生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_アラニン含有食品
出願番号:2010255009
年次:2014
IPC分類:A23L 1/221,A23L 1/48,A23L 1/39,A23L 1/16,A23L 1/202,C12G 3/02,A23L 1/06,A23F 3/14,A23L 2/38


特許情報キャッシュ

村上 敦也 酒井 康宣 JP 2014039478 公開特許公報(A) 20140306 2010255009 20101115 アラニン含有食品 株式会社武蔵野化学研究所 390022301 八田国際特許業務法人 110000671 村上 敦也 酒井 康宣 A23L 1/221 20060101AFI20140207BHJP A23L 1/48 20060101ALI20140207BHJP A23L 1/39 20060101ALI20140207BHJP A23L 1/16 20060101ALI20140207BHJP A23L 1/202 20060101ALI20140207BHJP C12G 3/02 20060101ALI20140207BHJP A23L 1/06 20060101ALI20140207BHJP A23F 3/14 20060101ALI20140207BHJP A23L 2/38 20060101ALI20140207BHJP JPA23L1/221 EA23L1/221 ZA23L1/48A23L1/39A23L1/16 AA23L1/202 109C12G3/02 119AA23L1/06A23F3/14A23L2/38 L 21 OL 32 4B015 4B017 4B027 4B036 4B041 4B046 4B047 4B015CG17 4B015GG15 4B017LC02 4B017LG10 4B017LK14 4B027FB08 4B027FB10 4B027FB13 4B027FP85 4B036LF03 4B036LF11 4B036LF15 4B036LF19 4B036LH14 4B036LH21 4B036LK01 4B041LC01 4B041LD01 4B041LK13 4B041LK37 4B046LA05 4B046LC17 4B046LG04 4B046LG19 4B047LG15 4B047LG47 本発明は、食品におけるアラニンの用途に関する。 アラニン(α−アミノプロピオン酸)は、示性式でCH3CH(NH2)COOHで表される化合物である。分子内に不斉炭素を有するため、立体的に鏡像関係にあるL体とD体とが存在する。L体とD体とが等量ずつ含まれるアラニンのラセミ体はDL−アラニンと称される。 DL−アラニン及びL−アラニンは、いずれも日本では古くから食品添加物として認可されており、調味料や栄養強化剤として使用されてきた。アラニンは、それ自体でも旨味及び甘味を有するが、食品に添加されることにより、食品本来の旨味をいっそう引き立たせる効果を有する。L体、D体のいずれも旨味及び甘味を呈するが、D体の方がより強い旨味及び甘味を呈する。従って、DL−アラニンとL−アラニンとでは、DL−アラニンの方が呈味性は強い。このため、調味料としてはDL−アラニンが多く使用されている。 DL−アラニンは、日本では1957年7月31日に改正された食品衛生法に基づき、化学合成品である食品添加物として「アラニン」の名称で指定された。その後、1966年に「DL−アラニン」に改称されている。ただし、食品添加物として指定された1957年以前であっても、DL−アラニンは「天然常在成分と同一の化学構造を持つ、化学的合成法による化学物質」として化学的合成品の扱いを受けていなかったために、食品への使用が認められていた。例えば、アラニンを合成酒に添加することにより、清酒と同様なコク味やまろみ(まろやかな味)を付与できることは古くから知られている(例えば、非特許文献1または2を参照)。また、最近では、発泡酒の老化を防止する効果も確認されている(例えば、非特許文献2を参照)。食品添加物便覧 1999年版、食品と科学社食品添加物公定書解説書 第8版、廣川書店 上記のように、アラニンは、食品添加物として様々な食品に使用されうるが、その効果や用途については未知なる部分が多い。そこで、本発明は、食品におけるアラニンの新規な用途を提供することを目的とする。 本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を行った。その結果、食品におけるアラニンの新たな効果を見出し、これに基づき本発明を完成させた。 すなわち、本発明の一形態は、アラニンと、唐辛子または唐辛子抽出物(カプサイシン)とを含む調味料である。 また、本発明の他の一形態は、アラニンを含む味噌である。 また、本発明の他の一形態は、アラニンを含む液体調味料である。 また、本発明の他の一形態は、アラニンと、鹹水(鹸水)と、小麦粉とから製造されてなる食品である。 また、本発明の他の一形態は、アラニンを含む老酒である。 また、本発明の他の一形態は、アラニンを含む杏仁豆腐である。 また、本発明の他の一形態は、アラニンと、茶とを含む茶組成物である。 また、本発明の他の一形態は、アラニンを含む餃子である。 また、本発明の他の一形態は、アラニンを含む焼売(シュウマイ)である。 また、本発明の他の一形態は、アラニンを含む雲呑(ワンタン)である。 また、本発明の他の一形態は、アラニンを含む粥である。 また、本発明の他の一形態は、アラニンを含む野菜ピューレである。 本発明によると、食品の風味(特に香りとコク味)向上させることができる。 以下、本発明の好ましい形態について説明する。本発明は、食品におけるアラニンの新規な効果を見出したことにより成されたものである。なお、本明細書において、「アラニン」とは、L−アラニンもしくはD−アラニン、またはこれらの混合物(例えば、DL−アラニン)の、いずれの形態をも含む概念である(即ち、アラニンの光学純度は全く無関係である)。以下、アラニンの効果について説明する。 アラニンは、塩化ナトリウム等のナトリウム塩や、塩化カリウム等のカリウム塩等の塩分を含む食品に対して、その塩味の強さを和らげ、まろやかな塩味にする効果(塩なれ効果)を有する。例えば、漬物、珍味、佃煮、味噌、醤油、塩辛、カズノコ、タラコ等の塩処理加工した食品や、塩処理加工した魚卵等にアラニンを添加することより、その「塩カド」をとり、塩味を和らげると同時に、旨味を引き立たせることができる。 また、アラニンは、酢酸、クエン酸、乳酸、リンゴ酸、コハク酸、グルコン酸、フマル酸、酒石酸、アジピン酸、フィチン酸等の有機酸や、リン酸、硫酸、塩酸、硝酸等の無機酸等の酸分を含む食品に対して、その酸味の強さを和らげ、マイルドな(まろやかな)酸味にする効果(酢なれ効果)を有する。例えば、アラニンを添加することにより、しめ鯖、酢ダコ、ドレッシング、リンゴ酢、黒酢飲料等に含まれる酢の酸味や、梅干しや果実等に含まれるクエン酸の酸味を、pHを変化させずに、マイルドに(まろやかに)することができる。また、漬物やヨーグルト等の発酵性食品において、アラニンは、旨味を付与するだけでなく、発酵過剰による強い酸味を調整するのにも役立つ。さらに、グレープフルーツ等の柑橘類を原料とした、酸味がかなり強いジュース等の飲料に対しても、その「酸カド」をとり、丸味(まろみ)とコクとを帯びた飲みやすいものにすることができる。このように、飲料に対して、アラニンは酸味の矯正剤としての効果を有する。 このような、塩なれ効果または酢なれ効果を応用した食品の例として、低カロリーマヨネーズがある。低カロリーマヨネーズは、植物油の配合量を少なくする必要があるが、植物油を低減すると、酸味や塩味が強くなってしまう傾向がある。そこで、アラニンを配合することにより、植物油が低減されたマヨネーズであっても、酸味および塩味がまろやかなマヨネーズにすることができる。 また、酢酸や乳酸等の有機酸の添加により食品の微生物繁殖を抑制し、その保存性を向上させる場合、有機酸の酸味が問題になる場合がある。このような場合、アラニンを添加することにより、酸味が緩和されるため、食品の風味に悪影響を与えずに有機酸による食品の日持ち向上を達成することができる。有機酸とアラニンとを配合した組成物(製剤)を予め調製し、これを食品に添加することによって、食品の日持ち向上を図ってもよい。 また、アラニンは、味の伸びをよくする効果を有する。近年、減塩、低糖化の傾向により、塩味や甘味を抑えた薄味のスープやつゆ類、各種調味料等が多くなってきている。このような薄味の食品にアラニンを添加すると、味の伸びがよくなり、薄味でも水っぽさが無くなり、熟成感も伴うおいしい味となりうる。 アラニンは、単独で用いることによっても十分に旨味を呈し、旨味調味料としての存在意義を発揮できるが、他の旨味物質と併用した場合、相乗効果により旨味を増強させることができる。例えば、アラニンは、L−グルタミン酸ナトリウムや、5’−イノシン酸ナトリウム等の核酸系呈味物質と併用することにより、相乗的な旨味増強作用を発揮する。具合的には、L−グルタミン酸ナトリウムや核酸系呈味物質を含む昆布、醤油、味噌等とアラニンとを併用すると、その旨味がいっそう引き立ち、おいしいさが増す。また、アラニンは天然調味料の旨味を増強する効果も有する。アラニンと併用することにより旨味が増強される天然調味料としては、酵母エキス、牛肉、豚肉、鶏肉から抽出した畜肉由来のエキス、魚、貝、カニ、エビ等を原料とした魚介類系のエキス、昆布、海苔から抽出した海草由来のエキス、茸類から抽出した茸系のエキス、果実エキス、カタクチイワシ(アンチョビ)等の魚類を発酵させて製造する魚醤等が挙げられる。 また、アラニンは、天然調味料の特有の渋味等を緩和し、同時に、よりコクと深みのある調味料にするという効果も有する。例えば、酵母エキスは、その特有な渋味のために、使用量を制限しなければならなかったり、本来の風味が発揮できなかったりする場合がある。酵母エキス中にもアラニンは元々含まれているが、アラニンをさらに添加してアラニン含有量を増やすことで、渋味が著しく緩和され、コクと深みのあるものとすることができる。さらに、それまで渋味のために隠れていた酵母エキス本来の風味をも引き出すことができる。また、アラニンは、酵母臭を減少させる効果も有する。 また、アラニンは、香辛料(スパイス)の辛味を緩和する効果や、香辛料自体の旨味を増強する効果を有する。このため、アラニンは、香辛料及び香辛料抽出物を含む調味料に好適に使用されうる。アラニンと併用できる香辛料及び香辛料抽出物としては、マスタード、唐辛子、唐辛子抽出物(カプサイシン)、葱、玉葱、ニラ(韮)、浅葱、山椒、ウコン、カレー粉、芥子、胡椒、花椒、ナツメグ、生姜、シナモン、クローブ、サフラン、パプリカ、茴香(ウイキョウ)、ニンニク(ガーリック)、ターメリック、ワサビ、西洋ワサビ、大根(イソチオシアネート)、アサノミ、アンゼリカ、オールスパイス、カモミール、カンゾウ、クレソン、紫蘇、セロリ、タマリンド、ディル、ニジェラ、パセリ、ヒソップ、アサフェチダ、オレンジノピール、カラシナ、キャラウエー(姫茴香)、ゴマ、サボリー、スターアニス、ソーレル、タラゴン、ニンジン、ハッカ(薄荷)、フェネグリーク、アジョワン、ウコン、カショウ、カルダモン、クチナシ(梔)、罌粟(ケシ)の実、コリアンダー、サルビア、シャロット、スペアミント、タイム、チャイブ、ナツメグ、バニラ、ペパーミント、アニス、オレガノ、カッシア、カレーリーフ、クミン、ケーパー、サッサフラス、ジュニパーベリー、チャービル、ニガヨモギ(蓬)、バジル、パプリカ、ホースミント、リンデン、ローズマリー、マジョラム、レモングラス、ローレル、茗荷、レモンバーム、ラベンダー、ローズ(薔薇)等が挙げられる。香辛料とアラニンを併用した調味料としては、辣油(ラー油)、豆板醤(トウバンジャン)、辣椒醤(ラアジャオジャン、チリソース)、XO醤(エックスオージャン)、豆鼓醤(トウチジャン)、豆鼓辣椒醤、海鮮醤(カイセンジャン、ハイシェヌジャン)、ペッパーソース、及びペペロンオイル等が挙げられる。また、唐辛子の辛味成分であるカプサイシンを含む飲料に対して、アラニンとグルタミン酸を添加することにより、適度な辛味を維持しながら、カプサイシン由来の刺激(特に喉への刺激)を低減できる。 また、アラニンは、エグ味を緩和する効果を有する。エグ味を有する化合物の例としては、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、ピロリン酸四カリウム、ピロリン酸二水素二ナトリウム、ピロリン酸四ナトリウム、ポリリン酸カリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸カリウム、メタリン酸ナトリウム、リン酸三カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸三ナトリウム、貝殻カルシウム、卵殻カルシウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、粗製海水塩化マグネシウム、ホモゲンチジン酸、シュウ酸等が挙げられる。エグ味を有する食材としては、茸類、タケノコ(筍)、蕗の薹、ワサビ(山葵)、ワラビ(蕨)、ゼンマイ(薇)、野蒜(ノビル)、ヨモギ(蓬)、山独活(やまうど)、クレソン、ナズナ(薺)、タラノメ、マタタビ(木天蓼)、ニワトコ(接骨木)、芹(セリ)、ミツバ、イタドリ(虎杖)、ハコベ(繁縷)、山椒、キハダ(黄檗)、カンゾウ(甘草)、行者ニンニク、ツクシ(土筆)等の山菜類や、蓮根(レンコン)、人参、サツマイモ(甘藷)、ジャガイモ(馬鈴薯)、里芋、煮干し等が挙げられる。また、山菜類を茹でる際に、茹で液中にアラニンを添加しておくと、エグ味の緩和だけでなく、発生する灰汁が少なくなるという効果もある。この灰汁の減少はアラニンのキレート効果(重金属の捕捉効果)によるものと考えられる。 また、アラニンは、渋味や収斂味の緩和にも有効である。ポリフェノール類には渋味あるいは収斂味を有する化合物が多数存在する。例えば、茶、ワイン、ブルーベリー、リンゴ等に多く含まれるカテキンや、柿、バナナ等に多く含まれるタンニン、蕎麦に多く含まれるルチン、コーヒー(珈琲)に多く含まれるクロロゲン酸等のポリフェール類の渋味や収斂味の緩和にアラニンは有効である。ポリフェノール類を多く含む食品としては、緑茶、紅茶、烏龍茶、抹茶、茶蕎麦、コーヒー飲料等が挙げられる。また、キトサン、キチン、サポニン、リモニン等の渋味や収斂味の緩和にも有効である。 また、アラニンは、苦味の緩和にも有効である。苦味成分としては、各種の配糖体、アルカロイド類、テルペノルド類等が挙げられる。特に、アラニンは、フラバノン配糖体の一種であるナリジンの苦味の緩和に有効であり、例えばグレープフルーツ、夏蜜柑、はっさく、かぼす、オレンジ、レモン等の柑橘類系の果実を原料として製造する飲料、ゼリー、キャンディー、チューインガムの苦味緩和に応用できる。また、ゴーヤ(ニガウリ)の苦味成分であるモモルデシンやククルビタシン、ケールの苦味成分であるスルフォラフェン、アロエの苦味成分であるアロイン、大根の苦味成分であるケルセチン、コーヒーの苦味成分であるクロロゲン酸等の苦味成分の緩和にも有効である。よって、ゴーヤ、ケール、大麦若葉等の青野菜を原料として製造する飲料や、コーヒーを使用した各種の食品やアロエや大根を原料とする各種食品の苦味緩和にも応用できる。さらにはメロン、スイカ、キュウリ、南瓜、干瓢等の苦味緩和にも有効である。その他、アラニンは、L−バリン、L−ロイシン、L−イソロイシン、L−メチオニン、L−トリプトファン、L−ヒスチジン、L−オルニチン、L−アスパラギン、L−アスパラギン酸、L−リジン、L−アルギニン、L−チロシン、L−フェニルアラニン等の苦味を有するアミノ酸の苦味緩和にも有効である。よって、各種のアミノ酸飲料やアミノ酸サンプリメント等に、これら苦味を有するアミノ酸と共に配合されうる。また、苦味を有するアルカロイドである、カフェイン(茶、コーヒー豆等に存在)、テオブロミン(ココア、チョコレートの苦味成分)、キニーネや、苦味を有する配糖体であるルチン、ヘスペリジン等の苦味成分の緩和にもアラニンは有効である。 なお、上記のアラニンの辛味、エグ味、渋味、収斂味、苦味に対する緩和作用は、食品だけでなく、歯磨き粉や口洗浄液等に含まれる各種の刺激成分の緩和にも有効である。 また、アラニンは、甘味物質と併用した場合、それらの相互作用により甘味にコクを与え、甘味をソフトで上品なものとすることができる。例えば、あんこ、クリーム、フラワーペースト等の甘味食品に対してアラニンが添加されうる。 また、アラニンは、甘味度が高い甘味料の味質を改善する効果を有する。甘味度が高い甘味料は、一般的に、甘みが単調で直接的であり、かつ、甘みの切れが悪く(後味が残る)、さらには後味に苦味や渋味を有する場合もある。例えば、アスパルテームやステビア、甘草抽出物等は、甘みの切れが悪いだけでなく、後味に苦味や渋味等も残ることが知られている。また、スクラロースやアセスルファムカリウムは、甘みの立ち上がりや切れは比較的速いものの、その甘みは単調で直接的であり、砂糖の味質に比べると、やはり違和感のある甘みであることは否めない。しかしながら、このような甘味度の高い甘味料とアラニンとを併用することにより、さっぱりとした爽快な甘みになったり、甘さの切れがよくなったり、後味に苦味や渋味が残りにくくなったりする。アラニンと併用できる甘味度の高い甘味料としては、スクラロース、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、ネオテーム、ステビア(ステビア抽出物、ステビア末、ステビオサイド、レバウディオサイド)、甘草抽出物(カンゾウエキス、グリチルリチン酸二ナトリウム)、リコリス抽出物、ソーマチン(タウマチン)、サッカリン(サッカリンナトリウム)等が挙げられる。 また、アラニンは、フレーバー(香り)を増強させる効果を有する。アラニンは特に、ストロベリー(苺)、グレープ(葡萄)、アップル(林檎)、メロン等果実類の香りを増強する働きがある。また、発酵乳の風味も改善する。特に、アラニンに加えてアルギニンを併用することにより、様々な食品が本来持っている風味を損なうこと無くフレーバーを増強したり、食品業界で多用されている様々な香料のフレーバーを増強したりすることができる。 この他にも、蕎麦の種子をアラニン含有の水溶液に浸漬した後に、その種子を焙煎することにより、風味、香りが非常に優れた蕎麦茶とすることができる。このような効果が得られる原理は、焙煎中にアラニンと蕎麦由来の糖分がメイラード反応を起こし、非常に香ばしい香り成分(ピラジン類)が生成するためであると考えられる。また、アラニンとビタミンEを添加した水で米を炊飯することにより、炊きたて直後の風味を長時間保持できる。さらに、アラニンは、チーズの風味の改良にも有効であり、チーズにアラニンを添加することにより、チーズ本来の風味を際立たせる他に、酪酸臭、発酵臭、乳臭、カビ臭、ムレ臭等の嫌な臭いを抑えることができる。また、豆乳や野菜ジュースの臭い削減にも効果があり、豆乳や野菜ジュースにアラニンを0.2〜1質量%添加すると、豆乳や野菜ジュースの嫌な臭いを低減させることができる。 また、ミルク入りのホットタイプの缶コーヒーにおいては、自動販売機等での長期間の保管時に乳独特の劣化臭(すえ臭)が発生する場合があるが、この解決策としてアラニンとキシロースとを配合することで、その劣化臭を抑え、乳成分のクリーミー感を維持することができる。このような効果が得られる原理は、アラニンとキシロースとのメイラード反応による生成物が、乳脂肪の酸化反応を抑制するためであると考えられる。なお、アラニンをはじめとするアミノ酸は、糖類とメイラード反応を起こすが、このメイラード反応を利用して食品に風味や香り、色をつけたりすることができる。 アラニンは、これまで述べた食品への旨味付与、旨味増強効果、塩なれ効果、酢なれ効果、辛味の緩和、エグ味の緩和、渋味や収斂味の緩和、苦味の緩和、甘味度が高い甘味料の味質の改善効果、フレーバー(香り)の増強作用等の他に、食品の風味以外への効果も有する。 以下に、アラニンの食品の風味以外への効果を掲げる。 アラニンは、微生物の増殖を抑制する効果(静菌効果)を有する。アラニンの静菌作用は、主として細菌類の細胞壁の合成を阻害するためと考えられる。このアラニンの静菌効果は、酢酸等の有機酸等とアラニンとを併用して食品に添加することによる食品の日持ち向上方法や、アラニンを配合した日持ち向上用の製剤等に応用することができる。食品の日持ち向上のために、アラニンと併用されうる物質としては、例えば、アジピン酸、クエン酸、クエン酸三カリウム、クエン酸三ナトリウム、グルコノデルタラクトン、グルコン酸、グルコン酸カリウム、グルコン酸ナトリウム、コハク酸、コハク酸一ナトリウム、コハク酸二ナトリウム、酢酸、酢酸ナトリウム、DL−酒石酸、L−酒石酸、DL−酒石酸ナトリウム、L−酒石酸ナトリウム、二酸化炭素、乳酸、乳酸ナトリウム、乳酸カリウム、氷酢酸、フマル酸、フマル酸一ナトリウム、DL−リンゴ酸、DL−リンゴ酸ナトリウム、リン酸、安息香酸、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、ソルビン酸カルシウム、プロピオン酸、プロピオン酸ナトリウム、プロピオン酸カルシウム、ウド抽出物、エゴノキ抽出物、カワラヨモギ抽出物、酵素分解ハトムギ抽出物、ツヤプリシン(抽出物)、白子タンパク抽出物(プロタミン)、ペクチン分解物、ホオノキ抽出物、ε−ポリリジン、レンギョウ抽出物、ナイシン、グリシン、チアミンラウリル硫酸、チアミンラウリル硫酸ナトリウム、グリセリン脂肪酸エステル、リゾチーム、イチジク葉抽出物、カンゾウ油性抽出物、クワ抽出物、酵素分解リンゴ抽出物、セイヨウワサビ抽出物、茶抽出物、ニンニク抽出物、ブドウ果皮抽出物、ペパー抽出物、ミカン種子抽出物、モミガラ抽出物、ローズマリー抽出物、オレガノ抽出物、キトサン、コウジ酸、シソ抽出物、セージ抽出物、唐辛子水性抽出物、ハチク抽出物、ブドウ種子抽出物、ホコッシ抽出物、モウソウチク乾留物、ユッカフォーム抽出物、ワサビ抽出物、カラシ抽出物、クローブ抽出物、酵素処理チャ抽出物、ショウガ抽出物、タデ抽出物、生ダイズ抽出物、ピメンタ抽出物、プロポリス抽出物、マタゲ抽出物、モウソウチク抽出物(孟宗竹抽出物)等が挙げられる。これらの物質(1種以上)とアラニンとを組み合わせて、日持ち向上剤または保存剤を製造することができる。 また、アラニンは、枯草菌等耐熱性芽胞菌の胞子に作用する。L−アラニンとD−アラニンとでは胞子の発芽へ与える影響が逆であり、L−アラニンの場合は、枯草菌の胞子の発芽を促進する作用を有する。このL−アラニンによる胞子発芽の促進を利用して、低温殺菌では死滅しにくい食品中の耐熱性胞子をL−アラニンの添加により故意に発芽させ、熱に弱い栄養細胞状態としてから低温殺菌を行う方法も研究されている。一方、D−アラニンは、枯草菌の胞子に対してL−アラニンとは逆に胞子発芽を阻害する作用を有する。この他、アラニンは、歯周病の原因菌に対する共凝集作用を有するため、歯周病の予防や改善を目的とした歯磨き粉、口洗浄液、マウススプレー、チューインガム等へ応用されうる。 また、アラニンは、緑色野菜や海草類の緑色の褪色を抑制する効果を有する。野菜類としては、枝豆、菠薐草、豌豆、莢インゲン、韮、ヨモギ(蓬)、小松菜、野沢菜等であり、海草類としては昆布、メカブ、海苔、若布(ワカメ)等が挙げられる。例えば、アラニンとアスコルビン酸(ナトリウム)とを併用することにより、枝豆の緑色の劣化を抑制できる。さらに、本発明者の研究室では、鮭の赤色色素であるアスタキサンチンの変色抑制にアラニンが有効であることも確認されている。 また、アラニンは食品を適度に軟化にする効果を有する。例えば、昆布(アルギン酸)を軟らかくする働きや、ジャム類やマーマレード類等のペースト状食品の硬化を抑え、適度に軟化する働きがある。ジャムやマーマレードの原料となる果実類、野菜類(ペクチン質)としては、イチゴ、ブドウ、リンゴ、桃、杏子、ブルーベリー、イチジク、夏蜜柑、蜜柑、レモン、オレンジ等であり、野菜類としては、人参、トマト、南瓜等が挙げられる。このアラニンによる軟化作用により、元は硬い昆布でも食べやすくなり、野菜や果実を原料とするジャムやマーマレードにおいては長期間保存しても硬くならずに、パン等へスムーズに伸展させることができるようになる。 また、アラニンは、食用油脂の酸化を抑制する効果を有する。食用油脂中に微量に含まれる重金属(Cu2+等)は、食用油脂の酸化反応の触媒として働き、食用油脂の酸化を促進してしまうが、食用油脂にアラニンを添加することにより、アラニンのキレート作用により重金属が補足されるため、食用油脂のシェルライフを延ばすことができる。食用油脂としては、マヨネーズ、バター、マーガリン、ショートニング、サラダ油、コーン油、大豆油、胡麻油、菜種油(キャノーラ油)、米油、椿油、紅花油(サフラワー油)、パーム核油、椰子油、綿実油、ひまわり油、荏油、パーム油、ラード(豚油)、ヘット(牛脂)、オリーブオイル、グレーブシードオイル等が挙げられる。 また、アラニンは、魚の飼料摂取を促進したり、魚類の成長を促進したりする効果を有する。例えば、アラニンとアルギニンとを投与することによって、インスリンの分泌誘導を高め、魚類の成長を促進することができる。さらに、アラニンを配合した餌で育てた魚類の可食部の旨味を向上させることもできる。また、ペットフード用飼料にアラニンを配合することでペットフードの摂取促進も可能となる。 また、アラニンは、糖分の少ない果実ジュースを製造する際に使用されうる。具体的には、果実の果汁にアラニンを添加して加熱殺菌した後、冷却後に麹菌を接種して培養し、糖を資化させる。果実ジュースは栄養があるものの、糖分が多いため、その摂取を敬遠する人もいるが、この方法により、他の有効成分(栄養成分や風味成分)を失うことなく、糖分の少ない果実飲料が製造できる。 また、アラニンは、生体内でアルコール代謝の促進に間接的に寄与し、肝機能を改善する作用を有する。特に、アラニンとグルタミン、アラニンとオルニチンの相乗効果が高く、二日酔い防止、肝機能改善等の目的で各種の清涼飲料水やサプリメント等に使用されうる。また、アラニンは肝臓でのグルコース再生の働きにも関与しており、血糖値の維持、回復にも有効なアミノ酸である。さらに、近年、ライフスタイルの変化で脂肪の体内蓄積が問題となっている。アラニンは、リジン、プロリン、アルギニン等のアミノ酸と同様に、体脂肪を分解する酵素であるリパーゼの活性化に有効なアミノ酸であり、このため、アラニン等のアミノ酸は、脂肪燃焼に関わる他の有効成分(ビタミンB群、L−カルニチン等)と組み合わせて、各種のダイエットを目的とした清涼飲料水やサンプリメント等に配合されうる。 なお、アラニンは、食品分野に限らず、飼料、ペットフード、メッキ薬品、医薬、農薬、歯磨き粉、洗浄剤、化粧品等、あらゆる産業分野に利用されうる。例えば、アラニンは肌の角質層での保湿効果、肌の表面がアルカリ性になるのを防ぐ機能や、角質層のバリヤー機能を高める働き等を有し、総合的な要因により肌に潤いを与える。これらの働きを利用して、アラニンは化粧水やシャンプー等の分野にも幅広く使用されうる。また、アラニンを還元して得られるアラニノールやジペプチドであるアラニルグルタミン等のアラニン誘導体は、医療や化粧分野へ応用することができる。さらには、医薬、農薬品の出発原料としてD−アラニンが使用されうる。 アラニンは、食品に対して単独で使用することも可能であるが、他の調味料と併用して食品に使用することもでき、また予め他の調味料化合物と混合して、すなわち調味料組成物(製剤)としても使用されうる。以下、アラニンと併用できる他の調味料を列挙する。 アミノ酸類としては、L−アスパラギン酸ナトリウム、L−アルギニン、L−イソロイシン、グリシン、L−グルタミン酸、L−グルタミン酸ナトリウム、L−テアニン、DL−トリプトファン、L−トリプトファン、DL−トレオニン、L−トレオニン、L−バリン、L−ヒスチジン塩酸塩、L−フェニルアラニン、DL−メチオニン、L−メチオニン、L−リシン、L−リシン塩酸塩等が挙げられる。また、核酸類としては、5’−イノシン酸二ナトリウム、5’−ウリジル酸二ナトリウム、5’−グアニル酸二ナトリウム、5’−シチジル酸二ナトリウム、5’−リボヌクレオチドカルシウム、5’−リボヌクレオチド二ナトリウム等が挙げられる。有機酸類としては、クエン酸カルシウム、クエン酸三ナトリウム、グルコン酸カリウム、グルコン酸ナトリウム、グルコン酸銅、グルコン酸亜鉛、コハク酸、コハク酸一ナトリウム、コハク酸二ナトリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カルシウム、DL−酒石酸水素カリウム、L−酒石酸水素カリウム、DL−酒石酸ナトリウム、L−酒石酸ナトリウム、乳酸カルシウム、乳酸ナトリウム、乳酸カリウム、フマル酸一ナトリウム、DL−リンゴ酸ナトリウム等が挙げられる。また、無機塩類としては、塩化カリウム、リン酸三カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸三ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、塩化アンモニウム、塩水湖水低塩化ナトリウム、粗製海水塩化カリウム、ホエイソルト、硫酸カリウム、L−グルタミン酸アンモニウム等が挙げられる。 また、アラニンは、調味目的以外にも、各々の使用目的に応じて、アラニンと他の化合物とを併用した形態や、他の化合物と組み合わせた組成物(製剤)の形態でも使用されうる。アラニンとの併用や、アラニンとの組成物(製剤)に使用されうる化合物は、使用目的に従い分類すると、乳化剤、酵素、増粘多糖類または増粘安定剤、糖質、酸化剤、食用粉、イーストフード、膨張剤、カルシウム塩、リン酸塩または重合リン酸塩、酸味料、pH調整剤、保存料、日持ち向上剤、鹹水、豆腐用凝固剤、酸化防止剤、強化剤、食物繊維、着色料、香料等が挙げられる。なお、下記化合物は、それぞれ単独で使用されてもよいし、もしくは同じ分類のうちの2種以上の混合物の形態で使用されてもよく、また、他の分類の化合物1種以上が適宜組み合わされて使用されてもよい。 乳化剤としては、モノグリセリン脂肪酸エステル、ジグリセリン脂肪酸エステル、グリセリン酢酸脂肪酸エステル、グリセリン乳酸脂肪酸エステル、グリセリンクエン酸脂肪酸エステル、グリセリンコハク酸脂肪酸エステル、グリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステル、グリセリン酢酸酒石酸脂肪酸エステル、グリセリン酒石酸脂肪酸エステル、グリセリン酢酸エステル、グリセリン熱酸化大豆油脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ショ糖イソ酪酸エステル、ショ糖グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノパルミテート、プロピレングリコール脂肪酸エステル、プロピレングリコールグリセリン乳酸脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン(8)ステアリン酸エステル、ポリオキシエチレン(40)ステアリン酸エステル、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンラウリン酸エステル、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンオレイン酸エステル、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンパルミチン酸エステル、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンステアリン酸エステル、ポリオキシエチレン(20)ソルビタントリステアリン酸エステル等のポリソルベート類、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エトオキシモノグリセライド、ステアロイル乳酸カルシウム、ステアロイル乳酸ナトリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸ナトリウム、脂肪酸ナトリウム、脂肪酸カリウム、脂肪酸カルシウム、アンモニウムホスファチイド、クエン酸ステアリルモノグリセリド、ラウリル硫酸ナトリウム、キラヤ抽出物、ダイズサポニン、ユッカフォーム抽出物(サルササポニン)等のサポニン類、酵素処理レシチン、酵素分解レシチン、卵黄レシチン等のレシチン類、胆汁酸類等が挙げられる。前記乳化剤を構成する脂肪酸としては、一般には炭素数が9〜25の脂肪酸であり、モノカプロイン酸〜モノエルシン酸の範囲の脂肪酸である。 酵素としては、α−アミラーゼ、アガラーゼ、アクロモペプチダーゼ、アスコルビン酸オキシダーゼ、アミノペプチダーゼ、β−アミラーゼ、G4アミラーゼ、アントシアナーゼ、イソマルトデキストラナーゼ、アクチニジン、アシラーゼ、α−アセトラクタートデカルボキシラーゼ、アルギン酸リアーゼ、イソアミラーゼ、イヌリナーゼ、インベルターゼ、ウレアーゼ、エキソマルトテトラオヒドロラーゼ、エステラーゼ、エラスターゼ、エンドマルトヘキサオヒドロラーゼ、エンドマルトペンタオヒドロラーゼ、カタラーゼ、α−ガラクトシダーゼ、β−ガラクトシダーゼ、カルボキシペプチダーゼ、キシラナーゼ、キチナーゼ、キトサナーゼ、グルカナーゼ、グルコアミラーゼ、α−グルコシターゼ、β−グルコシダーゼ、α−グルコシルトランスフェラーゼ、グルコースイソメラーゼ、グルコースオキシダーゼ、トランスグルタミナーゼ、プロテイングルタミナーゼ等のグルタミナーゼ、酸性ホスファターゼ、シクロデキストリングルカノトランスフェラーゼ、スーパーオキシドジスムターゼ、セルラーゼ、タンナーゼ、5’−デアミナーゼ、デキストラナーゼ、トランスグルコシダーゼ、トランスグルタミナーゼ、トリアシルグリセロールリパーゼ、トリプシン、トレハロースホスホリラーゼ、ナリンジナーゼ、ニトリラーゼ、ノイラミニダーゼ、パーオキシダーゼ、パパイン、パンクレアチン、フィシン(フィチン:ficin)、フィターゼ、フルクトシルトランスフェラーゼ、プルラナーゼ、プロテアーゼ、ブロメライン、ペクチナーゼ、ヘスペリジナーゼ、ペプシン、ペプチダーゼ、ヘミセルラーゼ、ホスホジエステラーゼ、ホスホリパーゼ、ポリフェノールオキシダーゼ、マルトースホスホリラーゼ、マルトトリオヒドロラーゼ、ムラミダーゼ、ラクトパーオキシダーゼ、リゾチーム、リパーゼ、リポキシゲナーゼ、レンネット等が挙げられる。 増粘多糖類または増粘安定剤としては、アオレオバシジウム培養液、アエロモナスガム、アグロバクテリウムスクシノグリカン、アゾトバクタービネランジーガム、アマシードガム、アーモンドガム、アラビアガム、アラビノガラクタン、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸カリウム、アルギン酸カルシウム、アロエベラ抽出物、ウェランガム、エルウイニアミツエンシスガム、エレミ樹脂、エンテロバクターガム、エンテロバクターシマナスガム、オクラ抽出物、オリゴグルコサミン、海藻セルロース、カシアガム(カシヤガム)、褐藻抽出物、ガティガム、カードラン、カラギーナン(カラギナン)、カラヤガム、カロブビーンガム、寒天(アガロース)、ゼラチン、カゼインナトリウム、キサンタンガム、キシログリカン、キダチアロエ抽出物、キチン、キトサン、グアーガム、グアーガム酵素分解物、グルコサミン、グルテン、グルテン分解物、酵母細胞壁、コラーゲン、コンニャクイモ抽出物、サイリウムシードガム、サツマイモセルロース、サバクヨモギシードガム、ジェランガム、スクレロガム、セスバニアガム、大豆多糖類(水溶性ヘミセルロースも含む)、タマリンドシードガム、タラガム、ダルマン樹脂、デキストラン、トラガントガム、トリアカンソスガム、トロロアオイ、ナタデココ、納豆菌ガム、ヒアルロン酸、微小繊維状セルロース、粉末セルロース、微結晶セルロース、ファーセレラン(ファーセルラン)、フコインダン、フクロノリ抽出物、プルラン、ペクチン、マクロホモプシスガム、マンナン、モモ樹脂、ラムザンガム、レバン、レンネットカゼイン、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ポリアクリル酸ナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、デンプンリン酸エステルナトリウム、ローカストビーンガム等が挙げられる。 糖質としては、例えば、グルコース、果糖、ガラクトース、ショ糖、麦芽糖、D−キシロース、乳糖、トレハロース、パラチノース、オリゴ糖類、澱粉、澱粉分解物、アセチル化アジピン酸架橋澱粉、アセチル化リン酸架橋澱粉、オクテニルコハク酸澱粉ナトリウム、ヒドロキシプロピル澱粉、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉、リン酸モノエステル化リン酸架橋澱粉、リン酸化澱粉、リン酸架橋澱粉、酸化澱粉、酢酸澱粉等の加工澱粉類(化工澱粉類)、デキストリン、難消化性デキストリン、サイクロデキストリン、クラスターデキストリン、エリスリトール、マルチトール、ソルビトール、キシリトール、マンニトール、ラクチトール(還元乳糖)、パラチニット(還元パラチノース)、グリセリン、プロピレングリコール等が挙げられる。 酸化剤としては、臭素酸カリウム、L−シスチン、L−アスコルビン酸(ビタミンC)、L−アスコルビン酸ナトリウム、L−アスコルビン酸カルシウム、L−アスコルビン酸カリウム、L−アスコルビン酸アンモニウム等が挙げられる。 食用粉としては、小麦粉、米粉、大豆蛋白粉、エンドウ蛋白粉、ホエー蛋白粉、ゼラチン粉末、コラーゲン粉末、グルテン粉末等の各種の蛋白粉、馬鈴薯、甘藷、トウモロコシ、タピオカ等由来の澱粉、及びそれら澱粉のα化品、加工品(化工品)、分解品やレジスタントスターチ(酵素抵抗性澱粉)、蕎麦粉、卵白粉、卵黄粉等が挙げられる。 イーストフードとしては、塩化アンモニウム、グルコン酸カリウム、炭酸アンモニウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、リン酸三カルシウム、リン酸二水素アンモニウム、リン酸二水素カルシウム、塩化マグネシウム、グルコン酸ナトリウム、炭酸カリウム、硫酸アンモニウム、硫酸マグネシウム、リン酸水素二アンモニウム、リン酸一水素カルシウム、焼成カルシウム、酸化カルシウム等が挙げられる。 膨張剤としては、アジピン酸、L−アスコルビン酸、塩化アンモニウム、クエン酸、クエン酸カルシウム、グルコノデルタラクトン、DL−酒石酸、L−酒石酸、DL−酒石酸水素カリウム、L−酒石酸水素カリウム、炭酸アンモニウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸マグネシウム、乳酸、乳酸カルシウム、ピロリン酸四カリウム、ピロリン酸二水素カルシウム、ピロリン酸二水素二ナトリウム、ピロリン酸四ナトリウム、フマル酸、フマル酸一ナトリウム、ポリリン酸カリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸カリウム、メタリン酸ナトリウム、硫酸カルシウム、硫酸アルミニウムアンモニウム、硫酸アルミニウムカリウム、DL−リンゴ酸、DL−リンゴ酸ナトリウム、リン酸三カルシウム、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素カルシウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、酸性リン酸アルミニウムナトリウム等が挙げられる。 カルシウム塩としては、炭酸カルシウム、塩化カルシウム、クエン酸カルシウム、グリセロリン酸カルシウム、L−グルタミン酸カルシウム、L−アスコルビン酸カルシウム、乳酸カルシウム、ステアロイル乳酸カルシウム、グルコン酸カルシウム等が挙げられる。 リン酸塩、重合リン酸塩としては、ピロリン酸四カリウム、ピロリン酸四ナトリウム、ピロリン酸第二鉄、ピロリン酸二水素カルシウム、ピロリン酸二水素二ナトリウム、ポリリン酸カリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸カリウム、メタリン酸ナトリウム、リン酸三カリウム、リン酸三カルシウム、リン酸三ナトリウム、リン酸水素カルシウム、リン酸水素二アンモニウム、リン酸水素二カリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素アンモニウム、リン酸二水素カリウム、リン酸二水素カルシウム、リン酸二水素ナトリウム等が挙げられる。 酸味料としては、アジピン酸、クエン酸、クエン酸三カリウム、クエン酸三ナトリウム、グルコノデルタラクトン、グルコン酸、グルコン酸カリウム、グルコン酸ナトリウム、コハク酸、コハク酸一ナトリウム、コハク酸二ナトリウム、酢酸ナトリウム、DL−酒石酸、L−酒石酸、DL−酒石酸ナトリウム、L−酒石酸ナトリウム、二酸化炭素、乳酸、乳酸ナトリウム、乳酸カリウム、氷酢酸、フマル酸、フマル酸一ナトリウム、DL−リンゴ酸、DL−リンゴ酸ナトリウム、リン酸等が挙げられる。 pH調整剤としては、アジピン酸、クエン酸、クエン酸三ナトリウム、グルコノデルタラクトン、グルコン酸、グルコン酸カリウム、グルコン酸ナトリウム、コハク酸、コハク酸一ナトリウム、コハク酸二ナトリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カルシウム、DL−酒石酸、L−酒石酸、DL−酒石酸水素カリウム、L−酒石酸水素カリウム、DL−酒石酸ナトリウム、L−酒石酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、二酸化炭素、乳酸、乳酸ナトリウム、乳酸カリウム、氷酢酸、ピロリン酸二水素二ナトリウム、フマル酸、フマル酸一ナトリウム、DL−リンゴ酸、DL−リンゴ酸ナトリウム、リン酸、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、水酸化マグネシウム等が挙げられる。 保存料としては、安息香酸、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、ソルビン酸カルシウム、プロピオン酸、プロピオン酸ナトリウム、プロピオン酸カルシウム、ウド抽出物、エゴノキ抽出物、カワラヨモギ抽出物、酵素分解ハトムギ抽出物、ツヤプリシン(抽出物)、白子タンパク抽出物(プロタミン等)、ペクチン分解物、ホオノキ抽出物、ε−ポリリジン、レンギョウ抽出物、ナイシン等が挙げられる。 日持ち向上剤としては、グリシン、酢酸、酢酸ナトリウム、チアミンラウリル硫酸ナトリウム、グリセリン脂肪酸エステル、リゾチーム、イチジク葉抽出物、カンゾウ油性抽出物、クワ抽出物、酵素分解リンゴ抽出物、セイヨウワサビ抽出物、チャ抽出物、ニンニク抽出物、ブドウ果皮抽出物、ペパー抽出物、ミカン種子抽出物、モミガラ抽出物、ローズマリー抽出物、オレガノ抽出物、キトサン、コウジ酸、シソ抽出物、セージ抽出物、唐辛子水性抽出物、ハチク抽出物、ブドウ種子抽出物、ホコッシ抽出物、モウソウチク乾留物、ユッカフォーム抽出物、ワサビ抽出物、カラシ抽出物、クローブ抽出物、酵素処理チャ抽出物、ショウガ抽出物、タデ抽出物、生ダイズ抽出物、ピメンタ抽出物、プロポリス抽出物、マタゲ抽出物、モウソウチク抽出物等が挙げられる。 鹹水としては、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、ピロリン酸四カリウム、ピロリン酸二水素二ナトリウム、ピロリン酸四ナトリウム、ポリリン酸カリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸カリウム、メタリン酸ナトリウム、リン酸三カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸三ナトリウム等が挙げられる。なお、鹹水とは、中華麺類の製造に用いられる、アルカリ剤を含む水溶液である。 豆腐用凝固剤としては、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、ラクチド、グルコノデルタラクトン、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、粗製海水塩化マグネシウム等が挙げられる。 酸化防止剤としては、L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸ナトリウム、L−アスコルビン酸カルシウム、L−アスコルビン酸カリウム、L−アスコルビン酸ステアリン酸エステル、L−アスコルビン酸パルミチン酸エステル、エリソルビン酸(イソアスコルビン酸)、エリソルビン酸ナトリウム(イソアスコルビン酸ナトリウム)、亜硫酸ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、ピロ亜硫酸カリウム、次亜硫酸ナトリウム、クエン酸イソプロピル、二酸化硫黄、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸カルシウム二ナトリウム、アオイ花抽出物、アスペルギルステレウス抽出物、エラグ酸、γ−オリザノール、カテキン、カンゾウ油性抽出物、グアヤク脂、クエルセチン、クローブ抽出物、酵素処理イソクエルシトリン、酵素処理ルチン(抽出物)、酵素分解リンゴ抽出物、ゴマ油不ケン化物、コメヌカ油抽出物、コメヌカ酵素分解物、食用カンナ抽出物、精油除去ウイキョウ抽出物、セイヨウワサビ抽出物、セサモリン、セサモール、セージ抽出物、セリ抽出物、チャ抽出物、テンペ抽出物、ドクダミ抽出物、トコトリエノール、d−α−トコフェロール、d−β−トコフェロール、d−γ−トコフェロール、ナタネ油抽出物、生コーヒー豆抽出物、ノルジヒドログアヤレチック酸、ヒマワリ種子抽出物,ピメンタ抽出物,フェルラ酸(コメヌカ抽出物)、フィチン酸(コメヌカ抽出物)、ブドウ種子抽出物、プロポリス抽出物、ヘスペレチン、ペパー抽出物、没食子酸、ミックストコフェロール、メラロイカ精油、モリン、ヤマモモ抽出物、ユーカリ葉抽出物、リンドウ根抽出物、ルチン酵素分解物、ルチン(抽出物)、アズキ全草抽出物、エンジュ抽出物、ソバ全草抽出物、ローズマリー抽出物等が挙げられる。 強化剤としては、最初にビタミン類としては、L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸ナトリウム、L−アスコルビン酸カルシウム、エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロール、ジベンゾイルチアミン塩酸塩、チアミン硝酸塩、チアミンチオシアン酸塩、チアミンラウリル硫酸塩、ニコチン酸アミド、パントテン酸ナトリウム、ビタミンA、ピリドキシン塩酸塩、葉酸、リボフラビン酪酸エステル、L−アスコルビン酸ステアリン酸エステル、L−アスコルビン酸パルミチン酸エステル、β−カロテン(Blakeslea trispora由来も含む)、ジベンゾイルチアミン、チアミン塩酸塩、チアミンセチル硫酸塩、チアミンナフタレン−1,5−ジスルホン酸塩、ニコチン酸、パントテン酸カルシウム、ビスベンチアミン、ビタミンA脂肪酸エステル、メチルヘスペリジン、リボフラビン、リボフラビン5’−リン酸エステルナトリウム、イノシトール、イモカロテン、酵素処理ヘスペリジン、酵素処理ルチン、シアノコバラミン(ビタミンB12)、デュナリエラカロテン、d−α−トコフェロール、d−γ−トコフェロール、d−δ−トコフェロール、ニンジンカロテン、パーム油カロテン、ヘスペリジン、ミックストコフェロール、メナキノン抽出物等が挙げられる。次ぎに、ミネラル類としては、塩化カルシウム、塩化第二鉄、クエン酸カルシウム、クエン酸第一鉄ナトリウム、クエン酸鉄、クエン酸鉄アンモニウム、グリセロリン酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、炭酸カルシウム、グルコン酸銅、硫酸銅、乳酸カルシウム、乳酸鉄、ピロリン酸二水素カルシウム、ピロリン酸第一鉄、ピロリン酸第二鉄、硫酸カルシウム、硫酸第一鉄、リン酸三カルシウム、リン酸一水素カルシウム、リン酸二水素カルシウム、リン酸二マグネシウム、ウニ殻焼成カルシウム、貝殻焼成カルシウム、骨焼成カルシウム、造礁サンゴ焼成カルシウム、乳清焼成カルシウム、卵殻焼成カルシウム、フェリチン、貝殻未焼成カルシウム、骨未焼成カルシウム、サンゴ未焼成カルシウム、真珠層未焼成カルシウム、卵殻未焼成カルシウム等が挙げられる。 食物繊維としては、植物由来または海藻類由来のいずれの食物繊維でもよく、植物由来の原材料の例としては、小麦、ライ麦、米、とうもろこし、蕎麦等の穀類、大豆、あずき、エンドウ等の豆類、コンニャクイモ、ヤマノイモ、サトイモ等のイモ類、エノキやシイタケ等のキノコ類、ゴボウ等の野菜類、リンゴ、葡萄及び柑橘類等の果物類、並びにパルプ繊維等が挙げられる。柑橘類としては、オレンジ、グレープフルーツ、レモン等が挙げられ、これら柑橘類由来の食物繊維はシトラスファイバーと総称されている。パルプ繊維とは、ビート(甜菜)、木材、綿、麻等を化学的あるいは機械的に処理することによってセルロースを高純度化したものであるが、このようなパルプ繊維由来のセルロース(食物繊維)とアラニンを食品へ併用することや、それらの組成物も可能である。高純度に精製したパルプ繊維を原料にして製造される食品用のセルロースとしては、粉末セルロース、結晶セルロース(微結晶セルロース)、及び微小繊維状セルロースがある。粉末セルロースとは、パルプ繊維を酸分解等により細分化したものである。また、結晶セルロース(微結晶セルロース)とは、パルプ繊維を酸分解し、非結晶領域を除去して、一定の重合度の純粋な結晶部分だけを取り出して、精製、乾燥したものである。微小繊維状セルロースとは、超高圧ホモジナイザー処理等によって、パルプ繊維に強力な機械的せん断力を加えて微小繊維状にしたものであり(ミクロフィブリル化)、元の1本のセルロース鎖が数万本に引き裂かれたものである。また、食物繊維の海藻類由来の原料としては、テングサ、海苔、昆布、ひじき、もずく、ワカメ等が挙げられる。 着色料としては、合成着色料、天然色素のいずれも使用することができる。合成着色料としては、食用赤色2号、食用赤色3号、食用赤色40号、食用赤色102号、食用赤色104号、食用赤色105号、食用赤色106号、食用緑色3号、食用黄色4号、食用黄色5号、食用青色1号、食用青色2号、三二酸化鉄、二酸化チタン、β−カロテン、リボフラビン、リボフラビン酪酸エステル、リボフラビン5’−リン酸エステルナトリウム、銅クロロフィル、銅クロロフィリンナトリウム、鉄クロロフィリンナトリウム、ノルビキシンカリウム、ノルビキシンナトリウム等が挙げられる。また、天然色素としては、アカネ色素、アナトー色素、アルカネット色素、イモカロテン、ウコン色素、エビ色素、オキアミ色素、オレンジ色素、カカオ色素、カニ色素、カラメル色素、カロブ色素、クサギ色素、クチナシ色素、クロロフィリン、クロロフィル、酵素処理ルチン(抽出物)、ルチン(抽出物)、コウリャン色素、コチニール色素、シアナット色素、シコン色素、シタン色素、スピルリナ色素、タマネギ色素、デュナリエラカロテン、唐辛子色素、トウモロコシ色素、トマト色素、ニンジンカロテン、パーム油カロテン、ビートレッド、ピーナッツ色素、ファフィア色素、ブドウ果皮色素、ペカンナッツ色素、ベニコウジ黄色素、ベニコウジ色素、ベニノキ末色素、ベニバナ赤色素、ベニバナ黄色素、ヘマトコッカス藻色素、マリーゴールド色素、ムラサキイモ色素、ムラサキトウモロコシ色素、ログウッド色素、赤キャベツ色素、アカゴメ色素、アカダイコン色素、アズキ色素、イカスミ色素、ウグイスカグラ色素、ウコン、エルダーベリー色素、オリーブ茶、カウベリー色素、グースベリー色素、クランベリー色素、クロレラ末、ココア、サフラン、サフラン色素、サーモンベリー色素、シソ色素、ストロベリー色素、ダークスイートチェリー色素、チェリー色素、チコリ色素、茶、チンブルベリー色素、デュベリー色素、海苔色素、ハイビスカス色素、麦芽抽出物、ハクルベリー色素、パプリカ粉末、ブドウ果汁色素、ブラックカーラント色素、ブラックベリー色素、プラム色素、ブルーベリー色素、ボイセンベリー色素、ホワートルベリー色素、マルベリー色素、モレロチェリー色素、ラズベリー色素、レッドカーラント色素、ローガンベリー色素等が挙げられる。 香料としては、化合物名では、アセト酢酸エチル、α−アミルシンナムアルデヒド、イソオイゲノールイソ、イソチオシアネート類、γ−ウンデカラクトン、エーテル類、オクタナール、蟻酸ゲラニル、ケイ皮酸エチル、アセトフェノン、アントラニル酸メチル、吉草酸イソアミル、イソチオシアン酸アリル、エステル類、オイゲノール、オクタン酸エチル、蟻酸シトロネリル、ケイ皮酸メチル、ケトン類、ゲラニオール、酢酸ゲラニル、酢酸シンナミル、酢酸ブチル、酢酸リナリル、シトラール、1,8−シネオール、脂肪族高級アルデヒド、シンナムアルデヒド、デカナール、テルピネオール、バニリン、ヒドロキシシトロネラール、フェニル酢酸イソアミル、フルフラール及びその誘導体、プロピオン酸エチル、ヘキサン酸アリル、1−ペリルアルデヒド、芳香族アルコール類、マルトール、dl−メントール、酪酸エチル、ラクトン類、アニスアルデヒド、イオノン、イソ吉草酸エチル、インドール及びその誘導体、エチルバニリン、オクタノール、ギ酸イソアミル、ケイ皮酸、ケトン類、酢酸イソアミル、酢酸シクロヘキシル、酢酸テルピニル、酢酸ベンジル、サリチル酸メチルシクロヘキシル、シトロネラール、脂肪酸類、脂肪族高級炭化水素類、チオエーテル類、デカノール、テルペン系炭化水素類、パラメチルアセトフェノン、ジメチルアセタール、フェノールエーテル類、プロピオン酸、プロピオン酸ベンジル、ヘキサン酸エチル、ベンジルアルコール、芳香族アルデヒド類、N−メチルアントラニル酸メチル、1−メントール酪酸、酪酸シクロヘキシル、リナロオール、酢酸エチル、酢酸シトロネリル、酢酸フェネチル、酢酸−メンチル、プロピオン酸アリル、シトロネロール、脂肪族高級アルコール類、シンナミルアルコール、チオール類、デカン酸エチル、γ−ノナラクトン、ヒドロキシシトロネラール、ピペロナール、フェノール類、プロピオン酸イソアミル、ヘキサン酸、ヘプタン酸エチル、ベンズアルデヒド、d−ボルネオール、酪酸イソアミル、酪酸ブチル等が挙げられる。天然香料としては、ローズ、ジャスミン、ラベンダー、ミモザ、クローブ、ペパーミント、紫蘇、セージ、タイム、ローレル、ユーカリ、シンナモン、カッシア、ジンジャー、ターメリック、オレンジ、レモン、グレープフルーツ、ライム、ベルガモット、バニラ、アニス、ペパー、ナツメグ、コリアンダー、カルダモン、クミン等の植物から抽出した香料である。 以上で述べたように、アラニンは、旨味;酢なれ、塩なれ効果;辛味、エグ味、渋味、収斂味、苦味等の刺激の緩和効果;高甘味度甘味料の味質の改善効果;フレーバー(香り)の増強作用;静菌作用;色素の褪色防止効果;食品の軟化作用;アルコール代謝の促進効果;肝機能改善作用;体脂肪の燃焼効果等を有する。 上記効果は、様々な食品に応用されうる。具体的に、DL−アラニンが添加されうる食品として、浅漬、醤油漬、山菜漬、奈良漬、たくあん、ラッキョウ、梅干し等の各漬け物類やキムチ、さきいか、イカの塩辛、ウニ、イクラ、スジコ、トビッコ、シシャモ、ナマコ、ホタテ、タラコ、明太子、カズノコ、メカブ酢、モズク酢、いかそうめん、しめ鯖、酢蛸、酢昆布、塩吹き昆布、海苔等を原料とした各種の水産加工品類や珍味類(燻製した珍味も含む)、竹輪、蒲鉾、蟹風味蒲鉾、はんぺん、魚肉ソーセージ等の水産練り製品類、焼肉、ハム、ソーセージ、ハンバーグ、ミートボール等の畜肉製品類、玉子焼き、ポテトサラダ、カボチャの煮付け、ホウレンソウの胡麻和え、金平牛蒡、ヒジキの煮物、肉ジャガ等の総菜類、佃煮類、スナック等の菓子類、ケーキ類、たれ類、つゆ類、餡類、味噌類、スープ類、ソース類、醤油類、カスタード、ホワイトクリーム等のクリーム類、マヨネーズ、ドレッシング、麻婆豆腐、杏仁豆腐、ワンタン(皮への添加も含む)、焼き餃子(皮への添加も含む)、水餃子(皮への添加も含む)、シュウマイ(皮への添加も含む)、パン、蒸しパン、蒸しまんじゅう、だんご、桜餅、柏餅等の米粉を原料とする生菓子、アイスクリーム等の冷菓子、うどん、蕎麦、中華麺、そうめん、冷や麦、スパゲティー等の麺類や麺汁、里芋、ジャガイモ、サツマイモ等のイモ類、焼肉等の肉類、天ぷら、エビフライ、イカフライ、牡蠣フライ、魚フライ、カツ、コロッケ、鶏唐揚等のフライ食品(具への添加だけでなく、衣への添加も可能)、ピラフ、炒飯、おにぎり、寿司等の米飯類、乳飲料、プリン等の乳成分含有ゲル状食品、卵製品、グラタン、シチュー、しる粉、ビーフン、たこ焼き、お好み焼き、ピザ、春巻き等が挙げられる。また、これら食品群の冷凍品にもアラニンは配合可能である。さらには、これら食品の製造に使用するミックスパウダーに、アラニンを配合することも可能である。アラニンを配合することができる果汁としては、グースベリー果汁、クランベリー果汁、サーモンベリー果汁、ストロベリー果汁、ダークスイートチェリー果汁、チェリー果汁、チンブルベリー果汁、デュベリー果汁、パイナップル果汁、ハクルベリー果汁、ブドウ果汁、ブラックカーラント果汁、ブラックベリー果汁、プラム果汁、ブルーベリー果汁、ベリー果汁、ボイセンベリー果汁、ホワートルベリー果汁、マルベリー果汁、モレロチェリー果汁、ラズベリー果汁、レッドカーラント果汁、レモン果汁、ローガンベリー果汁等が挙げられる。 以下、本発明の好ましい実施形態について説明する。本発明の一実施形態は、アラニンと、唐辛子または唐辛子抽出物(カプサイシン)とを含む調味料である。アラニンは、前述したように香辛料の辛味を緩和する働きがある。香辛料の中でも、特に唐辛子はアドレナリンの分泌を高めると共に、内臓脂肪を燃焼させる働きがあるとされており、最近、その需要が増加している。唐辛子を利用した調味料の例としては、辣油(ラー油)、豆板醤(トウバンジャン)、辣椒醤(チリソース、ラアジャオジャン)、XO醤(エックスオージャン)、豆鼓醤(トウチジャン)、海鮮醤(カイセンジャン、ハイシェヌジャン)等が挙げられるが、唐辛子由来の辛味や刺激臭が強すぎるため、唐辛子を原料とした調味料が本来持つ旨味やコク味、風味が損なわれてしまう場合もある。そこで、本発明者は鋭意検討した結果、唐辛子を原料とする調味料にアラニンを配合することにより、適度な辛味になると同時に、旨味が増強され、かつ風味、香り、いずれも優れた調味料になることを見出し、本発明を完成させた。本発明は、唐辛子及び/または唐辛子抽出物(カプサイシン)とアラニンを組み合わせることに特徴があり、唐辛子を原料として製造する調味料においては、いずれにも適用でき、特に限定されることは無い。ここでラー油とは餃子のタレ等で使用されるものであり、具体的には、胡麻油等の植物油に唐辛子成分を抽出させたものである。また、豆板醤とは、蒸したソラマメに麹と唐辛子を加えて発酵させた味噌であり、辣椒醤(チリソース、ラアジャオジャン)とはニンニクや米酢を加えて作った唐辛子味噌であり、XO醤とは干し貝柱や干し海老等の食材とニンニク、唐辛子等をブレンドしたものである。豆鼓醤(トウチジャン)とは、大豆や黒豆等の豆類を発酵させてから塩漬けにして干した豆鼓を刻んで唐辛子とニンニクを加えて油漬けにしたものであり、海鮮醤(ハイシェヌジャン)とは、大豆を原料にサツマイモ、唐辛子、ニンニク、胡麻等を加えて製造した味噌であり、ペペロンオイルとはオリーブ油等の植物油に唐辛子成分を抽出させたオイルである。なお、辣油(ラー油)、豆板醤(トウバンジャン)、辣椒醤(チリソース)、XO醤(エックスオージャン)、豆鼓醤(トウチジャン)、海鮮醤(カイセンジャン)、ペッパーソース、ペペロンオイル等の調味料を使用して製造または飲食する食品としては、餃子、麻婆豆腐(マーボー豆腐)、麻婆茄子、回鍋肉(ホイコーロー)、坦坦麺(タンタン麺)、棒棒鶏(バンバンジー)、エビのチリソース、茄子と豚肉の炒め物等が挙げられる。なお、当該調味料におけるアラニンの含有量は、唐辛子または唐辛子抽出物(カプサイシン)に対して、0.1〜1000質量%であることが好ましく、1〜100質量%であることがより好ましい。 また、本発明の他の一実施形態は、アラニンを含む味噌である。当該味噌は、甜麺醤(テンメンジャン)であることが好ましい。甜麺醤(テンメンジャン)とは、小麦粉に麹を加えて発酵させた甘い味噌であり、麻婆豆腐の調理や北京ダックを食する時に欠かせない調味料である。本発明者は、この甜麺醤の風味の改良について鋭意検討した結果、アラニンを配合することにより、甜麺醤の香り、コク味が向上することを見出し、本発明を完成させた。なお、当該味噌におけるアラニンの含有量は、味噌の総量に対して、0.01〜10質量%であることが好ましく、0.1〜3質量%であることがより好ましい。 また、本発明の他の一実施形態は、アラニンを含む液体調味料である。液体調味料の具体例としては、ソース類、たれ類、汁類である。本発明者は、ソース類、たれ類、汁類の風味の改良について鋭意検討した結果、アラニンを配合することにより、ソース類、たれ類、汁類の香り、コク味が向上することを見出し、本発明を完成させた。特に、白胡麻を原料とする芝麻醤(チーマージャン)や、ニンニク、干し海老、エシャロット、ヒラメ、香辛料を原料とするいわゆる沙茶醤(サーチャージャン)や、塩漬けにした牡蠣を発酵、熟成させたオイスターソースの香り、コク味向上に効果的であった。なお、当該液体調味料におけるアラニンの含有量は、液体調味料の総量に対して、0.01〜10質量%であることが好ましく、0.1〜3質量%であることがより好ましい。 また、本発明の他の一実施形態は、アラニンと、鹹水(鹸水)と、小麦粉とから製造される食品である。当該食品の具体的としては、中華麺やワンタンの皮、シュウマイの皮、餃子の皮等が挙げられる。中華麺やワンタンの皮等を製造する際には、その生地のコシを強くし、独特な食感を持たせるために、小麦粉に炭酸ナトリウム等のアルカリ剤(いわゆる鹹水)を添加して製造している。しかしながら、鹹水はアルカリ系の化合物が多く、時にはこれら鹹水由来のエグ味や臭いが製品の味や香り等の風味に悪影響を与えてしまう場合もあった。そこで、本発明者は、鹹水のエグ味や臭いの緩和について鋭意検討した結果、鹹水と共にアラニンを配合することにより、鹹水由来のエグ味や嫌な臭いを低減させ、かつ風味、香り、いずれも優れた中華麺やワンタンの皮になることを見出し、本発明を完成させた。ここで、鹹水に含まれる化合物としては、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、ピロリン酸四カリウム、ピロリン酸二水素二ナトリウム、ピロリン酸四ナトリウム、ポリリン酸カリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸カリウム、メタリン酸ナトリウム、リン酸三カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸三ナトリウムなどが挙げられる。なお、当該食品におけるアラニンの含有量は、食品の総量に対して、0.01〜10質量%であることが好ましく、0.1〜3質量%であることがより好ましい。 また、本発明の他の一実施形態は、アラニンを含む、老酒である。アラニンは、日本では、古くは合成酒のまろみ、コク味、香り付けを目的に配合されていた。そこで、本発明者は、このアラニンの特性が老酒にも応用できないか鋭意検討した結果、老酒にアラニンを添加することにより、老酒のまろみ、コク味、香りのいずれもが向上することを見出し、本発明を完成させた。老酒の具体例としては、元紅酒、加飯酒、善譲酒、香雪酒等が挙げられる。なお、当該老酒におけるアラニンの含有量は、老酒に対して、0.01〜10質量%であることが好ましく、0.1〜3質量%であることがより好ましい。 また、本発明の他の一実施形態は、アラニンを含む杏仁豆腐である。本発明者は、杏仁豆腐の風味の改良について鋭意検討した結果、アラニンを配合することにより、杏仁豆腐の香り、コク味が向上することを見出し、本発明を完成させた。特に、牛乳、生クリーム、ココナッツミルク、コンデンスミルク等を使用した杏仁豆腐に効果的であった。なお、当該杏仁豆腐におけるアラニンの含有量は、杏仁豆腐の総量に対して、0.01〜10質量%であることが好ましく、0.1〜3質量%であることがより好ましい。 また、本発明の他の一実施形態は、アラニンと、茶とを含む茶組成物である。茶の種類は一般的には、その茶葉の発酵度の度合いにより分類されることが多い。不発酵茶であるのが緑茶(リュウチャ)である。燻製した緑茶としては、煎茶、玉露、かぶせ茶、玉緑茶、番茶等の銘柄が知られており、釜炒製した緑茶としては、龍井茶(ロンジンチャ)、黄山毛峰(コウザンモウホウ)碧螺春(ピロチュン)、緑牡丹(リョクボタン)等の銘柄として知られている。弱発酵茶であるのが白茶(パイチャ)である。白茶としては白牡丹(パイムータン)、銀針白毫(ギンシンハクゴウ)等の銘柄が知られている。半発酵茶であるのが青茶(チンチャ)であり、武夷岩茶(ブイガンチャ)、鉄観音茶(テツカンノンチャ)、水仙茶(スイセンチャ)、烏龍茶(ウーロンチャ)、凍頂烏龍(トウチョウウーロン)、白毫烏龍茶(ハクゴーウーロンチャ:別名 東方美人)、色種(シキシュ)、大紅袍(ダイコウホウ)、包種茶(ホウシュチャ)、黄金桂(オウゴンケイ)等の銘柄が知られている。発酵茶としては紅茶であり、祁門(キーモン)、正山小種(ラプサンスーチョン)等の銘柄が知られている。また、後発酵茶には、黄茶(ファンチャ)と黒茶(ヘイチャ)があり、黄茶としては君山銀針(クンサンギンシン)、蒙頂黄芽(モウチョウコウガ)等の銘柄が知られており、黒茶としてはプアール茶、六堡茶(ロッポチャ)等の銘柄が知られている。その他に、茶葉にジャスミンの花等の香りを移した花茶(例えばジャスミン茶)や、麦茶等が挙げられる。 茶類においては、その渋味が強すぎても風味に悪影響を与えてしまう。また、焙煎直後のコク味や香りも直ぐに失われてしまう。そこで、本発明者は、これら茶類の風味改善について鋭意検討した結果、アラニンを配合することにより、茶類の風味が向上することを見出し、本発明を完成させた。なお、後述の実施例は青茶に分類される烏龍茶の場合であるが、緑茶、白茶、紅茶、黄茶、黒茶、ジャスミン茶、麦茶の場合も同じく、アラニンを配合することで、適度な渋味になり、コク味、香りも良い茶となる。なお、当該茶組成物におけるアラニンの含有量は、茶飲料中に0.01〜10質量%であることが好ましく、0.1〜3質量%であることがより好ましい。茶の製造時に使用する乾燥茶葉に対するアラニンの使用量としては、乾燥茶葉に対して0.01〜100質量%であることが好ましく、0.1〜10質量%であることがより好ましい。 また、本発明の他の一実施形態は、アラニンを含む餃子である。本発明者は、餃子の風味(香りとコク味)の改良について鋭意検討した結果、アラニンを配合することにより、餃子の風味が向上することを見出し、本発明を完成させた。アラニンは、餃子の皮、具材のどちらにも入れることが可能である。製造後、生の餃子を直ぐに焼き餃子や水餃子にしても、風味の良い餃子となるが、すぐに加熱調理せず、生の餃子を冷凍保存しておくことも可能である。また、一度加熱調理した餃子を冷凍保存後に電子レンジで再加熱しても、風味に優れた餃子となる。なお、当該餃子におけるアラニンの含有量は、皮に入れる場合は、皮の総量に対して、0.01〜10質量%であることが好ましく、0.1〜3質量%であることがより好ましく;具材に入れる場合は、具材の総量に対して、0.01〜10質量%であることが好ましく、0.1〜3質量%であることがより好ましい。 また、本発明の他の一実施形態は、アラニンを含む焼売(シュウマイ)である。本発明者は、シュウマイの風味(香りとコク味)の改良について鋭意検討した結果、アラニンを配合することにより、シュウマイの風味が向上することを見出し、本発明を完成させた。アラニンは、シュウマイの皮、具材のどちらにも入れることが可能である。製造後、生のシュウマイを直ぐに加熱調理しても、風味の良いシュウマイとなるが、すぐに加熱調理せず、生のシュウマイを冷凍保存しておくことも可能である。また、一度加熱調理したシュウマイを冷凍保存後に電子レンジで再加熱しても、風味に優れたシュウマイとなる。なお、当該シュウマイにおけるアラニンの含有量は、皮に入れる場合は、皮の総量に対して、0.01〜10質量%であることが好ましく、0.1〜3質量%であることがより好ましく;具材に入れる場合は、具材の総量に対して、0.01〜10質量%であることが好ましく、0.1〜3質量%であることがより好ましい。 また、本発明の他の一実施形態は、アラニンを含む雲呑(ワンタン)である。本発明者は、ワンタンの風味(香りとコク味)の改良について鋭意検討した結果、アラニンを配合することにより、ワンタンの風味が向上することを見出し、本発明を完成させた。アラニンは、ワンタンの皮、具材のどちらにも入れることが可能である。製造後、生のワンタンを直ぐに加熱調理しても、風味の良いワンタンとなるが、すぐに加熱調理せず、生のワンタンを冷凍保存しておくことも可能であり、冷凍した場合であっても、風味に優れたワンタンとなる。なお、当該ワンタンにおけるアラニンの含有量は、皮に入れる場合は、皮の総量に対して、0.01〜10質量%であることが好ましく、0.1〜3質量%であることがより好ましく;具材に入れる場合は、具材の総量に対して、0.01〜10質量%であることが好ましく、0.1〜3質量%であることがより好ましい。 また、本発明の他の一実施形態は、アラニンを含む粥である。本発明者は、お粥、特に米を油で塗した米を原料とするお粥(中華粥)の風味(香りとコク味)の改良について鋭意検討した結果、アラニンを配合することにより、中華粥の風味が向上することを見出し、本発明を完成させた。なお、当該粥におけるアラニンの含有量は、米に対して、0.01〜10質量%であることが好ましく、0.1〜3質量%であることがより好ましい。 また、本発明の他の一実施形態は、アラニンを含む中華饅頭である。本発明者は、中華饅頭の風味(香りとコク味)の改良について鋭意検討した結果、アラニンを配合することにより、中華饅頭の風味が向上することを見出し、本発明を完成させた。アラニンは、中華饅頭の皮、具材のどちらにも入れることが可能である。後述の実施例は具材としては、餡(餡饅)の例であるが、肉饅、ピザ饅でも同様に風味が向上した。なお、当該中華饅頭におけるアラニンの含有量は、皮に入れる場合は、皮の総量に対して、0.01〜10質量%であることが好ましく、0.1〜3質量%であることがより好ましく;具材に入れる場合は、具材の総量に対して、0.01〜10質量%であることが好ましく、0.1〜3質量%であることがより好ましい。 また、本発明の他の一実施形態は、アラニンを含む野菜ピューレである。野菜ピューレは、咀嚼に負担がかからないため、最近、介護食として普及している。通常、野菜ピューレは、野菜を洗浄し、切断し、ブランチング工程を経て製造されている。このブランチング工程は、酵素の失活、殺菌等を目的に行われる必要工程であるものの、このブランチングによる加熱処理により、野菜本来の香り、コク味等の風味が損なわれてしまう問題があった。そこで、本発明者は、野菜ピューレの風味の改善を目的に鋭意検討した結果、野菜ピューレにアラニンを配合することにより、香り、コク味が良い野菜ピューレが得られることを見出し、本発明を完成させた。また、アラニンを配合することで、セロリ等の苦味を有する野菜の嫌な味の緩和にも有効であることも確認された。なお、当該野菜ピューレにおけるアラニンの含有量は、野菜ピューレの総量に対して、0.01〜10質量%であることが好ましく、0.1〜3質量%であることがより好ましい。 以上、本発明の好ましい実施形態について説明してきたが、本発明はこれら実施形態例に限定されるものではない。また、当業者であれば、本発明の技術的範囲を逸脱しない範囲内で、上記実施形態に種々の変形または改良を施すことができる。 [実施例1]ラー油 鍋に、刻んだニンニク30g、胡麻油60g、サラダ油30g、市販の唐辛子粉末15g、薄く輪切りにした生の唐辛子5g、刻んだ葱5gを入れ、中火で加熱した。煮だってきたら、弱火にしてさらに7分間加熱した。その後、火を止めて、室温まで冷ました後、これに塩3g、砂糖1g、醤油75ml、アラニン3g(唐辛子粉末に対して、20質量%)を入れてよくかき混ぜ、ラー油を完成させた。その後、このラー油を室温で3日間保管した。 なお、比較対象として、アラニンを添加しなかったことを除いて同様の方法で製造したラー油も準備した。 得られたラー油を用いて、その辛味の程度、旨味、コク味、香り、総合的な風味について官能試験を行った。官能試験は被験者10人で行い、アラニンを添加したラー油と、無添加のラー油とを項目毎に比較し、各回答(三択)の人数を集計することにより行った。結果を表1に示す。 表1の結果によると、アラニンを配合することによりラー油の辛味は軽減し、旨味、コク味、香り、総合的な風味はよくなることが示された。 [実施例2]豆板醤(トウバンジャン) 皮を剥いた蚕豆(ソラマメ)130gを121℃で10分蒸した後、ソラマメをすり潰した。これに、塩20g、種麹10g、赤唐辛子30g、アラニン1g(赤唐辛子に対して、3.3質量%)、市販の無添加生味噌(マルコメ株式会社製)を加えよく混合した。これをラミネート袋に入れて30℃で1ヶ月間熟成し、豆板醤を完成させた。 なお、比較対象として、アラニンを添加しなかったことを除いて同様の方法で製造した豆板醤も準備した。 得られた豆板醤を用いて、その辛味の程度、旨味、コク味、香り、総合的な風味について官能試験を行った。官能試験は被験者14人で行い、アラニンを添加した豆板醤と、無添加の豆板醤とを項目毎に比較し、各回答(三択)の人数を集計することにより行った。結果を表2に示す。 表2の結果によると、アラニンを配合することにより豆板醤の辛味が軽減し、さらに、旨味、コク味、香り、総合的な風味もよくなることが示された。 [実施例3]辣椒醤(チリソース) 剥皮した完熟トマト500gを圧力鍋で10分間蒸し、冷却後に3mm程度に微塵切りにした。次に、赤唐辛子60g、大蒜(ニンニク)50g、玉葱100g、米酢15ml、酒15mlをミキサーにかけた。鍋に、このミキサーしたもの、トマトの微塵切りしたものを入れて、1時間煮詰めた。最後に、塩3g、アラニン6g(赤唐辛子に対して、10質量%)を入れ、チリソースを完成させた。 なお、比較対象として、アラニンを添加しなかったことを除いて同様の方法で製造したチリソースも準備した。 得られたチリソースを用いて、その辛味の程度、旨味、コク味、香り、総合的な風味について、官能試験を行った。官能試験は被験者13人で行い、アラニンを添加したチリソースと、無添加のチリソースとを項目毎に比較し、各回答(三択)の人数を集計することにより行った。結果を表3に示す。 表3の結果によると、アラニンを配合することによりチリソースの辛味が軽減し、さらに、旨味、コク味、香り、総合的な風味もよくなることが示された。 [実施例4]XO醤 金華ハム50g、ニンニク25g、水で戻した干し海老15g、唐辛子30gをミキサーにかけた。微塵切りにした玉葱50gを大豆油30mlで炒めた後、上記のミキサー物と、水で戻した干し貝柱50g、海老の卵(乾物)10gを加え、さらに炒めタ。火を止めて、塩10g、アラニン2g(唐辛子に対して6.7質量%)、市販の無添加味噌(マルコメ株式会社製)30g、砂糖15g,魚醤5mlを加えて、よく混合することによってXO醤を完成させた。その後、得られたXO醤は、瓶詰めにして冷蔵庫に保存した。 比較対象として、アラニンを添加しなかったことを除いて同様の方法で製造したXO醤も準備した。 保存後のXO醤を用いて、その辛味の程度、旨み、コク味、香り、総合的な風味について、官能試験を行った。官能試験は被験者12人で行い、アラニンを添加したXO醤と、無添加のXO醤とを項目毎に比較し、各回答(三択)の人数を集計することにより行った。結果を表4に示す。 表4の結果によると、アラニンを配合することによりXO醤は適度な辛味が軽減し、さらに、旨味、コク味、香り、総合的な風味もよくなることが示された。 [実施例5]ペッパーソース ヘタ(蔕)を除去した生の赤唐辛子100gをすり鉢ですり、ペースト状になってきたら、塩3g、アラニン3g(赤唐辛子に対して、3質量%)を添加し、さらに十分にすった。得られたペースト状の唐辛子を目の粗いザルで漉した。この漉したペースト状の唐辛子に穀物酢50mlを加えてよく混合した後、室温で7週間、発酵熟成させ、ペッパーソースを完成させた。 なお、比較対象として、アラニンを添加しなかったことを除いて同様の方法で製造したペッパーソースも準備した。 得られたペッパーソースを用いて、香り及びコク味について官能試験を行った。官能試験は、14人で行い、アラニン配合のペッパーソースと無添加のペッパーソースとを比較し、各回答(三択)の人数を集計することにより行った。官能試験の結果、14人のうち12人が、アラニンが添加されたペッパーソースの方が、香り及びコク味が良いと回答した。14人のうち、2人は同じであると回答した。 [実施例6]ペペロンオイル ヘタ(蔕)と種を除去した生の唐辛子をフードプロセッサーで粉砕した。この唐辛子粉砕物100g、アラニン10g(赤唐辛子に対して、10質量%)、オリーブオイル1kgをよく混合した後、ぺペロンオイルを完成させた。その後、ぺペロンオイルは冷暗所で約2ヶ月間保存した。 比較対象として、アラニンを添加しなかったことを除いて同様の方法で製造したペペロンオイルも準備した。 保存後のぺペロンオイルを用いて、香り及びコク味について官能試験を行った。官能試験は、16人で行い、アラニン配合のぺペロンオイルと無添加のぺペロンオイルとを比較し、各回答(三択)の人数を集計することにより行った。官能試験の結果、16人のうち15人が、アラニンが添加されたぺペロンオイルの方が、香り及びコク味が良いと回答した。16人のうち、1人は同じであると回答した。 [実施例7]甜麺醤(テンメンジャン) 小麦粉1000g、水500g、アラニン10g、乾燥酵母粉末30gを加え、30℃で発酵させた。次に、これに豆味噌用の種麹0.1g(株式会社ビオック製)を接種し、35℃で1ヶ月間、発酵熟成を行い、甜麺醤を完成させた。得られた甜麺醤中のアラニンの含有量は1.5質量%であった。 なお、比較対象として、アラニンを添加しなかったことを除いては、同様の方法で製造した甜麺醤も準備した。 得られた甜麺醤を用いて、香り及びコク味について官能試験を行った。官能試験は11人で行い、アラニン配合の甜麺醤と無添加の甜麺醤とを比較し、各回答(三択)の人数を集計することにより行った。官能試験の結果、11人のうち10人が、アラニンが添加された甜麺醤の方が、香り及びコク味が良いと回答した。11人のうち、1人は同じであると回答した。 [実施例8]芝麻醤(チーマージャン) 生白胡麻150gを中華鍋で煎った後、すり鉢ですった。このすりおろした胡麻にアラニン3gを加えよく混合した後、予め温めておいた胡麻油150gとよく混合させることによって芝麻醤を完成させた。得られた芝麻醤中のアラニンの含有量は0.98質量%であった。 比較対象として、アラニンを添加しなかったことを除いて同様の方法で製造した芝麻醤も準備した。 得られた芝麻醤を用いて、香り及びコク味について官能試験を行った。官能試験は13人で行い、アラニン配合の芝麻醤と無添加の芝麻醤とを比較し、各回答(三択)の人数を集計することにより行った。官能試験の結果、13人のうち12人が、アラニンが添加された甜麺醤の方が、香り及びコク味が良いと回答した。13人のうち、1人は同じであると回答した。 [実施例9]オイスターソース 新鮮な生牡蠣200g、生のホタテ50gをフードプロセッサーにかけた。このミキサー物に水200gを加え、弱火で30分間煮た後、目の細かいザルで漉してエキスを得た。このエキスを弱火で加熱し、表面に生成する薄い膜を随時取り除きならが、固形状の濃縮エキスとなるまで濃縮した。昆布醤油200mlを70℃に加温した後、この昆布醤油に砂糖15g、味醂30ml、塩2g、魚醤3ml、アラニン3gを加えた。この昆布醤油に固形状の濃縮エキスを入れて溶かし、溶けきらないエキスの不溶物をザルで漉すことによって、オイスターソースを完成させた。得られたオイスターソース中のアラニンの含有量は1.3質量%であった。 なお、比較対象として、アラニンを添加しなかったことを除いて同様の方法で製造したオイスターソースも準備した。 得られたオイスターソースを用いて、香り及びコク味について官能試験を行った。官能試験は15人で行い、アラニン配合のオイスターソースと無添加のオイスターソースとを比較し、各回答(三択)の人数を集計することにより行った。官能試験の結果、15人のうち13人が、アラニンが添加されたオイスターソースの方が、香り及びコク味が良いと回答した。15人のうち、2人は同じであると回答した。 [実施例10]中華麺 小麦粉100質量部、水32質量部、食塩1質量部、鹹粉(炭酸カリウム:炭酸ナトリウム=7:3(質量比))1.2質量部、アラニン1質量部の組成で、製麺機を使用して製麺した。得られた生の中華麺を茹でた後、水洗冷却し、水を切り、中華麺を得た。得られた中華麺中のアラニンの含有量は0.5質量%であった。 なお、比較対象として、アラニンを添加しなかったこと以外は同様の方法で製造した茹で中華麺も準備した。 得られた中華麺を用いて、そのエグ味、臭い、総合的な風味について、官能試験を行った。官能試験は被験者12人で行い、アラニンを添加した中華麺と、無添加の中華麺とを項目毎に比較し、各回答(三択)の人数を集計することにより行った。結果を表5に示す。 表5の結果によると、アラニンが添加された中華麺では、鹹水が原因のエグ味や臭いは軽減され、総合的な風味はよくなることが確認された。なお、本実施例は、茹でた中華麺での試験例であるが、蒸し中華麺の場合でも、アラニンが添加された蒸し中華麺の方がエグ味や臭いは軽減され、総合的な風味はよくなることが確認された。 [実施例11]老酒 紹興酒 陳年三年(浙江紹興大越酒業有限公司製)に対し、0.5質量%のアラニンを添加したものと、添加していないものを準備した。そしてこれらの老酒を用いて、まろみ、コク味、香り、飲みやすさについて、官能試験を行った。官能試験は被験者15人で行い、アラニンを添加した老酒と、無添加の老酒とを項目毎に比較し、各回答(三択)の人数を集計することにより行った。結果を表6に示す。 表6の結果によると、アラニンが添加された老酒は、配合していないものに比べて、まろみ、コク味、香り、飲みやすさのいずれの項目でも優れていることが確認された。なお、本実施例は紹興酒 陳年三年(浙江紹興大越酒業有限公司製)での実施例であるが、特醇花雕酒 三年陳(淅江省粮油食品▲じん▼出口股▲ふん▼有限公司)、紹興花彫酒 陳三年(浙江塔牌紹興酒有限公司)、浮彫上海花彫酒(上海市)、紹興加飯酒カメ(紹興市)、唐宋花彫酒(紹興市)、女児紅(紹興市)、老飯店 紹興花彫酒 陳醸(紹興市)、古越龍山加飯酒カメ(紹興市)、中南海国宴酒(紹興市)、福建老酒(福建省)、古越龍山陳年5年(紹興市)、関帝紹興加飯酒カメ(紹興市)を用いた場合でもアラニンが添加されたものの方が、まろみ、コク味、香り、飲みやすさのいずれの項目でも優れていることが確認された。 [実施例12]杏仁豆腐 鍋に、ココナッツミルク240ml、牛乳180mlを入れて中火で加熱した。これを40℃まで温めた後、予め90mlの水で溶かしておいた粉ゼラチン36g、アラニン5gを入れて、完全にゼラチンを溶かした。その後、漉し器で漉したものをボールに入れ、ボールの底を冷やしながら篦でゆっくり混ぜ、とろみがつきだしたら、四角い容器に流して、冷蔵庫で固め、杏仁豆腐を完成させた。得られた杏仁豆腐中のアラニンの含有量は1.02質量%であった。 なお、比較対象として、アラニンを添加しなかったこと以外は同様の方法で製造した杏仁豆腐も準備した。 得られた杏仁豆腐を用いて、おいしさ、香り、コク味、総合的な風味について、官能試験を行った。官能試験は、17人で行い、アラニン配合の杏仁豆腐と無添加の杏仁豆腐とを比較し、各回答(三択)の人数を集計することにより行った。結果を表7に示す。 表7の結果より、アラニンが添加された杏仁豆腐の方が、おいしさ、香り、コク味、総合的な風味に優れていることが確認された。 [実施例13]烏龍茶 烏龍茶の一種である福健省産の安渓観音茶(商品名)の乾燥茶葉5g、アラニン0.3gを急須に入れ、ここに100gの沸騰水を注いだ。10分後、茶葉を分離し、烏龍茶飲料を得た。烏龍茶が室温まで冷却した後、ペットボトルに入れて、4℃の冷蔵庫で1日保管した。 なお、比較対象として、アラニンを添加しなかったこと以外は同様の方法で製造した烏龍茶も準備した。 これらの烏龍茶を用いて、渋味、香り、飲みやすさについて、官能試験を行った。官能試験は、18人の被験者により行い、アラニンを添加した烏龍茶と、無添加の烏龍茶とを項目毎に比較し、各回答(三択)の人数を集計することにより行った。結果を表8に示す。 表8の結果より、アラニンが添加された烏龍茶の方が、無添加の烏龍茶よりも、渋味がまろやかになるばかりでなく、香り、飲みやすさのいずれの項目でも優れていることが示された。 [実施例14]焼き餃子 強力粉150g、薄力粉50g、胡麻油15ml、塩2.5g、水90ml、アラニン2gで生地を作成し、餃子の皮の一般的な製法に従って餃子の皮を製造した。皮中のアラニンの含有量は0.65質量%であった。具材としては、豚挽き肉150g、キャベツ180g、韮30g、大蒜10g、生姜10g、醤油15ml、胡麻油5g、砂糖5g、酒5ml、片栗粉5g、塩2.5g、胡椒1g、アラニン1gを混合した具材を用いた。具材中のアラニンの含有量は0.49質量%であった。餃子の皮で具材を包み成型し、焼成した後、この餃子を−25℃の冷凍庫で2ヶ月間保存した。 なお、比較対象として、アラニンを添加していない以外は全く同じ方法で製造した餃子も準備しておく。 2ヶ月間保存した冷凍餃子を電子レンジで加熱解凍したものを用いて、風味(香りとコク味)について官能試験を行った。官能試験は、14人の被験者により行い、アラニンを添加した餃子と、無添加の餃子とを比較し、各回答(三択)の人数を集計することにより行った。その結果、14人のうち12人が、アラニンが添加された餃子の方が、風味(香りとコク味)が良いと回答した。14人のうち、2人は同じであるとの回答であった。 [実施例15]水餃子 強力粉100g、薄力粉100g、水100ml、アラニン1gで生地を作成し、餃子の皮の一般的な製法に従って餃子の皮を製造した。皮中のアラニンの含有量は0.33質量%であった。具材としては、豚もも肉150g、白菜150g、干し椎茸10g(水で戻してみじん切り)、韮のみじん切り10g、生姜のすりおろし5g、醤油15ml、塩2.5g、胡椒1g、オイスターソース2.5ml、アラニン1gを混合した具材を用いた。具材中のアラニンの含有量は0.29質量%であった。餃子の皮で具材を包み成型し、沸騰水中に入れて、皮に透明感が出るまで茹でた。 比較対象として、アラニンを添加しなかったことを除いて同様の方法で製造した茹で水餃子も準備した。 これらの水餃子を用いて、風味(香りとコク味)について、官能試験を行った。官能試験は、13人の被験者により行い、アラニンを添加した水餃子と、無添加の水餃子とを項目毎に比較し、各回答(三択)の人数を集計することにより行った。その結果、13人のうち12人が、アラニンが添加された水餃子の方が、風味(香りとコク味)が良いと回答した。13人のうち、1人は同じであるとの回答であった。 [実施例16]シュウマイ 強力粉350g、ぬるま湯250ml、塩5g、アラニン5gで生地を作成し、シュウマイの皮の一般的な製法に従ってシュウマイの皮を製造した。皮中のアラニンの含有量は0.82質量%であった。また、豚挽き肉300g、玉葱80g(みじん切り)、椎茸(みじん切り)10g、片栗粉45g、塩1g、胡椒1g、醤油5ml、砂糖2.5g、胡麻油5ml、生姜(すりおろし)10g、アラニン1gを混合して具材を製造した。具材中のアラニンの含有量は0.22質量%であった。シュウマイの皮で具材を包み、成型し、蒸すことによってシュウマイ完成させた。その後、このシュウマイを−25℃の冷凍庫で保存した。 また、比較対象として、アラニンを添加しなかったことを除いて同様の方法で製造したシュウマイも準備した。 1ヶ月間冷凍保存した後に電子レンジで加熱解凍したシュウマイを用いて、風味(香りとコク味)について、官能試験を行った。官能試験は、17人の被験者により行い、アラニンを添加したシュウマイと、無添加のシュウマイとを項目毎に比較し、各回答(三択)の人数を集計することにより行った。その結果、17人のうち15人が、アラニンが添加されたシュウマイの方が、風味(香りとコク味)が良いと回答した。17人のうち、2人は同じであるとの回答であった。 [実施例17]ワンタン 強力粉250g、薄力粉250g、水200ml、塩5g、アラニン3gで生地を作成し、ワンタンの皮の一般的な製法に従ってワンタンの皮を製造した。皮中のアラニンの含有量は0.42質量%であった。また、豚挽き肉150g、万能ネギ50g、おろし生姜2.5g、塩1g、砂糖2g、胡麻油2ml、醤油5ml、アラニン1gを混合して具材を製造した。具材中のアラニンの含有量は0.47質量%であった。ワンタンの皮で具材を包み、成型し、沸騰水中で茹でることによってワンタンを完成させた。 また、比較対象として、アラニンを添加しなかったことを除いて同様の方法で製造したワンタンも準備した。 これらのワンタンを用いて、風味(香りとコク味)について、官能試験を行った。官能試験は、14人の被験者により行い、アラニンを添加したワンタンと、無添加のワンタンとを項目毎に比較し、各回答(三択)の人数を集計することにより行った。その結果、14人のうち13人が、アラニンが添加されたワンタンの方が、風味(香りとコク味)が良いと回答した。14人のうち、1人は同じであるとの回答であった。 [実施例18]中華粥 米180gを水で洗ってザルにあげ、水を切ってからサラダ油を塗した。鍋に2160mlの水を入れ沸騰させた。沸騰後、サラダ油で塗しておいた米を投入し、再び沸騰したら中火にしてから40分間煮た。その後、これに胡椒1g、塩1g、アラニン1g(米に対して、0.56質量%)を添加し、中華粥を完成させた。 また、比較対象として、アラニンを添加しなかったことを除いて同様の方法で製造した中華粥も準備した。 これらの中華粥を用いて、風味(香りとコク味)について、官能試験を行った。官能試験は、16人の被験者により行い、アラニンを添加した中華粥と、無添加の中華粥とを項目毎に比較し、各回答(三択)の人数を集計することにより行った。その結果、16人のうち14人が、アラニンが添加された中華粥の方が、風味(香りとコク味)が良いと回答した。16人のうち、2人は同じであるとの回答であった。 [実施例19]中華饅頭 ボールに薄力粉300g、砂糖40g、塩1g、ドライイースト5g、ベーキングパウダー10g、スキムミルク15g、アラニン3gを加えよく混合した。次に、ぬるま湯150mlを加え、捏ねた。ある程度生地がまとまったら、サラダ油15mlを加え、さらに捏ねた。表面が滑らかになるまで捏ねたら、霧吹きをした後、ラップをかけて霧吹きをし、30分間1次発酵を行った。生地(皮)中のアラニンの含有量は0.59質量%であった。生地を分割後、生地をめん棒で円形に伸ばし、アラニンを1質量%配合した餡を包んだ。その後、20分間放置した後(2次発酵)、蒸し器で15分間蒸し、中華饅頭を完成させた。 また、比較対象として、アラニンを添加しなかったことを除いて同様の方法で製造した中華饅頭も準備した。 これらの中華饅頭を用いて、風味(香りとコク味)について、官能試験を行った。官能試験は、17人の被験者により行い、アラニンを添加した中華饅頭と、無添加の中華饅頭とを項目毎に比較し、各回答(三択)の人数を集計することにより行った。その結果、17人のうち14人が、アラニンが添加された中華饅頭の方が、風味(香りとコク味)が良いと回答した。17人のうち、3人は同じであるとの回答であった。 [実施例20]野菜ピューレ 刻んだ玉葱100g、セロリ50g、ピーマン50g、人参100g、塩1g、アラニン2g、水100mlを鍋に入れて、蓋をして弱火で20分煮た。次に、皮と芯を除去した完熟トマト50gを入れて、さらに20分煮た。冷却後、これをフードプロセッサーでピューレ状にし、野菜ピューレを完成させた。得られた野菜ピューレ中のアラニンの含有量は0.57質量%であった。 また、比較対象として、アラニンを添加しなかったことを除いて同様の方法で製造した野菜ピューレも準備した。 これらの野菜ピューレを用いて、風味(香りとコク味)について、官能試験を行った。官能試験は、14人の被験者により行い、アラニンを添加した野菜ピューレと、無添加の野菜ピューレとを項目毎に比較し、各回答(三択)の人数を集計することにより行った。その結果、14人のうち13人が、アラニンが添加された野菜ピューレの方が、風味(香りとコク味)が良いと回答した。14人のうち、1人は同じであるとの回答であった。 アラニンと、唐辛子または唐辛子抽出物(カプサイシン)とを含む調味料。 辣油(ラー油)、豆板醤(トウバンジャン)、辣椒醤(ラアジャオジャン、チリソース)、XO醤(エックスオージャン)、豆鼓醤(トウチジャン)、豆鼓辣椒醤、海鮮醤(カイセンジャン、ハイシェヌジャン)、ペッパーソース、及びペペロンオイルからなる群から選択される少なくとも1種である請求項1に記載の調味料。 アラニンを含む味噌。 甜麺醤(テンメンジャン)である請求項3に記載の味噌。 アラニンを含む液体調味料。 芝麻醤(チーマージャン)、沙茶醤(サーチャージャン)、及びオイスターソースからなる群から選択される少なくとも1種である請求項5に記載の液体調味料。 アラニンと、鹹水(鹸水)と、小麦粉とから製造されてなる食品。 前記鹹水が、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、ピロリン酸四カリウム、ピロリン酸二水素二ナトリウム、ピロリン酸四ナトリウム、ポリリン酸カリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸カリウム、メタリン酸ナトリウム、リン酸三カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸三ナトリウムからなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項7の食品。 中華麺である、請求項7または8に記載の食品。 アラニンを含む老酒。 元紅酒、加飯酒、善譲酒、香雪酒からなる群から選択される少なくとも1種の紹興酒である、請求項10に記載の老酒。 アラニンを含む杏仁豆腐。 請求項12に記載の杏仁豆腐の原材料として、牛乳、生クリーム、ココナッツミルク、コンデンスミルクから選ばれる1種以上が使用されている請求項12に記載の杏仁豆腐。 アラニンと、茶とを含む茶組成物。 前記茶が、緑茶(リュウチャ)、白茶(パイチャ)、黄茶(ファンチャ)、青茶(チンチャ)、紅茶(ホンチャ)、黒茶(ヘイチャ)、ジャスミン茶、及び麦茶からなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項14に記載の茶組成物。 アラニンを含む餃子。 アラニンを含む焼売(シュウマイ)。 アラニンを含む雲呑(ワンタン)。 アラニンを含む粥。 アラニンを含む中華饅頭。 アラニンを含む野菜ピューレ。 【課題】食品におけるアラニンの新規な用途を提供する。【解決手段】アラニンを配合することにより、ラー油、豆板醤、辣椒醤、XO醤、ペッパーソース、ペペロンオイル、甜麺醤、芝麻醤、オイスターソース、中華麺、老酒、杏仁豆腐、烏龍茶、ジャスミン茶等の茶類、餃子、焼売、雲呑、中華粥、中華饅頭、野菜ピューレ等の様々な食品の風味(特に香りとコク味)を向上することができる。【選択図】なし


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