タイトル: | 公開特許公報(A)_同軸落射照明方法及び同軸落射照明装置 |
出願番号: | 2010275486 |
年次: | 2012 |
IPC分類: | G01N 21/84 |
谷口 宜嗣 JP 2012122926 公開特許公報(A) 20120628 2010275486 20101210 同軸落射照明方法及び同軸落射照明装置 株式会社エタンデュ目白 510326555 津国 肇 100078662 柳橋 泰雄 100131808 谷口 宜嗣 G01N 21/84 20060101AFI20120601BHJP JPG01N21/84 E 6 1 OL 11 2G051 2G051AA65 2G051AA73 2G051AB02 2G051BB01 2G051BB03 2G051BB11 本発明は、例えば検査対象物に光を照射するための同軸落射照明方法及び同軸落射照明装置に関する。 プリント配線板の配線パターンの外観検査(例えば配線パターンの形状や断線の有無等の検査)、フラットパネルディスプレイ(FPD)部品の外観検査、あるいは、電子部品や機械部品の外観検査(例えば寸法や傷の有無の検査)などには、画像処理装置を備えた検査装置が用いられている。検査装置は、検査対象物に光を照射する照明装置、光を照射された検査対象物の光学像を撮像して、この光学像に対応する画像データを出力する撮像装置、そして撮像装置が出力する画像データと参照データとの照合を行なう画像処理装置などから構成されている。このような検査装置の照明装置の光源としては、例えば、ハロゲンランプ、発光ダイオード、メタルハライドランプ等が用いられている。 特許文献1には、上下方向に伸びる筒体、この筒体内部に筒体の長さ方向に沿って互いに同軸に配置された一対の光学レンズ、この一対の光学レンズの間にレンズの軸に対して表面を傾斜させて配置されたハーフミラー、筒体の側部に備えられ、ハーフミラー表面での反射を介してレンズの軸と同軸に且つ筒体の下側方向に伝わる光を発する光源からなる同軸落射照明装置が開示されている。特開2006−46946号公報 特許文献1に開示された同軸落射照明装置においては、照射光の光軸と結像レンズの光軸とを一致させるために、検査対象物と結像レンズとの間にハーフミラーを配置している。一般に、光路上にハーフミラーやキューブビームスプリッターに代表されるビームスプリッターを配置した場合には、以下に説明するように、結像レンズによって結像される像には収差(球面収差や非点収差)が発生することが知られている。 図4は、ビームスプリッターを配置したことにより発生する非点収差についての説明図である。非点収差とは、軸外にある物体をレンズで結像すると、その軸対称性の違いにより、メリジオナル面(光軸と主光線を含む面)とサジタル面(主光線を含み、メリジオナル面に垂直な面)の像の結像位置が分離する現象のことである。 物体と結像レンズとの間にビームスプリッターを配置した場合においても、メリジオナル面とサジタル面での結像位置の違いが発生する。すなわち、ビームスプリッター100がメリジオナル面に対して図5(a)に示すように配置されている場合、ビームスプリッター100はサジタル面に対して図5(b)に示すように配置される。物体102によって反射されて広がっていく光は、メリジオナル面においては上と下でビームスプリッター100の表面に対する光線の角度が異なっているが(図5(a)参照)、サジタル面においては上と下でビームスプリッター100の表面に対する光線の角度が同じとなっている(図5(b)参照)。このため、物体102と結像レンズ104との間にビームスプリッター100を配置した場合、非点収差が発生する。 図6は、ビームスプリッターを配置したことにより発生する球面収差についての説明図である。図6に示すように、物体と結像レンズとの間にビームスプリッター200を配置した場合には、ビームスプリッター200に対して垂直に入る光軸上の光と、ビームスプリッター200に対して斜めに入る光軸の周辺部の光とではガラス内部を通過する距離が異なっている。このため、光軸から離れた位置に入る光ほど図中の右の方から光線が来たかのように見えてしまう。このように、厚みのあるビームスプリッター200を通過した光を結像レンズによって結像させた像は光軸上の光とその周辺部の光との間で焦点位置が異なっており、球面収差が発生する。 上記のような収差を小さくするためには、できるだけ厚みの小さいハーフミラーを用いることが考えられる。例えば、ニトロセルロース膜のペクリルに誘電体多層膜、金属膜、又はその両者の組み合わせの膜(ハイブリッド膜またはインコネル膜と呼ばれ、例えばCrやNiの合金膜等)をコーティングした厚み約2μmのハーフミラーを用いることが考えられる。しかし、このようなハーフミラーは高価である。また、薄膜であるため取り扱いが困難である。 一方、キューブ型ビームスプリッターもその厚みを小さくすることによって収差を小さくすることが可能であるが、その構造上、数mm〜数十mmの厚みを持つために、ハーフミラーのように極端に薄型化することは困難である。 本発明は上記のような事情に鑑みてなされたものであって、物体と結像レンズとの間にビームスプリッターを配置したことに起因する非点収差あるいは球面収差を小さくすることのできる同軸落射照明方法及び同軸落射照明装置を提供することを目的とする。 本発明者らは、物体と結像レンズとの間にビームスプリッターを配置したことに起因する非点収差あるいは球面収差をできるだけ小さくする方法について種々検討したところ、ビームスプリッターを結像レンズの光軸に対してできるだけ垂直に近い角度で配置することが有効であることを発見した。 すなわち、物体と結像レンズとの間にビームスプリッターを配置する場合には、設計を容易にするために、ビームスプリッターの反射面を結像レンズの光軸に対して45度の角度で配置するのが一般的である。つまり、ハーフミラーなどのビームスプリッターは、結像レンズの光軸に対して45度の角度で配置することが当該技術分野における常識となっている。しかし、本発明者らは、そのような常識や固定観念にとらわれることなく、収差を小さくする方法について今までとはまったく異なる視点で検討を重ねたところ、意外なことに、ビームスプリッターの反射面を結像レンズの光軸に対して45度よりも大きい角度で配置することによって、従来の同軸落射照明方法あるいは同軸落射照明装置よりも収差を小さくできることを発見するに至ったのである。 本発明はかかる新規な発見に基づいて完成されたものであって、以下の構成を有する。 光源から発せられた光を、物体と結像レンズとの間に配置されたビームスプリッターを介して前記物体に対して前記結像レンズの光軸と同軸に照射するための同軸落射照明方法であって、前記ビームスプリッターの反射面が、前記結像レンズの光軸に対して45度よりも大きい角度をなすようにして前記ビームスプリッターを配置することを特徴とする同軸落射照明方法。 光源から発せられた光を、物体と結像レンズとの間に配置されたビームスプリッターを介して前記物体に対して前記結像レンズの光軸と同軸に照射するための同軸落射照明装置であって、前記ビームスプリッターの反射面と前記結像レンズの光軸とのなす角度が45度よりも大きいことを特徴とする同軸落射照明装置。 本発明において、前記ビームスプリッターの反射面が、前記結像レンズの光軸に対して70度以上の角度をなすようにして前記ビームスプリッターを配置することが好ましい。 本発明において、前記ビームスプリッターはハーフミラーであることが好ましい。 本発明によれば、物体と結像レンズとの間にビームスプリッターを配置したことに起因する非点収差あるいは球面収差を小さくすることのできる同軸落射照明方法及び同軸落射照明装置を提供することができる。実施形態に係る同軸落射照明装置の平面図である。同軸落射照明装置の変形例を示す平面図である。同軸落射照明装置の変形例を示す平面図である。非点収差についての説明図である。ビームスプリッターを配置したことにより発生する非点収差についての説明図である。ビームスプリッターを配置したことにより発生する球面収差についての説明図である。 以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。 図1は、本発明の一実施形態に係る同軸落射照明装置10の平面図である。図1に示すように、本実施形態に係る同軸落射照明装置10は、例えば発光ダイオード、ハロゲンランプ、あるいはメタルハライドランプ等からなる光源12と、光源12から発せられた光を集光させるための集光レンズ14と、集光レンズ14によって集光された光の一部を検査対象物Wに向けて反射するとともに、検査対象物Wによって反射された光の一部を透過させるハーフミラー16と、ハーフミラー16を透過した光を結像させるための結像レンズ18とを備えている。本実施形態に係る同軸落射照明装置10は、検査対象物Wの光学像を撮像して、その光学像に対応する画像データと参照データとの照合を行う画像処理装置を備えた外観検査装置における同軸落射照明装置として使用されるものである。なお、検査対象物Wが、本発明の「物体」に対応している。 ハーフミラー16は、その表面に照射される光の一部(例えば50%)を反射し、残りの光を透過させることのできるものである。同軸落射照明装置10は、検査対象物Wと結像レンズ18との間に配置されたハーフミラー16を介して、検査対象物Wに対して結像レンズ18の光軸20と同軸に光を照射することのできる装置である。ハーフミラー16としては、例えば、ガラス製の基板の表面に誘電体多層膜、金属膜、又はその両者の組み合わせの膜(ハイブリッド膜またはインコネル膜と呼ばれ、例えばCrやNiの合金膜等)からなる反射膜をコーティングしたものを使用することができる。 図1に示すように、ハーフミラー16は、その表面(反射面)が結像レンズ18の光軸20に対して70度の角度をなすようにして配置されている。一般的に、ハーフミラーは、設計の容易性などの観点から、その表面が結像レンズの光軸に対して45度の角度をなすように配置されるのであるが、本実施形態では、そのような通常の角度(45度)よりも大きい角度をなすようにしてハーフミラー16を配置している。 ハーフミラー16は、その表面が結像レンズ18の光軸20に対してできるだけ垂直となるように配置するのが好ましい。ハーフミラー16の表面と結像レンズ18の光軸20とのなす角度は、好ましくは50度以上であり、より好ましくは60度以上であり、もっとも好ましくは70度以上である。 ハーフミラー16の表面と結像レンズ18の光軸20とのなす角度が45度よりも大きくなるようにハーフミラー16を配置することによって、検査対象物Wと結像レンズ18との間にハーフミラー16を配置したことに起因する非点収差や球面収差などを低減することができる。これにより、検査対象物Wの表面のより精密な光学像を撮像することができるようになる。 図2は、同軸落射照明装置10の変形例を示す平面図である。 図2に示す同軸落射照明装置10は、光源12から発せられた光を反射することのできる全反射ミラー30を備えている。この全反射ミラー30を適切な位置に配置することによって、光源12から発せられる光の光軸と結像レンズ18の光軸20とのなす角度が約90度の場合であっても、光源12から発せられた光をハーフミラー16に向かって入射させることが可能になる。したがって、光源12、ハーフミラー16、及び結像レンズ18の配置の自由度が増すために、よりコンパクトに同軸落射照明装置10を構成することが可能となる。 図3は、同軸落射照明装置10の別の変形例を示す平面図である。 図3に示す同軸落射照明装置10は、光源12から発せられた光を反射することのできる全反射ミラー40を備えている。この全反射ミラー40を適切な位置に配置することによって、光源12から発せられる光の光軸と結像レンズ18の光軸20とがほぼ平行の場合であっても、光源12から発せられた光をハーフミラー16に向かって入射させることが可能になる。したがって、光源12、ハーフミラー16、及び結像レンズ18の配置の自由度が増すために、よりコンパクトに同軸落射照明装置10を構成することが可能となる。10…同軸落射照明装置12…光源14…集光レンズ16…ハーフミラー(ビームスプリッター)18…結像レンズ20…光軸W…検査対象物 光源から発せられた光を、物体と結像レンズとの間に配置されたビームスプリッターを介して前記物体に対して前記結像レンズの光軸と同軸に照射するための同軸落射照明方法であって、 前記ビームスプリッターの反射面が、前記結像レンズの光軸に対して45度よりも大きい角度をなすようにして前記ビームスプリッターを配置することを特徴とする同軸落射照明方法。 前記ビームスプリッターの反射面が、前記結像レンズの光軸に対して70度以上の角度をなすようにして前記ビームスプリッターを配置することを特徴とする請求項1に記載の同軸落射照明方法。 前記ビームスプリッターはハーフミラーであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の同軸落射照明方法。 光源から発せられた光を、物体と結像レンズとの間に配置されたビームスプリッターを介して前記物体に対して前記結像レンズの光軸と同軸に照射するための同軸落射照明装置であって、 前記ビームスプリッターの反射面と前記結像レンズの光軸とのなす角度が45度よりも大きいことを特徴とする同軸落射照明装置。 前記ビームスプリッターの反射面と前記結像レンズの光軸とのなす角度が70度以上であることを特徴とする請求項4に記載の同軸落射照明装置。 前記ビームスプリッターはハーフミラーであることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の同軸落射照明装置。 【課題】物体と結像レンズとの間にビームスプリッターを配置したことに起因する非点収差あるいは球面収差を小さくすることのできる同軸落射照明方法及び同軸落射照明装置を提供する。【解決手段】同軸落射照明装置10は、光源12から発せられた光を、検査対象物Wと結像レンズ18との間に配置されたハーフミラー16を介して検査対象物Wに対して結像レンズ18の光軸20と同軸に照射するための装置である。ハーフミラー16の反射面は、結像レンズ18の光軸20に対して45度よりも大きい角度をなしている。【選択図】図1