金属株式会社 502362758 小越 勇 100093296 坂口 正浩 山口 充 高橋 富雄 竹本 幸一 JP 2006146971 20060526 20130116 G01N 1/28 20060101AFI20121220BHJP B01L 3/04 20060101ALI20121220BHJP JPG01N1/28 XB01L3/04 G01N 1/00−1/44 B01L 3/04 特開2005−114505(JP,A) 特開2004−069413(JP,A) 特開平01−290541(JP,A) 米国特許第3758662(US,A) 特開2003−279559(JP,A) 特開2002−105552(JP,A) 分析試料前処理ハンドブック,日本,丸善,2004年 8月31日,第3刷,313〜315,特に、(ii)融解法と表4.5を参照。 2 2008517792 20070220 2011090010 20110506 11 20101227 ▲高▼見 重雄本発明は、るつぼからの不純物の混入を抑制し、分析者の違い又はその技量によらずに、高純度試料の分析が可能となる分析試料の融解用ジルコニウムるつぼ、分析試料の作製方法及び分析方法に関する。最近、より高純度の材料を、迅速にかつ正確に測定することが要求されている。このような要求が増えるにしたがって、分析者の違いやその技量により測定結果に違いが出るという問題があり、信頼性確認のために再分析を行うということがしばしば行われていた。分析用の試料は、一般にフラックスで試料を融解して作製する。フラックスによる融解は、通常炭酸塩(アルカリ)融解、水酸化アルカリ融解、過酸化ナトリウム融解、硫酸水素ナトリウム融解などの融解法などが使用される。このようななかでも、過酸化ナトリウムは強力な酸化力を持っており、良好なフラックスである。この場合の、融解るつぼとして鉄又はニッケルるつぼが多く使用されるが、激しく侵されるということを勘案する必要がある。この過酸化ナトリウム融解は、試料の性質によって混合の割合が異なるが、一般には試料量の5〜10倍量の過酸化ナトリウムが使用されている(非特許文献1参照)。また、加熱温度も試料によって、変える必要があり、全て経験によって決められる。従来は、るつぼのブランクを差し引いて定量値を求めていたが、ブランクのばらつきは分析者の技量に大きく依存する。また、従来のジルコニウムるつぼは、純度99wt%(2N)レベルであるため、るつぼからの不純物が混入し、不純物混入により定量下限値が高く、最近の高純度試料の分析には不十分であった。このような高純度材料に対応する分析手段の特許文献は少ないが、それらの中で参考となる資料を紹介すると、例えば試料を定性、定量分析するための試料の調整方法に関するもので、試料を金属箔に載せて金属箔とともに、加熱分解し、さらに溶液化するという技術がある(特許文献1参照)が、これは極めて特殊な手法であり、汎用できるものではない。また、アルカリ融剤を用いて鉱石の化学分析を行うるつぼが、PtにPdを5〜90wt%添加したPt合金又はPd合金からなる化学分析用るつぼ(特許文献2参照)が開示されている。しかし、これはいずれも高価なるつぼ材料を使用することが前提となっており、実用的でないという問題がある。さらに、ニッケルるつぼ中で、ロジウム−ルテニウム合金めっき皮膜を過酸化ナトリウム又は過酸化カリウムで加熱融解し、皮膜中のロジウム量を分析する方法が開示されている(特許文献3参照)。しかし、この文献では、るつぼの純度については、一切開示はない。したがって、従来レベルの純度(2Nレベル)のるつぼであることが強く推定される。そのため、不純物混入により定量下限値が高く、精度の高い分析は得られていない問題がある。下記特許文献4には、ガラス中の微量セレンの定量方法に関する技術が開示され、具体的には、ガラス試料をアルカリ融解し、融解物を塩酸で溶解しさらにフッ化水素酸を加え、該融解物中のコロイダルシリカを分解して溶液とし、該溶液を共沈剤及び還元剤を加えて加熱することによりセレンを沈殿させ、セレンのろ過分離物をICPにより分析することが記載されている。この引用例1において、試料の分解および分離はジルコニウムるつぼを用いて行われているが、この引用例1でジルコニウムるつぼの純度については、一切記載がない。また、下記特許文献5には、従来の加圧分解法以外の方法によって有機珪素化合物中の珪素を定量する方法が記載されている。具体的には、分解容器に有機珪素化合物を秤取り、水酸化アルカリ及びアルコールを加え、まず低温で加熱することにより有機基を切断し、その後に高温で融解して有機物を分解し、得られた融解塩の塩酸溶液をICP等で測定することにより珪素を定量しようとする技術である。また、このための分解容器として、引用例2の段落[0017]に、「ニッケルるつぼ、ジルコニアるつぼ及び鉄るつぼ等が可能であるが、珪素の含有量が少ない高純度ニッケルるつぼの使用が好ましい」と記載されている。上記特許文献4、5で共通するのは、ジルコニウムるつぼが、高純度が実現できるレベルにあるかどうか、その純度によって何が達成できるのか、高純度で得られたものが、どのような結果をもたらすのか、ということは全く不明である。「ぶんせき」入門講座、1979年10月発行、「溶解に用いられる試薬」頁648〜655特開平10−38773号公報特開平2−172540号公報特開昭58−48854号公報特開2005−114505号公報特開2004−69413号公報高純度の材料を、迅速にかつ正確に測定することが要求されている最近の分析技術に鑑み、るつぼからの不純物の混入を抑制し、分析者の違い又はその技量によらずに、高純度の分析が可能となる分析試料の融解用ジルコニウムるつぼ及び分析試料の作製方法並びに分析方法を得ることを課題とする。上記の課題に鑑み、本発明は以下の発明を提供するものである。その1)として、分析試料の前処理に用いる融解用ジルコニウムるつぼであって、該ジルコニウムるつぼの純度が99.99wt%以上である分析試料の融解用ジルコニウムるつぼを提供する。その2)として、Na2CO3,K2CO3,H3BO3,NaOH,KOH,Na2B2O7,Li2B2O7等から選択したアルカリ剤の一種若しくは複数種からなる塩基性融解剤及び/若しくはNa2O,Na2O2,K2O,K2O2,KNO3,KClO3等から選択した酸化剤の一種若しくは複数種を添加した塩基性融解剤若しくは酸化剤、又はNa2S2O7,K2S2O7,NaHSO4等から選択した一種若しくは複数種の酸性融解剤を用いて融解を行う1)記載の分析試料の融解用ジルコニウムるつぼを提供する。融解剤の一覧を表1に示す。特に、過酸化ナトリウムは好適な融解剤である。なお、表1において、酸化剤をアルカリと併用する塩基性融解剤として表示しているが、上記の通り、この酸化剤は単独の融解剤として使用することもできる。その3)として、試料を予め99.99wt%以上の純度のジルコニウムるつぼで融解し、分析試料とする高純度ジルコニウムるつぼを用いた分析試料の作製方法を提供する。その4)として、試料を該るつぼに測りとり、さらにNa2CO3,K2CO3,H3BO3,NaOH,KOH,Na2B2O7,Li2B2O7等から選択したアルカリ剤の一種若しくは複数種からなる塩基性融解剤及び/若しくはNa2O,Na2O2,K2O,K2O2,KNO3,KClO3等から選択した酸化剤の一種若しくは複数種を添加した塩基性融解剤若しくは酸化剤、又はNa2S2O7,K2S2O7,NaHSO4等から選択した一種若しくは複数種の酸性融解剤を用いて(表1参照)融解し、分析試料とする3)の分析試料の作製方法を提供する。特に、過酸化ナトリウムは好適な融解剤である。その5)として、純度が99.99wt%以上の融解用ジルコニウムるつぼを用いて試料を融解し、これを分析することにより、Mn、Al、Si、Mg、Co、Ti、Cu、Mo、Fe、Cr、W、Pb、Niのそれぞれの定量下限値が10wtppm以下となる分析結果を得ることを特徴とする分析方法を提供する。本発明は、ジルコニウムるつぼの純度が99.99wt%以上の分析試料融解用ジルコニウムるつぼを使用することによって、るつぼからの不純物の混入を抑制し、分析者の違い又はその技量によらずに、より定量下限の低い分析が可能となり、さらに作業時間の短縮化及び使用する試薬の量の軽減化となり、高純度の材料を迅速にかつ正確に測定することが要求されている最近の分析技術の要請に応えることができるという優れた効果を有する。ジルコニウムるつぼからのFeの汚染量を示す図である。ジルコニウムるつぼからのCrの汚染量を示す図である。ジルコニウムるつぼからのMnの汚染量を示す図である。ジルコニウムるつぼからのAlの汚染量を示す図である。ジルコニウムるつぼからのTiの汚染量を示す図である。ジルコニウムるつぼからのCuの汚染量を示す図である。ジルコニウムるつぼの個体差に伴う不純物溶出量のばらつきを示す図である。本発明に用いる分析試料の前処理に用いる融解用ジルコニウムるつぼとして、純度が99.99wt%以上のジルコニウムるつぼを使用する。分析の一般的な手順は、次の通りである。(1)試料をジルコニウムるつぼに入れる。(2)るつぼにアルカリ融剤等の融剤を加える。(3)バーナーでるつぼを加熱し前記融剤及び試料を融解させる。(4)試料をPTFE製等のビーカーに移す。(5)酸等を添加する。(6)ビーカーを加熱し、溶解する。(7)メスフラスコに移す。(8)水を加え、液量を所定の値にする。(9)これをICP−AES等による測定を行う。以上に示すように、本願発明の純度が99.99wt%以上である融解用ジルコニウムるつぼを用いて試料を融解し、これを分析することにより、Mn、Al、Si、Mg、Co、Ti、Cu、Mo、Fe、Cr、W、Pb、Niのそれぞれの定量下限値が、10wtppm以下である分析結果を得ることができるという優れた効果を有する。従来のジルコニウムるつぼは、Feを数百〜数千wtppm含有している。したがって、分析操作中にジルコニウムるつぼからのFeの汚染が激しいという欠点がある。また、従来のジルコニウムるつぼはCrの溶出の問題もある。そのために、るつぼ中のFe及びCrなどが溶け出さないように、加熱時間等をコントロールする必要があり、また、そのときに融解状態を目視で確認しなければならないため、分析作業には高度な技術と経験が要求される。しかし、本発明の高純度ジルコニウムるつぼを用いることにより、Fe、Crなどの含有量が少ないために、融解条件のコントロールがラフであってもFe、Crなどの溶出量が少ないため、経験の浅いものでも容易に分析ができるという利点がある。以下、実施例及び比較例に基づいて説明する。なお、本実施例はあくまで一例であり、この例のみに制限されるものではない。すなわち、本発明に含まれる他の態様または変形を包含するものである。(実施例1)本発明の実施例では、99.99wt%の純度の高純度ジルコニウムるつぼ(高純度品)を使用し、被定量物質であるZrO2中の不純分(Fe,Cr等)の定量を行った。分析条件及び分析結果は、次の通りである。試料0.5gを取り、これを上記高純度ジルコニウムるつぼに入れ、5gの過酸化ナトリウムの融剤を使用し、これをバーナーで加熱し、この後、塩酸(HCl)を20ml、超純水50ml添加した。次に、これを300mlのテフロンビーカーに移し、加熱・溶解した。溶融後、全量を250mlフラスコに入れ、さらに超純水を加えて液量規定を行った。そして、このようにして得た試料について、ICP−AESによる測定を行った。ブランクは6回試験の結果である。るつぼから溶出した主な不純物(Fe、Cr、Mn、Al、Ti、Cu)の測定結果を、それぞれ図1−図6に示す。図1−6に示すように、下記に示す比較例(従来技術)と比較して、本願発明の高純度ジルコニウムるつぼを使用することにより、時間が経過しても溶出量が殆んど変化せず、その量も極めて低いことが理解できる。このように、Fe、Cr、Mn、Al、Ti、Cu等不純物の溶出を最小限に留めることが可能であり、精度の高い分析を行うことができるという優れた結果が得られた。特に、ジルコニウムるつぼからのFe及びCrの汚染を効果的に抑制できることが分かる。Mn、Al、Ti、Cu等不純物については、後述する比較例と比べて、それほど差がないが、そもそもZrるつぼからの汚染の絶対量が少ないので大きな差異が現れない。しかし、いずれの場合も、比較例に比べて、ジルコニウムるつぼからの汚染が少ないことが分かる。Feについて、定量下限値(ブランク試料6個測定の標準偏差(σ)の10倍と定義した)を調べた結果、本実施例のFeの定量下限値は10wtppmであった。このように、Feの定量下限が大きく下げることができたことにより、難分解性の不純物の分析にも適用できるという優れた効果を得ることが可能となった。(比較例1)比較例1では、99wt%の純度のジルコニウムるつぼを使用した。実施例1と同様に被定量物質であるZrO2中の不純分(Fe,Cr等の)の定量を行った。融剤として実施例と同様に、過酸化ナトリウムを使用した。ブランクは6回試験の結果である。この分析結果を、実施例と対比して同様に、図1−図6に示す。分析条件及び分析結果は、次の通りである。図1−図6に示すように、比較例1(従来技術)は、不純物の溶出が大きいことが分る。その量も、2〜3分後に著しく増加する。特にFe、Crの増加が大きく、Mn、Alの増加もある。このような不純物の増加は、精度の高い分析を行うことができないという問題を有している。このように、本比較例で示す従来のジルコニウムるつぼは、純度が2Nレベルと低いことが原因であり、不純物の含有量が多く、酸に難分解性のサンプル中の不純物分析に適用した場合、るつぼからのコンタミネーションが大きくなるという問題がある。定量下限値は、ブランク試料6回測定の標準偏差(σ)の10倍と定義し、本発明の実施例1のジルコニウムるつぼと対比して、比較例のジルコニウムるつぼからのFeの溶出量の定量下限値を調べた。その結果、比較例のジルコニウムるつぼでは、定量下限が50wtppmと悪い結果となった。上記の通り、実施例と比較例では、定量下限値の大きな差異があり、本願発明の定量下限値の大きな改善が可能であることが確認できた。次に、ジルコニウムるつぼの個体差に伴う不純物溶出量のばらつきを表2及び図7に示す。これらの表2及び図7に示すように、比較例1では、個体間のばらつきが大きいが、実施例1の個体間のばらつきは、標準偏差が十分小さくなった。個体間のばらつきが小さいことは、分析精度の向上に大きく影響し、定量下限値をさらに低くすることができるという効果を有する。上記実施例では過酸化ナトリウムを用いて試料を溶解したが、他の融解剤を含む物、すなわち本願発明において示す、Na2CO3,K2CO3,H3BO3,NaOH,KOH,Na2B2O7,Li2B2O7等から選択したアルカリ剤の一種若しくは複数種からなる塩基性融解剤及び/若しくはNa2O,Na2O2,K2O,K2O2,KNO3,KClO3等から選択した酸化剤の一種若しくは複数種を添加した塩基性融解剤若しくは酸化剤、又はNa2S2O7,K2S2O7,NaHSO4等から選択した一種若しくは複数種の酸性融解剤を用いて融解した場合でも、同様に定量下限の低下が得られることは、容易に理解されるべきである。ジルコニウムるつぼの純度が99.99wt%以上である、本発明の高純度ジルコニウムるつぼを使用することによって、るつぼからの不純物の混入を抑制し、分析者の違い又はその技量によらずに、高純度の分析が可能となり、さらに作業時間の短縮化及び使用する試薬の量の軽減化となるという優れた効果を有するので、高純度の材料を迅速にかつ正確に測定するという最近の分析技術の要請に応えることができる。 純度が99.99wt%以上の融解用ジルコニウムるつぼを用いて試料を融解し、これを分析することにより、Mn、Al、Si、Mg、Co、Ti、Cu、Mo、Fe、Cr、W、Pb、Niのそれぞれの定量下限値を10wtppm以下とする分析方法。 試料を予め99.99wt%以上の純度のジルコニウムるつぼに測りとり、さらにNa2CO3,K2CO3,H3BO3,NaOH,KOH,Na2B2O7,Li2B2O7から選択したアルカリ剤の一種若しくは複数種からなる塩基性融解剤及び/若しくはNa2O,Na2O2,K2O,K2O2,KNO3,KClO3から選択した酸化剤の一種若しくは複数種を添加した塩基性融解剤若しくは酸化剤、又はNa2S2O7,K2S2O7,NaHSO4等から選択した一種若しくは複数種の酸性融解剤を用いて融解した分析試料を用いて分析することを特徴とする請求項1記載の分析方法。


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