タイトル: | 公開特許公報(A)_眼用溶液の保存方法および保存された眼用溶液 |
出願番号: | 2010249884 |
年次: | 2011 |
IPC分類: | A61K 33/14,A61K 31/717,A61K 33/40,A61P 31/10,A61P 27/02,A61K 9/08 |
フ−パオ・ツァオ JP 2011026350 公開特許公報(A) 20110210 2010249884 20101108 眼用溶液の保存方法および保存された眼用溶液 ノバルティス アーゲー 504389991 青山 葆 100062144 山田 卓二 100101454 松谷 道子 100106518 岩崎 光隆 100067035 落合 康 100156144 フ−パオ・ツァオ US 60/350,185 20020118 A61K 33/14 20060101AFI20110114BHJP A61K 31/717 20060101ALI20110114BHJP A61K 33/40 20060101ALI20110114BHJP A61P 31/10 20060101ALI20110114BHJP A61P 27/02 20060101ALI20110114BHJP A61K 9/08 20060101ALI20110114BHJP JPA61K33/14A61K31/717A61K33/40A61P31/10A61P27/02A61K9/08 1 2003559245 20030117 OL 10 4C076 4C086 4C076AA12 4C076BB24 4C076CC31 4C076DD06 4C076DD22 4C076DD23 4C086AA01 4C086AA02 4C086EA21 4C086HA04 4C086HA22 4C086MA03 4C086MA04 4C086MA17 4C086MA58 4C086NA05 4C086ZB32 本発明は、特にカビの増殖、とりわけクラドスポリウムの増殖(Cladosporium growth)に対する、微量の安定化されたペルオキシ化合物(peroxy compounds)およびアルカリ土類金属塩での眼用溶液(ophthalmic solution)の保存方法に関する。 米国特許5,725,887および5,607,698(ともに、出典明示によりそれらの全体が明示的に本明細書に組み込まれているものとする)は、安定化された過酸化水素を用いる眼用溶液の保存方法およびそのようにして保存された組成物を開示し、そして請求している。 今回、安定化された過酸化水素を用いて保存された水溶液の保存効果が、意外にも、その溶液にアルカリ土類金属塩を添加することにより、増加し得ることが発見された。 より詳しくは、本発明は、セルロース誘導体および過酸化水素源(hydrogen peroxide source)を含んでなる水溶性眼用溶液のクラドスポリウムの増殖を抑制する方法であって、クラドスポリウムで汚染された場合、クラドスポリウムが増殖する、セルロース誘導体および過酸化水素源を含んでなる水溶液を提供すること;および有効な量のアルカリ土類金属塩を前記溶液に混和して、前記溶液がクラドスポリウムで汚染された場合に、アルカリ土類金属塩を含有しないこと以外は同一の溶液と比較してクラドスポリウムの増殖をより少なくするアルカリ土類金属含有溶液を得ることを含んでなる方法に関する。 更に、本発明のもう一つの態様は:(a)過酸化水素源(b)セルロース誘導体(c)水;および(d)前記溶液がクラドスポリウムで汚染された場合に、アルカリ土類金属塩を含有しないこと以外は同一の溶液と比較して前記溶液においてより少ないクラドスポリウムの増殖をもたらすように、有効な量のアルカリ土類金属塩を含んでなる眼用溶液に関する。 過酸化水素安定剤で安定化された眼用溶液において、微量のペルオキシ化合物、とりわけ、ジエチレン トリアミン ペンタ(メチレンホスホン酸)(diethylene triamine penta(methylene phosphonic acid)または1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸(1-hydroxyethylidene-1,1-diphosphonic acid)は、眼内環境で使用される眼湿潤溶液(eye wetting solution)、眼潤滑溶液(eye lubricating solution)または眼内用の有効成分を含んでいる溶液の保存剤として利用することができる。眼内用の有効成分を含んでいる溶液は、眼に直接適用するための少なくとも一つの薬効のある成分を含んでいる。本発明による保存剤は、かかる溶液中の活性成分が微量のペルオキシ化合物と適合性(compatible)である限り、いかなる眼用溶液にも使用することができる。過酸化水素源は、水で加水分解されて、過酸化水素を生成する任意のペルオキシ化合物である。結果として有効量の過酸化水素を提供する過酸化水素源の例は、過酸化水素(hydrogen peroxide)、たとえば、過ホウ酸ナトリウム10水和物または4水和物のような過ホウ酸ナトリウム(sodium perborate)、過酸化ナトリウム(sodium peroxide)および過酸化尿素(urea peroxide)を含む。過酢酸、有機ペルオキシ化合物は、本系を利用して、安定化することはできないことがわかった。 過酸化水素源は、好ましくは、約0.045重量%で、より好ましくは、約0.035重量%までそして、もっとも好ましくは約0.028重量%までの有効な量で用いられる。適切な過酸化水素源の量は、たとえば、0.001%から約0.01重量%の、好ましくは、0.001から0.0075%の、より好ましくは0.001%から0.062%の、たとえば、0.001から0.0025%の安定化された保存剤としての過酸化水素を含む水溶液を作成する。本発明によって保存される場合、たいていの化合物は微量の過酸化水素に適合すると信じられている。 眼用溶液において、過酸化水素を用いる特有の有利な点は、微量の過酸化水素は、とりわけ100ppmより少ない場合、一旦眼と接触すると分解されるということである。たとえば、眼の組織に存在するカタラーゼによって、過酸化水素は分解され、水と酸素になるということである。その結果、溶液は適用されると保存剤が存在しない状態となり、そして有害反応が顕著に最小となる。無毒性の化合物に分解できないという他の保存剤に伴う問題点はなくなる。 セルロース誘導体としての例は、カルボキシメチルセルロースおよびその塩、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびメチルセルロースを含むが、これらの例に限定されない。セルロース誘導体は、たとえば、水溶性眼用溶液の約0.1から約1%、好ましくは0.1から0.5重量%の量で使用される。ヒドロキシプロピルメチルセルロースは、とりわけ0.1から0.5%重量%の濃度が好ましい。 水溶性眼用溶液は、眼科用の粘滑剤(demulcent)を含有する溶液または、眼科用の活性剤を含有する溶液であり得る。本明細書で使用される眼科用の活性剤は、眼に局所的に投与された場合に、眼に医薬効果を与える化合物である。次に掲げるものは、本発明の保存剤と適合性があり、排他的でなく、それらに制限されるものでもない、眼科用有効成分および賦形剤の例証である。すなわち、アトロピン、ホマトロピン、シクロペントラート、トロピカミド、ラケシン(lachesine)、ジブトリン(dibutoline)、オキシフェノニウム、ユーカトロピン(eucatropine)、エフェドリン、カルバコール、メタコリン、塩酸ピロカルピン、イソフルロフェート、フィソスチグミン、ネオスチグミン、リグノカイン(lignocaine)、コカイン、アセチルコリンクロリド、アンタゾリンフォスフェート、塩酸ベタキソロール、デメカリウムブロミド、塩酸ジピベフリン、エリスロマイシン、硫酸ゲンタマイシン、臭化水素酸ホマトロピン、イドクスウリジン、イソソルビド、ラノリン、ケトチフェンヒドロジェンフマレート(ketotifen hydrogen fumarate)、塩酸ナファゾリン、硫酸ネオマイシン、フェニラミンマレエート、ポリソルベートゼラチン(Tween)、ピリラミンマレエート(pyrilamine maleate)、臭化水素酸スコポラミン、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、塩酸テトラカイン、オキシメタゾリン、塩酸テトラヒドロゾリン、ジクロフェナクナトリウム、デキストラン、カルテオロール、スルファニルアミド、プロカイン、塩酸プロパラカイン、スルフィゾキサゾールジソラミン、インドメタシン、クロニジン、コリナンチン、アラキドン酸、リノール酸、イノシトールトリホスフェート、イノシトールホスフェート、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルイノシトールホスフェートである。 本発明において使用される眼科用の粘滑剤は、局所的に眼に適用され、粘膜表面を保護し、滑らかにし、乾燥、刺激を和らげる水溶性の試薬を意味し、たとえば、デキストラン70;ゼラチン;グリセリン、ポリエチレングリコール300、ポリエチレングリコール400、ポリソルベート80、およびプロピレングリコールのようなポリオール類;ポリビニルアルコール;およびポビドンである。上記のようなセルロース誘導体もまた粘滑剤として有効である。 本発明に適合する種々のタイプの賦形剤は、ポリソルベートゼラチン(Tween)、デキストラン、ラノリンイノシトールホスフェート、アルキルスルホスクシネート、スルホスクシナメート、アルキルシリコンスルホスクシネート、アルキルポリエーテルカルボキシレート、アルキルアリルポリエトキシルアミン、アルキルアリルスルホネート、α−オレフィンスルフォネート、アルキルスルフェート、アルキルエーテルスルフェート、アルカノールアミド、およびアルカミド、アルキルアムホテリクス、アルキルイミダゾリンに基づくアムホテリクス(amphoterics based on alkyl imidazoline)、ベタイン、アルキルアミノプロピオネート、アルキルイミノジプロピオネート、アルキルアンホグリシネート、アルキルアンホカルボキシグリシネート、アルキルアンホカルボキシプロピネート、アルキルアンホプロピオネート、アルキルアミドプロピルヒドロキシスルタイン、アルキルエーテルヒドロキシプロピルスルタイン、アルキルアンホプロピルスルホネート、第四級アンモニウムポリマー、第四級アンモニウムハライド、ポリアクリルアミド、ポリアクリレート、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、アルキルアルコールエトキシレート、ヒドロキシアルキルセルロース、アルキルアミドプロピルPG−ジモニウムクロリドホスフェート、アルキルアンホPG−グリシネートホスフェート、グリセリルモノアルキレート、ソルビタンアルキレート(Spans)、プルロニックス(Pluronics)、テトロニックス(Tetronics)、アルキル硫酸ナトリウム、ブトキシエトキシ酢酸ナトリウム、ホスフェートエステル、グリコシド、ポリグリコシド、マンニトール、ソルビトール、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、グリロサン、グアーガム、ヒアルロン酸ナトリウム、ポリオキシル40ステアレートおよびポリオキシオルキレンジメチルポリシルオキサン(Polyoxyolkylene dimethylpolysiloxane)を包含するが、これらに限定されない。 しかしながら、ケトンおよびアルコールのような芳香環に結合している非妨害性(non-hindered)ヒドロキシ基を有しているか、メルカプト基、チオエーテル、アセトアミド基またはアルデヒド基を有する化合物群は、概して適合性はないものである。微量の安定化された過酸化水素と適合性のないと考えられる化合物は、ノルアドレナリン、アドレナリン、塩酸フェニレフリン、アメトカイン(amethocaine)、オキシブプロカイン、プロキシメタカイン、クロモリンナトリウム(cromolyn sodium)、塩酸ベノキシネート、クロラムフェニコール、塩酸クロルテトラサイクリン、デキサメタゾン、ジクロロフェナミド、ヨウ化エコチオフェート、酒石酸水素エピネフリン(epinephrine bitartrate)、フルオロメトロン、グラミシジン、ヒドロコルチゾン、メタゾールアミド、ナタマイシン、酢酸プレドニゾロン、スルファセタミド(N1−アセチルスルファニルアミド)、塩酸テトラサイクリンおよびマレイン酸チモロールを含む。 ここで使用される過酸化水素安定剤は、ホスホネート、ホスフェート、スタネートなどを含むいかなる公知のペルオキシ化合物の安定剤をも意味するものである。たとえば、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)(diethylene triamine penta(methylene-phosphonic acid)およびその生理的適合塩(physiologically compatible salt)ならびに1−ヒドロキシエチレン−1,1−ジホスホン酸(1-hydroxyethylene-1,1-diphosphonic acid)およびその生理的適合塩のようなホスホン酸(phosphonic acid)の生理的適合塩もまた用いることができる。本発明の実施に際し、有益なペルオキシ化合物の他の安定剤は、米国特許5,725,887、とりわけ、カラム5の55行からカラム6の34行に開示されている。 上記の安定剤は、本発明が適用される前記のほとんどすべての適用(indications)において使用され得る。しかしながら、溶液がハイドロゲル ソフトコンタクトレンズに接触する場合は、スタネート(stannate)安定剤は、レンズ材料を曇らせる傾向があるので、避けるべきである。 好ましい安定剤としては、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)、1−ヒドロキシエチレン−1,1−ジホスホン酸およびそれらの生理的適合塩をあげることができる。 ペルオキシ安定剤が、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)またはその生理的適合塩である場合は、たとえば、溶液の約0.001%と約0.03重量%の間、たとえば、約0.002%と約0.03%の間または約0.001%と約0.02%の間の量で、特に溶液の約0.006%と0.012重量%の間の量で溶液中に存在することができる。 ペルオキシ安定剤が、1−ヒドロキシエチレン−1,1−ジホスホン酸の場合は、たとえば、溶液の約0.005と約0.2重量%の間の量で存在することができる。 ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)およびその生理的適合塩および1−ヒドロキシエチレン−1,1−ジホスホン酸およびその生理的に許容される塩以外の安定剤は、生理的に許容される量で使用される。 可溶性のアルカリ土類金属塩は、本発明の組成物および方法において、保存溶液の約0.01と0.2重量%の間、たとえば、保存溶液の約0.05と0.1重量%の間の量で使用され得る。マグネシウムおよびカルシウムの水溶性塩がかかるアルカリ土類金属塩である。約0.05%および0.1%のアルカリ土類金属塩を含んでなる保存液が本発明で開示されている。かかるアルカリ土類金属塩を添加すると、低用量の過酸化水素で保存された眼用溶液での抗真菌、保存効果が増し、特に、アルカリ土類金属塩を含有しないこと以外は同一の溶液と比較すると、特にカビの増殖、とりわけクラドスポリウムの増殖が抑制される。 安定化された溶液のpHは、約5.5から約8の間である。安定化過酸化水素溶液のpHは、好ましくは、約6から8の間であり、最も好ましくは、約6.5から7.5の間である。pHは、用いる量において、生理的に許容される適切な量の酸または塩基、たとえば、塩酸および水酸化ナトリウムを導入することによって、所望のように調節することができる。 本発明による保存液には、一つまたはそれ以上の常用の実質的に不活性な生理的に許容される張度向上剤(tonicity enhancing agents)が存在し得る。好適なかかる試薬は、たとえば、マンニトール、ソルビトール、グリセロール、アルカリ金属ハロゲン化物、フォスフェート(phosphates)、燐酸水素塩およびボレート(borates)を含み、たとえば、塩化ナトリウム、燐酸二水素ナトリウム(sodium phosphate monobasic)および燐酸一水素ナトリウム(sodium phosphate dibasic)を含む。このような張度向上剤の機能は、眼に注入される溶液に適切な生理学的張度を保証するか、または上述のように過酸化物の含有量のために眼に接触させる前に希釈が必要である場合に、希釈に伴うこのような張度を保証することを補助することである。 十分な張度向上剤を溶液に存在させることによって、その結果、実質的に等張にするか、または、その中の過酸化水素の分解または希釈の結果生じる溶液が実質的に等張になるように、たとえば、張度において、0.9重量%の塩化ナトリウム溶液に実質的に同等であるようにすることが好ましい。 任意選択される更なる成分としては、増粘剤(thickener)または粘度向上剤(viscosity enhancing agent)がある。これらのカテゴリーで公知の眼科的に許容される物質であれば、いかなるものも使用することができる。代表的な適切な増粘剤としては、たとえば、ポリビニルアルコールがある。増粘剤は、溶液全体の粘度を約1000cpsまで、好ましくは、100cps以下まで上げるのに十分な量までの量であればいかなる量で存在させてもよい。 一般に、本発明の安定化された過酸化水素溶液は、加速条件(accelerated conditions)においてさえ、たとえば、溶液を100℃、24時間加熱しても驚くべきことに安定であるという特徴を有する。したがって、これらの組成物の保存寿命(shelf life)は、向上する。さらに、本発明の組成物は、過酸化水素の分解の後で生理的に許容性されるという特徴を有する。 本発明の溶液製剤は、いかなる常用の方法で製造することが可能である。たとえば、過酸化水素および水以外の成分はすべて、容器に設置することが可能であり、新鮮な、好ましくは濃縮された過酸化水素は、混合しながらそれに添加される。その代わりの方法として、乾燥成分を少量の液体安定剤と調合し、次いで、残りの安定剤を添加し、次に過酸化水素および水の大部分を添加することも可能である。粘度向上剤、すなわち、増粘剤を次に加えるか、または生成した溶液を増粘剤に加えることが可能である。本技術分野における通常の技能を有する人であれば、本発明の溶液を製剤化する方法について多くのバリエーションに気がつくものである。 ペルオキシ活性を“中和”することを望む場合は、任意の既知の手段、たとえば、すすぎ(rinsing)、溶液を白金(platinum)、カタラーゼまたは過酸化水素を分解することが知られている任意の他の物質に接触させることで十分である。更に、生理的に適合する過酸化物の中和剤は、ピルビン酸およびその適当な塩、たとえばナトリウム塩のような還元剤を含む。 次の実施例は、例示の目的のために示されており、本発明の範囲を限定する意図ではなく、本発明にしたがって安定化されるペルオキシ溶液の安定性を示すためである。特記しない限り、部(part)はすべて重量部である。 実施例1 次の組成を有する溶液が、下記の成分を混合することによって調製され、溶液を生成する。0.2% HPMC(ヒドロキシプロピルメチルセルロース、E50LV、ダウ・ケミカルから、USP グレード)0.27% 塩化ナトリウム0.12% 塩化カリウム0.5% ホウ酸0.05% 塩化カルシウム二水和物0.006% ジエチレントリアミン ペンタ(メチレン ホスホン酸)0.028% 過ホウ酸ナトリウム四水和物(sodium perborate tetrahydrate)水 適量で全量(Water QS to the volume)pH=6.8−7.0張度(Tonicity)=220+/−15mOsm/kg 実施例2 次の組成を有する溶液が、下記の成分を混合することによって調製され、溶液を生成する。0.3%HPMC(ヒドロキシプロピルメチルセルロース、E4M、ダウ・ケミカルから、USP グレード)0.225% 塩化ナトリウム0.1% 塩化カルシウム二水和物0.12% 塩化カリウム0.5% ホウ酸0.006% ジエチレントリアミン ペンタ(メチレン ホスホン酸)0.028% 過ホウ酸ナトリウム四水和物(sodium perborate tetrahydrate)水 適量で全量(Water QS to the volume)pH=6.8−7.0張度(Tonicity)=220+/−15mOsm/kg 実施例3次の組成を有する溶液が、下記の成分を混合することによって調製され、溶液を生成する。0.3%HPMC(ヒドロキシプロピルメチルセルロース、E4M、ダウ・ケミカルから、USP グレード)0.263% 塩化ナトリウム0.05% 塩化カルシウム二水和物0.12% 塩化カリウム0.5% ホウ酸0.006% ジエチレントリアミン ペンタ(メチレン ホスホン酸)0.028% 過ホウ酸ナトリウム四水和物(sodium perborate tetrahydrate)pH=6.8−7.0張度(Tonicity)=220+/−15mOsm/kg 実施例4 三つの水溶液が、次の組成で調製される。(1)0.3% ヒドロキシプロピルメチルセルロース、0.3% 塩化ナトリウム、0.5% ホウ酸、0.12% 塩化カリウム、 0.006% ジエチレントリアミン ペンタ(メチレン ホスホン酸)、0.028% 過ホウ酸ナトリウム、pHは、6.986に調整される;(2)0.3% ヒドロキシプロピルメチルセルロース、0.1% 塩化カルシウム二水和物、0.3% 塩化ナトリウム、0.5% ホウ酸、0.12% 塩化カリウム、 0.006% ジエチレントリアミン ペンタ(メチレン ホスホン酸)、0.028% 過ホウ酸ナトリウム、pHは、6.986に調整される;(3)0.3% ヒドロキシプロピルメチルセルロース、0.01% 塩化カルシウム二水和物、0.3% 塩化ナトリウム、0.5% ホウ酸、0.12% 塩化カリウム、 0.006% ジエチレントリアミン ペンタ(メチレン ホスホン酸)、0.028% 過ホウ酸ナトリウム、pHは、6.986に調整される。 5mlの溶液に真菌(fungi)を接種し、接種から10、21および31日後に真菌の存在/増殖をアッセイする。溶液(2)および(3)において、接種と10日目の間で増殖がいくらか存在する。溶液(1)は、すべての時点において真菌コロニー(fungal colonies)の大量の増殖を示す。しかしながら、21日目までには、生存可能な真菌は溶液(2)および(3)からは、回収可能ではなく、また31日目では、生存可能な真菌は、溶液(2)または(3)からは回収可能ではない。したがって、塩化カルシウム二水和物を0.01および0.1%の濃度で添加すると、効果的に真菌の増殖を阻止するが、そうしない場合は、過酸化物で保存された溶液は、真菌の増殖が可能であるであろう。 実施例5 六つの水溶液が、次の組成で調製される。(1)0.3% ヒドロキシプロピルメチルセルロース、0.3% 塩化ナトリウム、0.5% ホウ酸、0.12% 塩化カリウム、 0.006% ジエチレントリアミン ペンタ(メチレン ホスホン酸)、0.028% 過ホウ酸ナトリウム、pHは、7に調整される。(2)0.3% ヒドロキシプロピルメチルセルロース、0.03% 塩化カルシウム二水和物、0.3% 塩化ナトリウム、0.5% ホウ酸、0.12% 塩化カリウム、 0.006% ジエチレントリアミン ペンタ(メチレン ホスホン酸)、0.028% 過ホウ酸ナトリウム、pHは、6.963に調整される。(3)0.3% ヒドロキシプロピルメチルセルロース、0.2% 塩化カルシウム二水和物、0.3% 塩化ナトリウム、0.5% ホウ酸、0.12% 塩化カリウム、 0.006% ジエチレントリアミン ペンタ(メチレン ホスホン酸)、0.028% 過ホウ酸ナトリウム、pHは、6.981に調整される。(4)0.3% ヒドロキシプロピルメチルセルロース、0.1% 塩化カルシウム二水和物、0.3% 塩化ナトリウム、0.5% ホウ酸、0.12% 塩化カリウム、 0.006% ジエチレントリアミン ペンタ(メチレン ホスホン酸)、0.028% 過ホウ酸ナトリウム、pHは、6.94に調整される。(5)0.3% ヒドロキシプロピルメチルセルロース、0.05% 塩化カルシウム二水和物、0.3% 塩化ナトリウム、0.5% ホウ酸、0.12% 塩化カリウム、 0.006% ジエチレントリアミン ペンタ(メチレン ホスホン酸)、0.028% 過ホウ酸ナトリウム、pHは、6.972に調整される。(6)0.3% ヒドロキシプロピルメチルセルロース、0.01% 塩化カルシウム二水和物、0.3% 塩化ナトリウム、0.5% ホウ酸、0.12% 塩化カリウム、 0.006% ジエチレントリアミン ペンタ(メチレン ホスホン酸)、0.028% 過ホウ酸ナトリウム、pHは、7.006に調整される。 接種されたクラドスポリウム エスピー(Cladosporium sp)の増殖が、次の表に示される溶液で観察される。結果は、二つのサンプルの測定からである。この結果、塩化カルシウム二水和物を添加すると、安定化された過酸化水素だけで達成される阻止と比較して、より多くの程度まで真菌の増殖(fungal growth)を阻止することがわかる。 セルロース誘導体および過酸化水素源を含んでなる水溶性眼用溶液においてクラドスポリウムの増殖を抑制する方法であって、クラドスポリウムで汚染された場合、クラドスポリウムが増殖する、セルロース誘導体および過酸化水素源を含んでなる水溶液を提供すること;および有効な量のアルカリ土類金属塩を前記溶液に混和して、前記溶液がクラドスポリウムで汚染された場合に、アルカリ土類金属塩を含有しないこと以外は同一の溶液と比較してクラドスポリウムの増殖をより少なくするアルカリ土類金属含有溶液を得ることを含んでなる方法。 【課題】本発明は、眼用溶液の保存方法および保存された眼用溶液を提供することを目的とする。【解決手段】セルロース誘導体および過酸化水素源を含んでなる水溶性眼用溶液においてクラドスポリウムの増殖を抑制する方法であって、クラドスポリウムで汚染された場合、クラドスポリウムが増殖する、セルロース誘導体および過酸化水素源を含んでなる水溶液を提供すること;および有効な量のアルカリ土類金属塩を前記溶液に混和して、前記溶液がクラドスポリウムで汚染された場合に、アルカリ土類金属塩を含有しないこと以外は同一の溶液と比較してクラドスポリウムの増殖をより少なくするアルカリ土類金属含有溶液を得ることを含んでなる方法を提供することにより上記課題を解決する。【選択図】なし