タイトル: | 公開特許公報(A)_脳脊髄液減少症(低髄液圧症候群)の治療及び予防用組成物 |
出願番号: | 2010279612 |
年次: | 2012 |
IPC分類: | A61K 38/17,A61P 25/00,A61K 31/7008,A61K 31/726,A61K 31/401 |
蛯原 寛生 JP 2012126678 公開特許公報(A) 20120705 2010279612 20101215 脳脊髄液減少症(低髄液圧症候群)の治療及び予防用組成物 蛯原 寛生 709001188 蛯原 寛生 A61K 38/17 20060101AFI20120608BHJP A61P 25/00 20060101ALI20120608BHJP A61K 31/7008 20060101ALI20120608BHJP A61K 31/726 20060101ALI20120608BHJP A61K 31/401 20060101ALI20120608BHJP JPA61K37/12A61P25/00A61K31/7008A61K31/726A61K31/401 2 OL 4 4C084 4C086 4C084AA02 4C084AA03 4C084BA43 4C084BA44 4C084CA17 4C084CA20 4C084CA21 4C084MA02 4C084MA17 4C084MA52 4C084NA05 4C084NA14 4C084ZA011 4C084ZA012 4C084ZC511 4C084ZC542 4C086AA01 4C086AA02 4C086BC07 4C086EA02 4C086EA26 4C086MA01 4C086MA02 4C086MA04 4C086MA07 4C086NA05 4C086NA14 4C086ZA01 4C086ZC54 本発明は、脳脊髄液減少症(低髄液圧症候群)の治療及び予防用組成物に関するものである。昨今、交通事故やスポーツ等による負傷により、脳脊髄液減少症が起きる可能性について注目され、診断ガイドラインの策定がなされている。現在、脳脊髄液減少症の治療には、水分摂取や点滴をしながらの安静臥床により自然回復を待つ方法及び髄腋が漏出していると思われる箇所に自己血を注入することにより漏出を防ぐブラッドパッチと呼ばれる方法が用いられている。しかし、水分摂取や点滴をしながらの安静臥床には2週間〜6ヶ月以上の長期安静が必要な場合が多い。ブラッドパッチは自己血を硬膜外に注入するため、専門的な技術と侵襲的治療による患者の苦痛、術後感染や癒着のおそれ、数日にわたる入院及び手術等の費用の問題がある。また、ブラッドパッチにおいても、術後から回復まで数ヶ月から数年がかかることも多い。脳脊髄液減少症は治癒した後も繰返し症状が出ることが多く、患者によっては数年の歳月を治療に費やしてしまう。しかしながら、患者自身にとっては、選択できる治療が前記の二者しかなく、新たな治療法が切に望まれているところである。本発明と似たものに、コラーゲン箔を硬膜の損傷に用いるものがあるが、これは硬膜の損傷部位に直接用いるものであり、本発明とは全く異なる(特許文献1及び2)。また他にも、コラーゲンやヒドロキシプロリンを治療や予防に用いる研究及び発明があるが、皮膚組織や関節損傷の回復を目的とするもの(特許文献3及び非特許文献1及び2)であって、本発明のように、髄膜の裂孔又は隙間を髄膜及び髄膜周辺組織の再生促進によって塞ぎ、髄膜及び髄膜周辺組織の機能を正常化して髄液の漏出を防ぐことによる脳脊髄液減少症の治療を目的とするものではない。グルコサミン類又はグリコサミノグリカン類の経口投与の効果については賛否両論であるが、否定的論文がある(非特許文献3)。しかし、本発明においては、コラーゲン類の投与による線維細胞の活性化によって髄膜及び髄膜周辺組織の再生を図ることに主な効果を求めるものであり、本発明のグルコサミン類及びグリコサミノグリカン類は、コラーゲン由来のプロリルヒドロキシプロリンが線維細胞を賦活して髄膜及び髄膜周辺組織の再生を促進する過程において、コラーゲン類とともに素材として提供するものである。よって、ただ単に経口摂取により関節等への吸収を目的とするものとは仕組みが異なる。また、前論文中では、グルコサミンの使用量が1.5g/1日以下と、食品に自然に若干含まれる程度のものでしか実験が行われておらず、本発明においてのコラーゲンの使用量は10g/1日、グルコサミン類10g/1日、グリコサミノグリカン類10g/1日と、前論文中の実験と比べて単位が一桁異なり、結果においてもまた同様の効果を期待するものではない。特開2003−510101号広報特開2006−526485号広報特開2009−67727号広報菊池宏輪 (2004).「コラーゲン10000mg含有飲料」の摂取による肌に対する効果試験 診療と新薬, 41,1229-1236.Kenji Sato et al. (2009). Effectof Prolyl-hydroxyproline (Pro-Hyp), a Food-Derived Collagen Peptide in HumanBlood, on Growth of Fibroblasts from Mouse Skin. Journal of Agricultural andFood Chemistry, 57(2), 444-449.Kjersti Storheim et al. (2010). Effect of Glucosamine on Pain-RelatedDisability in Patients With Chronic Low Back Pain and Degenerative LumbarOsteoarthritis. The Journal of the American Medical Association, 304(1), 45-52.脳脊髄液減少症(低髄液圧症候群)の改善に有用な製剤組成物を提供する。ゼラチンを構成するコラーゲン又はコラーゲンを構成するペプチドもしくはアミノ酸に、グルコサミン類又はグリコサミノグリカン類(コンドロイチン、コンドロイチン硫酸又はその塩等)のいずれかを含んでもよく、単体又は組み合わせた組成物により脳脊髄液減少症(低髄液圧症候群)を改善予防する。この組成物は、さらに、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、塩化カリウム、又はブドウ糖を含んでいてもよい。さらには、ビタミンB1類、ビタミンB6類、ビタミンB12類、ビタミンC類、又はリシンを含有していてもよい。脳脊髄液減少症においては、脊椎等に強い力が加わったことにより、髄膜に裂孔や隙間ができて、髄液が漏出すると考えられているが、患者の体質等によっては髄膜の裂孔や隙間が正常な状態に回復しにくいことから長期化し、症状が時には数年にわたる。そこで、ゼラチンを構成するコラーゲン等、本発明の組成物を摂取することにより、コラーゲン由来のプロリルヒドロキシプロリンが長時間血中に高濃度で留まる。体内を循環するプロリルヒドロキシプロリンは、髄膜の損傷部位に集まって線維芽細胞を賦活し、損傷部位の髄膜細胞を増加させるとともに、髄膜細胞間の繊維化を促して髄膜の再生を促進する。また、体内を循環するプロリルヒドロキシプロリンが同様の過程において髄膜周辺組織の再生を促進し、髄膜及び髄膜周辺組織の機能を正常な状態に近づけることによって髄液の漏出を防ぎ、結果として脳脊髄液減少症を改善させる。また、ゼラチンを構成するコラーゲン又はコラーゲンを構成するペプチドもしくはアミノ酸、プロテオグリカンとしてのグルコサミン類及びグリコサミノグリカン類は細胞外マトリックスの形成に関与している。プロリルヒドロキシプロリンが線維細胞を活性化して髄膜細胞を増加し、髄膜の再生を促進し、同様に髄膜周辺組織の再生を促進している過程において、髄膜及び髄膜周辺組織を構成する素材を体外から多量に補うことにより、脳脊髄液減少症の症状改善の一助とする。また、脳脊髄液減少症の発生頻度が高い患者が、症状を起こしていない時でも、平生から組成物を摂取することにより、遺伝的特質や老化等の問題で耐久性の減少した髄膜及び髄膜周辺組織の補修を助け、脳脊髄液減少症発生のリスクを少なくする。この方法には、水分摂取や点滴をしながらの安静臥床により自然回復を待つ方法又はブラッドパッチと併用することができる特段のメリットがある。コラーゲン:1g、グルコサミン:1g、塩化ナトリウム:50mg、塩化マグネシウム:4mg、塩化カリウム:20mg、ブドウ糖:1.5g、ビタミンB1:0.1mg、ビタミンB6:0.1mg、ビタミンC:10mg、リシン:0.3gを耐熱容器に入れ、80℃で200mlの熱水を注ぎ、組成物を攪拌溶解したものを適時内服する。1日10回程度の飲用を目指す。2ヶ月程度の飲水臥床を続けて症状が改善しない患者が、上記内服を続けることによって、早くて数日又は1週間から10日で症状の改善を訴える場合がある。ゼラチンを構成するコラーゲン又はコラーゲンを構成するペプチドもしくはアミノ酸に、グルコサミン類又はグリコサミノグリカン類(コンドロイチン、コンドロイチン硫酸又はその塩など)のいずれかを含んでもよく、単体又は組み合わせた組成物は工業的に量産しやすく、産業上の利用可能性を有する。ゼラチンを構成するコラーゲン又はコラーゲンを構成するペプチドもしくはアミノ酸による脳脊髄液減少症(低髄液圧症候群)の治療及び予防用組成物。ゼラチンを構成するコラーゲン又はコラーゲンを構成するペプチドもしくはアミノ酸に、グルコサミン類又はグリコサミノグリカン類(コンドロイチン、コンドロイチン硫酸又はその塩など)のいずれかを含んでもよく、単体又はそれぞれを組み合わせたものである脳脊髄液減少症(低髄液圧症候群)の治療及び予防用組成物。 【課題】脳脊髄液減少症(低髄液圧症候群)の改善に有用な製剤組成物を提供する。【解決手段】ゼラチンを構成するコラーゲン又はコラーゲンを構成するペプチドもしくはアミノ酸に、グルコサミン類又はグリコサミノグリカン類(コンドロイチン、コンドロイチン硫酸又はその塩等)のいずれかを含んでもよく、単体又は組み合わせた組成物により髄膜及び髄膜周辺組織の再生を促進し、髄膜及び髄膜周辺組織の機能を正常化させて髄液の漏出を防ぐことにより、脳脊髄液減少症(低髄液圧症候群)を改善予防する。【選択図】なし