タイトル: | 公開特許公報(A)_化粧料用顔料及びそれを含有する化粧料 |
出願番号: | 2010247278 |
年次: | 2012 |
IPC分類: | A61K 8/19,A61K 8/29,A61Q 1/12 |
香川 秀治 JP 2012097046 公開特許公報(A) 20120524 2010247278 20101104 化粧料用顔料及びそれを含有する化粧料 大東化成工業株式会社 391015373 井上 勉 100097755 香川 秀治 A61K 8/19 20060101AFI20120420BHJP A61K 8/29 20060101ALI20120420BHJP A61Q 1/12 20060101ALI20120420BHJP JPA61K8/19A61K8/29A61Q1/12 3 OL 10 4C083 4C083AB221 4C083AB232 4C083AB242 4C083AB432 4C083AB442 4C083AC332 4C083AC482 4C083AD152 4C083AD512 4C083BB25 4C083CC12 4C083DD17 4C083EE06 4C083EE07 4C083FF05 本発明は、ファンデーション、アイシャドウ、ほほ紅等のメイクアップ化粧料、又はサンスクリーン化粧料に配合される化粧料用顔料と、その化粧料用顔料を含有する化粧料に関するものである。 従来、ファンデーション、アイシャドウ、ほほ紅等のメイクアップ化粧料、又はサンスクリーン化粧料に撥水性を付与するために、下記一般式(1)にて示されるアルキルシランによって表面被覆処理された顔料を配合することが行われている。 (CnH2n+1)aSi(OCmH2m+1)b ・・・(1) (式中、nは1〜26、mは1〜3の整数である。a,bは1〜3の整数であり、a+b=4である。) しかし、上述のようにアルキルシランによって表面被覆処理された顔料は、炭素数1〜4のアルコールに浸漬後乾燥させることにより、その撥水性が表面処理前の顔料と同等又はやや劣ってしまう場合がある。 このような撥水性の低下を少しでも低減させるために、アルミン酸ソーダ、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム六水塩などによる水酸化アルミニウム処理後に上記一般式(1)にて示されるアルキルシランによる表面処理が行われているが、その効果は十分であるとは言えない。また、水酸化アルミニウムの処理量によっては処理顔料の感触等への悪影響も避けられないという問題点がある。また、タルクのような顔料においては、上記一般式(1)に示されるアルキルシランによって表面処理した場合に、十分な撥水性を有さないという問題点もある。 一方、N−アシル化アミノ酸の顔料への表面処理においては、様々な金属塩の形で処理することが提案されている(特許文献1参照)。また、N−アシル化アミノ酸処理顔料の欠点を改善するために、顔料をN−アシル化アミノ酸で処理後に、有機チタネートで処理した複合処理顔料についても提案されている(特許文献2参照)。 他方では、上記一般式(1)にて示されるオクチルトリエトキシシランの感触を向上させるために、水とアルコールとの混合溶剤にN−ステアロイルグルタミン酸ナトリウム及びオクチルトリエトキシシランを溶解させて表面処理することが提案されている(特許文献3)が、表面被覆処理剤がN−ステアロイルグルタミン酸ナトリウム塩であるために剥離する可能性がある。また、このような複合処理を行っても炭素数1〜4のアルコールに浸漬後乾燥させることにより、撥水性が表面処理前の顔料と同等又はやや劣ってしまう危険性がある。特開平3―200879号公報特開2007−23017号公報特開2009−137907号公報 本発明は、前述のような問題点に鑑みてなされたもので、炭素数1〜4のアルコールへの浸漬乾燥後の撥水性を浸漬前と比較して同等以上に向上させることのできる化粧料用顔料を提供し、併せてその化粧料用顔料を含有する化粧料を提供することを目的とするものである。 本発明者は鋭意検討した結果、顔料表面に水酸化アルミニウム、N−アシル化アミノ酸アルミニウム塩及び下記一般式(1)にて示されるアルキルシランを複合処理することにより、感触に優れ、炭素数1〜4のアルコールに浸漬乾燥後も撥水性を同等以上に向上できることを見出した。 すなわち、第1発明による化粧料用顔料は、 顔料表面を、水酸化アルミニウム、N−アシル化アミノ酸アルミニウム塩及び下記一般式(1)にて示されるアルキルシランで複合処理してなることを特徴とするものである。 (CnH2n+1)aSi(OCmH2m+1)b ・・・(1) (式中、nは1〜26、mは1〜3の整数である。a,bは1〜3の整数であり、a+b=4である。) また、第2発明は、前記第1発明において、前記複合被覆処理後に、炭素数1〜4のアルコール中に浸漬し、乾燥して得られる化粧料用顔料である。 さらに、第3発明による化粧料は、 第1発明又は第2発明による化粧料用顔料を含有してなることを特徴とするものである。 第1発明における複合被覆処理の具体的な手段としては、顔料を塩化アルミニウム六水塩及びN−アシルアミノ酸塩と水中で撹拌混合して中和後、乾燥粉砕を経てミキサー内で有機溶剤存在下で上記一般式(1)にて示されるアルキルシランと混合して複合処理する二重処理方法や、顔料を水中又は有機溶剤混合水溶液中で塩化アルミニウム六水塩、N−アシルアミノ酸塩及び上記一般式(1)にて示されるアルキルシランと撹拌混合して複合処理する方法がある。 本発明による化粧料用顔料によれば、炭素数1〜4のアルコールに浸漬乾燥後の撥水性を、浸漬前と比較して同等以上に向上させることができる。しかも、水酸化アルミニウム、N−アシル化アミノ酸アルミニウム塩及び上記一般式(1)にて示されるアルキルシランと複合処理された顔料は、N−アシル化アミノ酸塩処理の欠点であるきしみ感や塗布時のムラなどの欠点をカバーし、上記一般式(1)にて示されるアルキルシラン処理によって顔料の付着性を向上させることができる。 また、本発明による化粧料用顔料は、N−アシル化アミノ酸塩とアルキルシラン化合物の両方の利点を持ち合わせているので、その化粧料用顔料を含有する化粧料においても、N−アシル化アミノ酸塩とアルキルシラン化合物の両方の利点を持ち合わせることとなる。 次に、本発明による化粧料用顔料及びそれを含有する化粧料の具体的な実施の形態について説明する。 本発明の化粧料用顔料の製造に際しては、前述のとおり塩化アルミニウム六水塩、N−アシルアミノ酸塩と顔料を水中で撹拌混合して中和後、乾燥粉砕を経てヘンシェルミキサーのような混合撹拌機内で有機溶剤存在下で、下記一般式(1)にて示されるアルキルシランと混合して複合処理する二重処理方法や、水中又は有機溶剤混合水溶液中で、塩化アルミニウム六水塩、N−アシルアミノ酸塩及び上記一般式(1)にて示されるアルキルシランを顔料と撹拌混合して複合処理する方法があり、これらのうちのいずれかの方法が選択されて製造される。 (CnH2n+1)aSi(OCmH2m+1)b ・・・(1) (式中、nは1〜26、mは1〜3の整数である。a,bは1〜3の整数であり、a+b=4である。) 塩化アルミニウム六水塩、N−アシル化アミノ酸塩及び上記一般式(1)にて示されるアルキルシランの仕込み配合量は、目的や顔料の種類によって異なるが、0.01〜30質量%の範囲で選択される。この配合量が0.01質量%未満であるとそれらの表面処理効果が得られにくい。一方、30質量%を超えると過剰処理となりベタツキや凝集の原因となる可能性がある。なお、この配合量は、好ましくは0.02〜25質量%の範囲である。 ここで用いられる顔料の例を挙げると、無機粉体としては、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、マイカ、カオリン、セリサイト、白雲母、合成雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、リチア雲母、ケイ酸、無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、ヒドロキシアパタイト、バーミキュライト、ハイジライト、ベントナイト、モンモリロナイト、ヘクトライト、ゼオライト、セラミックスパウダー、第二リン酸カルシウム、アルミナ、水酸化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ボロン、シリカ等がある。 また、有機粉体としては、ポリアミドパウダー、ポリエステルパウダー、ポリエチレンパウダー、ポリプロピレンパウダー、ポリスチレンパウダー、ポリウレタンパウダー、ベンゾグアナミンパウダー、ポリメチルベンゾグアナミンパウダー、ポリテトラフルオロエチレンパウダー、ポリメチルメタクリレートパウダー、セルロース、シルクパウダー、ナイロンパウダー、12ナイロン、6ナイロン、アクリルパウダー、アクリルエラストマー、スチレン・アクリル酸共重合体、ジビニルベンゼン・スチレン共重合体、ビニル樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ケイ素樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネイト樹脂、微結晶繊維粉体、デンプン末、ラウロイルリジン等が挙げられる。 界面活性剤金属塩粉体(金属石鹸)としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ミリスチン酸亜鉛、ミリスチン酸マグネシウム、セチルリン酸亜鉛、セチルリン酸カルシウム、セチルリン酸亜鉛ナトリウム等が挙げられる。 有色顔料としては、酸化鉄、水酸化鉄、チタン酸鉄の無機赤色顔料、γ−酸化鉄等の無機褐色系顔料、黄酸化鉄、黄土等の無機黄色系顔料、黒酸化鉄、カーボンブラック等の無機黒色顔料、マンガンバイオレット、コバルトバイオレット等の無機紫色顔料、水酸化クロム、酸化クロム、酸化コバルト、チタン酸コバルト等の無機緑色顔料、紺青、群青等の無機青色系顔料、微粒子酸化チタン、微粒子酸化セリウム、微粒子酸化亜鉛等の微粒子粉体、タール系色素をレーキ化したもの、天然色素をレーキ化したもの、及びこれらの粉体を複合化した合成樹脂粉体等が挙げられる。 パール顔料としては、酸化チタン被覆雲母、酸化チタン被覆マイカ、オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆タルク、魚鱗箔、酸化チタン被覆着色雲母等;金属粉末顔料としては、アルミニウムパウダー、カッパーパウダー、ステンレスパウダー等から選ばれる粉体が挙げられる。 N−アシル化アミノ酸塩のアシル基としては、ラウリン酸、ステアリン酸、ミリスチン酸、ヤシ油脂肪酸、パーム脂肪酸などの炭素数10〜24の飽和あるいは不飽和脂肪酸が例として挙げられ、アミノ酸としてはアスパラギン酸、グルタミン酸、アルギン酸が例として挙げられ、塩としてはナトリウム及びカリウムが好ましい。 アルキルシランとしては、上記一般式(1)にて示されるアルキルシランが用いられ、テトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、オクタデシルトリエトキシシラン、ヘキサデシルトリエトキシシラン等が挙げられる。 本発明における化粧料用顔料(複合処理顔料)を浸漬させる炭素数1〜4のアルコールは、直鎖状、分岐鎖状どちらの形状であっても構わない。 次に、本発明による化粧料用顔料及びそれを含有する化粧料の実施例を示すが、これらの実施例は本発明の範囲を限定するものではない。(製造実施例1) 撹拌装置付5Lステンレスビーカに水2500gを入れ、続いて酸化チタン500gを投入して十分撹拌分散させた。この水溶液中に、酸化チタンに対して1質量%のN−ステアロイルグルタミン酸ナトリウム、5質量%の塩化アルミニウム六水塩及び2質量%のオクチルトリエトキシシランを投入して数時間撹拌分散させた後、アルカリ溶液により中和を行い水洗濾過した。固形物を水分含量が1%以下になるまで乾燥させ、粉砕を行うことにより良好な撥水性を有する水酸化アルミニウム・N−ステアロイルグルタミン酸アルミニウム塩・オクチルトリエトキシシラン複合処理酸化チタンを得た。 また、酸化チタンの代わりに、セリサイト、タルク、マイカ、赤酸化鉄、黄酸化鉄、黒酸化鉄にそれぞれ変更してそれ以外は同様にして、それぞれの水酸化アルミニウム・N−ステアロイルグルタミン酸アルミニウム塩・オクチルトリエトキシシラン複合処理顔料を得た。(製造実施例2) 製造実施例1において、酸化チタン対して2質量%のN−ステアロイルグルタミン酸ナトリウムに変更した以外は同様にして、水酸化アルミニウム・N−ステアロイルグルタミン酸アルミニウム塩・オクチルトリエトキシシラン複合処理酸化チタンを得た。(製造実施例3) 製造実施例1において酸化チタン対して2質量%のN−ステアロイルグルタミン酸ナトリウム、3質量%のオクチルトリエトキシシランに変更した以外は同様にして、水酸化アルミニウム・N−ステアロイルグルタミン酸アルミニウム塩・オクチルトリエトキシシラン複合処理酸化チタンを得た。(製造実施例4) 製造実施例1において酸化チタン対して3質量%のN−ステアロイルグルタミン酸ナトリウム、1質量%のオクチルトリエトキシシランに変更した以外は同様にして、水酸化アルミニウム・N−ステアロイルグルタミン酸アルミニウム塩・オクチルトリエトキシシラン複合処理酸化チタンを得た。(製造実施例5) 製造実施例1において酸化チタン対して3質量%のN−ステアロイルグルタミン酸ナトリウム、2質量%のオクチルトリエトキシシランに変更した以外は同様にして、水酸化アルミニウム・N−ステアロイルグルタミン酸アルミニウム塩・オクチルトリエトキシシラン複合処理酸化チタンを得た。(製造比較例1) 製造実施例1においてオクチルトリエトキシシランの添加を除き同様にして、水酸化アルミニウム・N−ステアロイルグルタミン酸アルミニウム複合処理酸化チタン、セリサイト、タルク、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄それぞれを得た。しかし、これらは良好な撥水性を有していなかった。(製造比較例2) 製造実施例2においてオクチルトリエトキシシランの添加を除き同様にして、水酸化アルミニウム・N−ステアロイルグルタミン酸アルミニウム複合処理酸化チタン、セリサイト、タルク、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄それぞれを得た。しかし、これらは良好な撥水性を有していなかった。(製造比較例3) 酸化チタン500gに対し2質量%オクチルトリエトキシシランを溶解させたイソプロピルアルコール溶液を、ヘンシェルミキサー内で加熱混合してイソプロピルアルコールを除去し、乾燥後粉砕により酸化チタンに対して2質量%のオクチルトリエトキシシラン処理された酸化チタンを得た。 また、酸化チタンの代わりにセリサイト、タルク、マイカ、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄に変更した以外は同様にしてオクチルトリエトキシシラン処理されたそれぞれの顔料を得た。 次に、上記製造実施例及び製造実施比較例の表面処理酸化チタンを用いてイソプロピルアルコールによる浸漬前後の接触角の値により撥水性の評価を行った。その結果が表1に示されている。なお、イソプロピルアルコール浸漬方法は下記のとおりである。(イソプロピルアルコール浸漬方法) 複合処理酸化チタンを、その10倍質量のイソプロピルアルコールと30分撹拌分散させその後遠心分離を行い、イソプロピルアルコールを除去し乾燥及び粉砕を行う。 表1の結果から、製造比較例3から得られたオクチルトリエトキシシランのみ処理された酸化チタンの接触角はほとんど変化がないのに対して、本発明により得られた複合処理酸化チタンはとイソプロピルアルコールに浸漬後の接触角が向上していることがわかり、撥水性が向上していることは明らかである。 製造実施例1及び製造比較例1で得られた種々の処理顔料における撥水性を評価するため、接触角を表2にまとめた。 表2より、製造実施例1である種々の処理顔料は製造比較例3であるオクチルトリエトキシシランのみで処理された種々の処理顔料に比べ撥水性が向上し、しかもそれらの撥水性は顔料に関係なくどれも同程度であった。特にタルクについては、製造実施例1による処理は撥水性においてオクチルトリエトキシシランのみで処理された製造比較例3に比較して顕著に向上していることが明らかである。 製造実施例及び製造比較例で得られた複合処理顔料について、ソフト感、伸び感及び付着性を評価した。その評価結果が表3にまとめられている。なお、評価方法及び評価基準は下記のとおりである。(評価方法) ソフト感、伸び感及び付着性について実際に複合処理顔料を人肌に塗布して感応評価した。(評価基準) ◎:大変良い ○:良い △:やや劣る ×:劣る 表3より、製造実施例1〜5で得られる複合処理顔料は、製造比較例1〜3にあるようなN−ステアロイルグルタミン酸アルミニウム塩と水酸化アルミニウム処理やオクチルトリエトキシランのみ処理された顔料の両方の良い点を有していることがわかる。 次に、製造実施例及び製造比較例で得られる表面処理顔料を化粧料に配合した実施例(配合実施例)について説明する。(配合実施例1) 製造実施例1でそれぞれ得られたで複合処理顔料を用いて以下の配合にてパウダーファンデーションを調製した。 まず、パウダーベースを以下の配合にて調製した。 <パウダーベース配合> 表面処理セリサイト 60.0 表面処理酸化チタン 10.0 表面処理タルク 27.0 表面処理黄酸化鉄 2.0 表面処理赤酸化鉄 0.6 表面処理黒酸化鉄 0.3 メチルパラベン 0.1 合計100.0 次にバインダーベースを以下の配合で調製した。 <バインダーベース配合> ジメチルポリシロキサン(6CS) 30.0 ジメチルポリシロキサン(10000CS) 25.0 精製ラノリン 9.0 エステル油 36.0 合計100.0 前記パウダーベース及びバインダーベースをそれぞれ88%及び12%になるようにミキサーで混合しパウダーファンデーションを得た。(配合実施例2) 製造実施例1でそれぞれ得られたで複合処理顔料を用いて以下の配合にてパウダーファンデーションを調製した。まず、パウダーベースを以下の配合にて調製した。 <パウダーベース配合> 表面処理セリサイト 30.0 表面処理酸化チタン 10.0 表面処理タルク 57.0 表面処理黄酸化鉄 2.0 表面処理赤酸化鉄 0.6 表面処理黒酸化鉄 0.3 メチルパラベン 0.1 合計100.0 次にバインダーベースを以下の配合で調製した。 <バインダーベース配合> ジメチルポリシロキサン(6CS) 30.0 ジメチルポリシロキサン(10000CS) 25.0 精製ラノリン 9.0 エステル油 36.0 合計100.0 前記パウダーベース及びバインダーベースをそれぞれ88%及び12%になるようにミキサーで混合しパウダーファンデーションを得た。(配合比較例1) 製造比較例3で得られた顔料を用いて配合実施例1と同様の配合及び工程でパウダーファンデーションを調製した。(配合比較例2) 製造比較例3で得られた顔料を用いて配合実施例2と同様の配合及び工程でパウダーファンデーションを調製した。 次に、上記の配合実施例1、配合実施例2、配合比較例1及び配合比較例2で得られたパウダーファンデーションを4段階で評価した。その評価結果が表4にまとめられている。なお、評価基準は以下のとおりである。(評価基準) ◎:大変良い ○:良い △:やや劣る ×:劣る 表4から、配合実施例1,2の水酸化アルミニウム・N−ステアロイルグルタミン酸アルミニウム塩・オクチルトリエトキシシランで複合処理された顔料からなるパウダーファンデーションは、オクチルトリエトキシシランのみ処理された顔料からなるパウダーファンデーションと比較して特に撥水性及び塗布時の付着性及び展伸性(伸び)において向上していることがわかる。 本発明の化粧料用顔料は、炭素数1〜4のアルコールに浸漬乾燥後の撥水性を、浸漬前と比較して同等以上に向上させることができるので、産業上の利用価値が極めて高く、特にメイクアップ化粧料、又はサンスクリーン化粧料に用いて好適である。 顔料表面を、水酸化アルミニウム、N−アシル化アミノ酸アルミニウム塩及び下記一般式(1)にて示されるアルキルシランで複合被覆処理してなることを特徴とする化粧料用顔料。 (CnH2n+1)aSi(OCmH2m+1)b ・・・(1) (式中、nは1〜26、mは1〜3の整数である。a,bは1〜3の整数であり、a+b=4である。) 前記複合被覆処理後に、炭素数1〜4のアルコール中に浸漬し、乾燥して得られる請求項1に記載の化粧料用顔料。 請求項1又は2に記載の化粧料用顔料を含有してなることを特徴とする化粧料。 【課題】炭素数1〜4のアルコールへの浸漬乾燥後の撥水性を浸漬前と比較して同等以上に向上させることのできる化粧料用顔料を提供し、併せてその化粧料用顔料を含有する化粧料を提供する。【解決手段】顔料表面を、水酸化アルミニウム、N−アシル化アミノ酸アルミニウム塩及び下記一般式(1)にて示されるアルキルシランで複合被覆処理する。 (CnH2n+1)aSi(OCmH2m+1)b ・・・(1) (式中、nは1〜26、mは1〜3の整数である。a,bは1〜3の整数であり、a+b=4である。)【選択図】なし