生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_チオール化合物の製造方法
出願番号:2010255442
年次:2011
IPC分類:C07C 319/08,C07C 319/10,C07C 321/04,C07C 321/26,C07B 61/00


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松村 泰男 JP 2011126873 公開特許公報(A) 20110630 2010255442 20101116 チオール化合物の製造方法 JX日鉱日石エネルギー株式会社 000004444 酒井 一 100081514 蔵合 正博 100082692 松村 泰男 JP 2009263143 20091118 C07C 319/08 20060101AFI20110603BHJP C07C 319/10 20060101ALI20110603BHJP C07C 321/04 20060101ALI20110603BHJP C07C 321/26 20060101ALI20110603BHJP C07B 61/00 20060101ALN20110603BHJP JPC07C319/08C07C319/10C07C321/04C07C321/26C07B61/00 300 6 OL 8 4H006 4H039 4H006AA02 4H006AC63 4H006BA10 4H006BA14 4H006BA30 4H006BA33 4H006BA36 4H006BC10 4H006BC13 4H006BC19 4H006TA04 4H039CA60 4H039CD10 4H039CD30 本発明は、チオール化合物の製造方法に関し、更に詳細には、チオール化合物を効率良く、高収率で得ることができる製造方法に関する。 チオール化合物は、各種用途に利用されている。例えば、チオール化合物はごく少量でも非常に強い悪臭を示すため、無臭のガスに添加してそれらが漏れたことを感知しやすくする目的に使われる。また、プラスチック工業や殺虫剤の原料、"ジェット燃料" ジェット燃料への添加剤としても利用されている。近年では、高屈折率の特性を活かして、レンズ用樹脂原料にも用いられている。 また、芳香族チオール化合物の一種であるチオフェノールは、農薬・医薬・機能性材料等の中間体として有用な化合物として知られている。農薬中間体用としては、例えば、いもち病・穂枯れ病用の殺菌剤EDDP剤(エチルジフェニルジチオホスファイト)の原料として使用される。更に該チオフェノールは、感光性樹脂添加剤、機能性色素劣化防止剤等の機能性材料にも用いられている。 このようなチオール化合物は、ヒドロキシ化合物および硫化水素を原料として製造されることが知られている。例えば、特許文献1には、ヘテロポリ酸とそのアルカリ金属塩とアルカリ土類金属塩で活性化された脱水素触媒よりなる触媒の存在下、100〜500℃で水酸基含有化合物あるいはエーテル化合物と硫化水素とを反応させることでメルカプタンが生成することが報告されている。しかし、このような方法では、特に、芳香族ヒドロキシ化合物が原料の場合は、転化率が低く、芳香族チオール化合物を効率的に製造することが困難である。 また、特許文献2には、芳香族ヒドロキシ化合物と硫化水素とを反応させることにより、芳香族チオール類および/または芳香族ジスルフィド類を製造する方法が報告されている。 しかし、特許文献2に記載された実施例におけるシリカ含有活性アルミナの存在下における反応では、フェノール転化率とチオフェノールの収率に大きな隔たりがあり、効率性に問題があり、またチオール化合物の選択率が低く、収率も十分でない。米国特許第3035097号明細書特開昭55−36409号公報 本発明の課題は、原料として、ヒドロキシ化合物および硫化水素、特に、芳香族ヒドロキシ化合物および硫化水素を用い、高収率で芳香族チオール化合物を含むチオール化合物を得ることが可能な製造方法を提供することにある。 本発明の別の課題は、原料である芳香族ヒドロキシ化合物等のヒドロキシ化合物の転化率が高く、かつ芳香族チオール化合物等のチオール化合物への高い選択率が達成できる製造方法を提供することにある。 本発明によれば、ジルコニアを含む複合金属酸化物、酸担持ジルコニア、又はメソポーラスな細孔を有するシリカ・チタニアから選択される金属酸化物触媒の存在下、ヒドロキシ化合物と硫化水素とを、気相加熱下で反応させることを特徴とするチオール化合物の製造方法が提供される。 本発明の製造方法では、原料として、ヒドロキシ化合物および硫化水素を用い、特定の触媒の存在下、気相加熱下で反応させるので、ヒドロキシ化合物の転化率が高く、かつチオール化合物への選択性を高くすることができる。特に、芳香族ヒドロキシ化合物を用いた場合、高転化率及び高収率が達成できる。 以下、本発明について詳細に説明する。 本発明の製造方法は、ジルコニアを含む複合金属酸化物、酸担持ジルコニア、又はメソポーラスな細孔を有するシリカ・チタニアから選択される金属酸化物触媒の存在下に行う。 ジルコニアを含む複合金属酸化物としては、例えば、ジルコニウムと、ジルコニウム以外の周期表IA、IIA、IIIB、IVB、IIIA、IVA族の元素から選ばれる他の金属元素とを含む複合金属酸化物等が挙げられる。 メソポーラスな細孔を有するシリカ・チタニアの細孔は、通常1.5〜50nmであり、公知の方法で製造することができる。 前記ジルコニウムと他の金属元素とを含む複合金属酸化物としては、例えば、チタニア・ジルコニア、シリカ・ジルコニア、アルミナ・ジルコニア、セリア・ジルコニア、カルシア・ジルコニア、チタニア・ジルコニア・ハフニア、シリカ・ジルコニア・ハフニア、アルミナ・ジルコニア・ハフニア、セリア・ジルコニア・ハフニア等が挙げられ、好ましくはチタニア・ジルコニアが挙げられる。 前記ジルコニウムと他の金属元素とを含む複合金属酸化物における金属組成比は、適宜選択することができる。例えば、チタニア・ジルコニアでは、表面積の大きさから、チタニア含有量が20〜80モル%が好ましく、更に好ましくはチタニア含有量が30〜60モル%である。 前記酸担持ジルコニアとしては、例えば、硫酸、リン酸、ヘテロポリ酸、タングステン酸等の酸を担持したジルコニア、即ち、硫酸ジルコニア、リン酸ジルコニア、ヘテロポリ酸ジルコニア、タングステン酸ジルコニア等が挙げられる。 ヘテロポリ酸は、タングステン、モリブデン、バナジウムのような金属からなるイソポリ酸骨格に、ヘテロ原子と呼ばれるケイ素、リン、ヒ素等の元素が含まれるポリ酸であって、例えば、リンタングステン酸、ケイタングステン酸、リンモリブデン酸、ケイモリブデン酸、リンバナジン酸、ケイバナジン酸等が挙げられる。 前記酸担持ジルコニアにおいて酸の担持量は特に制限はないが、必要以上に担持するのは無駄であり、担持した酸がリークしてくる恐れがあるので、通常、担体に対して20質量%以下、好ましくは0.1〜10質量%である。 本発明で使用する上記金属酸化物触媒の比表面積は特に制限されないが、400℃で焼成後のBET法による比表面積が100〜1000m2/gの範囲にあることが好ましい。また、触媒の細孔径は特に限定されないが、あまりに小さいと反応を抑制するため、2nm以上であることが好ましい。 本発明で使用する上記金属酸化物触媒の形状は特に制限されず、例えば粉体、球状、ペレット、破砕品、円柱状、ハニカム状等の形状の中から使用するプロセスに適合した形状を適宜選択することが出来る。 前記複合金属酸化物の製造方法としては、例えば、それぞれの金属の塩の混合水溶液をアンモニア水で加水分解して調整される不均一共沈法、アンモニア水の代わりに尿素を用いて調製する均一共沈法、金属の水酸化物を混練する方法、1つの金属の塩の溶液に異種の金属酸化物を浸漬させる方法、あるいはそれにアンモニア水を加えたものを焼成して調製する方法が挙げられる。いずれの方法においても、沈殿物の焼成は、空気雰囲気下において、通常100℃以上、特に400〜600℃で数時間行うことが好ましい。 本発明において原料として用いるヒドロキシ化合物としては、脂肪族あるいは芳香族ヒドロキシ化合物が挙げられる。 脂肪族ヒドロキシ化合物は、アルキル鎖に水酸基が結合した化合物で、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、へキシルアルコール、オクチルアルコール、デシルアルコール、ドデシルアルコール等のモノアルコール;エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、グリセリン等のジアルコール、トリアルコールのようなポリオールが挙げられる。 脂肪族ヒドロキシ化合物のアルキル鎖の構造は、直鎖、分岐、環式のいずれでも良く、また、ベンジルアルコールのようにアルキル鎖に芳香環が置換しているものも利用できる。 芳香族ヒドロキシ化合物は、ベンゼンあるいはナフタレン等の芳香環に水酸基が結合した化合物で、例えば、一価フェノール類、二価フェノール類等の多価フェノール類、ビスフェノール類、ナフトール類が挙げられる。 一価フェノール類としては、例えば、フェノール、クレゾール類、エチルフェノール、プロピルフェノール、ブチルフェノール、メトキシフェノール、エトキシフェノール、アミノフェノール、ニトロフェノール等のフェノール類またはその芳香環の置換位置異性体を挙げることが出来る。 多価フェノール類としては、例えば、カテコール、レゾルシン、ヒドロキノン、ピロガロール、フロログルシン、メチルカテコール、メチルレゾルシン、メチルヒドロキノン、メトキシカテコール、アミノレゾルシン等の多価フェノールまたはその芳香環の置換位置異性体を挙げることが出来る。 ビスフェノール類としては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF等のビスフェノールまたはその芳香環の置換位置異性体を挙げることが出来る。 ナフトール類としては、1−ナフトール、2−ナフトール、3−メチル−1−ナフトール、4−メチル−2−ナフトール、3−メイソプロピル−1−ナフトール、4−メチル−2−ナフトール、5−メチル−2−ナフトール等のナフトール類あるいはその芳香環の置換位置異性体を挙げることが出来る。 これらのうちでは、一価フェノール類またはナフトール類の使用が好ましく、特に一価フェノールを用いることが好ましく、更には、フェノールを用いることが好ましい。 本発明において原料として用いる硫化水素としては、いずれの純度のものを用いてもよく、窒素、水素、水蒸気で希釈されているものも用いることが出来る。また、硫化鉄や、硫化ソーダに無機酸を作用させて得られる硫化水素含有ガスや、工業的には石油精製等の各種の硫化水素を含むガスから回収したものを用いることが出来る。更に、触媒存在下、水素と硫黄の高温反応で合成した硫化水素も用いることが出来る。高純度でかつ大量に用いることが出来る点から、石油精製装置で回収される硫化水素ガスが好ましく用いられる。 本発明において、上記特定の金属酸化物触媒の存在下における、ヒドロキシ化合物と硫化水素の反応は、気相加熱下で行う気相反応により行うことができる。この反応における主な副反応は、一旦生成したチオール化合物の二量化あるいは高分子量化反応であるため、反応選択性を上げるには、反応時間を短くすること、基質濃度を低くすることが好ましく、これらの点から気相反応で実施することが好ましい。特に、ダウンフロー気相反応が好ましい。 前記気相反応は、上記特定の金属酸化物触媒とヒドロキシ化合物との接触時間を制御する目的で、反応に不活性な溶媒によりヒドロキシ化合物を希釈することができ、希釈倍率は適宜選択することができる。 反応に不活性な溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族化合物、脂肪族飽和炭化水素、ハロゲン含有炭化水素が挙げられ、好ましくは高熱あるいは酸性条件に安定な芳香族化合物である。 また、上記と同様な目的で、硫化水素を、窒素、水素、アルゴン等のガスで希釈することもでき、更に、硫化水素を過剰に用いることでも上記接触時間を制御することができる。硫化水素は、ヒドロキシ化合物に対して1〜20倍モルの過剰量用いることができ、好ましくは、2〜10倍モルである。 本発明において上記気相反応における原料の混合ガスと触媒との接触時間は、通常0.001〜60秒間の範囲であり、反応の選択性、転化率、および経済性を鑑みると、0.2〜10秒間の範囲が好ましい。0.001秒未満ではチオール化合物の生産性が低くなり、一方60秒を超えると、上述の副反応が起こり選択性が低下するおそれがある。 気相反応における反応温度は、通常200〜700℃、好ましくは400〜600℃の範囲である。反応温度が200℃未満ではヒドロキシ化合物の転化率が低くなり、工業的に不利である。反応温度が700℃を超える場合は、得られるチオール化合物の分解、二量化あるいは高分子量化、カーボン化が生じ、チオール化合物の選択率が著しく低下し、更には、触媒寿命も短くなる恐れがある。 本発明の製造方法において、ヒドロキシ化合物と硫化水素の反応により、ヒドロキシ化合物の水酸基がチオール基で置換された対応するチオール化合物を得ることが出来る。例えば、メチルアルコール原料からはメタンチオール(別名メチルメルカプタン)、フェノール原料からはチオフェノールが得られる。 合成例1 チタニアジルコニアの合成 塩化酸化ジルコニウム・8水和物38.67gを水1000gに溶解させ、そこへ15.17gの塩化チタン(IV)を250gの氷水に希釈した溶液を加えた。ジルコニウムとチタンの原子比は6:4であった。その混合溶液に10%アンモニア水溶液121mlを加えることで白色の沈殿を得た。沈殿を濾過し、2リットルのイオン交換水で4回懸濁水洗後、120℃で15時間乾燥し、紛体を得た。粉体を200kg/20mmφで加圧成型した後、2mm角に粉砕し、400℃で空気雰囲気下3時間焼成することによりチタニアジルコニア複合酸化物触媒を得た。 合成例2 ヘテロポリ酸担持ジルコニア触媒の合成 酸化ジルコニウム(和光純薬工業(株)製試薬)100gに12−タングストリン酸・n−水和物(キシダ化学(株)製試薬)1.68gを含む水溶液を加え、縣濁液を得た。この縣濁液からロータリーエバポレーターにより水分を除去し、酸化ジルコニウムに2質量%の12−タングストリン酸が担持された粉体がフラスコに残った。得られた粉体を、合成例1と同様に加圧成型・粉砕・焼成し、ヘテロポリ酸担持ジルコニア触媒を得た。 合成例3 硫酸ジルコニア触媒及びタングステン酸ジルコニア触媒の合成。 和光純薬工業(株)製試薬の、硫酸化ジルコニア粉体、タングステン酸ジルコニア粉体を各々、合成例1と同様に加圧成型・粉砕・焼成し、硫酸ジルコニア触媒及びタングステン酸ジルコニア触媒を得た。 合成例4 メソポーラスなシリカチタニア触媒の合成 1000mlの3口フラスコに、オルトケイ酸テトラエチル48gとチタンイソプロポキシド0.65gとを入れて室温で攪拌した。一方、別の500mlナスフラスコにドデシルアミン11.5gをとり、エタノール・イソプロピルアルコールの混合溶媒に溶かした。さらにイオン交換水と少量の塩酸を加え室温で攪拌した。こうして調製した溶液を先ほどの1000mlの3口フラスコに10分間かけて加え、18時間室温で攪拌した。これをろ過・イオン交換水洗浄し、続いて100℃で減圧乾燥した後、550℃で3時間焼成し、得られた固体を粉砕した。この粉体を合成例1と同様に加圧成型・粉砕・焼成し、細孔径が1.5nm〜10nmのメソポーラスな細孔を有するシリカチタニア触媒を得た。 合成例5 TS−1ゼオライト触媒の合成 チタンイソプロポキシド0.255gとイソプロピルアルコール2.22gの混合液に、オルトケイ酸テトラエチル11.0gを加え、0℃で30分間攪拌した。これに、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド4.29gと水28.55gとの混合液を徐々に滴下した。滴下終了後、エバポレーターでアルコールを除去した。これをオートクレーブに入れて、175℃で48時間水熱合成した。遠心ろ過で個体を分離し、イオン交換水で洗浄し、再度遠心ろ過した。ろ別した固体は100℃で減圧乾燥した後、550℃で3時間焼成し、得られた固体を粉砕して粉体とした。得られた粉体を合成例1と同様に加圧成型・粉砕・焼成し、TS−1ゼオライト触媒を得た。 実施例1〜5 合成例1〜4で合成した微粉体触媒を、400℃で3時間焼成し、油圧成型機で200kg/cm2で20mmφにプレス成型したのち、約2mmの長さにカッターでカットしてペレット状に成型して用いた。 内径12mmの石英製反応管に、得られた各種の触媒ペレット5mlを充填し、温度を500℃にした後、硫化水素32ml/分、希釈用窒素40ml/分、50質量%のフェノール/トルエン溶液2ml/時間の流量で反応管に同時に供給した。 反応は大気圧下で行い、原料の混合ガスと触媒との接触時間は3.75秒間であった。得られた反応混合物は冷却し未反応硫化水素と窒素を含むガスは分離し、反応液はガスクロ分析(カラム;HP-1)により生成物中のフェノール及びチオフェノールの量を定量し、芳香族ヒドロキシ化合物の転化率及び芳香族チオール化合物の収率を求めた。用いた触媒の種類と結果を表1に示す。 比較例1〜4 表2に示す各種の触媒ペレットを用い、実施例1〜5と同様に反応させ、芳香族ヒドロキシ化合物の転化率及び芳香族チオール化合物の収率を求めた。結果を表2に示す。尚、比較例2の粉末触媒は、実施例1〜5と同様にペレット状に成型して用い、比較例1、3及び4の市販成型触媒は、2mm角に破砕して用いた。 実施例6 合成例1で合成した微粉体触媒を、400℃で3時間焼成し、油圧成型機で200kg/cm2で20mmφにプレス成型したのち、約2mmの長さにカッターでカットしてペレット状に成型して用いた。 内径12mmの石英製反応管に、得られた触媒ペレット5mlを充填し、温度を500℃にした後、硫化水素32ml/分、水1.7ml/分、ヘキシルアルコール1.2ml/時間の流量で反応管に同時に供給した。 反応は大気圧下で行い、反応混合物は冷却し未反応硫化水素を含むガスは分離し、反応液はガスクロ分析(カラム;HP-1)により生成物中のヘキシルアルコール、ヘキサンチオールの量を定量し、ヘキサンチオールの収率を求めた。 その結果、脂肪族チオール化合物であるヘキサンチオールの収率は、6モル%であった。 実施例7 合成例1で合成した微粉体触媒を、400℃で3時間焼成し、油圧成型機で200kg/cm2で20mmφにプレス成型したのち、約2mmの長さにカッターでカットしてペレット状に成型して用いた。 内径12mmの石英製反応管に、得られた触媒ペレット5mlを充填し、温度を500℃にした後、硫化水素186ml/分、水0.47g/時間、78質量%のフェノール/トルエン溶液16ml/時間の流量で反応管に同時に供給した。 反応は大気圧下で行い、反応混合物は冷却し未反応硫化水素を含むガスは分離し、反応液はガスクロ分析(カラム;HP-1)により生成物中のフェノール、チオフェノールの量を定量し、チオフェノールの収率を求めた。 その結果、芳香族チオール化合物であるチオフェノールの収率は、73モル%であった。 ジルコニアを含む複合金属酸化物、酸担持ジルコニア、又はメソポーラスな細孔を有するシリカ・チタニアから選択される金属酸化物触媒の存在下、ヒドロキシ化合物と硫化水素とを、気相加熱下で反応させることを特徴とするチオール化合物の製造方法。 前記ジルコニアを含む複合金属酸化物が、チタニア・ジルコニアであることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。 ヒドロキシ化合物が、芳香族ヒドロキシ化合物であることを特徴とする請求項1又は2に記載の製造方法。 芳香族ヒドロキシ化合物が、フェノールであることを特徴とする請求項3に記載の製造方法。 反応を、400〜600℃の範囲で行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。 反応を、反応時間0.2〜10秒間で行うことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法。 【課題】原料として、ヒドロキシ化合物および硫化水素を用い、高収率でチオール化合物を得ることが可能な製造方法を提供すること。【解決手段】本発明の製造方法は、ジルコニアを含む複合金属酸化物、酸担持ジルコニア、又はメソポーラスな細孔を有するシリカ・チタニアから選択される金属酸化物触媒の存在下、ヒドロキシ化合物と硫化水素とを、気相加熱下で反応させることを特徴とし、特に、チオフェノール等の芳香族チオール化合物の製造に有用である。【選択図】なし


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特許公報(B2)_チオール化合物の製造方法

生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_チオール化合物の製造方法
出願番号:2010255442
年次:2015
IPC分類:C07C 319/08,C07C 319/10,C07C 321/04,C07C 321/26,C07B 61/00


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松村 泰男 JP 5752921 特許公報(B2) 20150529 2010255442 20101116 チオール化合物の製造方法 JX日鉱日石エネルギー株式会社 000004444 酒井 一 100081514 蔵合 正博 100082692 松村 泰男 JP 2009263143 20091118 20150722 C07C 319/08 20060101AFI20150702BHJP C07C 319/10 20060101ALI20150702BHJP C07C 321/04 20060101ALI20150702BHJP C07C 321/26 20060101ALI20150702BHJP C07B 61/00 20060101ALN20150702BHJP JPC07C319/08C07C319/10C07C321/04C07C321/26C07B61/00 300 C07C 319/08 C07C 319/10 C07C 321/04 C07C 321/26 C07B 61/00 特開2000−167399(JP,A) 特開昭55−015413(JP,A) 特開昭55−036409(JP,A) 米国特許第03035097(US,A) 特開2001−335308(JP,A) 特開平07−300312(JP,A) 特開平09−208511(JP,A) 5 2011126873 20110630 8 20130919 瀬下 浩一 本発明は、チオール化合物の製造方法に関し、更に詳細には、チオール化合物を効率良く、高収率で得ることができる製造方法に関する。 チオール化合物は、各種用途に利用されている。例えば、チオール化合物はごく少量でも非常に強い悪臭を示すため、無臭のガスに添加してそれらが漏れたことを感知しやすくする目的に使われる。また、プラスチック工業や殺虫剤の原料、"ジェット燃料" ジェット燃料への添加剤としても利用されている。近年では、高屈折率の特性を活かして、レンズ用樹脂原料にも用いられている。 また、芳香族チオール化合物の一種であるチオフェノールは、農薬・医薬・機能性材料等の中間体として有用な化合物として知られている。農薬中間体用としては、例えば、いもち病・穂枯れ病用の殺菌剤EDDP剤(エチルジフェニルジチオホスファイト)の原料として使用される。更に該チオフェノールは、感光性樹脂添加剤、機能性色素劣化防止剤等の機能性材料にも用いられている。 このようなチオール化合物は、ヒドロキシ化合物および硫化水素を原料として製造されることが知られている。例えば、特許文献1には、ヘテロポリ酸とそのアルカリ金属塩とアルカリ土類金属塩で活性化された脱水素触媒よりなる触媒の存在下、100〜500℃で水酸基含有化合物あるいはエーテル化合物と硫化水素とを反応させることでメルカプタンが生成することが報告されている。しかし、このような方法では、特に、芳香族ヒドロキシ化合物が原料の場合は、転化率が低く、芳香族チオール化合物を効率的に製造することが困難である。 また、特許文献2には、芳香族ヒドロキシ化合物と硫化水素とを反応させることにより、芳香族チオール類および/または芳香族ジスルフィド類を製造する方法が報告されている。 しかし、特許文献2に記載された実施例におけるシリカ含有活性アルミナの存在下における反応では、フェノール転化率とチオフェノールの収率に大きな隔たりがあり、効率性に問題があり、またチオール化合物の選択率が低く、収率も十分でない。米国特許第3035097号明細書特開昭55−36409号公報 本発明の課題は、原料として、ヒドロキシ化合物および硫化水素、特に、芳香族ヒドロキシ化合物および硫化水素を用い、高収率で芳香族チオール化合物を含むチオール化合物を得ることが可能な製造方法を提供することにある。 本発明の別の課題は、原料である芳香族ヒドロキシ化合物等のヒドロキシ化合物の転化率が高く、かつ芳香族チオール化合物等のチオール化合物への高い選択率が達成できる製造方法を提供することにある。 本発明によれば、ジルコニアを含む複合金属酸化物、酸担持ジルコニア、又はメソポーラスな細孔を有するシリカ・チタニアから選択される金属酸化物触媒の存在下、ヒドロキシ化合物と硫化水素とを、気相加熱下で反応させることを特徴とするチオール化合物の製造方法が提供される。 本発明の製造方法では、原料として、ヒドロキシ化合物および硫化水素を用い、特定の触媒の存在下、気相加熱下で反応させるので、ヒドロキシ化合物の転化率が高く、かつチオール化合物への選択性を高くすることができる。特に、芳香族ヒドロキシ化合物を用いた場合、高転化率及び高収率が達成できる。 以下、本発明について詳細に説明する。 本発明の製造方法は、ジルコニアを含む複合金属酸化物、酸担持ジルコニア、又はメソポーラスな細孔を有するシリカ・チタニアから選択される金属酸化物触媒の存在下に行う。 ジルコニアを含む複合金属酸化物としては、例えば、ジルコニウムと、ジルコニウム以外の周期表IA、IIA、IIIB、IVB、IIIA、IVA族の元素から選ばれる他の金属元素とを含む複合金属酸化物等が挙げられる。 メソポーラスな細孔を有するシリカ・チタニアの細孔は、通常1.5〜50nmであり、公知の方法で製造することができる。 前記ジルコニウムと他の金属元素とを含む複合金属酸化物としては、例えば、チタニア・ジルコニア、シリカ・ジルコニア、アルミナ・ジルコニア、セリア・ジルコニア、カルシア・ジルコニア、チタニア・ジルコニア・ハフニア、シリカ・ジルコニア・ハフニア、アルミナ・ジルコニア・ハフニア、セリア・ジルコニア・ハフニア等が挙げられ、好ましくはチタニア・ジルコニアが挙げられる。 前記ジルコニウムと他の金属元素とを含む複合金属酸化物における金属組成比は、適宜選択することができる。例えば、チタニア・ジルコニアでは、表面積の大きさから、チタニア含有量が20〜80モル%が好ましく、更に好ましくはチタニア含有量が30〜60モル%である。 前記酸担持ジルコニアとしては、例えば、硫酸、リン酸、ヘテロポリ酸、タングステン酸等の酸を担持したジルコニア、即ち、硫酸ジルコニア、リン酸ジルコニア、ヘテロポリ酸ジルコニア、タングステン酸ジルコニア等が挙げられる。 ヘテロポリ酸は、タングステン、モリブデン、バナジウムのような金属からなるイソポリ酸骨格に、ヘテロ原子と呼ばれるケイ素、リン、ヒ素等の元素が含まれるポリ酸であって、例えば、リンタングステン酸、ケイタングステン酸、リンモリブデン酸、ケイモリブデン酸、リンバナジン酸、ケイバナジン酸等が挙げられる。 前記酸担持ジルコニアにおいて酸の担持量は特に制限はないが、必要以上に担持するのは無駄であり、担持した酸がリークしてくる恐れがあるので、通常、担体に対して20質量%以下、好ましくは0.1〜10質量%である。 本発明で使用する上記金属酸化物触媒の比表面積は特に制限されないが、400℃で焼成後のBET法による比表面積が100〜1000m2/gの範囲にあることが好ましい。また、触媒の細孔径は特に限定されないが、あまりに小さいと反応を抑制するため、2nm以上であることが好ましい。 本発明で使用する上記金属酸化物触媒の形状は特に制限されず、例えば粉体、球状、ペレット、破砕品、円柱状、ハニカム状等の形状の中から使用するプロセスに適合した形状を適宜選択することが出来る。 前記複合金属酸化物の製造方法としては、例えば、それぞれの金属の塩の混合水溶液をアンモニア水で加水分解して調整される不均一共沈法、アンモニア水の代わりに尿素を用いて調製する均一共沈法、金属の水酸化物を混練する方法、1つの金属の塩の溶液に異種の金属酸化物を浸漬させる方法、あるいはそれにアンモニア水を加えたものを焼成して調製する方法が挙げられる。いずれの方法においても、沈殿物の焼成は、空気雰囲気下において、通常100℃以上、特に400〜600℃で数時間行うことが好ましい。 本発明において原料として用いるヒドロキシ化合物としては、脂肪族あるいは芳香族ヒドロキシ化合物が挙げられる。 脂肪族ヒドロキシ化合物は、アルキル鎖に水酸基が結合した化合物で、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、へキシルアルコール、オクチルアルコール、デシルアルコール、ドデシルアルコール等のモノアルコール;エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、グリセリン等のジアルコール、トリアルコールのようなポリオールが挙げられる。 脂肪族ヒドロキシ化合物のアルキル鎖の構造は、直鎖、分岐、環式のいずれでも良く、また、ベンジルアルコールのようにアルキル鎖に芳香環が置換しているものも利用できる。 芳香族ヒドロキシ化合物は、ベンゼンあるいはナフタレン等の芳香環に水酸基が結合した化合物で、例えば、一価フェノール類、二価フェノール類等の多価フェノール類、ビスフェノール類、ナフトール類が挙げられる。 一価フェノール類としては、例えば、フェノール、クレゾール類、エチルフェノール、プロピルフェノール、ブチルフェノール、メトキシフェノール、エトキシフェノール、アミノフェノール、ニトロフェノール等のフェノール類またはその芳香環の置換位置異性体を挙げることが出来る。 多価フェノール類としては、例えば、カテコール、レゾルシン、ヒドロキノン、ピロガロール、フロログルシン、メチルカテコール、メチルレゾルシン、メチルヒドロキノン、メトキシカテコール、アミノレゾルシン等の多価フェノールまたはその芳香環の置換位置異性体を挙げることが出来る。 ビスフェノール類としては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF等のビスフェノールまたはその芳香環の置換位置異性体を挙げることが出来る。 ナフトール類としては、1−ナフトール、2−ナフトール、3−メチル−1−ナフトール、4−メチル−2−ナフトール、3−メイソプロピル−1−ナフトール、4−メチル−2−ナフトール、5−メチル−2−ナフトール等のナフトール類あるいはその芳香環の置換位置異性体を挙げることが出来る。 これらのうちでは、一価フェノール類またはナフトール類の使用が好ましく、特に一価フェノールを用いることが好ましく、更には、フェノールを用いることが好ましい。 本発明において原料として用いる硫化水素としては、いずれの純度のものを用いてもよく、窒素、水素、水蒸気で希釈されているものも用いることが出来る。また、硫化鉄や、硫化ソーダに無機酸を作用させて得られる硫化水素含有ガスや、工業的には石油精製等の各種の硫化水素を含むガスから回収したものを用いることが出来る。更に、触媒存在下、水素と硫黄の高温反応で合成した硫化水素も用いることが出来る。高純度でかつ大量に用いることが出来る点から、石油精製装置で回収される硫化水素ガスが好ましく用いられる。 本発明において、上記特定の金属酸化物触媒の存在下における、ヒドロキシ化合物と硫化水素の反応は、気相加熱下で行う気相反応により行うことができる。この反応における主な副反応は、一旦生成したチオール化合物の二量化あるいは高分子量化反応であるため、反応選択性を上げるには、反応時間を短くすること、基質濃度を低くすることが好ましく、これらの点から気相反応で実施することが好ましい。特に、ダウンフロー気相反応が好ましい。 前記気相反応は、上記特定の金属酸化物触媒とヒドロキシ化合物との接触時間を制御する目的で、反応に不活性な溶媒によりヒドロキシ化合物を希釈することができ、希釈倍率は適宜選択することができる。 反応に不活性な溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族化合物、脂肪族飽和炭化水素、ハロゲン含有炭化水素が挙げられ、好ましくは高熱あるいは酸性条件に安定な芳香族化合物である。 また、上記と同様な目的で、硫化水素を、窒素、水素、アルゴン等のガスで希釈することもでき、更に、硫化水素を過剰に用いることでも上記接触時間を制御することができる。硫化水素は、ヒドロキシ化合物に対して1〜20倍モルの過剰量用いることができ、好ましくは、2〜10倍モルである。 本発明において上記気相反応における原料の混合ガスと触媒との接触時間は、通常0.001〜60秒間の範囲であり、反応の選択性、転化率、および経済性を鑑みると、0.2〜10秒間の範囲が好ましい。0.001秒未満ではチオール化合物の生産性が低くなり、一方60秒を超えると、上述の副反応が起こり選択性が低下するおそれがある。 気相反応における反応温度は、通常200〜700℃、好ましくは400〜600℃の範囲である。反応温度が200℃未満ではヒドロキシ化合物の転化率が低くなり、工業的に不利である。反応温度が700℃を超える場合は、得られるチオール化合物の分解、二量化あるいは高分子量化、カーボン化が生じ、チオール化合物の選択率が著しく低下し、更には、触媒寿命も短くなる恐れがある。 本発明の製造方法において、ヒドロキシ化合物と硫化水素の反応により、ヒドロキシ化合物の水酸基がチオール基で置換された対応するチオール化合物を得ることが出来る。例えば、メチルアルコール原料からはメタンチオール(別名メチルメルカプタン)、フェノール原料からはチオフェノールが得られる。 合成例1 チタニアジルコニアの合成 塩化酸化ジルコニウム・8水和物38.67gを水1000gに溶解させ、そこへ15.17gの塩化チタン(IV)を250gの氷水に希釈した溶液を加えた。ジルコニウムとチタンの原子比は6:4であった。その混合溶液に10%アンモニア水溶液121mlを加えることで白色の沈殿を得た。沈殿を濾過し、2リットルのイオン交換水で4回懸濁水洗後、120℃で15時間乾燥し、紛体を得た。粉体を200kg/20mmφで加圧成型した後、2mm角に粉砕し、400℃で空気雰囲気下3時間焼成することによりチタニアジルコニア複合酸化物触媒を得た。 合成例2 ヘテロポリ酸担持ジルコニア触媒の合成 酸化ジルコニウム(和光純薬工業(株)製試薬)100gに12−タングストリン酸・n−水和物(キシダ化学(株)製試薬)1.68gを含む水溶液を加え、縣濁液を得た。この縣濁液からロータリーエバポレーターにより水分を除去し、酸化ジルコニウムに2質量%の12−タングストリン酸が担持された粉体がフラスコに残った。得られた粉体を、合成例1と同様に加圧成型・粉砕・焼成し、ヘテロポリ酸担持ジルコニア触媒を得た。 合成例3 硫酸ジルコニア触媒及びタングステン酸ジルコニア触媒の合成。 和光純薬工業(株)製試薬の、硫酸化ジルコニア粉体、タングステン酸ジルコニア粉体を各々、合成例1と同様に加圧成型・粉砕・焼成し、硫酸ジルコニア触媒及びタングステン酸ジルコニア触媒を得た。 合成例4 メソポーラスなシリカチタニア触媒の合成 1000mlの3口フラスコに、オルトケイ酸テトラエチル48gとチタンイソプロポキシド0.65gとを入れて室温で攪拌した。一方、別の500mlナスフラスコにドデシルアミン11.5gをとり、エタノール・イソプロピルアルコールの混合溶媒に溶かした。さらにイオン交換水と少量の塩酸を加え室温で攪拌した。こうして調製した溶液を先ほどの1000mlの3口フラスコに10分間かけて加え、18時間室温で攪拌した。これをろ過・イオン交換水洗浄し、続いて100℃で減圧乾燥した後、550℃で3時間焼成し、得られた固体を粉砕した。この粉体を合成例1と同様に加圧成型・粉砕・焼成し、細孔径が1.5nm〜10nmのメソポーラスな細孔を有するシリカチタニア触媒を得た。 合成例5 TS−1ゼオライト触媒の合成 チタンイソプロポキシド0.255gとイソプロピルアルコール2.22gの混合液に、オルトケイ酸テトラエチル11.0gを加え、0℃で30分間攪拌した。これに、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド4.29gと水28.55gとの混合液を徐々に滴下した。滴下終了後、エバポレーターでアルコールを除去した。これをオートクレーブに入れて、175℃で48時間水熱合成した。遠心ろ過で個体を分離し、イオン交換水で洗浄し、再度遠心ろ過した。ろ別した固体は100℃で減圧乾燥した後、550℃で3時間焼成し、得られた固体を粉砕して粉体とした。得られた粉体を合成例1と同様に加圧成型・粉砕・焼成し、TS−1ゼオライト触媒を得た。 実施例1〜5;実施例2〜5は参考実施例とする。 合成例1〜4で合成した微粉体触媒を、400℃で3時間焼成し、油圧成型機で200kg/cm2で20mmφにプレス成型したのち、約2mmの長さにカッターでカットしてペレット状に成型して用いた。 内径12mmの石英製反応管に、得られた各種の触媒ペレット5mlを充填し、温度を500℃にした後、硫化水素32ml/分、希釈用窒素40ml/分、50質量%のフェノール/トルエン溶液2ml/時間の流量で反応管に同時に供給した。 反応は大気圧下で行い、原料の混合ガスと触媒との接触時間は3.75秒間であった。得られた反応混合物は冷却し未反応硫化水素と窒素を含むガスは分離し、反応液はガスクロ分析(カラム;HP-1)により生成物中のフェノール及びチオフェノールの量を定量し、芳香族ヒドロキシ化合物の転化率及び芳香族チオール化合物の収率を求めた。用いた触媒の種類と結果を表1に示す。 比較例1〜4 表2に示す各種の触媒ペレットを用い、実施例1〜5と同様に反応させ、芳香族ヒドロキシ化合物の転化率及び芳香族チオール化合物の収率を求めた。結果を表2に示す。尚、比較例2の粉末触媒は、実施例1〜5と同様にペレット状に成型して用い、比較例1、3及び4の市販成型触媒は、2mm角に破砕して用いた。 実施例6 合成例1で合成した微粉体触媒を、400℃で3時間焼成し、油圧成型機で200kg/cm2で20mmφにプレス成型したのち、約2mmの長さにカッターでカットしてペレット状に成型して用いた。 内径12mmの石英製反応管に、得られた触媒ペレット5mlを充填し、温度を500℃にした後、硫化水素32ml/分、水1.7ml/分、ヘキシルアルコール1.2ml/時間の流量で反応管に同時に供給した。 反応は大気圧下で行い、反応混合物は冷却し未反応硫化水素を含むガスは分離し、反応液はガスクロ分析(カラム;HP-1)により生成物中のヘキシルアルコール、ヘキサンチオールの量を定量し、ヘキサンチオールの収率を求めた。 その結果、脂肪族チオール化合物であるヘキサンチオールの収率は、6モル%であった。 実施例7 合成例1で合成した微粉体触媒を、400℃で3時間焼成し、油圧成型機で200kg/cm2で20mmφにプレス成型したのち、約2mmの長さにカッターでカットしてペレット状に成型して用いた。 内径12mmの石英製反応管に、得られた触媒ペレット5mlを充填し、温度を500℃にした後、硫化水素186ml/分、水0.47g/時間、78質量%のフェノール/トルエン溶液16ml/時間の流量で反応管に同時に供給した。 反応は大気圧下で行い、反応混合物は冷却し未反応硫化水素を含むガスは分離し、反応液はガスクロ分析(カラム;HP-1)により生成物中のフェノール、チオフェノールの量を定量し、チオフェノールの収率を求めた。 その結果、芳香族チオール化合物であるチオフェノールの収率は、73モル%であった。 チタニア・ジルコニア複合金属酸化物の存在下、脂肪族モノアルコール又は芳香族ヒドロキシ化合物と硫化水素とを、気相加熱下で反応させることを特徴とする、脂肪族チオール又は芳香族チオールの製造方法。 芳香族ヒドロキシ化合物と硫化水素とを反応させて芳香族チオールを得ることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。 芳香族ヒドロキシ化合物が、フェノールであることを特徴とする請求項2に記載の製造方法。 前記気相加熱下の反応温度が400〜600℃の範囲である請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。 前記気相加熱下の反応時間が0.2〜10秒間である請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。


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